【卓球場】野村美月作品エロパロ2冊目【文学少女】
0001名無しさん@ピンキー2009/05/05(火) 02:07:38ID:6jdFagIb
野村美月作品のエロパロ小説スレです

前スレの流れを見ると、文学少女ONLYな気もしますが、それはそれで。

以下、注意事項
◆エロパロスレなので18歳未満の方は速やかにスレを閉じてください。
◆ネタバレはライトノベル板のローカルルールに準じて発売日翌日の0時から。
◆480KBに近づいたら、次スレの準備を。
◆すきなカップリングが無くても泣かない。自分で書け。

エロパロ&文章創作板ガイド
http://www9.atwiki.jp/eroparo/

前スレ
【卓球場】野村美月作品エロパロ【文学少女】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181240042/
0003名無しさん@ピンキー2009/05/05(火) 07:14:02ID:XbbU4wgF
新刊記念に一発。いつものヤツを



「やっぱり、バーベキューは人数が多いと楽しいね。
 今日は芥川くんも来てくれてうれしいよ」

「いつも忙しくてすまんな、井上」

「忙しいからって、ちゃんと彼女もかまってあげないとダメですよぉ〜、芥川先輩」

「ちょっと!?彼女って誰のことよ?一詩がそう言ったの?」

「いや、オレはなにも言ってないが…」

「え?そうかなぁ、と思ってぇ〜。でも芥川先輩、マジメな話ですけど、
 幸せはちゃんと捕まえておかないと、ななせ先輩みたいに寂しい思いをしますよ」

「はっ!?竹田、何言ってんの?」

「琴吹さん、まだ彼氏いないんすか?そんなに美人なのに。
 なんならオレとかどうっすか?」

「な、なんで櫻井なんかと」

「まあまあ、竹田さんも流人くんも、そんな風に言わないで…」

「流くんはあたしの彼氏だからダメですよぉ、ななせ先輩」

「だ、だから櫻井なんかと付き合うわけないでしょ!」

「そうだ!芥川先輩。心葉先輩とかななせ先輩みたいにボケっとしてる人たちは
 ほおっておいて、今度あたしたちとダブルデートしませんか?」

「お。それいいね。さすがちぃだ。どうっすか?美羽さん」

「あら、いいじゃない。じゃあ、あたしとコノハも混ぜてもらって
 トリプルデートってことにしましょうよ」

「「「「え?」」」」

「すまん、竹田。どうやらオレは行けそうにない」

がんばれ、芥川くん。

あと、ななせもがんばれ。
0005ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/05(火) 15:22:33ID:nzLP6OVz
本編を読了したんで書いてみた。
本スレでも色々な意見が出ていますが、個人的にはななせが良かったので、心葉×ななせでIFとして。

ホワイトデーの朝、ぼくは家を出た。まだ少し冷たい早春の風を肌に感じながら、住宅地を抜け、大通りを進んでゆく。
今日は遠子先輩の卒業式で、そして、琴吹さんとの約束の日。
待ち合わせ場所に、琴吹さんが立っているのが見えた。

あの日を思い出す。
琴吹さんと映画を見終わった後、うちに来て、両親に琴吹さんをぼくの彼女だって、紹介すると約束したのに、ぼくは流人くんの電話でデートをすっぽかし、遠子先輩を追って僕は岩手に行った。
そして、遠子先輩とひとときを過ごし、帰って来たぼくは芥川君の家で、琴吹さんと美羽に頬を叩かれた。

目をうるませながら、それでも歯を食いしばり涙を流さずにぼくの目を見ながら、
「井上、あたし嫉妬深いって、言ったよね」
そう、言い。ぼくの頬を叩いた。
美羽にも頬を叩かれた。
「コノハって、女の子を傷つける名人ね」
「琴吹さんね、一回も泣かなかったのよ」

芥川君の家から帰ると際、琴吹さんはぼくにかわいらしいピンクの手袋をぼくに渡してくれた。
そして、この先もあたしとつきあいたいなら、証拠を見せてと。

美羽、ぼくが昔好きだった子。ぼくが追い込み、壊してしまった子。その美羽に言われた言葉。
琴吹さん、ぼくの彼女。美羽のぼくへの復讐に巻き込まれながら、必死に立ち向かいぼくを守ろうとしてくれた子、遠子先輩の事で、流人君に乱暴されかけたりもした。
そんな事があったのに、ぼくの事を好きだと言ってくれた子。その琴吹さんに言われた言葉。
それから、ぼくらは話していなかった。目を合わせることも。しかし、それでも琴吹さんはぼくを気遣ってくれた。

琴吹さんは、制服の上に白いPコートを羽織り、鞄を抱えてうつむいている。
「・・・・ななせ・・・・」
そっと、呼びかけると、ぴくりと肩を揺らした。そして、うつむいたまま
「・・・・も、・・・・もう一回」
「え!?」
「もう一回、言って!!・・・もう一回、・・・ななせ。って、言って」
「・・・・ななせ」
琴吹さんは顔を上げると、涙を流しながらぼくに抱きついてきた。

その日、ぼくらは学校へは行かずにぼくの家に来た。

家には誰もいなかった。
「・・・ただいま」
「お、おじゃまします・・・」
ぼくと琴吹さんの声は玄関にこだます。
靴を脱いで、ぼくの部屋に向かう。その間、ぼくと琴吹さんは手を繋いでいた。
琴吹さんの細くきれいな手はとても冷たかった。
だれもいない家は静寂な空気に支配されていた。
ふたりの足音が響き渡る。
ぼくの部屋のドアを開け、先に琴吹さんを招き入れる。2度目の招待。
「お茶、入れてくるね」
そう、言いぼくは部屋を出ようとする。
「い、・・・・井上、待って」
ふいに、琴吹さんはぼくを呼ぶ、部屋を出ようしていたぼくが振り返るとと琴吹さんが抱きついてきた。
少しだけ開いていたドアが大きな音を立ててしまる。
「・・・ばか、・・・・ば、か・・・・、ばかばかばかばかばかばかばかばかばか、井上のばか」
琴吹さんはぼくに抱きつきながら、涙を流す。琴吹さんとぼくしかいない部屋は琴吹さんのすすり泣く声しか聞こえない、
その言葉に、その涙に、そして、ふれあう事で初めて気づく琴吹さんの強い鼓動にぼくの胸をうつ。
ぼくの事を一人の人間として見てくれ、ぼくの事を必死に守ってくれ、どんなにひどい目に遭おうとも、いつまでもぼくと一緒にいてくれると言ってくれた。
そんな琴吹さんに対して、何をいったらいいのか、ぼくには分からなかったら。
あやまる事もできなかった。だから、ただ、ぼくは琴吹さんの体を強く抱きしめた。
<多分続く>
0006ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/05(火) 15:23:35ID:nzLP6OVz
エロまで辿りつきませんorz
ちなみにシーンはホワイトデーの朝なんで、本編から少し文書を頂いてみたり。
0007ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/06(水) 01:19:38ID:GM4Gh9GQ
エロシーンが書けないんですが。
なんで、勢いで書いたラブコメチックな話で。ちなみに、今書いてある話とは別話です。いや、設定が色々

二人とも遅刻をしそうだった。
昨日、琴吹さんはぼくの家に泊まった。
両親が親戚の家に行く用事があり、妹の舞花はまだ幼いということで、両親が連れて行った。
それを琴吹さんにいったら、泊まりに来ると言い。昨日は二人で過ごした。

そして、起きたらかなりの寝坊だった。
朝食を作る時間なんてなかった、だけど、お母さんが作ってくれた作り置きのご飯があったので、それを食べた。
丁度二人分。さすが、ぼくのお母さん。琴吹さんが泊まりに来ることはばれていたらしい。
急いで、ご飯を食べ、食器を洗面台に置くと、制服を着て、二人とも家を出た。

琴吹さんは、寝癖がなおらないと涙を浮かべながら、走る。
「ななせも泣き虫だね」
ぼくが軽口をいうと、真っ赤な顔でぼくをにらむ。
「あたし、井上と違って、めそめそしないもん」
「え、でも、いま泣いてるよ。それに」
ぼくはにこりと笑う。
「それにって何よ!」
「だって、昨日の夜だって」
「!!!」
琴吹さんは真っ赤な顔になる。
「い、井上のバカ、知らないんだから」
そういうと、ぼくを追い抜いて行ってしまう。そんな琴吹さんをみながらぼくは楽しくて仕方なかった。
一瞬、琴吹さんの服装に違和感を覚える。
けど、時間がなかったぼくはすぐにそれを忘れ、先に行ってしまった琴吹さんを追いかけた。

結局、ぼくと琴吹さんは学校の昇降口まで追いかけっこをするはめになってしまった。
息を切らしながら、教室に入ると、芥川君がぼくらを見て。
「井上、琴吹、おはよー」
芥川君はいつもの顔でぼくらに挨拶をする。
「芥川君おはよー」
「おはよ、芥川」
二人で挨拶すると、横から、森さんが琴吹さんに話しかける。
「あれー、どうしたの二人して」
「え、森ちゃん、なに!?」
琴吹さんが森さんに答える。
「もー、朝から息なんか切らしちゃって、二人ともなにしてたの」
森さん、それ親父発言ですから、ぼくは嘆息する。
芥川君も一瞬、顔をしかめる。ぼくと目を合わすと同情する。みたいな顔を向けてくれた。
だけど、琴吹さんは違った。
「な、なに言ってるよ」
琴吹さんは顔を真っ赤にしながら、森さんに詰め寄る。
琴吹さん、それ、森さんの術中にはまっているからさ。
ぼくは、森さんに詰めよる琴吹さんをおいて、自分の席に着く。
「あ、そうだ、芥川君数学の」
「あれ、ななせ、リボンはどうしたの」
ぼくが芥川君に数学の宿題を見せて貰おうと、話しかけた時、森さんが、琴吹さんの制服をさして言う。確かにいつも制服に付けているリボンが今日はついていない。朝、ぼくが違和感をもったのはそれだったのか。
琴吹さんも森さんに言われた事に気づく。そして、
「あ、朝急いで着替えたから、井上の家に忘れてきた!!」
その瞬間、朝の騒がしいクラスの中は一瞬、ほんの一瞬だけど静寂に包まれた。そして、
「「「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」」」
恐らく、芥川君をのぞくすべてのクラスメイトの絶叫が見事にこだます。
クラスメイトの絶叫が収束すると、自分のいった言葉の重大性に気づいた琴吹さんは
「あ、あーーーーーーーーー」
顔を真っ赤にして叫んだ。
その時、琴吹さんに詰め寄られた森さんは笑みを浮かべていた。
「あの人策士だ」
ぼくがポツリと呟くと芥川君が肩を叩いてくれた。
0008ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/06(水) 01:26:16ID:GM4Gh9GQ
>>5の続き書き進めているんですが、エロシーン難しいんですが、
てか、女の子の初体験なんてわかるかーーーー!!
淫乱女性つれてこーい、そっちならきっと(違
まあ、他の人のを見ながら、書き進めています。

しかし、誰もいませんね。って、見てる人いないのかなー。
いたら、感想ください。

ちなみに>>7のラブコメ風の駄文は前スレであった、教室で寝ぼけた二人が元ネタです。
サブタイトルは親は何でも知っているだったり。
0009名無しさん@ピンキー2009/05/06(水) 02:06:41ID:KoMpNj6v
まぁ内容以前の問題として書き手としてはあまり宜しくない態度(ぶつ切り投下、過剰な自己主張etc)だと思うよ
0010ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/06(水) 02:24:27ID:GM4Gh9GQ
>>9
すいません。
エロパロ書き方読みながら反省してました。

えっと、今量をため込んでます。
次は、最後まで書いてから出すつもりなんで。
自己主張強いですか、すいません、自重します。
0011名無しさん@ピンキー2009/05/06(水) 09:49:06ID:gLRC0TzW
まあまあ。
過疎ってたとこに作家さんが戻ってきてくれただけでも、ええじゃないか。
どんな文章でも味わうのが遠子スピリットってことで。
0012ID:EZB7pqo/2009/05/06(水) 09:52:40ID:KkLXMzMN
前スレで心葉×ななせのバカ話書いてたものです。
ドタバタ調の話が大好きなので、応援してます。

エロ話も期待してます。
本当に難しいです。エロ話。
0013ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 21:56:55ID:zA1+nBeh
遅くなってすいません。
>>5の続きを投下します。
少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
0014ななせ×心葉 No.2 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 21:57:57ID:zA1+nBeh
どれくらい時間が過ぎただろう。
琴吹さんのすすり泣く声は聞こえなくなり、琴吹さんの吐息がぼくの耳をくすぐる。鼓動はトクン、トクンと、先程とは違いゆっくりとしている。
「・・・ねえ、井上」
「うん?どうしたの・・・ななせ」
ぼくの言葉に琴吹さんの耳は赤くなる。そして、鼓動がまた激しくうつ。
「・・・あ、あたし・・・・、も、もう一つ、もう一つ・・・、お願いがあるの。そ・・・、そしたら・・・・井上の事・・・・し、信じるからさ」
抱き合ったままぼくと琴吹さんは目を合わす。
真っ赤になった琴吹さんの目。ぼくは何度、琴吹さんを泣かしたんだろう。
「・・・・、だ、だめかな」
いつも強気な目は、今は自信なさげな目をしていた。
「そんな事は無いよ。・・・お願いって何?」
「うん・・・」
琴吹さんは一度下を向くとぼそりと言った。
「・・・・心葉って、呼んで言い」
そう言った瞬間、琴吹さんの耳、頬、首筋が真っ赤になる。
「うん、いいよ」
「・・・コ、心葉・・・」
「なあに、ななせ」
「・・・・キ、・・・ス・・し、して」
「・・・え?」
「だ、だから、キスして。女の子に、い、言わせないでよ。こ、心葉のばかばかばかばか」
顔を真っ赤にする琴吹さん、ぼくは、そんな琴吹さんが愛おしくなり、唇にぼくの唇を這わせる。
一瞬、琴吹さんの目が大きくなり、体がけいれんをする。すぐに、けいれんは治まりまぶたがゆっくりと閉じていく。
それは一分だったか、それとも一時間だったか、ぼくの耳には琴吹さんの鼓動しか聞こえなかった。
キスをやめたとき、琴吹さんは、溶けかけのゼリーの様にとろりとした瞳をしていた。
「・・・・心葉、あ、・・・・あたし、心葉の事が・・・・、す、すごく、すごく・・・・、大好き!!」
「ぼくも、ぼくもななせの事が、すごくすごく大好きだよ!」
琴吹さんは初めて笑顔を見せてくれた。ぼくが何度も泣かした子、ぼくの事で何度も泣いてくれた子。
こんな子が側に居てくれたのにぼくは・・・。ぼくは・・・・。
治まらない衝撃がぼくの体を貫く。そして、ぼくらはまたキスをした。
琴吹さんの柔らかい唇が心地よかった。
唇をはなすと、琴吹さんは笑顔で
「・・・・は、初めては心葉と、って、決めていたんだ。」
そして、下を向いてしまった。
「ぼくの初めてがななせで良かったよ」

琴吹さんとぼくはベットに腰を下ろす。
そこで、再びキスをする。
琴吹さんはぼくの顔を、ぼくは琴吹さんの体に手を添える。
二人の唇はお互いを押し付けあい、やがて、お互いの唇の中で舌と舌を絡め合う。
なんども、なんどもお互いの存在を確かめ合うように唇を這わせ、舌を絡め合う。舌は軟体動物のようにお互いの口内を犯しあい、そして、なんども互いを求めるように絡みつく、その間ピチャピチャと淫靡な音が部屋のなかに響き合う。
キスをしたのは初めてだった、美羽にはなんどか頬にキスをされた事はあったけど、お互いの唇を這わせてのキスは初めてだった。
そして、キスがこんなに心地よく、気持ちの良いものとは知らなかった、ただお互いの舌を絡めて、お互いの口内を確かめ合うだけのに、それだえで、頭がボンヤリと心地よくなっていく。そして、琴吹さんも目はとろりとして、贅沢なゼリーみたいになってきた。
体中が火照り、なんだが、自分が自分じゃ無くなってきた。
何度かのお互いの口内の犯しあいをしたと、ふと、琴吹さんが立ち上がり、Pコートを脱ぐ、外は寒いといえ、部屋の中は二人分の体温で暖かい、Pコートに隠れていブラウスには薄ら汗が滲んでいる。
それをぼくは見上げる。
琴吹さんはブラウスのリボンに手をかける。
布こすれ合う音がして、リボンがカーペットの上に落ちる。
ぼくは立ち上がり、琴吹さんを抱き寄せ、ボタンに手をかける。
「いい?」
呼びかけに琴吹さんはただ、コクリと頷いた。
琴吹さんにキスをしながら、再び互いの舌を絡めある。
そうしながらも、ぼくの手は琴吹さんのブラウスのボタンを一つ、一つ、外していく。そして、最後のボタンを外し終えると、ゆっくりとブラウスを脱がしていく、途中で重力に抗わずにすとんとブラウスはカーペットの上に落ちる。
そして、スカートに手をかけようとした時、琴吹さんがぼくの手をつかむ。手にはじっとりと汗をかいている。キスをやめ、琴吹さんの顔を覗き込む。
「あ、あたしだけ・・・・は、裸に・・・・・ずるい」
そういって下を向いてしまった。
「ゴメンね」
そういって、ぼくは自分の服を脱ぎだした。
0015ななせ×心葉 No.3 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 21:58:40ID:zA1+nBeh
そして、ぼくが自分のズボンを脱いだ時、既に琴吹さんはベットの中にいた、恥ずかしそうに毛布をかぶりぼくの方を見ない。
そんな琴吹さんに愛おしさを感じながら、ぼくは琴吹さんの待つベットに入る。
ベットの中、お互い下着しか付けていない。ふと、脇にきちんと畳まれた制服が見える。それを見てぼくは、女の子だな。と、思い、クスリと苦笑を浮かべる。
「コ、心葉、ど、どうしたの」
「うん?なんでも無いよ」
ぼくは再び笑みを浮かべる。
「う、うそ。は、白状しなさいよ」
ふとんの端を握りしめ、琴吹さんはぼくの目を覗き込む。なんだか、お菓子をねだる女の子みたいでかわいい。だけど、毛布の隙間からは細い肩と、白いブラジャーが、表情とはアンバランスに色めかしい。
「教えて欲しい」
「・・・う・・・うん。」
琴吹さんは再び、自信なさげに目を浮かべる。いつも強きな琴吹さんの本当の姿は今の姿なのかも知れない。ぼくは琴吹さんを抱き寄せ、
「ななせが、かわいいな。って思ったんだよ」
そして、頬にキスをする。
「ば、・・・ばか」
琴吹さんはぼくの胸に顔を埋める。ぼくは琴吹さんの体を抱きながら一時を過ごす。服の上からとは違った感触がぼくの体全体を通して感じられる。柔らかい体の感触、すべすべした肌、下着を通して、感じる二つのふくらみ。それに気づいたぼくの体の一部が疼く。
「あ・・・・」
お互い、半裸で抱き合っている為、琴吹さんもぼくの体の変化に気づく。
「コ、心葉。あ、・・・・あの、・・・・その」
首筋から、胸まで赤くしながら、恥ずかしそうにぼくの顔を見上げる。だけど、たぶんぼくの顔も同じく真っ赤になっているはず。
これ以上琴吹さんに恥ずかしい思いはさせてはダメだと思いながら、赤い顔の琴吹さんがとても愛おしかった。
だから、悪戯心が芽生えてしまった。
「どうしたのななせ」
自分でも驚くほど冷静な声が響く。それを聞いた琴吹さんは、目をうるませる。
「・・・・ばか」
顔を再びぼくの胸に埋める。
「ごめんね。ななせ。顔を見せて」
ぼくは琴吹さんに微笑みかけ、ゆっくりと手を琴吹さんの背中にまわす。
「こ、心葉・・・・」
何をされるのか分かったのか、琴吹さんは恥ずかしそうにぼくを見つめる。琴吹さんのブラジャーに手をかける。
抱き合う形ブラジャーの留め具に手をかけている為、お互いの体温がふれ合う。その間、琴吹さんは胸の前に手をかけている。
2度目の試行の後、ブラジャーの留め具が外れる。だけど、琴吹さんが胸の前に手をかけカップを押さえている為、ブラジャーは外れない。
「ブ、ブラジャー外すのうまいね」
「そう?」
顔を赤らめながら、口を尖らす琴吹さん。その顔をみてぼくは、クスリと笑みを漏らす。
「ブラジャーを外すのは初めてだよ」
そうつぶやく。そして、首筋に唇を這わす。
「・・・あ、あん・・・、ちょ、ちょっと、コ、あ、ああぅ・・・、コ、心葉」
いきなりの事に抗議の声を上げる琴吹さん。
「どうしたのななせ」 
ぼくは琴吹さんの瞳を見つめる。
「あ、・・・・え、え・・・・っと。や、優しくして」
「うん、・・・・あ、でも。・・・・いいの」
「・・・・え!?」
「その、ぼくなんかがななせの・・・・、その」
さっきまでの余裕は何処へやら、ぼくは多分真っ赤な顔で琴吹さんの顔を見る。だけど、目をみる事ができなかった。
「・・・・ばか」
「え・・・・」
琴吹さんが呟く。
「は、初めては心葉とって、・・・あたし、さ、さっき言ったでしょう。ふ、服を脱がしといて・・・・ほ、ほんと、心葉は女の子の気持ち分かってないんだから」
「ゴメン」
ツンと尖らせて唇
「だ、だけど、うれしいよ」
「え!?」
「それだけあたしの事を思ってくれてるんだって、すごく・・・・幸せな気分。」
「ななせ・・・・」
「ねえ、心葉・・・・、あたしの事を愛して」
ぼくは頷く代わりに琴吹さんの唇に唇を這わせる。琴吹さんはゆっくり目を閉じていく。そして、ブラジャーのカップを押さえていた手を外す。支えるものが無くなったブラジャーをぼくはゆっくりと外す。
途端に甘い香りがした。そこには白い肌に、二つのふくらみがあった。ふくらみの頂上にはピンク色の小さな実がある。
ぼくは、右手で琴吹さんの右側のふくらみに触れ、そして、乳首を中指と人差し指でつまむ。堅さのある乳首と弾力のあるふくらみはアンバランスながら、心地よかった。強く揉んだり、優しく揉んだりを繰り返す。
0016ななせ×心葉 No.4 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 21:59:20ID:zA1+nBeh
「・・・・あ・・・・ああん、」
琴吹さんの口からイヤラシイ声が紡がれる。
ピンク色の小さな実を転がすように触れながら、柔らかな胸を優しく揉む。
何度も繰り返しながら、時折、乳首を口に含む舌先で優しくつついたり、嘗めたり、吸ったりを繰り返す。
「な、なめちゃ・・・・だ・・・ああ・・・くぅ・・・・・ああーーーん・・・ふ、ふにゃ〜ん!」
その度に漏れる琴吹さんのイヤラシイ声はまるで楽器の様だった。
「あ・・・・、あ、ひ・・・や・・・・ん」
左胸は口に含んでいない乳首は左手で揉み、親指と薬指でいじめる。
「や・・・やぁん、・・・・あ、あん・・・くぅん〜〜!」
何度も何度も、子供が与えられた玩具を弄るように琴吹さんの乳首と乳房を弄ぶ。
「んん・・・っ・・・あ、・・・・あっ・・・あーーーふぁーーん・・・・ふぅん・・・・」
その間、琴吹さんの口から紡がれる声に耳を傾ける。
繰り返せば繰り返すほど、琴吹さんの乳首は最初よりも堅さをまし、色も鮮やかな紅色になっている。
乳房も鮮やかな薄紅色になり、熱を帯びていく。
ふと、琴吹さんをみると、ぼくの方をみながら、とろりとした瞳をしている。焦点は定まらず、ただ虚空を見ているようでもある。

ブラジャーを外した時よりもさらに、甘い香りがしてくる。その出所が何処なのかを探るようにぼくは、一度、唇を乳首から離し、琴吹さんの唇に持って行く。その間も乳首、乳房を弄ぶ事は続ける。
そして、互いの唇を押し付け合い、舌を絡め合う。ただ、さっきとは違い、快感に実を委ねているためか、琴吹さんの舌はぼくの舌になすがままに、ただ嬲られている。
「はぁ・・・ああ・・・・ふ・・・ふにゅあーーーん」
琴吹さんのショーツに手をかける。白色にピンクのワンポイントをあしらったかわいらしいショーツ。
そして、ゆっくりとショーツの上をなぞっていく。そのたびにビクビクと、琴吹さんは反応をする。
ゆっくりと下に下に手を下ろしていく、しっとりとした湿り気に気づく。
琴吹さんの顔を見ると、焦点があっていなかった瞳は、焦点を取り戻し、おびえた小動物のような目をしていた、そして、羞恥心で死んじゃいそうな表情を浮かべている。
「大丈夫だよ」
ぼくはゆっくりと、ショーツをずらす。
そこには細くうすい毛がほんの少しだけ生えていた。細くうすい毛の陰には薄いピンク色のクレパスがあった。そして、クレパスからは先ほど感じた甘い、甘い香りが漂ってくる。
「ななせの・・・・きれいだ」
「な・・・・なに・・・いって・・・・」
待ち望んでいた香りに出会えたぼくは、クレパスにキスをする。
「やぁ・・・・・ん、い、いきなり・・・・」
琴吹さんが驚いている隙にショーツをおろし、カーペットの上に落とす。
生まれままの琴吹さん、そしてその中心のクレパスにそれを見ているだけで、ぼくの中の何かがうごめく。
真っ赤な顔には恥じらいと怯え、不安そうな目には涙も浮かぶ。ぼくはそんな琴吹さんを見ながら、再び甘い香りのするクレパスに顔を埋める。
ぴちゃ。
「ひゃーーんっ」
そっと、嘗めただけなのに媚声を紡ぐ琴吹さん。
クレパスからはトロトロとイヤラシイ蜜があふれ出してくる。そして、甘いに香りも強くなる。蜜を嘗めるとほんのり暖かい。
「そ・・・、そんなの、な・・・嘗めちゃダメなんだっ・・・ひゃっん」
ぴちゃり。琴吹さんの抗議の声はクレパスを嘗められると媚声にかわる。
何度も何度も、クレパスを嘗め、そこからあふれ出る暖かい蜜をなめる。
「あっ!・・・・っく・・・うぅ〜〜あぁ〜っ!」
そのたびに、零れ出る媚声。クレパスの奥からは際限なく出てくる甘い香りの蜜。
クチュリ・・・ちゅる〜、
「ふぅ。ああーん」
舌をクレパスの中に侵入させる。
「あ・・・っん!、そ、そんな事・・・」
琴吹さんのクレパスに顔を埋めていると、琴吹さんの細く白い太ももがぼくの顔を挟み込む。柔らかく、すべすべした肌が心地よかった。
だけど、その間も琴吹さんのクレパスを嘗め続ける。やさしく嘗めたり、指でいじったり・・・。その度に、琴吹さんは、
「はぁ、・・・、あ、あっ!」
「あっ!、ふああ!、あっ!はぁ〜〜ん!」
と声を上げる。
そのうち、とろりとした瞳に、ぽわーんとした表情を浮かべる琴吹さん。ぼくはそれを見ていて我慢ができなくなってきた。
「ななせ」
「・・・な、なあに・・・・心葉」
「・・・・入れて・・・・良い?」
「え・・・・」
「ぼ・・・・ぼくの・・・・が・・・・げ・・・限界・・・・」
ぼくの目を見ながら、琴吹さんはこくりと頷いた。
0017ななせ×心葉 No.5 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 22:01:50ID:zA1+nBeh
甘い香りは淫靡な匂いに変わっていた。
いつも、ぼくが寝起きをするベットの上に、琴吹さんが横になっている。
衣類は何も着けていない。
そっと、琴吹さんのクレパスをさわる。
「あ・・・・」
琴吹さんの媚声をあげる。手にはとろとろの嫌らしい蜜がついている。それをぼくは自分のモノに擦りつける。
それをみた、琴吹さんは恥ずかしそうに顔を背ける。
「ななせ、・・・いくよ」
琴吹さんは再びぼくの方をみて、一度だけ頷いた。
ぼくのモノを琴吹さんのクレパスの入り口に当てる、くちゅり、と、イヤラシイ音がなる。
ゆっくりと、ゆっくりと、ぼくのモノを琴吹さんのクレパスへ埋もれていく。さっき愛撫したクレパスからは際限なくイヤラシイ蜜があふれてくる。
だけど、それでも中はきつかった。クレパスの中は堅く閉じられた壁と壁。それをぼくのモノで押し開いていく。
「あ・・・、んん・・・!・・・ん・・・」
苦しそうに、必死に耐える琴吹さん。、
「んん、っ・・・・コ、こ・・・心葉・・・」
琴吹さんの閉じた目から涙があふれてくる。
「ななせ・・・、痛いよね。少し休もう」
そう、言いぼくは琴吹さんのクレパスから半分ぐらいまで入った自分のモノを抜こうとする。だけど、琴吹さんは
「こ、心葉・・・・そ、そのまま。ぬ、抜いちゃ・・・・ダメ・・・・」
「でも、ななせ・・・・痛いんでしょう。ぼくがななせの事を苦しめてるでしょう」
「そ、そんなことない!!」
つよい口調で琴吹さんは答える。そして、
「あ、あたし、コ、心葉と一緒になりたい、そ・・・・、そ、それにこんな・・・・、い、痛みなんて、ず、ずっと一人で・・・・居た時の・・・・寂しさに・・・比べたらなんでもないよ!!」
すごく痛いのだろう、涙をいっぱい浮かべ、それでもぼくに語りかける。
「い、今の痛みだって、こ、心葉が、一緒に・・・・居てくれるなら・・・・、耐えられるよ・・・・、だ、だから、心葉・・・・あ、あたしのこと・・・・・・愛して」
「・・・ななせ・・・・」
「心葉・・・・あたしは心葉と一緒になりたい・・・・、だから・・・・心配しない・・・で」
目からは涙がながれながらも、笑顔を浮かべる琴吹さん。
ぼくはそんな、健気な琴吹さんを見ながら、コクリと頷く。そして、琴吹さんのからだ被さりながら、抱きしめる
「ななせ」
「・・・・こ、心葉」
お互いを呼び合いあいながら、ぼくは自分のモノを琴吹さんのクレパスへと埋もれさせていく。
そのたびに、琴吹さんの苦痛で顔をゆがめる、だけど、涙も声も出さない。ただ、目を閉じ両手でシーツを握りしめている。
全部を入れる頃には琴吹さんのクレパスからは紅い、初めての証がイヤラシイ蜜と混ざりあいながら流れていた。
ぼくはななせに覆い被さる、そして、ななせと何度目かのキスをした。
「ななせ」
「はー、・・・はぁーー、・・・・うん・・・・うれしい」
ぼくのモノはちぎれそうに圧迫感がある。だけど、そんな事よりも琴吹さんと一つになれたことがこの上なくうれしかった。
「こ、心葉の熱い・・・・」
ぼくの耳元で琴吹さんが呟く、額には汗が浮かび、目からは涙を流しながら、精一杯の笑顔を見せてくれる。
「心葉、・・・・動いて。あ、あたしのこと・・・・、もっと、愛して」
「う・・・ん、だけど、ななせ。苦しかったら我慢しないで」
「・・・・ありがと、心葉。でもね、・・・あ、あたし、すごく、・・・・すごく、うれしい」
ゆっくり、ゆっくりと腰を動かす。
「はー、・・・・ああ・・・はぁ、はぁっ・・・く・・・」
0018ななせ×心葉 No.6 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 22:02:38ID:zA1+nBeh
少しずつだけど、琴吹さんのクレパスは壁と壁の圧力を弱めていく。そして、その隙間に琴吹さんの蜜がゆっくりと入り込んでいく。
「こ、心葉・・・、あ、・・・・、あたし・・・、ふ、ふぁん・・・・あーーーー」
ぬちゃ。ちゅーる、ぬちゃ。
「・・・あ、・・はぁっ・・・はぁー・・・・」
琴吹さんの口からいやらしい声が、クレパスから淫靡な音が、響いてくる
「あ、あん。くぅ・・・、ふぅ〜な、ああ、・・な、なんか・・・、なんか・・・」
ただ、痛みに耐えていた琴吹さんの顔にとろりとした瞳が映りだす。
「あ、あたし・・・・な・・・なんか・・・・はぁっ・・・あぁんーー、あんっーーーー!」
「な、ななせの中、すごく、・・・はぁあ、はあ、き、気持ちいよ」
「あ、あたしもへ、変なの・・・・変なのがくるよ・・・あんっあっ〜〜っ、な、なんか、・・・・こ・・・心葉・・・・・」
ぼくが打ち付ける毎に、琴吹さんの媚声は大きくなっていく。
「ふぁっ!!・・・・あ、あん、あっん・・・ふーーああ〜〜〜んーー、す、すごく、あ、あっ、ふあーーーぁーーー・・・!」
「ななせ、ぼ、ぼく、も、もう・・・」
「あん、あんっ!ふぁあ〜〜〜〜〜!あ、あああっっぁーーー!」
何度も何度も琴吹さんの腰を打ち付ける。その度にぼくの快感は増していき。
「き、来て・・・・こ、心葉ぁーーー、あ、あたしも・・・もう・・・き。来てーーーー」
ぼくは思い切り腰を琴吹さんに打ち付ける。ぼくのモノが琴吹さんの最奥に届いたとき、琴吹さんクレパスは壁と壁でぼくのモノを締め付ける。
その、瞬間ぼくのモノから何かがあふれ出る。
「な、ななせーーー」
「あ、あーー、あついよーーー、こ、心葉のがーーーーーーー!!・・・・・・・・・・」
ぼくは力尽き、琴吹さんにゆっくりと倒れ込んだ・・・。
「はぁー、はぁーーー、・・・・・あ、あ、あたしの中、こ、心葉のあついのが・・・・い、いっぱい・・・・・、いっぱい。ひろがってくーーー。」
琴吹さんの声を聞きながら、頭の中が真っ白になった。

音はお互いの吐息だけだった。それと、胸を通して琴吹さんの鼓動が響いてくる。どくん、どくん。と、
「・・・、ななせ、ゴメンね、重いよね。今、どくね」
ぼくは体を起こそうと、腕に力を入れる。すると、その腕を琴吹さんの手が掴み。
「こ、心葉。このままでいて。・・・もっと、心葉を感じていたいの・・・」
ぼくの中で何かがはじけた。そして、再びぼくは琴吹さんの体に倒れ込んだ。


夕方。

畳んでいた服を着ると、琴吹さんは携帯電話を開く。
「森ちゃんからメールだ」
ぼくも自分の携帯電話を開く。
芥川君からメールが入っていた。
内容はただ一言『すまん。』と。
ふと、琴吹さんの方を見る、後ろ姿からも分かる様に首筋と耳が真っ赤になっている。
そーっと、琴吹さんに後ろに近づき、肩に顔を乗せる。
「ひゃん!!」
琴吹さんが飛び跳ねる。ぼくは携帯電話を持った琴吹さんの手をつかむ。
「ちょ、ちょっと、心葉、み、見ちゃダメ。ダメなんだから。」
そこには森さんからのメールが書いてあった。
『女の子なんだから、ちゃんとしなきゃダメだよ!!』
・・・・・、えーと、森さんあなたは何者ですか。ぼくはふと朝の事を思い出す。琴吹さんとぼくの家に向かう途中、お互い、友達にメールをした。
琴吹さんは森さんに、ぼくは芥川君に。
そして、芥川君からのメールを思い出す。
『すまん。』その一言だけ。

ああ、同じ時間にメールを打ったからか、そして、ぼくが芥川君に送ったメールを森さんがどうにかしてみて。
ぼくは琴吹さんの腕を握りながら、次に会った時に森さんに何を言われるのかを想像しながら、琴吹さんを抱えてベットに倒れ込んだ。
その間も琴吹さんは真っ赤な顔で抗議の声を上げる。
「ち、ちょっと、心葉。あ、服皺できちゃ・・・・」
ぼくは琴吹さんを後ろから抱き直して耳元に囁いた。
「ななせ、愛してる」
「ば、・・・・ばかぁ・・・・」
0019ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/08(金) 22:04:07ID:zA1+nBeh
以上です。
サブタイトルは『ばか』です。
ぶつ切り投下になってしまいすいません。
長くなってすいません。
ID:EZB7pqo/さんが仰ってるようにエロ話難しいです。
0020名無しさん@ピンキー2009/05/08(金) 22:30:16ID:/yhX4Jhg
GJ!!

すばらしくエロですね。
イメージ的に心葉が男らしくないもんで、エロは難しいと思います。
すばらしい仕事っぷり。
シャッポ脱ぎます。
0021ID:EZB7pqo/2009/05/09(土) 20:42:39ID:XhFCRzG0
GJです!

