金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 4話目
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0001名無しさん@ピンキー2009/10/08(木) 04:02:09ID:vHce0lf1
借金で売られそうになってる少女を即金で買い取って助けてあげたい。
生活に困って野宿している姉妹に仕事場と住居を与えてあげたい。
施設や親に虐待されてる女の子を金で根回しして引き取ってあげたい。
自ら命を絶とうとしてる同級生の人生を買い取って、思い止まらせたい。
難病に喘いでいる薄幸な病人に健康な体をあげたい。

過去スレ
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 3話目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232296111/
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 2話目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1227429153/
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205160163/


保管庫
ttp://wiki.livedoor.jp/helpgirlbymoney/
0182名無しさん@ピンキー2010/04/09(金) 11:57:31ID:iqHvsjNs
実際に見てたらかなりイラっとしたよ。この作者、人を煽るのがうまいんだ。
0183道具の人2010/04/09(金) 22:11:06ID:XMjcJ626
作者がスレでからむのもどうかと思うのは置いといて。
まぁそろそろみんな落ち着こうか。

作成過程約30%
どうやって予告と絡ませようか思案中。

遅くてごめんね。
遅くてごめんね。

大切なことなので(ry
0185名無しさん@ピンキー2010/04/10(土) 15:53:40ID:Io7AELl+
作者の人柄とか興味なし
作品が面白いからあそこは好き
0188名無しさん@ピンキー2010/04/11(日) 02:02:58ID:8TdlCg5E
借金漬けの少女の債権を全部引き受けて
自分の元から離れられないようにする
0189名無しさん@ピンキー2010/04/12(月) 03:36:43ID:8wxJ4JWe
>162
亀だけど。
おな感と同じ末路って?
一応スレ続いてるよねあっち。
0192名無しさん@ピンキー2010/04/16(金) 18:32:27ID:F3YaBrVO
おな感、とかいう糞スレから流れて来た腐れマンコどもに占領されたのな。
0195名無しさん@ピンキー2010/04/30(金) 07:40:31ID:uY/EGg9o
厨スレ化の悲劇
0202名無しさん@ピンキー2010/05/14(金) 03:32:44ID:Afg4sm43
おぢさんはやさしいからね
0203名無しさん@ピンキー2010/05/14(金) 18:59:58ID:I3qm0V1n
ちょっと、おっさん!!全然足んないんだけど
0206名無しさん@ピンキー2010/05/15(土) 15:15:58ID:tTLVibfO
川島さんの続き読みたいな〜
0208名無しさん@ピンキー2010/05/16(日) 17:18:27ID:xf2ni5y8
川島さん復活して欲しい
0209名無しさん@ピンキー2010/05/17(月) 04:21:54ID:zCU/FV1o
へ〜此処ってまだ4スレ目なんだ…保管庫から来たがスレは初めてだ…名作が多いからもっといってると思ってた…
0212名無しさん@ピンキー2010/05/19(水) 21:36:25ID:pgXb0zDD
>>210>>211
いい加減にしろ
いつまでも個人サイト相手に絡むな
お前みたいのがここを糞スレ化してくことにいい加減気づけ
0213名無しさん@ピンキー2010/05/19(水) 22:22:30ID:S8q63RGk
確かにあの人のやったことは痛かったけど続きは読みたいよ
0216名無しさん@ピンキー2010/05/20(木) 10:31:43ID:J3md2B1n
ここで続き読みたいって書いてる奴だって同じなんだが。
交換日記してんじゃねーよ。
0221名無しさん@ピンキー2010/05/20(木) 21:40:26ID:P0/ZAv3C
>>220
直接メールして返事がないからじゃないか?
スレは覗きに来てそうだから



つうか上の方で他スレ晒すなよ
他でも色々書いてるみたいだし、当人がやる気を起こせば続きはそのうちまた読めるだろ
そっとしといた方がいい

別の話題
0222名無しさん@ピンキー2010/05/21(金) 01:26:04ID:6WpncXtB
給料日まであと5日…。
残り3000円。


土曜日のコンパどうしよう!!!


ドタキャンか!?いや、次回が無くなってしまう!!!
0225名無しさん@ピンキー2010/05/22(土) 17:10:06ID:rdetY5iY
1)大学の友達♂をゆする
2)実家の義兄に泣きつく
3)行きだおれてみる


