謎解きはディナーのあとでエロパロ
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影山「失礼ながら、お嬢様はいまだ処女でごさいますか?」 影山「失礼ながら、お嬢様はマグロでごさいますか?」 影山「失礼ながら、お嬢様がセーラーマーズだった頃の写真があるのですが」 第2巻のネタバレになるが…
麗子が風祭に将来食われてしまうフラグが立ってるんだよな…。 まあ麗子の父が
「変な男に取られるくらいならいっそ影山を婿に…」
って考えれば 期待してる
影山ドSは王道
風祭に無理強いされて(嫌がっても馬耳東風)傷心の麗子に優しくするどころか嫉妬からのおしおきプレイを希望。 来週は麗子がギックリ腰か!
身動きが利かない麗子に影山のドSぶりが炸裂するな!
麗子「い、痛たた…影山、あなたマッサージとかできる?」
影山「フッ…お任せください、お嬢様。」(ニヤリ…) 昨日のドラマは動けない麗子に影山がやりたい放題で面白かったなー。
ヤバそうな薬とか整体とか ウサ耳じゃなかった?
影山って基本何でもできるし多趣味だしモテそうだよねw
よそのお嬢様にアプローチされてやきもきする麗子、みたいな展開を受信した お嬢様以外興味ない影山に萌え
ドSっていうよりねっちっこそうなイメージあるんだがどうでしょう お嬢様、失礼ですが、アソコはもうビショビショですか? 別スレ職人だけど、このドラマはまだ一度も見てない。
ついでに原作も読んでない。
だけどネタの為にドラマ見たら何か書けそう。
週末まで待て。 よし、ドラマはあと二回だけど見よう。
ドS敬語慇懃無礼キャラは以前書いていたんで、それは何とかなりそう。 注意: トリックは省略 <m(__)m> / TV版にそれなりに準拠 / 28さんお先に失礼
「影山!」
「はい、お嬢様」
相手がドアのところにいるとばかり思っていた麗子は、すぐそばで返事が聞こえたため、ビクッと体を震わせた。
「あ、あなた、いつのまに、そこに?」
「32秒前からですが」
秒単位か!? と、そう突っ込みたかった麗子ではあったが、この男のことだ、どうせ寸分の狂いもない数値なのだろうと思い直して、スルーする。それよりも、
「全然気づかなかったわ。だいたい、なんで二人しかいない部屋でさりげなく足音消したりするわけ? 変でしょ? あなた特殊な訓練でも受けてきてるの?」
「いえ特にそういうわけではないのですが…… 単にお嬢様がいつものようにボ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッとされてたために、お気づきにならなかっただけかと」
「……あなたね、なんでそこだけ嫌みったらしく長〜〜く伸ばすの? 言葉の内容だけじゃなく、言い方がさらに不愉快だわ」
「それは失礼しました。ではこれ以降、お嬢様に見習って記号は2個までということにさせていただきます。それでよろしいですか?」
「…………」
この男が麗子の執事として雇われてから1ヶ月になるが、この程度の暴言は日常茶飯事だ。
そのたびに麗子は怒りを覚えるのだが、発言の中身がほぼ真実に近く、また、いくらつっこんでもノラリクラリとかわされてしまう為、最近ではややあきらめ気味になっている。
「だいたい、私はさっき、単に、ボ〜〜ッとしてただけじゃなくて」
「わかっております。冗談でございます。お嬢様は、本日の殺人事件のことを、特に密室殺人の謎について深くお考えだったのでしょう?」
「そ、そうよ。決まってるじゃない。 ……でも、なんであなたそこまで詳しいの? まだマスコミには」
「それはもう。私、お嬢様の執事でございますから、それぐらい知っていて当然と申しますか」
いや、全く当然なんかじゃないでしょ……と麗子は心の中で呟く。 「ただ、あのときは、殺人のあった隣の部屋で壁越しにお話しされてるのを伺いましただけですので、
もっと詳しく教えていただければ、お嬢さまのお役に立てる可能性があるやも知れません。
というのも、ちょうどティータイムと重なって、録音だけの部分があり、
その中に聞き取れない場所がいくつかありまして」
言うまでも無いことだが、この毒舌の執事にとって、
ティータイムの休憩は全てに優先する重要な事柄だ。
「あと、風祭警部の発言はすべてチェック済みです。
あの方は、なぜか真実に肉薄する能力がおありのようで、
最近は行動の全てをもらさず記録するようにしております」
真実に肉薄した挙句、あさっての方向にいってしまう、という問題点については、あえて触れない。
二人ともその程度には大人だった。
たとえ数時間前の現場で、被害者の胸に刺さったナイフのことなど忘れたように、
「これは事故です」という結論が出された、という事実があったとしても。
----- Film flash back -----
「という感じかしらね、だいたいのところは。まったく解決の糸口すら見つからないのよ」
「失礼ながら」
「なに?」
「誠に申し上げにくいのですが」
「だからなによ? ちゃんとおっしゃい!」
「では遠慮なく……お嬢様の目は『ふ・し・あ・な』でございますか?」
「あ、あ、あなた!」
記号を3こ使ってるじゃない!
と、一瞬麗子は思ったが、流石にそこに食らいついていい場面ではないと自制する。 「つまり……ただいま、お嬢様から伺った話と私の持っている情報を総合しますと、
犯人は誰の目にも明らかかと……だたし、お嬢様を除いて」
「そんなわけはないわ。私だけじゃなく、捜査本部もお手上げの状態なんだから」
「いえ、今回の密室の謎は簡単なトリックに過ぎず、子供だまし
……とも言えるようなしろものでございます」
「じゃ、じゃあ、言って御覧なさいよ。くだらないあなたの推理、聞いてあげるから」
「それはちょっと」
「なんで? どうして出し惜しみするの?」
「それは…… お嬢様が刑事として…頭をしぼっているのに、
一執事に過ぎない私が簡単に答えを出してしまっては失礼にあたりますから」
全然そんな謙虚なこと考えて無い癖に……
それに『頭を』の前に『ない』を入れようとしてためらったのも麗子はうっすらと気づいていた。
「わかったわ。降参よ。あなたのくだら……なくない……その、とっても素敵な推理、聞かせて?」
麗子がこの言葉を発すると、彼女の葛藤に気づいたのか影山の唇の端がかすかに上がった。
「では早速……と言いたいところなのですが」
「なんなのいったい? どこまでもったいぶれば」
言葉が完結する前に、後ろから伸びた影山の両手が、麗子の胸の上に置かれた。
やわらかく包み込むように手のひらが麗子の乳房の上でうごめく。
さらにキスが首筋に落とされると、麗子は思わず体を震わせ、かすかなあえぎ声を漏らす。
「謎解きは……ベッドのあとでよろしいでしょうか?」 「あ、……だ、だめ!」
「これは驚きました。ベッドでは嫌だと。なるほど…そうですか。
このテーブルの上ですぐに……がよろしいのですか?
