【キャサリン】 アトラス総合 Part3 【デビサバ】
メガテン全般、オーディンスフィア、世界樹の迷宮、グローランサー、キャサリン
デビルサバイバー、ラジアントヒストリア、救急救命カドゥケウスなどアトラスゲームのSS総合スレです。
前スレ
【ライドウ】 アトラス総合 Part2 【カドゥケウス】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238149453/
【メガテン】 アトラスゲームSS総合 【オーディンスフィア】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179298247/
ペルソナシリーズはこちらの専用スレに。
【主にP3・P4】 ペルソナ総合エロパロスレ 16 【1と2も】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1275822774/
保管庫
http://oroti.no-ip.biz/~eparo/ >>278です。
とりあえず前半部分だけ出来たので投下。後半は間に合いませんでした…
CPは上で言った通りHOSPITAL.のCR×マリアになります。
・ED後
・CRは牢に戻った後、かなりの数の術式こなして刑を終わらせて戻ってきた感じの設定
・エロ部分直前まで
・ナチュラルに1スレ目からCRの本名バレ その日は、バイオテロの犯人として投獄されていた『懲役250年の囚人』が、『一人の外科医』として生まれ変わる日だった。
彼の努力が実を結び、ついにオペとの取引年数がその長すぎる刑期に届いたのだ。
明るすぎる太陽と雲一つない澄んだ空の下、搬送車から降りてきた青年を、リザルガム・ファーストケアの医師達は大いに歓迎した。
ある者は泣いて、ある者は笑って、ある者は苦しいくらいに強い抱擁をして、ある者は嬉しそうに肩を叩いて手を差し出し。
青年は、エルハルト・ミュラーは、ぎこちなく、そして不器用に微笑んでそれを受け入れていた。
エルハルトの釈放を祝うために開かれたパーティも、終わりに近づきつつあった。
あれほど高揚と歓喜の声で溢れ、賑わっていた店内も、今は全員の疲労を反映したかのように落ち着いた空気が流れている。
料理の乗っていた皿、空になったビールやワインのボトルに、溶け残った氷が入ったグラス。それらが次々と片付けられてゆくが、その中で一つだけテーブルから動かないもの…いや、人間がいた。
健康的な褐色の肌に、艶やかにすらりと伸びる脚。その持ち主はいつもの騒がしさは何処へ行ってしまったのやら、静かに寝息を立てている。
「…おい、マリア。いつまで寝ているつもりだ?」
「ミス・マリア、そろそろ起きてください」
マリアの隣に座っていたエルハルトとトモエが眠っている彼女の意識を引き戻そうと試みるが、強く揺さぶられても耳元で呼びかけられても、マリアは一向に目を覚ます気配がない。
マリアが眠り込んでしまったのはかなり前の時間帯だった。疲労のためか安心のためか、一頻り飲んだ後ふっと意識を手放してしまったのだ。
「ったく…大して強いわけでもねぇのに飲みすぎるからこうなるんだ」
いつも通りのなりでスーツを着込んだガブリエルが、その鳥の巣を思わせるボサボサの頭を掻き毟る。そして気だるげに椅子から立ち上がると、焦った様子でマリアを起こそうとしているエルハルトへ視線をやった。
「おい、青年。悪いがマリアを介抱してやってくれ」
「…俺が?」
「つってもまぁ…コイツを家に運んでやってくれるだけでいい。外にタクシーを呼んである。…ああ、心配すんな。金は払うさ」
エルハルトが店の外に目を向ければ、確かにそこには見慣れない車が停車している。
エルハルトは承諾すべきか断るべきかしばらく考えて、しかしやがて頷いた。
「…了解だ。マリアの家への道順を教えてくれ」
「悪いな、釈放記念日だってのに」
「構わない。気にするな」
俺やハンクが運んだりしたらコイツに殴られそうだからな。そんな風にガブリエルが軽口を叩くのを聞きながら、エルハルトは多少乱雑に道順と住所が書かれた紙を受け取る。
実際、迷惑だとは少しも感じていなかった。疲れていたのは確かだったが、世話になったここの医師達に少しでも貢献できるのであれば疲労など安いものだ。
渡された紙に目を通し、大まかな所要時間を把握してから、エルハルトは空になったテーブルで顔を突っ伏して眠っているマリアの方角へ目を向ける。 彼女が熟睡しているのはまず疑いようがない。今の状況で何をしてもまず起きる事はないだろう。となると、彼女の体を持ち上げて連れて行くしか手段はなさそうだ。
そう判断したエルハルトは、椅子からぶら下がる足の下に手を入れて、彼女を起こさぬように慎重に抱き上げる。そしていとも簡単に持ち上がってしまった、その華奢な体に驚かされた。
その肢体の細さから予想していなかったわけではなかったのだが、臓器も骨格もちゃんと体に揃っているのかどうか不安になってしまうほど、腕の中の身体は軽かったのだ。
躊躇いなくマリアの体を抱き上げたエルハルトを見て、ゲイブが冷やかすような調子で、しかしどこか楽しそうに口笛を吹く。
「中々やるな、お前も。随分と見せつけてくれるじゃねえか」
「…体に負担をかけずに運べる方法を選択しただけだ」
「へえ……。ま、どっちでもいいさ。途中で起きて殴られたりしねえことを祈っとくぜ」
にやりと笑ってこちらを見つめてくるガブリエルは、しかし間違いなく診断医の目をしていて、何もかも見透かされているような気分になったエルハルトは思わず目を逸らした。
そこへ美しい黒髪と和服を揺らし、トモエがエルハルトの元へ歩み寄ってくる。
「先生。今晩、外は冷え込みます。どうかお気を付けてお帰りになってくださいね」
「ありがとうございます、タチバナ先生。…では」
微笑む大和撫子の医師に一礼し、エルハルトは店の扉を開ける。途端に真冬のポートランドの気温が容赦なく皮膚を刺した。長袖の自分はまだ大丈夫だが、脚を常に外気に晒しているマリアはすぐに体を冷やしてしまうだろうと、エルハルトは急いでタクシーに乗り込む。
メモに記されている通りに運転手に道順を伝えれば、ほどなくして窓から見える景色が動き始めた。
着くまでの間に仮眠を取っておくべきだろうか。エルハルトは一瞬悩んだ。しかしメモで見た限りではマリアの家はここから歩いても十分とかからない距離にあることを思い出し、取るだけ無駄かと結論付けて窓の外へ目を向ける。
窓の外を流れ行く景色と、夜闇に浮かび上がるマリアの寝顔に目を奪われながら、エルハルトはタクシーが止まるのを待った。
*
到着した家が間違いなくマリアのものだと確認すると、眠っている彼女の衣服から鍵を探り当て、エルハルトはマリアの家に入る。