さあ、どうする!??
0229名無しさん@ピンキー2010/06/09(水) 21:48:47ID:QAKm3DA4
test
0230名無しさん@ピンキー2010/06/13(日) 22:45:43ID:dLCnoJOQ
スレタイみて何だこりゃ?と思ったが、よくよく考えたら成程。
よく奴隷商人から買いとった美少女を服屋とか連れ回して、良い物を買ってやって悦に入る展開あるがまさにスレタイ通りじゃないか
昔、プリティーウーマンていう主題歌も大ヒットした映画があったけど。なるほどとっくの昔に一つの属性として確立してる立派なジャンルだったのか
0234名無しさん@ピンキー2010/06/21(月) 17:52:36ID:jz6qm5+R
「金の力で」困ってる女の子を助けるんじゃなく、
「金の力で困ってる」女の子の話があってもいいんじゃないかと思ってみた
0235名無しさん@ピンキー2010/06/23(水) 07:58:25ID:SZTgzNBo
>>234
スレ内に既に先駆者がいたと思う。金の力で困ってって題名で保管庫にあるはず。あとバッカーノにもあったな。
銭形平二もマネーマスクがあった。
0236名無しさん@ピンキー2010/06/23(水) 18:37:54ID:U6eoVktE
0239名無しさん@ピンキー2010/07/21(水) 06:50:31ID:u+HnkcHX
100万円貸して欲しいとやってきた人に、300万円を渡して
「100万円は借金で迷惑をかけた人へのお詫びに使え、あとの100万円は次に供えておけ」
借金返して文無しになると次に差し障るということまで見越して300万円貸したという田中角栄のエピソード。
普通の金持ちなら100万円貸しただけで相手が恩を感じると思うんだろうけど、その更に上を考えてたという話。

単に金を持ってるだけじゃなくて、
目的に応じて効果的に使う知恵を持っている金持ち主人公っていいかもしれないと思ってしまった。
0240名無しさん@ピンキー2010/07/21(水) 18:14:21ID:qtQi9IOD
緊急用スクール水着の作り方を教えてやろう(´・ω・`)b

@凡_凡
 |   |
 |   |  ←コンビニ袋を平らにのばす
  |___.|

A凡_凡
 |   |
 |   |  
  \_/      ←斜めに切る

B(・∀・)<ヤッター
\凡_凡/ 
 |   |   スクール水着完成。
 |   |
  \_/
0242名無しさん@ピンキー2010/07/31(土) 06:25:46ID:oiVJu8Kw
保守ついでに質問。
書いてる時癖でセリフとナレーション?の間を空けてるんだけど
読みずらいかな?
0243道具の人2010/07/31(土) 10:46:49ID:oiVJu8Kw
連投は気が引けるんだけど何となく連絡。
moon buy明日の夜中から朝までに投稿するよ!
ああちなみに爺さんの部分の予告はかけませんでした。
0247道具の人2010/08/06(金) 19:46:22ID:0vYxRv0k
大変お待たせいたしまして。
今から投下するよ!
10-15分くらい時間下さいな。
0248moonbuy2010/08/06(金) 19:46:55ID:0vYxRv0k
「相変わらず高いもんだな! 」
「高度約2000フィートですから! 」


メートル換算にして約600。
なるほどビルが小さく見える訳だ。

「目的地が見えてます! 」
「どれくらいでつくんだ!? 」
「15分かかりません!」

眼下に広がる街並みと、その先にある海。
その間に見えるのは、港といくつもの倉庫

夜星グループが手掛けているのは百貨店だけじゃない。
農業から始まる第一産業から、果てはアーティストのプロデュースまで。
色んな事業をして倒れたという事例は少なくない。
倒れたかったからこそ手を広げたんだが、残念ながら結果は大成功。
『この街で夜星に出来ないことは、他の誰にも出来はしない』
そんな事まで言われるほど大きくなった―――なってしまったグループ。

だが、そんな中にも例外はある。
それが、今から向かう貿易用倉庫第三番、通称三番倉庫。
つまり貿易業は出来なかったわけだ。

この街は漁業に向かない。
昔は漁業が盛んだったが、盛んであったがために起きた水産資源の乱獲。
早い話が、昔獲りすぎたせいで金になるほど魚が獲れなくなったわけだ。
それを知らなかった地主が大枚をはたいて頭を抱えていたため、
漁業が出来ないのなら別の事業をするだけだと。
相場の5倍もの金で買ったかつての部下。

結果は失敗。
獲れるかわからない魚を追い求めた漁業組合との衝突。
部下の高圧的な態度による取引先の減少。
理由を問われたらこう答えるしかないわけだ。

前者に対してはある程度の妥協は出来る。
元々水産資源をもとに育った街であるため、そう簡単に諦める訳にはいかないからだ。
だが後者は救いようがない。
アメリカで企業戦略を学び、発展途上にあった夜星に入ったかつての部下。
実績はあるが高圧的な態度で周りからの評判も悪かったが、
実績がある以上無碍にするわけにもいかず、
企業戦略を応用して貿易に手を出してみたいと直談判をしてきた。
その度胸を買って任せてみた貿易事業ではあるが、
客といざこざを起こし貿易業から撤退。
それから物置として使われていたため、三番倉庫と呼ばれるようになった。
その後部下は事業の失敗を理由にクビになったわけだが……
0249moon buy2010/08/06(金) 19:47:21ID:0vYxRv0k
「社長!」
「社長じゃねぇ!」
「あー……何と呼べばいいですか!?」
「好きなように呼べ!強いて言うならOBだ!」
「じゃあOB!問題が発生しました!」
「どんな問題だ!?」
「着陸できる場所がありません!」
「なん……だと?」