初々しくエロい!素晴らしい!
森ちゃんの扱いもいいですね!本編でもっと絡んでほしいキャラでした。
0022ななせ×心葉 ◆Pqih97Kbb2 2009/05/10(日) 15:55:11ID:259rNxmF
すいません、色々立て込んでいましたので、返事が遅くなりました。
励ましてくれた人、ありがとうございます。
また、感想ありがとうございます。
あと、もっとこうしろや!!って、意見お待ちしています。


>>イメージ的に心葉が男らしくないもんで、エロは難しいと思います。
それだっ!!!
0023名無しさん@ピンキー2009/05/12(火) 00:00:20ID:78pBFxmw
文学少女の続編にコノハにベタ惚れな後輩が出てきた。

日坂菜乃(ひのさかなの)。

新しいネタにしてやってくださいw
0026名無しさん@ピンキー2009/05/23(土) 21:20:38ID:nPI8XFnJ
保守
0027名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:37:52ID:qkAiELlT
投下

注意
・保守代わりの駄SS
・キャラ崩壊
・エロ薄
・美羽様注意報
0028名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:39:32ID:qkAiELlT
「ちょっ…ダメよ、コノハ」
ベッドに組み敷かれたあたしは、両手を押さえられていて抵抗できない。
「ごめん、美羽…もう我慢できない…」
コノハがソレをあたしの腿の間に近付けてくる…!
「そんな…せ、せめて先にキsんぁっ…あぁぁっ、コノハっ」
瞬間、頭の中が真っ白になり

「コノハあぁぁっ…あ、あれ?」
あたしは自分のベッドで目を覚ましたのだった
0029名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:41:42ID:qkAiELlT
「…最悪」
今朝見た夢は思い返すのも忌々しかった。
あの後あたしはシャワーを浴び髪を整え、自分では気に入っているワンピースに身を包み、コノハとの待ち合わせ場所であるバス停前にやって来ていた。

どうしてあんな夢を見たのだろう。
確かに今日は久しぶりにコノハと二人で出掛ける。
行き先は劇場でまああたかも恋人同士がデートをするようなシチュエーションではある。
しかしコノハとあたしとはもう…。それにそもそも、コノハとあたしの関係は昔から言わば犬と主人で、あbスしの方に常に試蜩ア権があったbフだ。
だから、コノハがあたしを攻めるようなシチュエーションは絶対に有り得ない。
それなのにあんな夢を見るなんて…
0030名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:43:34ID:qkAiELlT
「あたしがコノハにされるがままで…あれじゃ、まるであたしの方が下みたいじゃない…」
呟きが口から漏れてしまったのにはっとして、周りをキョロキョロと見回す。
辺りに人はまばらで、どうやらあたしの独り言は誰にも聞こえなかったようだ。ほっと息をし両脇の松葉杖を掴み直したとき、道路の向こうから男の子がこちらに向かって手を振っているのが見えた。ドキン、と不意に胸が鳴った。
あたしが手を振り返す代わりに笑顔を作ってやると、男の子も笑顔を返し、横断歩道を渡ってこちらに駆けてきた。
「ごめんね美羽、待った?」
「30分待ったわ。あたしを待たせるなんてコノハも偉くなったものね。」
あたしがすねた素振りを見せると、駆け寄ってきた男の子─コノハはごめん、と申し訳なさそうに謝った。コノハのしゅんとした姿がおかしくて
「いいわ、許してあげる」
あたしは笑顔を返すのだった。
0031名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:47:18ID:qkAiELlT
コノハを連れてバスで移動する。
コノハの隣に座っているのを意識すると何故かむず痒かったので、あたしは別のことを考えようと、今日の外出の目的を反芻することにした。
最近コノハが部長を務める文芸部に新入生が入部したらしい。
しかもその入部動機がコノハに惚れたからだそうで、しつこくコノハにアタックを繰り返しているというのだ。
その新入生─日坂菜乃の容姿は私も確認したが、平凡極まりないちんまりした女の子で、間違ってもコノハが好きになるようなタイプではないと思われた。
あたしはそれで安心していたのだが、先日さる方面から新しい情報が入り、その考えを見直すことになった。
校内でコノハが日坂菜乃の下着姿を見てしまうというハプニングがあり、そのときコノハが明らかに動揺していたというのだ。
何故そんなハプニングに至ったのかにも興味がないわけではないのだが、重要なのは日坂菜乃の下着姿を見たコノハが動揺─たぶん興奮していたという点だ。
0032名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:49:37ID:qkAiELlT
もしかしたら、日坂菜乃という女の身体付きはコノハにとって非常に好みだったりするのではないか?
情報の主は、コノハが以前天野(─今、コノハの心を捉えている憎らしい女)の下着姿を見たこともあり、そのときは平然としていたということも教えてくれた。
このことがあたしにある疑念をもたらしたのだ。
コノハはもしかして本当はロリっぽい肢体に惹かれるのかもしれない、と。
そういえば、コノハがあたしに夢中になっていた頃のあたしの胸もぺったん…いやいやいや。
コノハは女の子を容姿で選んだりはしない、とは思う。
でも万が一日坂菜乃がコノハを体で誘惑して、うっかりコノハが落ちちゃって、二人の恋が始まっちゃって、なんていう事態になったら。
…面白くない。何だか非常に面白くない。
だから早急に手を打つことにした。
0033名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:52:03ID:qkAiELlT
丁度よく、日坂菜乃が友人達とある市民グループ主催の音楽会へ行くという情報を掴んだ。
あたしは早速コノハに連絡をとり、あたしがその音楽会へ行くのにコノハが付き添うように言った。
そう、今日あたしはこれからコノハと二人で音楽会へ行き、会場に来ているであろう日坂菜乃に、あたしとコノハが休日にデートを楽しむ、さも仲の良いカップルであるかのように思わせるのだ。
今コノハのすぐ側にあたしという彼j…女の子がいることを見せ付けて敗北感を味あわせて、コノハに付き纏おうとする気を奪ってやる。
難点は会場内にいる日坂菜乃が私達の姿を見付けられるかどうかだが、この音楽会は例年人気がなく客があまりいないことまで調べがついている。
日坂菜乃と会場で遭遇するのは容易だろう。
私は自分の策に笑みを浮かべていた。
会場に着くまでは。
0034名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:54:38ID:qkAiELlT
「何よ、これ?」
会場を埋めつくす人、人、人の群れ。
「今年は新進気鋭のゲストがこの音楽会に参加するらしくって、注目されてるらしいよ。なんでもそのゲスト、僕たちの街に特別な想い入れがあるんだって」
コノハがパンフレットを捲りながら説明するが、あたしの耳にはあまり届いていない。
完全に誤算だ。この観客の多さでは、日坂菜乃があたし達を見掛ける確率はだいぶ低いだろう。
一体どうしたものか…
「美羽?」
「ひゃぅっ?!」
不意にコノハがあたしの首元に手を置いたので、あたしは驚いて変な声をあげてしまった。
「中に入らないの?」
コノハがあたしの顔を覗きこんでくる。
顔が近い!あたしは思わずどぎまぎしてしまって
「今行こうと思ってたところよっ!」
大声を張り上げてしまったのだった。
0035名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 06:58:37ID:qkAiELlT
音楽会の演目はほとんどが平凡な出来映えだったのだけれど、ゲストの独唱だけは別格だった。
独唱が始まった瞬間、会場内の空気が明らかに変わった。
天をつき抜けるかのようなそのソプラノは、親友との離別をテーマにした詩を、鬼気迫る勢いで唄いあげていた。
慟哭、嘆き、そして微かな祈りがまるであたしの胸を直に穿とうとしているようで、得体の知れない痛みが呼び起こされそうになる。
たまらずあたしは舞台から目を反らした。
と、その先にコノハの顔が見え、あたしは思わず息を呑んだ。
コノハは泣いているような、痛みに耐えているような、いわく言い難い表情をしていて…あたしは震えていたコノハの手をそっと握ったのだった。
0036名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:01:53ID:qkAiELlT
結局日坂菜乃に遭遇することもなく音楽会は終わり、あたしとコノハは会場を後にした。
本来の目的は果たせなかったが、
「ちょっと感動しちゃったよ、今日は誘ってくれてありがとう、美羽」
というコノハの言葉を聞けたのはまあ収穫と思っておこう。

帰りのバスは少し混んでいて、あたしは席に座れずコノハの隣に立つことになった。
コノハの体がすぐ近くにある─そう思っただけで何故かあたしは体が熱くなったように感じた。
0037名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:07:03ID:qkAiELlT
「きゃっ」
突然あたしはバランスを崩し倒れそうになった。
バスから降りようとした男性があたしの松葉杖に足を引っ掛けて転んでしまったのだ。
それであたしも片方の松葉杖の支えを失い倒れそうになったのだが、コノハが支えくれた。
あたしがコノハにお礼を言おうとしたとき
「気をつけろ!!」
転んだ男性があたしに向かって突然怒鳴った。
あたしがごめんなさいと言おうとすると
「ろくに歩くこともできないのに他人様の邪魔をするな」
更なる怒声を浴びせた。
その言葉でつい頭に血が上り、あたしは男性に向かって松葉杖を投げつけようとして
「美羽っ!」
コノハに腕を掴まれて止められた。
その間に男性はバスを降りていて
「ふんっ!」
と鼻を鳴らして去って行ったのだった。
ドアが閉まりバスが発車する。
突然の出来事にバスの中は静然となったのだが、しばらくすると乗客達がひそひそと話をし始めた。
「あの男の人、ちょっと言い過ぎよね」「でも混んでるバスに松葉杖をついて乗って来るのも実際迷惑よねえ」
「杖を投げ付けようとするなんて乱暴な子ね」「あんなんじゃ彼氏の方も大変よね」
あたしの耳に聞きたくもないゴミが入ってくる。
0038名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:10:20ID:qkAiELlT
油断した。
今日一日、コノハの隣にいたせいで、その心地好さに浸ってしまっていたせいで、この世界が悪意に満ちあふれていることをすっかり忘れていた。
息が、詰まる。
「美羽、気にしないで」
うつ向いたあたしにかけてくれたコノハのその言葉に、
「…話しかけないで」
あたしは小声でそう答えてしまっていた。
コノハが悪いわけじゃない。
でもコノハの優しさが今このときあたしの心を苦しめるように思えたのだ。

あたしとコノハは次のバス停で降りた。
そしてバスが走り去った後、あたしは一人で歩き出した。
「美羽っ」
「ついて来ないで」
あたしを追って来ようとしたコノハを制し、あたしはどんどん歩いて行った。
コノハにとってあたしの言うことは絶対だ、あたしがそうしつけた。
これでコノハはあたしを追って来ないだろう…。
コノハから離れれば、コノハの温もりに浸らなければ、あたしはまた悪意と向き合えるようになる。
でも…それは少し…切ない…。

そう思ったとき突然、あたしの体を何かが包み、あたしは松葉杖を取り落とした。
0039名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:11:56ID:qkAiELlT
後ろから誰かに抱き締められているとわかるまで少し時間がかかった。
それがコノハだと理解し、胸が締め付けられる

違う、こんなのは、あたしの知ってるコノハじゃない。
あたしが知ってるコノハは、あたしが不機嫌になるとおろおろして、べそをかいて、あたしの許しをじっと待つのだ。
こんな、自分からそっと包み込むように抱き締めてくれるなんてことはしなかった。
これは、天野達が変えてしまった、あたしのものじゃないコノハ…そのことに胸がぎゅっと締め付けられる。
でも、抱き締めるコノハの腕から、背中に当たるコノハの胸から、温もりが伝わってきて…
あたしは切なさと温かさの間で身動きがとれずにいた。
0040名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:14:19ID:qkAiELlT
しばらくすると、コノハは腕をゆっくり離し、あたしの正面に回って声をかけた。
「落ち着いた、美羽?」
「…!」
その目をみた瞬間、あたしは言葉をなくしてしまった。
まるで、あたしにこれ以上突き放されたらどうしたらいいのか判らないと思っているような泣き出す寸前のような、あの幼い頃のコノハの瞳がそこにあった。
でもその表情には私のことを心から心配し、あたしの苦しみを拭おうとしてくれている気持ちが滲み出ていたのだ。
「美羽?」
あたしは少しの間呆けた後、衝動的にぎゅっとコノハの手を掴んだ
「み、美羽?」
戸惑うコノハの声をよそに松葉杖を拾い直し、その片方をコノハに突き出す。
コノハが松葉杖を、私に握られていない方の手で受け取ったのを確認すると、あたしはコノハの手を引っ張るようにして歩き出した。
「ちょ、ちょっと、美羽?」
「あたしのマンション、すぐ近くだから!」
困惑するコノハの声にそう答え、あたしはコノハと繋いだ手に一層力を込めて、コノハを引いて歩いた。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
コノハを、離したくない。
あたしの手が、心が、コノハを渇望している。
0041名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:16:21ID:qkAiELlT
「あがって」
「お、お邪魔します」
コノハはおずおずとあたしの部屋に入った。
「お茶、煎れてくるから。」
「う、うん」
コノハは頷くと、部屋の真ん中にちょこんと座った。
「そ、その前に…汗かいちゃったから、シャワー浴びてくる」
「えっ?」
「…っ、覗いたら駄目だし、その間に帰ったりしても駄目だからね!」
「う、うん」
あたしは音を立ててドアを閉め、お風呂場へ向かった。

まずい。
まずい。
まずい。
心に余裕がなくなっている。
昔、コノハと話すときは常にあたしが主導権を握っていたのに。
コノハは犬であたしは飼い主だったのに。
なのに何だ、さっきのあたしの態度は?
まるであたしが平凡な恋する女の子ではないか。
こんなのは朝倉美羽じゃない。
冷静になろうと頭から冷たいシャワーを浴びた。
でも体はほてっていくばかりで、胸の鼓動は止めようがなかった…。
0042名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:18:09ID:qkAiELlT
「お帰り、美羽、遅かっ…」
あたしの姿を見てコノハは絶句した。
あたしが、裸身にバスタオルを巻いただけの格好をしていたからだ。
「…ご、ごめんね、美羽。着替えを持っていき忘れたんだよねっ?僕、部屋の外で美羽が着替えるまで待ってるからっ」
慌てて立ち上がって部屋から出て行こうとするコノハ。
あたしはその前に立ち塞がり、自分の体をコノハに預け、コノハをベッドに押し倒した。
そして、戸惑うコノハにあたしは顔を近付け、そっと目を閉じた…
0043名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:20:47ID:qkAiELlT
「美羽、本当に一人で平気?」
「大丈夫よ、コノハはさっさと学校に行ってらっしゃ…くしゅんっ」
コノハが慌てて駆け寄ってあたしにティッシュを差し出す。
あたしはそれで鼻をかむと、コノハを登校するように再度促した。
「帰りにまた寄るから」
「別にいいわよ、文芸部の活動だってあるんでしょう?部長なんだからしっかりしなさい」
うん…と言い残してコノハは玄関を出ていった。
昨夜のことを思い返す。
コノハを押し倒し、コノハに顔を近付け目を閉じた後、あたしは大きなくしゃみをしてしまったのだ。
コノハはあたしの額に手を当て、熱があると騒ぎ出して、あれよあれよという間にあたしは病人扱いされ、コノハに一晩看病されたのだった。
実際あたしは軽い風邪をひいてしまっていたらしく、しばしばくしゃみをし、今朝、体温計は36.8℃を記録した。
0044名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:22:47ID:qkAiELlT
でも、昨夜あたしが感じた体の火照りは、本当に風邪のせいだけだったのだろうか?
あのとき、今の井上心葉にあたしの知るコノハが息づいているのを知った。
そして心葉は、あたしの痛みを包み込んでくれるくらい大きく成長していた。
あのときあたしを抱き締めた腕はあたしの知らない心葉の腕…でも、その腕に、温もりにどうしようもなく惹かれた。
「あたしは、今『井上心葉』に恋をしている…」
ぼそっと口から漏れたその結論に、顔から火が出そうになった。
なんという事だろう。同じ男の子に二度も恋をするなんて…。

昨夜、心葉を押し倒したもののその先に至れなかったことについては自分の意外ないくじのなさを呪う反面、あれでよかったとも思っている。
あのまま心葉の貞操を奪って、心葉のことを体で縛り付けても、心葉の心は手に入らなかっただろう。
考えよう。
心葉の心に近付く方法を。
0045名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:25:36ID:qkAiELlT
思えば随分と出遅れた。
コースアウトした琴吹はさておき、日坂菜乃は快走中、天野はピットインしたもののゴール直前にいるだろう。
対して、朝倉美羽は井上心葉に向けてのスタートラインにすら立てていない。
コノハは美羽のことをふっ切ってしまったのだから。
でもそれがどうした。
ハンデなんて跳ね飛ばしてみせる。
私が誰よりも心葉の近くに立ち続けてやるんだ。
想い出だけで満足してやるものか。
心葉が幸いを探して辛い想いをするとき、その手をそっと握ってあげられる場所にいたい。
誰よりも近くで心葉を見ていたい。
出来れば、その…心葉が私と一緒に幸せになろうと思ってくれたらいいななんて。
また顔が熱くなってきた。
どうやら熱が上がってきたらしい。
あたしは何かから逃げるように布団に潜り込んだのだった。
0046名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:28:20ID:qkAiELlT


放課後、一詩があたしの部屋を訪ねてきた。
あたしは心葉が来たと勘違いして満面の笑みで迎えてしまった。
目を真ん丸にした一詩にあたしは手近にあったスリッパを投げつけ、御見舞い品の紅茶プリンだけを奪い取って部屋から追い出してやった。

後で、少し、謝っておこう。

おしまい
0047名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 07:31:55ID:qkAiELlT
むしゃくしゃして書いた
今は反省している

SS職人様の登場を切に願う
0048名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 22:09:59ID:mLnqIehJ
>>47
GJです。
美羽の性格が出てて好きです。

ただ、ななせはコースアウトなんですね…orz
0049名無しさん@ピンキー2009/05/27(水) 23:59:16ID:qkAiELlT
>>48
読んで下さったこと、感謝する

ななせの扱い、>>45の美羽の一人称ミスetcも含めて謝罪する
ごめんなさい
0050名無しさん@ピンキー2009/05/28(木) 06:13:30ID:LlarPa5i
GJ
いやおもしろかった。
やはりななせはかませだったな。コースアウト扱いwwww
0051名無しさん@ピンキー2009/05/28(木) 22:17:41ID:GUnAT8qj
んー、良かったです。
キャラ崩壊と書いてたけど、ぜんぜん。
美羽っぽかった。

それにしても、コースアウト…。
でも、その表現がなるほどぴったりと思わせるところが、いかにもななせ。
0053ある日の美羽〜こんなのを望んでいたような〜2009/06/06(土) 00:28:10ID:pE9DD8oV
コノハの学校が終わったころコノハはあたしの前でお茶を飲んでいた。シャワーも浴びたし、メイクもセットした。
そんなこと、コノハは気づいてないかもしれないけど。
コノハはあたしが一人暮らしを始めるようになってからたまにこうして会いに来てくれている。あたしから行くって言ってるのにあまり許してくれない。
そんなにあたしが歩くのが頼りないのか。たしかに杖を使ってるのは事実だけど。
目の前のコノハに話しかけようにも、なんとなく喋りづらい。相手はコノハなのに、なにを話したらいいのか戸惑ってしまう。
あたしは今なにをしてるのかとか、コノハは今何してるのかとか話したい。でも上手く言葉にできなくて、気付いたらコノハを見たまま固まっていた。
「どうしたの?ミウ」
「……なんでもない」
「でもなんかぼぉ〜っとしてるし」
「なんでもないったら!」
「そう、なら良いけど……」
バツの悪そうに言葉を引っ込めるコノハ見て、あたしは自分のバカさ加減にあきれた。
コノハのくせに!相手はコノハなのに!
どうしてこんなにドキドキして、話すのも難しくて、そしてとっても……。
「バカ……」
「え?何か言った?」
「なんでもない……」
「それで、今日はなにしに来たの?」
意識してないのに、声が少しあらくなってしまう。
「特に用はないけど、なんていうか、様子を見にかな」
「あ、そ」
うまく、会話にならなかった。その後も何度か話をしたけど、上手くつながらなくて、コノハにはきっとあたしがむすっとしてるように見えたと思う。
それはそれで仕方ないけど、でも嫌だ。あたしはコノハに元気だって、平気だって伝えたいはずなのに……。どうしても空回りして、声に出せなくて。
あぁ、もう!!あたしのバカ!!あたしらしく接すればいいのよあたしらしく!
「ね、ねぇコノハ」
「あ、ごめん。ミウそろそろ帰らないと」
「え、あ、あ、うん。ご飯くらい食べていけばいいのに。これでも練習してるんだから」
「ごめんね。今日はちょっと舞花と約束が有ってさ」
「そう、舞花と、ね」
妹、あたしやっぱりあの子のこと……。
「ミウ、さっき何か言おうとしたよね。少しなら聞くけど」
「ううん、いい。別に大したことじゃないし」
「そっか、今日は帰るよ。じゃぁまた来るね」
 そういって立ち上がったコノハをあたしは玄関まで送っていった。
「ちゃんとメールしなさいよ」
「うん、分かってるよ」
「ウソ。返事しないとき多いくせに」
「それは忙しかったりして、なかなか返事書けないうちに時間がたっちゃって」
「コノハはあたしのことだけを考えていればそれでいいのに……」
 コノハが困ったようにあたしのことを見ていた。
 分かってる。そんな目で見なくても私にもそのくらい分かってるんだから。
0054名無しさん@ピンキー2009/06/06(土) 00:29:39ID:pE9DD8oV
「冗談よ」
「できるだけすぐ返事できるように頑張るよ」
 コノハは困ったような顔から笑顔になっていた。あたしもちょっとだけ釣られて笑ってしまう。恥ずかしくてすぐ顔を逸らしたけど。
 そんなあたしをコノハは楽しそうに見ていた。
 ふん、コノハのバカ。
「じゃ、またね」
「はいはい、バイバイ」
 玄関が閉じて、コノハが帰ったのを確認するとドアに寄りかかってあたしはそっと息をついた。
「コノハ……」
 コノハは、あたしのところへ来てくれるけれど、やっぱり昔みたいにはいかない。昔みたいに私がコノハをからかって、そしたらコノハがそれを本気にして……。
そんなふうに出来たら良かった。でも上手くいかない。どうしてもあたしの思うようにはいかなかった。でも、それでいいのかもしれないとも思う。もうあたしもコノハもあの頃のままでいちゃいけないんだから。
 ううん、やっぱりイヤ、コノハにペースを握られるなんてあり得ない。
 でも、コノハの前にいるとどうしようもなく悲しくて、とても嬉しいのに辛くて……。そんな私を見るとコノハはさっきみたいに心配してくれる。けどあたしは何も答えられない。
それを言ってしまえば、あたしはコノハの朝倉美羽で居られなくなる気がしたから。……違うかな。コノハはきっとそんなこと気にしない。弱ったあたしにそっと手を差し述べてくれると思う。
恥ずかしがりながらも、昔より成長したその手で、あたしの手を掴んでくれる。でもそれはダメ。
 あたしはいつか自分から会いに行くと言った。たしかに一度は会いに行けた。でも、ただ会っただけ。あたしから何かできたわけじゃなかった。コノハにひかれて手を繋ぐんじゃない。
昔みたいにあたしがコノハの手を引っ張って行くのでもない。
 今度はちゃんとコノハの隣に立って手を繋ぎたい。
 そして二人でもっといろんな話をして、外に出ていろんなモノを見つけたい。
 そこまでいくには、きっと大変だろうけど少しづつ自分の気持ちを整理していけば良い。
 これから時間はいっぱいあるし。二度と生きることをやめたりなんかしないから。


久しぶりだからちょっとアレかもしれない。まぁ気にしない。
Sな印象が大きい美羽だけど、かわいい美羽とかもありだと思うんだ
0055名無しさん@ピンキー2009/06/07(日) 03:54:36ID:pFXB2Zky
これはよい美羽コノですね
読んでいるとニヤニヤしてしまいます

さり気なく石鹸の件における美羽の心象に触れているのがよいなぁ
0056名無しさん@ピンキー2009/06/08(月) 22:14:52ID:RL/cMwad
美羽好きにはタマランお話ですなぁ。
繊細そうなところがいいですね。

オレも同じくニヤニヤしてしまいますがな。
0060名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 01:39:43ID:eduQQveM
ネタはあるんだけど。
時間が。
そして、琴吹×心葉は本すれで叩かれるw
0061名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 07:54:28ID:ipph62bD
下手くそだから叩かれるだけ。
納得させるよう上手に書けば誰も叩かん。

ななせの話は大抵ななせがキモオタの妄想丸出しのバカ女で、心葉が都合がいい男なのがなぁ。
0062名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 08:17:09ID:eduQQveM
>>61
◆Pqih97Kbb2氏のも都合いいのかな〜。
自分的には前スレのななせ陵辱とかがうまいと思うのだが。
0063名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 09:12:34ID:ipph62bD
> 前スレのななせ陵辱

あれは内容はともかく本編とのリンクのさせかたがうまかったな。
実際ありえそうなとことか。

そのあとのななせが遠子を罵倒するやつは、ななせ=書き手になってて不快感しかなかったが。
0064名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 10:25:04ID:6bqI4f1x
>>64
リンクは確かにウマイナ。
罵倒に付いては、まあ、人それぞれ。

このスレのななせ×コノハはななせは良いけど。
コノハが…。
文の運びは普通。
ただ、エロさが足りないw
0065名無しさん@ピンキー2009/06/22(月) 10:59:13ID:8y5IraCf
あれはif展開にしてるから本編とのリンクは最早関係ないと思うけどな
0066名無しさん@ピンキー2009/06/23(火) 00:36:24ID:xmH5Grlw
まぁとりあえず足コキされるなら
遠子先輩>美羽>ななせ
だな
0071遠子先輩支援・・・? ◆HwVF7TYqBw 2009/06/26(金) 06:17:34ID:adPjN2Z+
美羽といい、ななせといい、素晴らしくクオリティ高いな・・・。GJ。

遠子先輩派として、ひとつ投下してみる。
前スレ把握してないんでネタ被ってるかもしれん。変則なんで大丈夫だと思うが。
あと原作最新話未読なんで、その辺りで矛盾出るやも。あとエロ分は書けなかった。
その辺り、先に謝っておく、スマン。
0072遠子先輩支援・・・? ◆HwVF7TYqBw 2009/06/26(金) 06:18:45ID:adPjN2Z+
あたしの初恋の相手は”井上コノハ”。
それは、最初から叶わない恋でした。

ブーンと、鈍い音を立ててながらオーブンが回っている。後は焼き上がりを待つだけだ。
レモンパイは、あたしの得意料理だ。いまでも忘れられないセンパイの言葉が、ずっと忘れられなかったから。
(アンとギルバートの味、かぁ)
くすりと笑みがこぼれる。あの頃大好きだった『赤毛のアン』
そのアンにそっくりだった三つ編みのセンパイ。
あの日から、あたしにとって『赤毛のアン』も『レモンパイ』も特別になった。


お兄ちゃんが
昔から、お兄ちゃんはあたしの一番大好きな人だった。
物心ついた頃からずっと、お兄ちゃんはあたしに優しかった。
年の離れた妹の我が儘にも、できるだけ答えて、一緒に遊んでくれた。
お父さんとお母さんもすごく優しくて大好きだったけど、お兄ちゃんが一番だった。

お兄ちゃんはどっちかといえば、線が細い。あんまり食べれないんだ、ってちょっと困ったように笑う。
お母さんもいつも心配してる。だからあたしは、半ば押しかけるみたいに
お兄ちゃんはいつだって、あたしに優しいから。

あたしの初恋の相手は”井上コノハ”。
それは、最初から叶わない恋でした。

ブーンと、鈍い音を立ててながらオーブンが回っている。後は焼き上がりを待つだけだ。
レモンパイは、あたしの得意料理だ。いまでも忘れられないセンパイの言葉が、ずっと忘れられなかったから。
(アンとギルバートの味、かぁ)
くすりと笑みがこぼれる。あの頃大好きだった『赤毛のアン』
そのアンにそっくりだった三つ編みのセンパイ。
あの日から、あたしにとって『赤毛のアン』も『レモンパイ』も特別になった。


お兄ちゃんが
昔から、お兄ちゃんはあたしの一番大好きな人だった。
物心ついた頃からずっと、お兄ちゃんはあたしに優しかった。
年の離れた妹の我が儘にも、できるだけ答えて、一緒に遊んでくれた。
お父さんとお母さんもすごく優しくて大好きだったけど、お兄ちゃんが一番だった。

お兄ちゃんはどっちかといえば、線が細い。あんまり食べれないんだ、ってちょっと困ったように笑う。
お母さんもいつも心配してる。だからあたしは、半ば押しかけるみたいに
お兄ちゃんはいつだって、あたしに優しいから。

一人暮らしはお兄ちゃんの仕事・・・『作家』さんにとっては必要だった。
・・・まぁ、初めてそれを聞かされたときは、行っちゃやだ!って、困らせちゃったんだけど。
けど、お兄ちゃんにとって仕事は、『作家』であることは、一番大切なことだった。
あたしが駄々を捏ねた日。お母さんが、お兄ちゃんの書いた本を渡してくれた。
0073遠子先輩支援・・・? ◆HwVF7TYqBw 2009/06/26(金) 06:19:08ID:adPjN2Z+
『文学少女』

お兄ちゃんが書いた二冊目の『小説』
小さかったあたしでも、それがすごいことだって感じた。
けど、それ以上に、その『小説』を書いてから、お兄ちゃんがなんだか遠くに。
あたしの手の届かないところにいっちゃったみたいで、あたしはそれまで読めずにいた。

きっと、この本が届いたときのお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくて”井上コノハ”だったからだと思う。
『文学少女』の中のお兄ちゃんは、あたしの知らないお兄ちゃんだったから。

そして、あたしは”井上コノハ”に恋をした。
作家の”井上ミウ”でもなく、あたしのお兄ちゃんの”井上心葉”でもなく、お兄ちゃんの小説の中の”井上コノハ”に。
イジワルで、泣き虫で、優しくて、不器用で。

最後に作家になると、泣かないと歩き出したその人に。



もうじき焼き上がる。
今日は新しいお兄ちゃんの担当さんが挨拶にくる。
そろそろお兄ちゃんを引っ張り出さないと。仕事を始めるとずっと篭もりがちだから。

新しい担当さんには、わかってほしいんだ。
お兄ちゃんがずっと送ってる”手紙”のこと。”センパイを忘れない”って想いを。ずっと。
『そう、レモンの味は青春の味……そして、初恋の味なの』
あたしの初恋は叶わないけど、お兄ちゃんの初恋のことをわかってもらいたいの。

あたしは井上心葉の妹だから。お兄ちゃんを応援する。
家族として。井上ミウのファンとして。”井上コノハ”を好きになった女の子として。

「お兄ちゃん、お茶の用意ができたよ」

_______________________________________________________
以上。これ舞花ヒロインじゃね?と思うかもしれんが
あくまで遠子先輩への愛で書いた。異論は認める。期待を裏切ってたら、マジスマン。

ネタは浮かんでるんで、上手く煮詰まったら今度こそ遠子先輩で投下予定。
0074 ◆HwVF7TYqBw 2009/06/26(金) 06:34:23ID:adPjN2Z+
うわ、コピペミスってるorz
消し忘れもあるし・・・寝起きで作業するもんじゃないな・・・ホント申し訳ない、

規約違反かすりそうな気がするが、どうにも読みづらいんで再投下しとく。
迷惑かけて申し訳ない。
_______________________________________________________
あたしの初恋の相手は”井上コノハ”。
それは、最初から叶わない恋でした。

ブーンと、鈍い音を立ててながらオーブンが回っている。後は焼き上がりを待つだけだ。
レモンパイは、あたしの得意料理だ。いまでも忘れられないセンパイの言葉が、ずっと忘れられなかったから。
(アンとギルバートの味、かぁ)
くすりと笑みがこぼれる。あの頃大好きだった『赤毛のアン』
そのアンにそっくりだった三つ編みのセンパイ。
あの日から、あたしにとって『赤毛のアン』も『レモンパイ』も特別になった。

昔から、お兄ちゃんはあたしの一番大好きな人だった。
物心ついた頃からずっと、お兄ちゃんはあたしに優しかった。
年の離れた妹の我が儘にも、できるだけ答えて、一緒に遊んでくれた。
お父さんとお母さんもすごく優しくて大好きだったけど、お兄ちゃんが一番だった。

お兄ちゃんはどっちかといえば、線が細い。あんまり食べれないんだ、ってちょっと困ったように笑う。
お母さんもいつも心配してる。だからあたしは、半ば押しかけるみたいに
お兄ちゃんはいつだって、あたしに優しいから。

一人暮らしはお兄ちゃんの仕事・・・『作家』さんにとっては必要だった。
・・・まぁ、初めてそれを聞かされたときは、行っちゃやだ!って、困らせちゃったんだけど。
けど、お兄ちゃんにとって仕事は、『作家』であることは、一番大切なことだった。
あたしが駄々を捏ねた日。お母さんが、お兄ちゃんの書いた本を渡してくれた。
0075 ◆HwVF7TYqBw 2009/06/26(金) 06:37:10ID:adPjN2Z+
『文学少女』

お兄ちゃんが書いた二冊目の『小説』
小さかったあたしでも、それがすごいことだって感じた。
けど、それ以上に、その『小説』を書いてから、お兄ちゃんがなんだか遠くに。
あたしの手の届かないところにいっちゃったみたいで、あたしはそれまで読めずにいた。

きっと、この本が届いたときのお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくて”井上コノハ”だったからだと思う。
『文学少女』の中のお兄ちゃんは、あたしの知らないお兄ちゃんだったから。

そして、あたしは”井上コノハ”に恋をした。
作家の”井上ミウ”でもなく、あたしのお兄ちゃんの”井上心葉”でもなく、お兄ちゃんの小説の中の”井上コノハ”に。
イジワルで、泣き虫で、優しくて、不器用で。

最後に作家になると、泣かないと歩き出したその人に。

もうじき焼き上がる。
今日は新しいお兄ちゃんの担当さんが挨拶にくる。
そろそろお兄ちゃんを引っ張り出さないと。仕事を始めるとずっと篭もりがちだから。

新しい担当さんには、わかってほしいんだ。
お兄ちゃんがずっと送ってる”手紙”のこと。”センパイを忘れない”って想いを。ずっと。
『そう、レモンの味は青春の味……そして、初恋の味なの』
あたしの初恋は叶わないけど、お兄ちゃんの初恋のことをわかってもらいたいの。

あたしは井上心葉の妹だから。お兄ちゃんを応援する。
家族として。井上ミウのファンとして。”井上コノハ”を好きになった女の子として。


「お兄ちゃん、お茶の用意ができたよ」
___________________________________________

以上。規約違反なってたら自重するorz 
0085名無しさん@ピンキー2009/08/03(月) 22:30:15ID:Uqv3ezoW
青春なのさ
0087名無しさん@ピンキー2009/08/08(土) 04:06:30ID:NUbyMhkb
何か書こうかと思ったらネタが何も思いつかなかったんだぜ
0088名無しさん@ピンキー2009/08/15(土) 21:08:15ID:GTN3po73
なぜ美羽は心葉の黒子の位置を知っていたのかとか
最終巻で遠子ENDとみせかけて、舞華や魚谷さんに心葉を寝取られる遠子、ななせ、美羽とか
心葉とヒロインのTS化とか
0089名無しさん@ピンキー2009/08/17(月) 18:39:09ID:NCjaN9qm
コノハちゃんを本当に女の子にしてしまうというのは面白いかも。
はじめから女の子だったifなのか、理屈ぬきに変化させてしまうのか。
どっちにしても好きなネタです。

どなたか職人さんはいらっしゃいませんかー!
0090名無しさん@ピンキー2009/08/17(月) 20:00:10ID:3kCp4hCl
女になったコノハちゃんなどブロンドヘアでボンキュッボンの先輩くらいの存在価値しかない
0094名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 08:11:59ID:6CUvPHL6
のーまるに遠子先輩といちゃいちゃに需要は無いのだろうか
と心葉×遠子信者が呟いてみる
0095名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 16:23:44ID:HF85KjcM
需要はあると思う
前スレにもあった気がするし

供給がないだけで
0096名無しさん@ピンキー2009/08/21(金) 21:45:07ID:V1znj8BF
美羽と心葉で書こうと思ったら前スレとほぼ同じものを書いてたぜ

俺はどんだけ心葉を攻める美羽好きなんだ
0098名無しさん@ピンキー2009/09/01(火) 23:11:27ID:vTbenK3v
ho
0099名無しさん@ピンキー2009/09/03(木) 01:00:45ID:CqeNvjtc
久々に保守代わり。

〜とある人の日記より

 Bから郵便が届いた。

 同人誌?

 ああ!でも、こんなことがホントウに?

 これなら、天野遠子のほうがマシだ。

 コノハが違う世界に行ってしまう。

 いや、連れて行かれるのか?

 いやだいやだいやだ!

 確認しなくては。

 でも、コノハに? それはできない。

 やっぱりヤツを問いたださなくては。

 あたしに自分は2番で良いって言ったのは1番がいたから?

 許せない。 コノハを汚すなんて。

 問い詰めて、問い詰めて、問い詰めて。

 コノハから手を引かせなければ。

                      〜〜

がんばれ、芥川くん。
0100 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:06:52ID:upbOPOVW
投下

井上×ななせ です
時系列がごっちゃになってるかもしれませんが、細かい事は気にしない方向で
全8レスです
0101不運な写真と不機嫌な少女 No.1 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:09:32ID:upbOPOVW

学校からの帰り道の、突然、琴吹さんが「レモンパイを持ってきたから食べて欲しい」と言ってきた。

付き合い始めてまだ日は浅いが、琴吹さんは何度がレモンパイを作ってきてくれた。
今日は朝からタイミングを逃し続け、下校の時にようやく言えたらしい。
道端で食べる訳にも行かず、そこで急遽、僕の家へ二人で寄ることになった。
突然の事だったけれど、たまたま昨日、部屋を掃除していたのはラッキーだった。
父親は夜まで帰ってこないし、母親と舞花もまだ家にはいないだろう。
ここまでは何の問題もなかった。

ところが、事もあろうか遠子先輩のスク水写真が、机上のブックスタンドに差し込んだままだった。
それに気づいた時には、琴吹さんは既に目を剥いていた。
「井上ッ、あんたこんなもの机に置いて何するつもりだったのよ!」
「こ、これは写真部の奴が僕に押し付けてきて、僕は仕方なく…」
「仕方なく、何よ!?」
「違うんだ、第一、こんな舞花みたいな遠子先輩の体なんか見たって…」
「ちょっと井上、あんた舞花ちゃんまでそんな目で見てたの??」
「そんなんjy」
「芥川とデキてるって噂立ったときも、ロリ×ンだって言われてたときも、私だけは井上のこと信じてたのに!」
あぁ、もう次から次へと。
なんでこんな話がこじれてしまったんだろう。

「ちょ、ちょっと!
 落ち着いて琴吹さん、そんなんじゃないんだよッ」
「分かったわよ、落ち着いてるわよもう!」
腕を組んだ琴吹さんは正面から僕をじっと睨み付けている。
「さぁ井上、話して貰おうじゃないの」
ようやく話を聞いて貰えそうな状況になった。

そして僕はどこまで納得してもらえるかは分からないけれど、
写真部の不貞の輩から遠子先輩の水着写真を購入せざるを得なかったという旨をポツリポツリと話しだした。
0102不運な写真と不機嫌な少女 No.2 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:12:37ID:upbOPOVW

気が付くと僕は夢中で弁明をしていた。

「だから僕はあの写真が欲しかった訳じゃなくてッ…」
しかし、琴吹さんは何故か顔を赤らめ、目を泳がせている。
先ほどまで不機嫌そうだったのに、どうしたんだろうか。
そして僕はハッとした。
(ち、近い…!)
気が付けば立ち尽くす琴吹さんを壁際に追い込み、両手て押さえ込むような格好になっていた。

前髪がもう少しで触れ合いそうな距離で視線が交錯する。
その途端、機先を制して琴吹さんが僕に詰め寄る。
「な、なによ。私にまで変なことするつもりねっ!?」
「だから違うんだ
 大体、僕は琴吹さんになんて何もしないよ!」
一瞬、琴吹さんは驚いた様に目を大きく丸め、そして寂しそうにゆっくりと俯く。
「──…しないんだ」
「えっ?」
「遠子先輩の写真には手を出すのに、私には何もしないんだ」
「へっ??
 だから僕は何もしてないって……え?」
何がなんだか分からない。

「えっと琴吹さん、ひとつ聞いてもいいかな?」
「な、なによ」
「と言うことはつまり…手を出してもいいのかな?」
琴吹さんの目が、また大きく見開いた。
(しまった!)
言った先から後悔する。
「じょ…冗談だよ琴吹さん」
まだキスだってしたことがないのに、いくら何でも調子に乗りすぎた。
教室のドア越しに「大嫌い」と言われた高2の春を思い出す。

「…いいよ」
「え!?」
「だから、いいって言ってんでしょ」
予想外の琴吹さんの反応に、頭がクラッとなる。
「えっと、あの、いいって…?
 本気なのかな」
「いいってば!」
「でも…」
「ほらっ、さっさとしなさいよ」
そう言って琴吹さんは、目をギュっと瞑り、腰の前で指を組んでしまった。。
(なんで、こんなことになっちゃんだ)
頭を抱えたくなった。
0103不運な写真と不機嫌な少女 No.3 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:18:13ID:upbOPOVW

気が付くといつも僕は、琴吹さんをムキにさせてしまう。

冬の凍てつくようなあの日、琴吹さんは僕のことを好きだと言ってくれた。
しかし、付き合いだしてから、琴吹さんと僕との距離が近づいたのかどうかはよく分からない。
僕は本当に琴吹さんのことを好きなんだろうか。
「は、早くしなさいよ」
急かすように琴吹さんが言う。
「そんなこと言ったって…」

思案しながら琴吹さんの顔から視線を落としたとき、
琴吹さんの胸元の大きなターコイズブルーのリボンが目に留まった。
どんな願いも叶うという誘惑の色だ。
落ち着いた紺色の襟は、喉元の白い肌をいっそう艶やかに見せた。
まっすぐに伸びるスラリとした脚と、制服の上からでもはっきり分かるほどツンと張った釣鐘型の胸を眺め、
生唾を飲み込む。

(遠子先輩とは、全然違うな…)

しんと静まりかえる僕の部屋にいるのは、たった二人のみ。
静寂が僕の心を掻き立てる。
そおっと、琴吹さんの肩を掴む。琴吹さんは動かない。
僕の心は決まった。

「あとから怒るのはナシだよ…」
0104不運な写真と不機嫌な少女 No.4 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:22:17ID:upbOPOVW

恐る恐る琴吹さんの胸の膨らみに手を伸ばし、鷲づかみにする。
ふにゅ〜っとした触覚が両手から伝わる。

「あうっ んッ」
小さく声を漏らし、琴吹さんの肩がピクッと震えるの分かった。
ゆっくり、ゆっくりと胸を撫でまわす。
薄いナイロン生地のすべすべした制服は、
琴吹さんの豊かな膨らみと体温を、しっかりと僕に伝えてくれる。

「ちょっとまっ、んうっ ンっ」
手を不規則に動かすたびに、琴吹さんが押し殺したような声を発してくる。
少し力を入れると、福よかな胸は、僕の指を優しく押し返す感覚がある。
琴吹さんの頬に薄く朱が差しているのは、窓からのぞく夕日のせいだけではないだろう。
「あ…ッ んっ…く」
「くふ…んうッ!」
うっすらと目を開け、静かな喘ぎ声を漏らす琴吹さんの困った様な、
それでいてどうすればいいか分からない様な表情は、僕の情動を煽った。

琴吹さんが僕の目を見て呼びかける。
「い…井上ぇ」
その、とろんとした眼差しに、僕の情はほだされた。

腕をスッっと腰に回し体と体を密着させ、すばやく唇を重ねる。
一瞬、琴吹さんの体が棒立ちになり硬くなったのが分かった。
「ふ…ぇっ?」
琴吹さんの声が漏れ、僕の息遣いが荒くなる。
それにつられたのか、キツく結ばれていた琴吹さんの唇は序々にそのガードをゆるくし、
僕のを突然の行為を受け入れた。
琴吹さんの「あっ あっ」という息が切れるような優しい嗚咽が、僕の鼻に吹きかかる。
弾力のある琴吹さんの下唇をそぉっとなぞると、レモンパイの味がした気がした。

 ───「いつもレモンパイを作ってくれてありがとう。おいしかったよ」
 ───僕がそう言うと、つっけんどんな態度で
 ───「また作ってくる」
 ───とボソっ言う琴吹さんはいつも可愛らしかった。

けれど、今日ほど彼女を愛おしいと思ったことはない。

唇をまさぐりながら、舌を入れてもいいのかなと逡巡していると、突然琴吹さんの膝がガクっと折れた。
驚いた僕も、慌てて膝を曲げる。
「琴吹さん、大丈夫?」
「あっ あ も…おっ、立ってられない」
0105不運な写真と不機嫌な少女 No.5 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:27:58ID:upbOPOVW

ベッドへと移動した琴吹さんが無防備な仰向けの格好で僕を見返す。
その上で四つんばいになった僕は、琴吹さんの体をゆっくりと眺めた。
(きれいだ…)

か弱く開かれた腕、制服の上からでも分かる胸の膨らみ、腕を回したくなるような腰つき、
そして艶かしく投げ出された、肉付きのいい脚のラインに視線を奪われる。
だらしなく捲れ上がった紺色のスカートの下から、薄いベージュ色の下着がのぞいた。
いつもは吊り上がった印象的な目尻も、いまは弛緩し、愛らしく垂れさがっている。

頬を真っ赤に染めた琴吹さんがつぶやく。
「いのうえ…これって…ひょっとして…」
問いかけには答えず、僕は琴吹さんの制服の下端を強く掴み、一気に胸の上までたくし上げる。
琴吹さんがビクッとする。
「あッ やだっ…だめ 胸は…ッ」
琴吹さんは緩慢な抵抗をみせたが、すぐにベージュ色のブラジャーが見えた。
真ん中の止め具のあたりに親指を引っ掛け、制服と一緒に強引に持ち上げる。
僕の目の前には、2つの大きな胸の膨らみがあった。

(舞花とは、全然違うな…)

琴吹さんの胸は、洋梨を思わせるような形で、ほんのりと乳白色がかっている。
仰向けなので、若干押し広げられたようになってはいるが、
それでも前に張り出して見えるのはボリュームがある証拠だろう。
透き通るような胸元に、うっすらと青い静脈が浮いて見える。

よほど恥ずかしかったのだっろう。琴吹さんは頬を染め、僕から視線を外し目を泳がす。
「あ…ぅ 胸は、全然じ…自信ないから…」
僕は言葉を紡ぐ。
「…いい…んじゃない…かな?」
「えっ…?」
「えっと、僕はいいと思う…けど…な」
「…あ…うそっ」
琴吹さんの顔がきゅんとなる。
まだそれほど長く付き合っているわけじゃないけど、この表情は知っている。
琴吹さんが嬉しがっているときの顔だ。
0106不運な写真と不機嫌な少女 No.6 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:32:04ID:upbOPOVW

下から両手を添えて、そっと胸を揉んでみると、マシュマロのような柔らかさだった。
手に力を入れ、そっと離すと、ぷるん、と踊った。
乳房を口に含む。
「…んッ」
琴吹さんは可愛く声を漏らすと、スグに乳首にも反応があった。
あいた手で、反対側の乳房を愛撫する。
琴吹さんはもう、されるがままになっていた。
「んッ んんッ
 …んうっ く あんッ」
静かな部屋に琴吹さんの嬌声が響く。

「…ッ!!
 あっ あッ ま…まって…!」
琴吹さんの制止を振り切り、ベージュの下着を一気に足首まで引き下ろした。
その勢いで両膝を掴み、覆うものの無くなった琴吹さんの下半身を左右に広げた。
「琴吹さん、すごい、ぬるぬるになってるよ」
「えっ あ…う、なっなに言って」
琴吹さんのしっとりと湿った茂み、そしてその奥には暖かそうなピンク色の盛り上がりが見える。
たまらず、僕の中の熱く昂ぶったモノを琴吹さんのそれへ押し当てる。
琴吹さんは目をまん丸にし、口をぱくぱくさせ、ただその様子をを見つめる。

僕と琴吹さんが触れ合う。
そしてゆっくりと挿入していく。
「んッ んっ…くっ ああ」
琴吹さんが顔をしかめる。
「あァッ はいって…く」
呼吸が切迫してくる。
「ハァッ あ…う ハァッ」
僕は琴吹さんの中で、破裂しそうなくらい大きくなったものを奥まで差し入れた。
「わ…っ 私のなか…っはいってる…うっ」
「琴吹さん、…動くよ?」
言葉なんて、もう届いていなそうだけれど、一応確認する。

後で怒られたって、知るもんか。
0107不運な写真と不機嫌な少女 No.7 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:36:40ID:upbOPOVW

僕が体を動かす度に、琴吹さんの体の上を豊満な胸が波打つ。
喘ぎ声が続く。
「あっ あっ」
やがて琴吹さんが迎えた小さな絶頂は、本来、得られるであろう本物のクライマックスの
予告編のようなものに過ぎなかった。
僕もその気配によって、危うく果ててしまいそうになった。