やはりお嬢様も、時として我儘になられるのですね」
「ちが… あっ、ふぁ、はぁ……」
既に影山の片手は麗子の太ももの上を自由自在に動き回っていた。
ひざの辺りまで行ったかと思うと引き返し、
付け根の辺りで、うぶ毛に触れる程度の距離を保ったまま撫でまわす。
「恥ずかしがらなくとも大丈夫です。
お嬢様が淫乱だということは気づいておりましたから、 ……最初から」
影山がこの屋敷に来て一週間が経った頃、麗子は、彼氏に振られたはらいせに深酒をしてしまい、
寂しさもあって、自ら誘って影山と繋がってしまった。
そのこと自体に後悔があるわけではないが、その日以降、毎日のように影山に抱かれ、
その愛撫に全く抵抗できなくなっている自分が、我ながら不思議でならなかった。
そしてまた、このままでは再び官能の渦に巻き込まれてしまうのは確実に思われ、
麗子はかろうじて自分を立て直そうとした。
「か、かげやま!」
「なんでしょうか? お嬢様?」
「あ、あなた、こんなことをしていいと」
「こんな……こと?」
「だから、私に対してこんな」
「こんな? もう少し具体的におっしゃって頂かないと、わかりにくいのですが」
そう言いながら、影山の手は太ももの付け根、クロッチ部分へとたどりつき、
人差し指はゆっくりと上に向かい始めていた。当然、目標は……
「あっ、イヤッ!」
的確な指の動きが、敏感な突起を下着越しにスッと刺激したため、
おとがいをのけぞらせて麗子は声をあげた。 「これも『イヤ』なのですか? ほんとに困ってしまいますね、お嬢様の我儘には」
そう言う間も、焦らすようにクリトリスの周囲をめぐる指。
一方で、セーターとブラ越しにピンポイントでの乳首への刺激が続いている。
もたらされるいくつもの刺激の連続に、
椅子から滑り落ちそうになった麗子は思わず影山の腕につかまる。
そのはずみで、影山の手のひらを股間に強く押し当てる結果となり、そして気づく。
今、自らのはざまからヌルリと粘液が滲みだしたのを。
今はまだショーツの内側だけが濡れているのだろうが、
外から見てもあからさまな状態になってしまうのは時間の問題だった。
「か、かげやま」
それは彼女にとって恥辱以外の何物でもなかった。使用人にそんな状態を気づかれたりすることは。
だから、なんとしても……
力をふりしぼり、股間にある、先ほど意識せずつかんでしまった影山の腕を遠ざけようとした。
しかし、彼女の試みは成功しなかった。いや、逆効果だった…と言えるのかもしれない。
押しやろうとした腕を逆につかまれ、横へと導かれる。
そう、影山はいつの間にか麗子の横に立っていた。
たどりついた先は上質の柔らかい布の手触り。
しかし手のひらの感触はその中に固いものがあるのを伝えてくる。
それは大きく脈打っていた。 「あっ……」
「はい、正解でございます。お嬢様の大好きな……アレでございます」
影山のとどめの言葉と同時に大量に漏れ出した粘液が、ショーツをべったりと濡らしてしまう。
麗子の手を導いたあと、再び布越しの愛撫を繰り返していた影山の指が、驚いたように止まる。
「なるほど。そんなに好きなんですか、これが。お嬢様は正直な方ですね、ほんとに」
顔は見ることが出来なくとも、麗子には確信があった。
影山の唇の端がいやらしく2ミリあがっているであろうことを。
「では、参りましょうか?」
「……?」
たゆまない巧妙な刺激の中、既に麗子の意識は半分以上飛びかけていた。
そんな彼女の返事を聞くこともなく、影山は、
細くはあるがそれなりにボリュームのあるボディを軽やかに持ち上げ、
ベッドルームへと向かう。
(続く) >>34
乙です。
続きを楽しみにしてます。
ドラマ版もついに次回最終話…。明かされる麗子の秘密とは!?
…やっぱ処女なのか? >>34
おおおお職人様乙です。
麗子かわいい。
続き楽しみに待ってます。 >>34
職人様お待ちいたしておりました〜
タイトル、絶対誰かやるだろうなと思ってたwww
影山麗子萌えるぅ〜
既に、ベッドの中の二人は何も服を着ていない。
あまつさえ、麗子の両膝が軽く立てられ開かれた間には影山が座り込む形となっていて、
固く上向きにそりかえったモノの先端が、はざまをゆっくり上下になぞるように動いていた。
ヌチャという淫靡な音が連続して部屋に響く。
あふれ出す液体は途切れることがなく、影山の欲望の証を覆うコンドームを伝って、
その一部は中ほどからベッドへと滴り落ちて、シーツに染みを作り始めていた。
性器同士が触れ合う刺激の強さと、されている行為の恥ずかしさ、
さらにそれらを証明するかのような卑猥な音、
その間にも唇、髪、耳、首筋、胸、腕、と、届く範囲の全て場所に、ついばむようなキスが落とされ、
麗子は既に限界点近くまで押し上げられていた。
自らを律するよりも、全てを解き放って官能の喜びに身を浸したい……
その思いが彼女の心のかなりの部分に広がっていた。
麗子は自らの思いに従うことを決断した。
たとえそれが結果として影山という男に対しての敗北であったとしても、構わない。
さらに彼女は、今、最も欲しいものを男に伝えようとする。
両手で影山の肩をつかみ、目を合わせる。
「なんでしょうか? お嬢様」
「お、お願い」
「はい?」
「…入れて……そんなんじゃなくて……もっと奥に。
あぁ……ん、もう…もう…あたし…… ダメ! 入れて! はやく!」
恥辱の言葉を口にしたことで、いっそう体の奥底から充足への渇望が湧き起こる。
しかし、一方の影山は先ほどまでの動作をくりかえすのみで、肝心の欲望の塊も、
懇願するかのようにひくついたままの入り口には気づかぬように通過するのみ。
背中を波打たせ、首を横に振り「いやいや」を繰り返していた麗子は、
ついに両足を影山の尻にあて、両腕を背中に回して、力ずくで引き寄せようとする。
満たされぬ思いは、とっくに彼女の身も心も埋め尽くしていた。
欲望に支配され自我の全てを投げ捨てた女を見て、影山は満足そうにつぶやいた。
「わかりました」
その言葉とともに、動きが止まり、先端はうごめく入り口にあてがわれ、侵入を開始した。
ふさがれた内部をかきわけるように雁首のところまで埋まったところで動きが止まる。
切望していたモノの形を、先端、そしてくびれた部分まで続く曲線の全てを、
自らの粘膜を通してあますことなく麗子は感じていた。
さらなる侵入が始まる。
ゆっくりと、麗子の奥を左右に押し広げながら、少しずつ影山のモノが埋没していく。
麗子は、押し込まれていくモノから得られる感触を寸分たりとも逃すまいと、息を止めたままだ。
そう、この快感こそが、待ち焦がれたものなのだから。
ついに麗子の中は影山により埋め尽くされた。
圧倒的なその存在感に、先ほどまでの飢えは嘘のように消え去る。
自分のこの感情の一部でも伝えたいと思いながら、麗子はじっと影山の目を見つめた。
影山は瞬きをすることもなくしばらく麗子を見つめ返したあと、
ついばむようなキスを唇に落とし、続けて耳元に顔を寄せる。
「まだ、わたくしは満たされていないのです」
アイコンタクトで麗子の先ほどの思いは届いていた。
そして今度は、私が彼の一番の希望をかなえる番だ。
そう思った麗子は同じように耳元でささやく。
「影山の……好きにして……いいから」
そう言ってから微笑んだ麗子を見て、目の前の男の顔に驚きの感情が加わる。
麗子の中をすきまなく塞いでいたはずの固いものが、グッとこわばりさらに体積を増す。
「では、遠慮なく」
壊れ物でも扱うように、ゆっくりと先端を残すだけの位置まで引き抜かれたかと思うと
こんどは、こすれあう互いの皮膚の感触を粘液越しに楽しむかのようにじわじわと押し込まれる。
自らの体内に侵入しているものの形の隅々までわかってしまうことに、麗子は驚かされた。
そうして幾度か往復が繰り返えされたあと、
全てが収まった状態のまま、じんわりとゆるい圧力で影山の腰が麗子に押し付けられる。
ゆっくりと回転を加えながら。
唇も重ねられ、二人の舌は迷うことなく境界を超えて、互いの口腔をまさぐりあう。
気づけば、一番奥にたどりついた男の先端に、麗子の内部のなにかが触れ始めていた。
麗子にはわかるのだ、なぜか。その感触が。
からみつくように、おもねるように、誘うように、ぐねぐねと、動き回るなにかが。
それは、麗子の意思とは無関係に。
「お嬢さま、お気づきですか?」
「なにが?」
流石に素直に、気づいてる、と答えることはできなかった。
「お嬢様の女としての本能が…私がその……射精するのを待ち焦がれていて、
奥にたっぷりと…そのように誘っていて」
「ば、馬鹿言いなさい!」
その途端にぐっと押し込まれ、麗子の反撃の芽はつみとられる。
「とはいえ、結婚もしていない男女が子作りをするのは、個人的にはどうかと思っておりますので、
せっかくのお嬢様のご希望ではありますが、今はご容赦を」
影山は必ず最初の段階で避妊具をつける。それはあの晩からずっと。
麗子もその点において安心していたために、こうして幾度となく抱かれているわけだが、
自らの本能がこの男の精子を欲しがっている……
という影山の指摘に、思わず反論はしたものの、否定しきれないのが正直なところだった。
そんな麗子の思考は中断させられる。再び影山の腰が前後に動き始めたからだ。
左右におしわけながら奥まで入り込んだあと、引かれる際には雁首が内壁を刺激しながら後退する。
徐々にそのスピードがあがるにつれ、
部屋の中は、粘液の立てる卑猥な音と、麗子の放つ喘ぎ声で満たされていく。
麗子は、突然、快感が増したのに気づく。
当たって……いる。そこ…… いいっ……!