最初に目に入ったのは火の消えている暖炉だった。そこはリビングであると同時にガレッジにもなっているらしく、シャッターの近くには彼女の愛車であろうバイクが停まっている。お世辞にも整っているとは言い難い部屋だったが、
そこがマリアらしいと、エルハルトは口元に微笑みさえ浮かべていた。
奥へ進むと、ベッドを備え付けてある寝室らしき部屋が確認できた。エルハルトは腕の中の彼女をそこに寝かせると、自らもベッドの上に腰を下ろす。
既にマリアを家まで運ぶという目的は終えている。それに、明日からは医師としてリザルガムで働くことになるのだから、早く自分の家へ戻るべきなのだが、エルハルトは到底その気にはなれなかった。
ずっと再会を望んでいた人間がすぐ側にいるのだ。しかも、二人だけの空間に。こんな機会がこれから何度あるだろうか。少なくとも、マリアが目覚めるまで、エルハルトはずっとここにいるつもりでいた。 「……俺が冷凍監獄にいた間、お前は何をしていたんだ?…きっと、数え切れないほどの命を救ってきたんだろうな」
返事が返ってくる訳がないと知りつつも、エルハルトは語りかけていた。
大切な仲間であり、共に苦難を乗り越えてきたチームであり、自分の苦悩を真っ先に理解してくれた友であり、そして……自分にとって、とても大切な人間でもあるマリアに。
「……マリア……俺は…」
眠るマリアの頬に、青年はそっと白い掌を当てる。冷えた手に染みる温もりと、穏やかな寝顔に、締め付けられるように胸が疼くのを感じていた。
ーーーいつからだろうか。
意識の奥で、エルハルトはぼんやりと考える。
彼女の怒鳴り声や笑い声を煩く思っていたはずなのに、それを恋しく感じるようになってしまったのは、いつからだろうか。
彼女の命に対する情熱とその荒々しい気質、そして眩いほどの笑顔を愛しく思い始めたのは、いつだったのだろうか。
…彼女への想いを自覚したのは、いつだっただろうか。
エルハルトは、マリアに恋をしていた。彼女を愛していた。
「俺が、こうまでお前に惹かれてしまうのは……一体、何故なんだろうな」
エルハルトがその美しく整った顔に浮かべるのは、自分自身への苦笑だった。
炎と氷。太陽と月。赤と青。そんな対象的な例えがぴったりと嵌るくらいに、マリアという女性は自分とは全く正反対の性格をしている。
だというのに、エルハルトはマリアのことを愛してしまった。
何故だろうか。極的な人柄だからこそ惹かれるのか。冷凍監獄の中でそんなことばかり考えて、凍った時間を過ごしていた。
無論、答えは出なかった。
頬に触れていない方の手で、エルハルトはマリアの髪をそっと梳いた。胸の鼓動が速度を上げる。
いつからなのかも、何故なのかもわからない曖昧なもの。想いの確かさだけが漠然とそこにある。
…なあ、マリア。お前の瞳に映る、俺の姿が知りたい。お前にとっての俺とは、何だ。
期待をしているわけでは、ない。
エルハルトはよく知っていた。彼女は誰かに頼って生きることを好まない人間だ。そして、自分のような根暗で非社交的な人間が傍にいることを、決して望まないだろう。
それでも、彼女が…マリアが、少しでも自分のことを好いてくれていれば。
マリアにとって、自分の存在が少しでも特別なものであれば。そう望まずにはいられない。
パンデミックを共に戦い抜いたチームだから。同じような境遇の人間だから。ロザリアの兄だから。
理由は何だっていい。自分の存在が他の人間よりも彼女の心の多くを占めているのであれば、これほど嬉しいことはない。
そんな風に、エルハルトは思っていた。
「…ん……」
下から聞こえた掠れ声が微かに耳を掠め、起こしてしまっただろうかと、エルハルトが触れていた手を離す。
少しおいて、マリアの瞼が僅かに震え、それからゆっくり開いてゆく。
大きな翠の瞳が青年の美貌を映し、それから所在無さげにしばたいて辺りを見回す。
まだ眠気が取れないのか、その表情にはほんの少しの微睡が纏わりついていた。
「…やっと起きたか?随分と眠っていたな」
「…エルハルト…?……あれ…何処だ、ここ…」 「お前の家だ。ゲイブに頼まれて俺が運んできたんだ」
「……ん…つーことは、アタシ……寝ちゃってたのか…」
あくびを一つして、それから眠気を吹き飛ばすように、マリアはううんと大きく伸びをした。
「悪ぃ。その、わざわざ運んできてもらっちまって…」
「いや、構わない。…お前こそ、かなり飲んでいたようだったが……大丈夫なのか?」
「ん?ああ、アタシは平気だぜ?結構寝てたからさ、その間に酔いも大分覚めちまったみてぇだ」
「……そうか。ならいいが…」
エルハルトは目の前にいるマリアを見つめる。頬にはまだ僅かに朱が差しているが、紅潮しているというほどでもない。
呂律はちゃんと回っているし、目の前で話す彼女の様子も姿も、いつもの彼女とほとんど大差はなかった。
どうやらマリアの言葉に偽りはないようだと、エルハルトは胸を撫で下ろす。
「…寒くはないか?喉が渇いているのなら、水を持ってくるが……」
「いや、大丈夫だ。それよりさ、……エルハルト」
「…何だ?」
「いや、た、大したことじゃねえんだけど………」
その…と唇をもごつかせ、マリアは言いづらそうに頬を掻いた。
大したことではないと言いつつ、それを伝えることを躊躇っているマリアの様子は何か重大なことを伝えようとしているようにも見えて、どことなく嫌な予感を感じたエルハルトは身構えていた。しかし、
「……おかえり、エルハルト」
「……え?」
マリアの口から出た言葉は全く予想外ものだった。おかえり。至って真面目な顔でそんなことを言うマリアに、身構えていたエルハルトは思わず拍子抜けしてしまう。
「…それだけなのか?」
「あー…ほら、えーっと……ずっと言おうとは思ってたんだけど、結局、言いそびれちまってたし……」
照れ臭そうに話すマリアに、エルハルトは記憶を辿る。
確かに、釈放おめでとうだとか、また宜しくなだとか、そういう言葉は掛けてもらっていたが、帰ってきたことを敬うその言葉はまだマリアからは与えられていなかった。
しかし、だからと言って真剣な表情で緊張しながら言うようなことだろうか。
何というか、マリアらしくないな。そう感じた時、エルハルトは思わず口元に笑みを浮かべていた。刹那、ほんのりとしか染まっていなかったマリアの頬が、今度こそぱっと赤くなる。
「んなっ……な、何も笑うことねぇだろ!?アタシはなぁ…!」
「す、すまない。少し予想外だったんだ。……だが……ありがとう、マリア。…ただいま」
またお前と共に命を救えることを誇りに思う。言葉に続けてそう言おうと思ったのだが、目の前にいるマリアの姿に思わずエルハルトは出かけた言葉を飲み込んでしまう。
