「ち、ちーちゃん?い、いつの間に?」

 驚く姉に向き直り、弱気な瞳に強い嫉妬を滲ませた散鶴は夕乃に

対して宣戦布告をした。

「おねーちゃん!おにーちゃんはわたしのなの!」

 そして夕乃が惚けている間に、散鶴は再び真九郎にキスをした。

「ち、ちーちゃん!?」

「あらあら、散鶴ってばまだ五歳だっていうのに...お盛んねぇ」

「おう真九郎!ようやく夕乃のこと受け入れる気になったか」

「し、師匠?!そ、それに冥理さんまで!!」

 いつの間にか帰ってきた法泉と冥理がニヤニヤと笑いながら、しかし

心からの祝福を込めた笑みを浮かべ、夕乃と真九郎をそれぞれ抱きしめる。

「真九郎君。そそっかしい娘だけど幸せにしてあげてね」

「い、いつからお母さんとお爺ちゃんそこにいたの?」

「いつからってなぁ?そりゃあ勿論、最初からだな」

「そうねぇ。真九郎君が夕乃のことお姉ちゃんって言った辺りからよ?」

 どうやらこの二人には何もかもお見通しだったようだ。 

「あはは...参ったなぁ。バレちゃったよ」