頭の中にしまった倉庫付近の地形を無理やり引き出す。
………おいちょっと待て。

「小型ヘリなら着陸できるようにスペース空けたはずだぞ!?」
「社長の悪い癖ですよ!あそこにまた倉庫を作ったんです!」
「あのバカ……」


綾乃が有用な理由は俺についてこれたこと。
だが世の中に完璧なモノなどあるわけがなく。
アイツにも欠点がある。
『部屋を片づけられない』
興味本位で一度綾乃の部屋を見たことがあるが……
ゴミ屋敷が裸足で逃げ出す……と言えば解ってもらえるだろうか。
だがさらに性質の悪いことがある。
部屋の中には一切『ゴミ』がない。


『アイツだけが俺に着いて来れた』と言ったが、
『アイツだけが俺の要望に応えられた』と言った方が正しい。

「アレがしたいからコレとソレを三日で覚えてプロジェクト組んで来い。
 ちゃんとアレを踏まえた上でどれが必要かも明記しておけ」

俺が基本するのはこれくらい。
あとはアイツが組んできた企画に穴がないかチェックするだけ。
で、問題はここから。

過去に組んだ企画と企画を混ぜて新しく作るのがアイツの真骨頂。
そのために組んだ企画書を捨てることが出来ない。捨てないから溜まる。
溜まった企画書からまた新しく構想を練る。
その無限ループ。
0250moon buy2010/08/06(金) 19:48:05ID:0vYxRv0k
綾乃が組む企画書の量は一日に20〜30程度。
基本どれも使えるものではあるが、時期、進めている企画の数などの問題で、お蔵入りになるものが多い。
だが企画書は紙である以上劣化する。記憶媒体であるハードディスクも何かしらのアクシデントにより消えることもある。
そこで選んだのが企画書を密封する事。
簡単にいえば、企画書を真空パックで密封して倉庫に放り込んでおくだけ。
で、アレから毎日組んでは密封してを繰り返していたら……

「……アレでもずいぶん整理したんですよ」
「……だろうなぁ」


さてどうしようか、普通に着地できないとなると……


「倉庫の屋根にギリギリまで降ろせ!点検用の梯子から降りる!」
「了解!」


港まで後8分。その間に装備の点検を済ませる。
まずは小道具の類から、癇癪玉、カッター、缶コーヒーにジェラルミンケース。
キャリングベルも完備。

「ああOB!」
「何だ!?」
「不用意にジェラルミンケース開けないで下さいよ!?事故りたくなければ!」
「何を詰めやがった!?」
「催涙ガスですよ!すぐ効果は切れますが、強力です!」

痴漢撃退から暴動鎮圧まで幅広く使われる催涙系。
化学薬品を使い、相手に嘔吐、せき、くしゃみといった症状を出して行動を困難にさせるというものだが。
いい方からして考えれば、それをジェラルミンケースいっぱいに詰め込んだ可能性が高い。


「あとこのテンキーはなんだ!?」
「ダミーです!適当な数字を押してEボタン押せば自動で開きます!」
「ダミーなのにか!?」
「駆け引きに色々使えるとのことですよ!
 あとケースにくっついているゴーグルも持って置いてください!
 かなり目にきますよ!」
「体験済みか!」
「一度やらかしまして!」


一筋縄でいかない相手用。
しかも下手すれば自爆するかもしれない品。
確かに今回はうれしい機能かもしれないが……
0251moon buy2010/08/06(金) 19:48:36ID:0vYxRv0k
「色んな意味で危なっかしくなって来たなアイツも!」
「後釜に据えられた後のストレスなんじゃないですか!?」
「……どんなストレスだ!」
「自分の胸に手を当てて考えて下さいよ!?」

まぁでも戦術の幅が広がったのは大きい。
……ってアイツ何時の間にこんな物作りやがった。
今は感謝しないといけないだろうが、後でゆっくり問いただす。

「そろそろ着きます!」
「ああ!」

降下するべき倉庫は見えてきた。
赤い屋根の大きな……それは違うな。あってるけど何か違う。


「人形遊びですか!?」
「知るかぁ!」


まったく……緊張感が無いのは良いことか、それとも悪いことか。
だが、これでいざという時の心配はなくなる。
緊張がたたって動けなくなるのは最悪の過程だ。
それだけは絶対に避けないといけない。


ロングコートを羽織る。
右ポケットにカッターと癇癪玉を。
キャリングベルトをケースにつけて。
缶コーヒを開けて一口。

「朝じゃないですよ!」
「首領が欲しかったのになぁ!」
「ふざけるのもいい加減にしてください!」
「お前が言うなぁ!」


そんなこんなで倉庫の屋根の上に到着。
目的の三番倉庫までここから5分。
時間的には余裕があるが、出来ればもう少し準備できる時間が欲しかった。


「世話になったな!」
「お礼は一本で!」
「……考えておく!」

スライド式のドアを開け、緩やかな屋根の上に移る。
ドアを閉めて手を振ると、ヘリは来た方向へと戻って行った。
0252moon buy2010/08/06(金) 19:48:58ID:0vYxRv0k
梯子を探しながら、bluetoothに繋いだ携帯で爺さんにコール。
見つけたと同時に携帯が繋がる。

