もう、真九郎の心の中に自分はいないという絶望的な事実に気が付いた
銀子は真九郎を睨み付け、絶交宣言をした。
今の銀子の目には、真九郎がかつて自分達を攫った人身売買組織と
全く変わらない存在にしか見えなかった。
「...銀子、俺は必ず大きくなる。誰にも負けない位強くなる」
沈鬱な表情を浮かべた真九郎の本心は、果たしてどこにあるのか。
しかし、真九郎を失った悲しみと怒りが彼女から正常な判断力を、
そう、銀子の武器である判断力を奪ってしまっていた。
ここで、真九郎を新聞部の部室から外に出してしまえば、もう自分は
夕乃から真九郎を取り返すことが出来ないということに気がつけないほどに。