奥の正面ではなくややずれたところに麗子のポイントがあることに、
初めて繋がった日、すぐに影山は気づいたようだった。
それ以来、終わり近くには的確にそこを突かれ、
麗子は結果として毎回、極限の絶頂を得ていたのだった。
今、麗子は両足を自ら胸元までひきつけ、
影山が自由自在に麗子を攻められるよう、協力していた。考えることもなく。
「そこっ! いいの! すごい! あっ」
間断なく攻められ続けた麗子は、背中を波打たせ、首を激しく左右に振る。
影山が下半身を動かせたまま唇を重ねると、強烈な吸引力で唇を吸い返す。
くぐもった喘ぎ声を漏らしながら、切なそうな表情とともに。
「お嬢様!」
「影山!」
それは終わりへの予感、二人の思いはそれぞれの言葉の中にあふれていた。同じ気持ちで。
今までに無い激しい抜き差しが始まり、麗子は極限まで背中をそらし、のど元を突き出す。
強烈な快感に襲われ、今の彼女は呼吸すら出来ない状態となっていた。
ほんの十秒ほど。そして、
「あっ! イクっ!」
「うっ!」
麗子の内部が激しく収縮を開始するのと、その中に埋め込まれた影山の剛直が、
激しく精液を噴出し始めるのは同時だった。
射精が終わった後も、麗子の両腕は影山の体を強く抱きしめ、
両足は腰の上で交差され、奥に入り込んだものを逃さぬような体勢を維持していた。
ピクッ、ピクッ、と、今もなお、麗子の体は断続的に小さく痙攣をしている。
先ほどまで息を詰めていたために、荒い呼吸を繰り返し、その乳房は大きく上下を繰り返す。
麗子が落ち着いた状態になってから、影山は体を離す。
その瞬間、「あっ」と思わず麗子は声を出してしまう。
しかし、そのなまめかしい声が、相手の男にどんな感情を呼び起こしているかについては、
彼女のあずかり知らぬことではあった。
避妊具の始末を終えた影山は、すぐにベッドに戻ってきて、麗子に口づける。
当然のように冷たい水が唇越しに注ぎ込まれ、ゴクゴクと音が立てられ、麗子はそれを飲み干す。
そして、用意された腕枕の中、麗子は小さな子猫のように丸まって、影山の胸の中に安住の地を見つける。
そう、いつもと同じように。
-- epilogue ---
「……というわけなんですよ。お分かりいただけましたか?」
つかの間のまどろみから目覚めた麗子に、噛んで含めるような影山の謎解きは行われた。
結局、密室トリックはほんとに子供だましのようなものだった。
それ以外の点でも影山の推理には一分の隙もなかった。
実際の事件もほぼその通りに行われたに違いなく、
重要参考人として拘留したあと、あとは証拠を集めるだけで十分と思われた。
そう、明日から国立署刑事宝生麗子としての仕事が始まる。
しかし今は……
「あともう少し、このままでもよろしいでしょうか」
彼女の思いを先取りするかのように、目の前の男が控えめな表現で聞いてきた。
麗子は無言のまま影山の胸に顔をうずめ、その体にしがみつくだけでよかった。
そのとき、麗子のスマートフォンのアラームが鳴り出した。
自分を抱きしめ髪を撫でていた影山の腕をどかし、
起き上がった麗子はアラームを止めることなく枕元のリモコンを操作し始めた。
「どうなさったのですか?」
「ごめん、こういう場面で非常識だとは思うんだけど、この番組だけは見ることにしているの。許して」
その番組、ワールドビジネスネットワークは経済関連ニュース専門の衛星放送番組だった。
子供の頃から見ていたために、麗子にとってはなんの抵抗もなく、
逆に民間のニュース番組などで残虐な事件を事細かに報道されたりするほうが嫌いだった。
手持ち無沙汰となった影山はベッドを出てバスルームに向かう。
何も着ずにこちらに背を向けた男の体は惚れ惚れするほど引き締まっていて、
麗子はそのギリシャ彫刻にも似た美しさに、瞬時見とれてしまう。
『次に、先週、シカゴセントラル銀行を手中に収めウォール街を驚かせた、あの会社の最新情報です』
ドア越しにシャワーの音がする中、女性キャスターによるニュースが始まっていた。
麗子はその会社の名前に記憶があった。確かこの3年で6社ほどの買収をしてきた会社だったはず。
CEOは若く、大学在学中にIT業界で巨万の富を得て、そのままビッグマネービジネスへ移り、
そこでも成功をおさめている。
年齢は35歳。そして驚くことに日本人だという噂だ。
マスコミに顔写真や詳細な経歴は一切公表されていない上に、
名前すら MR.K と呼ばれるに過ぎず、全てが謎に包まれている。
その会社の広報担当が公式会見をおこなった様子が画面に出る。同時通訳だ。
『CEOは1ヶ月前から3ヶ月間の休暇を取得中です。これは以前にもお知らせしました。
今回の記者会見は当社のCEOからビッグニュースが用意されたためのものです。
その内容は……休み明けには妻をお見せすることになるでしょう……というものです』
画面が切り替わる。老齢の黒人の顔が写る。どうやらお抱えの運転手のようだ。
『旦那は、昔好きだった女を口説きに行くんだって、えらい張り切ってたよ。
んでさ、昨日さ、電話貰って、なんかもう、すごく順調だって。そのコと。
旦那があんなはしゃいだ声を出すの、初めて聞いたね。
いやいや、秘密じゃないよ。聞かれたらしゃべってもいいって、旦那に言われてるし』
『これを見てると、なんか、とってもロマンチックな長期休暇のようですが、
今日はこれに関連してさらに刺激的なニュースが入ってきています』
ちょうどそこにバスタオルを巻きつけた影山が入ってくる。
『3時間前、このMR.Kの写真がトマソンドイター通信により配信されました。
さて、世界中が注目するその写真は……60秒後にこのチャンネルでご覧ください』
プチッ。TV画面が消える。
気づけばベッドの隣に立つ影山が、操作の終わったリモコンを枕元に置くところだった。
「なんで消しちゃうの? いいとこだったのに。どんな男か見たいでしょ? あなたも」
そう言いながらリモコンを手探りで探そうとした麗子だったが、
かがみこんだ影山が上掛けをはぐり、その乳首を唇に含んだために、
「あふっ」という吐息とともにその手の動きはリモコンを掴んだところで止まってしまう。
間髪をいれず、影山の片方の手はもう一つの乳房に、さらに余った手は太ももの奥へと。
「あ、だめ、もうだめだってば……」
首をのけぞらせ、甘いあえぎ声とともに吐き出される拒絶の言葉には、どれほどの効果もなかった。
この件に関しては、影山でなくとも答えはひとつだ。男がやるべきこと……という意味においては。
造作もなく麗子の体をうつ伏せにした影山はその手のリモコンを奪い取りながら、
背中への愛撫を始める。
それを枕元に戻そうとして影山は一瞬ためらった。
思い直したように、そっとスイッチを入れすぐさまミュートボタンを押す。
背中、尻、太ももに愛撫を繰り返しながらも、その目は画面へと向かっていた。
30秒後、再び画面が暗くなった。用の済んだリモコンはヘッドボードの上に置かれる。
絹のようにきめ細かな手触りの麗子の肌を撫でながら、影山は小さく呟いた。
「もうちょっと腕のいいカメラマンを使えばいいのに。
それもダウンタウンの一番混みいった場所で、絵柄的にもいまいちだし、
ま、いいか、二ヵ月後には」
「なんか……言った? …あ、うぅ」
再び押し寄せる快感に翻弄されている麗子の耳にも、影山の呟きがかすかに届いたようだった。
「いえ、なにも。お嬢様」
さらに全身に愛撫が続けられるうちに、麗子は質問をしたことすら忘れてしまう。
この時間、この部屋の中で。執事でもなくお嬢様でもなく。
二人は、夜の帳の先まで互いを貪り合おうとする、二匹の獣となっていた………
- The End - 以上で終了です。
なお、このタイトルは私も「先に使ったもん勝ち」だと思っていました。
本も2冊目が出たようなので、いっぺんに買いますかね。
ではまた、どこかで。 >>34
GJGJGJ!
