PandoraHeartsでエロパロ
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0002名無しさん@ピンキー2011/02/04(金) 02:18:16ID:mD1++N8k
保守
0005名無しさん@ピンキー2011/02/06(日) 00:52:09ID:oB8Nnj0V
シャロンのエロいのが見たい

(ヴィンス+エコー)×シャロン
ヴィンスとエコーが横で見守ってる羞恥プレイなブレシャロ
エクエス×シャロン
再教育×シャロン

なんでもいい、誰か…!
0006名無しさん@ピンキー2011/02/06(日) 02:55:55ID:zrwcWsU9
期待保守
0011名無しさん@ピンキー2011/02/13(日) 01:19:49ID:Xul5C8xx
ないかもしれないがそこは普通に捏造ありだろ
チョコプレイ美味しいです
0012名無しさん@ピンキー2011/02/15(火) 19:53:58ID:p0hPAroc
ヴィンエコバレンタイン小ネタ




「ヴィンセント様」

メイドたちに恐れられるヴィンセント様の部屋に入る。埃っぽい、暗い部屋。

「なんだい?エコー。特に呼んだ覚えはないよ」

言外に大した用がないなら入ってくるななと言っている。いつもなら退くところが、今日は特別だ。

何故なら今日は“バレンタインデー”。

「今日は感謝をしている方に、チョコレートをお渡しする日なのだそうです」

ですからコレを、とヴィンセント様にチョコレートの入った可愛らしくラッピングされた箱を渡す。
街の少女達は手作りするらしいが、自分にはそんなスキルはないしそんなものを主人に渡せない。貴族達も利用する高級洋菓子店で買って来たものだ。

「へえー…。君が僕に感謝してるの?」

ヴィンセント様が少しだけ驚いたような顔でエコーを見る。

「ハイ。エコーが存在していられるのはヴィンセント様のお陰です。どんなに虐げられて辱められても……」

ですから、と続けようとすると
「もしかして、ギルやオズ君にも渡しに行くのかな?」
と唐突に遮られた。
少しだけ、不機嫌そうに声が低くなる。

「おいでエコー。今日はずっとこの部屋から出ちゃダメだよ?
僕は今日1日外に出られないんだ。貴族の女どもに追い掛けられるのは目に見えているし。

……だからさ、今日はずーっと一緒に“遊ぼう”よ」

くつくつと喉の奥で笑いながら、膝に座らせたエコーの服に手を掛ける。

お菓子業界の策略により、世間では本来の感謝の意味から“恋人と過ごす日”に変わっているのだが、この方は知っているのだろうか。

まあ、いいか。オズ様達に用意したチョコレートがムダになってしまうけれど、いつもより少しだけ、エコーに触れる手が優しい気がするから。
0015名無しさん@ピンキー2011/02/27(日) 21:39:14.25ID:lFd2qK7d
レイムさんのチェインの元ネタって発情期のウサギだっけか
よりによって一番エロに無関心そうな人に来たな…

いや、むっつりか
0016名無しさん@ピンキー2011/03/01(火) 12:38:56.55ID:jnBksOI3
レイムさんはリリィをパァンしたところから見て、その気になった時は
ヤれる人だと思う
リリィ相手だと幼すぎてちょっと見た目が犯罪wだけど

>>12
お互い相手に興味薄いくせに、独占欲があったり優しくされると少し
嬉しそうだったりするのに萌え
0017名無しさん@ピンキー2011/03/01(火) 21:39:18.21ID:Rm/tMTvJ
この作品ロッティ以外に犯罪にならない人がいないんじゃなかろうか……
0018名無しさん@ピンキー2011/03/01(火) 22:23:55.21ID:akbtpfUF
エイダとシェリル様はいける
あとシャロンちゃんも中身23なので無問題
ロッティも見た目はエイダと同年代か少し年上ぐらいじゃないのか
0019名無しさん@ピンキー2011/03/02(水) 22:39:32.89ID:DjZsOUp5
中身の事を言ったらアリスとアヴィスの意志とリリィだって百歳だから問題ない

全員大丈夫
0020名無しさん@ピンキー2011/03/06(日) 08:53:33.96ID:sQErCaVZ
アリスギル見たい
アリスは堂々としててギルが逆に恥じらいそう
0021名無しさん@ピンキー2011/03/08(火) 01:25:58.35ID:rkYG51N+
シェリル様のエロはバルマ公以外需要皆無な気がする
やっぱりハリセンプレイかなw
0023名無しさん@ピンキー2011/03/30(水) 22:07:10.27ID:yM6v5Rux
新刊でたな
小説の方は汎用性の高そうなネタがゴロゴロしてて嬉しい
ヴィンエコのパパ呼びのプレイを希望
0024名無しさん@ピンキー2011/04/01(金) 01:15:59.82ID:lVliA6TM
バルマ公をずっと女だとおもってた
0025名無しさん@ピンキー2011/04/02(土) 12:57:43.72ID:FED94N0f
>>24
だよな。ずっとではないけど最初はきつめの女秘書的なのかと思ったら、ジジイかよっ?!みたいな

ところで女キャラでできそうなのってこんな感じだと思う。異論は認める

ところで使えそうなキャラって
アリス、シャロン、エイダ、エコー、ロッティ、リリィ、アヴィスの意志、マリーさん、ヴァネッサ、シェリル様
ぐらいかな?
シェリー様とレイシーにも期待したい
0026名無しさん@ピンキー2011/04/03(日) 01:44:33.01ID:zmci7LxW
>>25 良いと思う。バルマ女体化って有りかな?
0027名無しさん@ピンキー2011/04/03(日) 08:56:59.59ID:2mjN43eD
女体化は…好み割れるからなあ
TS系総合とかの専スレに落として、こっちでリンクして誘導、あたりが無難かも

しかしヴァネッサ好きだけど相手が思いうかばん
ヴィンスとかw?
0028名無しさん@ピンキー2011/04/03(日) 19:31:28.42ID:JZpOjKCS
こっちに書くなら注意書きが必要だと思う。でも誘導が無難かなあ

ヴァネッサならエリオットとか?ヴィンスやギルバートでもできないことはないと思う。鬼畜なのがいい
0029名無しさん@ピンキー2011/04/05(火) 02:12:32.23ID:nkb23Sr7
保守
0031名無しさん@ピンキー2011/04/11(月) 20:24:57.52ID:6QoECEz3
ヴァネッサはアーネストとも組めそうな気がするな

リーオ従者にする時にエリオットとリーオでヴァネッサ口説き落とすとか…駄目か
0032名無しさん@ピンキー2011/04/13(水) 00:44:43.22ID:OZ5w76Rn
>>31
体を説得
0034名無しさん@ピンキー2011/04/25(月) 05:53:08.32ID:VRs3/uBH
てっきり落ちたままかと思ってた。
建てた人ありがとう。
ギルアリを途中まで書いてたけどスレも落ちたしと
書くのを止めたけどまた掘り起こすか
0035名無しさん@ピンキー2011/04/28(木) 02:00:38.47ID:shJtMqsk
職人さん一人戻ってきたか、嬉しい、待ってるよ!
ギルアリは本誌でも小説でもどんどん絡み増えてきてるな
11巻まではこんなに距離近くなるとは思ってなかった
0038名無しさん@ピンキー2011/05/15(日) 23:16:01.87ID:PFMeiC9j
小説の方で、アリスの見た目自体は悪くないと思ってる感じだったし、童貞だからこそギルバートには何かできると思ってる
0039名無しさん@ピンキー2011/05/16(月) 01:02:14.34ID:jgkW8FmY
あのスペックでチェリーって悲しいよな
弟は巨乳からロリまでよりどりみどりだと言うのにw
0040名無しさん@ピンキー2011/05/17(火) 00:55:29.09ID:6/KJzDTh
こういう場所で無双するためにいるような奴だしなww
主人公が少年だからあの辺かモブが頑張ってくれないとかな
0043名無しさん@ピンキー2011/06/01(水) 23:45:20.60ID:Y2sJwyVE
怖がってるというか引いてるよねw
落としてやる計画もパーンしたしどうなるんだろう
今の展開見てるとヴィンスにも幸せになってほしいんだけど
0045名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/09(木) 22:01:42.93ID:Dm/MuOaB
誰かいる?
0047名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/09(木) 22:37:40.98ID:Dm/MuOaB
超の付くくらいの微エロで、ついでに長いけど投下OKですか?

あ、ギルアリ(アリギルかも)です。
0049名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 18:25:09.71ID:k7pdWUla
「…………何してるんだ、お前は」
――今日は何て日だ。
勘弁してくれ、と男は小さく呟いた。

・・・

夜。
深まった闇に溶ける漆黒のコートを身に纏い、歩く男が一人。
コートと同じ黒の帽子から覗く眼は鋭く、かつ特徴的な金色の光を放つ。コートの男は手に持った袋に手を当て、温かな感触に僅かに頬を緩めた。――それにしても今日は、本当に疲れた。
男は軋む脚を引きずるようにして家までの道を急いだ。
今日追った違法契約者はやたらと逃げ足が早く、一緒に行動していた仲間三人と連携しても、中々捉え切れなかったのだ。
漸く違法契約者を包囲し、その身を拘束した時には既にたっぷりと夜が更けていた。
三人に違法契約者を任せ、今はこうして凍えながら家に帰っている途中である。

――ここまで手こずるとは、オズを連れて来なくて良かったな。

男は年若い主人を思い、白い息を吐き出した。
怜悧な印象を与える外見とは裏腹に、自身の主人の事となると、途端に心配性になるのが男の性格である。
尤も、この冷え込み具合では、たとえ15歳の少年でなくとも参ってしまう。――現に自分がそうだ。

男はもう一度紙袋に手を当て、階段を上っていった。
この階段を上り切れば、漸く自宅に到着だ。
早く風呂でも浴びて、暖かい紅茶を淹れて安らぎたい。
男は走り回って棒のようになっている足を何とか引き上げ、そして最後の段を乗り越えた。――瞬間。

「…………」

思わず絶句した。
そこに――つまりは自宅のドアの前に、居るはずの無い人物が膝を抱えてうずくまっていたからだ。

「……何してるんだ、お前は」

そして、話は冒頭に戻り。
ギルバート・ナイトレイは頭を抱えたいのを堪えながらそう言った。


・・・


帽子を取ると、黒い癖毛が広がる。
ギルバートは目に掛かった髪を払い、少女を見つめた。
帽子も髪も無い、開けた視界に映るのは一人の少女しか居ない。
赤いコートにタイトスカート、そして三つ編みを両サイドから一筋ずつ作った特徴的な黒髪。
見間違いを期待していたギルバートは、大きく溜め息を吐いた。
何故なら少女――名をアリスと言う――は、ギルバートが最近避けていた相手だからである。
0050名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 18:29:43.75ID:k7pdWUla
「何をボーっとしている。このアリス様がお前の家の前に居るのだ、光栄だと泣いて喜んでいいんだぞ?」

得意げに言うアリスは、ギルバートに不遜な笑みを向けた。
ギルバートはそれに溜め息で応え、腕を組んだ。

「……いいから答えろ。何でここに居る」

現在、チェインである少女はパンドラで常に監視されている筈なのだ。
パンドラから外出許可が出たとしても、まさか一人では行かせまい。
色々な意味で『特別』な存在だとしても――少女の本質は人を食らう異形、チェインである。

ギルバートが顔をしかめながら言うと、少女は明らかに不機嫌な表情になった。

「……偶々お前の家を見付けて、何となく座っていたら、偶然お前が帰って来ただけだ」
「……供の奴らは」
「知らん。どいつもこいつも、勝手に居なくなるなと言うのに何故私から離れるんだ!」

――離れているのはお前だ。

ギルバートはげんなりした気分で頭痛のしてきた額に手を当てた。
少女の放浪癖は、初めて街を案内した時から把握済みだ。
注意力散漫なのは自分だと言うのに、それを周りの所為にするのだから質が悪い。
つまりは、アリスが勝手に迷子になっただけである。

「早く帰れ。今頃レイムあたりが血眼になってお前を探してるぞ」
「帰り道が分からん。送っていけ」
「適当に馬車でも拾えばいいだろう」
「なら、馬車賃を寄越せ。金はもう無い」
「……ッこんの、バカウサギ……! 後先考えずに金を使うからだろうが!」

終わりの見えない応酬に、ギルバートはイライラと吐き捨てた。
上から物を言う態度は相変わらずで、疲れた体をグサグサと突き刺してくる。
気が長い方ではないギルバートは、アリスの首根っこを掴んで玄関前から放り出そうとした。
――その瞬間。

「! お前……」

触れた首筋のあまりの冷たさに、ギルバートは思わず絶句する。
アリスはギルバートに持ち上げられた状態で、激しく暴れながら唸った。

「な、何だ! 離せワカメ頭!」
「煩い、静かにしろ。お前……いつからここに居たんだ?」

ギルバートの問いに、アリスは暴れるのを止め、あからさまに目を逸らした。
よく見れば頬は青白く、華奢な身体は小刻みに震えている。
相当な長時間夜風に晒されていなければ、ここまで身体が冷える事は無い。

「ここを見付けた直後に、お前が偶然帰って来て――」
「嘘吐くな、だったらこんなになる訳が無い。……ったく、世話の焼ける」
0051名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 18:38:24.39ID:k7pdWUla
ギルバートはアリスを下ろし、自分のコートのボタンを外しに掛かった。
震えながら膝を抱え、自分の帰りを待つアリスを想像すると、流石に胸が痛む。
少々煙草の匂いが染みているコートだが、この少女なら気にしないだろう。

「だ、だから! 私は別に」
「我慢するな。震えてるのがバレバレだ」

両の拳を握り締め主張するアリスを、ギルバートはバッサリと切って捨てた。
変な所で意地を張る奴だ、等と思いながら最後のボタンを外す。
そうしてアリスに被せてやろうとした瞬間、少女は急に顔を上げた。

「……なら、我慢しないぞ」
「は?」

そう言うや否や、アリスはギルバートに思い切り抱き付いた。
年頃の少女らしい、未成熟だが柔らかい感触が、腰から胸元にかけてを包む。
一瞬放心状態になってしまったギルバートは、慌てて意識を覚醒させた。

「何を……!?」
「ほら、早くボタンを留めろ。私は寒いんだッ!」

言いながらアリスは器用にギルバートのコートの前を閉じていく。
茫然自失するギルバートを尻目に、着々とボタンは留められ、遂には全てが留まった。
二人が一つのコートにくるまっているような滑稽な状態で、二人は立っていた。

「ふぅ……お前が我慢するなと言ったのだからな、ワカメ頭。今更拒むのは無しだぞ!」
「いや……さっきのは、お前に掛けてやろうと……」

至近距離から上目遣いで見上げてくる勝ち気な瞳から、ギルバートは慌てて顔を逸らした。
自分のシャツを握り締める小さな掌や、脚に絡み付く剥き出しの太腿がやけに艶めかしい。
しどろもどろなギルバートと裏腹に、アリスは上手くやり込めた事にご機嫌だった。

「……ふふっ。暖かいな、ワカメ頭」
「……この状況で、その呼び方は無いだろう」

吐き出した悪態にすら、ほんの三分前の勢いは皆無である。
珍しく自然に頬を緩めるアリスから、ギルバートは目が離せなくなっていた。

――くそ、何でこんなに――。

「何だ? 緊張しているのか、『ギルバート』?」
「――ッ!」

考えを見透かしたようなタイミングで、アリスがニヤリと笑う。
その言葉に偽りは無く、ギルバートの心臓は平生より早い鼓動を刻んでいた。
おまけに、一度も呼ばれた事の無かった名前をこの状況で言われた事で、一段と鼓動が加速する。
思わず閉口するギルバートを余所に、アリスは更に密着し、その胸元に頬を寄せた。
0052名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 18:42:07.74ID:k7pdWUla
「早鐘のようだ。ワカメのクセに、何かいかがわしい事でも考えているのか?」

ニヤニヤと見上げてくるアリスの視線が、ギルバートを捉えて逃がさない。
勿論、ギルバートにそんな考えは無い――が、このままでは理性を保っていられるのも長くはないと分かるのだ。
ギルバートは意を決して顔をアリスに向ける。
絡まった視線に一瞬たじろぐが、ここで退く訳にはいかない。
いつものように喧嘩腰で突き放してしまえばいいのだ――と、ギルバートは息を吸い込んだ。

「――だったら、どうする?」

言った。
大人を舐めるなよ、という挑発的な視線も上手く出来た。
ギルバートは密かな達成感に小さく拳を握った。
因みに、含みの有るような返事をしたものの、ギルバート自身にそういう類の『経験』は皆無である。
要するに先の発言は、完全にハッタリだ。

「…………」
「フン……まぁ、バカウサギには早いって事だな」

アリスは下を向いてしまい、表情が窺えない。
ギルバートは、それを言葉に詰まっているのだと解釈し、更に畳み掛けた。

「分かったらそろそろ帰れ、ガキは寝る時間だろう?」
「…………」
「ああ、一人で帰れないのか。全く――」

子供だな、と言おうとした瞬間、アリスがいきなり顔を上げた。
その表情にギルバートは驚愕し、目を見開く。
頬は仄かに色付き、目は心なしか潤んでいるように見える。
少女とは思えない『媚』を含んだ表情に、ギルバートは言葉を失った。
同時に、冷や汗が流れ出し、収まりかけていた鼓動が復活する。

――もしかしなくても、俺は地雷を踏んだのかッ!?

ギルバートは自身の軽率な言動に激しく後悔しながらも、アリス潤んだ瞳を見詰め返していた。
形の良い薄ピンクの唇が開き、言葉を紡ぐ。

「……肉の匂いだ」


「……………………は?」

アリスは素早くしゃがむとコートの下から這い出し、ポケットを探り始めた。

「あった……! この匂い、肉だぁぁあっ!!」

紙袋を取り出すと、アリスはその中身を確認する。
確かにそれには、いつかも買った露店の肉が入っていた。
あまりの疲れに、自炊する気力が無かったので、出来合いを先程買ったのだ。

「ワカメ、食べていいか!? と言うか、食べさせろ! 拒否権は無いッ!」

爛々と目を輝かせるアリスに、ギルバートは肩の力が抜けるのを感じた。
何の事は無い。
先程の表情は、ギルバートに向けたものではなかったのだ。
0053名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 18:48:08.57ID:k7pdWUla
急に馬鹿らしくなったギルバートは、紙袋を取り上げると、苦笑いした。
そして、今にも噛み付きそうなアリスに、手を差し伸べる。

「食事は、落ち着いてする物だろう?」


・・・


食事を済ませたギルバートは、自室のベッドで本を読んでいた。
アリスは自分よりも随分早くに食べ終えると、風呂に入ると言って出て行った。
量もさることながら、アリスは食べるスピードも凄まじかった。
ぼんやりとアリスの食べっぷりを思い出していると、先程からページを捲る手が止まっているのに気付く。
流石に疲れも限界か、とギルバートは本を綴じた。

欠伸をしながらギルバートが本をベッドの脇に置いた、その時。
急に視界が反転し、ギルバートはベッドに引き倒された。

「ふふん、まだまだ甘いなワカメ。隙だらけだぞ」

上から降ってきた声に、ギルバートは犯人がアリスなのだと理解した。
咄嗟に傍らの銃に伸ばしていた手を引っ込め、ギルバートは顔をしかめる。
しかし――どういうつもりだ、と言おうとして開いた口は、そのまま閉じなくなってしまった。

「……何だ、その格好は」
「何って、お前のシャツだ。あの服のままでは寝苦しいからな」

平然と答えながら、アリスはベッドに飛び乗る。
ギシギシと不穏な音を立てたスプリングにさえ意識が向かない。
何せ、アリスはギルバートのYシャツを羽織ったのみの格好だったのだ。

「……そんなに服を貸すのが嫌か。小さい奴だな」

呆然としているギルバートをどう解釈したのか、アリスはやれやれと首を振った。
しっとりと濡れた髪が艶やかに流れ、シャンプーの匂いが仄かに漂う。
ギルバートは我に返ると、高速で目を背けた。

――なんで、コイツはこんなに無防備なんだッ!!