「ぃ井上、もうちょっと、顔近づけて…くれない?」
そう言った琴吹さんが、僕の首筋に、濃厚に舌を這わせてきた。
これには僕もビックリした。
いつもの琴吹さんらしくない。
「琴吹さんの意外な積極性に驚いているんだけど…」
「しっ知らないっ!」
「琴吹さん…気持ちいいの…かな?」
そして、琴吹さんがキッっと僕を睨む。
次の瞬間、ガラにもなく僕は変な声を上げてしまった。
「ふぇッ!?」
僕の頭を琴吹さんが抱え込み、唇を重ねてくる。
琴吹さんの舌が僕の口内に侵入し、僕と絡まりあった。
僕が息をするところで、琴吹さんは執拗に僕を求めてくる。
それはただ快楽を求める為だけの行為に違いなかった。
「んんッ」
どちらとなく嗚咽がこぼれる度、柔らかなキャラメルを頬張るような、
甘い感覚が口の中に伝わる。

ゆっくりと顔と顔とを離すと、二人の間に糸が引いた。
恍惚とした琴吹さんの顔が目の前にある。
気を取り直して、僕はニコリを微笑む、
「それで誤魔化したつもりなのかな?」
「う…うるさいわねっ」
「そう? 僕は、スゴくいいけど…な…」
そう言って、琴吹さんのたわわな胸を揉む。
仄かに香る汗の匂いが、また僕の快感を呼び起こす。
「あっ…いのうぇっ
 よく…そんな恥ずかしいこと言えるわね…っ」
「だって琴吹さんのなか、すごく…ぬるぬるして、あったかいし…さ」
「…そう、なんだ…」
僕は琴吹さんに覆いかぶさり、ひたすら体を重ねた。
二人が擦れ合う淫靡な音と、琴吹さんの声が僕を支配する。
「わっ…私の、なかっ…はいってる、ぅ
 んふぅ ンンッ」

琴吹さんは僕を信頼し、全て委ねてくれる。
そう思うと、今更のように、琴吹さんに対する愛情が沸きあがってきた。
「琴吹さんっ、僕…」
「いのうえ、私もッ、もおっ…ぁ」
背筋をつんざく様な快感と共に、僕は絶頂を迎えた。
自分の中のものを全て吐き出すような、そんな愉悦の瞬間だ。
琴吹さんの熱く火照った体は、そんな僕を優しく包んでくれた。
琴吹さんにも確かな満足感が生まれていたようだ。

高ぶった二人の呼吸音だけが、部屋に響き続けた。
0108不運な写真と不機嫌な少女 No.8 ◆L7hvmTPOAA 2009/09/04(金) 00:39:45ID:upbOPOVW

先ほどまで僕と琴吹さんが絡まり合っていたベッドの上で、お互い反対方向を向き、制服を着直す。
夕日は既に隠れ、夜のとばりが落ち始めていた。
横目でチラリと琴吹さんと見る。
シワのよったターコイズブルーのリボンを、するすると巻くその横顔は、
行為が終わって少し経つというのに、まだ耳の裏まで真っ赤だ。

一線を越えた後の、気まずい沈黙。

いつまでも続くと思われたその静まりを、琴吹さんが破る。
「あーもーっ、いくらなんでもガッつきすぎでしょ、井上ッ」
「ご…ごめん、つい」
「もうちょっと、落ち着いてやってよね」
声はなんだか裏返っているようだけど、良かった、いつもの琴吹さんに戻ったみたいだ。
「…琴吹さん、そんなに怒ってばっかじゃ、僕としかできないじゃないか」
「…っ、い…いいじゃない、それで」
「えっ?」
「っ…だって、どうせこんな事、井上としかしないんだから…」


──おしまい
0109名無しさん@ピンキー2009/09/04(金) 22:53:45ID:DPWGeC9M
GJ
ロリコン心葉レモンパイレモンパイage
0111名無しさん@ピンキー2009/09/05(土) 22:15:11ID:pFCRol6d
すいませんが、本スレのアドレス教えてください。
0112名無しさん@ピンキー2009/09/06(日) 00:12:18ID:rFqXQufi
禁書同人のパクリか
0114名無しさん@ピンキー2009/09/08(火) 21:19:30ID:Z4WD2jEd
前スレの保管庫みたい\\(>A<)//
0115名無しさん@ピンキー2009/09/09(水) 18:46:41ID:m8oLwrIz
保管庫作ろうか
と思ったけど18禁だと消されたりしてあれなんだっけっか・・・
0123名無しさん@ピンキー2009/09/20(日) 21:18:39ID:oosWkd/d
0127名無しさん@ピンキー2009/09/26(土) 07:41:38ID:wsHL5fGA
0128名無しさん@ピンキー2009/09/26(土) 22:45:56ID:OcRKGLcb
まいど、保守のついでに。


「なあ、朝倉」

「なによ、あらたまって」

「朝倉はオレのことを『一詩』と名前で呼んでくれているだろう」

「は?なに?なにか問題があるの?」

「いや。問題はない。むしろ嬉しいと思っていたくらいだ」

「………」

「だからというわけではないが、
 オレも朝倉のことを名前で呼んでも構わないだろうか?」

「……え?なによ?いきなり。そんなことに意味があるの?」

「意味があるのかはわからん。ただオレがそう呼びたいだけだ」

「なんだかよくわからないけど、勝手にすればいいじゃない」

「朝倉の気分を害してしまっては、と思って躊躇していたのだが」

「はぁ?あたしがよっぽどイヤな女みたいじゃない!」

「では、構わないのだな?」

「だから勝手にすればいいじゃない」

「ありがとう、美羽」

「どういたしまして、芥川さん。
 あたし、これからあんたのこと芥川さんって呼ぶわ」


がんばれ、芥川くん。

0136名無しさん@ピンキー2009/10/13(火) 09:19:12ID:Hy+4dQXp

0141名無しさん@ピンキー2009/11/02(月) 23:16:41ID:+1n543fp
エロ小説食べちゃった遠子先輩がエロい気分になって一人でしちゃうってネタ思い付いたんですが既出な気がしてなりません。
0142名無しさん@ピンキー2009/11/10(火) 23:04:08ID:F5T1zlFA
保守
0143名無しさん@ピンキー2009/11/11(水) 06:18:05ID:UUF+cqjw
Bad daddyとかエロパロにもってこいな題材だと思うんだがな。
0146名無しさん@ピンキー2009/11/20(金) 15:25:34ID:3oCWVaXb
黒髪に三つ編みセーラー服っていう遠子先輩に似ている女の子が出てるエロ漫画を見つけたんだけど
タイトルと漫画家の名前知りたい?
0148名無しさん@ピンキー2009/11/28(土) 22:33:58ID:uI/4f9zm
age
0154名無しさん@ピンキー2009/12/31(木) 01:14:52ID:Yc+NiIgY
ほs
0155名無しさん@ピンキー2009/12/31(木) 18:07:29ID:A2o/IpjH
「いいよ、井上、私が一緒にいるから。全部忘れて、井上の好きなようにしていいんだよ」



やばいなんかものすごいことになる気がする
0156名無しさん@ピンキー2009/12/31(木) 21:55:38ID:xEspJLS/
「ゴメン、僕洗濯板にしか欲情できないんだ」
頑張れななせ、超頑張れ
0157名無しさん@ピンキー2010/01/07(木) 09:53:45ID:OVTuQ84r
そして本当に洗濯板に欲情する心葉
0158名無しさん@ピンキー2010/01/07(木) 23:35:41ID:0JOg0A2M
>>157
唐沢なをき画の心葉がハフンハフンしている絵しか思い浮かばない……。
0160名無しさん@ピンキー2010/01/11(月) 13:45:13ID:bCnCSmVd
>>105

青の炎って小説の主人公がHするときの表現に似てる( ノ゚Д゚)
いや、すごくいいです。
0162名無しさん@ピンキー2010/01/18(月) 19:25:14ID:z40Le0mx
0165名無しさん@ピンキー2010/01/31(日) 10:59:45ID:W+4VszbK
クソスレw
0168名無しさん@ピンキー2010/02/11(木) 10:58:06ID:l4yKArj6
0172名無しさん@ピンキー2010/02/24(水) 10:56:13ID:oO9F8Du1
160万部突破なのに過疎wwwwwwwwwwwwwwww
0174名無しさん@ピンキー2010/03/05(金) 05:01:47ID:eBjJ28P/
かっそかそ
0175名無しさん@ピンキー2010/03/06(土) 18:59:02ID:cLz3Ri8D
遠子先輩のエロって想像できない
0177名無しさん@ピンキー2010/03/07(日) 18:02:25ID:g0kBRNG0
官能小説(性愛文学だっけ?)を食していただければよろしいかと・・・
0178名無しさん@ピンキー2010/03/08(月) 08:11:42ID:ZeJL6rj6
文学少女SSってあんまないよなぁ……

この際非エロでもいいから、誰か教えてくれませんか?
0179名無しさん@ピンキー2010/03/08(月) 09:04:04ID:DfvKpQfp
ググってもほとんどヒットしないよな
あってもななせが多いみたいだし

心葉×遠子先輩で良質なSSはないものか
0180名無しさん@ピンキー2010/03/12(金) 10:10:16ID:r1NgPz7z
過疎ってるな

ファミ通ではバカテス(300万部)に次ぐ大ヒット作(160万部)なんだがな
0181名無しさん@ピンキー2010/03/12(金) 13:31:40ID:EZJgJpTX
とりあえず作家まで読み終わったんで
暇だったら心葉と先輩のその後でも書きたいな
0182名無しさん@ピンキー2010/03/14(日) 14:42:29ID:n/W0JVYM
文学少女(笑)とか言っといてものすごい性悪クソビッチだからなぁ
全部読み終わってこの女のすべてを否定したくなったもん
0183名無しさん@ピンキー2010/03/14(日) 18:16:42ID:MBTLZNbm
文学少女は本編より見習いの方が(今の所)面白い・・・ってのは少数意見かな?
0185名無しさん@ピンキー2010/03/16(火) 21:00:20ID:f6MPXZma
本編のほうを最近ようやく読み終わった。
作者の自己満足って感じはしたな。
そんな俺は芥川君派
0186名無しさん@ピンキー2010/03/17(水) 20:50:07ID:+elhwig3
見習いを読んで菜乃もいいと思った
まあ一番は遠子先輩だが
0194名無しさん@ピンキー2010/03/23(火) 08:53:57ID:Dv7wm50X
遠子先輩>>>瞳=ななせ>>紗代>蛍>菜乃>くらら>>>心葉ちゃん=舞花>美羽>>>千愛>>>麻貴
0195名無しさん@ピンキー2010/03/23(火) 16:01:03ID:UcydatLg
ななせかませカワイイヨななせ
0196名無しさん@ピンキー2010/03/23(火) 22:25:02ID:WhMcRrKo
卓球場をアニメ化漫画化して欲しかった…
イスミンさんお体お大事に。
0198名無しさん@ピンキー2010/03/28(日) 14:50:00ID:6ClDLAAj
じゃあ、お題ね
''心葉''、''瞳ちゃん''、''夕日の沈む部室''
制限時間は50日。よーい、すたーと!
0200名無しさん@ピンキー2010/04/01(木) 01:30:39ID:7Lu31aTx
「先輩は、あの子を、菜乃をどうしたいんですか」
夕日の沈みかけた文芸部室で思っていたことを口にだす。
いつもあたしに話しかけてきて、うっとうしいと思いながらもどこか拒否できないそんな雰囲気をもつあの子。
だれにでも明るくて、いつもドジばかりのあの子。そんなあの子の憧れが目の前の先輩。
一度は傷ついてあきらめたと思ったのに、それでも近づこうとしているヒト。
「ぼくは、日坂さんを傷つけるつもりはないよ。好きになるつもりもない」
「なら、証明して下さい」
椅子に座ったまま、わたしのことを見つめるその人に近づく。窓際に立っているその人の目の前に立った。
「どうやって?」
「わたしと付き合ってください。その姿を見せたら、あの子も諦める」
「どうして、そこまでして……」
「そんなことはどうでもいいんです。いいからわたしと付き合ってください。井上先輩にとっても悪くないはずです。あの子に言い寄られることに疲れたんじゃないんですか?」
驚いたように目を見開く井上先輩。その顔を見て、あたしはイケると感じる。これならきっとこの人はあたしの提案に乗る、そう思った。
「ぼくは、誰とも付き合う気はないよ。君とも」
「別に、井上先輩に本気になれとは言いません。ただ付き合ってるふりをしたらいいんです。わたしを利用すればいい、それだけのことです」
「そこまで君がする意味がわからないよ……」
それでも躊躇するように考え込んでいる。じれったい、もっと利己的な人かと思っていたけれど、そうでもないらしい。あと一押し。
そう思った時廊下から聞き慣れた足音が聞こえた。幸い井上先輩は気づいていないみたいだった。
「なら、いいです。じゃあ、今だけわたしがこれからいうことを聞いてください」
「頼みごと次第……かな」
「目をつぶってください」
「え?どうしてそんなことを」
「いいからお願いします。今日のところはそれで帰りますから」
多少疑いながらもあたしのいう通り、大人しく目をつぶる井上先輩。足音はもう近い。
疑われないようにそっと近づく。あの子が扉に手をかけるより速く、背伸びをして、井上先輩の首に手をまわして唇を押し付ける。
唇と唇が触れる、その感触に自分自身少しだけ驚いたけれど。
後ろで扉が開いた音がして、自分の気持ちを切り替える。
驚いた井上先輩を隠すようにあたしはそのままゆっくりと振り向いた。
「わかったでしょう?……邪魔よ」
「え、なんで。どうし……」
それ以上言葉が出て来ないのかもしれない。菜乃は、呆然としている。そこに追い打ちをかけるのなんていくらでも出来る。
「まだ、邪魔するの?」
菜乃を追い詰める、この場にいるのが苦しくなるくらいに。菜乃は目に涙を浮かべたと思うと、そのまま部室から逃げるように出て行ってしまう。
これでいい。これでいいんだと自分にいい聞かせながら、我に返った井上先輩に向き直った。
「君はこんなことをして。いったいなにを!」
「もう逃げられませんよ。あたしとは共犯者なんですから」
意識しなくても笑みがこぼれてしまう。怒ったように目をそらす井上先輩からそっと離れて出口へと向かう。
「それじゃ、約束通り今日のところは帰ります。またそのうち連絡しますから、仲良くしてください」
冷めた笑顔で返すと、先輩は落ち着いたままあたしを見返してきた。
「君は、怖い人だね」
「井上先輩も十分怖いですよ」
それだけ、言い残して、あたしは部室を出る。日も沈んで、ほとんど人の残っていない校舎を歩いていく。
初めてのキス、少しだけ感触を思い出すように唇に触れる。
これで、一歩踏み出した。もう止まれない、次へと進むしかない。その先がどこまでいってしまうのか、わからないけれど。

こうですか、わかりません><
0204名無しさん@ピンキー2010/04/10(土) 12:07:59ID:LOjWl3X3
ふと気になったけど初代含めて作品が保管されている場所はあるのか?
02112092010/04/21(水) 20:35:46ID:Mav/kF/W
よしわかった
時間があまりないから遅くなるかもしれないけど作るわ
0213名無しさん@ピンキー2010/04/24(土) 09:47:20ID:UBouKZwn
お久しぶりでございます。
遅ればせながら、>>198のお題で。


ふぅん。ここが文芸部の部室なのね。
案外、小さい部屋じゃない。って言うか、物置とも言えなくもない風情ね。
こんなところで、コノハと天野遠子は同じ時間を過ごしていたのか…。

なるほどね…。
あたしは杖を持ち直しながら、小さくつぶやいた。
外の文化祭の喧騒が嘘のような狭い部室にコツンと音が響く。

今頃、コノハたちは劇の真っ最中だろう。
一回練習を見に行ったけど、本番を見たいとは思わない。
どうせ琴吹はあがりまくってるだろうし、日坂菜乃は見ればムカツクだけだ。
そういえば、先日の練習の時には日坂菜乃の友達はいなかったな。
瞳ちゃんとか言ったっけ。
キレイな子がコノハの近くにいないのは良いことだけど。
ふと思うと、コノハって意外とメンクイかもしれないわ。結果として。
でもなんで、日坂菜乃は気になるのかしら。

秋の陽はすでに傾いていて、夕日の沈む部室には金色の光が満ちていた。
どうせ文化祭でコノハの学校に来るのなら、劇よりも一度この部室を見たいと思っていた。
場所は一詩に案内させたし。
あたしが見たいと言ったら、そうかとしか言わずに連れてきてくれた。
不思議に思わなかったのかしら。

思えば、今ではコノハがここの部長なんだ。
文芸部部長井上心葉さんねぇ。
もし、あのままあたしがあたしでコノハがコノハでいられたとしたら。
ひょっとして、この部室にいたのはあたしとコノハだったのかしら。
あたしは、そんな想像の翼を広げてみる。
そう。あたしだって文学少女だったんだ。
コノハにとってしてみたら、元祖文学少女と言っても差し支えないくらい。

部屋を見渡すと、うず高く積まれた本の中の一冊に目が止まった。
宮沢賢治か…。
一時期は見るのも嫌な気持ちがしていたけど、今ではもう一度読んでみたいと思う。
ふと今すぐ目を通してみたい衝動に駆られ、手を伸ばした。

「あー、朝倉。部室の中のものに手を出さないで欲しいのだが」
「なに?一詩、まだいたの?」
「まだ、というか、ずっとここにいた」
「っく…。ちょっとは気を利かせて外に出てなさいよ」
「文化祭とはいえ、一応部外者を勝手に案内しているし、
 井上の許可も取って無いからな」

本当にこいつは、気が利かないくせに、澄ました顔で正論だけを言う。
いつもだ。

まあでも今日は、あんまり怒らないでおいてやってもいいか。
だって、黙ってコノハの書斎に連れてきてくれたのだから。



がんばれ、芥川くん。
0215名無しさん@ピンキー2010/05/03(月) 23:53:07ID:aTvtBjED
ほんのちょっとしたねた 自分の解釈ですのでまあ使って戴ければ 「太宰治について」
斜陽はまるでロシア料理のようね!
まあ元々アントン・チェーホフの桜の園をモチーフにしているのだけれど、そこに主人公のかず子が上原という新興のデカダンス作家の子を産むという重大な決意をするの。
この味わいはロシアの庶民料理に欠かせないビーツの歯ごたえのある食感そのものよ。
あの力強い決意が今も名作とされている理由かもね。
あと忘れちゃいけないのは 弟の直治ね  
0216名無しさん@ピンキー2010/05/03(月) 23:56:20ID:aTvtBjED
すいません あまり評判が良くないようなので。
0217名無しさん@ピンキー2010/05/03(月) 23:58:57ID:aTvtBjED
もう少し書きたかったのだけれども母やかず子などをいい損ねた
0219名無しさん@ピンキー2010/05/08(土) 16:33:11ID:etz6x09r
>>214
あなたは私をを怒らせた。。
なぜなら、静岡県内じゃ6月中旬公開だからよっ!
バカテス?放送自体されませんでしたが、それが何か?
0224名無しさん@ピンキー2010/05/15(土) 04:20:30ID:vNCFfLuu
シスコン舞花のお兄ちゃん誘惑大作戦
0225名無しさん@ピンキー2010/05/17(月) 02:43:54ID:xLQHUW4L
ほす

>>224
シスコン→ブラコンじゃね?
もしかして、お兄ちゃんは実はおにゃのこだったと設定しろと?w
0228森ちゃんとななせの修学旅行(百合注意)2010/05/19(水) 03:32:02ID:KycO0sYz
「ななせ〜。やっと二人っきりだよ〜」
私は、ななせに勢いのまま飛びついた。そのまま二人でたたみに引かれた布団へと倒れこむ。
「ちょ、ちょっと森ちゃん!いきなりどうしたの〜」
ふふ、困ってる、困ってる。あぁ、かわいいなぁ。
「森ちゃん、なんか怖い顔してるよ……」
いけない。思わず顔に出ちゃっていたらしい。
「そんなことないよ。やっぱりななせってスタイルいいよね〜」
ななせが着ている浴衣は出るところは強調して、控えめのところは控えていて――。
ベタベタと遠慮なくななせの体を触る。
「森ちゃん、どこ触って――」
「いいじゃんいいじゃん。減るもんじゃないし〜」
ふにふにとななせのおっぱいを指先でつつく。私にはないほどの大きさをしてるそれは、私がつかんでもこぼれてしまいそうなボリュームをしていた。「ひゃっ」とか、かわいい声をだして押しのけようとしてるけど、そのことは見てみぬふりをして続ける。
「あ〜、ブラしてるの?はずさないの?苦しくない?」
「ね、寝る前にははずすよ。でも、まだ消灯時間じゃないし……」
「手伝う!」
「平気だから……。ていうか森ちゃん、目が怖いよ?」
「そんなことないよ。普通だよ」
そうそう普通だよ!こんなかわいいななせ見たら誰だってそうなるんだから。
「森ちゃん、そろそろどいてくれると嬉しい」
「こうしていたいのに!ななせは私のこと嫌いなの……」
おどけたように言っても、ななせには流されてしまう。
「そうじゃなくて、明日の準備もしとかないと。森ちゃんもちゃんとやらなきゃダメだよ」
「は〜い」
おずおずとななせからはなれて自分のカバンの下へと近づく。まだ今日は修学旅行初日で、明日もすることはいっぱいあった。荷物を整理して、予定確認して――。
そうこうしてるうちに、見回りの先生が消灯時間をつげ、去っていった。
「ここ消しちゃうよー」
「うん」
大きな明かりを消し、間接照明だけ残す。寝るには十分な暗さ、そして部屋の中を見るには十分な明るさだった。
ふとななせのほうを見ると、ゴソゴソと恥ずかしげにブラをはずすところだった。背まではだけた浴衣が妙に生めかしい。
そぉ〜っと。そぉ〜っと
「えい!隙あり!」
「きゃっ」
ななせの脇から手を回して、その胸をわしづかみにした。
やっぱり、大きい……。うぅ、いいなぁ私もこれくらいほしい。
手のひらいっぱいのそれの感触を確かめるように揉んでいく。
0229森ちゃんとななせの修学旅行(百合注意)2010/05/19(水) 03:33:14ID:KycO0sYz
「ちょ、ちょっと、森ちゃん、や、やめて」
じたばたともがくけど、私は離さない。はぁ、ずっとこの感触を味わってたい。
後ろから覗き見るななせの顔はさくらんぼみたいに真っ赤になっていた。
「いいの、いいの。こんなに気持ちいいんだから」
「わ、私はよくない……」
ななせはあきらめたように大人しくなっや。私にされるがまま我慢している。
「痛くない?」
「痛くはないけど」
「井上くんにこうしてもらうのとどっちがいい?」
「い、井上?あ、え、えっと、あ、その」
「あ、想像しちゃったんだ?」
「し、してない!」
「どんなふうに想像したの〜?こんなかんじ?」
少し乱暴に、荒々しくもみしだく。ななせが、さっきまで大人しくしていたのが嘘のように私の手首をつかんだり、体をよじって必死に止めようとする。
「そっかぁ。こんなかんじなんだ。意外と井上くん激しそうだもんね」
「ち、ちが、ゃ」
恥ずかしさに頬を真っ赤に染めて、目じりに涙をためたななせに、私は揉むのを一旦やめた。胸に手を置いたまま、その体温を確かめるようにななせに抱きつく。ななせは安心したように息をついて、落ち着こうと深呼吸をしていた。
伝わってくる体温はとても暖かくて、顔も熱っぽく上気してる。
「ななせ、興奮してるでしょ?」
「そんなこと、ない」
「無理しなくていいのに」
「嘘じゃないって」
「そっかぁ」
一度胸から手を離して、ななせのおなかに手を回した。
このまま寝られたらいい抱き枕なのになぁ。うん、寝るときはななせの布団にもぐりこもう。うん、決まり。
考えがまとまって、もう一度ななせのおっぱいへと手を伸ばす。胸から手が離れて油断していたななせの硬くなったそこへと指を伸ばし、一気に押し込んだ。
「ん〜っ!」
そのまま押し込み続けるようにぐりぐりと指先で弄くりまわす。
「も、森ちゃん、ダメ。ん……ゃ、はぁ、やめ、ん!、ぁ、ぅ」
「油断したなぁ、私のほうがだめだよ〜。ななせがかわいすぎて」
「お、ん、お願い……離し、て、ゃぁ」
ななせの表情に私のほうが変に気分がノってきてしまった。このままななせを楽しみたい。そして一層力をこめようとしたとき
0230森ちゃんとななせの修学旅行(百合注意)2010/05/19(水) 03:35:01ID:KycO0sYz
「う、ぅ、やめ、て。くら、ら――」
「なな、名前はNGだよ!」
思わず手を離して、自分の耳を塞ぐ。予想外の反撃で、私のほうが取り乱した。
だめ、クララはだめ、森、森私は森だよ。くららは、くららは……。
「はぁ、はぁ……」
ななせはというと、私の手から解放されて力が抜けたのか、息を荒くしながらも、ぐったりと布団に倒れこんでしまう。
「う〜、ななせぇ。名前を呼んじゃだめぇ」
「だって、森ちゃん、やめて、っていってるのに、はな、してくれ、なかったし。いじ、わるは、そっち、だよ」
ななせは、本当に恥ずかしそうにして私に背を向けて、自分の胸を両腕で隠す。恨みがましそうにこちらを見つめた。
「だからって、名前はダメだよ〜。くぅ、そっちがその気なら、私だって」
ななせが寝ているすぐ横に私も倒れこむ。
「え、え。もうやめよう、ね?もう消灯時間」
「今日はななせを抱き枕にするって決めたの。そのもふもふクッションを抱きしめて寝るって」
「変なことしないなら、それでもいいから。今日は、ね?」
「ふふふ」
「森ちゃん、また目が怖くなってる」
「てやっ」
右手をのばし、ななせの手をすり抜けてさっきまで触っていたそれへと手を伸ばす。
「な、ひゃっ……ぃゃぁ」
ななせが振り返って私を見る。何かをいいたげに。
私はそれに笑顔でニヤリと返した。
ななせはやめてくれないと判断したのか、私を止めようともう一度名前を呼ぼうと、口を開けて。
「もう駄目だってば。く――」
名前を言い切る前に私の唇をななせの唇へと押し付ける。女の子同士のキス。お遊びですることもあるけど、今回はちょっと違う。
ななせを困らせるために舌先を少しだけ伸ばす。そしてななせの口内に侵入して――。
悲鳴のようなくぐもった声が部屋の中で響いた。
夜も修学旅行もまだまだ始まったばかり。


むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない
0231名無しさん@ピンキー2010/05/19(水) 10:42:40ID:UwI+1I3U
GJ!
映画から入って原作読んでみたらななせかわいいし美羽ヤンデレだし最高
0239名無しさん@ピンキー2010/05/29(土) 16:13:25ID:oZLqr4Nw
遠子「男の人って、こういうの好きなんだよね」
そういってパイズリしようとするが…
遠子「アレ? えいっ えいっ!」
心葉「…そんな痛々しい夢を見るのは止めてください、物理的に不可能ですから」
0242名無しさん@ピンキー2010/06/02(水) 11:58:21ID:AO6OYbUc
>>239
そう良いながらもがちがちに固めて、時折触れる先輩の乳首に擦られイッてしまう心葉
0251名無しさん@ピンキー2010/06/13(日) 11:06:12ID:wDvktFE0
「本当の幸いとはなんだろう」
ジョバンニは言いました。
0252名無しさん@ピンキー2010/06/14(月) 12:50:54ID:OmRL+uGO
作家井上心葉と編集者遠子先輩。
エロ無し(寸止めというか省略)
0253心葉×遠子2010/06/14(月) 12:52:12ID:OmRL+uGO
「遠子先輩」
「違うわよ、心葉くん。私は君の担当編集者の天野さんです。天野さんと呼んでちょうだい」
 ソファで向かい合って座った遠子先輩は、相変わらずない胸を張って見せる。
「だったら、心葉くんじゃなくて、井上先生じゃないと」
「う……い、井上……せん……井上さん……」
「だったら、僕は遠子さんと呼ぼうかな」
「ちょっと待って、それ、距離が縮まってない?」
「遠子さん、これ原稿です」
 都合が悪い時には黙らせてしまうに限る。編集者相手にはこれが一番だ。
「えええっ、あっ…は、拝見します……」
 遠子先輩は受け取った短編の原稿を一心不乱に読む。
 さすが編集者、読むスピードが速い。
 真剣な眼差しで原稿を読む遠子先輩を、僕はほおづえをついてうっとりと眺めていた。
「――相変わらず素敵ね心葉くん……じゃなかった井上……せんせ……」
「お互い無理はやめましょうよ、遠子さん。それと、これ」
「……これは?」
 手書きの原稿用紙に遠子先輩は戸惑っている。
 さすがに今はパソコンを使って原稿を書いているし、場合によってはメールで入稿している。
 手書き原稿なんて、遠子先輩も滅多にお目にかかっていないはずだ。
0254心葉×遠子2010/06/14(月) 12:53:00ID:OmRL+uGO
「これは、遠子さんへのおやつです」
「……っ! だ、ダメよ、心葉くん! あなたは私の作家じゃないのよ! 
 そんな、食べちゃったりしたら読者の皆さんに申し訳がたたないわ!」
「いえ、そのおやつは、遠子さんだけが読者なんです。他の誰にも見せられません」
「え……?」
 遠子先輩は不思議そうに原稿用紙を読み始め……みるみるうちに耳まで真っ赤になっていった。
 それはそうだ。これは他の誰にも見せられない、井上心葉が全身全霊を傾けて渾身の力で書いたラブレターなのだから。
「そ、そうねっ! これは誰にも見せられないわね……っ」
 遠子先輩はそわそわもじもじと、スカートのしわを直したり髪を弄ったりと落ち着きがまったくなくなっている。
「……食べないんですか?」
 僕はソファの間のテーブルを乗り越えて遠子先輩に迫っていく。
「もったいなくなんかないですよ。僕はいくらでも書きます。
 あなたへの想いなら世界中の原稿用紙を埋め尽くしたって書ききれないくらいだ」
 僕は遠子先輩が手にしている原稿用紙の端をちぎって、遠子先輩の口に差し出した。
 促されるままに、遠子先輩が原稿用紙の切れ端を口に含む。咀嚼するごとに、遠子先輩の瞳が潤んで、頬が熱くなっていく。
0255心葉×遠子2010/06/14(月) 12:54:43ID:OmRL+uGO
「こ、心葉くん……」
 キスをした。遠子先輩が卒業して以来のキス。何度も、何度も先輩の唇を味わう。
 深いキスをしながら、遠子先輩をソファの上に押し倒す。仕事中だって構うものか。
 六年もこの時を待っていたのだから、さすがに僕も我慢の限界だ。
 今日は最初からそのつもりで舞花を遠ざけておいたんだから。
「ま、待って心葉くん……」
「嫌です、待ちません」
「そんなあっ」
「まさか、いやなんですか?」
「……こ、ここじゃいや……」
「え?」
「ソファなんかじゃ嫌。は、はじめてなんだから、ちゃんとベッドでしてえっ!」
「わ、分かりましたっ!」
 ぼくはせっかく作ったムードを全部ぶち壊されて、苦労して遠子先輩をベッドルームに運んだ。
 抱きかかえないと動いてくれそうもなかったので大変だった。
 ベッドの中でも宥めたりすかしたりと相当に苦労した。
 それでも遠子先輩が本当に処女だった事が飛び上がるほど嬉しかったり、僕は結構単純かもしれない。
0258名無しさん@ピンキー2010/06/14(月) 21:48:56ID:cIetY06+
久々のSSにGJ!
六年ぶりの再会だもんな、二人ともすごい激しそうだ
0259名無しさん@ピンキー2010/06/15(火) 08:12:10ID:I6OFf6R7
心葉ちゃんかわいいよ、心葉ちゃん。


団鬼六とからめて誰か!!


ええいまどろっこしい、俺が書く!
0262名無しさん@ピンキー2010/06/17(木) 15:46:38ID:0Ub/aoLw
文学少女の同人って心葉ちゃん×遠子先輩と心葉×ななせの二冊しかないのか?
0264名無しさん@ピンキー2010/06/17(木) 20:21:29ID:AWNir4LI
200万部も売れているんだがな

ファミ通文庫ではバカテス(300万部)に次ぐ大ヒット作なのに
0265名無しさん@ピンキー2010/06/17(木) 21:20:22ID:v3LW+lml
そうはいっても元はラノベだもの

アニメ化といっても劇場版だしね
TVだったら、書いてみようかなって人多少は増えると思うが
0270名無しさん@ピンキー2010/06/22(火) 07:54:40ID:7lr+dy5i
心葉「今度女子中学生の話をかかなきゃいけないんだけど・・・。その、濡れ場が書けなくてさ・・・」
舞花「いいよ。お兄ちゃんのアシスタントだもん」


こうですかわかりません
0271名無しさん@ピンキー2010/06/23(水) 09:10:31ID:71ceGhd5
芥川くんが美羽に調教されて堕ちてゆく作品がみたいって

あるいみ本編がそうか…^^

0274名無しさん@ピンキー2010/07/01(木) 10:26:34ID:6YtsMUAv
0276名無しさん@ピンキー2010/07/03(土) 22:40:40ID:4RTpNjz8
遠子先輩のママがカナコさんに見せ付けるようにまぐわっていたシーンとやらを誰か再現してSS書いてくださーい
0278SS保管人2010/07/09(金) 21:26:38ID:IhOfr+c4
2chエロパロ板SS保管庫
http://green.ribbon.to/~eroparo/

スレ住人の皆様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?


0281SS保管人2010/07/11(日) 23:09:44ID:lL7J9YzQ

問題無さそうなのでライトノベルの部屋4号室に収蔵させて貰いました。
0282名無しさん@ピンキー2010/07/12(月) 12:42:39ID:FqYE/6Jb
フルメタが消えたと思ったら独立してたでござる
乙カレー
0285名無しさん@ピンキー2010/07/14(水) 09:49:12ID:heZaNj6E
正直最初は小ネタでもなんでもスレ伸ばすしかなかったからなぁ
0286名無しさん@ピンキー2010/07/17(土) 07:33:58ID:Tnh7o7yR
竹田さんのエロって無いんだな
あの子は性欲強そうだ
0289名無しさん@ピンキー2010/07/17(土) 23:17:37ID:pHt7XiNb
夏コミで文学少女本出そうと思っているのだけど、映画から入った後発なんでネタが既出じゃないか心配だ。
0291名無しさん@ピンキー2010/07/18(日) 00:07:52ID:TNmxRmCf
AV撮るわよ!なんてどれだけ濫造されたことやらw
まぁまだマイナーな方の文学少女で被ったらうわあああああってなるかもしれないが

そしてそういった話はスレチだ罠
0292名無しさん@ピンキー2010/07/18(日) 16:50:00ID:2vk8No84
エロパロなら本編後が読みたいけど
同人なら本編中のが読みたい
02932892010/07/19(月) 00:22:35ID:dsjZYbaw
サンプル代わりに、こんな感じで。

 放課後を告げるチャイムが鳴り、バタバタと教室が騒がしくなる。
 さて今日も部室に向かおうかな、と鞄を持ち上げたら、廊下の向こうに長いお下げが跳ねるのが見えた。
 やれやれ。待ちきれなかったのか。
「部活の時間よ! 心葉くん」と以前は教室に怒鳴り込むようにやってきて、拝み込むようにして文芸部に強制連行されたりしたのだが、最近は自分から足を運ぶようになったので、この状況は久しぶりである。
「どうしました? 先輩」
「あのね、心葉くん、ポストにお手紙が入っていたの」
 ポストというのは遠子先輩は校内に不法設置した『恋愛相談受け付けます』という鳥の巣箱をそう呼んでいるのである。
 サンタからの贈り物を喜ぶクリスマスの子供のようなにこやかな表情で手を引っ張り部室に連れ込もうとするのだ。
 情熱的ともいえる様子だが、残念なことにその対象はぼくではなく机に置かれた変哲も無い茶封筒にあったのである。
「ほら。心葉くん、これよ」
 宛名は書かれていなかった。当然裏側に署名も無い。ちょっと厚みがあり、僅かに重い。中には本が入っているのだろう。
「開けるわね」
 初めてのプレゼントを開ける幼児のようにウキウキワクワクという擬態語が見えそうな遠子先輩は封筒の中身を取り出す。
「これは……文庫本ね……?」
 それは瞳の異様に大きなアニメ絵の少女が扇情的な肌を晒す表紙イラストの、いわゆるジュブナイルポルノと呼ばれる本であった。
「異次元ファンタジー文庫だ―――」
 ぽかんとした表情で遠子先輩は表紙をめくり、カラー口絵の際どい色彩に眉をひそめる。
「これは女の子が読むような本ではありません。ぼくが没収します」
 奪い取ろうとすると強固な抵抗にあった。
「駄目よ。これは文芸部に寄贈された本なんだわ。だとしたら、わたしの手によって検閲されるべきなのよ」
「これは先輩のごはんになりませんって。ぼくのおかずにします」
「まっ」
 遠子先輩が耳まで真っ赤になったのを見て、僕までも赤くなってしまう。
02942892010/07/19(月) 00:23:17ID:dsjZYbaw
 その隙に先輩は本を確保すると窓際にまで逃げ出した。
「異次元ファンタジー文庫はテキストデザイン社から刊行されている官能小説のシリーズよ。その名称が示すとおりファンタジーやSFを主題とし、イラストを強化したこのシリーズは、従来の官能小説の読者層と異なる若年層に向けて爆発的にヒットしたわ」
「詳しいですね」
「邪の道はヘビーよ」
「・・・・・」
「蛇の道は蛇よ」
「いいなおしたっ!?」
 検索したら思ったよりもヒットしたので、さすがの遠子先輩も使用するのが躊躇われたのであろう。
 ページを一枚、千切りとって口に入れる。
「……ん、コクがある。くどいほどに描写を重ねてコッテリした味付けになっているわね。擬音が多いのは噛まずに読める、柔らかな……というよりむしろ歯応えが無い感じ。例えるならジャンクフード。脂とスパイスたっぷりのスナック菓子の味だわ」
 意外そうな顔ではむはむと頬張った。
「思っていたよりも酷くないわ」
「それはよかったですね」
 遠子先輩の悪食ぶりにはホトホト頭が下がる。こんな本までも守備範囲なのか。
 ところが、むしゃむしゃと食べるペースが次第に落ちて、形の良い眉をしかめる。心なしか口元も歪んでいるようだ。
「どうしましたか?」
 口もとに浮かぶ笑みを押さえるようにして、気遣う言葉をかけた。
 いつもならハイテンションで『うーまーいーぞー』とか『まずーい』と叫びながら独楽のようにクルクル回るというのに、遠子先輩は口数も少なく、心なしか青ざめているようである。
02952892010/07/19(月) 00:23:42ID:dsjZYbaw
「描写がくどすぎて舌に絡みつくようだわ……味も刺激的なだけで単調。一言でいえば、飽きてきた……」
 弱々しい口調で呟く。
「スパイシーな激辛チップにマヨネーズをかけて黒胡椒と粉チーズをトッピングしたような味だわ。濃厚にまとわりついて舌を刺激し、塊となってゆっくりと喉を通過するの。それが十ページ、二十ページならともかく、二百枚を越えて延々と続くなんて……」
 口元を押さえうつむく。
「なら、やめればいいじゃないですか」
「本を残すのなんてもったいないわ」
 それだけは毅然とした表情で宣言した。
「……う、気持ち悪い……」
 すぐに下を向いてえずく。顔色は蒼白に近い。
「ごめんなさい。心葉くん。今日の部活はここまでということで……」
 ふらふらと、それでも文庫は手放さずに遠子先輩は扉に向かった。
「あ、今日の三題噺はどうします?」
「明日に……」
 か細く言い残して扉を閉める。
 部室にひとり残された。
 あの食いしん坊の先輩が、おやつも食べずに帰るなんて。
「悪いことしたな……」
 思わず呟いた。
 欲情した先輩をみてみたい。そのためにはエロ小説を食べさせればいいじゃないか。安易な考えでポストに異次元ファンタジー文庫を投函したら、この様である。
 明日のおやつはおなかに優しい、ほのかに甘い文章でも綴ろうか。
 反省する井上心葉であった。
02962892010/07/19(月) 00:25:48ID:dsjZYbaw
以上。

読んだ人の大半が想像する、「遠子先輩にエロ小説を読ませて、欲情した先輩とエロイ事に」
という展開のはずだったんだけど、こんなことになってしまったよ。

難しいなぁ。遠子先輩とエロイ事にならないよ。
0297名無しさん@ピンキー2010/07/19(月) 21:51:15ID:IXoqFx6c
すんなり読める文章だからいいんじゃない
欲情した先輩見たいなら、次は芥川くんとのBL本でw
0299名無しさん@ピンキー2010/07/21(水) 20:43:54ID:eF7JzdmV
>>298
小さい頃は絵本食べてたとかありませんでしたっけ?
絵本がOKなら漫画も大概いけそうな気がします。
どおくまんとかだと文字情報が少なくて「味しなーい!」とか言いそうですが。
0303名無しさん@ピンキー2010/07/21(水) 23:01:51ID:Kji3XBAr
作者は漫画もそれなりに読むらしいが、遠子先輩が漫画読んでたらなんか幻滅するな
手塚治虫とかならわかるが
0304名無しさん@ピンキー2010/07/22(木) 01:46:35ID:H/vFjV8E
マンガがダメならマンガを小説にしてしまえば問題ない。
……それをするのは心葉になりそうだ。
0305名無しさん@ピンキー2010/07/23(金) 19:22:27ID:s9G4M6F/
ななせ「遠子先輩、どうかしたんですか?」
遠子「うん、実は井上君が部活動をサボるのよ」
ななせ「井上が?確か部活動って三題噺を書くんでしたよね?」
遠子「そうよ、心葉君ったら今回のお題を言ったら断固拒否って言い張るのよ」
ななせ「……どんなお題なんですか?」
遠子「“井上心葉”“初体験”“攻める獣”」
ななせ「それは断りますよ!!」
遠子「う〜ん。じゃあこれを見てる職人さん!!百時間までにお願いね!!」
ななせ「えっ?そんなのを本当に書かせるんですか!?」
遠子「心葉君がソフトなSなお話で、濃厚なのをお願いね!!ほらほら、ななせちゃんもリクエスト」
ななせ「ええっ!?じゃ、じゃあ、出来るだけ長いのを……べ、別に私と井上のを書いて欲しいわけじゃないんだからねっ」
遠子「それじゃあよろしくお願いしまーす!!」
0310名無しさん@ピンキー2010/08/05(木) 05:44:59ID:3M9gQzVL
心葉が辛抱たまらんようになって押し倒しても、美羽は受け入れただろうか?
0312名無しさん@ピンキー2010/08/05(木) 14:13:12ID:HN0KOC9D
>>310
泣いて、自分のこと汚い人間だよみたいな告白して、それでもいいと心葉に言われて受け入れちゃう感じ
0313名無しさん@ピンキー2010/08/08(日) 09:31:29ID:XsYyUtRb
>>311ななせは襲われただけでぬれるな。
そんなSS誰か書いてくださいお願いします。
0314うらない京 ◆uk//x.xSm6j9 2010/08/10(火) 23:42:26ID:Eoy1Wfh6
心葉「あっ・・・先輩寝てる」
遠子「Zzzz」
心葉「ちんちんシュッシュッシュッうっ」
心葉「・・・ついキレイな髪を汚してしまった・・・どうすれば」
遠子「ん・・あら、心葉君じゃない。どうしたのそんなところに突っ立って」
心葉「い、いえ・・・(ヤバいどうしよう)」
遠子「そう、ところでこの匂い何かしら・・・?栗の花のような・・・」
心葉「なんでしょうね・・・一体・・・(ヤバい前髪の精液が垂れてきてる)」
遠子「あら、何か前髪についてる・・・ペロっこれはっ!」
遠子「どうみても精子です。本当にありがとうございました。って違うわよ!心葉くん!また私の髪にかけたのね!」
心葉「す、すいません!つい髪の毛がキレイで・・・」
遠子「う〜、もう、仕方ないんだから・・・溜まったのなら言ってくれれば手伝ってあげたのに」
心葉「はは・・・次からお願いします・・・それじゃ!」
0315名無しさん@ピンキー2010/08/21(土) 07:18:44ID:HlVubko9
美羽がもう少しスレてたら、中学生の時点で関係持ってたんだろうな
0316名無しさん@ピンキー2010/08/22(日) 06:39:53ID:kJNJHaqx
そういうことを何も知らなかった心葉が、初めての快感に猿みたいに求める光景が目に浮かぶ
0318名無しさん@ピンキー2010/08/23(月) 10:09:41ID:AegeCYnb
そのうち美羽も気持ち良くなるようになって、二人で快楽に溺れるんですねわかります。

小説? 二人で実体験元にした原稿を二次ドリにでも送るんじゃねw?
0322名無しさん@ピンキー2010/08/27(金) 07:30:38ID:VP45CJJJ
遠子先輩の主食も官能小説になり、言動の節々がなまめかしく!