マリアは笑っていた。いつも通りの、屈託のない笑顔だ。けれど、大きな瞳には大粒の滴が湛えられている。何故彼女は泣いているのかがわからず、エルハルトは目の前の女性へ何と言葉を掛ければいいのか迷ってしまう。
「…ホント、良かったよ……お前がちゃんとこうして戻ってきてくれてさ。ずっと信じて待ってた甲斐があったぜ。はは」
「マリア…」 ひとしずくの涙が頬を伝い、ぽたりと床へ落ちる。
ごめん、悲しいとかじゃねえんだ。何かすっげぇ嬉しくて。笑みと涙を含んだ声でそんなことを言って、マリアはごしごしと腕で目をぬぐった。
「…ホントはさ。アタシ……あの時、お前のこと……引き止めたかったんだ。頼む、行かないでくれ、お前と別れたくないんだ…って」
「…?」
「……怖かったんだよ。お前に、二度と会えなくなっちまうんじゃねえかって…そんな気がしてさ…。笑えるだろ?」
笑えるだろ、と自分では言ったのに、全く笑えなくて、マリアは無意識の内に唇を噛み締めていた。
あの人の罪を明るみに出したくない、だからこのまま罪を背負う道を選ぶ。
決意を持った眼差しでそう言った彼の表情と、あの心臓が押し潰されるような胸の痛みが、どうしても忘れられないからだった。
「馬鹿げてるよな。引き止めたって、お前が決めたことをどうこうできる訳がねぇのに。…けど、アタシ……お前ともっと一緒にいたかったんだ。離れるとか、絶対に嫌だった。考えたくなかった……」
ドクン、ドクンと心臓が高鳴って、圧迫されるような息苦しさを感じる。やっぱり、この気持ちは本物だ。マリアはそう思う。
気付いてしまったのは、彼が監獄へ戻ったそのすぐ後だった。
搬送車へ消える彼の背中を見た時、胸を支配したのは泣き出したくなるような寂しさと恐怖。仲間や旧友との別れにそういう感情を抱くのは至極当然のことだけれど、まるで自分の一部を失ってしまったかのようなあの感覚は、今まで経験した何もかもと違っていた。
嗚咽も体の震えも涙も抑えられなくて、搬送車が走り去った後、トモエに抱き締めてもらいながら思いっきり泣いたことは、まだ記憶に新しい。
夜が明けて、彼がまだリザルガムにいなかった時の日常に戻っても、気が付けば、あるはずのない黒い髪と赤い瞳を探してしまう自分がいる。彼はもういないのだと考えたくなくて、記憶に縋ってしまう。
その記憶の中で彼の声が揺れるたび、胸の鼓動は激しくなり顔は熱くなる。
なんで今まで気付けなかったんだろう。もっと早く気付けていれば。何度後悔したか、もうマリアは覚えていなかった。
「なあ、頼むよ。…もう、何処にも行かないでくれ…。ずっと、後悔してたんだ。何であの時、お前に言えなかったんだろうって、ずっと……」
こんなことを言う資格は自分にはないと知っている。恐ろしい言葉の刃で彼を傷付けてきたのは自分。彼の傷を抉ってしまったのも自分だ。
けれども、言わずにはいられなかった。暴れる心臓を落ち着けるように大きく息を吸い込んで、マリアは口を開く。
「エルハルト……アタシ…お前が、好きだ」
「……ーーーっ」
上の方で息を呑む気配がした。見れば、エルハルトはショックを受けたような表情で、目を見開いて立ち尽くしている。
やっぱり、言うべきじゃなかったのかもしれない。じわじわと苦い後悔に胸が侵食されるのを感じてマリアは目を伏せた。 「…はは…ゴメン、いきなりこんなこと言っちまって。……アタシ、多分まだ酔ってるんだ。気にしないでくれ」
「…………」
「…あー、っと……そ、そろそろ遅いしさ、お前もさっさと帰って休んだ方がいいぜ?お前はもう囚人じゃなくて、れっきとした医者なんだからな!ちゃんと明日に備えてーーー」
空気が気まずくなってしまうのだけは避けたいと、マリアは明るく取り繕った声でエルハルトに話しかける。しかし、その言葉は途中で遮られてしまった。
突然、目の前から伸びて、マリアの体を強く抱き寄せたエルハルトの腕によって。
「っ、…エ、ルハルト……?」
腕の中に閉じ込められ、戸惑ったような声色でマリアはエルハルトの名前を呼ぶが、その拘束が緩むことはない。
…何でアタシ、抱きしめられてるんだ。
マリアは今起こっていることが信じられずにいたが、ひんやりとした肌の触れる感覚と、力強い腕で苦しいくらいに押し付けられた体は、それが紛れもない現実であるとマリアに告げている。
混乱と動揺で動けずにいるマリアに、エルハルトは言い聞かせるように呟いた。
「……そこまで言っておいて、酔っているから気にするなで済ませるつもりなのか?」
「は…?」
「お前は…狡いな。いつも勝手に自分の言いたいことだけを言って、俺の言いたいことには耳を貸してもくれないんだ」
「どういう意味だよ……?い、いいから離せって…」
「…こうでもしなければ、お前は逃げるだろう」
「あ、アタシが逃げる?一体…何から逃げるってんだ」
「……俺の気持ちからだ」
エルハルトが束縛する腕に力をこめる。苦しいほどの力。
「…逃げないでほしい。ちゃんと俺の気持ちも聞いてくれ、マリア」
マリアは唇をきゅっと引き結ぶ。嫌だ、そんなもの、聞きたくない。拒まれるのが恐ろしい。怖い、すごく怖い。けれど。
彼は今、どんな顔をしているのだろう。抱き締められているマリアにはその表情を見ることはできなかったが、もしかすると泣きそうな顔をしているのかもしれないとマリアは思う。声が震えているから。
「……わかった。逃げたりしねえから、ちゃんと聞かせてくれ」
小さな声だったが、エルハルトにはしっかりと届いたようだった。腕が離れて、優しく抱擁がほどける。
目の前に現れた彼の瞳に、マリアは息を呑んで見惚れた。血のように深く紅く、それでいて美しく澄んでいる男の瞳。
「マリア。俺も…お前が好きだ。ずっとお前に焦がれていた。ずっと……お前に会いたかった」
息が止まるような感覚を覚えた。彼の言葉が何度も脳裏でリピートする。
…聞き間違いでなければ、エルハルトは今、自分に…好きだと言わなかっただろうか。 「…う、嘘だろ?」
「嘘じゃないさ。…信じられないか?」
「信じらんねぇよ……だって、アタシ…お前のこと、散々傷付けて…」
「ああ…確かにな。…だが、それがあったからこそ今の俺がいるんだ。俺は…お前に感謝している」
「……あ…アタシ…こんな性格なんだぜ?お前が一番知ってるだろ?」
「…俺は……お前のその乱暴な性格も、仲間思いな所も、命に賭ける情熱も………全てが好きだ」
「…つ、釣り合わねえよ!お前は天才で、最高の医者で、すっげぇいい奴で、しかもオマケに顔だっていいってのに!あ、アタシみたいな奴なんかが…!」
「わからないか?マリア。俺はお前だからこそ惹かれた。好きになったんだ」
「………っ」
彼の瞳はいつだって真っ直ぐで、嘘などつかないとマリアはよく知っていた。それでも質問を重ねてしまったのは、揺るぎない確信と印が欲しかったからだ。