目を瞑っても、アリスの姿が脳裏から離れない。
シャツから覗く肉付きの薄い太腿や、普段はスカーフで隠れている鎖骨等が、鮮明に焼き付いてしまっていた。
半分眠りかけていた意識が一瞬で覚醒する程に、その姿は衝撃的だったのだ。

「しかし、相変わらず妙に小綺麗な部屋だな。マメに掃除でもしているのか」
「ま、まあな。週に四度――って、オイ! 何してるんだお前は!?」

自分の腰辺りに座り込んだアリスに、ギルバートは慌てて言った。
アリスは首を小さく傾げながら、長い髪をかき上げる。
その仕草に、ギルバートは自身の頬がカッと熱くなるのを感じた。
0054名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 19:25:38.67ID:k7pdWUla
「優しい私は、下僕にマッサージをしてやろうと思ったのだ。
さぁ、うつ伏せになれ!」

アリスが前屈みになると、大き過ぎるシャツから災いして、肌の大部分が露わになる。
ギルバートは目を逸らしたが、幸か不幸か間に合わなかった。

――しっ、下着も付けていないのか!? このバカ、本当に何て格好してるんだ!

バッチリと見えてしまった『突起』に、ギルバートの頭は最早沸騰寸前であった。

小ぶりだが形の良いそれは、少女のと言えど十分に扇情的である。

チラチラと覗く胸に、身体を滑るようにして絡み付く黒髪が、何とも艶めかしい。
「心配はいらん。ちゃんとシャロンから習ったのだ、素人ではない」
「――シャロンが?」

ギルバートは何とか意識を逸らそうと、必死でアリスの言葉に飛び付いた。

「『マッサージ』と言えば、健全な目的で堂々と下僕を脚で踏む事が出来る、と言っていたな」
「……」

ギルバートは、嬉々として相手を踏み付けるシャロンを想像して身震いした。
大層可愛がっているのはいいが、おかしな事を吹き込み過ぎである。

「……おい、俺は脚では御免だぞ」
「私も、流石にそうしようとは思わなかった。普通のマッサージを習ったぞ」

アリスは何とも言えない表情で言うと、『いいからうつ伏せになれ』とギルバートを小突いた。
他愛の無い会話を交わして少々落ち着いたギルバートは、一瞬迷った末にうつ伏せになった。

本音を言えば、仕事で疲労した身体に、マッサージはとても有り難い。
しかし、やはり不安である。
それがシャロンから習ったものと言えば、更に不安も二割増しだ。

「……よし。いくぞ!」

気合いの入った声と同時に、アリスの指がギルバートの肩胛骨に当たる。
思わず身構えたギルバートを尻目に、アリスの指に力が入った。

「なあ、ワカメ。私はいつまでパンドラに収監されていなければならないんだ?」
「……さあ、な」

短く返事をしながら、ギルバートは考える。
最初は主人を苦しめる敵としか認識していなかったが――今では『ただの敵』とは到底見られない。
下手をすれば、このまま一生パンドラに監視されて過ごすかもしれない少女。

ギルバートは、そんな未来を想像して後悔した。

「……まあいい。それより、私の腕はどうだ? 感動に泣き叫びたい気分だろう?」
「誰が泣き叫ぶか、バカ」

元々大した答えを期待していなかったのか、アリスはすんなりと話題を変えた。
0055名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 19:29:42.08ID:k7pdWUla
ギルバートは悪態を吐きながら目を綴じる。
予想に反して、アリスのマッサージは、実際かなり気持ちの良いものだったのだ。
仕事で張り詰めていた筋肉が、どんどん解れていくのが分かる。
心地よさに身を委ねれば、直ぐに眠ってしまいそうだ。

「……ふぅ。こんなものか」

アリスはそう言うと、ギルバートの腰から離れた。
起き上がってみると、体中の関節が驚く程軽快に動く。
ギルバートは肩を回しながら、スッキリした気分で息を吐き出した。

「おい」
「ん?」

不意に声を掛けられて我に返ると、いつの間にかアリスが隣に座っていた。
軽く頭を突き出す少女に、ギルバートはつい笑いをこぼす。

「なっ――何が可笑しいっ!」
「いや、別に……クッ、何でもない」

ギルバートは弛む口元を隠しつつ、詰め寄ってくるアリスに視線を向けた。
ギルバートが最近少女を避けていた理由が、これだ。
過度な触れ合いは情を生み、ただでさえ宙ぶらりんな気持ちを更に掻き乱す。

相手はチェインだ。
敵だ、主に近付く厄だ。
最近アリスにじゃれつかれる度、ギルバート自分にそう言い聞かせてきた。
しかし、今日は――。

「……気持ち良かった。有難うな」

これだけ触れ合っておいて、今更敵も何も無い。
そう判断したギルバートは自然な笑みを浮かべ、アリスの頭に手を乗せた。
艶やかな髪に指を通すと、甘い香りが鼻先を擽る。
途端に大人しくなったアリスは、目を瞑りギルバートの手の感覚に身を委ねているようだった。

「当然だ。私を誰だと思っている」

自信満々な物言いは相変わらずだが、アリスの口調は穏やかである。
ギルバートはまた少し笑って、指先で髪を弄んだ。

「オズやブレイクには、してやらないのか?」
「……お前だから、だ。光栄に思え」

アリスの頭が、ギルバートの胸に当たる。
いつの間にかお互いが近付いていたらしく、今はほぼ密着状態だった。

視線が絡み合う。
お互いの吐息が混じり、無意識に手が重なる。
引き寄せられたように、二人の唇が触れた。

「バカウサギ」
「何だ、ワカメ」
「……せめて、下着は着ろ」
「いいのか? これからの事の『言い訳』が出来なくなるぞ?」

不敵に笑うアリスの頬は、微かに朱がさしている。
――アリスが、こんな格好をしているのが悪い。
頭の隅では確かにそう言い訳していた。
0056名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 19:59:50.74ID:k7pdWUla
そうして自分を正当化しようとしている時点で、理性は事切れていたのかもしれない。

「……誘ったつもりかよ」
「気遣いだ。感謝するんだな、ヘタレ」

ムッとしたギルバートは、腹いせに少々乱暴にアリスをベッドに押し倒す。
しかし、幼い肢体を横たわる瞬間に、僅かに躊躇してしまうのが、ギルバートのギルバートたる所以である。

「……抵抗、しないのか?」
「して欲しいのか?」

その質問は反則だろう、とギルバートは顔をしかめる。
身体は既に臨戦態勢だ。早く休みたい、等と思う気持ちは、最早微塵も無い。

少女を、愛しいと思う気持ちはある。
しかし、それは本物か?
一夜限りの都合の良い物ではないのか――。

ギルバートは、自信が持てずにいた。

「……全く。それだから、お前はワカメなんだ」

クスリと笑い、アリスは平然と毒を吐く。
反論しようとしたギルバートは、手を握られる感覚に一切の動きを止めた。

「そうやって迷って、気遣ってくれるだけで……私は嬉しい」

目を細めるアリスは、本当に嬉しそうに言った。

「誰も居ない。記憶も無い。そんな状況で、唯一近くに居る者達から、害虫のように扱われるのは……嫌、だった」

ギルバートは、アリスに敵意を剥き出しにしていた自身を思い出す。
思い返せば、あんまりな態度だったかもしれない――。最近、少しだけそう思うようになっていた。

「だからこそ、お前が私を想ってくれるようになったのが嬉しい。嬉しくて……切ない」

アリスはギルバートの手を導き、胸元に重ねさせた。

「もう、あんな扱いを受けるのは堪えられそうにない。だから、お前を感じたい」

アリスはギルバートの手ごと、小さな胸に指を這わす。
ギルバートは目を見開くと共に、眼前の淫らな光景に鼓動を早めた。

「でないと……ぁっ、切なく、て……っ」

ギルバートはアリスの唇に自身のそれを重ね、言葉を遮った。

「容赦は、しないからな」

再び唇を重ねると、アリスの目尻から涙が一筋、落ちる。

――切なさなんて、感じさせるか。

ギルバートは意を決して、アリスの唇を舌で割る。
しかし、積極的に求められ、誓った傍からペースを崩された。
ギルバートは内心で畜生と毒づき、そう言えば一度も口にしていなかった一言を口にした。

「――――アリス」

end.
0057名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/10(金) 20:01:06.23ID:k7pdWUla
以上です。長々とすいませんでした。

誰か明るい話の作り方を教えてくれー!
0061名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/15(水) 18:22:42.10ID:DS03RQWS
GJ!!!

続いて申し訳ないのですが・・・
アリス→オズ前提
ギルアリを投下します。
・エロ無
・イメージとしては初期の殺伐していた頃二人
ギル視点
0062ぎるあり12011/06/15(水) 18:27:56.17ID:DS03RQWS
ことの始まりはソファでうたた寝をしたアリスを
見つけた時のことだった。

「おい。バカうさぎ。こんな所で寝てると風邪ひくぞ」

果たして人間ではなくチェインのアリスが風邪など
ひいたりするのだろうか。

そもそもこいつは自分の主人であるオズの命を脅かす存在だ。
それなのにまるでアリスの身を気遣う言葉をかける自分に
矛盾を感じつつもアリスを起こさぬよう横抱きにして寝室へ移動した。

辿り着いた寝室で抱いたアリスをゆっくりとベッドに降ろす。
スプリングの揺れを感じたのか気付くと
アリスはうっすら目を空けていた

「ん…」
「起こしたか…。おまえ・・・」

言葉を遮るように一瞬でギルバートの口は塞がれた。

「!!!」

予想外の展開にギルバートは意識が空へと飛んだ。
わずかに口と口の隙間があいた時、

「オズ…」

かすかにアリスの口からもれた言葉に意識を取り戻しアリスの体を引きはがした。

「やめろ俺だ!オズじゃない!」
「お前はわかめ頭…か」

「お前・・・俺をオズと間違えたがまさかいつもこんなことを?」
「フン 下衆の勘ぐりだな。そんなわけ無いだろうかこのヘタレワカメ頭」
「ヘタレとはなんだ!」
「キスごときでそれほどうろたえるヤツがヘタレじゃないなら誰がヘタレだ」
「この・・ヘタレヘタレ言うな。別にキスでうろたえたわけじゃない」
「じゃあなぜ?」

確かにアリスの言うとおりオズとアリスが契約者以上の関係があるのではと考えたのは事実だった。

「結局誰でもいいんだろうおまえは」


「…っ違う!!」
0063ぎるあり22011/06/15(水) 18:31:09.50ID:DS03RQWS
さっきまで妖しく不敵な表情を浮かべたアリスが一辺して表情を曇らせた。
いつも子どものような無邪気さとは一辺して切なげな愁いを帯びた表情をたまにこいつはするのだ。
その時、微かに俺の心を揺さぶるのだ。



ギルバートはアリスを勢いよくベッドに押し倒し、勢いよくシャツ引きはがす。アリスのシャツのボタンが床に転げ落ちる。

「何を…!」

アリスはのしかかるギルバートを見る。
狂気の光が目に宿っていた。

「やめろ!!!」

アリスの平手は右頬に命中した。

「オレは…」
「一体どうした。さっきのお前はおかしかったぞ」

怪訝そうな顔でアリスは見つめた。
(俺はこいつに何をしようとした?)
自分とは別の意志が勝手に働く恐怖。
それを感じた時、一気に冷水を被せられた気分に陥った。
そして目の前の少女にとんでもないことをしようとしたことに気が付いた。
「おい。わかめ・・・」
「触るな!!」

その時

アリスはそっといまだ焦点の定まらないギルバートに口付けた。

「な…!」
「今度は間違えてないぞ。お前にキスしたんだ」
「おまえって…やつは」
さっきまで顔面蒼白だったギルバートは一気に赤く染まった。
一方のアリスは照れくさそうに背をむけて横になった。

「というわけで私は寝る。もう起こすなよ」

「何がというわけだよ。このバカウサギ」
アリスはすぐに気持ち良さそうな寝息を立てている。
その寝息を聞き薄く笑った。


終わり
0065名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/16(木) 01:08:50.74ID:xx1mtAj8
乙!
シャロンのエロも見たいけど、ギルアリ好きなんで短いスパンで
投下が続いて嬉しい
ただキスの仕方とかどう見てもアリスのほうが男前です、本当にry
ギルアリでアリスが男前なのは仕様なのかw
0069名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/17(金) 12:34:14.59ID:54xT5u62
レイムさんのエロが想像できない。
お嬢様の意外に豊満なボディを丁寧に撫で回したり
モミモミしたり舐め舐めしたりとかしか思い浮かばないyo!
0070名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/18(土) 03:09:23.64ID:YMvyK0QQ
それが思い浮かぶなら正直充分だと思うw
ただ撫で回りしたり前戯だけしてそれでやめるなら、逆にレイムさんの
変態度数があがる気がw
以下今月バレなんで少しスクロール















まだ読めてないけど、ブレシャロ的な展開があったみたいで楽しみだ
0071名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/20(月) 16:00:31.79ID:8sjb/un4
眼鏡に真面目に幼女との絡みに三月兎とそろってて変態じゃなかったらおかしいレベル
その辺を弄るのもエロパロの醍醐味じゃないかWW
0074名無しさん@自治スレで設定変更議論中2011/06/26(日) 23:50:13.11ID:RhuEXcRh
レイムさんはシャロンのザクスお兄ちゃん呼び(オズの入れ知恵)に
言われた当人差し置いて胸キュンしちゃう人だから問題ない
0077名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:02:07.57ID:M8prsFQM
空気を読まずにブレイク×シャロンを投下します。

レイムさん需要が高いみたいだけど、私の想像力では無理ですよこん畜生!!

・相変わらず暗い
・相変わらず長い(それもかなり)
・時系列はシャロンがチェインと契約して直ぐ

となっています。
いくぜ。
0078名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:03:18.80ID:zdTxvmhn
巨大な鏡は磨き上げられ、一点の曇りも無い。
仄かに香る入浴剤の匂いは、薔薇の物だ。

四大公爵家の一つ、レインズワース家の浴室。
シャロン=レインズワースは、体重計を睨んでいた。

使用人達を追い出し、一人となった彼女は、溜め息を吐く。
額には年齢に似つかわしくない皺を寄せていた。

「…………やっぱり」

表示された数字は、三ヶ月前と全く変わらない。
一般的な女性にとっては喜ぶべき事なのだろう――しかし、シャロンは喜べなかった。

「お嬢様、どうされました? 随分と難しい表情をされていますネェ」
「はぁ。……否定すべくもありませんわ」

シャロンはもう一度、大きく溜め息を吐き出した。
予兆はあった。

シャロンは、自身の食事には相当に気を配っていた。
自分が燃費が悪いのか皆そうなのかは知らないが、油断すると直ぐに体型に変化が現れるのだ。

しかし、三ヶ月前からどうにも妙だった。
あれほど慎重にしていた事が嘘のように、どんな食事をしても体型の変化がまるで無い。
思い切ってケーキを三つも食べてみたが、それでも変わらなかったのだ。

恨めしそうに体重計を睨み、シャロンはアップにしていた髪を解く。
鬱々しい気分を払うようにして首を振ると、細かい滴が飛んだ。

「ダイエットですカ? 女性というのは大変ですネェ」
「ええ……本当に。ですが私は――え?」

シャロンは、今更ながらに気付いた。
――自分は誰と会話しているのだろう。

顔を上げると、予想通りの赤い右目が有り。

シャロンは燃え上がるように一瞬で真っ赤になると、叫びながらハリセンを振りかざした。

・・・

「……はぁ、はぁ……それで、何故貴方が、ここに居たのですかっ」

シャロンはハリセンを暗黒化して消し、自分を辱めてくれた男に詰め寄る。
男は散々殴られた頬を押さえながら、シャロンの剣幕にも動じず軽く笑った。

「実は、最近瞬間移動という物に挑戦し始めまシテ」
「また手品ですか……なら、現れる場所くらい選んで下さい!」

真っ赤になって怒るシャロンにまた笑い、男はポケットから飴を取り出す。
道化師のような格好のこの男が、仮にも貴族の使用人だと誰が信じるだろう。
0079名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:04:35.30ID:zdTxvmhn
「浴室に侵入するなんて、最低です! ブレイク、反省していますか!?」
「えー……でも、お風呂当番の皆さんが、廊下で世間話をしていたものですカラ。お嬢様もとっくに上がって、誰も居ないものだと」

飴を口に放り込みながら、男がモゴモゴと言った。
そう言われると、シャロンにも非があるのを認めざるを得ない。
使用人を追い出したのは自分なのだ。

「それに、まさかお嬢様が下着姿で体重計と睨み合いしているなんて、露とも……」
「い、言わないで下さいっ!」

面白がるように言うブレイクに、シャロンは再び赤面する。
殆ど裸に近い格好をああして数分間も見られ続けていたとは、考えるだけでも恥ずかしい。
シャロンは火照った頬に手を当て、ブレイクを睨んだ。

「しかし、お嬢様も存外……。ドレスでも見せないので、自信が無いのか勝手に思っていましたガ」
「何の話ですかっ! ……もう」

言いたい事はまだまだあったが、シャロンは諦めて口を噤んだ。
この男――ザークシーズ=ブレイクの性格は、昔から一緒に居た自分が一番良く知っているからだ。

「しかし、お嬢様と違って私は瞬間移動の初心者ですヨ? 場所を選ぶなんて高等技術、チェインの力が無いと出来まセン」
「――!」

床を――正確には影を靴の爪先でつつきながら、ブレイクは言う。
シャロンは思わず絶句し、ブレイクを呆然と見詰めた。

チェインの力――そう言われて思い付くのは、三ヶ月前の事のみである。
三ヶ月前、シャロンは『契約者』となった。
手に入れたチェインの能力の一つは――影を使った、瞬間移動。

「……成長が、止まりましたカ?」

ブレイクは感情の籠もっていない声で呟く。
シャロンはブレイクから目を背け、唇を噛んだ。

契約の影響が出るか否かは、運次第と言う他に無い。偶々『そうなった』だけなのだ。

シャロンの肉体の成長は、十三歳を以て止まった。
身長も体重も、あらゆる面から調べたが、それは覆す事の出来ない事実であった。

「お嬢様」
「……っ」

ブレイクの言葉に相変わらず色は無く、つい先程までふざけていた男とは別人のように静かである。
シャロンはブレイクに背を向け、目を瞑った。

やめて。――やめて!
聴きたくない。

「申し訳ありません」

他人行儀な程に丁寧な言葉が部屋に反響する。
ブレイクは脱衣場のドアを開けると、一言も発さずに出て行った。
0080名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:24:06.59ID:JG9+kA7Q
イイヨイイヨー
ここで続く?それとも連投規制かかった?一応支援してみる
0081名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:30:46.48ID:zdTxvmhn
急に力が抜け、シャロンは床に座り込んでしまった。
得も言われぬ孤独感が、無防備な身体に襲い掛かる。

堪え切れなかった涙が、床に落ちた。

・・・

ブレイクは、シャロンに過酷な道を強いてしまったと、己を責めている。
ブレイクの唯一の友人と、シャロンの意見はそれで一致した。
あの日以来、ブレイクはシャロンと碌に目も合わせなくなり、どこか蟠りのある状態が続いている。
聞けば、仕事場に入り浸っているらしい。
あのブレイクが進んで書類整理を、と周りも驚いていた。

『彼奴は、シャロン様の事を常に一番に考えています。どうか、怒らないであげて下さい』

彼は穏やかに微笑みながら、そう言った。
シャロンが彼の背中の、『眼鏡こそ我が人生』という張り紙の存在を教えると、言った傍から激怒していたが。

(そうは言っても、今の状況では……)

シャロンは沈んだ気分で溜め息を吐いた。
会ってくれないのに、何をどうすればいいのだ。

(私と会うのが、そんなに嫌なのでしょうか……)

普段は適当にあしらっている仕事に没頭してまで。
そう思うと、シャロンの気分は更に落ち込んだ。
ずっと一緒に過ごしてきたブレイクの不在は、シャロンに暗い影を落としていた。

「――シャロンちゃん。どうしたの?」
「え?」

祖母の声で、シャロンは初めて食事中だった事を思い出した。
見れば、皆は既に食べ終わっているのに、シャロンの皿は料理がまだ残っている。
と言うよりは、全く手付かずの状態だった。

