「ふぁっ…!あ、ぁ…っ」
「…お前も……いい声だ……もっと、聞かせろ……もっと、俺を…――」
続く言葉の代わりに、男は女の中を、深く突き上げ始める。
これまで堪えていたものを、全て発散させるかのように。
「ああぁぁっ、や、ぁあ…」
「幻海…っ…く、…力、抜け…っ…!」
余りの締め付けに、男もまた余裕をなくしてはいくものの、突き上げる速度は緩める事が出来ない。
うねる様に腰を送り込み、敏感な肉芽を擦り付けるように肌同士を密着させると、
女の身体は過敏に反応し、一際大きな喘ぎを押し出し、逸物を締め上げる。
「あぁぁぁっ!い、や…っ、くっぅ…」
気持ちよくて、気持ちよくて、たまらない。
男の身体が、男の熱が、男の声が、甘く女を痺れさせ、女をまた絶頂へと高めていく。


女は、自分自身でも理解出来なかった。
何故、この男を受け入れるのか。
何故、この男を許すのか。
このような仕打ちをされ、何故悪い気がしないのか――初めてこの男と関係を持ってから、
この一週間の間、ずっとそれを考えていた。
束の間の、ほんの一時手に入るこの若さの求めるがまま――体の疼きは、日に日に大きくなり、
男と身体が馴染んでいくのを確かに感じていた。
「ひぁんっ…あ、ああぁ…!死々わ、か…っ…」
妙な小細工を施してまで、人間の自分を求めるこの若い妖を、たまらなく愚かだと思う。



愚かで――たまらなく愛しいと思った。