でもソラに似ているを出さない限り心葉と接点が持てない罠
0324名無しさん@ピンキー2010/08/29(日) 13:55:09ID:krAsJy9Z
卒業読み終わった。
読んで良かった。
でも、フルメタも文学少女もおわってしまった。これからどうしたらいいんだろう?
0325名無しさん@ピンキー2010/08/29(日) 14:15:20ID:L4OpFBjB
ラノベ以外も読もうよ
遠子先輩オススメの本が沢山あるだろ
0326名無しさん@ピンキー2010/08/29(日) 17:09:41ID:4eP12Ewe
本スレ無法地帯すぎワロタ


昨日ネタバレスレ誘導してたやつが滑稽に見えてくるわ
0328名無しさん@ピンキー2010/08/31(火) 01:34:36ID:lqloa81t
瞳ちゃんはエロくないのにエロいから困る
そのうちアフリカで処女喪失するんだろうなと考えただけで滾るぜw
0334名無しさん@ピンキー2010/09/02(木) 06:22:13ID:Ky8Vl8Bo
心葉はあれだ、美羽相手だとMだが、遠子先輩とななせ相手だとSになるイメージ

菜乃? 菜乃にはバリバリのドSですが何か?
0335名無しさん@ピンキー2010/09/02(木) 22:10:06ID:V5MFIVXJ
菜乃は不遇すぎてワロス
振られることが前提としてあるって悲しすぎるだろ
0336名無しさん@ピンキー2010/09/03(金) 04:13:10ID:x+Tm2c0e
でも、こんなに可愛く書かれたキャラ他にないぞ? ・・・多分。
泣きながら”みずうみ”を食べてるところなんかもうかわいくてかわいくて。
麻貴先輩でもいいからこの子を幸せにしてくれんかなぁ
0337名無しさん@ピンキー2010/09/03(金) 19:12:14ID:aZbEhPU1
自分のこと好いてくれてる後輩がいたら普通食っちゃうだろうに……
0338名無しさん@ピンキー2010/09/04(土) 07:49:52ID:o3+LwnMf
取りあえずラノベ以外を読んでみた



「井上・・・」
「ありがとう琴吹さん。おかげで冬柴さんを元に・・・」
「そ、それより、その・・・」
「?」
「ご、ご褒美、ちょうだい?」




淫乱少女と肉棒の杭打ち機(パイルバンカー)
03422892010/09/12(日) 22:33:58ID:7lSb+g1R
「卒業」の359ページ。
これ、最初読んだときは心葉君と琴吹さんが二人がかりで駄目だししているように読めたのだけど。
読み返してみたら、琴吹さんが一人で言っているような気がしてきたので、ひょっとしたら心葉君もまんざらでもなかったんじゃないか?
と、ちょっと妄想。
03432892010/09/12(日) 22:36:06ID:7lSb+g1R
 最高級の笑顔と共に日坂菜乃は甘えるように言う。
「バレンタインデーのお返しには心葉先輩とデートがしたいです」
 そう宣言した途端にななせ先輩が押しのけるように前に出た。
「らめぇ! 井上は日坂で無く、あたしと!」
 その台詞に心葉先輩はビックリしたようであった。
「どうしたの? 琴吹さんらしくないよ」
「あたしも日坂を見習って暴走突撃するの!」
「……こんなのを見習うなんて滅茶苦茶だ……」
 頭を抱える心葉先輩にわたしは抗議した。
「こんなの、とはどういう意味ですか!」
 しかし、ななせ先輩は二人のやり取りも耳に入らず自分の世界に入ろうとしている。
「やっぱ、井上とディズニーランドに行きたいよね。それでそれで、一緒にシンデレラ城の前で……きゃぁ!?」
 真っ赤になって顔を覆うようにしてフルフル震えだした。
「ミッキーのヘアバンドつけて、それでそれで……」
 痙攣するように身もだえしている。
 そんな乙女チックな、ななせ先輩の希望を聞いていると、スキーに誘おうとしていた自分が見劣りするような気がしてきた。
03442892010/09/12(日) 22:36:58ID:7lSb+g1R
「なら、わたしは夜景の綺麗なレストランでドンペリを傾けたいです。そのあとは高級ホテルで夢のような一夜を……」
「未成年じゃないか。お酒は感心できないな」
「それならラブホでいいです。わたし、まだ入ったことないですし、心葉先輩と、なら」
 上目遣いでモジモジしながら心葉先輩を見やる。このテクニックは瞳ちゃんに教わったものだ。さすが男二人を手玉に取った実経験を持つだけあって薀蓄が深い。
 ちなみにななせ先輩はブツブツと呟きながら虚空を眺めニヤニヤしていた。こっちのことは聞こえてないみたい。
 肩をすくめ溜息をつきながら心葉先輩は言った。
「……いいよ。お礼にどこでもつきあうよ」
「やった!」
「どうせ、言い出したら聞かないんだから……」
「えへへ。照れますね」
「褒めてない」
 ななせ先輩は自分で自分を抱きしめながらクネクネしている。邪魔するのも悪いのでそのままにしておいた。
03452892010/09/12(日) 22:37:25ID:7lSb+g1R

        *
 そして、その日がやってくる。
 瞼を閉じて開けたら到達していたみたいな曖昧な時間感覚。
 おろしたてのブーツにカジュアルなワンピ。その中にも真新しいお日様色の下着。背伸びしてセクシーなインナーにしたかったけど、さすがに身の程をわきまえた可愛らしいデザインのものだ。
 駅前で心葉先輩と待ち合わせ、しばらく歩く。
 そして連れて行かれた先は、変哲も無いホテルであった。今まで何度も前を通ったことがあるのに見過ごしていたような平凡なビル。
「これがラブホテル? もっとお城のような建物かと思いました」
「景観条例とかあるからね。そういう昭和の遺物は郊外に出ないと」
 そこで心葉先輩は気が付いたようだった。
「ああ、そうか。いかにもなホテルのがよかったのか」
 わたしは首を全力で横に振る。
「先輩となら、どんなホテルでもオッケーです」 
 場所よりも、行為のが重要だから。
 言外に含ませたのを読み取ったようで心葉先輩は薄く微笑む。
 足を踏み入れるとそこは狭いロビーであった。
 まず並んだ自販機に目を奪われる。ジュースや煙草の見慣れたものが並んでいるなかに、こじゃれた薄い小さな箱や大きめの箱が気になるのだ。
 近寄って観察してみると、避妊具に大人の玩具であった。中には露骨な形のものもあり、赤面するしかない。
03462892010/09/12(日) 22:38:04ID:7lSb+g1R

「日坂さん、こっちだよ」
 気を取られているうちに、先輩が手続きを済ませてしまったようだ。しまった。どんなシステムになっているのか見学するのを忘れてしまったではないか。
 手招きされて狭いエレベーターに乗り込む。身体が自然と密着した。そして不自然な沈黙。
 ここはやはり割勘を申し込んだ方がいいのだろうか。それとも素直に奢られておくべきか。
 男の子に対して割勘は問題あるような気もするが、だからといってあまり金銭的負担をかけてしまうのも申し訳ないように思ってしまうのである。。
 逡巡しているうちに目的の階に到着したようであった。
 口に出せないまま部屋に案内される。
 そこは純和風の部屋であった。
 十二畳ほどで布団が既に敷かれている。温泉旅館のような光景。
「昭和時代の連れ込み旅館をイメージした部屋を選択してみました」
 照れたような笑みを浮かべて心葉先輩は言った。
「へぇ。太宰治が愛人と一緒にこういう部屋に来ていたのかもしれないですね」
「そうだね。ところでシャワーは先に浴びる?」
「先輩からどうぞ。私はもう少し部屋を観察してみます」
03472892010/09/12(日) 22:40:09ID:7lSb+g1R

 水音を聞きながら部屋を見渡す。
 変哲も無い温泉旅館にしか見えない。
 ただ障子の向こうは窓になって、隣のビルの壁しか見えないし、床の間にあるティッシュの隣にはゴム製品がちょこんと鎮座している。
 備え付けの冷蔵庫を開けたら、デフレなんか忘却したようなプレミア価格のビールや精力剤がお行儀良く行列しているし、テレビをつけてみたら大音量でエッチなビデオが流れて、ビックリして慌てて消した。
 布団の縁にぺたんと座り天井を眺める。別に普通の天井で和紙の灯篭がぶら下がっていた。
 悪趣味なシャンデリアや鏡張りの天井に円形回転ベッドなど期待していたわけでもないが、もうすこし非日常的な存在を望んでいたかもしれない。
「すんだよ。日坂さんもどう?」
「は、はい」
 浴衣を着た心葉先輩と顔をあわせずに浴室に駆け込んだ。視線を合わせるのが恥ずかしかったからだ。
 いまさらになって緊張が胸を締め付けてくる。いままでどこと無く現実感を喪失した夢のような時間だったというのに。これから、先輩と、その……行為を、する。このシャワーを浴びたら、するんだ。
03482892010/09/12(日) 22:42:00ID:7lSb+g1R

 浴室を観察する余裕も無くして、ぎこちなく衣服を脱ぐ。
 全身を移す鏡があった。自分の幼い姿が映っている。
 ちいさな身長。貧弱な胸。くびれの無い腰。たぷんとした下腹。つるんとした股間。一応生えてはいるが、シルバニアファミリーのが毛深いだろう。
 例えば、ななせ先輩と比較してみたら、いや比較にならないほどの幼児体形だ。こんな身体で心葉先輩は満足してくれるのだろうか。
 首を振り、弱気な自分を追い払う。あえて無心となって念入りに身体を洗浄するのだ。
 備え付けの浴衣を羽織り、帯の結び方が判らなかったので蝶結びにして、浴室を後にする。
 心葉先輩は微笑んで迎えてくれた。
「可愛いよ。日坂さん」
 ギュウって、両手を使い立ったまま抱きしめてくる。
 まず挨拶のように軽いキス。
 そして貪るような重いキス。
 慌てて眼を閉じたが、それは失敗だった。
 全身を使って心葉先輩が感じられる。唇。息遣い。背中に回された両手。密着した体温。余計な雑音がシャットアウトされて。ただ先輩だけが世界に存在するように。
 いつのまにか涙が溢れていた。
 嬉し涙ではない。
 だって、日坂菜乃はこれから井上心葉のものになるというのに、井上心葉はわたしのものにならないから。
03492892010/09/12(日) 22:42:41ID:7lSb+g1R

 でも、これからの数刻だけは占有しよう。もうこんなことは二度とないだろうから。
 最初で最後の時間。
 それなのに電源を切り忘れた携帯電話が無遠慮に鳴り響く。最初は無視していたのだが、次第に大きく幾つもの電子音が取り囲むように喚きたてるのだ。
「あーっ! もうっ!」
 跳ね起きたら、そこは自室だった。
「夢オチかよっ!?」
 っと、そういえば今日はバレンタイン当日だった。遅刻したら目も当てられないので目覚まし時計に盛大な演奏会を開催させている。それらを沈黙させていくうちに夢の記憶は曖昧になり、最後には残滓が涙となって流れるだけであった。
「なんで……涙?」
 幸せな夢だったような気がするのに思い出せなかった。
         *
 放課後の部室でななせ先輩と練習したようなコントを繰り広げながら、どことなくデジャビュ、既視感を覚えていた。
 なんかもう既にバレンタインを済ませたような……。
 気のせいだとは思うが。
 躊躇しているうちにななせ先輩が一歩リードしてチョコを渡しているではないか。
 ならば、わたしは既に心葉先輩にかける言葉は決まっている。
 最高級の笑顔を向け、甘えるように発した台詞。
 それは……。
03502892010/09/12(日) 22:45:36ID:7lSb+g1R
以上。

本番は無いけど、いいよね?
つか、入れられたことなんか無いから書けん。
0352名無しさん@ピンキー2010/09/15(水) 21:13:30ID:eANx2VXt
夢ですら肝心な部分に辿り着けない菜乃タン可愛いよ菜乃タン
0353名無しさん@ピンキー2010/09/17(金) 21:28:30ID:XWQnbUvL
女装した臣に犯される心葉はどうだろう。
倒錯的でいいと思うが、需要はあるだろうか?
あと、男装のななせに犯される女装心葉とか。
0356名無しさん@ピンキー2010/09/18(土) 00:08:09ID:60s5aZuH
需要はともかく、臣×心葉とかやるなら名前にくらいなんか注意いれてくれと願う
0357名無しさん@ピンキー2010/09/18(土) 12:53:03ID:2p3kzS5h
>>355
カストラートだから無いだろね
けど、別に男性器が無くても、攻める事は出来るんだぜ!
0358名無しさん@ピンキー2010/09/21(火) 22:56:27ID:+V8CKfzv
臣ってチンコついてないの!?
やべ。付いてる設定で書いちゃった。
0359名無しさん@ピンキー2010/09/23(木) 00:44:23ID:EAWPArAQ
別に問題無いが?
0360sage2010/09/29(水) 23:36:47ID:06J49Pgl
臣くんがちんこ無いのは確定なのか?
0362名無しさん@ピンキー2010/10/01(金) 19:26:54ID:0WtxgFl6
何だか遠子先輩と心葉の妄想が浮かんできた
もう少ししたら書けそう
0363名無しさん@ピンキー2010/10/03(日) 06:37:54ID:QbyTHsK8
これ誰が書いたの?
続きが気になる
遠子先輩は触られるとどんな風に反応するのか知りたいです

ttp://wiki.livedoor.jp/bungaku_shoujo/d/1-94
0364名無しさん@ピンキー2010/10/03(日) 13:16:02ID:BKgnjs6S
コラボアンソロジーの時に出てきた『コノハちゃん』×欲が押さえきれずに暴走してしまった『美春』

ってここに投下しても大丈夫?
0369コネタ2010/11/04(木) 23:59:06ID:x2c9c+l2
「ここがあの女のハウスね」
 マンションを見上げて、思わず呟いていた。
 琴吹ななせである。朝倉美羽が一人暮らしを始めたという噂を聞きつけて足を運んだのだ。
 別に「彼を返して! 彼を返して!」と迷惑を顧みず連呼しに来たわけではない。ちょっと引越しのご挨拶に表敬訪問するだけである。病院で受けた仕打ちのお礼に。
 ここなら病院と違って他人の眼は無い。じっくり話し合いが可能であろう・
 決意を胸に秘めて、ななせは一歩を踏み出した。
「……って、鍵もかけずにどこ行ったんだか」
 扉の前で呟いた。
 居留守かと思って部屋の中を覗き込むも、物音一つだに聞こえない。どうやら本当に外出しているようだ。
 芥川から居ると聞いていたのに。
「それにしても……」
 汚い部屋である。ななせは顔をしかめた。
 まだ床が見えているだけマシであるが、乱雑に空のペットボトルが並べられ、弁当ガラが入ったコンビニ袋が大量に積みあがっていた。読みかけの雑誌が散らばり、脱ぎ捨てた衣服があちこちに堆積している。
「ったく。どういう神経しているんだか」
0370コネタ2010/11/04(木) 23:59:45ID:x2c9c+l2
 見かねて片づけをはじめてしまう。特に台所、シンク周辺がどうにも気になって仕方が無い。
 とりあえずゴミだけでも纏めれば多少は。汚れた食器は重ねて。使ったままの包丁も洗って手入れしないと。
 すると、扉の外から声が近づいてくるではないか。
「ようやく帰ってきた―――え!?」
         *
「あれ? 鍵を掛け忘れていたみたい」
 朝倉美羽は首をかしげた。
「無用心だね」
「きっと一詩よ。あいつったら勝手に部屋を片付けたりするんだから」
 むくれたような声で答える。
「確かにこれは片付けたくなる部屋だね」
「一人暮らしにはまだ慣れていないのよっ」
 微笑んで受け流すのは井上心葉である。
「ねぇ……コノハ。こうして部屋に来てくれたのは……」
「芥川君の代わりに僕が片付けようか」
 心葉に背を向けて舌打ちをするのだ。
 二人がかりで屋内を侵食する乱雑な混沌をやっつけ秩序と平穏をもたらしたのである。
「だいぶ夜も更けたし、終電も無いから、泊まっていったら?」
 心葉の顔を直視できずに、そっと呟く。
「ベッドは一つしかないけど……コノハとなら、いいよ」
「うん、ありがとう。でも僕は床に寝るよ」
「あっそう。じゃ、勝手に寝れば」
 突然機嫌を損ねた理由もわからず心葉は曖昧に笑うしかなかった。
0371コネタ2010/11/05(金) 00:00:30ID:x2c9c+l2

「……おやすみ」
「おやすみなさい……」
 すると、横になって電気も消さないうちに心葉がむっくり起き上がったではないか。
「え? コノハ? そんな……心の準備が。電気くらい消そうよ」
「美羽、コンビニ行かない?」
「へ?」
 予想外の言葉に朝倉美羽は目を丸くした。そしてすぐ眉間に皴を寄せ声を尖らせる。
「勝手に行けば」
「アイス食べたくなっちゃった。一緒に行こうよ」
「あたしは足が悪いから。一人でどうぞ」
「ぼくは美羽と一緒にいきたいなぁ」
 そう言うなり、強引に美羽の手を取り連れ出そうとする。
「ちょ、待……」
 せめて着替えくらいさせてよ、と主張しようとして心葉が余りに真面目な顔をしていることに気が付いた。
 廊下に出て、扉を閉め、一息つく。
「どういうこと? なんのつもり?」
 心葉は厳しい表情で声を絞り出すように呟いた。
「見たんだ。ベッドの下に、物凄い形相をした琴吹さんが、包丁を握り締めてっ」



    おしまい。
0373コネタ2010/11/05(金) 00:01:27ID:Ftx+k6Xu
モトネタ

ttp://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&biw=1020&bih=622&q=%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%8C%E3%81%82%E3%81%AE%E5%A5%B3%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AD
ttp://www.google.co.jp/search?num=50&hl=ja&c2coff=1&safe=off&biw=1005&bih=622&q=%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%89%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%AE%E7%94%B7
0377名無しさん@ピンキー2010/11/17(水) 07:09:51ID:1oLiDJay
作中もしくはエピソード後で非処女確定な娘って誰?
0380名無しさん@ピンキー2010/11/25(木) 22:31:29ID:RmWLR+rb
ふと思いついた
心葉と先輩が同じ学年、同じクラスだったら
0381名無しさん@ピンキー2010/11/26(金) 07:16:14ID:If+3rO4S
>>380
画面から見切れた先輩に矢印がついて
「遠子バスト」
とか書かれるのを想像した。
0382名無しさん@ピンキー2010/12/02(木) 22:22:16ID:Mlw4NtnG
担当編集さんに命令されてコノハちゃんになる井上先生が読みたい
0384名無しさん@ピンキー2010/12/05(日) 00:35:42ID:FRPlBLn6
短いくだらないネタ

心葉「何読んでいるんですか?」

遠子「ライトノベルよ」

心葉「遠子先輩もそういう本読むんですか?」

遠子「文学少女だからよ」

心葉「へー………」

遠子「貧乳は希少価値だ、ステータスだ………」

心葉「………………………」

遠子「心葉君!貧乳は希少価値なのよ!ステータスなのよ!」

心葉「………………………………………………遠子先輩?」

遠子「っーー!!!私ったら何を言ってるの!?」

心葉「遠子先輩」

遠子「ちょっと話しかけないで………平常心………」



心葉「そういうニーズもあるんです、遠子先輩」

遠子「へ…………?」


終われ
0385名無しさん@文学少女2010/12/05(日) 00:38:51ID:FRPlBLn6
くだぐた&でしゃばりですみません
題名は「文学☆少女」です



次はコノハちゃんで希望があったら書きたいと思います
0386名無しさん@ピンキー2010/12/05(日) 00:43:16ID:qS4kyvtC
特に希望は無いので貴方が書きたければ書けばいいのではないのでしょうか
0388名無しさん@ピンキー2010/12/05(日) 01:02:18ID:qS4kyvtC
どうぞ貴方のお好きなように書いてください
わざわざ他人に意見を求めるようなレスは不要ですので
0389名無しさん@ピンキー2010/12/05(日) 21:16:30ID:94ySS/M+
どんな形であれ書いた作者が発言力を持っているので
ニーズが限られると感じた時に注意書きでももらえればそれで充分ですとも
0391名無しさん@ピンキー2010/12/29(水) 10:00:26ID:9X5zRyxM
ついに公式でななせ×臣が決定した件について
0392名無しさん@ピンキー2010/12/29(水) 12:02:17ID:HOVHjHVD
本編終了後は含みを持たせるに留めて
想像の余地を残しておいたほうが利口だろうに
編集の意向なのはわかるが蛇足だよな
0393名無しさん@ピンキー2010/12/30(木) 14:32:53ID:K/rKN0zD
遠子先輩は本編での気持ちを少し細かくしただけだけど他はその先描いちゃってるからな

まぁどこまでならいいのかってのも人それぞれだからアレだけど
0394名無しさん@ピンキー2011/01/05(水) 01:56:13ID:U5lV5S+9
文学少女本編読み終わった勢いで一本。心葉×遠子でラブラブな感じのエロ薄め投下
五年ぶりにラノベ読んだのだけれど、半端なく面白かったわ……今のラノベすげえな。ていうか文学少女がすごいの?
放心状態で仕事手つかなくて、社会復帰できねえわ……
0395ロス・タイム2011/01/05(水) 02:00:36ID:U5lV5S+9
あの日引き裂かれるような痛みを残して、遠子先輩は行ってしまった。
これからぼくは、狭き門をくぐりぬけるように、一人で強く生きていかなければならない。
もし、ぼくが彼女を守りきれるくらい強かったならば、運命は違っていたのだろうか。
そんな小さな後悔を覚えながら、春は訪れた。

始業式を終えると、当日の授業はもうない。
ぼくは当然の習慣であるかのように、文芸部の部室へ向かった。
たとえ、そこにもうあの人がいなくても――。

「こんにちは、心葉くん」

ノブを回して扉を開いた瞬間、透き通るような優しい声が、耳を、身体を満たしていった。
どこからどう見ても申し分のない"文学少女"といった風貌の少女が、お行儀悪くパイプ椅子に膝を立てて座っている。
ぼくは目をごしごしと擦った。こんな幻を見てしまうなんて、悪い冗談だ。どこまでぼくは心を痛めているのだろう。

「こーのーはーくん。尊敬する先輩にご挨拶はないのかしら?」

幻はまだそこに鎮座している。それどころかいっそう生々しく、可憐な声で、ぼくを魅了してくる。
それがあまりにリアルだったので、ぼくは声をかけずにはいられなかった。

「……遠子、先輩?」
「疑問符をつけていただかなくても、わたしは正真正銘、天野遠子よ」

ない胸を精一杯そらす姿がとても懐かしく感じられた。
とたん、身体の奥深くから色々なものが沸きあがって、溢れそうになる。

「遠子先輩!? なんでいるんですか!?」

ぼくはその全てを叫び声に割り当てた。
そうだ。彼女がいるはずがない。だって彼女は、北海道の国立大学に合格し、旅立って行ったのだから。

遠子先輩はとてもばつの悪いような表情を浮かべた。
何か叱られることをしてしまった子供のように、こちらを上目遣いでうかがっている。

「……実は、大学落ちちゃってたの」

ぼくは目の前の視界が硝子のように砕けて、ばらばら落ちていくような感覚を味わった。

「……合格したと思ってたんだけど、受験番号が一つずれちゃってたみたいで」

てへ、なんて舌をぺろんと出して、頭を自分で小突いている。ぼくはわなわなと震えだした。

「なにやってんですか!! あなたは!!」

おもわず怒鳴りつけずにはいられなかった。でも、その怒りは彼女に向けられたものではなかった。
0396ロス・タイム2011/01/05(水) 02:02:37ID:U5lV5S+9
「わ、わたしのせいじゃないわ! 大学の人が間違えたんだもん! むしろぬか喜びさせられて泣いちゃいそうなんだから!」

自分のせいだと思った。自分が彼女を大事な受験の期間中、引っ張りまわしてしまったから。
激しい怒りの後に、どうしようもない後悔の念が胸を満たしていった。
ぼくはうつむいたまま、血が出そうなほど拳を握りしめた。

「……ごめんなさい。怒ってる?」

そんなぼくを責めたてることもせず、遠子先輩は近くに寄って、顔を覗きこんできた。
その姿がたまらなく愛おしくて、どうしようもない醜い気持ちが溢れてきて、自己嫌悪した。
愛おしい人に不幸が訪れたというのに、ぼくはまた出会えたことが嬉しくて仕方がなかった。

「……怒ってません」
「うそ。怒っているでしょう?」
「呆れているんです」

うっ……と彼女が顔をしかめる。
本当に、しっかりしているように見えて、何もかも台無しにする人だ。
あの卒業式の日の劇的な別れは何だったのだろう。
あんな手紙を残していったのに。あんな切ない気持ちを抱いたのに。

「どうしてまた、ぼくに会いに来たんですか?」

そうだ。たとえ大学に落ちてしまったって会わずにいることだってできたはずだ。むしろその方が普通だ。
だってぼくが遠子先輩の立場だったら凄い恥ずかしい。彼女は一体どんな気持ちでここに来たのだろう。

「だって、どうしても心葉くんのおやつが食べたかったんだもの。耐えようと思ったのよ!? お腹がきゅるきゅる鳴ってもハンカチの端をくわえて耐えていたのよ!?」

なにしてんですか。普通に他の本を食べてください。

「でも、でも……北海道ならいざ知らず、家の近くにこんないい香りのする食材の宝庫があるのを知っていたら、我慢することなんてできないじゃない!」

この人は結局食い気か……。がっくしと肩をおとしたぼくの耳に、少しだけ神妙な声が届いた。

「……それに、神様がくれたロスタイムだと思ったの。もう少しだけ、一緒にいてもいいよって、言われた気がしたの」

遠子先輩は真面目な顔でぼくを見つめていた。ぼくも視線をそらさずに見つめ返した。
0397ロス・タイム2011/01/05(水) 02:03:56ID:U5lV5S+9
「……迷惑?」
「そんなわけないです」
「……これから毎日、ううん、三日に一度……ええと、一週間に一度くらいは来てもいいかしら?」
「遠慮しないで毎日来てください。おやつ、書きますから」

不安そうだった遠子先輩の顔がぱっと晴れ渡った。

「その代わり、待っている間はちゃんと数学の問題集を解いてください」

今度はどんより曇ってしまう。

「な、何を言っているの? 心葉くん。次の受験はまだ来年の話よ。今からそんなことしなくたって――」
「今からそんな悠長なこといっている浪人生はまた落ちます」

しゅんとしてしまう。今にもしくしくと泣き出しそうだ。
でも、これだけは譲れない。この人を今度こそちゃんと卒業させないと、本当に一生ここに住み着いて、妖怪か座敷わらしになってしまう。

「あ、今、失礼なことを考えているでしょう?」
「別に。ちょっと待っててください」

ぼくはテーブルの椅子を引いて腰かけ、原稿用紙にシャーペンを走らせはじめた。
再会の記念にとびきり甘いやつを書いてやろう。
遠子先輩は文庫本をひらりひらりとめくっている。まぁ、今日くらいは許してあげようか。

文字を書き続けるうちに、なぜかとてつもない飢餓感がじわじわと襲ってきた。
昼食はしっかり食べたというのにどうしてだろう。
視線がゆらゆらと遠子先輩に向かって縫い付けられる。

……これは遠子先輩をバカにすることなんてできないな。
0398ロス・タイム2011/01/05(水) 02:05:42ID:U5lV5S+9
「……できました」
「わーい、見せて見せて」

完成した原稿に、遠子先輩がぴょこぴょこと子供のように駆け寄ってくる。
ゆらゆらとたなびく綺麗な三つ編は、一体どんな味がするのだろう。
滑らかな黒髪は、舌先でほどけてつるつると喉をくすぐり、滑り落ちていきそうだ。

遠子先輩が原稿用紙を取ろうとした瞬間、原稿用紙を引っ張る。
彼女の手が宙をつかみ、恨みがましくこちらを睨んでくる。

「どうしてぇ?」
「……遠子先輩はいつもおやつをいただいてるのに、ぼくは何も食べられないなんて不公平じゃありません?」

それは嘘だ。ぼくはその代わりにいつも優しさや温もりをもらってきた。でも、今もっと欲しているものがある。

「それもそうね。それじゃお茶とお菓子を用意するからちょっと待ってて」

本気にして部室を出て行こうとした遠子先輩を背中からそっと抱きよせる。

「ぼくにも、おやつをください。遠子先輩を食べさせてください」

彼女が"物語"を食べちゃいたいくらい愛しているように、
ぼくも、"天野遠子"を食べちゃいたいくらい愛している。

遠子先輩は頭に『はてな』を三秒間くらい浮かべたあと、ぼっと火をつけたように顔を赤くした。

「……! わ、わたしなんか、おいしくないわよ! 賞味期限の切れた本の味がするわよ!」
「どんな味ですかそれ。たとえまずくても全部平らげてみせます。それに、遠子先輩がまずいはずなんてありえませんから」

そう言ってのけると、遠子先輩はゆで上がったように真っ赤になった。
0399ロス・タイム2011/01/05(水) 02:07:37ID:U5lV5S+9
「だ、だめ!……だめよ!」

ぼくの腕を振りはらい、壁を背にして、目をつむり、わたわたと手を交差させたり戻したりしている。

「ここは学校よ! 心葉くん! ふ、フケツよ! そんな悪い後輩に育てた覚えはないわ!」

育てられた覚えもない。

「学校じゃなかったらいいんですか?」
「そ、そういう問題じゃないわ」

ツンと顔をそむけふくれている。
かたくなな態度をほぐして行くのにもたまらない魅力があったけれど、我慢している余裕はなかった。
ぼくはテーブルから原稿用紙を取ってくると、遠子先輩に差し出した。

「食べてください」
「い、いや。何かお酒とか良くないものを混ぜてるでしょう、心葉くん! 先輩を騙そうとしたってそうはいかないんだから!」
「そんなもの混ぜていませんよ」

そういっても遠子先輩はかたくなに食べようとしない。端をちぎって差し出してもだ。仕方がないな。

「……んっ!?」

ぼくは紙片をくわえると遠子先輩に口付けた。穏やかな水面のように柔らかな感触に酔いしれる。
遠子先輩は紙片をしゃくしゃくと音を立てて咀嚼する。
その顔が酒に酔ったかのように、これ以上ないくらい真っ赤に染まっていく。
目は信じられないとでもいうかのように、まん丸になってぼくを見つめていた。

「今日のお題は"遠子先輩"、"永遠"、"愛"です」

普段なら、ぼくの方が真っ赤になってしまいそうな台詞もさらりと言えてしまった。
もうためらいたくない。この時間を、一秒たりとも、無駄に使いたくない。
0400ロス・タイム2011/01/05(水) 02:09:04ID:U5lV5S+9
「もう、らめ……」

遠子先輩はぐるぐる目を回していた。

「トロトロして、暖かくて、透明で、とても甘い。蜂蜜にたっぷり砂糖を加えて煮詰めたような、安心する味。こんな甘いもの食べさせられたら……一生舌に甘味が残って、他のもの食べられなくなる。味がわからなくなってしまうもの」
「じゃあ、一生これだけ食べてください。いくらでもありますから」
「……心葉くんの、いじわる」

すっかり抵抗がなくなって、ぼくの支えがなければ立っていられないようになってしまった遠子先輩にもう一度口付ける。
可愛い唇がもう二度と文句を言えないように塞いでしまおう。今度は舌を突き入れて口内を味わった。
遠子先輩の唾液は高級な葡萄酒のような味がした。きっと光に透かしてみれば美しいすみれ色をしているに違いない。
彼女には世界一甘い蜂蜜のようなラブレターをあげよう。ぼくは紙片をちぎるとくわえて、何度も遠子先輩とキスをかわした。

飽くほどそうしたあと、ぼくはゆっくりと離れた。遠子先輩がうるんだ目でまだキスをねだろうとする。
だけど、遠子先輩のもっと知らない表情を見たかったから、名残惜しくてもぼくは遠ざかった。
そして、ワンピースごしに胸部へと手の平を置いた。

「! やっ……心葉くん……そこはいや」
「どうしてですか?」
「……だって、絶対バカにするもの。小学生の方がもっとマシな胸しているって言うもの!」

本当にそうに違いないと信じている恨みがましい目だった。本気で気にしてたんだなと少しだけ反省する。

「ごめんなさい。もうバカにしませんから」
「……本当に?」
「だって、ぼくは遠子先輩の全部が好きですから。この胸も大好きですよ」
「〜〜〜!」

薄いすみれ色のワンピースのボタンをはずし、遠子先輩をむき出す。
白いブラの上からでも残念なことがまる分かりな胸だったが、手を差し入れると、なだらかなふくらみが存在していた。
手の湾曲をかたどったようにすっぽりと収まる胸は、包み込んでくれるような印象で、遠子先輩にぴったりだった。
恥ずかしそうな遠子先輩の頬と鎖骨にキスの雨を降らせながら、手全体を動かすようにしてやさしく揉む。
ぴくりぴくりと身体を揺らす遠子先輩が可愛い。手の平から伝わる鼓動と、海のような柔らかさが気持ちよくて仕方がなかった。

「遠子先輩、遠子先輩……」
「心葉、くん……心葉くぅん」

うわごとのように彼女の名前を繰り返しつぶやきながら、一心不乱にその行為を繰り返す。
ぼくらは、オーブンで蒸しあげられているように、体温を高めあっていった。
しばらくして、ストンと遠子先輩が腰を抜かしてしまったようにしりもちをついた。

「もう、立っていられない……」

ぼくが彼女を寝かせられそうな手ごろな場所を探そうとした時、ごそと股間がくすぐられた。
0401ロス・タイム2011/01/05(水) 02:09:54ID:U5lV5S+9
「わたしばかり食べられていて、ずるいわ……」

下を見ると、遠子先輩がズボンの上からでも分かるくらいに張り詰めたぼくの剛直をにぎりしめていた。
しっぽをつかまれた動物のように一瞬で力が抜けていく。

「心葉くんのも、食べさせて」
「と、遠子先輩……」

快感というよりもむしろ冷や汗が流れた。この人にそんなデリケートな部分を扱わせていいものだろうか。
だけど、止めさせようとするまえに、遠子先輩は手際よくジッパーを降ろすと、それをくわえてしまった。
何の技巧もない、つたないおしゃぶりなのに、その行為が遠子先輩によって行われているという事実だけで、
脳髄がしびれるほどの量の快感が身体を駆け巡っていった。思わず膝が抜けそうになるのをぐっとこらえた。

「はむ、はふ、ぴちゃ……ろうかひら、ころはふん?」
「くわえたまま喋っちゃだめです!」

ねっとりとした舌が敏感な部分を這い回る感触に、頭のてっぺんからつま先まで骨抜きにされてしまった。
遠子先輩はそれが面白いのかしばらくその行為を続け、ぼくを手玉にとっていた。
やがて、べとべとになるまで舐め終えると、当然のごとく批評をはじめた。

「……たっぷりお塩をまぶしてこんがり焼いた肉汁あふれるソーセージのようなものかしら。でも、ちょっとシーフード風味? ケチャップがないのが残念だわ」

なんか本当に食べられてしまいそうで、背筋がぞくっとし、萎えそうになった。

「もう、つまみ食いはそこまでにしてください」
「きゃっ」

ぼくは遠子先輩の身体をお姫様だっこでかつぎ上げると、表面がでこぼこのテーブルの端に座らせた。
シャツを脱ぎ捨てると、テーブルの中央に広げ、遠子先輩を寝かせた。
0402ロス・タイム2011/01/05(水) 02:10:19ID:U5lV5S+9
「遠子先輩のこと、全部、食べますから」
「……うん」

遠子先輩は口元に握りこぶしを当てながら、恥ずかしそうに何度もこちらをうかがったあと、ぽつりと言った。

「残しちゃ……いやよ」

ぼくは遠子先輩のスレンダーな腰に両手をそえると、パンツをおろした。
立ち入ることを許されない神聖な泉のような秘所があらわれ、ごくりと生唾を飲みこんだ。
そこに自身を宛がい、ゆっくりと挿入していく。

「……っ」

遠子先輩が苦痛に顔をゆがめて、ぼくの肩に爪を立てた。
あまりに痛そうなので思わず歩みを止めてしまいそうになるが、
彼女がさっき言っていた言葉を思いだし、思い直す。
ぼくは、ずいぶん長い時間をかけて、自身を彼女の中にうずめた。

「うれしい……うれしいよ、心葉くん」

すんすんと泣いている遠子先輩は痛みで泣いているのか、
嬉しくて泣いているのかわからないほど顔をくしゃくしゃにしていた。
ぼくは、彼女の前髪をはらい、おでこを撫でた。しばらく、そうしていた。

「……動くよ」

やがて押し寄せる射精感にあらがいがたくなり、ぼくは言った。
遠子先輩がこくりと頷くのを確認すると、ゆっくりと抽送を開始した。
やさしく、ていねいに、打ち寄せる波のように、しずかに、何度も。
そのたびに遠子先輩は顔をしかめていたが、やがて、青ざめていた顔が朱色になり、
苦痛とはとれぬ、恍惚とした表情が垣間見え、うれしくてたまらなくなった。
感じて欲しい、遠子先輩にも。ぼくが、遠子先輩を感じているように。もっと。

「はぁ……はぁ! 遠子先輩……遠子先輩! 遠子!」
「あっ……んっ、ひゃう、心葉、くん……心葉くん!」

奥の方から噴水のように何かがこみあげてくる。
ぼくが遠子先輩に抱いてきた複雑な感情が混じりあっていく。
ぎゅっと遠子先輩の背中を抱きしめて、彼女に向かってはきだす。
言葉だけでは伝わらない、文字だけでは伝えられない気持ちの全てを。
ぼくは大量に射精して、遠子先輩と結ばれた。
0403ロス・タイム2011/01/05(水) 02:13:03ID:U5lV5S+9
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

闇と昼の境目、全ての存在がぼやけてかすみ、幻になってしまうような時間。
窓際のパイプ椅子に座っていたのは、遠子先輩ではなく、ぼくだった。

遠子先輩はテーブルの上ですーすー寝息をたてて眠っている。
あのあと、ぼくは自分のやってしまった行為の恥ずかしさとか恐ろしさとか
色々なことに気づいてしまい結構頭を抱えていた。

けれど、ようやく落ち着いて、こんなふうに夕日に照らしだされた遠子先輩をしずかに眺めている。
その寝顔を見ながら、ぼくは心の中で問いかけた。

『本当は、合格していたんじゃないんですか?』

それは単なる"想像"に過ぎなかったけれど、もしそうだったら、嬉しいような、悲しいような。
胸がきしりと音をたてた。
遠子先輩が目覚めて、こちらを寝ぼけ眼で見つめた。

「……何してるのぉ? 心葉くん?」
「考えごとです」
「何を考えているのぉ? 心葉くぅん?」

だめだこりゃ。まだ夢の世界にいるようだ。眠気覚ましにコーヒーをあげよう。

「部室にそなえる"ベッド"はどんなのがいいかなと思っていたんです。それから、"まくら"に"シーツ"に……」

とたん、遠子先輩が目をむいて覚醒した。

「な、何を言っているの、心葉くん! そんなもの文芸部に必要ないでしょう!」
「"おやつ"を作るのに必要な調理器具ですよ。もちろん作ってくれるのは遠子先輩ですけど」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!」

遠子先輩は恥ずかしいのか、嬉しいのか、よく分からない顔でそっぽを向いてしまった。
少しやりすぎてしまったかもしれない。

けれど、別れは未だ、愛より遠く。
決して神様ではない、誰かが与えてくれたこのかけがえのない奇跡のような時間を、
本に書きつづられた文字を一文字ずつ読み解いていくように、大事に、大事に、過ごして行こう。