「食欲が無いの?」
「いえ。……平気です」

シェリルはシャロンに心配そうな表情を向けた。
祖母に見詰められると、自分の内面を見透かされているようで落ち着かない。
シャロンは食事に集中しようとするも、結局フォークを置いてしまった。

「顔色が悪いわ。今日はもうお休みなさいね?」
「……すみません」

シャロンは小さく頭を下げると、席を立った。
頑張って食事を作ってくれた料理人には申し訳ないが、今は本当に食欲が無い。
祖母の気遣う視線に見送られ、シャロンは部屋から出た。

「シェリル様、バルマ公がご到着のようです」
「あら。ルー君ったら早いわね〜」

部屋の中からは、祖母と使用人の話声が聞こえた。
シャロンはそそくさと部屋を後にし、自室へ急いだ。

このままでは、皆に気付かれてしまう。
自分一人の為に気を遣わせるのは忍び無いだろう。――もっと、しっかりしなくては。
0082名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:32:56.60ID:zdTxvmhn
毅然として振る舞っていれば、ブレイクも見直してくれるかもしれない。
未練がましくそう思いながら、シャロンは自室のドアを開けた。

「……え?」

シャロンは、思わず息を呑んだ。
理由の一つは、そこに『先客』が居た事。

そして、二つ目は。

「やぁ、どうも。今回は上手く移動出来まシタ」

平然とシャロンのベッドに腰掛けているのが、ブレイクその人だった事だ。

「ど――どうして」

シャロンはやっとそれだけ言うと、ベッドに近付いた。
言いたい事は山ほどもあった筈が、全て言葉にならずに消えていく。
ブレイクは微笑み、いつものように飴を取り出した。

涙が、出そうになる。
会わなかったのは数日だと言うのに、今こうして向かい合っている事が懐かしい。
シャロンは胸の高鳴りを抑えつつ、ブレイクを見詰めた。

「お別れを告げに参りまシタ」

飴を手で弄びながら、ブレイクは軽い口調で言う。
剰りに自然な態度に、シャロンは反応が遅れた。

「明日からバルマ公に仕える事になりまシタ。全く荷造りが面倒ですヨ」

世間話でもするかのように、ブレイクは笑った。
高鳴っていた鼓動は止み、額に汗が浮かぶ。

――嘘。そんな筈無い。貴方はバルマ公を嫌っていたのに。

「どうして……ですか」
「向こうの『環境』が良いからですヨ」

シャロンを見る赤い瞳は冷たく、一切の容赦が無い。
言外に自分が原因だと言うブレイクに、シャロンは言葉を失った。

やはり、自分は子供だったのだ。
半端な覚悟で契約し、迷い、周りに心配を掛け、ブレイクには失望された。
『見直してくれるかもしれない』とは、笑わせる。
ブレイクの袖を握り締め、この世の終わりのような顔をしている自分は、限りなく子供だった。

「お願い、します。どんな事でもします……だから……っ」

嫌わないで。
そう言おうとした唇を手で塞がれ、シャロンはブレイクを上目遣いに見詰めた。
そして、絶句した。
赤の眼差しには何の感情も無く、人間のそれと思えない程に怜悧だったのだ。

シャロンの瞳から涙が溢れた瞬間、ブレイクは動いた。

「なら、好きにさせて頂きましょうカ」

背中に、固い床が触れる感覚がした。
0083名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:34:56.76ID:zdTxvmhn
ブレイクは、忍び足で屋敷の裏手を歩いていた。

何故正面ではなく、と言えば、理由は至って簡単である。
ブレイクは、ルーファス=バルマと会いたくないのだ。

(アホ公爵め)

帰りたくない所を渋々帰って来ていると言うのに、何故こんな時に限って訪問してくれるのか。
迷惑極まりない話である。
ブレイクは苦虫を噛み潰したような思いで部屋へ急ぐ。
最近お気に入りの飴を噛み砕いた所で、その脚が止まった。

「……」

目の前にある窓は、主の部屋の物だ。
ブレイクはキリキリと痛む胸を押さえ、静かに目を綴じた。
自分を慕う少女を避けて逃げ回る等、我ながら最低だとは思う。
しかし、シャロンにこれ以上何かを失わせる訳にはいかない、とも思うのだ。

自分の役に立ちたいと言う彼女が震えながらもチェインと契約を結んだ時――ブレイクは、素直に嬉しかった。
大罪を犯したこの身を受け入れてくれ、更には慕ってくれるシャロンを愛しいと思った。

だが、あの夜のシャロンを見て、ブレイクは思い知った。
一人の少女に犠牲を強いてしまった事を。
自分とこれ以上関われば、再び何かを失わせてしまう事を。

失わせた物が、もしも『命』だったら。

(これでいいんだ)

ブレイクは独りごちて、ゆっくりと目を開ける。
後悔を振り払うように首を振り、窓に背を向けた。

しかし、その時――小さな音が聞こえ、ブレイクは思わず脚を止めた。

「……どんな事でも……から……っ」

耳に届いた声はか細く――否、悲痛と表現した方が正しいか。
ただならぬ気配に、ブレイクは脚を方向転換させた。
今にも泣き出しそうなシャロンの声が聴こえる。
何かが変だ――そう思い杖を取った瞬間、ドサリという音と、息を呑むような悲鳴が洩れた。

「ッ!」

一瞬にして、頭に血が昇る。
考えるより早く、ブレイクは窓を割り、部屋に飛び込んでいた。

「貴様……ッ」

電気の消えた暗い部屋で、シャロンが男に押し倒されている。
怒りに身を任せ剣を抜いたブレイクは、躊躇い無く男に突き付けた。

此方を向いた顔に、流石のブレイクも狼狽する。
何せ、シャロンを押し倒していたのは、自分と瓜二つの影だったのだ。

「……兄……さん?」

シャロンの声が、頭を素通りする。
ブレイクはもう一人の自分を警戒しながら、必死に頭を回転させた。
そして、思い至った。
0084名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:46:34.72ID:zdTxvmhn
ブレイクは二人を引き剥がすと、偽の自身を突き飛ばして距離を取る。
主の無事を確認するや否や、有りっ丈の殺気を相手に叩き付けた。

「下衆な幻を差し向けてくれる」

一言毒づいて、ブレイクは一気に距離を詰めた。
素早く剣を構え、懐に入った瞬間に相手を斬り上げる。
切り裂かれた影は、苦悶の呻き声を上げて消滅した。

「兄さ……」「来なさい」

シャロンの言葉を遮り、ブレイクは細い腕を乱暴に掴む。
部屋を飛び出すと、引き摺るように廊下を歩いた。
頭に昇った血は、未だ煮え滾っている。
主の無事に安堵すべき時の筈が、ブレイクの内心では怒りの炎が燃えていた。
自室のドアを突き破るように開け、シャロンを引き摺り込んだ。

「どういうつもりです?」

シャロンは応えない。
顔を俯け、視線から逃れようとする彼女に、怒りは更に燃え上がった。

「私と偽物の区別もつかず、その上無抵抗で押し倒されていたんですか?」

酷い嫌味だ。
只の嫉妬でしかない事は、ブレイク自身が分かっていた。
――自分から離れておいて虫の良い言い草だな。
幻影とは違う自分が、内心でブレイクを嘲った。

「私が止めに入らなければ、今頃……」
「――兄、さん」

漸くシャロンが発した言葉は小さく、夢のように儚かった。
ブレイクは反射的に口を噤み、シャロンを見下ろす。
怒り心頭の状態でも、主を気遣うような視線で見ている自分が居た。

「本当の、兄さん……?」

シャロンが顔を上げた瞬間、ブレイクの怒りは一瞬で消えた。

その瞳に浮かぶのは、恐怖。
蒼白になったシャロンの頬は病的な程に白かった。
当然だ――怖くない筈が無い。
無抵抗だったのではなく、『抵抗が出来なかった』のだろう。
握り締められたスカートは、皺になっていた。

「……はい。本物です」

殺伐としていた心が落ち着いていく。
ブレイクは無意識の内にシャロンの頭に手をやり、柔らかな髪を撫でていた。

「……っ。兄さん……っ」

シャロンの瞳から涙が溢れ、白い頬を伝う。
ブレイクは唇を噛むとシャロンを抱き寄せ、不器用に背中を撫でた。

「すみません。……ごめん、シャロン。もう大丈夫だよ」

精一杯優しく、ブレイクはシャロンの華奢な体躯を抱き締めた。
0085名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:51:43.78ID:zdTxvmhn
恐怖から抜け出したばかりの彼女に苛立ちをぶつける等、無神経にも程がある。
更に言えばアホ毛の襲撃は、自分が傍に居れば防げた筈だ。
子供なのは私の方だ。――ブレイクは何度も謝りながら思った。

「……怖かった……っ。体が、うごかなくて……っ」

シャロンはブレイクの服を握り、彼の肩に顔を埋めて泣いた。
小さく体を震わせるシャロンの姿に、ブレイクの胸が熱くなった。

この人の涙を見たくない。
ブレイクは堪えきれず、感情のままシャロンをきつく抱き寄せた。

(私もヤキが回りましたネェ)

シャロンの体温を感じながら、ブレイクは密かに苦笑いした。

・・・

漸く泣き止んだシャロンは、目尻の涙を指で拭った。
ブレイクが居なければ、と考えるとゾッとする。本当に怖かったのだ。

「お嬢様。一つ、謝りたい事が」

神妙な様子のブレイクに、シャロンは顔を上げる。
先程の偽物の話が頭に過ぎり、思わず手を握り締めた。
まさか、本当にバルマ公に――。

「窓を割ってすみませんでシタ。瞬間移動している時間が無くテ」

違った。しかも、些細過ぎて忘れていた事だった。
シャロンは安堵し、同時に小さく笑った。
普段なら窓を百枚割っても平気そうな彼が、珍しく殊勝である。

「許します。その位、慌てていたのでしょう?」
「……まあ……そうなりマス」

歯切れの悪いブレイクにクスクス笑いつつ、シャロンは少し固い胸に頬を預ける。
普段は飄々としている分、貴重な光景だ。

「お話しするのも久しぶりですね。兄さん」
「……そうだね。シャロン」

名前を呼ばれた瞬間、胸元が熱くなる。
その熱さをそのままに、シャロンは意を決して頬を胸から離すと、ブレイクを正面から見詰めた。
赤い目も、白い髪も、ふざけているようで真剣な眼差しも、微かな飴の匂いも――怖くない。

(怖く、ない)

幻影とは違う、暖かさが確かにあった。

「兄さん、大好き」

口にした途端に恥ずかしさが込み上げたが、我慢してブレイクを見詰め続ける。
暫しの間が空き――予想外な事に、ブレイクが先に目を逸らした。

「距離を置こうなんてした、私が馬鹿だったのか」
「?」

ブレイクの独白はシャロンには届かずに、闇に消える。
シャロンは首を傾げて、ブレイクの様子を窺った。
0086名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 00:59:01.35ID:zdTxvmhn
「兄さん――?」

問い掛けようとした言葉は、文字通りブレイクに飲み込まれた。
塞がれた唇から伝わる熱が全身に染み渡り、頬が火照る。
ブレイクの唇は仄かに甘く、飴の味がした。

熱い。――甘い。
シャロンは唇を離したブレイクに自分から口付け、首に手を回した。
もっと欲しい。もっと愛して欲しい。もっと、この熱を感じたい。

「……は……ぁっ」
「意外に積極的だね、シャロン」

長いキスを終え、息を荒くするシャロンに、ブレイクが茶化すように言う。

「兄さんの唇……甘い、から」
「……ッ。反則だよ」

ブレイクはシャロンを抱き上げ、簡素な寝台に運ぶ。
無機質な冷たさに、火照った身体が震えた。

「あ……」

纏めていた髪を解かれ、ベッドに優しく横たえられる。
先程とは全く違った感覚に、シャロンは戸惑った。
嫌ではない。寧ろ、期待している。

「シャロン」
「はっ、はい!」

ブレイクの熱っぽく掠れた声が、耳を熱くする。
緊張で声を上擦らせたシャロンに、ブレイクは小さく笑った。

「有難う。私を愛してくれて」

ブレイクの唇がシャロンの額に落とされる。
増していく胸の熱さに、シャロンは泣きそうになった。

「……っ」

服の上から胸を優しく撫でられ、シャロンは思わず身を強張らせる。
緊張で固まっているシャロンに構わず、ブレイクは手を滑らせた。

「……やっぱり、意外とある」
「そ、そんな事、言わないでいいですっ」

大きさを確かめるように撫でるブレイクは、妙に感慨深げだった。
シャロンは頬を染め、抗議の視線を送るも、簡単にかわされた。
歳の割にシャロンは発育の良い方なので、ブレイクの測定は正しいのだが。

「『今』は、重要な事さ」
「〜っ!! ん、んん……っ」

唇を塞がれたシャロンは、衣服がはだけられていくのを感じた。
ブレイクの言葉で、今になって羞恥心が一気に押し寄せる。

(私、今……いっ、いやらしい事を……)

数秒で上半身を剥かれ、火照った体が外気に触れた。
入浴を済ませていた故に薄着だったのは、幸か不幸か。
0087名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 01:00:07.27ID:zdTxvmhn
「み、見ないで……っ」

シャロンは胸元を隠し、ブレイクの視線から逃れようとする。
しかし、ブレイクの方が数枚上手だった。
彼は静かに手の位置を下げると、不意に太股に触れたのだ。

「ゃ……っ」
「甘いよ、シャロン」

咄嗟に意識が下半身に向いた瞬間、ブレイクは目にも留まらぬ速さでシャロンの両手を捕まえる。
遂に胸を直に見られてしまった事に、シャロンは羞恥から消えてしまいたかった。

形は歪ではない、と思う。
頂の蕾の色も大きさも、普通の筈だ。
しかし、ボリュームの面では圧倒的に迫力不足。
歳の割には大きめとは言え、とても魅力的とは言い難い。子供の胸だ。

「兄さん……見ないで」
「……どうして?」

涙を浮かべるシャロンに構わず、ブレイクは尚もシャロンの胸を見詰めた。

「私には、魅力的過ぎるよ」

ブレイクは呟き、シャロンの胸に触れた。
大きな手が、優しく、解すように胸を揉む。
時折、指が頂を掠める度、シャロンは必死で声を抑えた。

「……ぁ、やっ……」

嬉しい。
自信が無かった胸を、魅力的だと言ってくれた。

シャロンの頬が火照りを増し、声にも艶が混じり始めた。

「に、にい……きゃうっ!」

突然胸元に吸い付かれ、一際高い声が上がる。
ブレイクが唇を離した時には、右の胸に赤い跡が付いていた。

「飴よりも、よっぽど甘い」

ブレイクは薄く笑って、シャロンの胸を愛撫する。
右手で桜色の突起を弄りながら、左手はゆるゆるとシャロンのヒップを撫でていた。

「に、兄さ……ぁっ、むね、いじめ……ないっ、で……っ」

聴いた事の無い程高い声が、自分の喉から上がる。
今や身体は燃えるように熱く、シャロンはブレイクに触れられる度に反応を示した。

「ごめん、シャロン。脱がすよ」

ブレイクはシャロンのスカートを取り払い、自身も上着を脱いだ。
最早、身に着けているのは下着一枚のみだ。
0088名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 01:05:34.96ID:zdTxvmhn
この先は、まだ誰にも見られた事の無い領域だ。

「……っ、はぁ……っ」

漸く愛撫の手を止められたシャロンは、息も絶え絶えな状態だった。
全身が熱く、身悶えするような甘い疼きが腰から下にのし掛かっている。
その疼きがどこから発せられる物かは、シャロンにも分かった。

「身体は大丈夫かい?」
「……何、とか……」

実際は、大丈夫でないのは疼きの所為で、身体的負担は寧ろ少ない。早く続きを、と望む身体と、はしたない真似は出来ないと諫める理性が、せめぎ合っていた。

「これから先は、もう後には退けない行為だ」
「……はい」
「後悔、しないかい?」

ブレイクの真剣な瞳が、シャロンを真っ直ぐに射抜く。
汗を浮かべるブレイクの表情は、今まで見た事の無い程に艶やかだ。

シャロンの好きな赤い眼差しが、手を伸ばせば触れられる距離にある。
愛しい気持ちが溢れ、シャロンはブレイクの頬に手を当てた。

(後になんて、退けなくていい)

先程のブレイクを真似るように、口付けで返事をする。
シャロンの答えに、ブレイクも情熱的に応じた。

「……ふぁ……ん」

舌を絡ませ、手を握り、お互いを激しく求め合う。
ブレイクの手が最後の一枚を脱がし、シャロンはとうとう一糸纏わぬ姿を晒していた。

「……あ……ん」

唇が離れた途端、無意識に名残惜しむような声が洩れる。
ブレイクの視線を身体の末端に感じながら、シャロンは唇を震わせた。

(濡れて……る)

ひんやりとした感覚から、シャロンは自身が反応していた事を改めて自覚する。
ブレイクも同じように思っていたのか、短く息を吐いた。

「……参考までに聞くけど、初めてかい?」
「あっ、当たり前ですっ!」

何の参考だ。
ブレイクの質問の意図が分からないシャロンは、顔を赤らめて言った。

「光栄だね」

クスリと微笑んだブレイクが、シャロンの下腹部に指を這わす。
溶け出しそうに熱を帯びたそこは、指の動きに合わせて音を立てた。

「……っ! あ、や、ダメです……っ、ん」

下腹部からの刺激を受ける度、電流が流れているような感覚に陥る。
今までとは比べ物にならない快楽に、シャロンの背中が仰け反った。
0089名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 01:06:34.03ID:zdTxvmhn
「可愛い声が聞けるようになったね」
「知っ……らな、やぁっ!」

そう言いながら、シャロン自身も驚いていた。
押し寄せる快楽が、大き過ぎる。
初めてでこの順応振りは、喜ぶべきか悲しむべきか。

「にいっ、さんの……ぁ、お気に、召しますか……っ?」

シャロンが苦しい呼吸の中で問うと、ブレイクは無言で唇を重ねる。
柔らかい白髪が頬を擽り、シャロンは堪らなくなった。
息が苦しいのも忘れて、夢中でキスに応える。
その時、急に頭の中で閃光が走った。

「あ……変、です……っ。何か、来る……っ!」

淫らな水音が部屋中に反響し、シャロンは羞恥心から顔を隠す。
初めは小さかった光は、頭の中で肥大化していった。
ブレイクが首筋に吸い付き、声が上がる。
自分の中に指が沈み込み――その瞬間、光が炸裂した。

「あ、ダメ……兄、さーーーーっっ!!」

咄嗟にブレイクな頭を抱き締めて、シャロンは達した。
頭が真っ白になり、勝手に腰がガクガクと震える。
初めて味わう絶頂に、シャロンは快楽で気絶しそうだった。

「大丈夫?」
「は……い」

余韻に身体を震わせながら、シャロンは何とか答える。
薄目を開けると、ブレイクがスカーフに手を掛けているのが見えた。

「……兄さん?」

ブレイクは、そのまま姿勢で固まっていた。
俯いているので表情は窺えず、言葉も発さない。

息を整えつつ、シャロンは白髪を優しく撫でる。
数秒の後、漸くブレイクは顔を上げた。

「……ごめん」
「きゃっ!?」

一言呟き、スカーフを一気に取り去ると、ブレイクはシャロンの脚を開いた。
突然の事に驚き、シャロンは声を上げる。
事態に追い付いた頭に、遅れて羞恥心が生じた。

「や……兄さん、そんなに、開いたら……」

己の其処が、口を開けている感覚に、シャロンは真っ赤になった。
疼きは消えておらず、刺激を求めて震えているのが分かる。
触れられてもいないのに溢れ出てくる蜜が、シーツに伝った。

「シャロン」

言葉が聞こえたと同時に、粘膜に熱い塊が触れた。
それが何なのか分からない程初ではない。
シャロンは動悸がする胸を押さえた。
0090名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 01:08:52.08ID:zdTxvmhn
(熱い)

初めて見るそれは大きく、シャロンの身体にも劣らぬ熱を帯びていた。

(兄さんも……?)