このスレに投下してくださる方が現れるなんて! GJGJGJGJ!
最終回の前に満足しちゃった気分w 最終回、ラブ展開なかったねー
ということでどなたかお願いいたします…w 最終回に明かされた恐るべき麗子の秘密が…!!!
影山「失礼ながらお嬢様、いくつになるまでサンタにプレゼントをもらってらっしゃるんですか」
麗子「あーら、麗子ちゃんは可愛いから特別よん♪
去年もシャネルの新色のバッグと化粧品一色もらっちゃったわ♪
今年は何かなー。」
影山「………。」
(…甘やかしすぎです、旦那様。)
そこまで考えて、影山はふと、ある疑問を麗子にぶつけた。
影山「失礼ながらお嬢様、その…
赤ちゃんはどこからくるのか、ご存知でいらっしゃいますか?」
麗子は、パチクリとした目で影山を見つめた。
麗子「ふっ、麗子ちゃんをバカにするんじゃないわよ…
月夜にコウノトリが運んでくるに決まってるでしょうが!!」
ズドシャッ!
影山は雪道で盛大に転んだ…。
(…旦那様……。) サンタはともかく子作りの真実は麗子に教えるんだ影山! 影山「お嬢様、今夜はディナーのあとで大人の保健体育授業をいたしましょう。
旦那様の許可は頂いておりますので。」 >>50
めっちゃ良かった!GJGJ!
初めてこのスレ来たけどいきなり良作に出会えて驚いた&嬉しいw 麗子と影山で中華そば食べに行く話、ドラマでやってほしかった…
まあスレ的には、
影山のディナー…もとい夜食は麗子お嬢様ですが。 陰山がエロすぎて麗子が喰われる妄想しかできない…
もっとピュアになりたい 失礼ながらお嬢様、こちらはエロパロ板で御座います
ピ、ピュア…などと…
ウーケールー
で、御座います それはクリスマスも終わりの年の瀬の出来事。
宝生麗子は疲れ果てて帰宅のリムジンに迎えられていた。
「失礼ながらお嬢様、酔いつぶれていらっしゃるのですか?」
「そんなわけないでしょ…。刑事が忘年会で酔いつぶれて
誰が年の瀬の治安を守るのよ?」
「失礼いたしました、お嬢様。一応はプロの現職刑事でいらっしゃいましたね。」
「『一応』は余計だっつーの!『一応』は!」
そう、麗子は忘年会の帰りだった。
さすがに警察官の集まりで乱痴気騒ぎになるまで飲み明かすことはない。
しかし彼女の上司はハメを外すことにかけては右に出る者のいないあの風祭警部である。
カラオケで無理矢理麗子をデュエットに誘うわ、王様ゲームを始めるわ…
「…そんなこんなですっかり精神的に疲れたわ。帰ったらお風呂入ってすぐ寝るから。」
「かしこまりました、お嬢様。」 「は〜、生き返る…」
麗子は猫脚付きの白い湯船でできる限り脚を伸ばした。
慌しい日々で一番くつろげる時間である。
特に今日は風祭警部主催の王様ゲームで寒空の下、コンビニにつまみの買出しに行かされたせいで
すっかり冷えてしまった。
「あんのパワハラ上司…」
『じゃあ次は…4番の人が王様のほっぺにチュ〜だ!』
散々理不尽な命令が下されたが、こればかりは4番が当たらないよう麗子は真剣に神に祈った。
麗子の祈りが通じたのか、4番は風祭シスターズの片方の婦警に当たり、キャーキャー言いながら風祭警部にキスをした。
もう片方が割り箸を噛みながらギリギリ悔しがっていた。
「割り箸になんか細工してあったのかしら…?」
実は風祭警部は一切トリックを仕掛けておらず、すべてが彼のミラクルだったことは
麗子の知る由もないことである。 「部屋の暖房はこれくらいでよろしいでしょうか、お嬢様。」
「けっこうよ影山…、ありがと。」
暖かいベッドルームでくつろいで、後は髪をとかして寝るだけ…なのだが。
「ねえ影山…お嬢様ゲームって知ってる?」
「…お嬢様ゲーム?」
麗子はいたずらっぽく微笑んだ。
「王様の言うことを何でもきくのが王様ゲーム。お嬢様の言うことをなんでもきくのがお嬢様ゲームよ。」
「…なるほど。」
「そんなわけで命令その1、執事はお嬢様の髪をとかしてドライヤーを当てる。」
「…失礼ながらお嬢様、それではただのものぐさ…」
「いーから黙って命令をきく!それで私の気が晴れるんだからっ!」
やれやれ、という顔で、影山は櫛とドライヤーをとる。
「…かしこまりました、お嬢様。」
「影山、もっと右…」
「こちらでございますか、お嬢様。」
「あ、そこ、気持ちイイ…♪」
髪を乾かしたあと、お嬢様ゲームの次の命令は麗子の肩を揉むことだった。
「ふふふ、次は腰でも揉んでもらおうかしら。」
「いけませんお嬢様、アルコールを多量摂取した後に過度にマッサージを行うと、
血行が良くなりすぎて危険でございます。」
「ハイハイ、わかったわよ。もう寝るわ…
命令その三、執事はお嬢様のスリッパを脱がす。」
「…かしこまりました、お嬢様。」
(…続く。) おお、スレ立ってた!
でも意外に伸びてないんだな… 出来過ぎな組み合わせだから、逆に職人からすると難しい…のかな? 麗子って、大金持ちの適齢期のお嬢様だよね。
気が進まないまま仕方なく見合いしたら、相手に気に入られてしまう。
今は仕事第一の麗子にその気がないのはわかっていても、
影山が嫉妬して強引に迫るとかいいかも。 本人も気づいていないことだが、麗子はけっこう酔っていた。
酒量がたいしたことないと思っても、安酒をちゃんぽんにして飲むと
悪酔いする…という知識をどうも持ち合わせていなかったようだ。
跪いて麗子のスリッパを脱がせた影山に、麗子は更なる命令を下す。
「ねぇ影山…キスして」
「は?」
「…足に」
影山はさすがにちょっと顔をしかめた。
が、逡巡の後、麗子の形のよい足の甲にキスをする。
甘い桃のようなボディソープの香りがした。
「んふふ、くすぐったぁい。」
まるでクレオパトラになったかのように麗子は上機嫌だ。
…やれやれ、と影山は心の中で思う。
「お嬢様、もうゲームは終わりにして、お休みくださいませ。」
麗子は「はぁい」とふわふわの羽毛布団に潜る。
「じゃあこれが最後の命令よ。影山…添い寝してくれる?」 たっぷり三十秒ほどの沈黙の後、麗子はブハッ、と吹きだした。
「なーんてね!出来もしないこと命令してもしょうがないわよね!」
「………。」
「添い寝しろなんて冗談よ〜。もう寝るから出ていっていいわ。おやすみ〜」
「お休みなさいませ、お嬢様。」
影山は踵を返し、カッカッカッ、と麗子の部屋を立ち去った。
麗子はクックック、と高級布団の中で笑いを噛み殺していた。
あの影山のハトが豆鉄砲を食らったような顔ったら!