終わり
0404名無しさん@ピンキー2011/01/05(水) 02:16:50ID:U5lV5S+9
以上。外伝と短編集も読んでみたいけど、遠子先輩でないと魅力半減なような気が……ねんどろいど買ってくる
0405名無しさん@ピンキー2011/01/05(水) 17:43:00ID:aI6wnvti
素晴らしいお年玉をありがとうございます。
明日の仕事始めを心置きなく迎えられそうです。
0411名無しさん@ピンキー2011/02/16(水) 17:16:11ID:0TDy2GTZ
「おい、井上、これやるよ」
いきなりアニメの女の子がプリントしてあるカラフルな下敷きを差し出す。
ほくを取り巻いているのは、普段あまり話をしないアニメ同好会の人達だ。
「”王立ぱすてる小学校”いいよなー。やっぱ一押しは、如月檸檬タンだな」
「だよなー。金髪ツインテール萌え!」
「ツンデレ幼女萌え!」(←注、最後方からの芥川発言)
「......はあ」
檸檬タンって、このミニスカートをはいて髪をふたつ結びにした、吊り目の女の子の
ことだろうか......。
どう見ても、小学校一、二年生くらいの......。
<中略>
そんなぼくらを、女子が引き気味に見ている。
「井上くんってやっぱり......」
「噂は、本当だったのね」
どうにも居心地の悪い思いでいたら、芥川くんが声をかけてくれた。
「井上、ちょっといいか」
「うん、あ、ゴメン。芥川くんが呼んでるから」
救われた気持ちで、芥川くんのほうへ行ってみると、
「気にするな、井上。趣味は人それぞれだ」
真面目な顔で励まされた。
0412名無しさん@ピンキー2011/02/28(月) 07:06:37.44ID:gKlwiis2
遠子先輩
0414名無しさん@ピンキー2011/03/14(月) 13:06:25.49ID:GbNWfrPu
保守
0415名無しさん@ピンキー2011/03/15(火) 18:19:12.43ID:qA4lPf31
朝倉と芥川くんが、急に振ってきた雨に打たれて芥川くんの家に避難して
風呂場に手すりが無いのを心配して「一人で入れるか?」とか聞いてみるけど
「変態、一緒に入る気なの?」とかえされてさすがにうろたえる芥川くんを想像した。
0416名無しさん@ピンキー2011/03/27(日) 18:56:56.63ID:lsILbuvw
だいぶ長い間書き込みが無いな
誰か「遠子先輩」「嫁」「30分」で三題噺を作ってくれ。
0418名無しさん@ピンキー2011/03/31(木) 00:26:16.68ID:a/GIDaP1
三題噺ってどうしてこう理解されてないんだろう。
0420名無しさん@ピンキー2011/04/03(日) 21:08:52.52ID:b325EatS
文学少女読んでるんだから、三題噺は理解してるんじゃないか?
書けねーって思うからネタ気味に茶化して流したんだろ
0421名無しさん@ピンキー2011/04/06(水) 23:05:28.87ID:KF7t58hs
いや、お題の方。
0423名無しさん@ピンキー2011/04/07(木) 21:31:23.77ID:zjVkNepg
うんうん、心葉くんが免許証の更新をしに出かけるのね。
助手席には私を乗せて、終わったら植物園に寄る約束をして……。
え? なんで繁華街の真ん中で降りて、そのまま一人で映画館へ向かうの?
ちょっと待って! なにその上映タイトル「兄貴と俺のトーテムポール」って!
いや〜! 薔薇ってそういう意味で使っちゃいや〜!
生クリームの代わりに伝説の白ジャムが詰まったシュークリームみたいにイガイガして苦い〜!
0424名無しさん@ピンキー2011/04/08(金) 21:32:56.60ID:LlDvgpAk
誰が書いたおやつなんだろう?
心葉くん……自分がそんな映画を観る話は書かないと思う
ななせ……井上がそんな映画を観るという発想はたぶんない
千愛……ありえるかもしれんが、先輩がおやつを頼むかな?
美羽……上に同じ
0427名無しさん@ピンキー2011/04/09(土) 10:49:27.36ID:7Dc2adej
心葉「 四つん這いになれば免許を返して頂けるんですね!?」
0428名無しさん@ピンキー2011/04/10(日) 20:06:18.75ID:kYe6rtON
今日のお題は「魔法少女」「奇跡」「希望」よ甘くて美味しい話を書いてね、虚淵君

0429名無しさん@ピンキー2011/04/15(金) 18:11:24.76ID:JDzqG51c
漫画版道化一巻の表紙の遠子さんがコンドーム咥えてるようにしか見えない。
0431名無しさん@ピンキー2011/04/29(金) 22:39:08.58ID:RPCUVt5n
最終巻読んだ。
ああ、終わってしまったんだなぁ。
文中に「悔しいっ、でも感じちゃう」とあったが。
なんか複雑な気分。・先生知っているんだ。
使って欲しくなかったなぁ。
0434名無しさん@ピンキー2011/04/30(土) 00:14:51.05ID:HXgnXqHU
というか、アレだけ妄想過多な童貞少年がエロイ妄想をしないわけがない。
0438名無しさん@ピンキー2011/05/13(金) 22:46:43.20ID:MP26u4Uq
快斗くんなら、あの「教えてあげる」の一言から続くエロ展開を300レスぐらい一晩で書き上げてくれそうだ。

その十分の一でもいいから妄想文章化能力があれば自給自足するんだが……。
0439名無しさん@ピンキー2011/05/15(日) 09:59:59.59ID:7TvusBWa
結局完結編には心葉出てこなかったけど、やることはきっちりやってんだな、クソ。

快斗のことを楽しそうに話す遠子になんとなく嫉妬して、思わず押し倒して強引に犯しちゃう心葉が目に浮かぶようだ(それがわかってるから遠子もわざと話すというプレイの一環)。
0442名無しさん@ピンキー2011/05/29(日) 20:10:20.34ID:1upFH2Ha
追想画廊2と思い切りネタが被った……美月先生直球できやがったな
0445名無しさん@ピンキー2011/06/04(土) 21:54:35.84ID:v2Q8m0t9
コミケ落ちちゃった。
文学少女本出そうと思っていたのに……。
0446名無しさん@ピンキー2011/06/05(日) 16:23:29.18ID:lce/nzRt
ここに何人の巡回者がいるのか、わからないけど

非常に残念といわざるおえない
04482892011/06/12(日) 21:30:25.01ID:VBjiuuva
ノークレーム、ノーリターンでお願いします。
久しぶりの投下なんで、上手くできるかどうかわからないけど。

流人メインで。
04492892011/06/12(日) 21:30:45.07ID:VBjiuuva
 お嬢様に呼ばれて音楽ホールを訪れたのは、夕闇を覆う夜の帳が下りた時刻であった。
 入り口で申し訳無さそうな顔をして一礼する高見沢さんに軽く頭を下げ、上階のアトリエに向かう。
 いったい何の用事なんだか。相手が男なら無視するところであるが、女の子の頼みを断る理由は無い。
 それが櫻井流人のポリシーである。
 到着し、扉を開けようとして不審に思った。
 向こう側から声が聞こえてくる。
 資金をふんだんに掛けた造りの扉の防音は完璧で、例えアノ声であろうとも外に筒抜けになるようなことは無い、はずである。
 というか、なんでそんな声がするんだ。どう聞いても男女の営みの声にしか思えないのだが。
 呼びつけておいて、自分はイチャイチャかよ。
 あのお嬢様ならありえなくも無いが。
 それにしても、「あの」お嬢様をこんなにヒィヒィ言わせるなんて、一体相手は誰なんだ?
 扉に耳をあてて中を窺う。
 重厚そうな一枚板の扉がビリビリと震えるくらいの嬌声。
 こんなあられもない叫びを上げさせるなんて、どんな行為をすれば可能なんだ。俄然興味がわいてくる。
 とりあえず相手だけでも確認するか。よければ三人で一戦交えてもよい。そんな軽い気持ちで扉を開けて驚愕した。
04502892011/06/12(日) 21:31:33.49ID:VBjiuuva
 空間一杯に喘ぎ声が充満している。
 けっこう広いアトリエなのに。
 それよりも驚くべきことは、言わされているのは麻貴と思っていたら、麻貴が言わせる方だったのだ。
 ベッドの上に学園のセーラー服を乱した黒髪の少女を組み伏せて、それを後ろから絶妙な腰つきで犯しているのが、この部屋の主。姫倉麻貴である。
 胸は大きく、腰はくびれ、尻は豊かな女性らしい体つきで、豪奢なブラウンの髪を振り乱し、驕慢ともいえる笑みを整った容貌に浮かべ、股間に装着した張り型で少女を責めるのに夢中になっていた。
 一方、組み伏せられている彼女は対照的なほど華奢な身体で、胸なんか遠子姉に匹敵するくらいに扁平である。
 だが、特筆すべきなのは声量であった。この細い肉体からどのようにして発声されているのだろうか。
 麻貴の体重を乗せた抽迭が背骨を震わせて、仰け反った白い喉が震える。
 ひときわ高い叫びが伸び、余韻を残して少女が崩れ落ちた。
「あら、来たわね」
 お嬢様は一瞥をくれて立ち上がる。
04512892011/06/12(日) 21:32:11.78ID:VBjiuuva

 ぬらりと巨大な模造男根が少女の尻から引き出され、粘液にまみれた淫らな光沢をみせた。
「何? 3Pのお誘い?」
「違うわ。あたしがチンポミルク呑みたくなっただけ」
 さらりと卑語を口にして恥じる様子はない。さすが姫の貫禄だ。
「あんたのは凄く濃いから。臣とは比べ物にならない」
 臣とかいう見知らぬ麻貴の愛人に優越感を抱く。
「ところで、その物騒な逸物はしまわないのか?」
「掘ったげようか?」
 悪戯めいた光りを瞳に宿した麻貴には答えず、失神したようにベッドに倒れている少女を眺めた。呼吸はしているようだが、まったく動いていない。
「気持ちよさそうだったな。凄いのか?」
「ご覧のとおりよ」
 ちょっと機嫌を損ねたようだ。だが尻を狙うことには興味を無くしたようで、作戦成功である。
 姫倉麻貴はちょっと困った性格で、他人の嫌がることはすすんでするくせに、こちらの望むことは貸しだの借りだの難癖つけて一向に叶えてくれないのだ。
 もっとも叶えてくれたところで、どんな代償を支払う羽目になるか考えたくも無いが。
 股間に装着した模造男根をはずすと麻貴はほぼ全裸に近くなった。上はバストのアンダーだけを覆うオープンブラに、下はガーターベルトのみ。ストッキングは履いていないから、完全にファッションである。
04522892011/06/12(日) 21:32:35.39ID:VBjiuuva
 彼女のメリハリの利いたボディには恐ろしいまでに似合っていた。
「よし、じゃぁ『流人さまのチンポミルク呑ましてください』といってもらおうじゃないか」
「流人さまのチンポミルク呑ましてください」
 背筋が冷えた。こんな卑語交じりの懇願を、地獄の底から亡者たちが魂を引き摺り下ろそうとする怨讐のように口にするなんて。
 不適な笑みを浮かべたままの麻貴を目の前にして、とんでもないことをしでかしてしまった恐れに櫻井流人は脅えた。
 とはいえ股間のそれは先ほどの痴態を前に大きくテントを張って欲望の存在を主張している。
 お嬢様は跪くと、ベルトを緩めて窮屈な場所から肉棒を引っ張り出すのだ。
 だが性急に喰らい付くような無作法はしない。
 右手で陰茎をしっかり握り締めると、下腹に繁茂する陰毛を掻き分けて押し付ける。怒張が強調されて凶暴な牡蕊そのものだ。
 浅黒く淫水焼けし、血管が浮き出て、先端には雫が光っている。
 それを軽く扱くと同時に、無防備にぶら下がっている睾丸をやわやわと揉みたてるのだ。
 そして、大きく口を開くと、根元まで肉棒を頬張ったのである。
「……ん」
 溜息のような声が喉から漏れる。生殖器が暖かな口腔粘膜に包まれて。
 見下ろすと、麻貴の秀麗な顔が股間に沈み、その可憐な唇の間に、己の醜悪な男根が咥え込まれている。
04532892011/06/12(日) 21:33:49.61ID:VBjiuuva
 綺麗なものを汚している背徳感。
 女を奉仕させているという満足感。
 まるで征服し、下僕として仕えさせているみたいである。
 もっとも、他の女ならともかく姫倉麻貴相手では幻想であった。
「バカじゃないの? 急所を握られて、何が奉仕よ」
 睾丸を握る掌に握力がかかる。
「いいよ。そのまま潰してくれていい」
 当然とした表情で流人は応えた。想像するだけでより昂奮は高まる。
「フン」
 硬さを増した肉棒に鼻息をひっかけた。それ以上睾丸には触れずに、荒々しく陰茎をしごく。舌を突き出すと唾液を亀頭にまぶすように舐めまわし、朱唇でエラの下をなぞると笛を吹くように含むのだ。
 流人は過去、沢山の女性たちに性器をしゃぶらせてきた。中にはぜんぜん無理と言い張る娘もいたし、あからさまに嫌な顔をする少女もいた。
 言われたから仕方がないという消極的な嬢もいれば、自分から喜んで口にする積極的な女もいたし、プロ顔負けの技巧にも遭遇したことがある。無論、下手な子の方が圧倒的に多かったが。
 朝倉麻貴はそうした女たちとは決定的に違っていた。
04542892011/06/12(日) 21:34:17.42ID:VBjiuuva
 女の子たちには男根に奉仕するという意識があったのだが、麻貴にはそれが欠片たりとも存在しなかったのだ。
 あたかも蛇口をひねれば水が出るように、精液をひねり出すのにちょっと手間がかかる蛇口程度にしか男性器を思っていないのである。
 いうなれば自動行動式張り型。完全にモノ扱いであるが、それはそれで流人には心地よかった。
「そういえば、あの娘はどうなのよ、あの小さい娘」
「ちぃのことか? うん、かわいいよ」
 おしゃぶりの間に他の女の話題とは。
 もっともそれがこの二人の関係にはふさわしい。
「オレのために演技してくれて、凄くかわいい」
「倒錯しているわね」
「いつか演技なんか出来ないくらい本気の声を上げさせてやるさ」
 それに、フェラをさせている最中に見せる光のない瞳。何を考えているかまるで読めない。油断しているとガブリと噛み千切られそうな不穏な気配がするのだ。
 そんな状況を想像するだけで股座がいきり立つ。
「あら、彼女のことを想うだけでこんなになるなんて。嫌だ嫌だ言っても体は正直ね」
「この状況でその台詞か?」
「素直になりなさい」
 含むようにお嬢様は口にする。
「ツンデレの姫様が仰せになると含蓄がありますな」
04552892011/06/12(日) 21:34:55.94ID:VBjiuuva
「あたしに言わせれば、男は皆ツンデレなのよね」
 麻貴はそう言い残すと、淫らな行為に口を再び参加させる。
 右手で根元のあたりをしごきながら、カリから上部を唇で咥え、舌先で舐るのだ。
 唾液が隙間から漏れ淫汁のように泡立ち白く濁っている。お行儀の悪い濡れた音も盛大に聞こえてきた。
 そして激しい前後運動。リズミカルに、かつ的確に官能のボルテージを上昇させていく。
「いいっ」
 そう口走りそうになるが、唇を噛み締め堪えた。弱みは見せたくない。もっとも麻貴にはお見通しだとは思うが。
 花弁のような唇に勃起した男根が呑みこまれ泡立つ粘液を垂らしながら抜挿される。まるで性器のようだ。
 次第に限界が近くなっていく。それを察したのか、彼女の動きがより激しくなっていくのだ。
 右手でしごき、左手で睾丸を揉み解し、口でくわえ込み、舌で舐めまわし、喉で吸引する。すべてを使って精液を搾り取ろうと奮闘するのだ。
「……あ、出る……」
 堪え切れなかった。融解するように根元に溜まってきた精魂が収縮を開始し、絶頂を目指して爆発する。
「あ、あ、あぁ、あぁぁ……」
 膝が震え立っていられず麻貴にしがみ付いた。
04562892011/06/12(日) 21:36:10.79ID:VBjiuuva
 彼女も脈動し放精する男根を咥え込んで離そうとはしない。
 どれほどの量が流し込まれたのだろうか。尿道に残った精液も一滴残さず吸い取り、萎え始めた亀頭をも舐めまわす。その煩わしさに腰を引くと、唇との間に一筋銀色の糸が引かれた。
「やっぱり濃いわね。これだけ濃いとすぐに孕みそう。隠し子の一人や二人居るんじゃないの?」
「いや、それはない」
 首を大きく振って否定する。
「どうかしらね……」
 意味深な微笑を秀麗な顔に浮かべる麻貴の姿は太古の大地母神のようであった。
 ……なんで母神なんだ。コケティッシュな娼婦でもよかったのに。一瞬の感慨はすぐに記憶の底に沈んだが、後に流人は自分の直感を愕然として思い出すことになる。
「さ、て、と……」
 薄手のカーディガンを羽織ると、スケッチブックを取り出した。
「絡みのデッサンをとるから、協力してもらうわよ」
「それが本題か」
「あんたはベッドに横たわって……臣、目覚めてるでしょ」
 のろのろと起き上がるセーラー服の少女の横に流人は腰を下ろし、そのままベッドに背中を預ける。
 嫌な顔も見せずに彼女は流人のうなだれた股間に顔を寄せると、そこに口付けした。
04572892011/06/12(日) 21:36:53.54ID:VBjiuuva
 表情からは内心は見えない。今まで幾多の女性と関係を結んだが、その誰とも異なるタイプだ。臣とかいったが、最近どこかで聞いたような名前である。
 華奢でしなやかそうな身体はまるで少年のようだ。平たい胸が露わになっているが、隠そうともしない。初対面だというのに恥じらいを見せてくれてもいいじゃないか。
 萎えていた肉棒にゆっくりと力が充実していく。技術は感じられないが、男のツボは熟知している。もう少し経験を積めば恐ろしいほどのテクニシャンに成長するだろう。
 二人の抑えた息遣いと、スケッチブックに鉛筆が走る音のみが部屋に響く。
 なぜか違和感。本能が警告を発しているが、欲望はそれを無視させるのだ。
「君も脱ぎなよ」
 すると少女は全力でそれを拒否する。胸は見られても平気なのにスカートの中は秘密なのか。
 ちょっと悪戯心が湧いてきて、こっそり彼女の恥ずかしい場所へ手を伸ばした。
 そして驚愕する。そこにあったのは。馴染み深いともいえる男の生殖器だったのだから。
「お前、男か!?」
「あら、気付いてなかったの」
 おかしそうに麻貴はコロコロと笑った。少女……いや少年はちょっと傷ついたような顔でむくれている。
04582892011/06/12(日) 21:37:29.57ID:VBjiuuva
 今までの違和感の正体はこれだったのか。
 流人の睾丸は縮みあがり、見る影も無く陰茎は埋没してしまっている。
「折角だから掘っていきなさいよ」
「お断りだっ」
「そんなこと言えるのかしら」
 しまった。麻貴への対応を間違えた。臍を噛むがもう遅い。朝倉の姫様は敵対者を公開処刑に追い込んだ独裁者のような笑みを浮かべ、実力行使に及ばんとにじり寄って来る。
「じゃ、オレ帰るわ」
 脱兎のごとく逃げ出した。幸いズボンをあげてジッパーを閉めるだけだったので手間もかからない。
 階下で申し訳無さそうな顔をして一礼する高見沢さんに軽く頭を下げて、ホールを後にする。
「やれやれ」
 朝倉麻貴は肩をすくめた。
「臣、そんな顔しないの。あたしがかわいがってあげるから」
 せっかく良い絡みが描けると思ったのになぁ。
 いつか絶対に成し遂げてみせると誓うのであった。

04592892011/06/12(日) 21:39:41.50ID:VBjiuuva
―――以上。

なんだ忍者で連投制限があると聞いていたが、普通に出来るじゃないか。

次はヒカルで書こうと思ってます。
0467名無しさん@ピンキー2011/07/12(火) 07:52:23.13ID:5W0hvoKN
コノハ×遠子・朝×ななせ・昼×美羽・晩、コノハ絶倫浮気修羅場殺人エログロルート。

ある日の放課後。あぁ、天野遠子を前に、ムラムラしないわけがない。
ふぅ、今日もやはりムラムラしてきた。やれやれ、僕は毎日、オカズにしてるよ・・・遠子先輩を。この前なんか、遠子先輩がトイレに行った隙に、遠子先輩のペンケースから消しゴムをくすねて、ぶっかけてしまった。それは勿論ごみ箱に捨てた。

それにこの人、オレが好きなことモロバレ。よく手を握ってくるんだけどそれで家に帰ってまた抜いてしまった。

僕・・・いやオレは、オレの本性はケモノだ。一応オレは、ここでは僕っ子、誠実キャラで通している。いわば、しばしば草食と言われる風采なのだが、本質は野蛮だ。男子高校生がエロくないわけがない。

クラスメートのななせの気持ちにも気づいているし、オレは単に遊んでいるだけだ。恋人以上友達未満が一番愉快だからな! ハーレムハーレム!
0468 【東電 61.3 %】 2011/07/17(日) 09:17:17.67ID:tzwc3ou2
             . . . . . . . . .
         . . : : : : :< : : : : : : : : : .
         /: . . . . . . . : : -、: : : : : : :ヽ
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     / : / : : : :/ /l|: :l!: : : : : ',: : : :',: : : :,
  -=彡: /: : : : /!/ l!!: |!: : :',: : } : : : } : : : ,
.    /イ |: : | |:|_jL  !ヽゝi-:-:< |: : : :|: : : : }
    ´|:!: : レイ__!.      ,≧、 !: : :|: : : '
.     Y: :Λ 7!:ハ    "{..::::ハ.!: : : :!⌒}/
       ! : : ハ{弋ノ    弋::ノ '!: :|: :l.ノ/
         : : :ハ    ,      j!: , : j:レ'-、
       N: :l: ゝ   、__ ,   / /: :/{:、l: :}
          l :l!: | >、    イ: :/!// ゝVヽ
.        : lヽ! {/} シT   /// { /  乂: :人
      __ xく! ̄ ̄ /l  /´ムイ ̄\ゝ、: ノ、
      Λ  ゝΛム__/   x< ´/フ´ ゝフ ≧ト 、:}、
.      /7\ ` マ__ノ{ /乂_7- ' ̄´/´  \ :!:ノ
    /7:リ    ̄又\/ノ――ァ-一彡´      }|:〉
   ,r-!_;/   / ̄{ ̄「下 ̄ ´  !/      ハ:ヘ
  __{: ノ {  ハ____,クート、ヽ_\○/       /:::V
 {:/ノ /  / /´r-/ ./ゝ=r  {    、  ./::::::ム
{´/リ / ,-/ / ̄フ / | |_  !    /  ./'T:~/:)
-く´ /  / ノ  !´ ∠,― ァ!  ,'      / ノ:V:く
:ノ ./   `Y´___|___|/   ニ二ソ      ,' .ム:リ:ノ
) r ⌒ >=< /// /   r- r'- 、     / ゝV ノ
.〈   // / /⌒ー-≧ー=7'    \   〈  { V:イ
0469名無しさん@ピンキー2011/07/18(月) 19:17:38.65ID:MloiZtlN
このスレには俺しかいないようだ・・・

菜乃×快斗がみたいんだが・・・
0476名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:44:17.34ID:7GVo1jKk
なんとか続刊が出る前に完成したよ。
エロなしでヒカルいきます。
0477名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:45:06.35ID:7GVo1jKk
 水気をたっぷり含んだ風は今にも振り出しそうな予感。見上げると雲行きが怪しく翳り、天気予報など見なくても容易に降雨を推測することが出来る。
 不快な空気に肩を落とし、植物だけは活力に満ちた通学路をトボトボと歩いた。
 なぜか赤城是光の周囲には人が居ない。朝の通学時間帯だというのに。
 周囲の学生たちは遠巻きにして露骨に表情をしかめ距離を置いているのだ。
 一人を除いて。
「ねぇ、知ってる? 紫陽花の色が変わるのは土壌に含まれている酸性度が要因なんだよ」
 にやついた表情で園芸の講釈をたれる色男。こいつは自分にしか見えない幽霊なのだ。名前をヒカルという。
 傍から見れば、変なドラッグでも決めてハイになっているのか、虚空に向かって独り言を呟いているようにしか解釈できない。そんな危険人物には近づきたくないだろう。例え俺でもな。
「おはよう。赤城」
 ところが校門をくぐった途端に不意打ちの様な挨拶を受けて驚いた。
 それは目つきの悪い不機嫌そうな少女である。
0478名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:45:55.87ID:7GVo1jKk
 名前を式部帆夏といった。
 彼女は視線をそらしつつ唇を尖らせて言い訳するように呟く。
「勘違いしないでよね。たまたま偶然一緒になったクラスメートに挨拶しただけなんだからねっ」
 少女の向こうにニヤニヤするヒカルの顔が気になったが、怒鳴りつけるわけにもいかず、同じように不機嫌そうな様子で「おはよう」と返すだけであった。
 そして足早に立ち去る。もっと元気よく挨拶すべきだったのかと後悔しながら。でも、余り親しそうにすると彼女に迷惑がかかるだろうし。
 そもそも親しくしてしまっていいのだろうか。たしかに一時期世話になったが、自分の思い込みかもしれない。
 ヒカルが何かいいたそうな顔をしていたが、あえて黙殺した。
 下駄箱で靴を履き替えて廊下を見ると、また掲示板の前に人だかりが出来ている。
 なんだ? またヒカルの追悼記事か。月命日というわけでもあるまい。
 視線をやると、壁新聞みたいな紙が貼られていた。見出しには「援交現場激撮!」と特太ゴチックで書かれており、大きく写真が掲載されている。
 中年男性と若い女性が喫茶店らしき場所で歓談している隠し撮りっぽい不明瞭な写真だが、その女性の顔ははっきりと写っていた。
 式部帆夏。写真の中の彼女は幾分緊張した趣で男性と向き合って座っている。
0479名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:47:07.93ID:7GVo1jKk
「なっ!」
 背後から先ほど聞いたばかりの声。
「ち、ちがうの、これはっ!」
 掲示板の前に駆け寄り、背中に隠すように両手を広げる。弁解しようとして言葉が出ないのか、溺れかけの金魚のように口をパクパクと開けて、顔色を紫陽花のように赤から青に変化させているのだ。
 視線は味方を求めてさまようが、誰も目をあわせようとせず、ヒソヒソ囁くばかりである。
 なんだよ。この連中は。
 猛然と腹が立ってくるのを是光は抑えることが出来なかった。
        *
 屋上なら多少は涼しいのかと思ったら、そんなことはなかった。風のないよどんだ湿気でじっとりと汗ばんでくる。
 どんよりとした曇り空で陽射しがないのが幸いだった。
 都合のいいことに、ここは無人でヒカルと会話していても目撃されることはない。
 もっとも、是光の奇行の定位置として他人が避けている結果なのだが、当人に自覚はなかった。
0480名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:47:45.77ID:7GVo1jKk
「カッコよかったよ、是光。まるで姫を守る騎士のようで」
 ニヤニヤしたヒカルは目障りであるが追い払う物理的手段はない。
「でもなぁ……」
 人の気配がしたので、ヒカルへの言葉を飲み込む。
 屋上に姿を現したのは式部帆夏であった。
 登場は予測していたので動揺はしない。是光は沈んだ様子の彼女に声をかけた。
「すまなかったな。返って酷い噂になってしまって」
 いつの間にか赤城是光が式部帆夏を奴隷調教して客を取らせていたという噂になって校内を駆け巡っている。
「なんで謝るのよ。バカ。お礼を言うのはこっち。あんただけ、あんただけが庇ってくれたんだから」
 そして、強張った表情で「ありがと……ね」と続ける。
「あれだけ根も葉もなくエスカレートしてしまうと、かえって嘘っぽくなって、そのうち消えると思うよ」
 ヒカルの台詞に頷き、彼女にも伝える。
「あの写真だって、親戚とか、そんなんだろ?」
「ううん。初めて会った人」
0481名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:48:37.58ID:7GVo1jKk
 それを聞いて固まる是光に慌てて言い訳する。
「あ、違うの。そういうのじゃなくて……えっと。これはまだ外に出しちゃいけない話だけど、商業のお誘いがあって。あの人は出版社の、薫風社。ほら。知っているでしょ」
「知らん」
「嘘だ―――」
 帆夏は頭を抱えた。
「何で知らないのよ。井上ミウくらい読んどきなさい」
 だが是光をみるに「馬の耳に念仏」を具現化したような表情だ。
「もうっ、とにかく。ついにこのあたしが商業デビューするかも……アンソロだけど。という話で編集者さんと打ち合わせてしていたのよっ!」
「ほう。それはたいしたものだな」
「でも商業とはいえ所詮はアンソロ作家だし。賞をとったわけでも無いもんだから、自慢するのも気恥ずかしくて……」
 もじもじするが、是光が鼻くそでもほじりそうなほど無関心なことに気付き愕然とする。
「もう、知らないっ」
 背を向けて屋上を後にしようとする。
「よかった。いつもの式部に戻って」
「え!?」
 一瞬振り返った後、耳まで真っ赤になって足音荒く階段を下っていく。
0482名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:49:25.07ID:7GVo1jKk
「なんで、あいつ赤くなってんだ?」
 是光の疑問にヒカルは肩をすくめるばかりで答えようとはしなかった。
         *
「はぁ……最悪」
 帰宅途中、帆夏は溜息をつく。学校来てから、帰るまで碌な出来事が無かった。
 教室では誰もが距離を取って話しかけようともしなかったし。いや、級長だけはオドオドと『なにかあったら言ってね』と声をかけてきただけだったが。
 まともに言葉を交わしたのは赤城是光だけか。
「あのバカ」
 眼差しを思い出すだけで、僅かに表情が緩む。
 だが次の瞬間こわばることになった。
「おねーちゃんが式部帆夏っていうのかぁ」
 進路をふさぐようにガラの悪い連中が立ちふさがっていた。
 いまどき見かけないような奇抜な髪形にジャラジャラしたアクセを身につけ、ダブっとしたズボンを腰穿きしている。そんな若い男たちが数人行く手を阻んできたのだ。
 駅まであと少しという距離なのに。助けを呼ぼうと周囲を見渡したが、通行人は数百メートル手前から集団を目撃すると足早に進路を変えている。
 つまり、周囲はこの連中しか居ないということだ。
0483名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:50:05.21ID:7GVo1jKk
「タダでやらしてくれるんでしょ。男無しじゃいられないヤリマンだって聞いているよ」
 ニヤニヤしながら背の低い半分だけスキンヘッドにした男が一人近づいてくる。
「そんな噂どこから……」
 帆夏は慎重に間合いを計った。前方はふさがれているが、背後には回られていない。この半分ハゲさえ無力化すれば……。
「メールで出回ってるよ。輪姦してくださいってな」
「それはデタラメね。お引取りください」
「なぁに、嫌よ嫌よも好きのうちってね」
 男はあきれるくらい無防備であった。こちらが無力な少女だと思いこんでいるのだろう。股間を膨らませて、鼻息荒く近づいてくる。
 奴め。もうヤったつもりになっているな。では教育してやるか。
 狙いすましたローキックを相手の股間に叩きこんだのだ。
「おうふっ」
 崩れ落ちるその様子を見て後ろの連中は笑い転げた。
「カッコ悪ぅ」
 それを聞いて半分ハゲは激昂する。
「クソッ女! まわして剥いて吊るしてやる!」
 渾身の一撃であったのに、期待したほどの効果が無い。腰穿きズボンが防御効果をもたらしたのか。
 股間を押さえながらも内股で立ち上がり物凄い形相で掴みかかろうとしてくるのだ。
 ならば、短いスカートではあまりやりたくは無かったのだが。
0484名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:50:45.79ID:7GVo1jKk
「真空飛び膝蹴り!」
 高く跳躍してからの膝蹴りである。それを鼻っ柱に叩き込まれてはさすがに昏倒するのだ。
 だがこれは失敗である。いや威力としては申し分ない。完璧に決まっている。だが、これを見たチンピラ集団が本気になってしまったという意味で失敗だったと言うしかないだろう。
 弛緩した表情を引き締め、ゆっくりと迫ってくる男たち。半ハゲを一人無力化しただけにしては高い代償であった。
         *
 ヒカルのマンションの管理人と羊羹をつつきながら、ヒカルの思い出話に花を咲かせているときだった。
 是光の携帯がメールの着信をしらせたのである。
 ちなみに一方的に語り続けているのは管理人さんで、是光は相槌を打つだけ。たまにヒカルの解説を聞いてコメントを寄せる程度であるが、管理人さんは目を潤ませて是光の手を取り大きく頷くのである。
 正直な話おっさん相手に鬱陶しくもあったが、悪気は無いので真面目に応対していたのだ。
 だから携帯の着信は救いの船だったのである。
「ちょっと失礼」
 画面を見て是光は顔色を変えた。
0485名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:51:22.70ID:7GVo1jKk
「すみません。急な用事が出来たもので帰ります」
 返事も聞かずに駆け出す。
         *
 帆夏は荒い息を整えようと壁にもたれた。現在位置は把握できていない。ビルの谷間のような路地裏である。
 全力で駆け続けてたどり着いたのがこの場所であった。
 奴らは巧妙にも交差点などの重要地で待ち伏せし、携帯で連絡を取り合って退路を塞ぐように追跡してくるのである。
 こっちは通学路以外の道は把握できていないというのに。
 反撃しようにも常に複数で行動しており、ましてや警戒されている今は倒すことは不可能であった。
 だから全力で逃げ続けて、逃げ続けてここに追い込まれたのである。
「見つけたよ。帆夏ちゃん」
 倒した半禿の声がした。振り返ると路地の入口に例の男たちが立っており、ニヤニヤと近づいてくる。
 あわてて路地の奥に駈け出して帆夏はすぐに絶望のうめきを上げた。
 その先は行き止まり。袋小路だったのである。
 何とかならないかと見渡しても窓ひとつないコンクリの壁が絶壁のように立ちふさがって飛行能力でもない限り脱出は出来そうもない。
「さぁて、先ほどのお詫びをしてもらおうじゃないか」
0486名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:52:21.49ID:7GVo1jKk
 背後に迫る男たちの気配。
 こいつらを倒して……無理だ。
 最初の一人こそ奇襲で何とかできたとしても、二人、三人と相手にできない。組み伏せられるのはこちらのほうだ。まして警戒されている現状では奇襲は望めない。
 そのうえ先ほどまで全力疾走を続けていて疲労がたまった状態ではどれほどの動きができることやら。
 どう分析しても溜息しか出そうになかった。
 だが、戦うしかない。
 式部帆夏が唇をかみしめたとき。男たちの背後、路地の入口から救いの手が伸びたのである。
「式部! 無事か!」
 そこに立っていたのは赤城是光の姿であった。
「なんだよ、にーちゃん。この女のコレかぁ? 黙って見学してな。そうすればおこぼれくらいわけてやっからよ」
 次の瞬間、不用意に近づいた一人が地面に伏す。
「なっ!?」
 男たちに緊張が走った。
「そういえば聞いたことがある。その面、そのなり、赤城……是光か」
「あの赤城! だがこいつを倒せば……名を売れる」
「この、人数でならっ!」
「ボコるぞ。ごるぁ!」
 だが、威勢がいいのは口だけである。
0487名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:52:54.48ID:7GVo1jKk
 最初の男は拳とその側面で抉るように打たれ昏倒した。
 次の男は革紐のようにしなる腕に締められ気絶する。
 その次の男は弩で撃ち抜かれるように膝がみぞおちに入り悶絶した。
 四番目の男は腰が引けたところを間合いの外から高く躍り上がった脚に撃沈される。
「動きが……見えない?」
 呆然と帆夏は見守るしかなかった。是光の悪名は聞いていたが、実際に彼と接するにつれ何かの間違いじゃないかと感じるようになっていたのだ。
 しかし目の前の光景は伝説の通りだったのである。
「そりゃ、外見が怖いというだけで、あれだけの悪名が広がるわけがないもんな。伴う事実がないと……」
 ヒカルは感心しながら流麗な動作でチンピラ集団をのしていく是光を眺めた。
「書道の筆の動き、無駄のない研ぎ澄まされた運筆は武道に通じるものがあると聞くが、これほどとは」
 是光が合掌し、一礼したときには、立っている男たちは一人もいなかった。ことごとく倒れ呻き声を上げていたのである。
「よかった。無事だったか」
 ほっとした表情をみせる是光に帆夏はどんな表情を見せたらいいかわからなかった。
0488名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:53:38.66ID:7GVo1jKk
「おっそーい! もっと早く来てよね」
 つい、こんな声を上げてしまって後悔してしまう。だから顔を伏せて付け加えた。
「怖かったんだから……ありがと」
 今度は是光がなんていうべきか混乱する番であった。
 だが、台詞を口にする前に新たな人影が現れたのである。
「これは由々しき問題ね」
 周囲を睥睨するように泰然とたたずむ姿は少女というより美女。黒髪で長身、怜悧な刃物を思わせる彼女の名前を斎賀朝衣といった。
「赤城……是光君。このような暴力事件を起こしてただで済むと思っているの?」
「会長! 彼はわたしを……」
「式部さんは黙って。実際に手を下したのは、赤城是光君に間違いないわ」
 巨悪を弾劾するように見据え、是光の眼光にひるむ様子も無い。
「さてはお前が仕組んだことか……?」
「馬鹿も休み休み言いなさい。わたしは生徒が暴力事件に巻き込まれそうだという通報のメールを受けてここに来たのよ」
 そしてスカートの裾を翻して踵を返す。
「必ずや、厳重な処分が下されるでしょう。覚悟しておきなさい」
 この台詞を残して颯爽と立ち去る。
「メール……?」
 ヒカルは首をかしげた。
0489名無しさん@ピンキー2011/08/25(木) 16:54:01.67ID:7GVo1jKk
「是光。尋ねてみてくれないか。助けを呼ぶメールをいつ送ったか」
 だが帆夏の返事は意外だった。
「送ってない。メールする余裕なんか無かった」
「おい。俺は確かにっ」
「ちょっとみせて……これあたしのメアドじゃないよ。なりすまし!?」
 一同、沈黙する。重い空気が満ちた。
「そういえば、あのチンピラ連中もメールとか言ってた」
 暗鬱な雰囲気を表すような空から滴るように雫が降ってきた。
 限界を迎えた前線から決壊するような驟雨。
 その中、濡れるまま立ち尽くす二人と半分であった。

         *
「ふふ。んふふ。おもしろいですねぇ。こんなちっぽけな携帯から送られた短いメールでみんなあっちへ行ったりこっちに来たりと右往左往するなんて」
 彼女は声を抑えるように笑う。小柄な体つき。それでみてみっしりと脂の乗った艶かしい肉体。だが髪は少年のように短い。
 すばやい指さばきで手に持った携帯に文章を打ち込んでいくのだ。
「さぁ。踊ってもらいますよ。掌の上で」
 声にならない笑い声が虚空に響いた。

       おわり。
0493名無しさん@ピンキー2011/09/09(金) 05:22:18.15ID:LYfuo0I2
画廊2と設定がちぐはったので、お蔵入りにしていたSSを投下してみる。
心葉×遠子で和姦エロ薄め。いろいろご了承ください。
0494"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:26:06.41ID:LYfuo0I2
「ただいまぁ〜」

そんな声がしたので、振り返ってみると、リビングに一匹ウサギが立っていた。
……いやいや、まさか、そんなわけがない。
ふるふると頭を振ったあと、呆れたようにぼくは言った。

「……目、真っ赤ですよ。遠子先輩」
「え、嘘? きゃーほんと! ウサギさんみたい!」

ウサギのように目を真っ赤に充血させた遠子先輩は、鏡を見るなり悲鳴をあげた。
目をごしごしと擦って、パチパチと瞬きして、得意顔でこちらに向き直る。

「治った?」
「治ってないです。むしろそれ絶対に悪化しますから、やめてください」

はぁとため息をついて、とんとテーブルのうえに目薬を置いてやる。

「おかえりなさい。それから、遅くまでお仕事お疲れ様です」

雀が鳴き出すような早朝。ぼくは徹夜明けの遠子先輩に微笑みかけた。

6年越しの再会後、ぼくらは編集部に内緒でこっそり同棲してしまっている。
お互いの呼び方は、相変わらず、遠子先輩と心葉くんで。
もうちょっと色気のある呼び方に変えようかとも思ったけど、結局、ぼくらにとってはそれが一番自然だった。

ソファにちょこんと腰かけた遠子先輩は、そわそわと急かすような瞳でぼくを見上げた。

「心配しなくてもちゃんと用意してますよ、ウサギさん」

五十枚綴りの原稿用紙から、書き綴った分を三枚切り取って手渡すと、遠子先輩は歓声をあげた。

「はぅ〜、ありがとぅ〜! もう忙しくて昨日の夜から何も食べられなくって、お腹と背中がひっつきそうだったの……いただきまーす」

真っ赤な目で、目を通し、うっとりと恍惚したような表情を浮かべながら、しゃくしゃく紙を食べていく。

「はぁ……あたたかい……疲れた身体にじんわり染み渡っていくホットレモンティみたいね……ありがとう、心葉くん」
「今日も徹夜だって聞いていましたから。量は軽めに、砂糖多めで仕上げてみました」
「うんうん、偉いぞ! 気遣いのできる男性ってとっても素敵よ! さすが、わたしの心葉くん!」

褒めちぎりながら幸せそうに紙をむさぼる遠子先輩を、ぼくは穏やかではない気持ちで眺めていた。
こんな風に朝帰りを迎えたのは、もう何回目になるだろう。
最近の忙しさは、度をこしている。
何人もの作家と向き合い、ともに悩み苦しみ、作品を作り上げているのだから仕方ないことなのだろうけど、さすがに心配になってきていた。

「……最近、無理しすぎなんじゃないですか」
「そんなことないわ。まだ日の目を見ていない物語を世に送りだす"編集者"、いえ、"文学少女"としてはまだ頑張り足りないくらいよ」
「……だから、何でもそれで片付けないでくださいって。"文学少女"だって紙だけ食ってりゃ生きてけるものでもないでしょう。大体、もう少女でも、無理できる歳でも――」
「! だめよ! 心葉くん! その先は言ってはだめ!」

キッとにらみつけられて、ぼくは口をつぐんだ。
……自分でも理解してるなら、言わなければいいのになぁ。
0495"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:32:14.55ID:LYfuo0I2
「とにかく! 本当に無理なんてしてないのよ。それに最近は少し楽にもなったわ。緋砂ちゃんが一つ上のステップに行って、わたしの手を離れてくれたから」
「それでも、負荷は減るどころか、増える一方じゃないですか。実際、もう徹夜二日続いてるのに説得力ないですよ。今日は休んだらどうですか?」
「ううん、だめ。今日は13時から快斗くんと打ち合わせなの。もうすぐ、新シリーズも控えてるし、ちゃんとサポートしてあげないと」
「ああ……例の彼、ですか」

――雀宮快斗。
遠子先輩が特に目をかけている高校生作家。

実は、薫風社のパーティのときに彼のことは一方的に見知っている。
丁度、会場のロビーについたとき、険悪な雰囲気の雀宮くんと早川さんが庭園に出ていくところで、ただならぬ雰囲気を感じたぼくは彼らをこっそりつけた。

そしたら雀宮くんが、遠子先輩と一生添い遂げる! とか恥ずかしいことを叫びだして。
あの日から、のどに魚の小骨が刺さったみたいに、小さなイガイガが心から消えなかった。

「……もぐもぐ……ごちそうさまでした! さ、それじゃ、それまで井上ミウ大先生の次の作品の打ち合わせをしましょうか」

ようやく朝ごはんを食べ終えると、遠子先輩は大きく伸びをした。
冗談だろう! この人まだ仕事するつもりなのか!