自分と同じく、快楽を欲して疼いているのか。
そっと手で触れると、激しく脈打っていた。
早く、この疼きが無くなるなら――。

「……来て、下さい。兄さん」

シャロンは微笑み、手を伸ばす。
意図を察したブレイクがその手を握ると、暖かな安心感が胸に落ちた。
指を絡め、お互いがしっかりと握り合うと、ブレイクは腰を進め始めた。

「責任は、ちゃんと取って下さいね?」

シャロンがそう言うと、ブレイクはシャロンの頬を撫で、曖昧に微笑んだ。
赤い瞳が僅かに揺らいだ気がしたが、次の瞬間には何も考えられなくなった。

侵入してくる異物感に、シャロンは息が詰まる思いで耐えた。
十分に出来上がっていたお陰で最初はスムーズに進んでいたのだが、途中から進行が鈍る。
シャロンが不思議に思った瞬間、激痛が走った。

「!! 痛……っ!!」

今更ながら、シャロンは膜が破れたのだと理解する。
何も考えられない程の痛みに、必死で悲鳴を抑えた。
二人の体格差の所為か、受け入れるのは簡単ではなかった。

「シャロン……ッ、力を、抜いて」

ブレイクが、苦しそうな声で言う。
いつになく余裕の無い姿に、シャロンは目を見開いた。

「っ……ザクス、兄……さ……っ!!」

シャロンはブレイクの手を固く握り締めた。
強請るように引き寄せると、貪るようにキスをされた。

「ゃ……ふぁ、あん」

舌が絡まり、混ざり合った唾液が零れる。
シャロンはキスに集中し、痛みを忘れようと夢中でブレイクを求めた。

「は……ッ。……入ったよ」

唇を離したブレイクが、息を乱しながら微笑んだ。
シャロンはきつく綴じていた目を開け、恐る恐る下腹部を覗き込んだ。――本当に、入っている。
シャロンは呆然と結合部を見詰め、そこでシーツに飛んだ赤い色に気付いた。

「……初めてを、頂きました」

視線に気付いたブレイクが、冗談めかして言う。
シャロンは破瓜の証とブレイクの顔を交互に見比べた。

「い――頂かれ、ました」
0092名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 08:10:15.34ID:zdTxvmhn
「まだ痛い?」
「……はい、少し」

強がっても簡単に見抜かれると思い、シャロンは正直に答えた。
下腹部が重く、鈍痛が引かない。
だが――。

「嬉しいです。兄さん」

心からそう言うと、ふわりと抱き締められた。
優しく髪を梳かれると、愛おしい気持ちが溢れて止まらなくなる。
無意識の内に泣いていた事に気付き、シャロンは小さく笑った。
初めてを捧げた時ではなく、抱き締められて涙する自分が、何やら可笑しかった。

「シャロン?」

泣きながら笑っている自分は、何とも奇妙だろうとシャロンは思う。
不思議そうなブレイクの耳元に、シャロンは唇を寄せた。

「動いて下さい。好きな様に……」

耳に口付けて囁くと、凄まじい速さで視界が反転する。
押し倒されたのだと気付いた時には、ブレイクの腰が動き出していた。

「んっ……あんっ!」

出し入れを繰り返される度、鈍い痛みが走る。
しかし、それすらも甘い快楽としてシャロンに襲い掛かり、嬌声が上がった。

「兄、さん……おかしく、私、おかしくなって……やぁっ!」

胸の頂を口に含んで転がされ、シャロンは身体を逸らした。
淫猥な水音が絶え間なく響き、寝台のバネが軋む。
茹だった体は、今やシーツが擦れる感覚にすら快感を覚えていた。

「シャロン……そろそろ、限界……ッ」

ブレイクは掠れた声で告げると、動きを早める。
露出した陰核に触れられた瞬間、シャロンの頭の中で星が弾けた。

「いや、あっ、駄目で……んっ! それ、ダメ……っ!!」

強烈な刺激に、シャロンは最早声を抑えていられなくなった。
高まっていく自分に気付きつつ、ブレイクの手を握り締める。
大声で喘ぎ、反応し、唇を求め――。

(私……こんなに、いやらしいなんて……)
0093名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 08:12:38.71ID:zdTxvmhn
シャロンの目尻から、涙が一筋流れる。
ブレイク自身が最も深い部分にコツンと触れた瞬間、シャロンの身体は限界に達した。

「だ……め……っ、兄さん、あっ、私――――っっ!!」
「シャロン……くッ!!」

瞼の裏で閃光が炸裂し、シャロンは今までで一番高い声を上げる。
一瞬遅れて、中にあるモノが波打ち、精が吐き出されたのが分かった。

「はぁ……ぁっ」

シャロンは熱の覚めやらぬ肢体を投げ出し、荒い息を吐く。
最後に見たのは、何故か泣きそうな表情のブレイクだった。

・・・

ブレイクはシャワーを浴びると、新しい服に袖を通す。
必要最低限に身形を整え、ブレイクは部屋のドアを開けた。

「あら、ザッ君。早起きね」

急に開けたにも関わらず、全く動じた様子が無い。
扉の向こうに立っていたシェリルを、ブレイクは溜め息混じりで迎え入れた。

「全く……。選りに選って、バルマ公に頼らずともいいでしょう」
「ふふ。本当に、ザッ君はルー君が嫌いなのねぇ」

笑い事ではない。
ブレイクは悪びれないシェリルに頭を抱えた。
一歩間違えれば孫娘の貞操が危なかったと言うのに、大した図太さだ。

「私が帰って来るのを見計らって、あの幻影を差し向けたのでしょう? 正面入口でバルマ公を出迎えたのも、私が裏に回ると踏んで」
「追加すれば、貴方に割り当てられる仕事の量を調整したのも私――じゃなくてルー君よ」

道理で、友人が泣きながら大量の仕事をこなしていると思った。
ブレイクは苦い気持ちで、内心友人に合掌した。

「ああでもしないと、シャロンちゃんを本気で一生遠ざける積もりだったでしょう? 仲直り出来たなら、結果オーライね〜」
「……」

そこを突かれると、閉口する他無い。
主の気遣いとなると突っぱねる訳にもいかず、ブレイクは目を背けるだけに留まった。

「……刻印は、見せたの?」

シェリルは、すやすやと眠るシャロンに視線を投げつつ、静かに聞いた。
――バレてましたか、と呟き、ブレイクは胸に手を当てた。

「私は、答えられませんでした」

責任を取って下さい、と言った、シャロンに。

ブレイクは左胸に当てた手を握り締めた。
0094名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 08:14:23.40ID:zdTxvmhn
「話せなかったのです。刻印の事も、私の命が長くない事も――」

服に手を掛けた所で迷っていた自分に、シャロンは気付いただろうか。

「私がシャロンを遠ざけた、本当の理由も」

死にゆく自分が何を馬鹿な事をと、何度も忘れようとした。
それでも無理だった。
『貴方の役に立ちたい』と言ったシャロンの決意を知った時には、もう誤魔化せない所に来ていた。

――彼女を、愛してしまった。

「ザッ君……」
「……すみません。今は……」

最後まで言わぬ内に、シェリルは立ち上がっていた。
流石に長い付き合いなだけに、言葉を交わさずとも分かっている。
シェリルはシャロンの髪を撫でると、振り返らずにドアに手を掛けた。

「……シャロンは、あれで鋭い子だわ」

ドアが閉まる寸前に、シェリルが凛とした口調で言う。
反射的に背筋を伸ばしたブレイクは、威厳に満ち溢れた言葉に息を呑んだ。

「――気付いていないから隠し通そうなんて、過信しちゃ駄目よ」

シェリルはそう言い残し、部屋から出て行った。
残されたブレイクは、呆然としながら瞬きを繰り返した。
身体中を動揺が駆け巡る。

何時だ。そして、何にだ。
あの物言いでは、シャロンは自分の隠している事の何かに気付いているらしい。

まさか、やはりあの状況で服を脱がないのは不自然だったのか――。

(……ん?)

視界の隅で何かが動いた気がして、ブレイクは視線を向けた。
ベッドのシャロンは、安らかな寝息を立てている。
――と、思っていたら、小さく動いた。

「……起きてる?」

呆然と呟くと、シャロンが今度こそギクリとする。
ブレイクは嘆息し、額に手を当てた。

(成る程――それで、『気付いている』か)

合点が行くと共に、急に笑いが込み上げて来た。
まだ子供だと思っていたら、自分は彼女の狸寝入りにまんまと騙されたのだ。
ブレイクは苦笑いしながら、ベッドに近付き腰掛けた。
0095名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 08:15:58.41ID:zdTxvmhn
「いつから起きていたんだい?」
「……刻印が、と話している所からです」

ブレイクが問い掛けると、シャロンは恐る恐ると言った風に答えた。
狸寝入りを責められると思ったのだろうか、その瞳はブレイクを不安げに上目遣いで見詰めた。

「いいよ。話そう」

ブレイクが苦笑いしながら言うと、シャロンは呆気に取られた様子で口を開けた。
そう来るとは思わなかったのだろう。
そんなシャロンが可笑しくて、ブレイクはまた笑った。

「でも、少し眠るよ。話は……その後にしよう」
「え、あ、はいっ。私ももう少し休みます」

ベッドに倒れ込み、ブレイクは目を綴じた。
柔らかい布地が心地良く、直ぐに意識を持っていかれそうになる。
早くも微睡み始めたブレイクの腕に、細い腕が絡まった。

「……お休みなさい、兄さん」

ブレイクの半身が、暖かい感覚に包まれる。
全身で抱き付いてくるシャロンに、ブレイクは頬を緩ませた。

(全て話したら――君は、泣くかな)

シャロンの滑らかな髪に顔を埋めて、ブレイクは意識を闇に預けた。
せめて夢の中だけは、何も無い左胸があればいいなと願いながら。

end.
0096名無しさん@ピンキー2011/07/03(日) 08:22:00.61ID:zdTxvmhn
以上です。

駄文、長文で申し訳無いしブレイクのキャラが何か変だしエロの持って行き方が強引だし、

何より途中で寝落ちして、すいませんでしたッ!!

私が書いたら、シャロンが可愛くない……。

では。
0097名無しさん@ピンキー2011/07/04(月) 00:08:22.71ID:gMduGtho
乙でした
水を差すようで悪いけど、ブレイクってベッドの下とか戸棚の中とか暗い所出入りしてるから一角獣の能力じゃないの?
0098名無しさん@ピンキー2011/07/04(月) 04:42:54.80ID:PcmtB/QZ
GJ、あなたの文章、読みやすくて好きだ
要所要所に挟まる小ネタ、張り紙されるレイムさんや幻影ブレシャロも萌えた…!
0099名無しさん@ピンキー2011/07/04(月) 18:41:33.20ID:86W/cRuM
GJ!読みやすくてよかった!
やっぱりブレシャロは王道って感じがして好きだな

0101名無しさん@ピンキー2011/07/16(土) 16:15:17.12ID:+LIEpb3Q
保守
0104名無しさん@ピンキー2011/07/28(木) 01:42:30.50ID:XJ1ZlKSx
新刊バレ




本編のハードな展開をくぐりぬけカバーをめくったらまさかの魔女っ子エイダwww
いい尻だ。
あんな格好で箒をまたぐとかまずいだろうwww

学園編の時からエリオットとエイダに今後何かしらフォローがあると思ったら
何もなかったな。
エリオットがエイダのヴィンス好きってのを知った時の反応を見たかった
0107名無しさん@ピンキー2011/08/01(月) 04:45:51.09ID:o9dqNd3z
じゃあいいかな
耳噛むってめちゃくちゃエロかった
鬱々としてたから余計に
0109名無しさん@ピンキー2011/08/03(水) 06:28:31.76ID:57WVebWv
オズアリだとエロ想像できないのに、アリオズだとできるな
0110名無しさん@ピンキー2011/08/09(火) 18:12:47.17ID:oHFUre23
オズはホストキャラのくせにヘタレだからなぁ
たぶん自分から手を出す事はない
0112名無しさん@ピンキー2011/08/28(日) 00:37:49.78ID:Zx/zf8sZ
ヴィンスに恋する(?)ツヴァイがエイダに嫉妬して、ギルかその辺のモブを操って襲わせるとかするありきたりなネタが思い浮かんだ。
0114名無しさん@ピンキー2011/09/22(木) 13:35:30.37ID:aSQlbEl/
保守
0115名無しさん@ピンキー2011/10/08(土) 23:27:30.30ID:mX55WObc
オズエイ近親
エリエイ確執
レイリリ狂気
憎しみヴィンアリとちびヴィンセント×アリスのおねショタキボンヌ
グレンとアリスの鬼畜監禁攻め(" ")
ジャックとアヴィスの意志の甘め
チェシャとアヴィスの意志のほのぼの
誰か書いてくだしぇ('`)
0116名無しさん@ピンキー2011/10/11(火) 08:51:42.56ID:w8Ilmpvd
保守
0117名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:17:34.35ID:GvoKGjnM
特に投下ないようなので昔書いたものを投下してみる
色々違うところあると思うが

0118名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:22:43.45ID:GvoKGjnM
「はうぅ〜あうっ、あうっ!!」
 今、俺の上で腰を振っているのはオズの妹のエイダ様である。
ねっとりと絡みつく内襞に絞られて俺は荒い息を吐くのだった。
何故こんな事になったのか。

「エイダ、最近元気ないんだよな。」
 先日、弟のヴィンセントが彼女にちょっかいを出していたことが判明した。
自分で言うのもなんだが腹黒い弟のことだ。エイダ様にどんな非道な仕打ちをしたのか。想像するのも億劫だった。どうして俺の弟はいつも面倒ごとを増やしてくるんだ!!ただでさえいつも打撃を受けている胃がきりきりと痛む。
「オ、オズ。しばらくはほっといてやったらどうだ?こういう時は一番だぞ。」
 俺は当り障りのなく声をかけたつもりだったが、オズはぎろりと目を光らせ俺を睨む。オズは半眼で俺を見据えていたが、やがてぷいと顔を反らした。あ、あれ?こういう説きはいつもオズの弾丸のような非難が返ってくるのだが。
「人事だよな、なんか。」
 どうやらオズは女にだらしない弟の兄である自分に怒っているらしかった。オズは紅茶を一気に飲み干すと席を立ってしまった。
「あーあ、デリカシーがない奴は嫌われますヨ。ププー。」
 この時、同席していたいかれ帽子屋が口を窄めたようなギャグ顔で言ってきた。人に言われるとむかっ腹が立つ。
「んな!分かってるよ!!」
 シャロンの同情的な視線を背中に受けながら、俺は帽子をとって立ち上がる。アリスだけは俺たちの様子を不思議そうに見ていた。
「なんだぁ?どうした。」
「うふふふ。何でもありませんわ。」
ワーズワース家の屋敷を慌てて出たが、オズの姿はもうどこにもなかった。追いかけっこをしようにも探す当てがなくて俺は途方に暮れた。とことことアリスも俺の後を追って出てきた。
0119名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:25:43.05ID:GvoKGjnM
「なぁ、アリス。お前オズのチェインだろ。下僕がどこいったか分からないのか。」
「分かるわけないだろ。まぁオズが私を置いてどっかいっちゃう訳ないし、そのうち帰ってくるだろ。」
「まぁ、そうだよな。」
 俺は少し安心した。屋敷の外は綺麗に世話された庭の薔薇達が青い空と溶け合って美しい光景を作り出している。反対に俺の心は曇っていた。なんだか今日はオズと話す気分にはなれない。
「おいバカウサギ。俺さ、今日は家に帰るな。オズにはそう言っておいてくれ。」
アリスの返事は聞かず、俺は足早にその場を去った。