『こちらのお電話は現在使われて―――』
「かすれた声でふざけてんじゃねぇ!」
『何じゃ詰まらん。たまには年寄りのジョークにも―――』
「今回の騒ぎ、例の新参者が介入してるとしたら?」
「……根拠は?」


途端に爺さんの雰囲気が変わる。
珍しく怒気を孕んだその重々しい声を聞くのは久しい。


「やっこさん、バックアップで俺の携帯にかけてきたとき、ボイスチェンジャーを使っていた。
 声をわかりにくくさせたいなら、軽くハンカチを当てるだけでいいのにも関わらずだ。
 そこから浮かび上がるのは、『俺と声を交わしたことのある人物』であることが一点。
 次に取引場所であるこの倉庫。三番倉庫なんて言っているのはうちの社員くらいしかいない。
 一般人なら普通の倉庫で十分通るからな。これが二点目
 んで、新参者が介入しているという根拠だが……」
 
一息ついて。
 
「さらわれたのが俺自身ではなく、雫だということ」
「……面識か」
「物分かりが早くて助かるよ。あの印を押した紙を持たせしまったしな」


以前、雫があそこまで追い込まれたのは、新参者が雫の環境を壊したからに他ならない。
そして直接介入した以上、新参者が雫の顔を覚えている可能性は大。
雫が環境を壊されてからそう時間はたっていない。

そして、数時間前に手渡した、印の押された紙を思い出す。
あの印は、俺の関係者であることを証明するためのモノ。
アレを見せて金を払えば、かさばる荷物を直接俺の家に持っていく。
逐一住所書くのが面倒だからそういうモノを作ったわけだが、今回は裏目に出たらしい。


「さらに根拠付けるならだ」

はしごを降りて、周囲を確認。
綾乃の企画書をしまう以外用事が無いのか、風の音以外何も聞こえなく、
寂れた雰囲気が漂う中、真新しい車の後を発見。
何台もの車が通ったと思われるタイヤの跡は、中々見ない高級車のそれだった。
0253moon buy2010/08/06(金) 19:49:19ID:0vYxRv0k
「爺さん。あんたセダンを保有してないよな?」
「いくらヤクザ御用達とはいえ、アレは趣味が悪くて好かん」
「趣味云々は人様の感性だが、とりあえず何台も通った形跡がある。
 あんたが言うヤクザ御用達の車が何台もだ。何も無い寂れた倉庫にだ。
 はてさて、何の断りも無く人様のシマを荒らした新参者が、またふざけた事をしでかしている
 それを許容できるほどアンタは老いて丸くなったのか?」
「……」
「久々に見せて欲しいもんだね。悪鬼が悪鬼たる姿を。
 それとも本当に老いたのか?桜井組当代組長、桜井源三殿?」
「……焚きつけているのか小僧?」
「焚きつけられるようなマネされるのもどうかと思うがね。返事は?」

数秒の沈黙の後、爺さんの口から洩れたのは笑い声だった。


「うまくなったもんだのう。あと五分でそこに着く」
「焚きつけるのがうまくなったっていうのなら爺さんのおかげだろう。
 息を潜めて来てくれ。あくまで一人で来たということを強調しておきたい」
「あいわかった。プランは?」
「合図を出すから突入よろしく」
「勝算は?」
「聞かれてなければ70%」
「いい数字じゃ。良くも悪くも」


電話を切り、ポケットから取り出したたばこに火をつける。
とりあえずプランは建った。あとはそのプランがどこまで円滑に進められるか。
時間まで10分切ったからこれ以上は策を練れないが。


「……ん?」


ここにきてようやく違和感が沸く。
そもそもここを指定したのはなんでだ?
いや違う、『なんでここを指定できた?』だ。


ここを三番倉庫なんて言っているのは事実社員だけ。
だが今現在社員の中で俺を敵に回して利のある人間はいない。
確かに一見ブラックと間違うだけの仕事量ではあるが、
この不景気の中で他の会社よりも一回りも二回りも給料を出している。
仕事量に見合うだけの休暇も出してあるはずだ。
会社の中で不満があればすぐ対処する以上、その芽は確実に潰していたはず。
あの会社を辞めたとはいえ、obだし今も社長のイスに座っているのは綾乃。
何かあれば、いや、何もなくてもすぐに情報が耳に入る。
その中で特に問題になるようなことはなかった。

「……辞めた?辞めさせられた?」
0254moon buy2010/08/06(金) 19:49:43ID:0vYxRv0k
仕事が出来ないからやめさせるってことは基本ない。
あくまで実力と終身雇用が併合したような会社を目指したからだ。
そりゃ出来なければ給料は多少安いが。
次に不満を持ってやめた人間は、先ほどの通りこれも少ない。
最後に残るのは……


「仕事ででかい失敗をした人間……」


なんで気付かなかったのでしょうか?
あるいは気付きたくなかったのでしょうか?