「だめです。ドクターストップです」
「ひゃっ」

ぼくは遠子先輩をひょいと抱えあげると、寝室へ向かった。

「13時までならまだまだ時間があります。休暇をとれとはいいませんが、少しは寝てください」
「でも、心葉くんの原稿だって、もう締切まであんまり時間が――」
「遠子先輩がいないくらいで落とすほど、素人じゃないつもりです。つべこべ言わないで言うこと聞いてください。じゃないともう原稿は二度と見せません」

うっと遠子先輩が瞳を潤ませた。ちょっと心が痛んだが、これくらいしないと、この人はきっと堪えてくれない。

「……ごめんなさい。心配かけてるわよね」

布団で顔を半分覆い隠し、しゅんとして彼女が言う。
心にずしと重石をのせられたみたいに、後ろめたい気分になった。

たしかに、ぼくは彼女を心配している。
けど、それだけの理由で、彼女を休ませようとしているのかというと、多分そうじゃない。

本当は、彼女が仕事に――他の作家に夢中になっているのが気に入らないのだ。
ぼくのため以外に働いているのが、悔しいのだ。
彼女が、またあの時みたいに離れていってしまうのではないのかと、恐れているのだ。

そんな自身の醜い感情を恥じ、上の空になっているうちに、遠子先輩は寝ついてしまったようだった。
……今なら、気づかれないうちに、触れられる。
この心細さを、埋められる。
してはいけないと思いつつも、心が向かうのをとめられない。

ベッドの端にこしかけると、身をかがめて、白く美しいうなじに顔をうずめる。
すぅと息を吸うと、芳しいすみれの花の匂いと、少しだけ酸っぱい汗の匂いが香った。
官能的な気分に満ちていく。

……もうやめよう、遠子先輩が起きてしまう。
そう決心したときにはもう遅く、目を覚ましてしまった。
0496"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:33:37.22ID:LYfuo0I2
「……心葉、くん? どうしたの?」

ぼくがよほど青ざめた顔をしていたのか、遠子先輩は慌てて身を起こした。

「具合、悪いの? もしかして、拾い食いして、お腹壊したとか?」
「……遠子先輩じゃあるまいし、そんなことしません」
「じゃあ、どうしたの?  すごく、悲しそうな、泣きそうな顔をしているわ」

喧嘩に負けた子供を慰める母のように、ぼくの頭を撫でる。
胸にどす黒い感情がたまっていく。
まどろっこしい。
こんな不安、肌を重ねあわせてしまえば、すぐに消せてしまうはずだ。
ぼくは、遠子先輩を押し倒して馬乗りになった。

「……そんなことより、最後にしたのっていつでしたっけ。もう随分とご無沙汰ですよね。実は、たまってるんです」
「たまってるって……えっ」
「させてください」
「えっ、えっ、えっ……えーっ!」

みるみるうちに顔を真っ赤にして、きょろきょろと目を回している。

「わ、わたし、徹夜明けで、つ、疲れてるのよ……」
「さっきまで元気一杯で、打ち合わせしようとしてましたよね」
「それに、心葉くんもドクターストップって言ったのに……」
「ぼく、ドクターじゃないですし。それに疲れてるときは、軽く運動してから寝ると良いんですよ」
「シャワーも、浴びてないから汗くさいし……」
「それはむしろ、ご褒美です」
「こ、こんな真昼間からだめよ。ふしだらだわ、ただれているわ、退廃的よ!」
「確かに、普通の夫婦なら夜に営むものですが、遠子先輩はいつも夜いないんだからしようがないじゃないですか。その代わりです」
「ふ、夫婦じゃないもん! ……ま、まだ」

決して初めてというわけではないのに、毎度毎度身持ちのかたい処女のごとく理由を並べ立てる姿には頭が下がる。
けど、最後には決まって、消え入りそうな声で、ちょっとだけ視線を斜め下に外して、「……うん」と頷いてくれる。
その仕草が、可愛らしくて、好きだった。

ぼくは、その細い顎をつかむと、薄い花弁のような唇に、自分の唇を重ね合わせた。

「んっ……」

きゅっと、遠子先輩がシーツを握ったのがわかった。
触れ合わせていた唇を離すと、彼女の舌が物欲しそうにちろりと覗いているのが見えた。
今度は顔を傾けて、より深いキスをする。
小動物のように小さな彼女の舌を、ぼくの大きな舌で絡めとる。

「ちゅっ……んっ……はっ、ちゅちゅっ……んっ……ちゅるっ……」

何度も組み替えながら、絡み合い、解けあい、唾液が交換される。
彼女の唾液は度数の高い美酒のようで、飲み干すすたびに、血液が燃え上がっていくかのように、身体が熱くなる。
やめどきが、まったくわからない。まるで、麻薬だ。
より大きな快感が先に待ち受けていなければ、きっとぼくらは永遠にこの行為を続けるだろう。

「ちゅ、ちゅぅ、ちゅるっ、ぷはっ……」

苦しくなって息を継いだ彼女は、またすぐにぼくの唇をついばもうとする。
その勢いに圧倒されて、ぼくは少し身を退けた。
0497"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:34:53.87ID:LYfuo0I2
「遠子先輩、キス、好きですよね……」

別に責めたつもりはなかったのだが、彼女は恥ずかしそうにうつむいてしまった。

「……だって、心葉くんとキスするの、気持ちいいんだもの。不思議なの。何を食べても、飲んでも、味なんてしないはずなのに、心葉くんとのキスは美味しくてしょうがないの。わたし……おかしいのかしら?」

両手で赤らむ頬をおさえながら彼女は羞恥をこらえるように言った。

「普通、ですよ」

好きな人のキスが、美味なのは、きっと"文学少女"だって変わらない。
彼女の耳たぶや、首筋にキスしながら、シャツのボタンを一つ一つ外してゆく。

「ひゃっ……んっ……あっん……」

身体を下方へとずらしていき、二つの丘陵の頂に実った桜桃色の果実を摘み上げて、甘噛みしてみる。
幹が風に吹かれたみたいに、きしきしと音を立てて揺れた。

「やっ……あっ……んっ……そこ……気持ちいい……」

腹部の窪みを舌で穿ち、下腹部の茂みにまでたどり着く。

彼女の身体で最も敏感な核に優しく触れてみる。
真珠のように包皮につつまれた真紅の芽を、壊れものでも扱うように丁寧に。
同時に、もう一つの花びらに口づけ、雫になって流れ落ちてくる蜜を、ずるずるとスープでもいただくかのように啜る。

「……ごちそうさまでした」

大事な場所を涎まみれにしたあと、ぼくは口を拭った。
対する遠子先輩はもう意識があるのかすらも怪しいように、両腕で顔を隠して肩で大きく息をしていた。
瞼はもう疲れきったかのように垂れ下がっていて、快感の海を漂っているようだった。

木霊する。静かな部屋に。ぼくと遠子先輩の吐息だけが。

今、この世界には遠子先輩とぼくしかいないような錯覚を覚えた。
だから、聞いてみたくなった。今なら望むべき言葉がもらえるような気がして。

「遠子先輩は……ぼくと快斗くん、いえ、他の作家、どちらが大切ですか?」
「……え?」

遠子先輩はしばらく夢見心地のようだったけれど、段々と瞳の焦点があっていった。
そして、やわらかく微笑んだ。

「……比較することなんてできないわ。みんな、私の、大切で大事な作家だもの」
「……ですよね」

遠子先輩なら、どんな状況だってやっぱりそう言うに決まっている。魔が差した自分の邪念を恥じた。
0498"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:36:42.97ID:LYfuo0I2
「でもね」

遠子先輩は言葉を紡ぎながら、ぼくの頬に手を伸ばした。

「心葉くんは、わたしの作家である以上に、"恋人"だから」

まるで、現実で夢を見ているかのような瞳で。

「一番の幸せを、わたしに与えてくれる人だから」

信じられないくらい綺麗に笑って。

「――大好きなの。特別に、ね」

彼女の言葉が、マナになって、ぼくに降り注ぐ。

「もしかして、それで、不安になってたの?」

ぼくの頭は遠子先輩の腕に導かれて、彼女の胸にすっぽりと収まった。
高校の頃からずっと扁平な胸だけど、実はわずかに女性的なふくらみがあって心地がいい。
それを知ることができるのはきっと世界でぼく一人だけしかいない。

「……まさか。いい加減、子供扱いはやめてくださいよ」
「ふふふ、そういう素直じゃなくて、かわいいところもだぁ〜い好きなの」

ぼくたちは裸でバカみたいにじゃれあった。ちょうど、生まれたばかりの子犬の兄弟がそうするみたいに。
しばしインターバルを挟んだというのに、ぼくの剛直はいまだに衰えることを知らず屹立していた。
遠子先輩がおもちゃを弄ぶみたいに裏筋を撫でてきたので、ぞくっとした。

「……それから、ここも、かわいくて、大好きよ」

台詞に似合わず、妖艶な表情で、遠子先輩は言った。
ぼくはすっかりそれにあてられて、誘蛾灯に誘われるように、剛直を秘所にあてがった。

「そんな台詞、すぐに言えないようにしてみせますよ」
「……クス、期待してるわ」

ゆっくりと挿入していく。
そこはもうすっかりぼくの形に馴染んでいて、だというのに締めつけだけは初なときと変わらず、子種を貪欲に搾りだそうとする。
入れた瞬間に吐き出しそうになるのをぐっとこらえるのが、常だった。

「遠子……好きだ」
「うん、わたしも好きよ、心葉」

それからのことはもう、途方のない快感にやられてしまったのか、あまり記憶に残っていない。
ただむちゃくちゃに腰をたたきつけて、ぐちゃぐちゃにとろけ合うように絡みあって、何もかも注ぎこんだ記憶だけがある。
はっとして気づいたときは、ぼくも彼女もすやすやと寝入ってしまったようで、ベッドに寝転んでいた。

ぼくは服を着ると、彼女の好みそうな甘い話をつづりはじめた。

ささいなことで、不安を感じてしまう男が、その原因を恋人に気づかされる、他愛もない話。
原因は、とても単純。
きっと、今がとてつもない程に幸福だから。
嘘みたいに、夢みたいに、幸せだから。
不安はきっと、誇るべき勲章なんだろう。
0499"文学少女"とイタズラ好きな完熟作家2011/09/09(金) 05:37:59.16ID:LYfuo0I2
一筆書き終えたあと、ベッドの上ですやすや眠る遠子先輩に近づいた。
さらさらと流れる髪を小川の水をすくうように何度も梳いてみる。
ぼくは何となく、彼女の髪を三つに分けて、結び始めた。

少しずつ、少しずつ、彼女の姿が昔に戻ってゆく。
ぼくは、何でこんなことを、始めたのだろう。
過去を懐かしみたかったのか。
未来に思いを馳せたかったのか。
それとも、ただ単にイタズラしたかっただけなのか。

ぼくは途中で三つ編を結ぶのを止めた。
片側だけの三つ編は、乱雑な思索を顕現させたかのように乱れてひどいことになっている。

でも、黙っていよう。なにせ、これから彼女はぼくを置いて他の作家のもとに行くんだから。
これくらいのイタズラは許されてもいいはずだ、うん。
もう心細くなることはなかった。

やがて、彼女がうっすらと目を開いた。

「……心葉、くん」

ぼくの顔を見たあと、ごしごしと目をこすり、置時計に目を向けて、叫び声をあげた。

「!! きゃあーーーっ!! もう13時じゃない!? どうして起こしてくれなかったのぉ!?」
「え、 何かあったんでしたっけ?」と、すっとぼけてみる。
「打ち合わせだって言ったじゃない!! もう、ひどいわ、心葉くん!!」
「そんなことより、昼過ぎですし、お腹減ってませんか。ちょうどいい文章が書けたんですが――」
「いらない!!」

遠子先輩は慌てて部屋を出て行く。
しかし、すぐに戻ってきて、じーっとぼくの原稿を睨みつける。

「どうかしましたか?」
「……うぅ、心葉くんの意地悪。こんなので絶対に許したりしないんだから。帰ってきたらもっと一杯ごはん作ってもらうんだからぁ!」

原稿を奪いとって、また出て行ってしまった。

「ほんとに、相変わらず、食い意地張ってるよなぁ……」

あれでは、食い気と焦りで、とてもぼくのイタズラに気づくことはできないだろう。
雀宮くんの家で気づいて慌てふためく遠子先輩の姿が見物だ。
その様子を想像すると、また愛おしさがこみ上げてきて。
密かに筆を進めている例の物を仕上げるやる気が湧いてきた。

「早めに渡さないとな。それこそ、半熟作家くんに捕られちゃう前に」

机の引き出しから取り出したのは、重厚なジュエルケースと便箋に収まった書きかけの原稿。
ぼくは、彼女に思いを馳せながらペンを握りしめると、したためていった。
ふいに不安が襲っても、今だけは決して焦らない。

なにせ、世界中の女の子が夢見る、一生に一度しかない機会なのだ。
星のようにきらめくダイヤに、最高にロマンチックな甘い文章を添えてみせよう。

そう、あの"文学少女"が、食べるのをためらう位の――求愛の言葉を。

終わり
0500名無しさん@ピンキー2011/09/09(金) 06:19:11.40ID:iEh9Q9km
Gj!

画廊のと雰囲気そっくりで面白かった。
お蔵入りはもったいなかったんでは?
0502名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 21:25:27.38ID:gL7idRYf
 カタカタカタッ カタ・・・
ふぅ、と心葉は天を仰いだ。執筆部屋の天井のがらんとした空気を敏感に
察知した彼は、衝動的な寂しさにみまわれてしまった。
 遠子との再開を果たし、心葉と遠子はそれまでの時間を埋めあうように
出会い続けていた。
 
 心葉は、遠子を思い耽った。そのまま机に顔を突っ伏しながら、
彼女を思い、自慰をした。吐き出した精液は、ぼたりぼたりと床に落ちた。
 まだ、二人は性交はなかった。
しかしそろそろそういた雰囲気が、二人の間に高まっていた。
 それはクリスマスが近いせいだった。
ありきたりのクリスマスデート。
 そしてきっとあるであろう・・・その日のこと。
心葉は待ち遠しくて堪らなかった。
0503名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 21:39:43.30ID:gL7idRYf
 その日だった。
心葉はそのその日の一連の出会ってからの時間を重く感じた。
そして殆どを忘れた。食べた食事の味さえ忘れてしまうほどに。

 頭の中はぱんぱんに膨れ上がっていたし、
遠子を見たり、触れたりするたびに、彼は股間を固く、苦しく
若干の痛みを伴いながら、窮屈でいた。
 
 やがて、夜は訪れ、夜道で、二人は黙った。
二人の視線は夜の都会で交わった。そして溶け合った。
 彼らはするするとホテルへチェックインした。
 彼らはそれから目を合わせなかった。
無言の重い空気をエレベーターの中で感じた。
 ひとつ、ふたつ、と目的の部屋まであがってゆく。
そして心葉の興奮もそれに伴っていた。
 
 
0504名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 21:43:00.56ID:gL7idRYf
 そして心葉は、もう抑える必要はないだろう、と
突如遠子の唇を奪った。
 遠子は目をかっ、と開き、すぐに、甘ったるい目になり、
頬を軽く染めた。
 お互い控えめで小さな舌の先端で擦り合わせる。
舌同士でじゃれあいながら、唾液も吸い付いて飲んでゆく。
 遠子の細腕を心葉は掴みエレベーター内の壁に
彼女の身体全体を押し付けてゆく。鼻息と、口と口を
ちゅぱぁ、と離すたびに漏れる吐息の音があった。
 
心葉は、一度間を置いて、彼女の頬を両手で柔かく包んだ。
 遠子の眼は潤み、涙も零れんばかりだった。
エレベーターがチェックした部屋の階にとまると、
彼女の細腕を掴んだまま、部屋にかけこみ、
電気もつけないまま、彼女を押し倒した。
 月明かりのせいで、部屋は明るかった。
0505名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 21:52:01.72ID:gL7idRYf
 彼女を押し倒すと、彼女はされるがままになった。
心葉は夢中になって彼女の身ぐるみを剥した。
 彼女の身体は真っ白で白光していた。月明かりのせいだ。
ぺったんことおちょくることもなく、そっと、中指で彼女の乳首に触れ、
そのまま薬指で挟み焦らしてゆく。平坦とはいえど、
若干の膨らみのあるその乳房を撫でるようにしたあと、
舌で舐め上げた。

 彼女は左手を手を口に当て、そっぽを向きながら、もう片方の手で
シーツをぎゅっと掴んでいる。
 乳首を舌先でちろちろといじっている間、彼女は頬を染めながら、
ぐっと声を殺している。
 心葉は、そのまま全身を同時に舐めてしまいたい、食べてしまいたい、
という衝動に駆られた。
 
 腋を舐め周し、その道で、彼女の耳たぶを咬んだ。
 もう一度、心葉は彼女の口の中へ舌を入れ、執拗に彼女の口の中を
乱した。思いっきり吸い付き、つるりとした背中を撫で回した。
 彼女は予想以上に華奢過ぎ、細かった。
 
 その身体を彼は思い切り抱きしめて、折らんばかりだった。
0506名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 22:00:59.37ID:gL7idRYf
 そのまま彼女の髪の毛をたぐりよせ、自分の顔に持ってゆく。
その甘い臭いに顔を埋め、悦に浸る。
 彼の股間はとくんとくんと、すでに先走っていたが、
それでも、まだまだ前戯が足りないくらいだった。
 心葉も下半身を剥し、彼女を抱き起こし、背中から抱きつくようにし、
自分の指を舐め、赤赤とした水溜りのようになっている彼女の陰部を
優しく慰めてゆく、遠子も、そっせんして、するりと股を開く。
 遠子は、口付けをねだるように、後ろに回っている心葉にアピールする。
口つけをしながら、乳首を刺激され、陰部の堅くなっているところを
さすられてゆくうちに、遠子は、もうはやく彼の堅いものが
入ってくるのが待ち遠しくたまらなかった。

 心葉は、遠子と対面座位になって、中に全部出してしまいたった。
彼は、ゆっくりと、彼女の中へ、入っていった。
 きつく感じ、痛みばしりながら、彼女は身体をこわばらせた。
 彼女はやはり処女だった。
血が染み出る陰部が、互いが接合しあうところで、熱くなっている。
 赤赤としている。

 対面のまま、彼女の背中を撫で回し、時間を待つ。
遠子はやがて、腰を上下し始める。
 口つけをしながら、上下の運動を激しくしてゆく。

 このはっ・・・くぅん・・・
 とおこ・・さっ・・・
 
0507名無しさん@ピンキー2011/09/14(水) 22:06:50.15ID:gL7idRYf
 涙を流し、やっといっしょになれたね、、、
ととぎれとぎれに、彼女は言う、
 彼は彼女の腰の動きだけに夢中になっている。
ひきしめられながらも、びしゃびしゃの水溜りになっている
陰部は柔かく、そして、たびたび、きゅっ、きゅっ、と
 亀頭を引締めてゆく。
痙攣し、彼は、いままでのたまりにたまった総てを、
そそぎこんでやりたいと思った。彼女の子宮に亀頭の先端がついた
ところで、妊娠させてやりたいという、変態的な考えになった。
 
 もう心葉は限界だった。
きゅっうう、っと彼女の身体は、彼の精液をのみこもうという
本能で必死だった。
 快楽の絶頂へ、のぼりつめてゆくなかで、
ふたりは唇を重ね、吸い付き、
 そのまま、熱狂の中で、心葉は、精液を全部吐き出した。

 ふふ・・・このはくんかわいい・・・
と、涎をたらしている惚けている心葉の涎を舐めとった。
 きもちよくなってる顔がもっと見たい、
と言って、そのまま彼女はまた腰を上下しはじめた。

 
0508名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 14:30:34.29ID:V3Sxkovj
 「きしゅ・・・きひゅしれほしいの・・・」
腰を振り続けながら、からからに喉のかわいたときに
飲む水のように、心葉の口にすいつき、喉をごくごく動かす。
 「このはくん、おいしいよ・・・」

 遠子は、対面の格好から、心葉を押し倒した。
心葉の上で、騎乗になった。
 彼はささやかな彼女の胸のふくらみを、もにゅもにゅと
掴む。
 このはくぅっ・・・・・
んぁ・・・
 上気し、羞恥と快楽をいったりきたりしながら、
天を仰ぎ、頬を高潮させている。
 いくよ・・・いくよ・・・このはくんっ・・・
 とおこさん・・・いっしょに・・・
 うん、・・・・・いっしょに・・・
 
 ぐちゅ、ぐちゅ、と血と精液にまみれながら、
そこはめちゃくちゃになっていた。


 膣がきゅううっと締め付けられ、遠子は同時に彼の手を絡みつかせる。
ああああっ・・・いくわぁっ・・・!
 果てると同時に、天を仰ぎ、ぎゅっ、と心葉の精液をたっぷりと飲み込み、
手を握る力も入り、指は汗ばんでいた。
 二人は白い光に包まれるように、果てた。
 
 はぁ、はぁ・・・と上気したからだをふたりはひとつになりがなら、
おちつけた。

 このはくん・・・すきよ
ぼくもです。
 そうして二人は口つけを軽く交わした。 
 
0509名無しさん@ピンキー2011/09/15(木) 14:33:19.63ID:V3Sxkovj
 おしまい。
なんか、途中で面倒くさくなった。
 惰性で書いた。以上 でも自分でかいててちんこたったし
むらむらしたからまぁまぁかな 抜けるかは不明
 最後描写が甘くなってた。
0511名無しさん@ピンキー2011/09/17(土) 19:23:17.33ID:mSv7wte4
こういうことは言いたくないけど本当に駄文
名前変えりゃどのスレにも投下できる二束三文の夢小説
0516名無しさん@ピンキー2011/10/08(土) 02:46:43.21ID:qONO2tmE
俺に文章かける能力があればヒカルの方書いたのに・・・
0517名無しさん@ピンキー2011/10/17(月) 21:35:15.89ID:MN34eGX6
叶子さんのはなしはこれまでないよな?ぜひ読んでみたい。
叶子さんと遠子先輩の母子丼とか。
0519告白2011/10/26(水) 03:49:07.59ID:Y+5N/5z8
「おう、行ってこい」
 雨上がりに、是光が言ったその言葉。
 精一杯の後押しと精一杯の我慢がこめられたその言葉は夕雨にとって幸せな言葉だった。
 だから、夕雨は、その言葉を精一杯の気持ちで受け取る。是光の腕にしがみつき、あふれる涙を隠して。
「ありがとう」
 くぐもった声に彼は気づいてしまったかもしれない。それでも何も言わずにただただ受け止めてくれていたことに夕雨は感謝していた。
「ありがとう」
 もう一度つぶやいたときには、夕雨の髪を是光の手のひらがそっと触れた。ぎこちなく撫でるその手には確かに優しさがあった。
 今だけはその優しさに甘えたまま、そっと目を閉じる。
(……ありがとう)
 
 しばらくして、閉じていた目をそっと開けて是光を見上げる。
 その少しだけ怖そうに釣り上がった瞳と、恥ずかしそうに頬を染める顔がそこにあった。
「もう、大丈夫」
「あ、あぁそうか」
 夕雨の頭を撫でていた手を慌てて離す。
 切なげにその手を見送ったあと、夕雨が微笑んだ。
「な、なんだよ……」
 バツが悪そうに頬を歪める。
「やっぱり、私のほうが年上かなって」
 ふふ、と笑う夕雨はアパートにこもりっきりだったときと違っていた。
 夕雨の自然に笑う姿を見て、是光もつられて笑ってしまう。
「もう元気になったみたいだな」
「うん。赤城くんの、おかげ」
「俺はなんつうか、ただヒカルが見せたかったものを……」
 是光のその言葉に、夕雨はそっと首を振る。
「違うわ。きっかけはヒカルだとしても、私をあそこから連れ出してくれたのは赤城くんだもの」
「……」
「そして私が好きになったのも――」
「夕雨」
 夕雨の言葉は遮られ、是光が夕雨の瞳をじっと見つめる。そして、そっと抱きしめた。
「俺は、何も知らないバカで、失敗して、お前を泣かせて、辛い思いばっかりさせた。これだって決めたら進むしかないと思ってて、躓いて怪我してるやつだっているってことにも気づけないで、本当にバカだった」
夕雨は是光の腕の中でそっと耳を傾ける。
「でも、俺は不器用だからゴールを目指すことしか出来なかったんだ。たとえ辛くても、傷ついてるやつの手を取って、行くぞって。手を引いてやることしか出来なかった。本当にごめんな」
 夕雨の手が是光の背中へとまわる。その手がそっと背中をポンと叩く。
「……ううん、わたしはちゃんと立てたもの。手を引いてもらって、ちゃんとゴール出来て、嬉しかったよ。そして、だからこそ、これからも自分の足で立とうって、ちゃんと歩いていこうって思えたの。だから、大丈夫。赤城くんは間違ってなかったわ」
 震える是光の腕が夕雨をより一層強く抱きしめた。夕雨も是光へと体を預けて是光に応える。
 お互いの体温も吐息も心臓の音も全てを共有して、二人で一つになる。
「俺は、こんなふうに人を抱きしめるなんて初めてだ」
「うん」
「こんなふうに人を想うなんて初めてだ」
「うん」
「今からもう一つ初めてのことをする」
「うん」
 すぅという深呼吸をおいて是光が口を開く。
「夕雨、俺はお前のことが好きだ」
 力強く、優しい声が夕雨の耳元へと届く。
 夕雨は、その言葉をしっかりと抱きしめて、一言だけ返した。
「わたしも……大好き」


ふぅ、言葉があってもいいじゃない!
0521名無しさん@ピンキー2011/11/07(月) 19:44:18.30ID:6Txc5lUG
過疎っすなぁ
0524名無しさん@ピンキー2011/11/09(水) 23:42:05.42ID:ZlXPEJhw
>>519
GJ! 2ヶ月半積ん読してしまった夕雨をようやく読み終えたその足で来てみたら良作が……。
長めのセンテンスで流れるように読める文章が野村美月ちっくで、そこもGJです。
これが”文学少女”シリーズだったら、本編でもこのくらい語ってそう。
0530名無しさん@ピンキー2011/12/05(月) 03:56:02.23ID:1HwJHw+V
「おはようございます」
「おぅ、おはよう」
 葵のぎこちない挨拶に、声をつまらせながら是光が返事をする。
 最近ではよく見かける光景。
 毎日、というわけではないけれど、葵は是光に合うたびに声をかけていた。

 誕生日の次の日。
 ヒカルのプレゼントを届けてくれた赤城是光。
葵はあんな人に今まで会ったことがなかった。
 男の人に話しかけるのが苦手で、だから、緊張して、うまく声が出せるか不安で、ちょっぴり怖くて。
 それでも勇気を出して声をかけた。
 あのときは一歩、たった一歩だけれど、踏み出せた。
 今は、あの時ほどの緊張はないけどそれでも彼に声をかけるのは胸が張り裂けてしまいそうなくらいどきどきした。そのどきどきをぎゅっと抑えて、あの人の声を聞き、言葉を交わすのは葵にとって嬉しいことだった。
 もっとも出来るのは、短いあいさつを交わすのが、精一杯なのだけれども。
  どうしたら、もっとお話ができるようになれるのかな。
 気づくとそんなことばかり考えている自分に、一人で恥ずかしくなって、小さな頬をさくらんぼのような朱色に染めていた。
「ちょっと落ち着いたほうがいいです」
 言い訳をするようにして教室から出て歩く。
  こういう時はミルクセーキを……。
「ミルクセーキ……」
 そして、あのことを思いだして自動販売機の前でうつむく。葵の頭の中でぐるぐるとあの光景が浮かんでは消え、浮かんでは消えていた。
「なんだか、馬鹿みたいです」
「誰が馬鹿なんだ」
「え」
 ぽつりとこぼれたひとりごとへの唐突な返事。
 葵が振り向くと、そこには是光がいた。
「よう」
「こ、ここ、こんにちわ」
 自分にかけられた声とその声を発した本人を見て、猛獣に見つかった小動物のように身体が縮こまる。
 さっきまで想像していた本人が、目の前で自分を見下ろすように立っていて。言葉を、声を、発しようとしてもそれ以上何も出来ず、口を必死にぱくぱくさせてうろたえていた。
  なんで、どうしてこんなところに赤城くんが……
「そんなに、怖がらなくてもいいだろう……」
 是光は、バツが悪そうに頬をかく。普段は鬼のように怖いといわれがちの是光の顔が困り顔へと変わり、葵を一度見た後にそっぽを向いた。
  ええっ!そうじゃなくて、あの、えっと。
 慌てて声が出るよりも先に、手が動いた。そのことに自分で驚きながらも目の前の是光の腕を掴む。
「……ぁ」
「ん、どうした?」
「ち、違います。少し驚いてしまっただけですから。赤城くんが怖い人じゃないってちゃんとわかってますから!」
 是光を見上げ、突然大きな声を出した葵。
 是光はそのことにびっくりして、目を丸くする。
 互いを見つめる二人の間に少しだけ嫌な沈黙が流れた。
「えと、その……」 
 葵がなにか言う前に、是光がその頭をポンと叩き軽く撫でた。
  え、えぇぇぇ。
 頭の上に手のひらがのっかっていて、その手が撫でていて。
 葵がそのことを理解した途端、沸騰してしまいそうなほどの熱を感じた。
 今、自分の顔は誰が見てもおかしなくらいに紅で染まっている。恥ずかしくて、どこかに隠れてしまいたい。
 載せられた手のひらの大きさと温もりを感じながら、葵は是光から目を逸した。
0531名無しさん@ピンキー2011/12/05(月) 03:58:06.66ID:1HwJHw+V
「ありがとな。冗談でもそんなふうに行ってくれる奴がいてくれて嬉しいぜ」
「別に冗談を言ったわけじゃないです……」
 葵の声が小さくなり、それに気づいた是光が手を慌てて離す。
「あ、わ、悪いな、こんなことして。なんとなくそんな気になっちまって」
「大丈夫です……」
 離れた手に安堵と名残惜しさを感じる。
 葵の心臓は全力疾走の後みたいに脈打っていた。
「はは、まぁお詫びといっちゃなんだけど、ミルクセーキくらいおごってやるよ。それとももう何か買ったのか?」
「いえ、まだなにも」
「それならちょうどいいな。ちょっと待ってろ」
 是光の視線が自販機の方に向くと葵は小さく息をついて自分を落ち着かせる。
 落ち着いて、いつものあいさつのように話しかけようとして、でも話せなかった。
  何を話したら……わからない。そういえば、赤城くんはいつも、自分から話をしてくれた。
  ただの挨拶じゃなくて、自分から話すってことがこんなに大変だなんて。
 考えれば考えるほど、話題が浮かばなくて何も言い出せなくなってしまう。
 そのまま底なし沼にでも足を踏み入れてしまいそうだった。
「ひゃっ」
 頬に熱を感じた。一瞬の出来事で驚いたけれど、何が起きたのかはすぐにわかった。
 是光が葵の頬に自販機から出てきた缶をすっと差し出していた。
「お前は、なんていうか、面白いよな」
「わ、わたしは別におもちゃじゃありません!」
 いたずらされた頬に、熱を感じながらそっと手のひらでさする。その熱が葵を少しだけ冷静にしてくれた。
「見てるとかまいたくなるのさ。斉賀の気持ちが少しだけわかるかもな」
「それって、二人ともわたしをおもちゃみたいにして遊ぶのが楽しいってことですか……?」
 相手してもらう葵としては複雑な心境で。
 もっとも自分を見てもらえるのは嬉しいことなのだけれども。
「心配して、世話を焼きたくなるってことだな」
「ホントにそういう意味なんですか?」
 顔がにやけてる是光を怪訝な顔で見つめると
「そうさ」
 と、いかにも楽しそうに肯定する。
 そんな是光を見て、深く考えるのが馬鹿らしくなってしまった。
「……わたしのなかではそういうことにしておきます」
「まぁ、なんだ。あんまり抱え込むなってことだよ。見てて不安になるからな」
「そんなふうに見えますか?」
「なんか考えすぎてるようにはみえる。たまには、考えずに行動してみるのもいいんじゃないか?って思うだけさ」
 それを聞いて、葵は初対面の時を思い出した。
「赤城くんみたいにいきなり部活におしかけて、話を聞けー!ってやったりとかですか?」
 葵から自然と笑みがこぼれる。
「それは、またなんつーか……」
「今思うとかっこよかったです。堂々としてました」
「ニヤけながら、言われても嬉しくねえよ」
「まぁちょっとだけ、というかだいぶ不審者ではありましたけど」
「それはだな……」
 二人で笑い合う。
 楽しい。そう簡単なことだった。
 出会って些細なことをきっかけに笑い合う。
 それでいいと思った。
 深く考えすぎて、足を止める必要なんてない。
 葵は止まっていた足をもう一度動かすことに決めた。
「赤城くん」
「ん?」
「これからは、是光くんって呼んでもいいですか?」
 また、一歩一歩踏み出せばいい。

hosyu
0532名無しさん@ピンキー2011/12/05(月) 21:29:47.71ID:aSQXjARK
保守のレベルじゃねー!

また来てくださいお願いします
0533 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:30:42.63ID:30jgff7I
お世話になります。

SS投下します。

・快斗×菜乃
・「半熟〜」と「見習い〜」と「画廊U」のネタバレを含みます。
・原作者曰く、「文学少女」は発刊順に読んでほしい、とのことで、「半熟〜」まで読み進めていない方はご注意ください。
・半年以上前に書いたものなのでいろいろ申し訳ない部分があります。
0534 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:31:03.28ID:30jgff7I

 オレはなんて幸せな初恋をしているのだろうと、ぼんやりとしている意識のはじっこで、
そんなことを考える。

「あ……んっ、んっ、んっ……快斗くん……きもちいいよぉ……」

 日坂さんがぎゅうぎゅう、締めつけるせいだ。
 ふだんは、柔らかでふわふわしている髪が、胸の上に流れて貼り付いている。

「日坂さん……!」

 ぐちゅぐちゅといやらしい音をさせながら、日坂さんがオレの上で揺れる。明度を落と
したホテルの一室のベッドの上で、ひとつになっている。

 彼女が身体を浮かして落とすたび、ベッドがきしきしと音を立てる。

 薄暗いので体の細部まではわからない。けれど、やわらかな茶色の髪が身体と一緒に踊
っているのはわかったし、その顔が甘く、淫猥にとろけているのはわかった。

 オレのものが飲み込まれて、また出てきて……その様子が間近に見えるし、もちろん
「感じる」。
 ほんの一月前までは、女の人がこんなに柔らかくて、行為がこんなにも気持ちの良いも
のなんてしらなかった。

「ひ、日坂さん……気持ちよすぎっ……やばいっ!」
「うんっ……快斗君のっ、きもちいいっ! きもちいいよぉ……!」

 日坂さんが腰を動かす度に、先端から根本までをなめ回されているかのような刺激があ
る。何かを責め立ててくるような快楽に頭がしびれる。
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ! 快斗くっ、んっ!」
「日坂さんっ!」

 耐えきれずに日坂さんを抱きよせる。小柄な日坂さんはオレの腕にすっぽりとおさまっ
た……!
 耳元できこえる嬌声を聞きながら、オレは日坂さんのそこへ思い切り突きこんだ。

「んっ、ひっ!」

 日坂さんが上になっている分、うごきやすい。下から突き上げる動きのまま、欲望のま
ま、日坂さんに性欲をたたきつけ続ける。先端を日坂さんにこすりつけ、彼女の中を蹂躙
する……。

 可能な限り大きな動きのまま、速度だけを上げていく。日坂さんの中にオレの形を覚え
こませるように、深く刻み込んでいく。
 日坂さんはそれを――まったく、拒まなかった。

「ひぁ……っ、こ、腰うごいちゃうぅ……んぅっ!」
0535 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:31:39.33ID:30jgff7I


 おもわず顔を上げた日坂さんのくちびるを奪う。

「んっ、んくっ……んっ!」

 舌と舌を絡ませ、腰を動かし続ける。脳髄を蕩かすように互いと互いに官能を高めてい
く。じゅく、じゅくとみだらな音がするたびに、快感が頭を満たしていった。

「日坂さんっ……出るよ……!」
「んっ、んっ、んんんっ! わ、わたしも……いっちゃう……っ!」

 日坂さんがそう言った瞬間、ムスコがいままでにないくらい、締めつけられた。
 それがトドメだった。

「うぁ……っ!」

 オレの意志とは無関係にムスコ自体が大きくふるえた。先端がびくびくとうごめいて、
ポンプの要領で精液をぶちまけた。
 亀頭を精液が通過する感覚が心地よくて、気を失うかとおもったほどだ。

「ひ、やああああっ!」

 日坂さんが悲鳴をあげながら、オレの精液を奥底でうけとめてくれる。
 中だしの刺激で絶頂の一線を越えたのか、体中をびくびくと細かく揺らし、悲鳴を続け
る彼女をオレは抱きしめる。

「んっ、んっ……んっ! ま、ま
だでてるよぉ……!あ、あばれないで……っ! やぁ……!ま、またっ……」

 日坂さんが身をすくませる。ひくひくと膣道が痙攣し、それが刺激になって、さらにム
スコが精液を吐きした……。
0536 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:32:05.10ID:30jgff7I

 お互いに息がおさまるのを待って、オレと日坂さんから体をはなした。堅さをうしなっ
たオレのものを抜き出すとき、日坂さんが「んっ」、とかわいらしい声をあげた。

「は、ふぅ……」

 そのまま日坂さんはシーツの上に座り直し、ぼーっとしていた。
 ふにふにとやわらかいほっぺたは、リンゴみたいに真っ赤だし、胸元あたりまで落ちた
髪が汗にはりついて色っぽい。
 息をする度に上下するおなかとか、扁平だけど形のいい胸とか。本当に色っぽい。

 それにいままでの情事の証というか、オレの吐き出した精液が、トロトロと彼女のソコ
からながれ出ていた。

 ああ、日坂さんのあられもない姿をみれるのってオレだけなんだなぁ、などとおもうう
とすこし感慨深い。

 オレの気持ちを知ってか知らずか、日坂さんはふぅ、と長い息をはいて、オレの胸のあ
たりに額をよせた。
 鎖骨のあたりにこつん、と頭があたる。
 そしてすこしだけ拗ねたような声で言う。

「快斗くん激しすぎ……」 
「うん……」

 オレは返事をしながら、日坂さんの明るい栗色の髪をそっと撫でた。

 お互い風邪をひかないように、二人でベットに潜り込む。自宅のベッドとはやっぱり肌
触りが違うシーツに二人で身をつつんで、向かい合う。

「うう……中だしがクセになったらどうしよう……そうなったら快斗くんのせいだよ…
…」
「あ、いや、その。あんまりに気持ちよくて」
「む、うう……」

 快斗くんが喜んでくれるのはいいんだけど……と、つぶやきながら、日坂さんはシーツ
の裾を顔まで引き上げる。
 
「快斗くんのばか……。心葉先輩の結婚式のときのこと、みんなにはなしちゃうよ? 掲
示板に書き込んじゃうよ……?」
「そ、それは勘弁してください……。そんなことされれば、オレの作家人生おわっちゃい
ますよ」
「大混乱だったもんね、快斗くん」

 日坂さんがいたずらっぽく笑う。

 なぜか結婚会場にいた日坂さんの初恋の相手が、遠子さんの旦那になる人で、旦那は井
上ミウで、佐々木さんの言うような人当たりのいい、いわゆる格好いい大人だった。

 混乱に追い打ちをかけるように、その新郎の横にたつ純白のウェディングドレス姿の遠
子さんに見とれて、手にもっていたグラスの中身をこぼしたあげく、隣のテーブルにすわ
っていた美女に大笑いされるという醜態をさらしてしまった。
0537 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:32:23.87ID:30jgff7I


 ちなみにその大笑いしていた美人というのが、会場に入った瞬間に俺を捕まえて、日坂
さんと井上ミウの関係を暴露した人だったりするからタチが悪い。

「日坂さんは・・・井上さんのこと好きだったんですよね」
「うん。いまでもだぁぁぁい好きだよ」

 北風がはだしで逃げ出すような笑みを浮かべる日坂さん

 オレはそれを複雑な思い出見つめた。
 オレとしてはほかの男を「だぁぁい好き」と言われれておもしろくない――でも、その
「だぁぁぁぁい好き」の裏にかくされた感情をオレは知っている。

 オレも日坂さんも、きっとものすごく幸せな失恋をしたもの同士だから。だから、大切
っていうのがどういう気持ちで、大好きっていうのが、どれだけ暖かくて、どれだけ切な
いのか、よく知ってる。

「あ、でもね」

 そんな感情が顔にでてしまったのか、日坂さんは困ったような、照れたような表情で、
オレの耳元にくちびるを寄せながら言った。

「でも……愛してるのは快斗くんだよ」
「……お、オレも」

 顔に血が上るのを感じて、気恥ずかしくなって顔を背けようとしたら、日坂さんの手の
ひらがオレの頬をしっとりと包みこんだ。柔らかい指先が心地いい。

「オレも日坂さんを愛してます。だから、ほかの男のこと言うの、やめてください」
「快斗くんはやきもち焼きだもんね」
「……そうっすよ。やきもちやきなんだから、やきもちなんて、やかせないでください…
…」
「よしよし」

 頬を撫でていた手をはなして、今度はオレの頭を撫でる。おもわずうっとりとしてしま
うほど、心地よい安心感。彼女が図書館でアルバイトをしていた時からかわらない、優し
い手のひらが行ったりきたり、頭を撫でる。あまりの心地よさに眠ってしまいそうだった。

 ぼんやりとしてきた頭で思い出す。
 ――遠子さんの結婚式の後から、日坂さんとオレの距離はぐっと近づいた。
0538 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:32:34.29ID:30jgff7I


 それまではたまに、メールや手紙のやりとりをしていたけど、二人でどこかにいこうと
か、どこかで会おうとかはなかった。ガキのときの印象が強くて、どうしても日坂さんを
「年上の、きれいなお姉さん」としか思えなくて、彼氏と彼女になろうなんて、考え付か
なかった。

 でも――あの、遠子さんの結婚式で。

 泣き出しそうな顔をしながら、幸せそうに微笑む彼女を見て、胸がせつなくなった。ふ
だんの明るい彼女からは想像がつかない、複雑で弱々しい表情の横顔に胸が締めつけられ
た。

 結婚式から一週間くらいたって、オレから日坂さんを食事にさそって、日坂さんはそれ
をことわらなかった。何回かのデートのあと、自然とこういうつきあいになった。

 初めて腕を組んで歩いた時には、幸せでどうにかなりそうだった。

 求めるオレに、目に涙をためながら、なにかを決心した顔でうなずく彼女を心底いとお
しいと思った。
 初めてつながったとき、泣き出した彼女を一晩中抱きしめて、頭を撫で続けた。

 日坂さんの手が優しくオレの髪を撫でてくれる。それはものすごく心地よくて、胸の中
が幸福で満たされていくのを感じた。

 ふ、と。髪をなでてくれている腕の先、シーツの間にみえかくれする乳房に目がいった。
日坂さんの手が動くたびに、形のいい乳房の、その先端が甘く揺れる。

「あ」

 オレの視線を感じたのか、日坂さんは片方の手で胸を隠してしまった。
 でもそのときはもう遅かった。下半身に血が集まっていくのがわかる。
 日坂さんも同じなのか、上目使いでちらちらとオレをのぞきこむ……。
 か、かわいい……。
 その表情をずうっと見ていたいと思うのと、相反して、股間が持ち上がってしまう。

「あの、日坂さん……もう一回、いいかな」
「え……もう大丈夫なの? い、いいけどっ! でもね」

 いったん、そこで口をつぐむ。
 そして、もう一度、オレの頭をなでながら、そしてえへっと、恥ずかしそうにこう言っ
た。

「こ、こんどはゆっくり、甘えても……いいかな」
0539 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:33:09.26ID:30jgff7I
――――


 ベット上に日坂さんを仰向けに寝かせた。すこし足を開いてもらう。
 赤ん坊が足を投げ出しているような格好になり、日坂さんは顔を真っ赤にしながらうつ
むいた。

 白地のシーツの上でも生える、血色のいい脚と脚の間に、そこが、男のオレからすれば
薄い、恥毛の奥に、さっきまでオレを飲み込んでいた、その、そこがある。

「ぅぅ……恥ずかしい……」

 うちむいたまま、涙目を浮かべながら、日坂さんがつぶやく。
 しかし、男のオレからしていれば、それは息苦しくなるほど愛しくて、獣欲を刺激する
表情だった。
 
「か、かわいいっすよ……」
「快斗くん、さっきからそればっかりだよ……」
「でも本当にかわいいんで……照れてる日坂さんの顔、もっとみたいです」
「わたしの方がお姉さんだよ……」
「知ってます。オレに本のおもしろさを教えてくれた上に、心配して中学校まで来てくれ
て生き別れのお姉さんになってくれた、文学少女のお姉さんです。でもかわいいのは本当
なんですから、しかたないじゃないですか」
「……」