「…あ、アタシの恋……実っちゃったのか…?」
「……ああ。お前の言った言葉が本当ならな」
そう言って微笑むエルハルトに、心が歓喜に打ち震えた。さっき拭ったはずなのに、視界がまた滲んでいく。
本当に、馬鹿だ。マリアは思う。自分のような人間を好いてくれたエルハルトも、それにずっと気付かなかった自分も。
「…アタシ、お前と一緒に……いて、いいのか?」
「…勿論だ。俺も、これからは……マリア。お前の側で生きていきたい」
少しの恐れと深い情愛をもって、青年の掌が愛しい女性の頬を包む。吐息が交わるほどに顔と顔が近づいて、次の瞬間にエルハルトはマリアの唇を奪っていた。突然口付けられてマリアは驚いたように体を硬直させるが、目を閉じ、彼に身を委ねる。
少しして唇が一瞬離れ、すぐにまた物足りないと口付けられれば、今度は首に腕を回しながらマリアも応じていた。
「…ん、っ…」
胸が暖かい鼓動を奏でている。優しい口付けと、全身を包む幸福感に、マリアは体が宙に浮遊しているかのような錯覚さえ覚えた。
力の抜けた身体がベッドの上に崩れ落ちるように倒れこむと、それを追うように青年の身体が上に覆いかぶさり、二人分の体重を一度に受け止めて、狭いベッドが軋む音を立てる。
「…っ……は、ぁ…」
「ん……」
何度も唇を合わせ、重ねて、やがてどちらかともなく唇が離れ、ベッドの上で静かに二人は見つめ合う。
「…マリア」
「………エルハルト……?」
切れ長の赤い双眸が、ベッドに沈む女性を静かに見下ろしている。
そこに宿っている光はとても優しいのに、マリアはどこかに引っ掛かるような、妙な感覚を覚えた。何故だか、彼の姿がこれから獲物を喰らおうとする肉食獣のように見えたのだ。
「……すまない、マリア」
「へっ…?な、何だよ。何で謝るんだよ?」
「…本当は、想いを告げて帰るつもりだった。だが……理性が持ちそうにない」
「は?り、理性って……、…っ!」
背中に腕がそっと回り、マリアは体を抱き寄せられていた。
ゼロよりも短い距離で首筋や耳朶のあたりに彼の呼吸が触れて、マリアは全身がかぁっと熱くなっていくのを感じる。やばい。妙な予感が頭の中を掠めていく。 「…こうしていると、お前の体温の上昇も、心拍数の増加も……全て分かってしまうな」
「お、お前のせいだろっ!?い、いいからさっさと離しやがれバカ!」
「離せ……か。…それは虚言だな」
「は、…はぁっ!?」
「本当にそう思っているなら、抵抗の一つでもするはずだ。だが、お前は抵抗はおろか、もがくことすらしていない。…つまり、本当は離して欲しくないと思っているんだろう。……違うか?マリア」
「〜〜〜っっ!」
図星だった。
エルハルトの想いをちゃんと感じ取りたい。抱き締めて、もう何処にも行かないのだとわからせてほしい。マリアはそう望んでいた。
けれどそんなの火が出るほどに恥ずかしくて言えなくて、だから黙っていたのに、エルハルトには口に出すまでもなく気付かれてしまった。
悶えるほどの羞恥から逃れるように、マリアは強く目を閉じる。いつの間にか離れていた片腕と、身体に伸びてくる手にも気付かずに。
「ッ!っ…ひ……やっ」
青年の掌がたどり着いたのは、艶かしい剥き出しの脚だった。そっと触れ、慈しむような手つきで撫で付けられて、ベッドの上の華奢な体はびくりと跳ねた。
いつもならどこ触ってやがんだこの変態、とでも言って一発屋殴りでもしていたのだろう。しかし、今のマリアにそんな余裕はどこにもない。
「…っぅ……ふ…あっ…」
つ、と指が大腿の内側を辿るように撫でていくのを感じ、くすぐったさと恥ずかしさでマリアは思わず声を漏らしてしまう。
頭も心も、何もかもが今の状況に付いて行けていなかったが、彼がしようとしていることはマリアも本能で朧げには気付いていた。そして、それをひどく期待してしまっている自分がいることにも。
しかし、ダメだ。今はまだダメなのだ。マリアは湧き上がる期待と欲求を振り落として声を張り上げる。
「っ、ま…待ってくれよっっ!」
突然、重なっていた身体が押しのけられ、無理やり剥がされる。エルハルトは驚いたように下にいる女性を見ていたが、その強張った目尻に滲む涙を認めてはっと我に返る。
「…すまない、マリア。少し…やり過ぎたな」
「あ、謝るなって…!別にお前が悪いわけじゃねえし…」
「…やはり、嫌か?俺に…その、……触れられるのは」
「ち、違ぇよ!嫌なんかじゃねえっ!けど……アタシ、そのっ…」
何と言うべきなのか。散らかった頭を何とか動かして、マリアは考えあぐねる。せめて嫌じゃないという気持ちだけは示したいと、エルハルトの掌を弱々しく握りながら。 エルハルトは監獄を出て外科医となるために、並半端ではない数の術式を行ってきているとマリアは知っていた。だからこそ、蓄積されている疲労もかなり大きいはずだと。
医療ミスを起こしてしまうかもしれないとか、彼に対してそんな心配は端からしていないのだが、…翌日疲労で倒れて欠勤なんて、そんなことで祝うべき彼の初出勤が泡になってしまったりしたらと考えると、マリアは気が気でなかった。
休める今、しっかり休んでほしい。しかし、続くはずだったその言葉は、突然もたらされたエルハルトのキスによって遮られて、音になる前にマリアの口の中に消えていた。
「…そうだな……。お前の言い分は正しい。だが……それでも、俺は……お前に触れたいと思う」
「ーーー……っ、……え、エルハルト……」
「……マリア。お前がやめろと言うなら、俺はすぐにでも離れる。だが、……お前も俺と同じように望んでくれると言うのなら、俺は……、」
そこまで言って、今更躊躇いが現れたかのようにエルハルトは口を噤んだ。
さっき、エルハルトは自分に狡いと言っていた。けど、絶対こいつの方が狡い。そんな風にマリアは思う。
「…………ほ、本当に……いいのか?その、アタシで……」
羞恥か、戸惑いか、それとも恐怖のためなのか。自分の発した声が笑い飛ばしたくなるほど震えていて、マリアは情けなくなる。
「…お前だから……いや、…お前がいいんだ。マリア」
こんなことを困ったように笑いながら愛しい男性に言われて、どこに拒める女性がいるというのだろう。いるのならば是非会ってみたい。マリアは沸騰しそうな頭でぼんやりとそんなことを考えた。
「……し、シャワーだけ、浴びさせてくれ……」
ぎこちなくこくりと頷き、消え入りそうな声で何とかそれだけを伝える。それが今のマリアには精一杯だった。 ひとまずここまでです。
時間かけた割にエロパロ版に投下しなくてもいいくらいプラトニックな部分しか書けてなくて申し訳ない。まだ前半部分なのにすげー長いし…orz
エロ部分はいつになるかわからないけど、(需要あれば)ちゃんと書いて投下します。
お目汚し失礼いたしました。 うおおGJ!!