いつも毒舌を食らっている仕返しは十分に出来た。
多少後が怖いような気もするが、明日になったらすべてお酒のせいにしてしまおう…。
そう…明日になったら…。
そんなことを思いながら、麗子はほどなく眠りについた。
…三十分ほど後、麗子は影山にうかつな命令をしたことを後悔することになる。
(…続く。)
のしり、とした感触に、麗子は違和感を覚える。
誰かがいる。自分と同じベッドに。
それも覚えのない若い男が。
その意味を眠い頭が理解した瞬間、麗子は悲鳴に近い金切り声を上げた。
「…誰よッ!!」
「…私でございます。お嬢様。」
「かっ…!!!」
影山。
よく見ると見知らぬ若い男は、見慣れない眼鏡を外した姿の影山であった。
だがいつもと違うのは眼鏡だけではない。
髪からは麗子の知らないトニック系のシャンプーの香りがし、いつものダークスーツではなく、
濃いグレーのパジャマを着ている。
一ッ風呂浴びてきて、まさに眠る前…といった感じの格好だ。
そんな見慣れない姿の影山が、まさに今自分のベッドで真横にいるではないか!
「…ご命令通り、添い寝をしに参りました。」
「…馬鹿じゃないの!?あれは冗談だって言ったでしょ!」
「…お嬢様こそ、アホでいらっしゃいますか?
王様ゲームというものは、たとえ王様であっても一度した命令は取り下げることはできないのがルール。
ならばお嬢様ゲームも、それに従うのが世の常ではないかと。」
唖然とする麗子に、ニヤリ、と影山は微笑んだ。 「しかしいくら大きいベッドでも二人で寝るとさすがに狭いですね。
お嬢様、失礼ですがもっと詰めて頂けますか。」
ち、近い近い近い!
麗子はベッドの端に寄る。
「贅沢なスプリングですね…。さすがはお嬢様のためにしつらえられた品でございます。」
影山はゆっさゆっさとペッドのスプリングを揺する。
「コラッ、あんまり揺らすなっつーの!」
「失礼いたしました。では…一晩寄り添って眠るとしましょうか。」
彼女の忠実なしもべであるはずの男は、ニッコリと笑みを浮かべる。
「うッ…。」
このドS執事が、さっき肩揉ませたり足にキスさせたこと怒ってんの?
そんな麗子の心の叫びも声になることは無かった。
今まで一度も触れ合ったことのない影山がこんなに近くにいる。
今はお互いを隔てるドレスもダークスーツも無く、くつろいだパジャマ姿で、
お互いの使うシャンプーの香りが交じり合うほど寄り添っている…
麗子は酒のせいでなく顔が熱るのを感じた。
(…続く。) 心臓が苦しいくらいドキドキする。
それなのに体が震える。
麗子は影山に背を向けた。
(動揺しちゃ駄目よ、宝生麗子!影山のこと、ふざけて私のことおちょくってるだけなんだから!
男と同衾なんてわけないんだから全然!超ヨユーよ!)
「あの、お嬢様?」
影山は麗子に声をかけた。影山から見て気の毒なほど麗子は震えていたからだ。
(もうっ、寝たふりっ!むしろ寝る!)
麗子は根性で寝てしまおうと考えた。しかし先ほどと違い、眠気はいっこうに襲って来ない。
「…………。」
影山の脳裏にもしや、という考えが浮かぶ。
「お嬢様、こちらを向いてくださいませ。」
肩を掴まれ、麗子は無理やり影山のほうを向かされる。
麗子の瞳と、影山の瞳が、これまでに無いくらい近くなる。
麗子は心臓が止まりそうになった。
「お嬢様、ちょうどよい機会ですので確認させていただきたいのですがー」
「な、なにをよ?」
影山は逡巡して、その質問を柔らかに包むオブラートを探した。
…が、うまい言葉が見つからず、結局ストレートな言葉で伝えた。
「失礼ながらお嬢様…、お嬢様は処女でいらっしゃいますか」 どすっ!
麗子は影山のみぞおちにパンチを叩き込んだ。
「うッ」
影山は低い呻き声を挙げる。
「…いいパンチでございます、お嬢様。」
麗子はワナワナと打ち震えていた。精神的ダメージは今までの影山のどんな暴言よりも大きかった。
「あ、あのーお嬢様…」
影山は当惑していた。いつもなら彼の暴言に麗子が激昂し、「〜〜だっつーの!」という怒りのリアクションが
返ってくる。しかし今は麗子は影山にパンチを叩き込んだ拳を握り締めるばかりで何の反応も返ってこない。
「も、申し訳ございません。いささか言葉がストレート過ぎました。
殿方と肌を合わせたことが無い、契りを交わしたことが無い、いまだ乙女のまま、
純潔、きれいな体のまま…いくらでも言いようがあったでしょうに」
「全部同じ意味でしょうが、それはっ!」
ようやく麗子は激昂した。 麗子と影山は同じ枕を使い話し出した。
「こう見えても学生時代はモテてたのよ…ホントよ?」
「誰も嘘だとも見栄っ張りだとも言ってませんよ、お嬢様」
麗子は影山の言葉に潜むささやかな棘を無視した。
「チャラついた男を相手にしなくても、すぐに素敵なBFが出来たわ」
影山は黙って話を聞く。
「何度かデートして、食事して…この人とだったら特別な夜を過ごしてもいい、って思える人も何人かいたわ」
「つまり、綿密なロストバージンの計画を立てていたわけですね、お嬢様は。」
「そうよ、それなのに…」
影山は信じられないようなものを見た。
麗子の目から、ボロボロと涙が零れ落ちたのだ。
「失礼」
グスッ、と、麗子は涙を手の甲で拭う。
「いつも、パパには内緒の外泊の計画を立てている直前に…
彼の携帯が音信不通になったり、急に『別れてくれ』って涙ながらに頼まれたり、
理由不明の転校や留学になったりするのよ!」
「…………。お嬢様、そのタイミングの良さを何か不自然に思いませんでしたか?」
「特に何も。男運がないのかしら…」
影山の脳裏に、前任の執事の唐沢の顔が思い浮かんだ。
そういえば…あの老紳士はこんなことを言っておられた…。
『影山くん、もし、麗子お嬢様に害なす悪い男が現れたら…
宝生グループの如何なる力を用いてもいい、徹底的に排除してくれたまえ。』
影山は麗子の元カレ達に何が起こったかを察した。
むろん、麗子に真実を話せば前任の老執事の命が危ないだろう…。
(…続く。) >>85
麗子…可哀相に…
よし影山いただいてしまえ! 「現れないのかしら…、ありのままの私を好きになって愛してくれる人は…」
グスッ、と麗子は涙ぐむ。
「…………。」
影山は考える。
ありのままの、お嬢様の姿。
「…ムシのいい話よねぇ。自分で望んで刑事とお嬢様の姿を使い分けてるのに。」
刑事の姿。令嬢としての姿。
「強い女になりたくて、刑事になったのに…」
強がりで気丈な姿。
「私はこんなにも…弱いわ。」
弱く儚い姿。
「…お嬢様。大きな願いを叶えるためには…それなりの対価が必要となります。
…ありのままの自分を愛してもらうには、相手にありのままの自分を見せねばなりません。
…見せてください。わたくしに、全て。」
影山の低い声が、響いた。
そして影山は麗子をギュッ、と抱きしめた。
今までの影山なら、けしてしなかったことだ。
びくっ、と麗子は震えた。
「や、やめて」
抵抗の声には、まったく力が無い。
「やめません。…いえ、お嬢様のほうから欲しいと言わせて見せます。」
麗子のネグリジェの下から、影山の手が滑り込む。
すべらかな影山の指が、麗子の肌に触れる。
イヤイヤ、と駄々をこねる子供のように麗子は抵抗する。
影山は、ネグリジェのボタンを口で外した。
(…続く。) 「ん…あぁ…、」
影山の愛撫に、胸元へのキスに、麗子は甘く喘ぐ。
感じやすいお方だ、と影山は思う。
「あぁん…」
その紅潮する顔、汗ばむ肌を見れば、もう十分濡れている…
男を受け入れる体の準備ができているのがわかる。
影山のほうも体の準備(と、避妊具の準備)はとうにできているのだが…
お嬢様の心の準備が整わなくては、意味が無い。
麗子をその気にさせるため、影山は甘い言葉をつぶやく。
「お嬢様、どうか力を抜いて…。…優しくしますよ。」
麗子は潤んだ瞳で影山をじっと見つめる。
「さあ、お嬢様。どうして欲しいですか…?」
麗子はゆらりと体を起こす。影山は抱き寄せる。
そして麗子は口を開いた。