 オレはゆっくりと日坂さんに覆い被さる。片手を頬によせて、それから手触りのいい髪
の毛を撫でた。
 日坂さんは瞼を閉じてオレのするがままに、ゆだねてくれている。
 日坂さんの健康的なピンク色のくちびるに口をつけ、その中に舌をはわせる。おずおず
と差し出される舌に舌を絡めて、深いキスを交わした。

「んっ……んちゅちゅ……んっ……」

 お互いの舌が舌をたたいて、卑猥な水音をたてた。その音によっぱらう。いつの間にか
オレは日坂さんの頭を両手で抱いて、キスに夢中になっていた。

「あ、んっ……んぁ……ん……」

 すこし息苦しくなったのか、日坂さんがくちびるをはなして、キスは終わった。

「すごいエッチなキス……だね……」
「そうっすね……」
「もう、いっかい……いいかな」

 今度は日坂さんからキスが始まる。何度かくちびるをつけたり、はなしたりしてお互い
気が済むまでむさぼった。
0540 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:33:49.01ID:30jgff7I

「あ、う……」

 すこし惚けた日坂さんの首筋にくちびるを落としながら、徐々にそこへ向かっていく。
 先端が強調された、控えめな乳房にくちびるでふれる。

「んんんっ!?」

 とたんに日坂さんがふるえる。

「ふぁ……!? や、やら、快斗くんっ! くすぐったい……」
「くすぐったいだけですか……?」
「んっ……舐めながらちゃだめぇ……」
「気持ちよくは?」
「うう……気持ちいい」

 ぷっくりと立ち上がった乳首を指とくちびるで刺激し続ける。くちびるが届かないもう
一方の胸は、片手で、包み込む。指と指の間に乳首を挟みながら、円を描くように刺激を
くわえる。
 
 汗でしっとりと塗れているせいか、手のひらにぴったりと乳房がおさまる。柔らかくて、
崩れないのが不思議なくらいの不思議な弾力だった。

「快斗君……んっ、さわり方が……やらしい……く、くすぐったい……」
「やさしくって言ったのは日坂さんですよ」
「そうだけど……。やさしいとやらしいは違うよぉ……」
「一文字違うだけっす。それに日坂さんの顔のほうが――やらしいっすよ」
「ううう……」

 改めて身体を動かす。乳房を撫で続けた。最初こそ恥ずかしそうに身体を揺らしていた
日坂さんだったけれど、

「んっ……あっ……やぁ……」

 と、艶やかな吐息を漏らすようになっていた。
 その吐息がまた、オレを興奮させる。顔から首筋、首筋から胸へ往復しながら、日坂さ
んを味わっていく。

「か、いと……くん……」

 日坂さんに切なそうにいわれて、オレは顔を上げた。

「う……」

 頬を紅潮させ、目を潤ませた日坂さんがいた。 
 オレは日坂さんにうなずいた後、身体をずらして、日坂さんの両脚を両手で抱えあげる。

 赤ん坊のおむつを換える時のような格好に、日坂さん首を背ける。

 そんな仕草でさえ、オレをかき立てる。首筋にかみついて、おもいきり日坂さんを犯し
尽くしたくなる。
0541 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:34:14.58ID:30jgff7I


 さすがにそれは我慢して――。

 目線を下に落とした。指先を日坂さんのソコにさしむける。

「ま、まって……あうっ……」

 日坂さんの静止とは反対に、指は抵抗なく、彼女の中にのみこまれた。身体がびくりと
ふるえる。

「あ、やあ……」

 ちゅる。ちゅる、ちゅる。
 なかはもう十分に潤っていた。たぶんさっきぶちまけたオレの精子も、ぬめりに一役買
っているに違いない。

 大丈夫……だよな。

 オレの人差し指を日坂さんが……締め付けてくる。

 一度顔を上げて日坂さんを見つめた。どこか不安げな表情のほかに、何かを期待するか
のようなみだらな目で、オレを見つめている。

「じゃあ……いただきます」
「……はい」

 脚と脚の間の、艶っぽく塗れたそこにムスコの先端をあてがう。

 ちゅくぅ

 日坂さんの愛液と、オレの先走りの液体が音を立てる。
 そのまま、日坂さんを抱きしめるようにして、ムスコをつき入れる。

「んんんんんっ――!」

 何の抵抗もなく、ムスコは日坂さんを貫いた。つきだした腰の勢いそのまま、先端がは
日坂さんの中にわけ入って、一番奥をつついて止まった。

 ムスコを優しく包み込みつつ、内側のヒダがムスコを舐めまわすように刺激する。

「あ、うう……」

 日坂さんは、甘い吐息をはきながらも、オレを受け止めてくれている。目尻にたまった
涙が色っぽい。

「動きますよ」

 一応許可をとってから、腰を動かしはじめる。やさしく、のオーダー通りにゆっくりと
抜いて、ゆっくりと挿入する。
0542 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:34:45.27ID:30jgff7I


「ふ、ああ……」

 日坂さんから甘い吐息が漏れる。

「ん……気持ちいいっすか?」
「うん……やさしい……。快斗君が行ったりきたりしてる……。快斗君は?」
「めちゃめちゃ気持ちいいっす」
「じゃあ……しばらくこのまま……」

 日坂さんの指がオレの指をからめる。
 至近距離で、本当に恋人くらいにしか許されないような間近で見つめあいながら、ゆっ
くりと腰を動かした。

「んっ……んっ……んっ……」

 吐息がふれる距離で、じれったくなるくらいの注挿を繰り返す。たまに、キスをしなが
ら、うっすらと汗をかいた首筋に唇をはわせながら、日坂さんを味わっていく。
 なにをしても反応してくれる日坂さんがかわいくて、もっともっといじめてしまいたく
なる。
 走行しているうちに、いままでされるがままにになっていた日坂さんが、身じろぎしは
じめる。

「ひ、日坂さん?」
「んっ……んっ、んっ、んっ……」

 オレの抜き差しのタイミングに会わせるように、日坂さんが腰を動かす。

「ゆっくりって言ったのは日坂さんですよ……」
「だ、だって……き、きもいい、んっ、んっ……」

 そういいながらも、腰の動きは止まらない。
 でも、その動きはあまりにもいじらしかった。
 体勢が体勢で、日坂さんは満足に動けない。
 そして、そろろそろ、オレの方も限界だった。

「じゃ……そろそろ、動きますね」
「……うん。おもいっきり……しても、いいよ? んんっ?」
0543 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:34:58.74ID:30jgff7I

「はい……」


「日坂さんっ!」

 息絶え絶えに彼女の名前を叫ぶ。叫びながら、彼女が壊れてしまうのではないかと心配
になるほど――奥まで入れて、抜いて、入れて、抜いてを繰り返す。

「やぁぁぁ! 快斗くんっ! 快斗くんっ! 快斗くんっ!」

 愛しい人に名前を呼ばれ、求められる快感に身をゆだねながら、彼女を思い切り抱きし
める。
 オレは射精感に身をゆだねた。

 頭がソレをする事以外、考えられなくなっていく。柔らかな身体を抱きしめ、身体と身
体をすりつけるように、皮膚の上の、汗のぬめりを交換するかのように。

「い、いくっ! いっちゃうよぉ……」

 
 ただそれだけを繰り返す。
 普段運動していないせいで息苦しい。でも身体は日坂さんを求めて動き続ける。

「日坂さん! いくよっ!?」
「うんっ! いいよっ……きて、快斗くんっ!」
 
 ぎゅうっと、日坂さんがオレの後ろに回していた腕に力を込める。
 そのまま、オレは彼女のもっとも深いところで……性を吐き出した。
0544 ◆T.om8vwXYU 2011/12/07(水) 08:35:19.90ID:30jgff7I
以上です。

連投失礼しました。

よろしくお願いいたします。
0551名無しさん@ピンキー2011/12/27(火) 02:44:28.03ID:2dmv/Jwx
「コノハ」
 ソファに腰掛けたまま甘えたい心と心葉をからかいたい心。二つの想いを込めた声で、コノハを呼ぶ。
「美羽?どうしたの」
「どうしたいと思う?」
 瞳を見つめて、小首をかしげながら問い返す。
 もし今の自分の姿を鏡で見たら恥ずかしくて、きっと目も向けられない。
 でも、そんなあたしを見て、コノハはその瞳に戸惑いを宿し、その綺麗な頬を朱色に染める。
 そういうコノハを見るのは、好きで好きでたまらない。
「コノハって、正直者ね」
「純粋って言って欲しいな」
「そんな純粋なコノハはもういないんだと思ってた」
「少しは、純粋なところも残ってるよ」
「そうかしら」
 少しだけ思い出して、クスリと笑いが漏れてしまう。
知ってる。でも認めてあげない。
「たぶん、ね」
 見つめ続けるあたしにコノハが自信なさそうに答えた。
 うん。それでこそコノハだ。
 「ねぇ、コノハ。座って」
 自分の隣を指して、コノハに座らせる。
 腰を下ろしたコノハにそっと寄りかかると反対の肩に感じたのは、優しい手のひらだった。
 優しくも力強くあたしを引き寄せるそれに、すっと力が抜けた。
「どうしたの美羽」
「別に。少し疲れただけ」
「そう?」
「うん」
 何も言わないあたしをコノハは抱きしめる。
 コノハの体温。包みこむようなその温もりはとても優しくて心が癒された。
「ねぇコノハ。コノハは、あたしのこと好き?」
 漏れたつぶやきは、コノハにそんな問いかけをしてしまう。
 答えの代わりに帰ってきたのはコノハの手だった。
 あたしの髪を優しく撫でる。
 あの頃では絶対に無かったことような返答。あたしはそれを甘んじて受け入れる。
 でもちょっぴり恥ずかしくて
「あたしのことは、子供扱い?」
 なんて、憎まれ口をきいてしまう。
「愛情表現だよ」
「本当に?」
「うん」
「なら許してあげるわ」
 くすぐったくて、恥ずかしくて、蕩けそうだった。
 目を瞑って精一杯コノハを感じる。温もりも匂いもその鼓動の音も。
 頬がゆるんでしまうのを、どうしようもなく止められない。
 あたしは幸せだ。
「ねぇ、コノハ」
 髪を撫でていたコノハの手を両手で取って、その手を頬で感じる。
「暖かい」
 女の子みたいにさらさらで綺麗なこの手はあたしので、あたしだけを見てくれているコノハが大好きで、ただこうしてるのがよかった。
「ミウ」
 小さく耳元で囁かれて、ぼんやりとしてた意識が少し目覚める。
 呼ばれた方に向かって顔を向けると、その時にはもう間近にコノハの顔が――
「ん……」
 吐息が漏れる。
 唇と唇が触れ合う。
 ただ、お互いのことを確かめ合うかのような軽いキス。
 不意打ちで行われたそれに精一杯応えようとしてもダメだ。
 応えるのに遅れて、自分のペースにも持っていけずにコノハにただされるがままだった。
 もうどうすることも出来ずあたしはそれを受け入れる。
0552名無しさん@ピンキー2011/12/27(火) 02:45:51.76ID:2dmv/Jwx
 唇が離れると、コノハはあたしを見て、嬉しそうに微笑んでいて。
 その微笑みの理由はすぐ分かった。
 あたしの顔は、きっと紅い。
 言い訳できないくらい、今までよりずっと。
 もう隠せない程に。
「な、何見てるのよ……」
「こういうのもいいかなって」
「ば、バカじゃないの。これは、その、ちょっと驚いただけよ」
 コノハがあたしの頬に指先で触れる。
「……なによ」
 あたしは唇を結んでコノハを見返した。
 そんなあたしにコノハは「なんでもないよ」といって、ただ笑いながらあたしの頬を撫でるだけ。
「なにか、いいなさいよ……」
 こんなの、恥ずかしさに耐えられない。
「かわいいと思うよ」
「あのねぇ――」
 あたしがもう一度口を開こうとすると、今度はコノハの両腕に抱きしめられた。
 声はコノハの胸の中に消えてしまう。
 不満を抱きながらもコノハの抱擁を、あたしは受け入れた。
 おずおずと背中に手を回してコノハの体を掴む。
 さっきと違って、変な隙見せたりなんてしてあげない。
 顔を見られるのは恥ずかしいから絶対このまま離さないけど。
「ホント、バカじゃないの……」
 コノハのくせに。
 コノハのくせに、こんなの……。
「ミウは、こんなふうにされるの、イヤ?」
 その言葉に心臓が跳ねる。
 卑怯。そう卑怯だ
 ここで、そんなふうに問いかけるなんて。
「ミウ。ミウは、僕のこと嫌い?」
 馬鹿、いじわる、最低。
 そんな言葉がいくつも心の奥底から恥ずかしさと共に込み上げてきた。
 いつのまにか、コノハにいいようにされてしまっている。
 それに気づいてもあたしはコノハに逆らえない。
「……嫌い、じゃないわ」
「え?」
 小さなさえずりのような声はコノハには届かない。
 だから――
「す、好きよ、好き……コレで満足?」
 コノハの胸におでこを当てて、答える。
 顔なんて絶対に見てやらない。どうせ楽しそうに笑ってるに決まってる。
 あたしを抱きしめる腕にもっと力が込められる。
 もう一度撫でられた。
「僕も、ミウのこと大好きだよ」
 知ってるわ、そんなこと。
 コノハのことだもの。
 心のなかでつぶやいて、もう一度コノハのことを感じるために目を瞑る。
 落ち着くとあたしだけ、あたふたしているのが馬鹿みたいに思えた。
「ねぇコノハ、もっと抱きしめて」
 思っていたより弱々しい声が出た。
 でも、もういい。
 精一杯あたしを抱きしめて、コノハもあたしを感じたらいい。
 恥ずかしいのが、あたしだけなんて絶対に許せないんだから。
「コノハ、今日は寝るまでずっと一緒だからね」
「うん」 

ミウかわいいよミウ
葵ちゃんもしーこもかわいいけど
0555名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:10:34.29ID:aqKMTgH6
 夢を見た。
 二度目の恋の始まり。それと共に訪れた、別離の始まり。
 長い長い。けれども、いつか必ず春が来ると信じて自分を磨き続けた、やはり長過ぎる冬を終えて、ようやく隣りに立つことができた彼の女の――

 これっぽっちも変わることのない、後ろ姿。

 おかしいな。寝不足で目が疲れているのだろうか?
 しかし、いくら瞬きをしても、目を擦ってみても、その幻影は消えたりしない。
 よく見ると、彼女が着ている制服は、昔通っていた卒業校のセーラーではなく、白い上着にチェックのスカートだ。
 時々、出歩いた先で見かけることもある。記憶が正しければ、高校の制服。
 おかしい。
 出会いは高校生の頃だが、ぼくの彼女は、今、二十代半ばのはず。
 それでも、長年、恋いこがれた彼女の姿を見間違うわけがない。
 その証拠に、ばいばいと手を振って、こちらに振り向いた制服姿の『文学少女』は、ぼくと目を合わせるなり、肩を強張らせた。
 まるで、いたずらが見つかった子どものように。
「こここここ心葉くん!? なんで、ここにいるの!?」
 目を泳がせる彼女から視線を逸らし、先ほど手を振って別れた相手の姿を確認すると、あちらは、どうやら本当の高校生のようだ。
 彼女が気にかけて、側にいる男子高校生、と考えれば、それが誰かは顔を見なくても想像できる。
 なるほど。
「これから打ち合わせですよね。迎えに来たんです。一緒に帰りましょう? 遠子先輩」
 遠子さん、ではなく、わざと先輩呼びして、有無を言わさないだけの笑顔を向けると、彼女は四の五の言い訳をしたりはせずに、ただ肩を落として見せた。
 ああ、本当に、これが夢だったら良かったのに。
0556名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:10:57.72ID:aqKMTgH6
 夢を見た。
 二度目の恋の始まり。それと共に訪れた、別離の始まり。
 長い長い。けれども、いつか必ず春が来ると信じて自分を磨き続けた、やはり長過ぎる冬を終えて、ようやく隣りに立つことができた彼の女の――

 これっぽっちも変わることのない、後ろ姿。

 おかしいな。寝不足で目が疲れているのだろうか?
 しかし、いくら瞬きをしても、目を擦ってみても、その幻影は消えたりしない。
 よく見ると、彼女が着ている制服は、昔通っていた卒業校のセーラーではなく、白い上着にチェックのスカートだ。
 時々、出歩いた先で見かけることもある。記憶が正しければ、高校の制服。
 おかしい。
 出会いは高校生の頃だが、ぼくの彼女は、今、二十代半ばのはず。
 それでも、長年、恋いこがれた彼女の姿を見間違うわけがない。
 その証拠に、ばいばいと手を振って、こちらに振り向いた制服姿の『文学少女』は、ぼくと目を合わせるなり、肩を強張らせた。
 まるで、いたずらが見つかった子どものように。
「こここここ心葉くん!? なんで、ここにいるの!?」
 目を泳がせる彼女から視線を逸らし、先ほど手を振って別れた相手の姿を確認すると、あちらは、どうやら本当の高校生のようだ。
 彼女が気にかけて、側にいる男子高校生、と考えれば、それが誰かは顔を見なくても想像できる。
 なるほど。
「これから打ち合わせですよね。迎えに来たんです。一緒に帰りましょう? 遠子先輩」
 遠子さん、ではなく、わざと先輩呼びして、有無を言わさないだけの笑顔を向けると、彼女は四の五の言い訳をしたりはせずに、ただ肩を落として見せた。
 ああ、本当に、これが夢だったら良かったのに。
0557名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:12:46.79ID:aqKMTgH6
 実年齢はともかく、傍目からは女子高生としか思えない少女を、大人のぼくが手を引いてマンションに連れ込む様子が、周囲からどう見られていたか。
 中学生の妹の隣りに並ぶ時とは異なる、どう聞かれても誤魔化しのきかない状況ではあったが、それを考えるだけの余裕など無かった。他の誰にも見られず、声もかけられなかったのは、ただ単に幸運だったのだ。
「あの、あのね。心葉くんっ!」
「なんです? 二十代も半分に差し掛かろうといういい年をした大人の女性が、年甲斐もなく制服なんて着ている言い訳ですか?」
「ああっ!! ひどいわ。その言い方は差別よ! 大人は制服を着ちゃいけないなんて法律はないわ。ううん。むしろ、大人だからこその楽しみ方もあるのよ」
「ふぅん」
 えへんとつるぺたの胸をそらし、やや無理矢理めいた言い訳を遠子さんが語るのを、ぼくは冷めた目で見つめた。
 遠子さんも、自分で言っておいて後から居心地が悪くなったらしい。耳を近づけなければ聞こえないようなか細い声で、溜めに溜めてから、ごめんなさいと呟いた。
 けれど遠子さんは、ぼくが何を怒っているか、正確には理解していないだろう。
 制服を着たことに対して怒っているのではない。ぼくにとって、彼女の制服姿は、この恋の象徴で、思い出深い特別な姿だ。それを、よりにもよって、彼女に恋するぼく以外の男に会うために着たという、そこに対する引っ掛かりは、簡単に胸から失せやしない。
 かと言って、直接そうと口にすれば、感情のままに怒鳴ってしまいそうだ。
 しょんぼりと項垂れる遠子さんに背をまわして、ぼくは無言で机に向かった。
「これ、そんなに似合ってないかしら?」
「…………」
「快斗くんは、いいんじゃないかって言ってくれたんだけど……」
 やっぱり、全然分かってない。
 手にしたシャーペンの針が、ぱきっと音を立てて折れる。けれど、返事を口にはしなかった。
0558名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:15:23.17ID:aqKMTgH6
 無言の部屋に、物を書く音と、身じろぎする衣擦れの音だけが響き渡る。そこに、遠子さんも、静かな怒りと羞恥を感じ取ったのかもしれない。しばらくしてから、思い立ったかのように遠子さんが立ち上がった。
「わたし、着替えてくるわね」
「だめです」
「えっ?」
「もう少しで終わるから、そのままで待っていてください」
「えぇっ!?」
 動揺を露にして、遠子さんが心細いような声を掛けてきたが、これにも返事はしなかった。
 ちらりと視線を向けると、遠子さんが制服姿でそわそわと正座して待っている。
 意味が分からないなりに、お願いを聞こうとする姿勢がいじらしい。
 恥ずかしそうに俯く顔に背を押されて、ぼくは原稿用紙に締めの言葉を走らせた。
「読んでください」
 食べないでくださいね? と念を押して手渡すと、遠子さんは少しだけ不服そうな顔で、ぼくを見上げた。
 いじわるだわ、とでも思っているのだろう。でも、これくらいの意地悪は許してほしいところだ。
 お題は、『嫉妬』『接吻』『恋敵』
 今の状況に沿った想いを託した三題噺を読むにつれ、遠子さんの頬が紅く染まっていく。
「どうです?」
「えぇ。とても美味しそ……、素敵だわ。井上ミウの作風とは違うけれど、極上のお酒に浸したさくらんぼみたい」
「それは、ミウの作品ではなくて、井上心葉が書いたものですから」
 ほぅっと息を吐く遠子さんから原稿用紙を取り上げる。
 惜しそうに手を伸ばして、引っ込めて。でも、次にぼくが取った行動には我慢ができなかったらしく、目を丸くして抗議の声を上げた。
「いやあぁぁっ!! 心葉くん! なんで、心葉くんが食べようとするの!?」
「ぼくが書いたものですから」
「だめよ! だめだめ、そんなの勿体ない……。はっ!! じゃなくて、食べたらお腹を壊しちゃうわ。ね? お願いだから、こちらに寄越して」
「ぼくの心配よりも、おやつの心配をするんですね。あなたは」
 いやしんぼの本音が駄々漏れになっている間に、ぼくは破った原稿用紙の欠片を口にくわえて、遠子さんの両腕を掴んで引き寄せた。
 これで、手を使って紙を奪うことはできない。
 さあ、どうします? と目線で挑発すると、遠子さんは一瞬きょとんとした後、その意味に気付いて目を見開かせた。頬どころか、耳までがさくらんぼのように紅い。
0559名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:16:31.25ID:aqKMTgH6
「いじわる」
 恥ずかしそうに目を伏せ、ぼくとの間に残っていたわずかな距離をゆるゆると埋めてくる。
 かさりと音を立てて、目を閉じたぼくの唇に軽い口付けが落とされた。
 未だ慣れることのない、固い口付け。微かな息がかかって顔が離れた時、口に挟んだ原稿用紙の欠片は、遠子さんに飲み込まれていた。
「どうでした?」
「思ったよりも、お酒が強いみたいだわ」
「じゃあ、もういりませんね?」
 かき集めた原稿用紙の欠片を抱え、立ち上がろうとすると、
「なんて勿体ないことを言うの! 食べ物は粗末にしちゃいけないって、いつも言っているでしょ!!」
 慌てた遠子さんにさっと奪われた。
 食べ物の恨みは恐るべし。一瞬で、怒られる側から怒る側へと転化した遠子さんが、くるりと背を向ける。その華奢な肩を掴んで、今度はぼくの方から口付けた。
 遠子さんの口付けよりも深く、息も奪うようにして。
「んっ」
 手から紙切れがひらひらと落ちる。
 長い口付けの後、わずかに顔を離して見ると、遠子さんは本当に酔ったかのように、ぼうっとしていた。
 くすりと、我ながら意地悪い笑みが漏れる。このまま、ぼくだけしか見えなくなればいい。熱をもった首筋に唇を寄せ、耳元で囁く。 
「仲直りのあとで、もっと甘いおやつを書いてあげます」
「え?」
「大人の楽しみ方を教えてくれるんですよね?」
「!?」
 あわあわと腕から逃れようとする様が可愛らしく、余計に内の熱を掻き立てられる。
 ささやかな抵抗の後、逃れられないことを悟って、遠子さんが静かに瞳を閉じた。
 あの頃と同じようで、しっかりと大人の色香を身に付けた仕草に、ぼくまで酔いそうになる。
「心葉くん?」
「好きです」
 ぼんやりとした表情のまま、遠子さんがすみれのような笑顔を向ける。
 わたしもよ、と呟く唇を塞ぎ、制服のリボンに手を掛けた。
0560名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 02:21:49.55ID:aqKMTgH6
555を間違って2度押ししてしまいました
すみません
時期は半熟作家と空騒ぎの学友達です。
0561名無しさん@ピンキー2011/12/30(金) 16:33:35.83ID:5T8qKU5R
砂糖吹いたわw

続いてほしいような、このまま甘々で終わってほしいような……
0567名無しさん@ピンキー2012/02/19(日) 20:12:41.57ID:3SN8dPiS
是光×朝ちゃんを期待して捕手
0568名無しさん@ピンキー2012/02/26(日) 19:47:48.98ID:YDXIdrtp
朝ちゃん萌え
0571名無しさん@ピンキー2012/03/04(日) 00:53:25.60ID:WFAhO5jc
デレた朝ちゃんとぱーぷるさんが是光をとりあう話はまだですか?
0576名無しさん@ピンキー2012/04/12(木) 23:44:56.44ID:cqGa95k2
書こうと思ったが、実際やってみると難しいな。
人に見せられるレベルのものが書けない
0578名無しさん@ピンキー2012/04/30(月) 14:36:08.19ID:KepMpqP7
 「こるり…。」
いきなり目の前に出てきた猫を見て、夕雨は、日本に住んでいた時飼っていた猫を思い出した。そして、ある人物のことを。
 夕雨は今、オーストラリアに住んでいる。夕雨の父と母が離婚し、母は仕事の都合でオーストラリアにいって、父は既に別の女性と家庭を築いているため、母のもとに行くしかなかった。
そして夕雨の母は、とても現実的な人間なので夕雨のことが焦れったいらしく、いろいろ自分には苦しいことをいってくる。でも、母の言うことも正しいんだと思う。
 日本に住んでた頃は、とても消極的で色んなことに逃げていた。
 だけど、夕雨が日本を発つとき、夕雨のために、精一杯の気持ちで「行ってこい。」と、いってくれた人の気持ちを無駄にすることはしたくない。だから、異国の地でも、夕雨は頑張っていられる。
 まだ、日本を離れて一ヶ月も経ってないが、言葉も違うこの国で頑張っていられるのは、やっぱり彼のおかげだと、夕雨は改めて思う。
 そして、この目の前にいる猫が夕雨から離れていくのを見ながら、日本で自分を外へ連れ出してくれた彼を思い出し、夕雨は心の中でつぶやく。
 「赤城君…。」

 是光は家の中で、しーことこるりが遊んでいるのを見ながら、ある少女を思い出している。こるりは、是光には全然なつかないが、ある少女が大事にしていた猫だ。
 彼女のことを思い出すととても切ない気持や、今でも抱く強い想いが胸を締め付ける。あの夢のように綺麗な日々が遠い昔のように感じる。
 是光が持って行った、氷砂糖だけでとても幸せそうにしていた彼女。
 とても脆く、儚げで、そして、とても綺麗な笑みを見せた彼女。
 とても細く滑らかな手をとって、ともに走り出した時、ヒカルに聞いたであろう花々を透き通ったその瞳で見つめた彼女。
 清楚なその唇を重ね合ったとき、そっと目を閉じ是光にその身をゆだねた彼女。
 別れの時、「太陽に向かって花びらを広げる花になるの。」と、瞳に涙を溜め、明るく笑った彼女。
 そんな彼女を外に連れ出した是光は後悔していない。なぜなら、彼女は強くなると決めたのだから。是光に向って「頑張ってみる」と、言っていたのだから。是光はそんな彼女の幸せを願ったのだから。
そして、相変わらずクールなこるりが自分から離れていくのを見ながら、心の中で是光はつぶやく。
 「夕雨…。」
 
 是光と夕雨は遠く離れた場所で、それぞれお互いを想いながら声に出して言う。
 「どんなところにいてもあなたのことが大好きよ、赤城君。」
 「どんなところにいてもお前のことが大好きだぜ、夕雨。」

                         終了
0584名無しさん@ピンキー2012/05/30(水) 08:34:11.57ID:4YaSQB0d
是光は今日も日舞研の部室に向かって廊下を歩いていた。
始めてみるとこれが意外と奥が深くて楽しいのだ。今まで属したことのない部活動への所属という新鮮さもあった。
ヒカルは「最初は基礎固めだからね。退屈で辞めてしまうかと思ったよ。それともハーレムっていうのがよかったのかな」
などと言い、鈴の様に笑っている。
「何がハーレムだ、ハーレム皇子!」
それが是光の頭痛の種だった。あれから生徒の間では「ヤンキーキングが日舞研を乗っ取って乱交に及んでいる」という
謂れのない噂がたっていた。
「慣れてっけどよ。慣れてっけどあんまりだよな…」
そう俺がボヤくとヒカルは彼の背中を優しく見つめながら、
「そうだね。足繁く日舞研に通う君の姿は現代のそんな野蛮さよりもむしろ平安貴族の雅やかさを感じさせるよ。
知ってるかい、平安の貴族たちは意中の女性を射止める為に屋敷へ足繁く通い詰めたんだよ。
娘が許してくれなければ雨の中待ち続けるのも厭わなかったそうだ。そんなつれない花も実に愛おしくてたまらないよね。」
なんとなく慰められているのが分かった是光は照れくさくて返事を返さずに部室の扉を開けた。

…そしてすぐに閉めた。
「あら、赤城君?」
中から月夜子の声が聞こえた。
「着替えてる最中だったね。うーん、さすがにのぞきはいただけないな。」
「こんな堂々とした覗きがいるか!」そう心の中で叫びながら俺は扉越しに謝罪の言葉をかけた。
月夜子はそれには応えず、ただ穏やかに
「もうすぐ着替え終わるからちょっと待っててね」
と言っただけだった。

あれから何分経ったのだろうか。是光は時間の感覚を失っていた。
先ほど目にした月夜子の肢体が脳裏に焼き付いて離れない。
首筋から胸元にかけてのライン。目を逸らす際に目に入ったスラリと伸びた脚。
そういったものが是光の時間の感覚を失わせていた。
「是光には刺激が強かったかな。紅の枝垂れ桜は健在だね。色づいてますます綺麗になった気すらするよ。」
そんなヒカルの声も耳を通り過ぎていくばかりだ。
そんな停止した思考を再び動かし始めたのは、
「赤城君、入ってらっしゃい。」
という月夜子の声だった。
入るなり是光は頭を下げた。
「先輩、すみませんでした。あの、俺…」
だが続く言葉が出てこない。是光は思案しているとその停止した時間を動かし始めたのはまたもや月夜子だった。
「あら、そんな畏まらなくていいわよ。私、見られて恥ずかしいような体していないもの。」
頭の片隅で「それを自分で言うな。」という考えが頭をもたげかけたが、それを押しとどめて
「ありがとうございます。」
と答えるのみだった。

「あの、先輩。他の二人は?」
是光がそう聞いたのは月夜子に立ち方を矯正されているときだった。
背中に体を押し当てる形で矯正しているので是光には背中にあたる二つのふくらみや、月夜子から薫る甘い香り、
そして月夜子の体温、息遣いまでもがはっきりと感じられた。
それがいちいち先ほど見た月夜子の肢体を思い出させるものだから是光は平静を保つだけで精いっぱいだった。
「今日は休んでいるわ。」
月夜子は平坦な声でそう答えただけだったが、なんだかその声にはいつも以上の艶が込められているように感じられた。
ヒカルなどは嬉しそうに
「是光、据え膳喰わぬは男の恥だよ。」
とふざけたことを抜かしている。
(無責任に煽りやがって…)
是光が睨みつけると
「ほら、是光君。また月の目になってる。あら。」
月夜子がバランスを崩し、それに伴って是光も畳の上に倒れこんでしまった。
是光はすぐに体を月夜子の方に向き直らせて月夜子の安否を確認するために声をかけようとする。
だがそれより前に月夜子が甘い香りを匂わせながら是光の耳元に唇を寄せて、
「嘘よ…」
と呟く。
是光が何も言えないでいると
「今日は二人には部活はお休みだと伝えておいたの。あなたと二人っきりになりたかったから。
0585名無しさん@ピンキー2012/05/30(水) 08:35:02.73ID:4YaSQB0d
とうそぶく。
どうしていいかわからなくなった是光はヒカルを探した。…が、ヒカルはにこやかにほほ笑んでこちらをみつめているだけだった。
「ここは月の目じゃなくて金の目よ、是光君。」
そう言われて是光が正面に向き直ると月夜子が上気した顔でこちらを見つめていた。
そして目があったと思ったときにはもう是光は月夜子によって唇を奪われていた。
月夜子の舌が是光の口内をゆっくりと這い回る。是光が戸惑っているうちは導くように優しく、
是光がそれに応え始めてからは競うように激しく。
月夜子から薫る甘い匂いに口内が、体中が包まれて侵されていくようだった。
どれくらいそうしていただろう。月夜子が音を立てて唇を離すと独り置いていかれたような名残惜しさが残った。
「やっとこっちを見てくれたわね。二人っきりのときによそ見するなんてルール違反よ。」
上気させた頬はそのまま可笑しそうに笑うと指を下半身へと伸ばしていく。
それはいかにも当たり前のように見えて是光のズボンのベルトを外しズボンを脱がせ、
是道のモノを露出させるとゆっくりと上下に扱き始めた。
是道の思考は未だ月夜子の薫りに包まれて漂っているようだった。
それでも男の意地として声は上げない。
月夜子は再び是光の耳に唇を寄せると
「うん、硬派な男の子が声を我慢してるのって可愛いわね。でも、ちょっとだけ可愛くない。」
是光が耳にかかる吐息に声を上げるのを我慢している間に是光のYシャツをはだけさせると胸の突起を甘噛みする。
突起を舌でつつき、時に舌を押し当てて擦ると突起の愛撫を指に任せゆっくりと唇を舌へずらしていく。
そして是光のモノを舌の表面や先端を舌で嬲っていたかと思うとゆっくりと咥えていく。
月夜子の口内に包まれた瞬間、
是光は
「うあっ…」
と声を漏らしてしまう。
月夜子はそれを確認してほほ笑むと是光のモノを嬲り始めた。
顔を上下に動かし、同時に口内で舌で嬲る。先端から溢れる液体を舐めとり、その周囲を丹念に嬲っていく。
やがて是光の息が荒くなり、是光の下半身が痙攣を始めると是光のモノを押さえ、愛撫を止めてしまう。
「これ以上やったら終わっちゃうね。」
そう言い体を起こすと着物を見せつけるようにゆっくりと脱いでいく。
すぐに月夜子の裸体が露わになった。
是光は朦朧とした頭で「あれ、襦袢はどうしたんだ」と考えたがそれが意識の表層に浮上することはなかった。
月夜子は是光にしなだれかかり是光の手をそれぞれ胸と下半身へと導いていく。
是光はただ夢中で貪った。
豊かな胸を胸をもみしだき、すでに自己主張を始めていたピンクの突起を口に含み、下半身の割れ目へと指を滑り込ませた。
手探りで芽を探しだしそれを露出させるとゆっくりと指をこすり付ける。
月夜子は胸を是光に嬲られながら顔を是光の頭上で伏せていたがやがて
「これじゃ私が先に終わっちゃうね。」
と呟くと上半身を起こし是光の手を遠ざける。
そして是光のモノを握り、ゆっくりと自分の割れ目へと近づけていく。
そして、しばらくそれを擦りつけながら狙いを定めていたかと思うと一気に腰を落とした。
くちゅりと水音を立て、是光、月夜子の双方が声を漏らす。
二人の息遣いだけが聞こえる中、月夜子は是光の顔を観察しながら腰の動きを微調整していく。
腰を上下に、前後に動かし、ひねりを加え、ときに弧を描いていく。
やがて是光の顔が一番快感に歪む動きを見つけると満足そうに微笑み、その動きを継続していく。
しばらくはそうして是光の反応を楽しんでいた月夜子だったが、再び是道のモノが痙攣を始めるころには
もうそんな余裕はなくなっていた。
ただ快感を求めるためだけに腰を振る。
そして二人で朦朧とした意識の中、「もう…終わっちゃうね…」と無理に余裕を見せる。
だが、是道が必至に快感に耐える中「月夜子…」と漏らすと頭をガツンと殴られたような衝撃が走った。
鼓動が走り、頬が上気とは違う感情で朱に染まっていく。それに伴い膣がキュッと締り、
真っ白な世界に朱の花を一輪咲かせて二人は共に達した。

是道は頭を抱えていた。あの後先輩は「着替えるから先に帰っていて」と言うと奥に引っ込んでしまった。
頼りのヒカルはというと「僕がコマシ…ね…」と言うとジト目でこちらを見ているし、
「月夜子に謝ったりしたら絶交するからね」と凄みを感じる笑顔で言われてしまってはもうどうしていいか分からない。
さすがに遅くなったので先輩を待って送っている現在、先輩はこちらを見ようともしない。
(やっぱり怒ってるのか…)
と是光が内心頭を抱えていると、ヒカルが
0586名無しさん@ピンキー2012/05/30(水) 08:35:20.88ID:4YaSQB0d
「はぁ…君って…。機嫌を直す方法なら僕が知ってる。嘘だと思っていいからやってごらん。」
とため息でもつきたい風に言ってきた。
(いや、でも、それは…お前以外がそれ言っていいのか?)
と思ったが他に方法も浮かばなかったので実行する。
先輩はビクンと肩を揺らしたと思うと、ツカツカと先へ歩いて行ってしまう。
慌てて追いかけると先輩は
「是道君は将来イイ男になるわよ。」と言い出した。
「またそれですか。やめてくださいよ。」
先輩を追いかけてはツカツカと突き放される。そんな様子をヒカルはとても嬉しそうに眺めていた。

---女の子に必要なもの。ときめき、まっすぐな愛情、約束。
そして、甘い言葉。
0587名無しさん@ピンキー2012/05/30(水) 08:36:21.57ID:4YaSQB0d
即興だけど投下してみます。
賑やかし程度になれば幸いです。
月夜子先輩可愛い。
0594名無しさん@ピンキー2012/09/02(日) 22:37:06.80ID:JXzjsdWJ
末摘花で、シャワーまで浴びたのに服来て帰っちゃった女の子の思い出をヒカルが語っていたが、あれってさりげにセックルのことだよね。
0596名無しさん@ピンキー2012/09/04(火) 21:17:19.71ID:IwBVgeJT
保守
0597名無しさん@ピンキー2012/09/06(木) 05:23:33.20ID:yHlXVZoN
「ちゃんと、守ってよね」
赤城に体を寄せながら言えたのはその一言だけ。
帆夏が見上げるとすぐそこに是光の顔がある。今までこんなに近づいたこともないし、こんなふうに触れたこともない。
(もう、なにも言えないよ〜)
二人以外は誰もいない、静かな夜のプールとは裏腹に、帆夏の心臓は、いつまでも鼓動をドクンドクンと鳴らしていて、その恥ずかしさにぎゅっと胸を押さえていた。
(こ、こんなにどきどきしてるの赤城にばれてない?ばれてないよね!?)
「おい、大丈夫か?寒くなったのか?」
「う、ううん。大丈夫、大丈夫だから」
小さくなっていく声とともに帆夏の顔がだんだんと俯いていく。恥ずかしさと嬉しさが同時に込み上げてきて、身体中が熱くなって、頭から湯気かでてしまいそうだった。
「そ、そろそろでるか。人が来ても困るしな」
「ま、待って!」
離れようとした是光に帆夏がぎゅっと抱きつく。
「お、おい」
とっさのことに是光が反応できないでいると
「い、今離れたら見えちゃうから……!」
(自分からこんなとこに飛び込んだくせに!あたし、ホントなにいってるの)
「お、俺は見ねーから!目、瞑るから」
「み、見てもいい!よ、よくないけど!ち、ちょっと待って。心の準備をさせて!」
落ち着いて、一度だけ深呼吸をする。
是光の大きな身体、それを帆夏は全身で感じていた。大きな背中に腕をまわして少しだけ力をいれて抱き締める。
緊張して失敗しそうな自分を必死に抑えて、気持ちを整えた。そんな帆夏を是光はただ黙って見守ってくれていて……
「ねぇ」
「お、おう」
是光のことを見上げる。
「……い、一度だけ。一度だけでいいから。あたしのこと……抱き締めて、くれる?」
「俺でいいのか?」
少し困惑した是光の眼を帆夏はしっかりと見つめた。
「……うん。お願い、します」
「わかった」
是光のたくましい腕が帆夏の背中にそっと触れる。少しだけ乱暴に力強く、でも冬の日向のように優しく包んでくれる。
帆夏にとっては、間違いなくいままでで一番嬉しくて最高の瞬間。好きな人の鼓動も体温もその吐息も全部感じることができる。
(この時間がずっと続いてくれたらいいのに……)
「これで、いいか?」
すぐ近くに聞こえるくすぐったい声。返事の代わりに帆夏ももう一度是光を抱き締めた。それに答えるように是光の腕にも力が入る。
夢のような時間。そのわずかな時間はもうすぐ終わってしまう。
だから、その前にもうひとつだけ。
「あとひとつだけ、お願い……」
「ここまできたらなんだって聞いてやるよ」
「帆夏って、今だけでもいいから、名前で、呼んで」
「それだけでいいのか?」
「うん」
たったそれだけでも嬉しいから。だから――
「……お願い」
「よし、わかった」
一瞬でも聞き漏らさないように是光の紡ぐ一言をただじっと待つ。

「帆夏」

一言を心のなかで何度も何度も反芻して、幸福を精一杯感じていた。
嬉しさで泣いてしまいそうな顔をそっと是光に押し付ける。

うん、あたしって本当にチョロい。

保守しゅしゅしゅ
0600名無しさん@ピンキー2012/09/30(日) 23:54:33.00ID:sPypaqxr
そこはしーこだろ
0601名無しさん@ピンキー2012/10/01(月) 03:11:58.72ID:fMCslJDt
中国の逸品館
潮流の商品は発売します
往来の顧客
よろしくお願いします
URLの入り口:
http://cutt.us/0Wrk
http://cutt.us/Tm54
0603名無しさん@ピンキー2012/10/16(火) 19:11:33.12ID:W/NX4XhO
保守代わり

「甘い暮らしを守るため」
「おやつの時間を守るため」
「愛と正義のお菓子屋さんっ!」


↓後任せた
0604名無しさん@ピンキー2012/10/20(土) 11:57:22.02ID:8Q/SP4Oa
続けるか

「スイートパティシエール、見参」
「死ぬほど食べていただくわ」
0605名無しさん@ピンキー2012/10/31(水) 04:21:15.55ID:gVdO9AU1
「朝ちゃん」
「うるさい」
目付きの悪い男と済まし顔の少女。不釣り合いな二人が街中を歩いていく。
「前みたいには言わないのか?」
「どうせあなたはいくら言っても聞かないのでしょう?」
「まぁ、そうかもしれんが……」
本当にどうしようもない男。
少し前ならこんなやつに話しかけられることすら耐えられなかったはずなのに。
いつのまにかそんなことを気にしてない朝衣がそこにはいた。
「もうどうでもいいわ」
すたすたと歩く斜め後ろを是光がついていく。
「少しは認めてもらえたってことか、朝ちゃん」
「さあ?」
「教えてくれないのかよ」
「わたしは、犬というものは黙ってるほうが賢いと思うわ」
「犬ねぇ、あんまり厳しくしてると、ご主人様から逃げてっちゃうぜ」
朝衣の足が止まる。そのまま振り返ると、是光に問いかける。
「そう。じゃあ、あなたは逃げるのかしら?」
「そりゃ、逃げはしねぇけど……」
困ったように頬をかく是光を、朝衣は満足そうに見つめていた。
簡単に頬をゆるませてしまっている自分に気づいて、慌てて前を向く。
「に、逃げないというのなら、それはしつけとして間違ってないってことよ」
……ふん。
跳ね上がる振動の鼓動を、深呼吸でそっと誤魔化す。頬に熱を感じながらそれを無視して、今度は早足で歩き出す。
0606名無しさん@ピンキー2012/10/31(水) 04:22:16.22ID:gVdO9AU1
「おい」
朝衣の腕が不意に引っ張られた。バランスを崩した体はそのまま是光に背中から抱きとめられる。
「な、なにを」
「ちゃんと信号くらい見ろって」
目の前の信号は、赤になっていて、車はどんどん通過していく。
「……わたし、気が抜けてるわね」
「泣く子も黙る朝の宮にもそんなことあるさ」
是光は朝衣の手のひらをぎゅっと掴んで
「危なっかしいからな」
「ぅ……」
手をしっかりと、繋ぐ。手のひらから伝わる体温。その熱を感じて、脈打つ心臓を抑えて、ただただなんでもないふりをするのが精一杯だった。
是光はそんな朝衣に気づかない。ただただ手を握って隣に立つだけ。
「さぁ、今日はお前の案内なんだろ?どこにでも連れてってくれよ、ご主人様」
からかうように、朝衣をみる是光。
「い、行くわよ!」
その視線から逃げ出して、そっぽを向いたまま繋がった手を引っ張って歩く。
「犬なんて、嫌いなんだから……」
唇から零れた言葉は、周囲の雑音にまぎれて消えた。


朝ちゃんのキャラの全容がわからぬ。ほしゅ
0612名無しさん@ピンキー2013/02/20(水) 16:49:26.73ID:kvENhdNN
142 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/02/20(水) 16:35:18.25 ID:73NQeZTg [1/2]
「えへん!亀甲縛りも、宇螺旋巻き縛りも漢字で書けるし、
半陰陽も、包茎の種類も、チンチンが中折れしたときの立たせ方も、
パイズリの抜き方も、体位全般も、即効レポートにまとめられるわ!
オカマも、レズビアンも、完璧に、各国のスペルで綴れるのよ!」
0613名無しさん@ピンキー2013/02/24(日) 22:15:24.11ID:0Pl72p+L
遠子、25歳の誕生日にロストバージン。なんて需要無いだろうな(´・ω・`)
0616名無しさん@ピンキー2013/03/13(水) 16:39:30.57ID:lBD+4CsV
遠子先輩の誕生日にSSあげようと思ったら
5000字書いても、まだ前戯すらしてない
金曜日にロダであげるね(´・ω・`)
0618名無しさん@ピンキー2013/05/05(日) 17:43:17.22ID:vW2IjrhU
卓球読んだ。
なかなか百合百合しくてよかったよ。
最終巻では絶対一線こえてるよね。
朝香X華代子か、華代子X朝香かどっちがいいかなぁ。
0619名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 22:32:04.77ID:G6RHXCfL
文学少女に、今話題の(?)ラヴクラフトを食べさせたらどういう味がするって言うんだろう
確か食ってなかったよな 食ってたっけか?