まさかホスピタル来ると思ってなかったから嬉しい
後半待ってる ありがとうございます。とてもマイナーな作品なだけに、反応があるだけで泣きたくなるくらいには嬉しいです(つД`)
今更だけど、台詞が一文抜けてたのに気がついたので訂正。
290の最初は、正しくは
「あ、アタシ……ま、まだ心の準備とか色々できてねえし、今日も忙しかったから色々汚れちまってるしっ……つ、つーか、アタシはともかく…お前、明日からなんだろ。は、早く休んだ方が…」
エルハルトは監獄を出て外科医となるために、並半端ではない数の術式を行ってきているとマリアは知っていた。だからこそ、蓄積されている疲労もかなり大きいはずだと。
という感じになってます。すみません… なにやら史上最悪の荒らしのK5って人が特定されたらしいけど
このスレもペルソナスレも荒らしてたのかね
正体のわからない荒らしに触発されて荒らしになった人もいたのかね デビサバOCで陵辱もの書いたんですけども、
ここのスレ大丈夫な感じですかね?
たまにNGなとこありますんで すまん出先にいてデータが手元にない
土曜日には投下できると思う >>299です。土曜と言っていたのに遅れて申し訳ない
投稿を始めようと思うのですが、その前にご注意をば
・陵辱物です。キツい方は「デビサバOCアマネ陵辱」でNGお願いします
・OC殺戮ルート、八日目のアマネ戦直後です
・リョナ的描写がちょっとあります 「そんな……! すでにこれほどの力を得ているなんて」
九頭竜 天音の細身を戦慄が走った。
彼女は改めて敵を――十二時間前までは人間だったベルの魔王を見くびっていたことを痛
感させられた。
一撃、たった一撃で、彼女の最強の配下である女神ブラックマリアと霊鳥ガルーダが、文
字通り跡形も無く消し飛ばされたのだ。
「護衛も信者も、もういない。降伏しろ」
今では専ら魔王と呼ばれている少年は、顔に浮かぶ嘲笑を隠そうともせずに言った。
ぎり、と天音の歯がきしむ音を立てる。
降伏だと? この期に及んで、まだ人を愚弄しようというのか。
「承服できません。私はひとりでも、あなた方を倒します!」
瞳に決意を滾らせて、少女は叫んだ。魔王を葬るなら今。今のうちにこの化物をどうにか
してしまわないと、人々に未来はない。
残った魔力を総動員し、天音は渾身の一撃を放つ。紫の光の奔流が解き放たれ、少女と少
年を包み込んだ。
「……っはぁっ、はぁっ!」
芝公園に、天音の荒い息遣いが響く。
メギドラオン。あらゆる防護策を無効化する、今の天音が使える最強の技であった。
粉塵が舞い上がり、少年の姿は見えない。死んでいてくれ、と天音は思った。長年の間に
染み付いた習慣で、今はもういない主上に祈りさえした。 「……!」
だがその切なる願いは裏切られた。見開かれた目が、絶望の色に染まる。
「よく頑張った方だけど、ナオヤに比べると劣るかな」
魔王はなお、そこにいた。傷一つついていない。
何よりその現実に天音は打ちのめされた。この戦いが全く意味のない、どうしようもない
徒労だったということを、理解してしまった。
「とんだ犬死にだね、お前もあいつらも。隠れてりゃ良かったのに、本当に馬鹿なことす
るよね」
「あな、たは……」
「ん?」
「数日前までのあなたは……どこに行ってしまったのですか……?」
「またそれか」
少年は不愉快そうに顔を歪めた。魔王となって以後、彼は過去について触れられるのを嫌っ
た。彼は吐き捨てるように答えた。
「どこもなにも、ここにいるよ。俺は何も変わっちゃいない。ただ、馬鹿に付き合うのを
やめただけだ」 少年が近づいてくる。その姿を睨みつけて、天音は決めた。至近距離までやって来たら、
頸動脈を噛みちぎってやる。魔力を使い果たした彼女に出来るのは、もはやそんな賭けと
もいえない無謀だけだった。
「へえ、まだ諦めないんだね。さすがは翔門会の巫女。次はどうしてくれるの? もう魔
法は使えないんだろう。目潰しかな? 首に食らいつく? それとも身体に爆弾でも括り
つけてるのかな?」
「……」
少年は、沈黙する少女に無防備に近づいていく。力ないものを蔑み、己に害をなせるとは
露ほども考えない、魔王に相応しい傲慢な笑みを浮かべて。
最後の一歩が踏み込まれた。一拍置いて、少女が飛びかかる。少年が声を上げて笑った。
「うっ!?」
何が起きたのかわからなかった。突然、腹部を強烈な衝撃が襲い、気づけば、前に進んで
いたはずの身体が、後ろ向きに吹っ飛んでいる。
地面にたたきつけられ、なお失われない慣性に身体が引きずられて傷を負った。
「う、げほっ、げほっ、おえぇっ」
こみ上げてくるものを抑えきれず、天音は嘔吐した。
腹を蹴られたのだと気づいたのは、ボロボロになって倒れている自分と、少年の横に立っ
て、片脚を挙げた姿勢でいる異形を認識した後だった。
「ご苦労」 魔王の側にいたのは、身の丈三メートルはあろうかという、黒ずくめの巨人だった。鬼を
模した仮面をつけていて表情は分からないが、さっきまで気づかなかったのが不思議なほ
どの殺気を全身から放っている。見れば、両端が錨のような形状をした双刃剣を片手にし
ていた。
自分は敢えて殺されなかったのだと天音は理解した。その事実に、恐ろしく悪い予感を覚
えながら。
「オンギョウキって言うんだよ。この図体の割に隠れるのが得意でね。護衛にはぴったり
なんだ」
少年がニヤニヤと笑いかける。天音は声もなくその姿を見上げた。
「さて、もういいぞ、オンギョウキ」
「御意に」
黒い鬼は音もなく消え去り、あとには少年と少女だけが残された。息も絶え絶えの少女に、
少年は再び近づいていく。
今度こそ抵抗はなかった。もはや身を起こす力さえ、天音には残されていなかった。
「な、にを……」
何の表情も浮かべず、魔王は天音の腹を踏みにじった。ただでさえ傷んだ内臓が悲鳴をあ
げ、天音は苦痛の声と胆汁を吐き出した。
「いたぶるのさ。楽に死ねるとでも思っていたの?」 「ぅ……」
言葉通り、魔王は傷ついた天音を弄び始めた。腹を踏み、傷をえぐり、少女とその仲間を
言葉を尽くして侮辱した。
少女はただ苦しみ、悶えるしかなかった。しかし、涙は流さなかった。魔王の前で泣くこ
とだけは、翔門会の巫女としての彼女の矜持が許さなかった。
「おう、楽しそうなことしてんじゃねえかヨ、魔王さま」
ふいに声が聞こえて、執拗ないじめが止まった。痛みで半分赤く染まった視界でなんとか
確認すると、いつの間にか魔王の背後に、彼の側近である二階堂 征志がやって来ていた。
「カイドーか。見ての通りだ。アツロウは?」
「オタクなら、向こうで後片付けだ。ほっときゃあ良いモンを、毎度クソ真面目に」
「アツロウはよく働く。たまにはいい目を見せてやろう。呼んできてくれ」
