過疎ってるのも寂しいので、投下させていただきます。
最終回後で、結婚したふたりに子どもがいる設定です。

*********

「英次郎はもう寝ちゃった?」
「パジャマ着せてる途中で意識不明です」
「やっぱりなぁ。湯船でも何度か沈みそうになってたもん」
濡れた髪をタオルで拭いていた草太は、若葉と目を合わせるとクスッと笑った。
草太がフランスから帰国し、若葉と結婚してから五年が経つ。
ル・シャトーは下町の気軽なフレンチとして順調に常連客を増やしていたし、
若葉も今は仕事量をセーブしてはいるが弁護士の仕事を続けていた。
ふたりの間には男の子が生まれ、今年で三歳になる。
決して裕福ではないが、家族三人、幸せで充実した日々を送っていた。
「若葉さん、こっちおいで」
「なんですか?」
居間のソファで冷たいお茶を飲んでいた草太が、にこっと人懐こい笑顔を浮かべて若葉を呼ぶ。
首を傾げて呼ばれるままに草太の傍に行くと、不意に腕を引かれて口づけられた。