まあ怪奇物はけっこう食ってた気もするが
0620名無しさん@ピンキー2013/05/12(日) 02:44:09.20ID:3Ld7yHBC
シュールストレミングの缶詰に乗ったインスマス面のデフォルメイラストまであったというに
0625名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
エロじゃないけどそのうち投下します。
0626名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
時系列的に言えば6月後半、しーこの若紫の話が終わった頃、
葵さんに彼氏のフリをして欲しいと言われたあとの話です。
本来、葵さんにそう言われたその日に月夜子先輩に会いますけど
この話は、月夜子先輩に会うのはそう言われた数日後ということにしてください。
0627名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
タイトル『雨露に濡れる花』
「雨、降り出してきたな。今日、傘を持ってくるの忘れたから、どこかで雨宿りするか。」
赤木是光は平安学園からの帰り道、誰もいるはずのない虚空を見つめながら呟いた。
「是光、朝のテレビで降水確率50%って言ってたのに。僕も傘持ってったほうがいいよっ
て言ったでしょ?」
誰もいないはずのところから何かを喋ってるのは、4月に亡くなったはずの帝門ヒカルと
いう少年だ。彼は彼自身の葬式の時、幽霊として是光にとり憑いている。
その姿も声も是光しか認識できず、その為、こうやって話している姿は、傍から見れば
奇妙としか言い様がなかった。
「降水確率50%くらいじゃあ、大丈夫だと思ったんだよ。」
「前にも同じような事言ってたね。まあ、そのおかげで式部さんと相合傘できたんだから
良かったのかもしれないね。」
ヒカルは是光にニヤニヤしながら言うが、
「うっ…。今、式部のことは話すな。」
と、苦い顔をして答えた。
式部帆夏という少女とどう接するべきか、わからなくなっていた。
その原因は、、しーこの件の後、葵に彼氏のふりをして欲しいと頼まれ、それを葵からの
告白だと勘違いしてるらしく、最近どうもギクシャクしている。
もともと、女性の扱いが苦手な是光はこれからどうすべきか、雨宿りの場所を探しなが
ら、見覚えある通りに出てきた。忘れるはずのない場所だ。
「あの場所、雨宿りできそうだよ、是光。」
是光の上で、ふわふわと浮かぶヒカルが指差しながら言った。
是光は古ぼけたアパートを抜け、公園にたどり着いた。
様々な花が咲いてる公園の中に、雨よけできそうな大きな木があり、是光はそこへ駆け
込むと、近くの花壇に雨露に濡れた紫陽花が咲いていた。
0628名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
それを見るとヒカルが、
「雨露に濡れた紫陽花の花は風情があるよね。是光、知ってる?
紫陽花は万葉集に言葉として登場してるんだ。紫陽花と呼ばれるのは
『藍色が集まったもの』を意味するあづさい(集真藍)がなまったものっていうの
が有力な切なんだけど、万葉集の歌に
あぢさゐの 八重咲く如く やつ代にを いませわが背子 見つつ思わぬ
なんていう歌があるんだけどこの意味は…」
と、また花のうんちくが始まったと是光は呆れていたが、今、雨宿りしている公園は、是
光にとって思い出深い場所だ。
奏井夕雨というひとりの少女との思い出の場所。雨に濡れた紫陽花を見て是光はその姿
から、奏井夕雨というその少女との別れを、是光は思い出していた。
儚げな瞳も、心地よい声も、人から忘れ去られたようなアパートでの暖かなやりとりも、
綻んだあの笑みも、手をつないだ感触も、唇を重ねた時の幸せな想いも、初めて恋を知っ
た喜びも、僅かな間ではあっても彼女との美しい思い出は、思い出すたびに胸を締め付け
れらるような思いになる。
 ヒカルは前に夕雨のことを夕顔の花にたとえていた。
夕方から暗くなった頃から、月の光を浴びて、ひっそりと咲く花。
夕雨は別れの時、そんな花から太陽に向かって花びらを広げる花になると言った。
 次に出会うとき、笑い上戸になっていると言った。
それは儚くも美しい約束。彼女とまた出会うとき、自分はどうなっているのか。
そして、遠い異国の地で奮闘してる彼女を想うと胸が痛くなる。便りがないのは彼女が
頑張っている証だ。自分は彼女が健やかでいられるよう祈ることしかできない。それをも
どかしく想いつつ、そんな想いに浸っていたので、ヒカルの話を全然聞いていなかったが、
雨がなかなか止まないので、仕方なく雨に濡れてでも、家に帰ろうかと思い始めたら、公
園の前の通りから、車の音が聞こえてきた。
0629名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
紫陽花を見ていた是光は顔を上げると、高級そうな車が公園の前を通るのが見えた。
ヒカルがその車を見てあっと声を上げると、通り過ぎたはずの車がバックしてきた。そ
して、その車が公園の入り口あたりに止まると、車からひとりの少女が降り、傘をさして
こちらに向かって歩き出した。その少女は是光の前まで歩み寄ると、是光が雨宿りしてる
木の下でおずおずと、傘を是光の方へ差し向けたので、
「車から俺が見えたのか?葵。」
と、是光が、その少女、左乙女葵に向かって言った。
「学校から車で帰宅しているところ、車の窓から外の景色を見ていたら、公園の木の下で
雨宿りしてる赤城くんが見えたものですから、運転手さんに公園の前に止めてもらいまし
た。そのままでは、雨に濡れて、お体に障るとよくありませんし、私の車で赤城くんの家
まで宜しければお送りします。」
「えっと…。いいのか?俺結構濡れてるし、車の中とか汚れちゃいそうだけど…?」
と是光が言うと、葵は
「構いません。それより赤木くんのお体の方が大事です。それに赤城くんには、ヒカルの
こととか色々とお世話になっていますからこれくらいさせてください。」
「じゃあ、すまないけど、頼む」
「はい。」
というと、葵は是光を傘の中へ入れて車へ向かう。その間、是光の上でヒカルが
「是光、また女のこと相合傘したね。傘を持たずにいるとこういう出会いもあるんだね。」
と微笑みながら言っていた。
葵と是光は車の後部座席に並んで乗り、是光の家の場所を運転手に伝えた。運転手は是
光を胡散臭そうに見ていたがすぐに運転を始めた。
0630名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
「濡れた体では風邪をひいてしまいます。このタオルをお使いください」
葵は自分のカバンからタオルを出して、隣の是光に渡した。是光はありがとうと葵に言っ
て、頭を拭き始めた。すると葵は遠慮がちに是光の方を見ていたので、是光が
「どうした?」
と聞くと、
「いえ、その、雨宿りしてた時にとても悲しそうな顔をしてらしていたので、お体が優れ
ないのかと思いまして、その心配で…。」
と葵は、心配そうに是光を見ながら答えたので
「心配しなくても、俺は大丈夫だ。このくらいで風邪なんかひいたりしないぞ。」
(夕雨と頭条のことと怨霊のことくらいは噂程度で葵も知ってるだろうけど、俺が直接、
夕雨と関わりがあったことは多分知らないだろう。葵に心配させるわけにはいかないし、
夕雨との思い出に浸ってたなんて言えないからな)
「本当ですか?何かあったら言ってくださいね。その、赤城くんにはお世話になってるの
で力になりたいですし、この前も無茶のお願いしてしまいましたし…。」
と、葵が悲しそうな顔始めてしまったので、是光は困ってしまったが、できるだけ元気で
見せようと、
「俺の体は何も心配いらない。それに、この前の頼みだって気に病むことなんかないぜ。」
「すみません。赤城くんにご迷惑かけてばかりで。」
「そんなことないぞ。現にこうして俺は葵に世話になってるし、しーこの時も葵には力を
借りただろう。葵は俺に迷惑なんてかけてないし、葵に頼まれたことを迷惑だなんて思わ
ない。」
というと、葵は顔を赤くして俯くと、またおずおずと顔を上げて
「ありがとうございます。赤城くん。」
と嬉しそうな顔で言った。
0631名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
そうすると是光も穏やかな気持ちになった。そして、ふと是光は思ったことがあったので、
小声ですぐ隣のヒカルに
(そういえば、ヒカル。本当に俺が青いの彼氏のふりなんてしても大丈夫なのか?)
と、言うと、
ヒカルは、
(葵さんも困ってるみたいだし、是光なら任せられるから気にしてないよ。)
と相変わらず、何を考えてるのかわからない笑顔でそう言った。
すると、葵が
「どうかなさいましたか?」
と言ってきたので、是光は誤魔化そうとして咄嗟に、
「えっと、さっきの公園で見た紫陽花が…その…、気になって…。」
というと是光が言うと、葵は小首をかしげながら、
「紫陽花ですか?確かにあの公園に咲いてましたが…?」
葵が疑問符を頭に浮かべたように、また是光に問うので、是光は
「その…。そうだ!ヒカル!そう、ヒカルが前に紫陽花の話をしてたのを思い出してな。
あいつが紫陽花のうんちくを話してるのを思い出したから…。」
是光ははっと、ヒカルが言ってたことで誤魔化しながらいうと
ヒカルが是光に
「是光、途中から僕の話全然聞いてなかったじゃないか。」
拗ねたように言ったが無視した。
 すると、葵が
「そういえば、私もヒカルに紫陽花の話を聞かされたことがあります。紫陽花がどうして
紫陽花と呼ばれてるのかとか…。」
とヒカルのことを懐かしむように言ったので是光も
「そうそう、それとか。紫陽花にまつわる歌がが万葉集だっけか?なんかに載ってて、
えっとなんだっけかな…。」
「それでしたら、私もヒカルに聞いたことがあります。万葉集には紫陽花にまつわる歌は
2つあって…。」
そこまで葵が言うと、車が止まった。
「もう着いたか。」
是光がそう言うと、窓の外を見れば、是光の家の前についていた。
「できればもう少し、赤城くんとお話していたかったです。でも、仕方ありませんね。」
「学校でも会えるし、携帯にメールでも電話でもいつでもしても構わないんだぞ。」
と葵は是光とのおしゃべりを惜しんだが、是光がそう言うと
「そうですね。また学校で会いましょう。それと、その、今度の件よろしくお願いします。」
と葵は頭を下げた。
「ああ。何かあったらいつでも言ってくれ。また、学校でな。」
「はい、それではまた。」
葵は笑顔で是光にそう言った
 是光は車から降りて、葵は車から是光に手を振りながら是光の家から遠ざかっていった。
(そういえば、赤城くんが言っていた紫陽花の歌の意味は確か…。)
0632名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
是光は家の玄関の扉を開け、「ただいま」と言うと、奥からパタパタと走る音が聞こえた。
すると是光に向かってきて、しがみついた少女は
「是光お兄ちゃん!おかえりなさい!」
と元気よく是光を出迎えた。
 その少女、若木紫織子は少し前から赤城家の住人となった。可愛らしいツインテールの
その少女は、是光を本当の兄のように慕っている。是光がしおりこの頭を撫でてあげると
嬉しそうに笑い是光を見上げた。
 紫織子が赤城家に来てからわずかの間だが、もうすっかり馴染んだようだ。最近は、紫
織子より少し前に、赤城家に来た猫のこるりと、家ではよく一緒にいる。なので、紫織子
が是光を出迎えた時に、こるりがいなかったので、
「しーこ、こるりはどうした?」
と是光が紫織子に聞くと、
「んーと、こるりはねぇ、お部屋の隅で窓から外を眺めてるよ。」
と、無邪気な笑顔のままで紫織子は答えたのを聞いて、是光は少し動揺した。
夕雨のアパートにいる時に、こるりはよくそういう行動をとっていたのを覚えていたの
で、驚いたのだ。
そんな是光の動揺が顔に出ていたのか、紫織子は是光の顔を見て不安になり、
「大丈夫?是光お兄ちゃん。具合悪いの?」
と心配そうに見つめていた。
(情けねぇ。葵にもしーこにも心配されるなんて)と是光は思い、
「何でもないぞ。」
と、できるだけ穏やかに答えた。
そんな、是光を紫織子は訝しげに思ったが、是光がそう言うので、
「それなら、早くお風呂に入ったほうがいいよ。外雨降ってるし、今は大丈夫でも風邪
ひいちゃうかもしれないからね。それと今日のご飯、私も作るの手伝ったんだよ。ご飯は
約一緒に食べよう?」
「そうだな。腹も減ってるし、風呂入ったらすぐに飯にするか。」
と是光が言うと安心したのか「うん」と嬉しそうに言って、また、ぱたぱたと居間の方
に走っていった。
是光はその後、風呂に入り、家族とご飯を食べると、自分の部屋に戻った。すると、こ
るりがじっと是光の部屋の窓から外を見ていた。
0633名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
「葵さんやしーこの前ではそんな顔はしないように頑張ってたみたいだね。」
と、いきなり、自分の肩の上の方からそんな声がした。どうやら是光が考えてることがよ
くわかってるみたいだった。
 「ダメだな。こういう雨の日、しかも今日は、あのアパートの近くの公園に、行ってる
から、余計に夕雨のことを意識してるみたいだ。」
 「是光は誠実だね。君は夕雨のこと、後悔してないって言ってたけど、やっぱり寂しい
かい?」
「何度も言ってるけど、後悔はしてねーよ。ただ、寂しくはあるかもしない。何て言えば
いいのか、モヤモヤするというか、自分でもよくわかんねーんだよ。」
是光は頭を掻きながら、自分の唯一の男友達に自分の心境を吐露した。
「こるりもなにか思い返してるみたいだしね。僕にとっても夕雨は大切な女の子だし、君
の気持ちもわからなくもないよ。」
「葵と話してる時、お前は割と大人しくしてたけど、俺に気を遣ってたのか?」
「何のことだい?」
と、ヒカルは是光の質問にすっとぼけた。
「葵さんやしーこも心配してたけど、実際、雨に濡れてるんだから、今日は早く寝たほう
がいいんじゃない?」
「まあ、そうだな。そうしとく。」
ヒカルはそう言ったが、是光はヒカルが体調の心配をして、早く寝るように勧めたのでは
なく、是光がいろいろ考えすぎる方を心配したのは、良く分かっていたので、素直に、応
じることにした。
(ヒカルにも心配されてんな)そう思い是光は眠りについた。

翌朝、是光が起きると雨はまだ止んでいなかった。テレビによれば今日の午後には晴れ
るらしい。
「朝、雨降ってなくて、午後、雨降るならまた傘を忘れて誰かと相合傘してたかもね」
と、ヒカルが冗談めかして言ってた。
「まるで俺が、女と相合傘したくて傘を忘れてるような言い方はやめろ。」
是光はきつめにヒカルに言うと、
「そうなの?てっきりそうかと思った。雨の日の相合傘、僕は好きだな。濡れた服を恥じ
らいながら隠そうとする仕草とかまるで…」
女の話になってヒカルは熱く語りだしたので、是光はこの分だとなかなか止まらないので、
聞き流して、さっさと学校の支度をして、家を出た。
0634名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
学校に着くと、下駄箱で式部帆夏にバッタリ会ってしまった。葵の件で勘違いしてる帆
夏とは今会うといろいろ気まずいのだが、ここで、何もしないのも男らしくないので、
「うっす」
と、ヤンキーみたいな低い声で帆夏に挨拶した。是光自身は、自然に挨拶してるつもりな
のだが、帆夏は「うっ」と呻いたあとじっと、是光を睨み、顔を赤くしてぷいっと顔を背
けて、スタスタと歩き去ってしまった。
「ヒカル!見たか、アイツの態度。くそっ。何なんだよ。昨日は、授業中に何度もメールし
てくるし、さっきの俺の挨拶も無視して、これだから女は…。」
と言いながらも最後の方はだんだん口調が弱々しくなっていた。
「まあ、式部さんは葵さんとの件を勘違いしてるだろうし。しょうがないよ。でも、式部
さんがああいう態度をとっちゃうのは、それとは別に君のことを意識してるからだよ。」
とズバリ言われて、是光は言い返せなかった。
 教室に入り席に着くと、横で帆夏が携帯をいじりながらこちらをチラチラ見ていたが、
だからといって、葵のことを正直に話すわけにもいかないので、誤解されてこんな態度を
取られるのも理不尽だと思ったけれども、どうすることもできないので、席に座って、朝
のHRを待った。
 朝のHRを終え、授業が始まっても、雨は振り続けた。是光は窓際の席なので、授業が
退屈なとき、窓の外を眺めていた。
(そういえば、この学校、植物が結構植えてあるな。)
是光は、そう思って周りを窓の外の景色を見渡した。裏庭の緑は竹林だろう。中庭に桃色
の花や橙色の凌霄花、白い木槿が綺麗に咲いてるのが見えた。
 なんだか、なんとなく紫陽花を探してみたけど教室の窓からは見つからなかった。そも
そもこの学園には紫陽花は咲いてないのかもしれない。ヒカルじゃあるまいし、花をいち
いち意識することなんて今までなかったから。
 昼休みになり、購買へ昼食を買いに行くとき、隣の帆夏がまたチラチラと見ていたのに
は気づいていたけど、帆夏が特に何かを言ってくるわけではなかったので、そのまま教室
を出た。
「式部さん、是光のことを気にしてたみたいだけど、何か言わなくていいのかい?」
ヒカルはそう言ったけど、是光は、
「何か言いたければ、あいつから言うだろう。俺から何かを言っても余計に誤解させかね
ないしな。」
「へぇ〜、一応は是光なりに考えてるんだね。君は、あまり説明がうまいほうじゃないか
ら、余計に泥沼になりかねないしね。」
なんだか、先ほどより明るくなったようにヒカルがそう言った。
 購買について、パンを買い教室に戻る途中に斎賀朝衣と偶然出会った。
(そういえば、しーこのことはこいつに結構、助けてもらってるんだよな。)
そう思ったので礼くらいしないと、生来の気質として真面目な是光は思ったけれども、冷
たい目をこちらに向けてきたので、少しためらって、話をどう切り出すか考えていたら、
目の前にはもう朝衣の姿はなかった。
「まあ、お礼を言う機会はまだあるさ是光。」
一連の動きだけで、是光がどう思ったのか分かったらしいヒカルは、是光にそう言って、
慰めた。外を見ると雨が弱まってきていた。
0635名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
今日の授業が終わると、部活に入ってもいない是光は、家へ帰ろうとしたとき、帆夏が
是光に向かって何か言おうとしては口を噤むのを繰り返して、
「あんた、今日、ずっと窓の外見てたけど、どうして?」
と、やっと話を切り出してきた。
葵のことに関して何か言われると思ったので、少し意外だったが、
「少し気になることがあっただけだ。それがどうかしたのか?」
是光が質問の形で返すと
「なんとなく、あんたが辛そうな顔してるように見えたから。」
「そんなことねーよ。でも心配してくれたんだな。ありがとう、式部。」
帆夏に心配させてしまったことを悪く思い、礼を言うと、
「べっ、別にそんなことでお礼を言わなくていいよ。大丈夫ならいいけど。」
顔を赤くしてそっぽ向いてしまった。
気まずい空気が流れ出して、それに耐えられなくなったのか、、
「じゃ、じゃあね…。」
か細い声で帆夏が言うと
「おう、また明日な。」
と、是光が答えると、帆夏はまた、顔を赤くして俯きながら、足早にして帰っていった。
 
是光も帰ろうと教室を出て廊下に出ると、授業中に少し思ったことを思い出し、ヒカル
に聞いてみた。
「なあ、ヒカルこの学校って紫陽花って咲いてんのか?」
ヒカルは是光がそう言うのを予期していたようで、いつも花なんてっていう是光が、そん
なことを言っても意外そうな顔せずに、
「僕の今からいう場所に行ってくれるかい?」
是光はヒカルが言った場所へ歩き出した。その途中で裏庭にいる頭条を見かけた。向こう
もこちらに気づいたらしく、
「赤城か。どうした、こんなところで」
と聞いてきたので、
「裏庭の奥に用があるんから、ここを通るってだけだ。」
是光がそう答えると、頭条は
「裏庭の奥…?あそこは確か…。」
と、頭条は是光の言葉を訝しめた。頭条はそれから、何も言わなくなったので、是光は庭
を抜けようとすると雨は止んでいた。雲の切れ目から日が出始めている。
 そうして竹林の生えている裏庭を抜けると、多くはないけれども紫陽花の花が咲いてい
た。
0636名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
雨露に濡れていた紫陽花が陽の光を浴び、反射している姿は昨日見た、しとしと降る雨
の中で咲いていた紫陽花とはまた違った印象を持たせていた。
 ヒカルがそれを愛おしそうに眺めながら、紫陽花について話し始めた。
「ねぇ、是光。昨日、紫陽花にまつわる歌が万葉集に2首あるといったよね。その一つが
昨日言った、
あぢさゐの 八重咲く如く やつ代にを いませわが背子 見つつ思わぬ
この歌はね『あじさいが幾重にも群がって咲くように変わりなく、いつまでも健やかでい
てください。私は、この花を見るたびにあなたのことを思い出しましょう。』って意味なん
だよ。是光、今の君の気持ちにピッタリなんじゃないかな。」
 ヒカルの言葉を聞いて是光は、
(そうか、俺はただ夕雨に元気でいて欲しいんだ。あいつがもう元気で自分の力で、前へ
進むことを祈ってるんだ)是光はまたしっかりこの紫陽花を見て思った。
かつて、ヒカルは夕雨を夕顔のような花だと言った。夕雨は、自分はそんな花から太陽
に向かって花びらを広げる花になるといった。
昨日、公園で見た曇天や雨、梅雨の季節に咲く紫陽花は、暗くなった頃に月の日明かり
を浴びて咲く夕顔に通ずるものを感じたけれど、雨露が陽の光でキラキラと輝き、鮮やか
な紫や青や白の色で咲く紫陽花は印象をがらっと変えたように見えた。
ヒカル教えてくれた歌のように、夕雨が健やかでいられるように祈りつつ、紫陽花を見
るたびに彼女を想おう。
ヒカルはにこやかに是光を見てる。是光は雲の隙間から出てきた太陽を見上げて言った。
「すっかり、晴れたな」
0637名無しさん@ピンキー2013/07/05(金) NY:AN:NY.ANID:eoRUic0l
以上です。
長々と駄文失礼しました。
もしお暇で興味あるならどうぞ。

夕雨可愛いよ夕雨
0642前巻のあれのとこ2013/09/09(月) 03:20:19.74ID:sJrqc2W4
震えた手。
かけようとした声を抑えて、必死に耐えている彼の手を葵はそっと握る。
ただ彼の隣にいることしかできなくても、共にいることが支えになると信じて。
「葵」
「はい」
「ありがとう」
嗚咽混じりの言葉に、手を握って答える。
「忘れてるかもしれませんけど、わたしのほうがお姉さんなんですよ」
「はは」
そうだったな、と是光は笑った。
「なので、こういうときくらいお姉さんになります」
ありがとう。
掠れてしまった言葉を葵は優しく受けとめる。葵の暖かい優しさに是光は甘えて、すがるようにその手を握る。
「赤城くん。こっちです」
是光の手を引いて、近くの公園のベンチに座った。
「ここなら誰もいないので、泣いてるところ見られません」
「こっちだってもう大丈夫だ……」
子供みたいに涙を流して笑っている是光に葵が微笑む。
「赤城くんは、嘘が下手みたいですね」
ぐしゃぐしゃの是光の顔をそっとハンカチで拭う。
「正直者が取り柄らしいからな……」
「なら、正直に泣いてもいいんですよ。赤城くんの泣き顔はわたしだけの秘密です」
「……デカイ貸しになりそうだな」
「そんなことしません」
是光の精一杯の強がり。
だから……。
「赤城くん?」
顔を向ける是光に葵がそっと抱きつく。
「あ、葵?」
慌てたところに、そっと声をかける。
「これなら、わたしでも赤城くんの顔は見えません」
「で、でもよ」
「人の体温って、落ち着くんですよ」
恥ずかしくて、さくらんぼのように頬を赤く染める葵。それを見られないように是光を強く抱き締めた。
「……ありがとう」
是光は葵をそっと抱き寄せる。温もりにすこし懐かしさを感じながら優しく力を込めた。
0643前巻のあれのとこ2013/09/09(月) 03:21:20.40ID:sJrqc2W4
「今日は、赤城くんに感謝されてばかりの日ですね」
「お姉さん、なんだろ?」
「ですね」
是光の髪を撫でる。
いつもは、気が強くて優しい少年が今だけは傷ついた子猫のように儚げで、かわいらしい。
「葵」
「はい」
「人に抱きしめられるってなんか、照れくさいな」
「……わたしだって、恥ずかしいんですよ。でも、赤城くんのお母様も本当はきっとこうしたかったんだって、そう思います」
「そうだったのかな……」
「そうなんです」
吐息も鼓動もなにもかも近くて、でも、それが嬉しくて。
「葵は、お母さん役にもなるのか」
少しだけ元気を取り戻した是光が呟く。
「な、なりません。……もう、あんまりからかうと怒りますよ」
漏れた嗚咽を聞かないふりして、答えた。
「……葵は、暖かいな」
「落ち着けそうですか?」
「ああ。それに、いい匂いだ」
「今度こそ怒りますよ……」
小さな抗議を是光は無視して。
「葵。あとすこし、こうしててもいいか?」
その消え入りそうな声に愛しさを感じて。
「もう、ちょっとだけですよ」
あとちょっとだけ、わたしも甘えていたいですから。

ほっしゅ
葵って響きが好きだ
0650名無しさん@ピンキー2014/01/01(水) 21:56:18.87ID:Yw8hgdXS
新刊読んだんだが、なぜか夕雨が笑いながら帆夏を滅多刺しにするシーンを幻視した。
0651名無しさん@ピンキー2014/01/13(月) 23:29:38.28ID:LCG9GfmV
エローな展開

ぱーぷるは抱いてほしいけどなかなか言えなくて
是光もそういうのを求めてこなくて
自分は魅力がないんじゃないかと悩んで
ネットで相談しようかと思ってでもさすがにそれはどうかと考えなおして
似たような悩みを抱えている人の恋愛相談読んで余計にドツボにハマって
是光の前で半泣きになってから本音言って結ばれそうな感じ

しーことする時は……年齢が低すぎていまいち想像できんが
あるとすればしーこが強引に押し倒して
最初はおいやめろと言ってた是光だけど
無理矢理濡れてないところに入れようとして痛みに涙こらえてそれでもしようとするしーこを見て
覚悟決めて抱きそうな感じ

夕雨とする時は
わりと長い間キスだけでのプラトニックな関係だったけど
ふとある日突然互いに互いを求め合って
言葉もなくそういう関係になってそう
あるいは是光が生理的な作用として身体が反応してしまい
夕雨がなんとかしてあげたくて、たどたどしく、どうすれば……いい? と聞いてきそう

先輩とする時はヒカルが滅茶苦茶うるさそう
「君も知ってると思うけど、月夜子は見た目よりもずっと繊細なんだ。
経験者として君をリードしよう、なんて態度を取ってるけど内心はドキドキでいっぱいなはずだよ
だから男の子として是光が安心させてあげなきゃ」とかなんとか言ってきそう

葵さんの場合は…………ヒカルが消えるまでとても抱けないだろうなあ
いくらなんでもそれやったらヒカルが一発昇天してしまう
0654名無しさん@ピンキー2014/04/02(水) 02:45:41.63ID:i7WotvOv
保守
0655名無しさん@ピンキー2014/04/17(木) 00:08:17.21ID:oaYGQix/
アニスとシャールが抱き合って寝てるとことか見てみたい
0656名無しさん@ピンキー2014/04/18(金) 14:48:23.65ID:rcqqaRQ5
ヒカルが地球にいたころ……ってヒカルの存在が邪魔すぎて書き辛いんだが
0657名無しさん@ピンキー2014/04/18(金) 20:40:32.87ID:rGhhD5t+
>>656
ヒカルは濡れ場突入しそうになったら、気を利かせてその場からスッと消えると思うんだけどなあ。

単に見えなくなっただけで、事後に是光へあれこれ忠告するまでが1セット。
0658名無しさん@ピンキー2014/04/19(土) 09:00:46.05ID:3A5XWAA2
>>657
ヒカルは是光から何メートルと離れられないでしょ
家のトイレの中まで入って来ちゃうんだから
0659名無しさん@ピンキー2014/04/19(土) 12:53:50.61ID:O5R3PjIt
あの空気読めない幽霊でも是光くんの視界に入らないようにする配慮くらいはできるはずだぞ!

たぶん!
0661名無しさん@ピンキー2014/04/23(水) 18:43:27.40ID:KfXN4Bt7
完結したらヒカルの二次創作もきっと増えると思うんですよ
ヒカルが消えて書きやすくなるし
0662名無しさん@ピンキー2014/05/02(金) 21:35:56.23ID:yj3F3AVc
未練タラタラな朝ちゃんで一編書こうと思っても筆が進まない何故だ
0664名無しさん@ピンキー2014/06/01(日) 04:04:40.90ID:hR6WJ3+c
常日頃人がいるかどうか、反応してくれるかどうかがこういうとこの全てだから……
0665名無しさん@ピンキー2014/06/01(日) 21:38:05.57ID:6+sdWSj1
書こうかなぁと思ったことはあるが、ヒカX是か是Xヒカのどっちにしようかと迷っているうちに、こいつら肉体の接触が出来ないじゃんということを思い出したので萎えた。
0666名無しさん@ピンキー2014/06/13(金) 05:06:06.56ID:GhFw/9/H
「赤城くん、好きです」
葵の精一杯の告白。
勇気を出した一言は、目の前の是光にしっかりと届いたはずだった。
右手で頬をかいて、困ったようにはにかむ彼。
そんな是光を見ながら、葵は言葉を待つ。心臓の鼓動は、自分のものとは思えないくらい早くて、張り裂けてしまいそうだった。しっかりと地面に立てているかどうかもわからないくらい緊張していた。
「葵」
「は、はい」
近づいてきた彼は、ポン、と頭にそっと手をおいた。
男らしいごつごつとした手は、葵の頭をそっと撫でたあと、強引に体を抱き寄せた。
「あ、あの……」
戸惑う葵をよそに是光は抱きしめる腕にやさしく力を込める。
何よりも分かりやすい答えだった。
「こういうのは、俺から言いたかったな」
葵は応える代わりに、力を抜いて、是光に体を預けるように寄りかかる。背中にそっと腕を回して、全身で是光の体温を感じた。
「赤城くんが、悪いんです」
そうじゃないですけど……。
一歩踏み出したくて、踏み出せないそんな自分が嫌だった。だからこそ、自分から変わろうとしたその結果だった。
こみ上げてくる嬉しさと恥ずかしさを抑えて、少しだけお姉さんぶる。
「はっきり、してくれないから、ここまで言わせたんです」
言葉に本心といたずら心を込めて。
「ごめんな、葵」
知らないふりをして是光の胸に顔をうずめる。
そんな葵に聞いてもらいたい一心で、明るい声で是光が言う。
「そうだな。よし、10分前に時間を戻そう」
「なんですか、それ」
突然の提案。
葵の抗議をそのまま流して是光は、葵をよりいっそう抱き締める。
「10分間の記憶、忘れたな」
「……忘れられないです」
「忘れてくれ」
「……無理、です」
ふてくされる葵を是光が宥める。
「一度しか言わないからな。ちゃんと聞いといてくれ」
「え……」
そんな囁きとともに是光は、抱きしめた葵をそっとはなして、真っ直ぐにその瞳を見つめた。
「葵。俺はお前のことが好きだ。だから、ずっと俺の隣に居てくれ」
まっすぐな一言。
是光に見つめられたまま、葵の頬はさくらんぼのように赤く染まっていく。恥ずかしさで是光の視線から逃げようとする葵をもう一度強く抱きしめた。
「ちゃんと俺の告白、聞いてくれたか?」
カッコつけたわけでもなんでもない、ただの言葉。
「赤城くん。記憶なんて消えるわけないじゃないですか」
声が震えてしまう。
笑って誤魔化そうとしたのに、貰えた言葉の嬉しさで涙が溢れそうになる。
是光は、わかってるとでもいいたげに、葵の頭をそっと撫でていた。
「で、返事は?」
ほんとに……赤城くんはずるい。
「わたしも……大好き、です」


眠保守
0667名無しさん@ピンキー2014/06/19(木) 00:44:16.97ID:fsBBT/n9
新作記念保守
0668名無しさん@ピンキー2014/07/21(月) 21:49:38.80ID:nip5/FHZ
0669名無しさん@ピンキー2014/08/07(木) 02:06:59.26ID:/GZP6MkX
ほす
0670名無しさん@ピンキー2014/09/01(月) 23:44:58.19ID:BdSqm5/m
吸血鬼の2巻。水着のカラーイラストがないとはどういうことだ!
0674名無しさん@ピンキー2014/12/08(月) 21:07:04.40ID:IV8sGxZp
ドレスのグリンダでいっこ書きたい。ほしゅ
0675名無しさん@ピンキー2014/12/11(木) 03:33:31.75ID:yBBSlswi
やはり巨乳おっぱいと吸血鬼だろうか
いや、ロリも捨てがたいか
双子倒錯エッチもなしじゃないな……

余裕ぶっこいてたら攻められる雫もありか
0679名無しさん@ピンキー2015/05/17(日) 08:26:25.42ID:ym91iTqp
卓球と聞いて持って来ました

卓球 四元奈生美 濡れたまんすじ か?
http://upro.tv/11333IlLB3339152A4/
0680名無しさん@ピンキー2015/10/25(日) 19:25:54.47ID:XkObRMgk
Amazon.co.jp: 晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と (講談社タイガ)の ヤボ夫さんのレビュー
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0682名無しさん@ピンキー2016/02/28(日) 23:02:13.82ID:tyewQDeH
そんなわけで本スレ書き込めなかったんでこっちに。

晴追町には、ひまりさんがいる。を読んだ。
ほんわか日常ミステリーで加納朋子を思わせる話だった。
しかしまぁ薄口で、中途半端というか物足りない。
続刊前提なのかなぁ。
あとあのオチは、実はファンタジーでした! というオチなのかね?
0683名無しさん@ピンキー2016/02/28(日) 23:05:09.79ID:tyewQDeH
そして、せっかくのエロパロ板なので、ひまりさんネタを一本。


 その日は月のきれいな夜だった。
 こんな夜にひまりさんはなにをどうしているのだろう。春近はそう考えたら居ても立ってもいられず、知らず知らずのうちに足が彼女の家に向かっていたのだ。
 近代的なマンションが目印の古い温かみのある木造家屋。
 月光でひんやりと白く照らされた庭。縁側に座ってひまりさんは夜空を見上げている。
 風呂上りだろうか白いふわっとしたワンピースで、足元には寄り添うように白いふわふわの毛皮の有海さんが座っていた。
 道路から電柱の陰に隠れ、そっとのぞき見る。夜闇に沈んだここは明るい庭先からは視認できないはずである。
「月がきれいですね」
 ひまりさんの透き通った声が届く。それに応えるように有海さんがワンと一声鳴いた。
 そののどかな光景に、自分はいったい何をやっているのだと我に返り、立ち去ろうとした瞬間。
「有海さん、なにを!?」
 振り返ると、スカートの中に有明さんが頭を突っ込んでいるのではないか。そして荒い息がここまで届いてくる。よく動く尻尾しか見えないが、その奥で何が行われているかは自明だった。
0684名無しさん@ピンキー2016/02/28(日) 23:06:10.35ID:tyewQDeH
「や、有海さん、そんな」
 最初はくすぐったそうな顔をしていたひまりさんの声につやっぽい色がつき、表情が女のそれに変化していく。
「ああっ」
 押し殺した悲鳴のような声を上げて、ひまりさんは後ろに倒れこんだ。
 スカートの中から顔を出した有海さんが催促するように鼻を鳴らすと、ひまりさんは縁側でうつ伏せになるように寝返りをうち、尻を突き出すように高く掲げたのだ。
 そしてスカートをたくし上げる。
 まるで月のような丸く白い尻があらわになり、春近は息を呑んだ。
 冴え冴えとした月光の下にほのかに浮かび上がる人妻の尻肉。割れた狭間の奥は影となってよく見えない。
 その上に覆いかぶさるように有海さんが身体を重ねていくのだ。
 隆々とした赤黒く太い異形の肉棒。ぬらぬらと光るそれが肉の間のかげりの中にゆっくりと挿入されていく。
「んんっ」
 ため息がこぼれた。
0685名無しさん@ピンキー2016/02/28(日) 23:07:20.00ID:tyewQDeH
「んふっ」
 根元まで姿を消したかと思った瞬間、ものすごい勢いで動き出す。
「……んわぁ、あ、あああぁっ」
 必死でひまりさんが声を堪えるのがわかったが、とても抑えきれてなかった。
 高速ピストン。粘ついた音がここまで聞こえてきそうである。
 獣のような激しい本能の交尾。いや犬だから獣で間違いないだろう。
 そして、動きは止まる。
 重なったまま彫像のように。
 後日知ったことだが、犬の陰茎は射精をすると大きく広がり栓のように膣を塞ぐという。
 そしておびただしい量の精液を流し込むのだ。膣内に、子宮に、その奥へと。
 内臓の中いっぱいにまで有海さんを感じて、ひまりさんはどう思っているのだろうか。
 縁側に突っ伏して微動だにしない一人と一匹を眺め、俺は股間を著しく勃起させ胸をかきむしりたいほどの情動にかられながらも見ていることしかできなかったのだ。
 そしておもむろに有海さんが身体を離す。萎えた陰茎を引き摺りだして労わるようにひまりさんの尻に鼻を近づけて優しく舐めた。
 そのとき、春近の方に視線を向け、にやりと笑ったような気がしたのだ。
 犬の表情なんかわからない。でもそのときはそう思えたのである。

 以上。
0688名無しさん@ピンキー2016/07/17(日) 21:29:09.81ID:pCncPWdd
美月たんとセックスしたい。
0689名無しさん@ピンキー2016/08/04(木) 23:13:48.36ID:XG5tk2Zp
井上心葉くんのおちんちんいただきました。
程よい大きさで優雅に弓なりの弧を描いた勃起をお口いっぱいにほおばると幸せな気分になります。ちんぽミルクはさっぱりとした味で飲みやすく、とても美味しかったです。

今日は櫻井流人くんのおちんぽいただきました。
とっても太くて大きくてボリュームたっぷりでした。口に入らないので舌先で舐るのが楽しいです。ザーメンは余りに濃厚だったので舌の上で溶かしながらいただきました。下の口だとわたしでも一発で妊娠しそうです。
0690名無しさん@ピンキー2016/08/04(木) 23:14:30.86ID:XG5tk2Zp
赤城是光くんのおちんちんいただきました。
つぼみのような可愛らしいおちんちんを唇ではさんで舐めまわすと、ツンっと男の子の臭いが鼻を通り抜けます。この臭い、嫌いじゃありません。精液はうすくさらっとして好みの味でした。

今日いただいたのは帝門ヒカルくんのおちんちんです。
色黒でカリが太く、百戦錬磨の素敵なおちんちんにワクワクしてきます。もったいないのでゆっくりとしゃぶります。
ヒカルくんの甘くねっとりとした腰使いに、喉だけで逝きそうになりました。中のミルクはクリーミィでとってもとっても美味しかったです。
0692名無しさん@ピンキー2017/01/29(日) 21:45:08.04ID:QcPKjTpM
>691
同時上映していた劇場もあったみたい。
自分が観にいった映画館ではやってなかった。
0699名無しさん@ピンキー2020/04/25(土) 23:49:42.84ID:EF3KKySf
遠子先輩が非処女になったのは仕方がないか、いつのまにか子供までこさえていたのにはびっくらこいた。
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