「それは良いけどヨ……。俺もおこぼれに預かりたいとこだぜ。分かるだろ? 溜まって
んだよ……あいつが死んでから」
なんとか呼吸を整えようとする天音から目を離さずにいたベルの魔王は、ここで初めて
征志に向き直った。
征志は下卑た笑みを浮かべて、天音の姿を観察している。その目は情欲と、凄惨な暴力へ
の衝動に彩られていた。
もともとはここまで残忍な男ではなかった。想い人が宿敵に辱められ、無惨に殺されてか
ら、彼は変わった。 魔王は喜ばしく思う。やはり、あの女を助けずにいて正解だった。今のこいつになら、何
をやらせても面白そうだと。
「分かっている。“残飯”ならくれてやるよ。だから呼んでこい。そうだな、とりあえず
一時間ほどで」
「あいよ。主人より先に飯に手はつけねーよ」
手を振り振り、舐めるような視線を天音に送りながら、征志は去っていった。魔王は再
び天音に向かうと、彼女の側にしゃがみ込み、髪を掴んでその顔を自分の高さまで引き上
げた。
「そういうわけで、そろそろもっと楽しいことをしよう。休憩したから、ちょっとは元気
が出ただろ?」
「ゃめ……」
「やめるわけないだろ。妙なことを考えるなよ、公園に避難している人間全員と、……お
い、オンギョウキ」
魔王が顎でしゃくった先に天音が目を向けると、2mほど離れた先で、口に猿ぐつわを噛
まされた翔門会の男性信者がオンギョウキに拘束されているのがわかった。
「この男を、殺してやる。それで構わないなら好きにしろ。自分か、他の全員か、好きな
方を選ぶといい」
「……!」 声もない天音の衣が、胸元から引き裂かれた。
「あれだけいじめてやったのに、まだ綺麗な身体してるじゃん」
揶揄をこめてそう言われ、天音の顔は羞恥と屈辱に赤く染まった。上着と一緒に下着も裂
かれてしまったせいで、彼女の豊かな乳房は、もはや何の隔たりもなく少年の視線に晒さ
れていた。散々踏みつけられ、弄られた腹は紫色に変色している部分もあるが、それでも
均整のとれた肢体と滑らかな肌は誰の眼にも美しく映っただろう。
「やめ、なさい。こんな……あぅっ」
天音の抗議の声を、魔王は胸を乱暴に掴んで圧殺した。かなり力を込めている。天音には
苦痛しかないだろう。
「前から思ってたんだよ。お前、イザ・ベルの時は時間がなかったけど」
続く言葉を、きつく目を瞑った天音の耳元で、魔王は囁いた。
「いつか犯して、穢してやるってな」
胸を揉みしだきながら、魔王は天音の細い首筋に食らいついた。本気で噛み付いてはいな
いが、それでも皮膚が破れ、赤い血が首を流れ落ちる。
夏の時分ゆえに密度をました甘い香りが少年の鼻腔に流れ込んでくる。少女特有のその香
りに満足して、彼は流れる血を舐めとった。
滑らかな肌の感触を楽しみながら、少年は舌を首から鎖骨、胸にすべらせてゆく。
力なくもがく四肢を押さえつけ、乳首を口に含むと、口の中で転がした。天音の身体がび
くりと震える。 強い痛みだけを与えられ続けた少女にとって、こんな僅かな快感は物の数にも入らない。
だが些細なものであっても、それが快感であるという現実が、初心な天音をたじろがせた。
「やっ……!」
思い出したように天音は腕を動かし、乳房にしゃぶりついた少年を引き剥がそうとした。
腕を押さえつけていた少年は、その力を感じ取って、逆に少女の腕を自由にしてやった。
天音の腕が少年の頭をとらえ、押しのけようと力を込める。
「う、やぁ……」
だが、天音がどんなに努力しても、胸への蹂躙を止めることはできなかった。もともと天
音の細腕で男の力に勝てるはずがない。まして弱り切ったこの状態では、男をどかせるこ
とはおろか、叩いて痛みを感じさせることも難しかった。
「どうしたの。気持よくて力も入らない?」
胸にかぶりつきながら、少年が嗤う。その羞恥に、天音の顔はますます赤くなった。
「誰が……!」
「さっきから声が漏れてるよ。ほら、あいつだって、さっきから釘付けだ」
少年に従って視線を横にやると、オンギョウキに拘束されている男性信者が、固唾を呑ん
でこちらを見守っていた。
その眼に明らかな情欲の炎を感じ取って、天音はたまらず顔を隠す。
「いや、見ないで! 見ないでください!」 「顔なんて隠してていいのかな」
腕が上に行った隙に、少年の攻め手は下に向かっていた。天音が気づいて制止しようとし
た時にはもう遅く、秘所を守っていた最後の一枚は、あっけなくずり降ろされてしまった。
「毛、生えてないんだね。子供みたいだ」
父にさえ知られていなかった秘密を目の当たりにされて、天音は目の前が真っ白になるほ
どの羞恥を覚えた。
天音のそこは縦にひらいたスリットのようで、男はおろか、自分で弄んだ経験すらない、
未踏の花園だった。清楚なそこを下ると、八の字に閉じた綺麗なアヌスが息を潜めるよう
にあった。
少年は肉欲にとらわれ、つかの間少女を辱めることを忘れてそこに見入っていた。
天音の固まっていた身体は、間もなく与えられた刺激によってすぐに激しい抵抗を始めた。
「いや! やめて! 触らな……あっ!」
膣口をぞろりと舐め上げられて、天音の全身をぞくりとした感覚が走り抜けた。思わず出
してしまった甘い声を自分で聞いて、天音はひたすら混乱した。
「ま、初めてだよね。巫女なんてやってたんじゃ相手なんているはずもないし。それとも、
秘密の恋人でもいた?」
「なにを、言ってるんですか……? わ、わたしは……」
「すぐに分かるよ」 それが最後の言葉だった。
次の瞬間、苦痛と未知の感覚で等分されていた天音の頭は、混じりけのない激痛で一気に
満たされた。
「あ……ぎゃ、ああ、あああっ!」
「きっつ……」
途切れ途切れの絶叫が、天音の口から漏れでた。白黒する目で見てみると、少年の身体か
ら突き出た何かが、秘所に半ば近くまで埋もれていた。
天音はそれを見ていなかったが、体内に感じる圧迫感と痛みが、突然ねじ込まれた男根の
大きさを物語っていた。
「なに、これ……痛い、苦し……」
「まだ半分なんだから、もっと入るでしょっ……と!」
性器がさらに奥深く、天音の最奥を目指して何度も突き込まれる。身体が引き裂かれるよ
うな激痛に、天音は悲鳴を上げた。
「あう! ああっ、うあああ!」」
大きく開かれた口から、これまでと比べ物にならない絶叫が迸る。無残な姿を少年は笑っ
た。
貫かれた秘所から、血が幾筋も流れ、彼女の破瓜を嘆くように滴り落ちていく。地面と擦
れて傷つく肌も、押さえつけられた身体も、なぶられた腹の痛みも、この激痛の前にはも
う気にならなかった。 杭のごとく打ち込まれた性器を、天音は呪いのように思った。
「ふう、やっと全部入った。ほらアマネ、俺たちセックスしてるんだぜ。セックス」
「せっ、くす……?」
子供にするように語りかけられて、天音が呆然と呟く。数秒かかって意味を受け取った彼