三番倉庫。端からナンバリングしただけだが、事実ここが最もでかい場所。
本来なら、ここが貿易の拠点だったであろう場所。
ここの責任者であったアイツが最も力を入れていた場所。
なるほど取引場所がここだっていう理由も見当がつく。


「今更になって逆恨みか?もう半年以上前だぞ?」


だが事実、この場所に因縁のある人間はアイツしかいない。
そしてプランを変更するためにもう一度爺さんに電話する。


「ああ爺さん、ちょっと相談があるんだが―――」



要求の時間から30分遅れて、足跡の続く倉庫の扉を開ける。
長い間使われてないことを証明するように、床を厚い埃で覆われた倉庫の中。
光源が少ないのか、倉庫の中は薄暗く。
その中央を陣取るように、十名ほどの巨漢と、後ろに手を回され縛られたであろう雫。
意識はあるのだろうが、猿ぐつわをされてぐったりとしている。
そして。



「お久しぶりですね、社長。ずいぶんと遅い到着で」



その雫の隣に、大失敗をやらかした人物―――柿崎亮がいた。
0255moon buy2010/08/06(金) 19:50:13ID:0vYxRv0k
「社長はもう半年前に辞めたよ。最近立ち上げた会社も昨日辞めたばかりだ。
 それに一時間とは言われたが、三番倉庫のどこまでとは言われてないから探すのに手間取ったよ。
 ちゃんと情報を回さないのはお前の悪い癖だったな、柿崎」
「……そうやってアンタは」


長い文句を言おうとしたのだろうが、後ろの殺気が気になるのだろう。
相変わらず気の小さい男だ。


「一億。ちゃんと持ってきていただけたのでしょうね?」
「時間にはルーズだが本質は守るのがポリシーでね。この中にちゃんと入ってるよ」
 
 
肩にかけていたキャリングベルトをはずして、床に置く。


「ただし、パスワードつきだ。正しい数字を押さないと半径10メートルが吹き飛ぶ」
「……もちろんそのパスワードも解除していただけますよね?」
「先に雫を解放したらな。」


挑発的な笑みを柿崎に向ける。
さてこっからが勝負所。伸るか?反るか。


「……折衝案です。彼女に持ってきてもらいましょう。」
「ずいぶんぐったりしているようだが持って来れるのか?これでも結構重たいぞ?」
「自分の命がかかっているのですよ?死ぬ気でやるでしょうね」



そう言って柿崎は、後ろの巨漢に何かを告げる。
言われた巨漢は、雫の猿ぐつわをはずし、後ろで縛っていた腕を、今度は前に縛り始めた。


「折衝案の割にはずいぶんそっちに理があるように見えるが?縛ったままじゃ動きづらいだろう」
「何かあった時のための用心ですよ。備えあれば憂いなし。でしょう?」
「備え?どう見ても小心者がずいぶんと背伸びしているようにしか見えないのは気のせいか?」


軽く小馬鹿にしたように言うと、顔に赤みを増す柿崎。ずいぶんと癪に障ったようで。
0256moon buy2010/08/06(金) 19:50:39ID:0vYxRv0k
「……あなたは相変わらずですね。私を目の敵のように馬鹿にする」
「目の敵にした覚えはないが、あんな啖呵を切っておいてここがこのザマじゃ、
 馬鹿にされても仕方ないだろう。実に残念だと言うほかないね。
 もう少し度胸があって、その卑屈で見下したような性格と言動がどうにかなってれば、
 綾乃といい勝負だっただろうに」
「……ぃ」
「ん?何か言ったか?不利になるとすぐ声が小さくなるのはお前の悪い癖だ。
 んで切れたら癇癪。まるで子供だな、気の小さくて体がちょっと大人なだけ。
 ああ悪かった。まるで子供じゃなくてまんま子供なんだよな。悪かった悪かった。
 さすがにそこまでは気付いてやれなかったわ。
 いやまさか、俺の会社に入ってきたアメリカで企業戦略も学んだこともある頭のいいやつが、
 まさか中身の伴わない只の子供だったとは思わなかった」
「…る…ぃ」
「だから何言ってるのか聞こえないんだって。ずいぶんと気が小さいのはわかったから。
 もうちっと大きな声で話そうな。それとも本当に気が小さいだけなのか?
 まさか気だけじゃなくて短小とか言わないよな?」
「うるさい!」


さすがにここまで言われて切れたか。とりあえずもうひと押し


「何だ本当に短小だったのか?こいつはびっくりだ。アメリカで企業戦略?
 自信満々に言ってこのザマ。気が小さいうえに男としては不能、いや無能か。
 さすがに言い過ぎたか?いやいや、事実なんだからしょうがないよな?
 ん?短小柿崎君?それともポークビッツのほうがいいか?」
「いい加減に黙れ!」
「黙ってもいいから、早く取引しようぜポークビッツ柿崎?」


アレだけけなされていきなり冷静になれる人間はいない。
けなされた相手に冷静になれと諭されればなおさらだ。
あとはちょこちょこ馬鹿にしていけばいい。
とりあえず第一段階は成功。
本題はここからだ。