家に帰ると、シャツにズボンというラフな出で立ちになりソファに横たわり一服する。
紫煙が部屋に漂うのを俺はぼんやりと眺めた。
オズとこんな風にケンカをするのは割と久しぶりのことだった。一人暮らしをしている部屋のソファに横たわって今日の出来事を反芻する。
「・・・・・・やっぱり俺が悪いんだろうなぁ。」
 無責任な発現だったかもしれない。オズにとっても、エイダ様に対しても。もやもやとした気持ちでいると段々落ち込んできた。やっぱり俺はへタレだ。
「よし。エイダ様に会いに行こう。」
 何か相談になれることもあるかもしれない。幸いな事に今日は休日で、学校に登校しているということはないだろう。しかも最近の彼女は失恋のせいで家に閉じこもったきりであるという。
もしかしたら帰ってきたオズと鉢合わせることになるかもしれない。その時はすぐに謝ろう。きっとあいつなら許してくれる。
「あ、手ぶらだとまずいかな。何か料理でも手土産に・・・・・。」
決意が決まると行動は早かった。俺はキドニーパイでも作る用意を始めた。材料の買出しを終えて取り掛かる。数時間後、自分で言うのもなんだがほかほかと湯気をあげ、甘い砂糖の香りを漂わせた黄金色のパイは完成した。
パイ作りは結構時間と手間がかかるものである。気が付けば空は夜の帳が落ちていた。
「し、しまった。つい凝っていたらこんな暗くなってしまった。これは・・・・・・明日にするべきか?」
 淑女に会いに行くには少し誤解される時間になってしまった。でも鮮度や温かさを考えるとすぐにでも食べてもらいたい。傑作をすぐに見せるか見せまいかで俺は逡巡していた。
その時、誰かがノックする音が聞こえた。
「!!はい。」
 一瞬、オズかと期待した。だが訪問者は何も言わない。大抵ブレイクやシャロンもここで名乗るので彼らでもなさそうだった。用心深くドアを開ける。そこには自分の胸くらいの背丈で、黒いマントを頭からかぶった人物が立っていた。見るからに怪しい。
0120名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:28:16.61ID:GvoKGjnM
「誰だ・・・・・・あんた。」
「あ、あの私です。」
 目深にかぶったフードをとると、エイダは天使の微笑を浮かべた。
「え、エイダ様!!」
 まさに会おうとしていた人物がそこにいて仰天した。
「ごめんなさい、急に来たりして。今大丈夫かしら。」」
 俺は呆然と彼女を見ていたが、彼女の肩が震えているのに気付いた。
冬が過ぎたとはいえ、外はまだ冷気に包まれている。
風邪をこじらせてはと俺はエイダ様を部屋に通した。突然の彼女の訪問に俺はただ翻弄されていた。
まぁキドニーパイは無駄にならなくてよかったかな。
「わぁ、綺麗にしてあるのね。ギルらしいね。」
「あ、ありがとうございます。」
 エイダ様は俺の部屋を見るとこんな第一声をあげた。
自分の部屋を誉められるのは嬉しい。俺は小声で照れる。
「それにしてもよくここに来られましたね。」
今の時間ならオスカー様が目を光らせていそうなのに。エイダ様も俺が言いたい事をなんとなく理解したのだろう。
「えへへ。内緒。」
 エイダ様は口に人差し指を当てて笑った。・・・・・・一体どんな方法で抜け出したのだろう。そういえばヴィンセントの時も誰にもばれずに会っていたし、意外と行動派なのかもしれない。
色々と頭の中で疑問が飛び交う中、俺はポットに火をつけて紅茶の準備をしながら、キドニーパイを切り分け皿に乗せる。
「どうぞ。」
「まぁ!キドニーパイね。ありがとう。」
「ええ、エイダ様に食べてもらおうとさっき作ったんです。」
 贔屓目なしに見て、エイダ様はキドニーパイをとても美味しそうに食べていた。その幸せそうな表情はとても先程まで落ち込んでいたようには見えない。
そうだ、悩み事の相談に乗ろうと決めていたんだったっけ。あやうくパイの試食会になりそうになっていた。
食べ終わるのを見計らって、俺はもう一つのソファに座り本題に入ろうとした。
「あの、ですね。エイダ様。実は・・・・・・。」
 自分が寝転がっていたソファで、エイダは紅茶をすすっていた。
顔には疑問符が浮かんでいる。その無垢な表情に口から言葉がうまく出てこない。
「・・・・・・あの、そういえばどううしてここへ?」
 ヴィンセントのヴの字も出てこないとは。
ふ、そうですよ。
どうせ俺はへタレさ。俺の問いに紅茶のカップを膝に乗せてエイダ様は俯いた。何やら思いつめている顔つきで部屋の隅を見ている。
頬はほんのりと赤く上気しているし、風邪っぽいのだろうか。
エイダ様の言葉を待つ間、俺はそんなことを考えていた。
0121名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:30:02.64ID:GvoKGjnM
「あのね、私のこと嫌いにならないって約束してくれる?」
「?」
「軽蔑しないでね。」
 懇願するような目で訴えられては頷くしかない。幾分か安堵した表情になったエイダ様は訥々と語りはじめた。時に恥ずかしげに頬を染めながら。説明を聞き終えた時、俺の頭はがんがんと痛みで鳴り響いていた。
そして今ならヴィンセントを本気で殴れる気がした。
エイダ様のお願いを要約するとこうなる。ヴィンセントによって体を開発された→彼と別れてしまい体が疼く→性欲処理を手伝って欲しい、ということだった。
言っておくが、もちろん俺はノーマルだ。巨乳も大好きだ。
エイダ様とそういう関係になるのは幸運だと思う。ただ、このことをオズとオスカー様に知られると思うと恐怖に震えた。
「エイダ様、俺は・・・・・・・。」
エイダ様が立ち上がり、切なげな顔でこちらに向かってくる。顔が近づき・・・・・・彼女の柔らかな唇が触れた。ほのかにキドニーパイのような甘い味がした気がした。
「ん・・・・・・・ちゅく、ちゅ。」
 舌が割り込み、絡み合う。俺は自分の顔が熱くなっていくのが分かった。そりゃあこんなに可愛い女の子と迫られて、その気にならないのは男ではないだろう。
ヴィンセント直伝の技なのか、エイダ様の口付けはとても上手だった。天使のように可愛らしい少女がセックスに詳しいというギャップがまたいい。エイダ様が唇を離す。
「あの、その・・・・・・・。」
「ギル、可愛い。」
 なんといえば言いか分からずしどろもどろになっていると、エイダ様はくすりと笑った。俺は何故か馬鹿にされたような気がして、むっとした。
男のプライドを傷付けられたというか、弟のヴィンセントに負けているような。
気が付けば自分からエイダ様の唇を奪っていた。息苦しそうになったところで少し開いた唇から舌を侵入させる。以外にもおずおずと舌を差し出してきたのには驚いたが、素直に絡ませる。
しばらくして解放して俺は我に返った。
「キスすごく上手なんだね。」
 エイダ様がへらりと笑う。そして華奢な手で自分のドレスを脱ごうとし始めた。
「ちょ、ちょっ待って下さい!!エイダ様、落ち着いて。」
 俺の静止もきかずにどんどんと素肌を露わにしていく。弾力のある柔らかな胸につい目がいってしまう。
何だこれ、夢?夢か?顔を覆っていた手がそっと握られて、豊かな胸元に持っていかれる。俺は想像以上の気持ちよさに勝手に手が動いていた
0122名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:32:38.87ID:GvoKGjnM
そう、この時点で俺の箍は外れていた。
「はぁっ、あん。」
 何度も揉みしだく内に、エイダ様の口から喘ぎ声が漏れてきた。目を瞑りながら愛撫を感じる姿はとても色っぽい。下着越しではなく直に触りたくなって、少し降ろすとピンク色の実が小さくいきづいていた。
もはや主の妹だという概念を忘れて、しゃぶりつく。
「ふあ、ああ。やぁ〜。」
 少し恥ずかしそうな声をあげるエイダ様。もしかしたらと思いその部分を重点的に攻める。舌で転がしたり歯で甘噛みをしたり。白く豊満な胸は動くたびにゆさゆさと揺れた。それにしても大きな胸だ。
ヴィンセントによってこんなに成長したのだろうか。左手で太腿をなぞりつつ少し気になった。彼女は下着は白でまとめ、太腿の部分にはなんと白いガーターベルトをつけていた。俺をその気にさせるにはもってこいの格好である。
「凄い格好ですね。」
「そ、そんなこと。」
 俺が少し意地悪な言葉をかけると彼女は恥ずかしそうな顔をした。でもそれが喜んでいるようにみえる。ヴィンセントに恋したくらいだからな。
Mの気があるんだろう、多分。汗で肌にシャツが張り付いてくる。少々乱暴に濡れたシャツ脱ぎ捨てた。エイダ様の視線を上半身に感じる。
そんなに見ないで欲しいんだが。
「ギルっていい体しているのね。」
 あけすけに言われてぎょっとする。
「なっ・・・・・・!!」
「だってヴィンセント様はもっとひょろぉ〜っとしていたのよ。」
「お願いですから、弟と比べるのは止めてください。」
 主導権を握っていると思ったのに、すぐに覆されてしまう。さすがはオズの妹。小悪魔な所はさすがだ。
しばらく胸の感触を楽しんみながら手の平で柔らかな肌を堪能していた。時折舌でなぞるように跡をつけたりもした。
「んっ、ギルぅ。」
 どこか甘えた声を出して、エイダ様が太腿を擦り合わせる。もっと触ってといわんばかりの様子に自分の中で意地悪をしてみたい気分になった。
やはり兄弟、血は争えないということか。
「触って欲しいんですか?」
「・・・・・・。」
 エイダ様がこくりと頷く。目尻にはうっすらと涙が浮かんでさえいる。
0123名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:34:22.21ID:GvoKGjnM
訴えるようなその表情を見ているともっといじめてみたいと思ったが、俺の股間もやばいことになっている。
そっと膝頭に手を添えてゆっくりと開いた。白いショーツで隠された恥丘は肌の色がすけるまでに濡れている。俺は確かめるように人差し指ですじをなぞった。
「あんっ!!!」
 待ち望んだ感覚にエイダ様が体を震わせて悦びの声をあげる。そこには普段の恥じらいもなく快楽に飲まれた少女の姿があった。
オズが愛している妹、実際はとんだ淫乱か。どこかで嫌悪感を覚えながらも女独特の匂いにくらくらと眩暈がしてくる。
行き来させていた指を下着越しに中へ侵入させていく。蜜壷は直に触れなくとも十分なほどに濡れそぼっていた。
薄い布はもはやぐっしょりとして意味をなしていない。
俺は抑えられないほど興奮しながらゆっくりとショーツを下にずりおろして一気に指を二本挿入した。
「ひゃああああ!!」
 エイダ様の膣は俺の指を難なく飲み込んでいく。想像していたよりも膣は使い込まれているようだった。ここに来るまでに自分で慰めてきたのか、指でかき回すだけでどんどん溢れてくる。
陰核の部分に親指で触れるとびくりと彼女の体が震えた。先程のお仕置きとばかりに俺はそこを集中的に刺激する。
「んっ、だめぇ!!」
 白い首を反らせて彼女は達した。
 荒い息を吐く少女はとても色っぽかった。金色の髪が垂れた胸が息をするごとにふるふると揺れている。考えてみればエイダ様ってまだ幼いよな。
俺はもう2×だし。
もしかしてこれってロリコンに入るのか?そんな心とは裏腹にもはやズボンの中の勃起したものは痛いほど主張している。
「エイダ様・・・・・・俺、もう。」
 俺の切実な思いに気付いたのだろう。
「いいよ。きて、ギル・・・・・・。」
柔らかに微笑んでテントが作られている部分に触れた。それを機に俺は欲するままに行動していた。ズボンからいきりたった自身を取り出して、彼女のふやけた蜜壷の中に挿入する。エイダ様と俺は待ち望んだものに互いに声をあげた。
「「はあっ・・・・・・。」」
 エイダ様の中はとろけるように絡み付いて俺を離さない。処女ではないのにこのきつさ。名器なんじゃないだろうか。
0124名無しさん@ピンキー2011/10/15(土) 22:35:30.88ID:GvoKGjnM
それなりに経験があるはずの俺が少し動くだけで達してしまいそうになる。
とりあえず打ち付けるように腰を振る。肉と肉が打ち付けられる音が部屋に響き渡った。何度も出し入れを繰り返すうちに限界が迫ってきた。おかしい、俺は早漏なはずないのに。
「すみません、いきま・・・・・!」
「え!?」
 エイダ様の驚いた声を耳にしつつ、俺はきゅうきゅうと締め付ける膣から無理矢理に抜くとソファに射精した。
危なかった・・・・・あまりの気持ちよさに中出ししそうになってしまった。
ご無沙汰だったからだろうか。ほっとしていると寝転んでいたエイダ様が起き上がった。
「ギ〜〜〜〜ル〜〜〜?」
 あれ、なんか黒いオーラが見えるんですけど。エイダ様は微笑んではいたが明らかに不満そうだった。
「私、まだいってないんだけど?」
 今は天使の笑顔が恐ろしい。俺は先程の行為ですっかり満足し、元気をなくした息子を見る。
「あの、ちょっと今は無理かな〜〜なんて。あれ、ちょ、エイダ様!?」
 大の大人が少女によってソファに押し倒されている状況。
抗おうにも何故か金縛りに会ったように動かない。エイダ様は馬乗りになるとぱっと背景に花を咲かせて笑った。
「私が満足するまで・・・・・・・頑張ってね。」
 そして冒頭に戻る。
結局その日、エイダ様に俺は最後の一滴まで搾取されるはめになった。恐るべきはベザリウス家の血筋・・・・・・。
やっぱり俺ってへタレなのかもしれない。

以上です。
0125名無しさん@ピンキー2011/10/18(火) 00:35:34.82ID:Glt/SntC
乙!
エイダの描写エロいな
総体的に見るとヘタレだがギルとしては頑張ってる部類だと思ったw
0126名無しさん@ピンキー2011/11/05(土) 15:46:14.17ID:/TrE9k+p
保守
0129名無しさん@ピンキー2011/11/30(水) 22:12:28.00ID:9B3GTGJ5
原作凄いことなってるよな
まあ気にせずレイシー×ジャックとか妄想してるわけだが
0130名無しさん@ピンキー2011/12/02(金) 17:09:18.09ID:QT0UZ5vj
メイン三人が良い感じに仲良くなってきてるからそのままのノリで3Pを希望する
0131名無しさん@ピンキー2011/12/03(土) 01:13:23.18ID:m4mSy5H2
オズアリスならすんなり妄想できるのにギルが混じるとすごく難易度が高くなる
何でだろ
0132名無しさん@ピンキー2011/12/04(日) 02:20:49.36ID:kuDaub9M
「グレン・・・私はお前が嫌いだ!」
「・・・!?」




『肉をもっとよこせ!』
『太るからだめだ、レイシーは腰の括れに命を書けていた』

『外に出せー!』
『だめだレイシーは美白のために外に出なかった。本を読めレイシーの様に賢くなるんだ』

グレンはいつも私にレイシーとか言う女のようにしろと言ってくる
0133名無しさん@ピンキー2011/12/06(火) 17:14:04.30ID:HRrUJg2U
俺もそれ考えたな
アリスをレイシーの変わりに、もしくはレイシーそのものにするために監禁してたんじゃないかっ
0134名無しさん@ピンキー2011/12/07(水) 04:32:48.89ID:7Qth/B4X
どうしてもエロい方向にいっちまう・・
自サイトにエロが置けないから書いてまえ
アリス「いやだぁあああああ」
ギル「野菜も食え!バカウサギ」ガボ
ブレイク「飴がほしいですカァー?下の口にあげますよ」ズボ
0135名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 10:47:27.89ID:qffXtwlh
助けてー
0136名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 21:56:17.42ID:DroW9FB+
ドラマCDに感動しつつ、懲りずに投下します。
(話の内容とドラマCDは関係無いです)

・ヴィンセント×エコー

・明るめ(多分)

・時系列は、取り敢えずハンプティ・ダンプティ決着前

・ヴィンスのキャラが掴めなかったので微妙に変

と、こんな感じです。
行くぜ。
0137名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:05:21.85ID:DroW9FB+

エコーは静かに廊下を歩いていた。

この屋敷、ナイトレイ家に仕えるようになって随分経つ彼女は、滑るように目的地へと歩み続ける。
青み掛かった銀色の髪は殆ど揺れず、表情は仮面を思わせる程一切変化しない。
どことなく機械的な彼女は、無表情の仮面を被っているものの、内心では眉を顰めていた。

今日は本来、非番である。
仕事――最近ではぬいぐるみの残骸を片付ける事が主な内容になりつつある――から解放され、エコーは休日を満喫する筈だった。
(とは言えやりたい事も無く、結局暇を持て余していた筈でもあるが)

しかし、先程自室でぼんやりしていたエコーの耳に、呼び鈴の音が届いたのだ。
主である青年、ヴィンセント=ナイトレイからの呼び出しの合図である。

呼び鈴を聞いたエコーは、普段から着ている青のワンピースに身を包み、部屋を出た。
非番とは言えど、万一緊急の用の場合もある。
しかし、ナイトレイ家に仕える使用人は大勢居る中、わざわざエコーを呼び出す事は、やはり不審に思えた。

(――まあ、理由は何でも知りませんが)

ヴィンセントの個人的な頼みなど、まず間違い無く碌な用事ではない。
それだけは確かである。
エコーはナイトレイ仕えてきた長い年月で、それを身を以て知ってきたのだから尚更だ。

エコーはこの厄介な状況にも無表情を崩さず、角を曲がる。
途端に、黒い壁に視線を塞がれて立ち止まった。

「…………」

エコーが二、三歩引いて改めて顔を上げると、壁の正体がすぐ分かった。
ナイトレイ家四男――エリオットが、何やら紙を片手に唸っていたのだ。

「……」

エリオットと向かい合い、同じく紙面を覗き込んでいるのは、彼の姉のヴァネッサだ。
何故廊下のど真ん中で額を寄せ合っているのだ、とエコーは疑問に思ったが、すぐに解決した。
二人が居たのは、ピアノが安置された部屋の前だったからだ。

「――ダメね。やっぱり、ここはもう少し優しい表現にすべきよ」

怒り気味な口調でヴァネッサは言うが、口元には我慢仕切れないような笑みが浮かんでいた。
彼女は少々気が強く男勝りな部分があり、似た者同士だからかエリオットと軽く言い合いになる事も少なくない。
しかし、どんなに論争をしようと、ヴァネッサは弟をとても可愛がっていた。
0138名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:06:57.22ID:DroW9FB+
今もエリオットに注文を付けながらも、表現が生き生きとしている。
ベリーショートの黒髪が楽しげに揺れ、時折額をくっ付けたエリオットの頬擽っていた。

「またか! 駄目出しはもう五回目だぞ!」

姉とは対照的に、弟のエリオットは不機嫌な表情で言った。

母に贈る曲を作ると、最初に言い始めたのは彼だ。
――悲劇に見舞われ元気を無くした母の心を何とかして動かしたい。
その気持ちは姉のヴァネッサも同じであり、彼女はエリオットに大いに共感し、協力を約束していた。

しかし――いつからかヴァネッサに仕上がりを見て貰うのが常になり、そして毎度の如く返り討ちに遭うのも常になっていた。

「ここの部分、ちょっとプレゼントにしては荒っぽいわよ。もっと穏やかめにしたら?」
「だぁぁぁあッ!! 選りに選ってここか!? オレはこの一節の激しさが一番気に入っているんだぞ!」
「もう、あなたが気に入ってても意味ないでしょう? お母様に差し上げるんだから」

ヴァネッサは仕方無いわね、とばかりに呟くが、やはり口元が笑っている。
自作の曲にズバリ意見を言われては、短気なエリオットでなくともムッとするだろう。
しかし、エリオットの作る曲は作者に似て少々直情的な表現が過ぎるのも事実であり、ヴァネッサの指摘は的を射ていた。

廊下で大声を出して(主にエリオット)言い争う(喧嘩腰なのはエリオットのみ)二人に、エコーはまたか、と内心嘆息する。
駄目出しを食らうと分かっているなら見せなければいいものを、エリオットはそれを良しとしないのだ。
彼の負けず嫌いな性格が、意地でも納得する曲を作ってやるという気持ちを生んでいるのだろう。

ヴァネッサがそんな弟の様子を可愛らしいと思って、余計に曲に意見しているのに、いい加減に気付いても良さそうなものだが。

「お母様は優しい曲が好きだったじゃない。軍歌じゃないんだから……あ。……え、エコー」

漸くエコーに気付いたヴァネッサが、此方を振り向く。
普段の男勝りな部分が鳴りを潜めているからだろう、恥ずかしそうに頬を染め、目を逸らしている。
これは、今すぐ立ち去った方がいいだろう――そう思ったエコーは一礼し、足早に通り過ぎようとした。

「待て、エコー。今日はお前は非番ではないのか? ヴィンセントから聞いたぞ」

その前にエリオットに声を掛けられ、エコーは立ち止まった。
エリオットの切れ長の瞳が、訝しげに細められている。
0139名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:08:10.32ID:DroW9FB+
今もエリオットに注文を付けながらも、表情が生き生きとしている。
ベリーショートの黒髪が楽しげに揺れ、時折額をくっ付けたエリオットの頬擽っていた。

「またか! 駄目出しはもう五回目だぞ!」

姉とは対照的に、弟のエリオットは不機嫌な表情で言った。

母に贈る曲を作ると、最初に言い始めたのは彼だ。
――悲劇に見舞われ元気を無くした母の心を何とかして動かしたい。
その気持ちは姉のヴァネッサも同じであり、彼女はエリオットに大いに共感し、協力を約束していた。

しかし――いつからかヴァネッサに仕上がりを見て貰うのが常になり、そして毎度の如く返り討ちに遭うのも常になっていた。

「ここの部分、ちょっとプレゼントにしては荒っぽいわよ。もっと穏やかめにしたら?」
「だぁぁぁあッ!! 選りに選ってここか!? オレはこの一節の激しさが一番気に入っているんだぞ!」
「もう、あなたが気に入ってても意味ないでしょう? お母様に差し上げるんだから」

ヴァネッサは仕方無いわね、とばかりに呟くが、やはり口元が笑っている。
自作の曲にズバリ意見を言われては、短気なエリオットでなくともムッとするだろう。
しかし、エリオットの作る曲は作者に似て少々直情的な表現が過ぎるのも事実であり、ヴァネッサの指摘は的を射ていた。

廊下で大声を出して(主にエリオット)言い争う(喧嘩腰なのはエリオットのみ)二人に、エコーはまたか、と内心嘆息する。
駄目出しを食らうと分かっているなら見せなければいいものを、エリオットはそれを良しとしないのだ。
彼の負けず嫌いな性格が、意地でも納得する曲を作ってやるという気持ちを生んでいるのだろう。

ヴァネッサがそんな弟の様子を可愛らしいと思って、余計に曲に意見しているのに、いい加減に気付いても良さそうなものだが。

「お母様は優しい曲が好きだったじゃない。軍歌じゃないんだから……あ。……え、エコー」

漸くエコーに気付いたヴァネッサが、此方を振り向く。
普段の男勝りな部分が鳴りを潜めているからだろう、恥ずかしそうに頬を染め、目を逸らしている。
これは、今すぐ立ち去った方がいいだろう――そう思ったエコーは一礼し、足早に通り過ぎようとした。

「待て、エコー。今日はお前は非番ではないのか? ヴィンセントから聞いたぞ」

その前にエリオットに声を掛けられ、エコーは立ち止まった。
エリオットの切れ長の瞳が、訝しげに細められている。
0140名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:09:52.16ID:DroW9FB+
勝りな部分が鳴りを潜めているからだろう、恥ずかしそうに頬を染め、目を逸らしている。
これは、今すぐ立ち去った方がいいだろう――そう思ったエコーは一礼し、足早に通り過ぎようとした。

「待て、エコー。今日はお前は非番ではないのか? ヴィンセントから聞いたぞ」

その前にエリオットに声を掛けられ、エコーは立ち止まった。
恐らくは服装から判断したのだろう――ただ、休みであろうとエコーはこの仕事用の服で居る事が多いのだが。

「はい。ですが、ヴィンセント様から呼び出しがあったので」
「何? お前に非番を言い渡したのはヴィンセント自身だろう。あいつがそれを忘れるか?」

その疑問は尤もだ――エコーも、ヴィンセントの度忘れという線は有り得ないと思っている。
三人は一瞬顔を見合わせた。
見れば、ヴァネッサの表情は驚く程エリオットとそっくりだった。