女は恐慌状態になった。
「ぬ、抜いて! 抜いてください! こ、こんな……!」
「うるさいなあ」
暴れだした天音を無視して、少年が腰を動かし初めた。処女を失ったばかりの膣を、少年
の男性器が容赦なく穿ち、すりあげ、抉る。
「ぅあ! あっ! あっあっ! う、動かな、あうっ!」
天音は少年の動きに合わせて苦痛の悲鳴を上げさせられた。少年は自分自身で天音の体内
を味わうだけでなく、その首筋を舐め、乳房に指を食い込ませ、形の良い尻を鷲掴みにし
て彼女を楽しんでいたが、やがて耳元に口を寄せると、悪戯をする子供のように言った。
「見ろよ、あいつ、アマネがレイプされてるとこ見て喜んでる」
少年に言われて、天音は反射的に顔をそちらに向けた。男性信者は血走った目で、魔王に
犯される天音の痴態を凝視していた。
男は明らかに天音が蹂躙されるさまを、残酷に摘み取られるさまを見て、欲情していた。 「そ、んな……」
悲しげな声を漏らす天音の唇を、魔王は唐突に奪った。驚いた天音は抵抗もできず、舌を
絡めとられ、上下から与えられる異質な感覚に翻弄された。
肉のぶつかる音が弾けるなか、天音は少年の動きが切迫したものになっていることに気づ
いた。
「そろそろ出してやる」
「ぅ、出すって、まさか! お、お願いします、それだけは、あっ、や、やめてぇ!」
必死に懇願する彼女を嘲笑って、少年はペースを上げた。ぐちゅぐちゅと卑猥な音が結合
部から漏れるのも介さず、天音は半狂乱になって逃げ出そうとした。
「いや、中に出さないで! に、妊娠してしまいます!」
「は、は。そうだよ。お前を妊娠させてやるよ、俺の精液でな!」
「いや、いやあああああ!」
天音が絶叫するのと、少年が欲望を解き放つのは同時だった。
男根がびくびくと震え、体内に熱い何かが広がっていくのを、天音はただ呆然と感じてい
た。
「…ぁ」
男根が引きぬかれ、ややあって破瓜の血と精液が混じりあった白濁の液体が膣口から流れ
だした。 「ぅ、ぅうああ……」
嗚咽をもらし、天音は泣いた。もう自分ではどうにもならなかった。後から後から、流れ
出た涙が頬を濡らした。
翔門会の巫女として厳しく育てられ、人々のために尽くしてきたつもりだった。その結果
がこの有様だ。
それが悔しくて、悲しくてならなかった。
「泣いてるとこ悪いけど、綺麗にしてよ。そのあと、再開するからさ」
少年が、血と体液にまみれた男根を目の前に突き出してきた。汚れたそれはこうして見る
と恐ろしくグロテスクで大きい。
天音がなにもしないでいると、少年はその口に無理やり性器をねじ込んできた。頭を掴ん
で前後に揺さぶられ、息苦しさと嘔吐感に、天音は意識が遠のくのを感じた。
「オウ、つれてきたぜ、魔王さまよ」
「用って一体……って、あ、アマネ!?」
五分ほど経って、木原 篤郎が征志に連れられてやってきた。彼は陵辱されて気を失っ
た天音の姿を見るなり驚きの声を上げ、取り乱した。
彼女は体中傷だらけで、開ききった膣口から流れ出る精液の量は、繰り返し犯されたこと
を物語っていた。
「こ、これは一体……ら、乱暴されたのか?」 「そうだよ」
ガードレールに腰掛けて休んでいた少年が、妙に上品な表現をする篤郎を笑った。
「そうだよって……は、早く介抱してやった方がいいんじゃないか?」
恐る恐るといった様子で、篤郎が言う。聞いた魔王は鼻を鳴らした。
「介抱? アツロウ、こいつらはさっきまで殺し合ってた翔門会の頭目なんだぜ。止めを
刺すことはあっても介抱してやる義理はない」
「そ、そりゃそうかもしれねえけどよ……」
納得の行かない様子で篤郎は言った。様子を見ていた征志が間怠っこそうに口を挟む。
「茶番はもういいだろ。さっさと食わせてくれよ」
「面白くない奴だねえ。いいよ、好きにしな。……あ、前は初めはアツロウにやってくれ。
よく働いてくれたからな」
「後ろからかよ、まあいいけどヨ……。じゃ、失礼しますよっと」
何気ない様子で天音に近づき、のしかかりはじめた征志を見て、会話についていけなかっ
た篤郎が目を丸くする。
「お、おいカイドー、あんた何を……」 「何って、残飯処理だヨ。この女のケツを頂くだけだ」
意識を取り戻した天音が征志に気付き、抵抗しようと暴れだした。振り回された手が征志
の顔をかすり、小さな爪痕を残す。
「ちっ、んだよ、大人しくしろっ!」
苛ついた様子で声を荒げた征志は加減を知らない勢いで天音の顔を張った。大人の男に本
気で殴られ、天音の脳は揺さぶられ、意識が朦朧とする。
「よっと」
征志はズボンをはだけ、ぼんやりした様子の天音を持ち上げると、何の準備もなくその太
い肉棒を天音の菊穴に挿入した。いや、挿入したなどという生易しいものではなかった。
彼は閉じた肉を、刃を使って切り開くように乱暴に、少女の肛門を抉った。
「うあ! ああああ! い、痛い! 痛いの! 抜いて、抜いてえ!」
「っせえんだヨ。オラっ」
恥も外聞もなく泣き叫ぶ天音を突き上げることでなんとか自身を収め尽くすと、征志は全
身を使って少女を貪り始めた。
身体を好き勝手に弄ばれながら、天音は子供のように泣きじゃくっていた。罪悪感と興奮
の混じりあった複雑な感情を表情に出すすべを知らない篤郎が、笑ったような奇妙な表情
を浮かべた。
「まさか」 「最初に犯ったのは俺だ。で、次はお前にやるよ、アツロウ」
「いや、でも俺は……」
躊躇う篤郎に、魔王は微笑みかけた。
「何を躊躇うんだ? お前、もう人を殺してるんだよ。今更女の一人や二人、犯してどう
ということもない」
「なあ、カズヤ。これは本当に必要なことなのか? 人間を守るために、やらなきゃいけ
ないことなのか? 俺にはとてもそうは……」
「もちろん、俺達にも息抜きは必要だからな。悪役を買って出てるんだから、これくらい
の役得は受け取る義務があるんだよ」
釈然としない様子で、篤郎は汚される天音を見つめた。天音は征志に唇を奪われ、両腕を
掴まれて、後ろから乱暴に尻を突き上げられていた。篤郎は彼女の悲しみに満ちた表情を
見た。
ごくり、と篤郎の喉が鳴る。ずいぶん前から彼の股間が固くなりつつあることを、魔王は
よく分かっていた。
「アマネのことなら、心配するな。俺の精液を中に出されたんじゃ、もう誰もあいつを人
間の仲間とは思わない。あいつを犯しても、誰もお前を咎めない」
「いや、そんな……」
篤郎は言いよどむ。一線を越えられない様子を見て取ると、魔王は手を変えることにした。 「気分が乗らないと言うなら強制はしないよ。しかしこれはアマネのためでもある」
「ど、どういうことだよ」
「魔王の子を妊娠すれば、人間は迂闊にアマネに近づけなくなる。旗頭にしようにも、魔