「……フン」


とりあえずは冷静になろうとしているのか、
何回か深呼吸をして息をただしている。


「早くしてくれないかなポークビッツ。結構歩いたから疲れてるんだよ」
「……行け!」


背中から突き飛ばされ、ゆっくりと歩いてくる雫。
俺も床に置いたジェラルミンケースから、ゆっくりと後に離れる。
0257moon buy2010/08/06(金) 19:51:25ID:0vYxRv0k
「雫、もう少しだからな」
「……」


軽く呼びかけてみるが、特にこういった反応はない。
ずいぶんと憔悴しているらしい。
ちゃんと逃げられるか心配ではあるが、こうなった以上後には引けない。


ジェラルミンケースの前に着き、ゆっくりと持ち上げる雫。
ゆっくりと振り返り、おぼつかない足取りで柿崎の元へと向かってゆく。


そして連中の元あと5歩といったところで、柿崎が手で制した。
ビクッと体が震えて、危うくケースを落としそうになる雫。
そのまま柿崎が指を下に向けた。


「嘘のパスを教えられて爆発されても困りますからね。
 ここで言っていただきましょう。パスはなんですか?」
「ずいぶんと小心なんだな。今に始まったことじゃないが」
「っ……ええ。こんな時くらいいくらでも小心になりますよ。パスワードは?」
「その前に雫を縛ってるロープをはずせ。外さなきゃ何も言わない。
 折衝案なんだろ?あくまでもフェアにだ」
「そんな事を言える立場だと思っているのですか?早く言わないとこの娘の命、
 どうなっても知りませんよ?」
「三億で買った道具だ。価値は自分の働きで見出すらしいが。
 こんな小心者に捕まった時点で100円の価値があるのかも見出せないな」
「っ……いいでしょう」


後ろの巨漢をうながし、雫のロープを外させようとするが、どうも不服そうだ。
早くしろと怒鳴って、巨漢は渋々雫のロープを外し、柿崎の隣に突き飛ばした。


「さてはずしましたよ。パスは?」
「パスは―――」


右手ににじんだ汗をコートに吸わせて。
第二段階要の合図を言う。


「―――3523Eだ」
「……3253E、ですね」


ためらいなく、かつ正確に押されてゆく数字。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。
3253の数字を押し、0の右、9の下のEを押そうとしたところで。
左手をポケットに突っ込み、右腕で口元を覆って、目をつぶる。


ピッっといった後すぐに、バーンといった爆発音。
あたりには煙が舞い。絶え間ないせき、くしゃみなどの音。催涙ガスが回りに撒かれた。
息を止めて左ポケットからゴーグルを取り出し装着。
間髪いれずに右ポケットから癇癪玉を取り出し、床にたたきつける。
0258moon buy2010/08/06(金) 19:51:58ID:0vYxRv0k
パーンという音が倉庫内に響き、くしゃみやせきの中に悲鳴が混じるのを確認。
その悲鳴の中に、雫の声が混じっている。
声の位置からして、雫が移動してないことを推測。


左腕で口元を覆いながら、悲鳴の元へと急ぐ。
大体5メートル。自分の感覚でしかわからないが、
そこでもう一度癇癪玉を床に叩きつける。
すぐ近くで悲鳴……ここか!


「いくぞ雫!」
「!」

近くで俺の声がしたことに驚いたのだろう。
煙の中で伸ばされてきた手を、右手で握りしめるが。


「いか、ゴホッ、ぜるか!」
「キャ!」

その伸びてきた手をつかむ、柿崎の右手。
これじゃあ動けない。


「邪魔だ!」

手の伸びて来た方向に蹴りを一発。
変な叫び声が聞こえて、柿崎の右手が外れる。


「行くぞ雫。こっちだ!」

うっすらと光が見える扉の方向へ、雫を引っ張って走り出す。


「グゾ……追え!……ゴホゴホッ……逃がずな!」

後ろで柿崎が何かを叫んでいるが、まだ催涙ガスが蔓延している倉庫内だ。当分動くことは無理だろう。
ようやく扉がはっきりと見えてきて、そして扉を抜ける。
新鮮な空気を胸一杯に吸いたいところだが、そんな時間は毛頭ない。
と、こっちへ向かってくる車の音。ゴーグルをかなぐり捨てて、音のほうを確認。


「旦那ぁ!」


運転席の窓ガラスから顔を出し、大きく手を振っている烏丸を確認。
その後ろにも、目視できるだけで5.6台のベンツを確認。
……だから旦那は止めろとあれほど。
後部座席に止まるようにうまく調整して、烏丸は車を停車。


「乗ってください!早く!」
「ああ!早く乗れ!」


先に雫を車に押し込み、自分も乗ろうとしたところで。
パーンと、破裂したような音が響き、俺の左わき腹に衝撃が走る。
0259moon buy2010/08/06(金) 19:52:19ID:0vYxRv0k