「では、エコーは失礼します」
「……ああ」
「大変ね、エコーも……」

余計な詮索はしない方がいいと感じたのだろうか、二人はそれぞれ短く答えた。
エコーは軽く頭を下げ、今度こそ二人の前から歩き去った。
角を曲がるまで、姉弟の声は何も聞こえなかった。

・・・

「ヴィンセント様。エコーです」

扉を三度ノックし、名を告げる。
そのまま暫く待ってみたが、分厚い扉から返事は返って来なかった。

(――自分から呼び出しておいて、無視ですか)

エコーは内心溜め息を吐き出し、念の為もう一度ノックし声を掛けた。
これで何の反応も無いなら部屋に帰ろう、と思いながら主の返事を待つ。
何事も無く数分が経ち、エコーは今度ははっきりと溜め息を吐いた。

一体、ヴィンセントは『非番』の意味を分かっているのだろうか。
主に呆れつつ、エコーは何気無しにノブに手を掛けた。
すると、予想外な事に――エコーは勿論嬉しくも何とも無いが――扉が音を立てずに開いた。

「失礼します」

考える前に、頭の中に使用人として発するべき言葉が、口を衝いて飛び出す。
用心しつつ部屋に入ると、どことなく重苦しい空気がエコーを包み込んだ。

エコーの部屋程ではないが物が少なく、全体的に黒が多い。
陰気な雰囲気の漂う部屋の奥に置かれた大机には、幾つかの便箋が散らばっている。どうやら手紙を書いていたらしい。
そして、手紙を放り投げた本人は――ソファに身を投げ出すようにして眠っていた。
0141名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:15:38.22ID:DroW9FB+
エコーは見慣れた主人の寝姿を見下ろす。
ヴィンセントの寝顔などこの世でトップレベルにどうでもいい事だが、彼が眠っている間がエコーは好きだった。

チェインの能力柄、よく突然寝入ってしまう彼を起こすのも、エコーの職務の一つだ。
しかし、今は非番であり、その職務を遂行する必要は無い。
とは言え、ヴィンセントはわざわざ非番の彼女を呼びつける程なのだから、起こして欲しいのではないだろうか?
エコーは起こすべきか否か、真剣に迷った。

その時、小さな鳴き声が聴こえ、エコーは素早く振り返る。
常に隠し持っている暗器に手を掛け――ようとして、止めた。
鳴き声の主は、呼び鈴の紐に捕まり天井からぶら下がって揺れていた。

(眠り鼠……)

エコーは警戒を解くと、ヴィンセントのチェインに近付いた。
どう見てもぐっすり眠っている。
しかし、状況からすれば彼(?)が呼び鈴を鳴らした可能性が高い。
ソファから呼び鈴までは距離が有り、寝ぼけたヴィンセントが紐を引っ張った、とは考え難いからだ。

それにしても、とエコーは眠り鼠の鼻面を撫でながら思案する。
机に広げられた手紙の数は多く、便箋に押された家紋の種類も、一つや二つではない。
手紙の内容を読まないよう気を付けながら見てみると、差出人はやはり女性だ。
一体何人の相手と文通しているのだろうか。

(……どうでもいい事です)

エコーは内心で鼻を鳴らし、手紙の山から目を背けた。

ヴィンセントが、自分に有益な情報を得る為に、様々な方向に人脈を巡らせているのは知っている。
そして、もしも何かを『握っている』相手が女性なら、ヴィンセントの容姿を利用しない手は無いという事も。
その実、ヴィンセントが彼女達を内心で蔑んでいる事もまた、エコーは知っていた。

しかし――何故だか、あの手紙の山を見ていると、胸元がズキズキと疼いた。
分かっているのに。
彼の愛情の一欠片すら、彼女らには向けられていないと。
ヴィンセントが彼女らを抱くのは、そういった『行為』が人を狂わせると知っているからだと。

ならば、何故。

(……うざいだけです)

そう、自分はヴィンセントが嫌いなのだ。
嫌いだからこそ、彼の所有物を見て何とも言えない気分になるのだ。
あの手紙の山を捨ててしまいたいと思うのも、彼を困らせてやりたいからなのだ。

エコーはそう結論付けると、ヴィンセントに歩み寄った。
0142名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:17:19.40ID:DroW9FB+
眠り込んでいる主人を厳しい目つきで見つめ、エコーは叩き起こしてやろうと心に決めた。

「ヴィンセント様、起きて下さい」

感情の一切をシャットアウトした口調で言い、いつもよりも幾らか乱暴にヴィンセントの肩を揺さぶる。
並の女性より滑らかな金髪がさらりと流れた。

エコーは指先に有りっ丈の恨みを込め、ヴィンセントの金髪を一束、引っ張った。
この刺激に、流石のヴィンセントも身動ぎする。

「うん……? エコー……?」

瞼の半分が重たげに持ち上がり、左右非対称の瞳が僅かに覗く。
エコーを何とか視認したらしいヴィンセントは、小さく腕を上げた。

身体を起こしてくれ、という事だろうか。
エコーはヴィンセントの腕を取ると、内心で残酷な笑みを浮かべた。
掌を擽ってみようか。いや、傍の机から万年筆を取って、突いてやるのも良い。
しかし、行動に移る前に、ぐんと腕が引かれ、エコーはバランスを失った。

「おいでよ……」

ヴィンセントの上に覆い被さる形になり、エコーは一瞬だけ目を見開いた。
直ぐに抜け出そうと身を捩るが、ヴィンセントに力では敵わない。
一頻り暴れ、エコーは渋々諦めた。

(……油断しました)

手を取ったあの瞬間、一瞬だけでも気を抜いた自分を、過去に戻って小突いてやりたい。
エコーは内心で歯噛みして、どうするかと考えた。
古典的だが、頬を抓って目を覚まさせてやるのが一番だろうか。
何なら耳に噛み付いてもいい――と、そこまで考えて、エコーはいつになく過激な自身の思考に戸惑いを覚えた。

何故、自分はここまで怒っているのだ。
その疑問が脳裏に浮かぶと同時に怒りが消え去り、エコーは急に今の状況に恐れを抱いた。
早く抜け出したい一心でまず右手を自由にしようとするエコーの頭に、ヴィンセントの手が触れた。

「僕に会いたくなったのかな……? エコー」

顔を上げると、眠たげに囁くヴィンセントと視線が交錯する。
エコーは体が火照るのを感じ、益々動揺し、益々様子のおかしい自身に恐怖した。

早く――早く、離れて欲しい。
でなければ、何かがおかしくなってしまう。

エコーの髪を撫でるヴィンセントの手付きは優しく、甘い。
怒りも、恐怖も、疑問も消え失せ、胸元がキュッと締め付けられるような感覚に、エコーは埋め尽くされた。

「――離れて、下さ……」

その時、掠れた声で告げようと――否、懇願しようとしたエコーの身体が一気に重たくなった。
0143名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:22:07.39ID:DroW9FB+
視界は歪み、全身が妙な倦怠感に包まれる。
しまった、と思った時には既に遅かった。

(やま……ね……が……)

ヴィンセントの掌はエコーの頭を撫で、髪を梳いていた。
チェインが『出て』いた事を失念していた自分を悔やむ間も無く、瞼は降りて行く。

眠り鼠の鳴き声を背後に、エコーは遂に意識を手放した。

・・・

日が眩しい。

ヴィンセント=ナイトレイは目が覚めると、一番にそう思った。
ソファに日が差し込んでいるという事は、少なくとも正午は回っている筈だ。
目の疲れを覚え、ソファで横になってから、二時間程眠っていたらしい。
まだ少し鈍い頭を軽く振ると、ヴィンセントは身体を起こそうとする。
そこで、漸く違和感に気付いた。――身体が、重い。

「…………」

ヴィンセントは目を見開き、現状をゆっくりと咀嚼した。
幾つか自問し、自答し――ヴィンセントは一つ、息を吐いた。

(どうして、エコーがここに……?)

自分の上ですやすやと寝息を立てる自らの従者に、ヴィンセントは困惑した。
呼んだ覚えは無い。呼び鈴には手を触れてもいないのだから、恐らく彼女の方から来たのだろう。
しかし、彼女は今日一日、仕事が無い。非番なのだ。
そんなエコーが、わざわざ自分を訪ねて来るだろうか?

ヴィンセントは思考を正常化しようと、もう一度頭を振る。ついでに両頬を叩いてみた。
冷たい水の一杯でも飲めば、頭の働きも活性化するだろうが、今は手元に無い。
ヴィンセントは右目を擦り、手持ち無沙汰に眠るエコーを眺めた。

エコーは安らかに寝息を立てており、表情も珍しく自然な様子だ。
(寝顔まであの無表情なら、最早驚きを通り越して感服していただろうが)
袖に隠され滅多に見る事の無い、手首から先が露わになり、ヴィンセントの服の胸元を小さく握っていた。

(こんな表情も出来るのか)

ヴィンセントはエコーをまじまじと観察しながら、素直にそう思った。
無表情以外の表情など、殆ど見た事が無い。
見た事がある表情も、恐怖や苦痛といった負の感情が現れたものばかりだ。

安らかな表情は年相応にあどけない。
小さく息づく薄い唇、近くて見ると意外に長い睫、普段の堅く突っ張ったような表情とは裏腹に、柔らかい頬。
ヴィンセントは知らず知らずのうちに、エコーの寝姿に見入っていた。
疾うに目は全開になっていたが、それすら気付かずに見詰めていた。
0144名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:23:49.50ID:DroW9FB+
ヴィンセントは嫌に慎重に、手を伸ばす。
エコーの頬に掌が触れると、彼女は小さく身動ぎした。

(こんな風に他人に触れるのは、何年振りだろう)

ヴィンセントはエコーの頬を撫で、柔らかい銀の髪を弄ぶ。
今の自分は何をしているのだろう、とヴィンセントはぼんやりと考えた。
こんな風に他人に触れるのは久し振りだ。
その上従者の、しかも散々爪研ぎに使ってきた少女から目を離せずにいるとは――。

窓から入る日が再び顔に当たり、ヴィンセントは思わず目を瞑る。
思考が途切れ、漸く我に返った彼は、頬を撫でる手を止めた。
微かだが、心臓の鼓動が早い気がする。

完全に目が覚め冷静になった彼の内に、真っ先に芽生えた感情は――やはりと言うか、加虐心であった。

(……せっかく寝ているんだから、起こしたらつまらないかな)

ヴィンセントはむくむくと膨らむ自身の加虐心を抑え込みつつ思案する。
ただ叩き起こしては面白味が無い。
ならば意識が無い彼女に、何かする事と言えば――。

ヴィンセントは手を目一杯に伸ばし、ソファの近くに転がっていた猫の縫いぐるみを手繰り寄せた。
懐から鋏を取り出し、その頭部に突き立てる。
ジョキ、ジョキと少々不気味な――ヴィンセントには小気味良い音が、部屋に響いた。
あっと言う間に解体された縫いぐるみの胴体を再び床に寝転がらせると、ヴィンセントはエコーの頭に触れた。

(出来た)

エコーの頭も同じ様に胴体と切り離す作業が――ではない。
ヴィンセントが手を退けると、エコーの頭からは『耳』が生えていた。

(……意外と似合う)
縫いぐるみの耳を頭に乗せられたエコーを眺め、ヴィンセントはニヤリと笑う。
手を軽く握った状態でヴィンセントの胸元に置いている姿が、猫の仕草のようでまた似合っていた。

まさか自分がコスプレ紛いをさせられているとは思いもしないエコーは、まだすやすやと眠り続けている。
安らかな表情に猫の耳を生やした彼女は、普段の姿を知る者が見れば意外性に目を疑うだろう。
そして彼らは、同時にその可憐な姿に目を奪われる筈だ。
無表情の仮面を取った彼女は、耳が無くとも素直に可愛らしい少女である。

頬を軽く引っ張ってみる。頬がマシュマロのように伸びて面白い。
鼻を摘んでみる。エコーの口から普段は絶対に聴けない、『ふにゅ』という謎の言葉が出た。
0145名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:24:30.75ID:DroW9FB+
猫にしてやるように耳(本物)の後ろをカリカリと掻いてやると、甘えるように胸元に頬摺りされた。

ヴィンセントは暫く普段とは違うエコーの姿を観察して楽しんでいた。

こんな姿をしていると知ったら、エコーはどんな顔をするだろう?
いっそ、起こしてみようか――ヴィンセントがそう考えた時、扉がバーンと音を立てて開いた。

「ヴィンセントッ!! お前なら、オレのこの曲を理解出来る筈だ! 姉さんに何か言ってやってくれッ!!」
「待ちなさいってば! 何もヴィンセントまで巻き込む事……な……い?」


時間が止まった。

・・・

エコーは、唐突に目を覚ました。
目前に広がる柔らかい布地から、一瞬ベッドの上かとも思ったが、ベッドよりも少々感触が固い。

(だれ……ですか……?)

三人程の話し声が聴こえる。
どれも聞き覚えがあるように思いながら、エコーは何度か瞬きした。
しかし、起きたばかりの身体は眠気に対して劣勢であり、瞼はすぐに落ちて来る。
周囲の状況を確認しようと、エコーは必死に目をこじ開けたが、殆ど見えないうちに視界は瞼に遮断された。

「本当に……コー……か? 信じられん……」
「……持ちは……る…………でも、本人……」
「それにしても……いわね、こんな顔も……なんて……らなかった」

断続的な会話が耳に届くが、良く分からない。
とは言え視覚よりは聴覚の方が先に回復しつつあるので、エコーは目を開けるのを諦め、耳に神経を集中させた。

「……まあ……確かに……な」
「あら? ……かしら? あなたが人をそんな風に……るの、初めて……」
「何だ? 悪いか!! オレは素直に感想を述べただけだろう!!」
「……ルとどっちが……いかな……」

やけに大きな声が一つ聴こえ、エコーは意識が段々とはっきりしてきたのを感じた。
人数は、三人。よく分からないが、何かを評しているのだろうか。
喧嘩腰の彼が、何か状況を決定付けるような事を口走ってくれれば――とエコーは期待する。
完全に復活している訳ではない聴覚では、彼の声しかはっきりと拾えないのだ。
(単に声が大きいというのもあるが、キッパリとした口調に因る所も大きい)
そして、運の良い事に――悪いとも言えるが――そのエコーの期待通りになった。

「大体、人の寝姿を凝視するなど、悪趣味だ!! エコーもいい迷惑だろう……オレは戻る!」

完璧である。
これ以上無い状況説明に、エコーは感謝した。
0146名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:26:10.44ID:DroW9FB+
おまけに今の大声で意識も覚醒したので、もう一度感謝した。
まさか、自分の寝姿を評していたとは。
エコーは苦虫を噛み潰したような思いで目を開けると、素早く起き上がった。
ヴァネッサ、エリオットは唖然とした表情を浮かべ、ヴィンセントはお馴染みの薄ら笑いである。
少しくらい驚け――と内心毒づき、エコーは身体全体をバネにして跳んだ。

「……何をしていたのですか?」

しなやかに部屋の隅に着地しつつ、エコーは三人に尋ねる。
静かな怒りを視線に乗せてぶつけると、ヴァネッサがギクリとした様子で後退りした。

「エリオット様の言う通りです。悪趣味です」
「……あ、ああ。だから言っただろう、二人とも――」
「ですが、そのエリオット様もエコーの寝姿に感想を述べていたようですが」

エコーの鋭い指摘がエリオットに突き刺さる。
彼は何事にも直線的で正論を好む分、反面正論に滅法弱いのだ。
のらりくらりと誤魔化すヴィンセントや、マイペースを崩さない彼の従者とは真逆である。
思わぬ攻撃に、エリオットは衝撃を受けた表情で固まった。

「ごっ……ごめんなさいね、エコー。それじゃ私達は戻るわ……」

石化した弟を引き摺り、ヴァネッサはそそくさと部屋を後にした。
十六歳になる少年を一人で引っ張るとなると大変そうだったが、エコーは無視した。
二人が去り、エコーは漸く自らの主人に目を向ける。

そもそもこの主人が、非番の自分を呼びつけた事から始まったのだ。
エコーは怨みを隠そうともせず、ヴィンセントに叩き付けた。

「どうしたの? エコー」

どの口がそんな事を、とエコーは眉を顰める。
全く悪びれた様子の無いヴィンセントは、相変わらずの薄ら笑いだ。

寝顔をまじまじと観察されて、平気でいられようか。
とエコーは言おうとしたが、考えてみればヴィンセントは所構わず眠っており、寝顔も晒している。
この切り返しは有効ではないと見て、エコーは言葉を飲み込んだ。
何か他の切り口を探しているうちに、ヴィンセントが残念そうに呟いた。

「ああ、耳が取れちゃったね」
「……耳?」
「それだよ。エコーの頭に乗せていたんだ」

ヴィンセントが指差した先には、猫の物らしき茶色の耳が、中身の綿を覗かせながら落ちている。
エコーはそれを頭に乗せた自分を想像し、俄かに顔を赤らめた。
あまつさえ寝顔を鑑賞されていただけでなく、そんな物まで付けられていたのか。
0147名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:28:51.38ID:DroW9FB+
「エリオットもヴァネッサも、エコーの寝顔が可愛らしいって言っていたよ」
「……え」

思いがけない言葉に、エコーは柄にも無く狼狽する。
まさか、そんな筈は無い。
自分は無表情で無機質で、他の使用人達からも『機械のようだ』と気味悪がられているのに。

「エリオットが素直に人を誉める所なんか、初めて見たよ。ヴァネッサは目がハートになっていたし」

ヴィンセントは欠伸をしつつ、二、三回首を回す。
淡々と言う主人の口調に嘘は無く、長年仕えた事で培った勘も、これは本当だと頷いていた。
途端にむず痒いような、ちくちくとした感覚がエコーを襲う。

こんな感情は知らない。
胸の内から湧き上がり、身体全体を包み込むように優しく抱いてくれる――この感情は、一体――?

エコーは急速に自身の頬が熱を帯びてくるのを感じ、慌てて顔を逸らした。
頬に触れる髪の毛の先が燃え出すほど、身体が熱くなっている。
エコーは何とか話題を変えようと、先程まで自身の内で渦巻いていた怒りも忘れて口を開いた。

「――手紙のお返事でも、書かれては如何ですか?」
「……そうだね。エコーも手伝ってくれるかい?」

欠伸を噛み殺しつつ、ヴィンセントがソファから立ち上がる。
手紙の返事を書くのに、エコーの手助けが必要なのか。
首を傾げたエコーに、ヴィンセントはクスクス笑った。

「これは、利用価値が無い連中からの手紙だよ」

ヴィンセントは手紙の一つを掴み、フリスビーの如く投げる。
キャッチしたエコーが文面を見てみると、それは誘いを断る旨を示した物だった。

「エコーが、返事を書くのですか?」
「『お断りします』って書いてくれるだけでいいよ」

ヴィンセントは机に着くと、早速ペンを動かし始めた。
自分がこのまま手紙を放り出して帰っても、きっと気には留めないだろうと、エコーは思った。
本当にマイペース、かつ自己中心的な主人であるが――しかし。

「分かりました」

今は、やけに気分が良い。
怒りも、羞恥も、あのむず痒い感覚も無くなり、今は単純に気分が上向きなのだ。

エコーはほんの少しだけ無表情な自身の面を和らげ、ヴィンセントの机からペンを一本手に取った。
手紙の相手が度肝を抜かれるような、奇天烈な理由で誘いを断ってやろうか――そんな事を上機嫌に考える。
『断りの手紙』だと知ってからは、何故か暖炉に放り込みたいとさえ思った手紙を前にしても平気だった。
0148名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:30:39.63ID:DroW9FB+
エコーは頭の中で『兄にしか興味が無い』といった旨の文を纏め、ペンを握った。

「あんな連中よりも、エコーの寝顔の方が可愛いからね」

ぼそりとヴィンセントが呟いた言葉に、エコーは一瞬気を取られた。
その隙を逃さず、インクはペンを伝い、便箋に着々と染みを作っていく。
気付いた時には、既に到底無視出来ない程の黒い斑が、便箋の中心に居座っていた。

「でも、起きているエコーも可愛いね。そんなに赤くなって」

便箋を何とかしようと焦るエコーに、ヴィンセントの面白がるような声が届く。

うるさいです、お世辞なんて要りません。
内心ではそう言いながら、高鳴る心臓の音に邪魔されて口に出せない。
今や真っ赤に上気した頬が、エコーの色素の薄い髪から透けて見える程だ。
エコーは数分間、便箋の染みと格闘したが遂に諦め、ヴィンセントの机まで新しい便箋を取りに行った。
片手で顔を隠しつつ手を伸ばすと手にキスされ、今度は手が燃え上がった。


後日、結局非番なのに働いてしまった事に気付き、エコーは歯噛みするのだが、それは別の話。

end.
0149名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:34:01.16ID:DroW9FB+
以上です。

ヴィンスってこんなキャラだっけ? と物凄い違和感に襲われながら書きました。最早『誰だこれ?』状態……。

お目汚し失礼しました。
明るい話って難しい……エコー可愛いよね!