王の愛人ではないかという疑問がつきまとうからな。これで俺達としてはもうこいつを殺
さなくて済むが、アツロウ、アマネがそれに耐えられると思うか?」
「……」
「俺の子であるとはっきりしていれば、絶望して自殺するかもしれない。だから、人間の
精液を入れておくのさ。人の子かもしれないとなると、迂闊には死を選べない。そういう
女だ」
「……そりゃ、そうかもしれねえけどよ。で、でも俺である必要はないんじゃないか」
もうひと押しだな、と魔王は判断した。唇の端がつり上がりかけるのを、苦労して抑える。
「カイドーやナオヤは悪人だからな。善良と思っているお前の子の方がいい」
「……」
「ま、強制はしないけどな。どうしても気が乗らないならカイドーだけにやらせるが」
篤郎は長いこと黙っていた。征志は動きを止め、面白そうに成り行きを見守っている。
天音の荒い息の音だけが聞こえている中、やがて篤郎は切り出した。 「これは本当に、アマネのためなんだな? 俺がその、犯してやった方が、いいんだな?」
「だから、そう言ってるだろ」
「そうか……。そう、だよな」
理屈にもなっていない詭弁で、篤郎は自分を納得させて足を向ける。征志は、ペニスを肛
門に突き刺したまま彼女を持ち上げ、その両脚を拡げてみせた。
「ホラ、魔王さまのおすそ分けだとヨ。ありがたく頂きな」
篤郎の眼前に、天音の恥ずかしい場所が晒された。傷だらけだが白くさわり心地のよさそ
うな肌、爪痕や歯型をあちこちに残された豊かな乳房、処女を失い、血と精液と体液を垂
れ流す秘所、限界まで拡がって征志の巨根を受け入れさせられている菊門、殴られて片方
が腫れ上がっているがなお可憐な顔、そして絶望に曇った瞳。
「こ、これが女の子の……」
篤郎が呟く。と、
「お願い、です……もう、やめて……犯さ、ないで、くださ……」
征志に抱えられた天音から、弱々しい言葉が発された。皮肉にもそれが、篤郎の最後の理
性を消失させることとなった。
篤郎はズボンの前をはだけると、少女が嫌がるのもかまわず、その膣にペニスを押し込ん
だ。 「うお……」
「あ、うぅ……」
入れた少年と、入れられた少女が同時に、全く別の意味の声を上げる。
篤郎は血と体液でぬかるんだ膣の絡みつきに、それのもたらすあまりの快感に。天音は固
い陰茎が己の肉を割り開く痛みに、再び始まった絶望に。
「す、げえ……!」
「なんだヨお前、初めてか」
動きを止めて成り行きを見ていた征志がからかうように言った。
「う、うるせえな……悪いかよ」
「へっ、悪かねえよ。最初がこんな上物で、良かったじゃねえか。まあ中出しされた後っ
てのが玉に瑕だけどなッ!」
征志が勢いをつけて突き上げると、天音は悲しく鳴いた。彼女の苦痛に合わせるように膣
が収縮し、中に入っていた篤郎自身を締め上げる。
「おおうっ、な、何するんだよ。抜けるとこじゃねえか」
「でも締りが良くなっただろ? ホラ、お前もさっさと動けや。次は俺が前もらうんだか
らよ!」 篤郎は頷くと、先程までと打って変わって、天音を激しく犯し始めた。その動きは、少女
を同じ人間ではなく、モノとして扱う粗暴なものだった。
獣欲に駆られた彼らは、文字通り獣のように天音を犯した。天音が悲鳴を上げ、やめてと
懇願するのも平然と無視して、狂ったように突き上げを繰り返した。
「うっ」
後先を考えない動きで、篤郎はあっけなく達した。
これまで味わったことのない暴力的な快感が脳髄を襲い、バルブがねじ切れたのかと思う
ほどの勢いで、彼の射精が始まった。
「おっ、おっ」
篤郎は驚愕していた。射精が止まる気配がない。こんなことは初めてだった。
本当のセックス、雌を孕ませようとする雄の射精とはこういうものか、とぼんやり思った。
「ぅ……また、中に……ぃ」
どく、どくと、精液が流し込まれる感覚のおぞましさに、天音は全身を震わせた。
射精は長く続いた。勢いが衰えてもしつこく、天音の子宮めがけて大量の白濁が押し寄せ
た。
「早えなー」
「うるせえっ」
篤郎のペニスが引き抜かれると、またもどろりとした精液が膣から垂れ流された。 天音はもう叫ぶのも疲れたのか、さめざめと泣いている。
「ちっ、後ろでイケなかったじゃねえかよ」
ぶつぶつと文句を言いながら、征志もまたペニスを引き抜く。しばらく思案して、彼は公
園の芝生に天音を連れてゆくと、自分はそこに横になり、天音を跨がらせた。
「自分で入れろ」
と彼は命じたが、心を折られた天音に従う様子がないのを見て取ると、彼女の腰を掴み、
下から膣にねじ込んだ。
「オラ、こっち来るんだよ。オタクが入れにくいじゃねえか」
天音の上半身が仰向けになった征志と向かい合うよう前に倒され、尻穴が後ろに向かって
晒される格好になると、征志はようやく満足して、あとは好きに突き上げ始めた。
「う、う、あう、うぁっ」
動きに合わせ、機械的な喘ぎが天音の口から漏れる。篤郎は背後からにじり寄ると、今し
がたまで征志のモノを咥え込んでいた天音の菊門をじっくりと観察した。
下から突き上げられて上下するそこは、無理な拡張によって赤く充血してはいたが、分泌
された体液によって滑りは良くなっていそうだった。
篤郎は生唾を飲み込むと、天音のアヌスを後ろから犯し始めた……。
下と背後から男に挟まれて滅茶苦茶にされてゆく巫女を見て、魔王は静かに笑っていた。
力なきものを自由にする。これほどの愉悦は他にない。 天音は殺すつもりでいたが、この分だと生かしておいても面白いかもしれない。
天音の死は、魔王の敗北を望む者に絶望を与えるだろうが、こうして穢しきってしまえば
もはや死んだも同然だ。
飼ってもいいかとすら彼は思った。毎日犯してやって、孕んだと知った時の絶望する表情
を楽しむのだ。さぞ良い顔をしてくれることだろう。
「あ、そういえば、君もいたんだっけね」
ふと思い出して、魔王は後ろを振り返った。
生け捕りにした男性信者。股間を隆々と勃起させ、輪姦される少女を熱心に観察していた
この男。
オンギョウキに身動きを封じられた彼に、少年はのんびりと近寄った。
男は血走った目で彼を見返した。
「なんだよ、その顔。自分だけ仲間はずれは嫌ってことかな」
「……」
「よし、まあ君はどっちにしても殺すけど、最後に何をするかは選ばせてあげるよ。2つ
に1つ、好きな方を選ぶと良い。俺達と戦うか、あるいは、アマネを犯すか……」
オンギョウキが拘束を解いた。
自由になった男はゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩いて行った。
魔王にではなく、哀れな巫女の元に。 以上です。お目汚し失礼しました
ちょっと長すぎましたね…… ペルソナスレが無くなってるんですがペルソナもこちらでOK? キャサリンでもクズな神様しかいないとか流石アトラス