一瞬、何が起きたかわからなかった。
わき腹を見てみると、コートに穴があいている。
そこからゆっくりと、次第に多くの血が流れ始めた。

ああ、撃たれたんだなと。やけにクリアになっている頭でそう思いながら。
傷口を抑えるが血は止まることを知らない。

周りで何か叫んでいる音が聞こえるが、やけにぼんやりとして聞こえない。
とりあえず車に入ってドアを閉めよう。

そこまで考えてようやく、痛覚が正常に機能し始める。
あまりのいたみに力が入らないが、なんとか車に乗り込み、ドアを閉める。


痛覚が機能し始めるが、ぼんやりとした頭は考えることを拒否し始めたらしい。
死ぬのかな。そう思いながら。


「雫、怖がらせて―――」


―――……ごめんな。

聞こえたかどうかわからないが。とりあえずこれだけ言って。
俺の意識は途絶えた。
0260道具の人2010/08/06(金) 19:53:52ID:0vYxRv0k
とりあえず投下終了につき。
今度は三ヶ月くらいで出来るといいなぁ。。。
0262名無しさん@ピンキー2010/08/13(金) 05:33:37ID:/cluUGYW
困窮のあまり体を売ろうとした幼女を育てたい
無邪気に懐いてくる幼女に欲情して悶えたい
0264名無しさん@ピンキー2010/09/04(土) 01:22:37ID:CG/3XzJu
金くれ
0265名無しさん@ピンキー2010/09/05(日) 20:08:52ID:cbtvkX/D
スレチで申し訳ないけど質問させて下さい
エロマンガで、金持ちの男がボロボロの奴隷を買ってメイドとして働かせるって話があった気がするんだけど誰か知らない?たしか女の子はフライデーかチューズデーって名前だった気がする
0267名無し募集中。。。2010/09/23(木) 09:35:02ID:pyLhKA+e
汚物ブルブッサー下痢便まみれで死ねwww
0275前スレあたりの保守の続きで保守 1/12010/11/15(月) 23:08:13ID:TeJ13RSi
身なりの良い青年が通い慣れた道を歩いていると、公園で力なく佇む幼女に気がついた。
以前ピンクローターをプレゼントし、それ以来友達になった彼女の名前はミユちゃん。
その友人となったミユちゃんが落ち込んでいる姿に、青年は驚きを覚える。

前回逢ったとき、彼女はとても幸せな笑顔を浮かべていた。
念願のピンクローターでのオナニーがとても気持ちよかったらしい。
ぎゅっと抱きついて喜びを伝える姿は、ハートマークが浮かんでいるようだった。
とても良い人助けが出来たのだと、その時は喜んだものだが……。

青年がブランコに向けて歩いていると、足音に気付いたのかミユちゃんが顔を上げた。
カチャンと音を立ててブランコから離れ、少しぎこちない足取りで向かってくる。
青年は屈んで目線を合わせ、目の前でもじもじする幼女に優しく声をかけた。

「こんにちは、ミユちゃん。どうしたの? 浮かない顔をして」

英字プリントの長袖のシャツに、ふわりとした柔らかなスカート。
長めのソックスと共に肌寒い時期向けの服を着た幼女は、スカートの裾をギュッと掴む。
そして葛藤の末に、堰を切ったように話しだした。

「あっ……あのね、おにーちゃん。み、みゆの、おねがい、きーてほしいのっ。
 あのね、みゆね、ろーたーで、たくさん、おなにーしてたんだけど……っ。
 うごかなく、なっちゃって、でんちがっなくてっ……それで、それで……っ」

青年の答えを待たずにまくしたてるのは、いかにも幼い性急さだ。
仲良くはなったが、青年がミユちゃんにあげたのは最初のローターだけ。
それ以上をお願いすることは、いけないことだと思っているのだろう。
こわごわと言う涙目の幼女を、青年は優しく撫でる。

「そっか。電池が必要なんだね。大丈夫だよ。僕にプレゼントさせて」

なるほど、その手のアイテムに初期装備されている電池は安物のマンガン電池だ。
早く尽きてしまうのも無理もないことだ、と青年は自分の配慮の無さを反省する。
一人で行ける行動範囲に100円ショップでもなければ、調達することも難しい。
青年の言葉に明るい表情を見せたミユちゃんは、しかしまた俯いてしまった。
そしてまた、ぽつぽつと言葉を続けていく。

「……あの、ね、それで……うごかなくなったろーたーで、おまたいじってたらね、
 おまたがひりひりして、さわれなくなっちゃって……みゆしんじゃうのかな……」

敏感な粘膜は男女問わず人体の急所だ。そのことを本能で知っているのだろう。
粘膜が傷ついたことに極度に怯えたミユちゃんは、誰にも相談できずにいたらしい。
青年は安心させるようにミユちゃんを抱きしめ、背中を撫でながら口を開く。

「大丈夫だよ。小さな怪我をしちゃっただけだから、死んだりなんかしないよ。
 お兄ちゃんが専用のお薬も用意してあげるから、それを塗ればすぐに治るよ」
「ほんと……?」
「うん。大丈夫。お兄ちゃんに任せて」