「今すぐ私から、離れなさい」
影山は目を見開いた。
今すぐ私から、離れなさい−
それは生まれながらに高貴な者の、絶対的な命令の言葉だった。
「出て行って。今すぐこのベッドから出て行って。」
麗子は俯いて、泣いていた。
まるで、愚かな行為を後悔するように。
影山はショックを受けた頭で、麗子の命令の理由を推理する。
…やがて、一つの可能性に思い当たった。
「相手が私では、お嫌なのですね。」
影山の体から、熱が引いていく。
「まあ当然のことでしょう。お嬢様は世界でも指折りの大企業、宝生グループの
総帥の一人娘。本来ならとうにそれなりの身分の男性との縁談が決まっていても
おかしくは無い。」
影山は言葉を続けた。
「一介の執事ごときと寝て、自らの格を下げることもないでしょう。」 影山は乱れた服を直す。
「ご心配なさらずとも、お嬢様にふさわしい男性はじき旦那様が見つけてくるでしょう。
いえ、お嬢様が望めばそれこそ英国のロイヤルファミリーの仲間入りすることも、
アラブの大富豪の妻になることも可能でしょう。」
影山は意地悪くそういうと、少しだけ優しい言葉で、付け加えた。
「それだけ、お嬢様は十分魅力的でいらっしゃいます。」
この言葉だけは、本心ですよ。
影山はベッドから降り、麗子に別れの言葉を告げた。
「では、ごきげんよう。お嬢様。二度と顔を合わせることもないでしょう。
事件で困ったらご連絡を。メールかFAXでよければ無償でお助けしますので。」
影山は麗子に一礼した。
「それでは、わたくしはこれで失礼をー」
「待ちなさいよっ!」
麗子の大声が、ベッドルームに響いた。 「さっきから聞いてりゃ勝手な事ばかり言ってくれちゃって…
いつもそうやって優しいふりして、期待させておいて、突き放すのよ!?」
麗子の涙ながらの激昂に、影山はキョトン、とする。
「あんたみたいな無礼者の暴言バカ執事…好きになってしまうのが…怖かった…。」
影山はようやく麗子の本心を理解する。
好きになってしまうのが、怖い。
「でも…もう、手遅れよ。」
いつのまにか、こんなにもわたしの中で、影山は大きな存在になっていて。
「好きよ、影山。大好き。」 「…お嬢様。」
「さあ、迷惑ならここを立ち去りなさい。いい加減な気持ちでも同じ。」
影山は、困ったような、照れくさそうな顔で、答えた。
「…お嬢様、わたくし感激のあまり…どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。」
フフ、と嬉しそうに、影山は笑う。
こんな顔もするんだ、と麗子は思った。
「こまった執事ねぇ。麗子お嬢様が命令しないと何にもできないんだから。」
麗子もフフ、と笑う。
「じゃあ命令よ、影山」
麗子は影山の顔に唇を寄せる。
「『キスして?』でございますか?」影山が尋ねる。
「いいえ」と麗子が答える。
「キスさせて」 二人はたっぷり、長いキスを楽しむ。
やがて名残惜しそうに、唇と唇が離れる。
月明かりが、二人を照らす。
麗子はいたずらっぽく、微笑む。
「それと、これは影山からのリクエストだったわね。
…すべてを見せて、って。」
麗子は先に中の下着を外し、ネグリジェをするり、と脱ぐ。
美しい麗子の裸身が、窓からの月明かりに浮かぶ。
「どう…かな?」
影山はうっとりとした顔で、麗子に見惚れる。
「…お綺麗でいらっしゃいます。」
影山は裸の麗子を守るように抱きしめ、ベッドへ押し倒した。
そして…二人は繋がった。
まるで、生まれる前から決まっていた事のように… …え、それからどうなったのかって?
…実のところ、あのロマンチックな夜のあと、散々だったのよ。
朝起きたら、二日酔いで頭ガンガンするし、太腿は筋肉痛になるし、血は出てたし…
影山がいない!と探し回って、結局外でタバコ吸ってただけだったり…
結局そんなわけで、何事も無く年が開け…
「明けましておめでとうございます、お嬢様。」
「明けましておめでとう、影山。」
元日だけど、宝生家でおせちが出ることはない。
元々あれは庶民の奥様にお正月に休んでもらうためのものだし。
お正月っぽいBJMに、いつも通りの(でもちょっぴり豪華な)朝食。
そして…いつも通りの影山。
「今年もよろしくね、影山。」
麗子は照れくさそうに影山に言った。
影山も照れくさそうに答えた。
「はい。今年も事件解決のためにこの影山を頼ってくださいませ。
なにせお嬢様はアホでいらっしゃいますから。」
「ええ、頼りにしてるわよ…
ってさらっと暴言を吐いてるんじゃないっつーの!」
麗子の激昂を影山は無視した。
「時にお嬢様、本日のご予定は?」
「あいにく、刑事に盆も正月も無くってよ。初詣も行けるかどうか…」
ピピピ、と麗子の携帯が鳴る。
『Happy New 風祭〜!!
宝生君、新年早々だが、新年会の予定を…』
ブチ、と麗子は携帯を切った。
「紅茶のおかわりをいただける?」
「かしこまりました、お嬢様。」
(…終わり。) >>67
GJGJGJ!!!!
ショックを受ける神山が個人的に良かったw >>98
GJ〜〜!!
麗子お嬢様の女心の機微が凄く良かった〜〜
エロもいい〜 ありがとうごさいます!
設定はドラマ版準拠。
でも口調や世界観をらしくするためときどき原作を参考にしました。
原作2巻を読んで、ああ麗子にとって影山って…ヘェ〜
とニヤニヤしましたので。
影山はドS。でもガツガツさせない、麗子が本当に嫌がることはしない…
と心がけてたら結局最後にはデレた。何故だ。
オチは複数考えたんですが、やっぱり安定の風祭でw
>>103
GJGJ!
>影山はドS。でもガツガツさせない、麗子が本当に嫌がることはしない…
うんうん、これ自分もまさにこういうイメージ!
「キスさせて」に読んでて萌え禿げたww
また何かよろしくお願いします! >>103
風祭オチすき!
Happy New 風祭www 今キタ!最後の投下やっと読んだ〜
すごくよかった
GJです!! ※「お嬢様ゲーム」の続きです。宝生邸の謎に影山が挑む…?
宝生邸にはあまたの使用人がいる。
だがそのほとんどが日ごろ姿を見せない。
しかし彼らは日夜仕事をしている。
そう、すべては麗子のために。
「影山、あとで私の部屋に…きて。」
麗子は内線で影山に夜のお誘いをしていた。
明日は非番なので多少の夜更かしは大丈夫…
すでにシャワーを浴び、お気に入りのコロンを付けた。
ベッドの上で愛する執事の到着を待つ。
「…ん?」
ふと、ベッドに違和感を感じる。
…枕が二つある。
「メイドさんが気を利かせてくれたのかしら…?」
室内を見回す。
なんとなく、部屋の雰囲気が変化しているような気がする。
麗子は、なんとなくこの部屋が影山との事を祝福してくれているような気がして、嬉しくなった。 影山は麗子からの電話を受けたあと、身支度を済ませていた。
麗子の部屋に持っていく必要なものを小さなカバンに詰め…
「…ん?」
カバンの中に覚えの無い小さな水色の紙袋が入っている。
「影山様へ」との小さなメモが貼ってあった。
自分宛てなのだろう、と中身を確認する。
男性物の香水と、口臭スプレー。
「…使え、ということでしょうか。」
おそらくは使用人の誰かからだろう。
影山は確信した。
自分とお嬢様との関係は、すでに宝生邸の皆に知られている。
「まぁ、妬まれていたらもっと下世話な物が贈られてくるのでしょうがね。」
どちらかといえば、好意的なプレゼントだろう、と影山は解釈した。
ただ、素直に好意的に受け取っていいものか…。
その男性物の香水と、口臭スプレーのラベルには、デカデカと…
「タバコの臭い消しに」と書かれていた。
(…続く。) そんな影山の微妙な心情はともかく、
麗子は熱い夜と楽しい休日を影山と過ごした。
恋はどんな化粧品よりも女を綺麗にする…
黒いパンツスーツに黒い伊達眼鏡。束ねた黒髪の地味な装い。
しかし鏡に映る自分は、ふわり、と華やいでいるように見える。
(…私、変わった?綺麗になった?)
