「まだ、紫がどうなるか分からないですけど...」

「でも、俺頑張りますから」

「夕乃さんと紫とちーちゃんを護れる男になります!!」

「はい。その意気ですよ、真九郎さん」

「これからは一人で悩まずに私に相談して下さいね。旦那様?」

 そうだ。もう誰にも遠慮することなく真九郎を独占できるのだ。

 まずは明日の朝、法泉と冥理に事の次第を告げて真九郎が絶対に

崩月から今後逃げ出さないようにする必要がある。

 その次は紫を説得し、最後に紅香に話をつける事になるはずだ。

(ふふっ...もう逃がしません。逃がしませんからね、真九郎さん)  
 
 心の中で黒い笑みを浮かべる夕乃と苦笑いを浮かべた真九郎。
 
 そして...

「だめー!おにーちゃんの一番はわたしなのー!!」

 ふすまを開けて真九郎の胸に飛び込んできたのは散鶴だった。