したらば。
0150名無しさん@ピンキー2011/12/10(土) 22:45:01.89ID:DroW9FB+
うわああああ何か色々とミスってたぁぁぁあ!!

すいません。139は丸々飛ばして読んで下さい……何とかして消せないかな、これ。
0151名無しさん@ピンキー2011/12/11(日) 01:57:00.11ID:bCFyU8dL
削除するのは無理だけど、脳内で飛ばして読むから問題ない
GJ!面白かったよ!

寝てるエコーに猫耳セットしてみる、その発想と行動が素で残念な
ヴィンスに笑ったw
あとナイトレイ姉弟のやり取りや反応が可愛くて和んだ
0152 忍法帖【Lv=2,xxxP】 2011/12/11(日) 11:06:56.14ID:KMBGMCsD
アリスは夜中に一人で町を徘徊していた
すると何者かが突如アリスを襲ってきた

「久しぶりだな・・・嬢ちゃんヨォ」
「お前は!あの時のタコ!」
「あん時はよくも俺に怪我させてくれたよなぁ」
アリスは逃げたくても力強い大男から逃れることが出来ない
自分の身に何が起こるのか
アリスでも本能で察した
0153名無しさん@ピンキー2011/12/12(月) 23:47:23.41ID:AsqrERaG
保守つづきクレ
わっふるわっふる
0154名無しさん@ピンキー2011/12/14(水) 22:47:34.81ID:znspunie
わっふるわっしょい
0155名無しさん@ピンキー2011/12/16(金) 20:56:09.04ID:aFIb8Oav
わーっしょいわーっしょい

ワッフルワッフル
0156名無しさん@ピンキー2011/12/19(月) 20:53:00.41ID:9nA7TYR8
こーらわっしょい
0158名無しさん@ピンキー2011/12/21(水) 19:49:25.44ID:iVIApRbw
うっうっウマウマ
0159名無しさん@ピンキー2011/12/23(金) 17:53:23.40ID:xWt7vLQx
おい
0160名無しさん@ピンキー2011/12/25(日) 21:52:50.28ID:7KpFKH2j
ドラマCDでのはエリオット→アリスフラグでいいのかな?
エロに行く展開がまるで想定できねー
0161名無しさん@ピンキー2011/12/26(月) 14:02:11.93ID:9ZPm7hnD
それ思ったw


コミックスの5巻の裏はアリスだからヴィンス→アリス

帽子ギルエイ

ドレス、肉でグレン→アリス
10巻はグレン→白アリ
ケビン白アリ
0162名無しさん@ピンキー2011/12/26(月) 14:32:48.72ID:1qCELUQe
結局みんなアリスかよ

アリス嫌いはじゃないけど嫉妬しちゃうw
0163名無しさん@ピンキー2011/12/27(火) 00:23:30.84ID:u4ekudQO
やっぱり女性の多いジャンルなのかアッー!なのか…
あとおっぱい要因エイダちゃんの登場はいつですか
0165名無しさん@ピンキー2011/12/27(火) 17:40:34.59ID:u4ekudQO
BLって言われるのは六割くらいマスターマスター言ってたり兄さん兄さん言ってたりする兄弟の所為だと思う
0166名無しさん@ピンキー2011/12/27(火) 20:31:43.24ID:mRQo1qJz
書きかけの続きを書く気力がないのでネタバレしときます

タコに襲われそうなアリスを通り掛かった
ヴィンセントが自分の気持ちと葛藤しながら
助ける(エコーに命令)

続きはご想像にお任せします
0170名無しさん@ピンキー2011/12/31(土) 15:33:20.20ID:UWrREotu
あけましておめでとう
今年もエロスに走ります
0171名無しさん@ピンキー2012/01/01(日) 22:22:19.89ID:zgZl+Qfv
保守
0173名無しさん@ピンキー2012/01/02(月) 02:34:12.35ID:ZXiJiJJ4
>>172
シャロンが「ブレイクの指は綺麗ですわね」と言って、男としてどう返したものかと俊準したブレイクがふざけて「綺麗って事は私の指が好きなんですよネ」って言ってイタズラしたら引っ込みがつかなくなって本番突入というところまで妄想した。
0177名無しさん@ピンキー2012/01/04(水) 01:20:55.21ID:6B3Wksq+
確かに前のときに良いのあったな…
ギルアリとかヴィンエコとか
0182名無しさん@ピンキー2012/01/05(木) 23:51:42.48ID:Yy4EoS+h
エリエイ好きなんで嫌いじゃないけどヴィンエイはあんま興味ないなー
0183名無しさん@ピンキー2012/01/06(金) 01:31:05.79ID:vb0GLH/d
どのカプでもバッチこい!
自分は色んな組合わせが見れる方が楽しいし

ヴィンエイはヴィンセントが尻に敷かれるかツンデレ化するかの二択じゃないか?
0185名無しさん@ピンキー2012/01/08(日) 16:29:08.82ID:503q4Rm8
そっか今日自分は神無月ヴィンアリがあった夢を見たよ
0186名無しさん@ピンキー2012/01/12(木) 14:09:49.27ID:NtWQQTT0
0187名無しさん@ピンキー2012/01/14(土) 01:21:27.92ID:SHfIeCSY
ほしゅ
0188名無しさん@ピンキー2012/01/15(日) 19:41:26.58ID:zP0gZwnp
誰もいないのか
ヴィンアリとジャクレイ書きたかったな
0191ヴィンアリ2012/01/16(月) 19:29:30.62ID:/B7JAvLD
下手ですが書かせてもらいますね 後レベル低いんで小分けします。
........................................
さて、どうしたものか・・・
僕ったらまた人質を捕っちゃったよ!あっははは楽しいな・・・
バレなきゃなにしてもいいよね♪

「とびきり素敵な玩具を用意しなくちゃ」
0192ヴィンアリ22012/01/17(火) 00:04:41.66ID:zJ7ticKH
胸を踊らせながらヴィンセントはいったん部屋を出た。

しばらくして目がさめたアリスは重い体を起こしながら周りを見渡している最中だった。
「ここは…(私は一体なにがどうなってこんなわけのわからんとこにいるのだ!)」シャラン・・
「首輪?」
逃げようとしたアリスだが部屋に繋がれている状態では脱出不可能なのだ。
0193ヴィンアリ32012/01/17(火) 00:12:14.03ID:zJ7ticKH
(この私がいなくなったのだからきっとあいつらが助けに来るはずだ)
“だから心配ない”そう思っていた。
でも、あいつらは私を助けに来ないかもしれない
仲間だと思われていないかもしれない
私を助ける理由も義務も意味もないのだから−−−−
「やぁアリスちゃん…」
「お前は…!」
目の前の人物はアリスの嫌う男だった・・・
0194ヴィンアリ42012/01/17(火) 00:28:21.32ID:zJ7ticKH
_私の・・アリスが・・嫌いにならなければいけない男。
この男が私を誘って来た犯人だった。
そんな事はどうでもいい、今の所なにも心配はなさそうだろうし(大アリだが)
「なんなんだ…なぜ私はここにいる?」
そう私が問いかけた。だが返って来た言葉はまったく関係のないものだった。
「ははは…やっぱり君なら言うと思ってたよ…」
私は腹がたったのでこの男(ヴィンセント)を睨みつけてやった。
「なんだよ…その目」
0196ヴィンアリ52012/01/18(水) 11:09:43.08ID:vIm3XdLJ
ヴィンセントからは先ほどまでの笑顔消え、冷酷な顔で私を睨んでいる。
「君はあの頃から変わらないね…」

100年前の事だけど僕はアリスが嫌いだった。
だから気に入らないアリスの部屋に行ってアリスを虐めてやったこともある。
全て未遂に終わったけど。

『僕はおまえなんか大嫌いだ!』
0197ヴィンアリ62012/01/18(水) 11:21:46.67ID:vIm3XdLJ
『だからなんだと言うのだ?』
アリスは本のページをめくりながら笑っている。僕はその余裕な態度も気に入らなかった
『なんだでよ…』
(…こいつ話し方がいつもと違う…服の色も暗いしどうしたんだよ)
『お前が私を嫌いだろうと誰が嫌いだろうと興味はない』
そう言ったアリスの顔は憂いをおびていた。
『じゃあ何したっていいよね』
我ながら滅茶苦茶な解釈だったと今は思う
ただ沸き上がった感情を昔の僕では押さえ切れなかったと言う事だよね
0198ヴィンアリ72012/01/18(水) 11:39:16.42ID:vIm3XdLJ
ageすいません!
''''''''''''''''''''''''''''''''''''
『あーっはっはっは!お前みたいなガキが私を襲えるのか?』
お前の高笑いのせいでシリアスなムードはぶち壊しだ。
だから僕はあいつを牽制してやろうとした
『ガキ扱いするなよ!』
切れたヴィンセントはアリスから本を取り上げて床に叩きつけてそのまま押し倒してしまった。
あれこの後どうするんだっけ?
ドヤ顔してたのに何も出来ないなんてかっこ悪いじゃん!
『おい、まさかお前…やり方知らないのか?』
『……別にそんな事は…』
『仕方無いやつだな〜私が教えてやろう』
『は?』
アリスはヴィンセントを押し倒して色々教えてあげました。
0199ヴィンアリ82012/01/18(水) 11:54:19.24ID:vIm3XdLJ
アリスは100年前の事は覚えていないけど今の記憶は残っていく、だから僕は彼女の記憶から消されない痕を刻んでやりたい。
「信じても誰も君を助けに来ないよ」
だってここはナイトレイの屋敷じゃないからね。
褒められたもんじゃないけどあの時君が教えてくれた事は役に立っているんだ
「だからアリスちゃん…」
ヴィンセントはアリスに近づき顎を持ち上げた。
「なんだ?」
「僕だけを信じればいいんだよ」
0200ヴィンアリ92012/01/18(水) 12:21:09.40ID:vIm3XdLJ
アリスは悪魔の囁きに堕された−−−−−−−−
ヴィンセントはアリスのコートを脱がせブラウスのボタンを三つ開けて両手を縛った。
スカートを脱がせると下着ははいていなかった。
「えっちな子だねお仕置きしなきゃ」
ねちゃ「んぐっ…はぁん」
ヴィンセントはアリスに深くキスをし舌を絡ませそのまま軽く愛撫していく
「お肉好きだよねこれをなめてよ…噛んじゃだめだよアリス」
「ん…」
アリスはヴィンセントの肉棒をくわえて刺激を与えていた
「こぼさず飲んでね」
「っあっ…」
アリスの口内へ勢いよく射精した
アリスの小振りな乳棒を揉んでいくと彼女の股から透明な液があふれていた。
0201ヴィンアリ102012/01/18(水) 12:33:27.83ID:vIm3XdLJ
アリスのクリトリスを摘みナカに指を入れたりするうちに膣がほぐれて来た
ヴィンセントはアリスに足を開かせて膣内をなめた
「ふぁあっ…ヴィンセント!」
「気持ちいい?久々に挿れるから痛いだろうけど我慢してね♪」
ヴィンセントはアリスに腰を打ち続けた。
「はあーっん本当はっお前が好き…だったんだ…!」
アリスは涙を浮かべながらも微笑んでいた。

「僕も好きだよ…」

二人は共に果てていった−−−−fin
0202名無しさん@ピンキー2012/01/18(水) 15:26:51.95ID:vIm3XdLJ
これで終わりです
グダグダですいませんでした!
呼ばれれば次はグレアリ書きます
0206名無しさん@ピンキー2012/01/19(木) 19:41:26.87ID:fphPuEMY
小ネタ
ジャック「グレンー見に会いにきたよー」
アリス「誰!?」
ジャック「幼女…だと?嘘だろ…グレンにそんな趣味があったなんて…!」
グレン「違う…」
0207名無しさん@ピンキー2012/01/19(木) 21:10:52.03ID:EhvgNh62
>>206
ジャック「…というわけなんだよ。グレンは幼女を塔に監禁して悦ぶペド野郎だったんだよ!」

ロッティ「甘いわねジャック!私はどんなグレン様でも愛せるわ。そう、たとえペド野郎だとしても!!」

グレン「」
0210名無しさん@ピンキー2012/01/21(土) 02:29:33.79ID:FjLo+/xT
私はグレンが好きだから他の女に会わせたくない
「グレンと話していいのは私だけ!」
0211名無しさん@ピンキー2012/01/22(日) 23:59:30.37ID:us80hgzC
アリスが成長してから出てきたのはショック
せっかくネタがあったのに
0212名無しさん@ピンキー2012/01/23(月) 01:30:45.17ID:wKO/8+7n
取りあえず書いてきます。
グレアリ+α、無茶設定でアリス幼少時代あり
−−−−

グレンが扉の管理をしていると特別な事がなければ開くはずのないアヴィスの扉が開いていた。
民が困惑して不安にかられているとグレンが現れその場を静めた。
民が配置に戻るとグレンは誰かに裾を引かれたので下を見ると、そこに居たのはレイシーに酷似した乳幼児だった。
0213名無しさん@ピンキー2012/01/23(月) 01:34:57.27ID:wKO/8+7n
ちょっと間違えた。
−−−
配置に戻った後グレンは誰かに裾をつかまれていた。
下を見るとレイシーに酷似した子供がいた。
0215グレアリ2012/01/28(土) 02:30:06.91ID:6DZv8MPP
「えっへへー」
少女はにこにことこちらに笑みを向けて来た。
とりあえずこの子供を塔に入れなくてはならない、それが掟なのだから。
アリスを塔に運んだグレンはレイシーを思い出す。
なぜ決まりだからと生け贄にしてしまったのかそれを止めることが出来なかったのか
今更悔やんでもレイシーは帰って来ないと言うのに。
0216グレアリ2012/01/28(土) 02:37:26.98ID:6DZv8MPP
>グレンは× 私は○

アリスが大きくなるまで私は彼女の身の周りの世話を全て担った。
理由はアリスの存在を民に知られては困る点からだった。
時に彼女を玩具のように扱った事もあったがそれは愛情なのだ
「グレン大ー好き!」

0217名無しさん@ピンキー2012/01/31(火) 19:17:22.85ID:jdk0sm7h
昔とんでもない妄想したんだ
ジャックの子身ごもったミランダをアリスがロープでつるして陵辱したり
アリスがミランダに「流産しろ」とか言ってた

昼ドラ系
白アリスが妊婦になって黒アリスとなってごたごたしてたり
エイダがヴィンセントの子を身ごもったりしてたり

サイトに書いたら引かれる事ばかり思いつく
0221名無しさん@ピンキー2012/02/10(金) 00:12:51.08ID:kq94XHpo
みんな腐好きになったならこのスレいらんがな
0224名無しさん@ピンキー2012/02/11(土) 01:27:55.73ID:RnJOj9hX
単行本しか持ってないんだけど過去編ってそんなにほもほもしてるのか
0225名無しさん@ピンキー2012/02/11(土) 10:24:35.77ID:VUhde5Zw
単行本派には少しネタバレなんで下げとくが








過去編はものすごいジャック→レイシーのターン
そしてミランダさんがやばすぎ
あの女屍姦とか平気で始めそう、首を求めて頬染めてるとか変態すぎるw
0228名無しさん@ピンキー2012/02/16(木) 00:25:04.82ID:u8tuVKHb
腐人気って思って見るとそういう風に見えなくもないけど、実際は全然そういうの推してないのにな…
ただしヴィンセントは除く
0229名無しさん@ピンキー2012/02/16(木) 19:40:19.21ID:jmlQ8u67
マスター
エリオット、君が好きだったよ
好きだ!愛してる
嫌い・好きなもの帽子屋さん

ごらんの有り様だよ!
0231名無しさん@ピンキー2012/02/17(金) 19:28:13.25ID:+dF0u/lm
どうしてNLが少ないのか
0233名無しさん@ピンキー2012/02/18(土) 14:07:20.53ID:fMx8Jlyc
ホモってより女性不信なんだろ
そして女弄りの一番激しい奴もヴィンス
エコーにベロチューとDV、ロッティの乳揉み、半裸のツヴァイを
懐に入れる、エイダの手をぺろぺろ、他にも貴族の女達とヤッてる
0234名無しさん@ピンキー2012/02/18(土) 20:48:10.88ID:0BNle7HF
アリスには何もしねえのかつまんねえなア

シェリルにも(ry
0235名無しさん@ピンキー2012/02/19(日) 02:04:22.45ID:E5RNfLcP
お婆ちゃんは流石にむりだろwwロリから老女までいけるとか光源治じゃあるまいし
あとツヴァイとは確実にヤってると思う
0237名無しさん@ピンキー2012/02/20(月) 02:04:38.81ID:hvbzy7pQ
本スレでジャックとアリスがキスしたとかなんとか言ってたけど
どういうこと?
0241名無しさん@ピンキー2012/02/29(水) 15:46:31.18ID:9k9IFd54
あげおち
0242名無しさん@ピンキー2012/03/02(金) 14:24:24.61ID:lho+iDAg
腐しかいねーのか!
0247名無しさん@ピンキー2012/03/21(水) 10:05:47.17ID:C+0bhW+i
あげ
0248名無しさん@ピンキー2012/03/24(土) 20:56:51.07ID:fGhxY9eC
からあげ
0249名無しさん@ピンキー2012/03/24(土) 23:34:18.21ID:Rqt1usDB
たつたあげ
0250名無しさん@ピンキー2012/03/25(日) 23:33:34.82ID:LsGVPyXf
あげパン
0251名無しさん@ピンキー2012/03/27(火) 10:02:31.09ID:uTDYkazS
パンツ
0252名無しさん@ピンキー2012/03/29(木) 00:32:10.43ID:7D2+xNH6
オズアリくれ
0253名無しさん@ピンキー2012/03/29(木) 12:53:56.65ID:WGNUNwmV
グレアリとジャクレイください
0254名無しさん@ピンキー2012/04/01(日) 01:09:42.86ID:CRvTqKlk
新刊読んだ
作者前よりロリショタが可愛くなってないか?あのぷくっと丸い感じがなんとも…
0255名無しさん@ピンキー2012/04/10(火) 02:14:46.44ID:ZsBumDiR
新刊グレレイ・ジャクレイに萌えた
先代グレンってレイシーとヤッたってことだよねw
0256名無しさん@ピンキー2012/04/20(金) 20:34:08.51ID:vakad5IH
ギルアリこーい!
0257名無しさん@ピンキー2012/04/22(日) 16:10:34.24ID:IKfEsilL
だれかヴィンス×エコーの陵辱エロパロオナシャス
解毒剤に媚薬入ってたとかなんでもいいんで
0258名無しさん@ピンキー2012/04/23(月) 01:11:35.86ID:l1UlIvo4
あの毒のくだりはエロかった
あれを超えるシーンは未だに本編にない
0259名無しさん@ピンキー2012/04/24(火) 22:40:48.48ID:WYGNZOnQ
上気した苦しそうな顔最高です
誰かお願いします
0260名無しさん@ピンキー2012/04/25(水) 01:15:22.48ID:ZcBWAAVe
落ちた前のスレになかったっけ?
誰か書くって言ってた気がしたんだが
0262名無しさん@ピンキー2012/05/14(月) 01:09:17.96ID:XCF/feTW
ほしゅ
0263名無しさん@ピンキー2012/05/27(日) 20:56:16.24ID:a4EuOUnG
エコちゃんのエロがみたい
純愛でも鬼畜モノでもいいから読みたい
0264名無しさん@ピンキー2012/05/29(火) 17:17:09.48ID:bLgeCYWz
焦らし快楽責め希望
0265名無しさん@ピンキー2012/05/31(木) 21:27:14.22ID:f4a3OGbd
ヴィンエコなら鬼畜
オズエコなら純愛
0266名無しさん@ピンキー2012/06/01(金) 18:56:39.41ID:ihf6rdY3
鬼畜と言っても痛いのはやだな個人的に
0268名無しさん@ピンキー2012/06/05(火) 23:05:12.02ID:JGADympk
どうにかアリス関係で書けないものかと唸るが、書けない現実が……
0271名無しさん@ピンキー2012/07/18(水) 05:44:21.20ID:/trkoipf
エロと親和性が高いのはエコちゃんかな
その中では唯一の非処女だろうし
0273名無しさん@ピンキー2012/07/21(土) 18:35:30.02ID:ZRN+lkwd
アリスはせっかくの男女のメイン3人だからオズとワカメと3Pで
0274名無しさん@ピンキー2012/07/23(月) 22:38:03.46ID:vfiNmZeb
個人的にはヴィン×エコ
エコちゃん大好きだけど陵辱ものが見たい