廊下の備え付けの鏡を見て、麗子は両手を頬にやり、ニマ、と笑う。
(……幸せだわ。)
「どーうしたんだい宝生君!!鏡の前でニヤニヤして!
…ハイハイハイわかってるよこの風祭には!さては男でも出来たんだね!?」
…恋する女は美しい。
しかし職務中にその幸せに浮かれていては社会人失格であることを麗子は痛感した…。 (なんなの、このシチュエーションは…)
「重要容疑者確保!」の一言で、麗子は取調室に連れてこられた。
目の前には風祭警部、そして二組の湯気の出ているカツ丼。
「あの、警部。」
「なにかな、宝生君。」
「私、カツ丼好きじゃないんですけど。」
「ああ気にしないでくれたまえ、僕が食べたかっただけだから。」
自分が食べたかっただけかい!と麗子は心の中で突っ込んだ。
「さて本題に入ろう。最近男ができたね?」
麗子はハァ、とため息を付いた。
「なんでそんなこと取り調べられなくちゃいけないんですか。」
「ま、可愛い部下の交際相手のことは知っておきたいからね。」
「警部にお話する義務はありません。プライバシーの侵害です。」
「相手の年は?いつごろ知り合った?」
無視ですか。
「30ちょっと。知り合って一年未満…とだけ。」
答えなければこのバカげた取調べは終わりそうに無い。
「相手の職業は?」
執事…と答えるわけにもいかない。
「…接客業です。ワインのサーブとか、すごく上手くて」
警部は眉を顰めた。
「まさかホストか?」
「ち・が・い・ま・す。」
「まあいい。相手がホストでも差別はしないさ。ただ君のような固そうな女には勧めないなぁ…」
冤罪ってこんな風に造られるんだろうか。
麗子は暗澹たる気分になった。 「彼は君をどういうところに連れて行ってくれる?デート的な意味で。」
麗子は逡巡の後、答えた。
「……ラーメン屋、とか?」
影山が前にいい中華そば屋を前に紹介してくれたので、昨日の昼もそこに行ったのだ。
風祭はプッ、と笑った。
「いや失礼…、庶民的だねえ。」
ムカッ、と麗子の頭に血管が浮かぶ。
「少なくとも警部と食べるカツ丼より、はるかに美味しかったですよ!」
麗子の目の前のカツ丼は、一切手を付けられぬまま、すでに冷めていた…。
一方的な尋問は続く。
「大事な質問だが…交際は祝福されているかね?
ご両親や、友人に。」
麗子はピク、と固まる。
風祭は「ん?」と麗子の顔を覗き見る。
「…まだ、何も話していません。親にも、友人にも。」
「付き合っていることは、秘密です。」 警部が怖い顔で自分を睨んでいる。
麗子は自分が本当に罪人になったような気分になった。
「何故、交際を隠す必要がある?やはりホストだからか?」
麗子は目をそらして答える。
「そうじゃ、ないんです。うまく、説明できませんけど…
彼は、私の親戚の兄にあたる間柄で…父にいたく信頼されていて…」
作り話の中にも、真実があった。
「彼と私が深い関係になったと父が知ったら…なんと言うか」
それは、麗子が最も恐れていることだ。 「パパには知られたくない、か」
フッ、と警部が笑う。
「ま、自分にもそんなころがあったか。遠い昔だけどね。」
麗子は、なんとな〜く、この警部に子ども扱いされたような気がして眉を顰めた。
コンコンと取調室の扉が叩かれる。
「風祭警部、ホウ・ショウレイ様という方がご面会を…」
「取調べ終了!今行きます、ショウレイさ〜ん!」
制服巡査の言葉が終わるかいなや。
風祭警部は脱兎のごとく走り出していた。
「…影山。私は風祭警部とご面会する予定なんかないんだけど。」
「入国管理局に頼んで、ホァ・シャンレイ様という方を探して頂きました。
風祭警部は今頃人違いに気づいてガッカリされているでしょうね。」
当然のごとく、入ってきた制服巡査は影山であった。
「ところで、お嬢様…。大切なお話が…。」
ビク、と麗子は影山の真剣な眼差しに気づいた。
まさか今までの話、聞かれた…?
影山はいたって真剣に麗子に頼んだ。
「そのカツ丼…食べないなら頂けますか…?」
(…続く。) 結局麗子は取調室でカツ丼を嬉しそうに食べる影山を見ながら、
コンビニのおにぎりをランチにして食べた。
影山、箸の持ち方綺麗ね…。
物を食べる姿こそ、金では買えない品格が問われる。
麗子も淑女として子供のころから箸の上げ下げ、ナイフとフォークのマナーを
きっちり叩き込まれた。
だが、カツ丼をここまで品良く食べられる自信は無い。
影山はどんな風に育ったんだろう。
どんな経歴を経て、どんな経緯で、執事になったのか…。
まだ私…影山のこと、何も知らない。
影山は取調室で念願のカツ丼を食べた後、午後の職務…
麗子のストーキングを始めた。
今日もお嬢様は風祭警部に振り回されておられる。
望遠レンズで覗くお嬢様はいつも自然体だ。
風祭警部の迷推理に呆れ、ツッコみ、話の脱線を修正する。
捜査が上手く進まず、拗ねる警部殿を炊きつけ、やる気を出させる。
二人であーでもない、こーでもないと意見の食い違いがあり、今本気で怒っている。
「いーかげんにしてくださいっ!警部っ!」
「しかしだね宝生君!」
本人は気づいているだろうか。
お嬢様は、職務中…実に警部にありのままの自分を見せているということに。
………。
なんだろう、この感じは…。
影山は戸惑っていた。
何故、胸がチクリと痛むのだろう。
(…続く。) すみません、長いばっかでなかなかエロにたどり着けない!
一応これから風祭警部を交えた三角関係になる予定ですので、
苦手な方はご容赦ください…。 いいよいいよ、すぐにHに走るだけがエロじゃない。
そこに至る過程もまた大事だし、じっくり描き出されればそれだけ美味しい
んだもんね。
ゆっくり待ってるよ。 待ってるよー
自分結構風祭も好きだから絡めてもらえて嬉しいw
胸が痛む影山もええじゃないか! 麗子はその夜、影山を部屋に呼びつけていた。
青い顔で。
影山は呼び出された理由がわからず怪訝な顔をしていた。
「影山…私の化粧台に入っている、あれは何?」
「化粧台ですか?わたくし、いじった覚えがありませんが…。」
と言い、影山は麗子の化粧台の開いた引き出しを覗き込む。
そこに入っていたのは…。
「ピルとコンドーム…ですね…。」
「ええ…それくらい見ればわかるわ。」
うんざりとした顔で麗子が言う。
「使え、と言うことなのでしょうね。」
「…でしょうね。でも一つ使い方を知らないものが…。」
「ああこれですか。」
影山はコンドームのケースの一つを摘みあげる。
「…女性用コンドームという物です。」
麗子は頭を振りベッドに座り込む。いまにも倒れこみそうだ。
「…心中お察しします。」
影山はさらに引き出しの中に入っていた小さな冊子を取り出す。
これはおそらく、産婦人科などで配布されているもの…
影山は読み上げた。
「…緊急避妊について。
望まない性交渉や、コンドームの破損などによる不測の避妊失敗時において、
受精卵の着床よりも先に子宮内膜を剥がして生理様の出血を起こし、
妊娠成立を阻止するために性交後に服用するホルモン剤がございます。
通常の避妊薬より体への負担が大きいので、処方の際は産婦人科へご相談ください…。」
「もー、イヤァァァァァァ!!!!」
麗子は絶叫した。 「昔、初めて生理がきた時、似たようなことがあったのよ…。」
学校で男子にからかわれて。
保健室の先生に「大丈夫よ、病気じゃないからね。」と言われて。
家に帰ってきてもママはいなくて。
唐沢にも相談できなくて。
「そのときは小さな化粧箱に、生理用品とショーツ、生理についての説明書があったわ。
あの時はほんとありがたいと思ったけど…。」
麗子は怒りでドン!と化粧台を叩く。
「今回のはちょっとあんまりよっ!!」
ふー、ふー、と怒りのため息をつく。
…見かねて影山はつぶやく。
「今夜は私の部屋に来られますか?」
麗子はピョコ、と頭を上げる。
「…うん、そうね。そうする!」
麗子はちょっと元気をだした。
やれやれ、と影山は安堵する。
1時間後。
麗子は機嫌を直して、シャワーを浴びてから影山の部屋に行き…
そこで立ち尽くしている影山を見つけた。
「影山、どうしたの…。」
おそるおそる、麗子は尋ねる。
「お嬢様、私のベッド、何かいじられましたか…?」
影山は麗子に尋ねる。
麗子はベッドを見た。
…そこには枕が二つあった。
…この宝生邸では、麗子の欲しいものは何でもそろう。
必要なものはさらに先から先へ。
麗子と影山はあらためてこの魔法のような…
しかしやたらおせっかいなシステムを思い知ることとなったのだった。
(…続く。) 面白い!