不安げに顔を上げたミユちゃんの頭を、青年が安心させる笑顔と共に撫でつける。
まだ夕暮れ時で店仕舞いには早い。キッと顔を上げた青年は一目散に薬局へ走った。

駆け込んだ薬局で店員に相談して即決した軟膏を手に、公園へと駆け戻る。
ミユちゃんは青年の帰還を、勇者を待つお姫様のように胸をときめかせて待っていた。
祈るように胸の前に手を組み、瞳をキラキラさせているミユちゃんを、青年が物陰に連れて行く。
薬の塗り方を知らないミユちゃんに、最初は実演して見せてあげる必要があったのだ。
ぱんつを膝下まで下ろし、幼い蕾に軟膏を塗る青年を、スカートをたくし上げる幼女が見下ろす。
自分で触るのとは違う感触に、ミユちゃんはぽわっと胸が温かくなる感覚を覚えた。
うっとりした瞳で青年を見つめながら、ぬるりとした治療行為に身体を委ねる。

こうして幼女は ねんがんの オナニーライフを とりもどした! おわり。
0276懲りずに保守ネタ投下 1/12010/11/17(水) 05:02:50ID:Uj6koMsN
金の力がモノをいう、財欲にまみれた退廃の街ゴールドシティ。
ネオン輝く不夜城では、今夜も享楽の宴が始まらんとしていた。

「ゼーニゼニゼニ、世の中金じゃわい! ほぅれ服を脱がんかい!」
「うう……ヒドイ、どうしてこんな目に……」
「金が無いのがいかんのじゃい! おおっと靴下はつけたままじゃぞ!!」

広げた札束をヒラヒラ見せびらかす男に、女が唇を噛み締める。
その時、高層ビルのガラスを勢い良く割って一人の美少女が颯爽と現れた。
金色の髪に蒼い瞳、発育の良い若い肢体はレオタードに包まれている。

「うぬ! 何奴!!」
「コインシューターレイカ、華麗に参上! 金で人心を弄ぶ卑劣漢! 
 これでも食らって反省なさい!!」

名乗りを上げた正義の戦士が、携えた銃を構える。
射出台のような形状をした砲身の上にはコインが輝いていた。
連射された十数枚のコインが正確に男を捉える――!

「くくく……この程度か、コインシューターレイカ!」
「なっ……! 無傷!?」
「五円玉程度の攻撃では私を倒すことなど出来んぞ!! 飛んで火に入る夏の虫め!
 そのレオタードをひん剥いて新札の札束風呂で全身に裂傷を負わせてくれる!!」

のしのしと近付いてくるいきり立った肥満体に、レイカがじりじりと後ろに下がっていく。
勝敗が決したと思われたその時――窓を割って新たな影が躍り出た!
金色の覆面とラメ入りビキニパンツを穿いただけの筋肉質な紳士が、手を閃かせる。

「これを使うんだ! コインシューター!」
「ゴールド仮面さま! こっ、これは――!!」
「うぬぅ! まったくもって嬉しくない新手め! 十種の宝石煌く我が拳を食らえい!!」

驚くレイカを他所に襲い掛かる肥満体、その巨大な拳を華麗にかわして――

「ゴールドアタック!」
「うぐあああ! 柔らかい! ちょっとムレた感じの温くて柔らかい何かががが!!」
「安心しろ! 今日のジェントルパンツは純金を編みこんだ特別製だ! 嬉しかろう!」
「うぬあああ!! まったく嬉しくない!!」
「今だ! コインシューター!!」
「――はいっ!!」

渡された弾丸の輝きに呆気に取られていたレイカが、その言葉に顔を上げる。
キッと敵を見据えるその姿は、まさしく悪を撃ち抜くシューターのそれだった。

「金で人心を弄ぶ卑劣漢! これでも食らって反省なさい!!」
「ふん、貴様の放つ五円玉など――なっ、その輝きはまさか!!」
「メイプルレリーフ1オンス金貨……! 貴方を葬るに相応しい弾丸よ!!」

華麗に舞って避ける紳士と入れ替わるように、金色の一閃が放たれる。
銃撃を受けた肥満体は爆散し、辺りには男が溜めこんだ不浄の財がばら撒かれた。
宝石、金貨、札束にコイン――散らばる莫大な財の中、レイカが目を留めるのはただ一人。

「ゴールド仮面さま……」
「見事だった、コインシューター。ではさらば!! ふわはははは!!」
「あっ……」

バッと身を翻して空に舞う、金色の覆面とパンツを装着した筋肉質な紳士。
その姿を潤む瞳で見送ったレイカは、ギュッと切なそうに胸元で手を握り締める。
また、名前を呼んでくれなかった……漏れそうになったその呟きを、心の中だけに留めて。
凛とした眼差しを取り戻すと、レイカは空に舞った。財欲に囚われた街を救うために――! おわり。
0277名無しさん@ピンキー2010/11/17(水) 07:08:00ID:1oLiDJay
コインシューター……つまりは銭形平次ですねわかりますwww
0278名無しさん@ピンキー2010/11/19(金) 11:27:39ID:diuAC+VA
ちょいちょい銭形というか、金の物理エネルギーで救う話が来るなw
0279名無しさん@ピンキー2010/12/07(火) 11:14:58ID:jDEFemz3
保守あげするよー
0280名無しさん@ピンキー2010/12/13(月) 01:41:20ID:6nau+Oks
これ、男を金の力で…ってのはダメなの?
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