>>271
いや分からんぞ
ヴィンセントは℃変態だから単純に処女を散らせる以上の恥辱&陵辱をエコーに与えているイメージ
0278名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 01:25:15.34ID:1DDYmsSU
新刊は落ちるとこまで落ちたからな

妄想力豊かな俺でも
寂し過ぎてレヴィと気紛らわしぬ享楽に溺れるレイシーしか思い浮かばなかったぜ
0279名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 19:56:12.43ID:egjAxqUT
ファンブックの方でMもいけることがわかったヴィンセントさん。つまりロッティとの爪はがしプレイが可能となった、と
0282名無しさん@ピンキー2012/08/25(土) 12:11:34.65ID:bqQPm62f
リーオは老若男女OKで強いて言えばエロイ人妻がいいとか
コミクスのオマケ冊子で言ってたな。
エロイ人妻キャラがいないのが惜しい

ふとレイシー・ジャック・レヴィで3Pしてるところをオズワルドが目撃してと妄想がよぎった
レイシーてアビスに落ちたときいくつくらいだったんだろうな
0283名無しさん@ピンキー2012/08/30(木) 23:48:41.05ID:NS4noxhI
レイシーは雰囲気エロいよな
落ちたのは20代半ばくらいだと勝手に思ってる
0288名無しさん@ピンキー2012/12/20(木) 19:29:00.55ID:EXly7MzK
誰か新刊で妄想できる猛者はいないのか
0289名無しさん@ピンキー2012/12/24(月) 03:30:11.15ID:Nr3o5G7s
オズの振りしてアリスに陵辱プレイなジャックぐらいしか思い付かない
0290名無しさん@ピンキー2012/12/27(木) 08:55:10.22ID:5EZClO+V
それは自分も思った
0291名無しさん@ピンキー2013/01/11(金) 00:54:27.70ID:ikWzN+IJ
>>289
オズの意識があるままでとかだったらすげえ鬼畜だな
だがそれでこそジャックだと思っている
0292名無しさん@ピンキー2013/01/11(金) 09:15:00.90ID:YAszpYeK
それなら鬼畜プレイの後にオズに戻っての愛あるプレイも見れて2度美味しい
0293名無しさん@ピンキー2013/01/14(月) 16:55:37.96ID:ob3G5gC1
鬼畜陵辱プレイといえばヴィン×エコの印象
ヴィンセントは一晩中エコー責め続けて楽しんでそう
0294名無しさん@ピンキー2013/01/22(火) 21:14:36.88ID:U+J8lpq7
>>292
それはあるな
0295名無しさん@ピンキー2013/02/11(月) 00:27:16.09ID:bIMcNPDA
まだ落ちてなかったのか
0297名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:08:47.52ID:6xgCxqAC
誰かいるのかな、これ。
原作の展開で何か書こうとしたら、暗過ぎて笑えない出来になったので断念。
一周回ってギャグ風味なのを書いてしまった。


暇な方は読んで下さい。エロはないです
0298名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:16:28.67ID:3kMTvzgO
「え?イメチェン……ですか?」

レインズワース家の一室で、アリスは不意にそんな事を聞いてきた。
うむ、と尊大な態度で頷くと、アリスは深く椅子に腰掛ける。

とは言え、椅子が大きめな事と深く座っている事とが相まって妙にアリスが小さく見えてしまい、態度の割に偉そうに見えないが。


「ワカメとピエロが話しているのを聴いたのだが、そんな言葉が出てきた。何なんだ?その『いめちぇん』とやらは。美味いのか?」

「ああ……なるほど」


大体の事は理解したシャロンは、溜息を一つ吐き出す。
大方、ブレイクがギルバートの髪についてからかったのだろう。

道理で今朝会ったギルバートが、妙に前髪を気にしていると思った。
く自分の髪質――天然ワカメ、とは誰が言った言葉だったか――を何とかしたいと、色々思考錯誤していた所をブレイクに知られたのではないかと、シャロンは推測する。
その時のブレイクは――ブレイクという男なら勿論、いじる。まず間違い無くいじるだろう。

『あれ〜、イメチェンですカ?折角のアイデンティティを無くそうなんて、キミも思い切った事をしますネェ』

……多分、こんな具合で。
0299名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:19:20.41ID:3kMTvzgO
「アリスさん、イメチェンというのは食べ物ではありませんわ。髪型や格好を今までとは大きく変えて、その方の印象を一新する事を言うのですよ」

「? それは、何のためにする事なのだ?」


アリスが小首を傾げると、長い黒髪が滑るように流れる。
その瞳には純粋な疑問の色しか無く、本当に分からないから聞いているのだろう。

中々難しい質問ですね――と、シャロンは少し考え込む。
紅茶を一口飲み、アリスの問いへの答えを頭の中で纏めると、シャロンは口を開いた。

「きっと、自分の新たな一面や、それまでは隠れていた魅力を、誰かに知って貰うためにするのです。そうして外見が変われば、その方自身の気持ちの在り様は変わるでしょうから、気分も一新出来るのですよ」

シャロンの説明を、アリスは眼を丸くして聴いていた。
ただ、ギルバートの場合は、自分のコンプレックスの解消が動機の大半を占めているだろうという事は言わないでおいた。
0300名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:21:21.44ID:3kMTvzgO
「なるほどな……。ではシャロン! 私がいめちぇんするとしたら、どうすれば良い?」

「えっ?」


どうやら上手く説明出来たようだと安堵していたシャロンは、再び面食らった。


「私の普段は隠れた魅力とは何だ? いや、ついでだから聞いておきたいだけなんだがな――」

「あ、アリスさん……イメチェンしたいのですか?」


恐る恐るといった風にシャロンが尋ねると、アリスはほんのりと顔を赤くした。
その様子に、一旦は鎮静化していたシャロンの『乙女心』 が急激に擽られる。


「……別にそういう訳じゃない。ただ、その……私がいめちぇんした姿を見て、オズやあのワカメはどう思うのか、と……気になるというか」

(〜〜〜〜〜〜っっ!!??)


無言の抵抗である。
今この場に一人であれば、シャロンは胸を押さえて悶絶していただろう。割と本当に。
0301名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:23:35.42ID:3kMTvzgO
すぼみになっていく言葉に普段の勢いは無く、頬は微かに上気し、大きな瞳は恥ずかしそうに伏せられている。

アリスの普段は隠れた魅力とは、まさしくこれだ。
この男勝りな少女が時折見せる女の子らしさは、きっと自分でなくともクラクラする程に魅力的なのだから。

シャロンの周りには今、そこら中にハートが浮いているだろう。それを気にもせず、シャロンはアリスに詰め寄った。


「お手伝いしますわ、アリスさんっ!!」

「お、おお……?」


最早、この状態になったシャロンは止まらない。
アリスの手を引くと、シャロンは勢い良く部屋を飛び出した。
0302名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:25:46.39ID:3kMTvzgO
「んー……こちらの方が良いでしょうか」

「あ、あの……シャロン……着てみたぞ?」

「まあっ! アリスさん、とてもお似合いですわ、その髪型も可愛らしいですね」

「かわ……っ。う、うむ、ならばもう……」

「でしたら次はこちらを。アリスさんに着せて差し上げてください」

「な、もう次か!? これで何着目……」


アリスの言葉は、使用人達が閉めたカーテンの奥に消えていった。

あれから一時間、アリスは完全にシャロンの着せ替え人形になっている。

最早当初の目的を忘れかれけている気もするが、シャロンは止まらない。
アリスは勿論、一時間以上着せては脱がしを繰り返している使用人も徐々に表情が疲れてきているのだが、一方でシャロンは絶賛ハート増産体制である。


(やっぱり女の子らしいドレスが良いですわね。ですが、アリスさんの可愛らしさを全面に出すなら、清楚な装いにするのも……)


生き生きと考え込むシャロンは、本当に心から楽しんでいた。
0303名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:29:14.94ID:3kMTvzgO
身体の都合上、歳をとらないシャロンは同世代の友達がいない。
正確には、いたのだが――歳は離され、話題は合わなくなり、目線も見上げるようになってしまった。

成長が止まってからは、発育が遅いと言い訳し続けていたが、流石に10年が経てば誤魔化せない。
今や、パンドラに関わる公爵家の者としか顔を合わせる相手はおらず、歳の近い話相手は減る一方だった。

アリスは、自分と友達と言える間柄なのかは分からない。
しかし――少なくとも、他人ではないのだと、シャロンは思っている。

あの時、自分を元気付けようと『頬を食べて』 くれた少女を、シャロンは気付けばいつも気にかけていた。
永らく忘れていた感覚を、アリスは思い出させてくれたのだ。


(私は……アリスさんの力に、なれていますか?)


カーテンに向かって小さく微笑むと、シャロンはまた新たなドレスを探し始める。
打算も、下心も抜きにして――今は、アリスと触れ合うのが、楽しくて仕方が無かった。
0304名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:31:15.23ID:3kMTvzgO
「……シャロン、着たぞ」

「はい、アリスさん。どうですか? 着心地は――」


振り返りつつ聞こうとした言葉は、アリスの姿を見た瞬間にぷつりと消えた。


「ど、どうだ?」


淡い水色のドレスに、揃いのヒール。
長い黒髪は纏め上げられ、金の糸を編み込んでシニョンを形作っている。
肌の露出は極力抑えた中で、小さく覗く肩に黒髪が掛かり、肌を白く浮かび上がらせていた。


「な、何だ……何故無言なんだ!? 何とか言え!」

「! え、ええ……とても、綺麗……ですわ。アリスさん」


思わず見惚れてしまう程に、普段とは様相を変えたアリスに、シャロンは素直にそう答えていた。

清楚な衣装も似合うのではと思っていたが、まさかここまで変わるとは予想だにしていなかった。
口調は相変わらずだが、今のアリスは何処か名家の令嬢にしか見えない。
0305名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:34:20.07ID:SOi452md
可愛らしくも、綺麗――そうシャロンが評すると、アリスは少し驚いた表情で、鏡を見る。
そして、自分の姿をまじまじと見詰めたかと思うと、急に笑い出した。


「ふ……ははははっ!! そうか、これがいめちぇんなのか! 確かに今までと印象が全く違うな!」

「え?……え、ええ、そうですわね! 大成功ですわっ! 」


着せ替えの後半から当初の目的を忘れかけていたシャロンは、慌てて拍手を送った。
そんなシャロンの様子も気にせず、アリスは得意気に鏡の前をくるくる回っている。


「この膨大な量の服の山から、私のいめちぇんに必要な服を探し出すとは……この一時間も無駄では無かったという事か!」

「うっ……」


途中からイメチェンの事はすっかり忘れて着せ替えを楽しんでいました、とは言えない。
内心アリスに平謝りしつつ、シャロンは先程までの自分の暴走ぶりを思い出して赤くなった。
0306名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:37:29.56ID:SOi452md
「さて、早速下僕達にいめちぇんした私を見せに行くか!」


そう言うや否や、アリスはパタパタと駆けていく。
余程二人の反応が楽しみなのか、今のアリスはとても無邪気な笑顔を浮かべていた。
口許を吊り上げた尊大な笑みは良く見かけるが、こうした自然な表情は容姿相応なのかと、シャロンも新たな発見に微笑む。


(こうして見ると、普通の可愛らしい女の子ですわね)


突進するようにドアへ向かったアリスにクスクス笑いながら、シャロンは使用人達に労いの言葉を掛けようとした。


「シャロン」


不意に聞こえた静かな声音に振り返ると、アリスがドアを開けた状態で固まっていた。


「はい、何ですかアリスさん?」

「…………その、何だ」


いつになく歯切れの悪いアリスに、シャロンは首を傾げる。
二人の視線が交錯した瞬間、アリスは慌てて目を逸らし、俯きながら呟く様に言った。



「あ――……ありがとう……」

「――!」
0307名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:39:40.68ID:SOi452md
シャロンが何も反応出来ないうちに、アリスは急いで出ていった。
照れくさかったのか、色付いた頬を隠すようにして。


「…………」


呆けていたシャロンは、漸く復活すると、堪え切れないとばかりに笑い始めた。
涙が浮かぶ程笑いながら、シャロンは安堵をその全身で抱き締める。

良かった――力になれたのなら。
普段は滅多に見られない表情で、聞いた事も無かった言葉が聞けたのなら。


(友達としては、合格でしょうか。ふふ、姉でも良いのですが――)


「どういたしまして、アリスさん」


穏やかに囁く少女もまた――アリスのように、何処にでもいる『普通の女の子』 そのものだった。
0308名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:41:46.18ID:SOi452md
その後のアリス


「おーい、アリスー?そろそろ戻るよー?……うーん、アリスってばどこ行ったんだろ……ん?」

「……」

「そうだ、ちょっとあの人に聞いてみよう。あのーすいません、赤い服を着た、長い黒髪の女の子を知りませんか?」

「……!オ……っ」

(……オ?っていうか、凄い美人……!おまけに年下っぽい!)

「……いえ、すみません。申し遅れました、オレはオズ=ベザリウスと言います。貴女のような可憐で綺麗な方に出会えた今日という日は、何て良い日なのでしょう。探し人の彼女に感謝しなくては」←ホストモード

「か、可憐? 綺麗……っ!?」 ←顔真っ赤

「(わー、照れてる?かっわいいな〜)どうでしょう?探し人の件はオレの従者も探してくれていますので、見つかるまでお話でも」 ←絶好調

「え、う……っ、わぁぁぁぁぁぁあっ!!!!」←恥かしさが限界突破

「あ、あー……逃げちゃった。……んー、それにしても可愛い子だったなぁ。あのドレスも似合って……って、あれ?」
0309名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:44:39.64ID:SOi452md
(あの子、ドレス姿って事は使用人じゃない筈……でもレインズワース家に養子がいるって話も聞いた事無いし、お客さんだったのかな?)




「はぁ、はぁ……っ、な、ななな何を言い出すのだあのバカオズめ! いきなり可憐だの綺麗だの、それに似合っている、とも……」

(……うむ、いめちぇんも悪くないな……)

「失礼、聞きたい事があるのだが」

「っ!! (今度はワカメ頭か! オズの様に、また変な事を言ってくれ……言ってくるのではあるまいなっ!?)」←ちょっと期待

「このくらいの、凶暴で横暴で足癖の悪い、三つ編みの黒髪の娘を知らないか?あと、言葉遣いが悪くて妙に偉そうで――」

「何だとこのワカメがぁぁぁ!!!! お前なんか一生いめちぇんに失敗し続けろっ!!」←期待した私が馬鹿だった!

「!?」
0310名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:47:06.48ID:SOi452md
その後のシャロン

「アリスさん、オズ様達を驚かせられるといいのですけれど……あら?」

(アリスさんの着ていた服……ですわね。そう言えば置いて行ったままでしたか)

「………………イメチェン……ですか」





「お嬢様ー、此方にいらしましたカ。シェリル様がお呼びで――」

「……ぶっ、ブレイクっ!?」 ←アリスのシャツにミニスカート装備

「……ええと、よくお似合いで、お嬢様」 ←唖然

「きゃー! きゃーっ!!」←真っ赤

「ちょっ!?は、ハリセンは……いだっ!っていうか本当、いつもそれ何処から出してるんですカ!?」

(きゃあぁぁ見られた、見られた! こんな格好、ザクス兄さんに……もう消えてしまいたい……っ)
0311名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:49:10.03ID:SOi452md
「それにしても、お嬢様って意外と脚がお綺麗なんですネェ。滅多に見られない分、ここで目に焼き付けて……」←まじまじ

「っ! ざっ、ザクス、兄さん……っ」←羞恥のあまり涙目

「(!マズい、からかい過ぎましたカ) あー、その、私はそういうお嬢様も良いと思いますヨ?というか男は皆ミニスカートは好きデス」←取り敢えずフォロー

「ほ、本当ですか……?」

「……まぁ、先程から慣れないミニスカートの所為で見え放題なのが目に毒ですケド――がはっ!!!!」←ハリセンクリーンヒット

「何で早く言ってくれないのですかっ!! うう……兄さんのばかぁぁっ!!」←白でした

end.
0312名無しさん@ピンキー2013/03/25(月) 06:55:23.09ID:3rQir0qq
す い ま せ ん で し た 。

あと、今更ですが時系列は取り敢えずブレイク失明前で。
シャロンを抱き抱えているブレイクの絵を見て、シャロンがミニスカになるシーンが書きたいがためにこうなりました。
あのイラストでドロワーズを除去した望月先生は天才だと思います。

慣れないものはやっぱり書くべきじゃありませんね。

では。
0315名無しさん@ピンキー2013/04/28(日) 21:29:50.22ID:4XQE0ZqQ
久しぶりに来たら投下が来てた…だと…!
アリスもシャロンも方向性は違えど可愛いと格好いいの両方の魅力が有るのがいいなあ
乙でした!
0316名無しさん@ピンキー2013/06/01(土) 18:50:50.17ID:sJqAay4V
新刊きたし色々ネタもあった…よな?
小説の方はヴィンセントとエイダの話でほっこりしたけどあの二人でエロが想像つかん
0319名無しさん@ピンキー2013/06/12(水) 18:08:07.33ID:Qm6SKk9b
なんとなくヴィンセントって絶倫でテクニシャンのイメージがある
一晩中エコーを性的にいじめて愉しんでそう
0320名無しさん@ピンキー2013/06/17(月) 19:44:52.64ID:+7iHbx9I
エコちゃんはツンツンして可愛い少女キャラなのに圧倒的に被害者なのがエロい
0321名無しさん@ピンキー2013/06/18(火) 02:03:40.77ID:xtEO0z6S
誰かギルオズで書いてくれないか 頼む
0323名無しさん@ピンキー2013/06/19(水) 01:10:42.74ID:v8rTk1jU
エイダちゃんはまだ潔白だよな
ヴィンス早いとこ奪ってほしい
0324名無しさん@ピンキー2013/06/19(水) 01:41:55.27ID:JpMrkfXa
ヴィンセントはせっかく性的なのと恋愛と2つフラグがあるのに3Pになる気がしない
0325名無しさん@ピンキー2013/06/21(金) 23:52:04.99ID:sLMW7JFx
アリスがレイプされてその余韻が残ってギルとオズとで3P
0326名無しさん@ピンキー2013/07/02(火) NY:AN:NY.ANID:NniePxs8
アリスとオズは言うまでもなくフラグ建ってるし、
ギルバートもアリスにデレてきたから3Pあると思うんだ
0327名無しさん@ピンキー2013/12/06(金) 01:11:30.39ID:PpM62eFT
新刊きたのであげ
ブレシャロちょっとあったくらいでエロパロ的に美味しいとこは少なかったけど
0329名無しさん@ピンキー2014/04/03(木) 19:27:12.27ID:7EDe9Q00
パンドラハーツがもっと青年向けだったらヴィン×エコ鬼畜凌辱エロ同人も出ただろうになあ
0330名無しさん@ピンキー2014/05/05(月) 21:14:02.80ID:yi1dQHgb
保守
0331名無しさん@ピンキー2014/05/10(土) 18:16:16.98ID:KpnxXJIO
アリスとオズしてほしいけど想像できない
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