思いやりのつもりなんだろうけど、麗子と影山にしてみれば余計なお世話と
叫びたいだろうなぁ〜 宝生邸が面白すぎる
まだまだエロには到達しなくても、この流れが笑えるから良し
この調子で続けて下さい 結局、二人ともなんだかそんな気にならず、
もう寝よう…という結論に至り、寝巻きに着替えて影山のベットに入った。
「ねえ影山…。」
「何ですか、お嬢様。浮かない顔して」
「私たちのこと、もう…お父様にバレちゃってるかなぁ。」
「…………。」
フ、と影山は微笑む。
「…大丈夫ですよ。この屋敷にはお嬢様の嫌がることをする者はいません。
たとえ旦那様が真の主でも、告げ口などしないでしょう。」
「…そっか。」
安堵した麗子に、影山は少し厳しい目線を向ける。
「ですが…いつまでも隠しておくわけにはいきませんよ…、お嬢様。」
「…やっぱ取調室での話、聞いてたでしょ…、影山。」
ジト目の麗子に、影山は更なる爆弾発言をする。
「明日、私が旦那様に報告に行ってきます。もうアポは取ってありますので。」 「ちょっとおぉぉぉぉ!!!」
麗子は絶叫した。
「私にひとっ言の相談も無くそんな大事なこと決めてんじゃないっつーの!!」
「相談したら、反対されるのが目に見えていましたので…。」
「〜〜〜〜〜!!」
麗子は声にならない叫びを上げ、枕に突っ伏した。
「…あなた一人で行くの?大丈夫?」
「こういうことは、男同士腹を割って話し合ったほうがいいんですよ。
大丈夫です。旦那様も人間ですから、私を取って食いはしませんよ。」
「なんか…全然大丈夫に聞こえないけど…、
ゴメンね…。影山…。」
しょんぼりした麗子に、影山は尋ねる。
「なぜ謝るのです?」
「私が…宝生麗子だから…宝生グループのお嬢様だから…こんな面倒なことに…。」
影山は麗子の涙を拭う。
「…気に、しません。」
影山は執事で。私はお嬢様で。
影山は私に何でもしてくれるけど、私は影山に何にもしてあげられない…。
「……ねぇ影山。」
麗子は体を影山のほうへ摺り寄せる。
(…………おぉ?)
影山は麗子の熱い視線に気づいた。
しかし、その後に続く言葉は予測不可能だっただろう…。
「……ねぇ影山…あなた…フェラチオとかって興味ある?」
(…続く。) 影山の顔がみるみるうちに赤くなる。
体がふるふると震えている。
…あ、ヤバイ。影山怒ってる…
「どこでそんなはしたない言葉をお覚えになったのですかっ!!」
滅多に無い影山の怒鳴り声に麗子は首をすくめる。
「週刊誌…。普通の女性誌よ?」
影山の脳裏に麗子の部屋にあったファッション誌やゴシップ誌のバックナンバーが思い出された。
あれがお嬢様の情報源か…。
明日は廃品回収の日程でしたね…。(むろん、口には出さない。)
「もー、男の人って皆そうされるのが好きなんじゃないの?違うの?」
「いや、あのですね…。」 「お嬢様…私はお嬢様にそんな媚を売った行為をして欲しくありません。」
「媚を売った行為なの?」
麗子は首を傾げる。
このお嬢様の怖いもの知らずぶりは…経験の浅さゆえか…。
影山はため息を付く。
「大丈夫よ影山、最近じゃそんなアブノーマルなプレイじゃないらしいわ…
って先週のア○アンに…」
「雑誌で読んだ知識は捨ててくださいっ!お嬢様っ!」
いつになく影山はツッコんだ。
「じゃあ何したら影山は喜んでくれるの?コスプレ?」
「い、いや…私は個人的な趣味はセックスには持ち込まない主義で…」
「そう…良かった…
クイーンQのコスプレなんか希望されたらどうしようかと思っちゃった…。」
麗子は心底安堵した様子だった。
あの、お嬢様…。
お嬢様的にはクイーンQのコスプレはフェラチオより難度の高いプレイなんですか…?
(…続く。) 麗子は純粋だから、影山を喜ばせたいと色々勉強しているんだね。
影山も大変だ。 「…お嬢様。」
影山が麗子を抱き寄せ、男の欲を持った目で見据える。
「…ん。」
麗子は影山の行為を受け入れる。
影山の手を、自分の素の肌に導く。
ネグリジェのくるみボタンが外される。
影山の唇が、麗子の胸元を啄ばむ。
「…あ。もう、そんなとこ…」
麗子の頬が赤らむ。
女の悦びに、瞳が濡れる。
「お嬢様、私の望むことは一つだけです。
お嬢様はたいそう魅力的なお方。
その目で、唇で、声で、仕草で…
…私以外の男を誘惑なさらないよう。」 麗子は影山に与えられる快楽にむせびながら考える。
…他の男を誘惑?
「バ、カら、しぃ…」
こんなに私のことを乱れさせて、ゾクゾクさせて、
でも安心させてくれる男が、他にどこにいるの。
「誘惑するほどの男なんか、いないわよ、あなた以外…ッ!」
影山が麗子の唇を塞ぐ。濃厚なキスで。
「…ん、…ん、…ん」
プハ、とキスから開放されて息をつく。
「…そんなことより、あなたのことをもっと教えてよ…」
影山の胸に、腕に、しなだれかかる。
この鍛えた、でも温かく優しい体に、どんな過去があるのだろう。
「…下の名前さえ知らない。教えてくれないし、名簿にも苗字しか…」
その深い色の瞳は、今までどんな景色を見てきたのだろう。
影山はあいまいな笑顔を浮かべる。
「いずれ…教えますよ。」
「約束よ…っっあ!」
今までに無いくらい、深く挿れられる。
「…ああっっ…影山ぁっ!」
…約束よ、約束よ、影山。
いつまでもあなたのこと苗字で呼びたくはないのよ。
…そして、いつか…
私のことを、「麗子」と呼んで。 そして、一夜が明け…
麗子はぼんやりして自販機の前に立っていた。
朝起きて、昨夜の後始末をして、朝食を食べて…
お父様に会いに行くという影山を見送って、自分はバスで通勤した。
「…大丈夫かしら、影山…。」
心配で、胸に手をやる。
ゆうべ影山に触れられたところが、まだ…熱い。
…ふぅ、とゆうべの情事を思い出し、ため息を付く。
「イカン、しゃきっとしないと…。」
ぶんぶん、と浮付いた気分を振り払い、
甘ったるい栄養ドリンクをぐいーっ、と飲み干し…
「…あー、ゆうべはお楽しみだったのかい?宝生君。」
「ぐふっ!!」
風祭警部の唐突な声かけに、麗子はちょっとむせた。
「ゲホゲホ…、いきなり背後に立つの、やめてくださいよっ!」
ニヤニヤ、と警部は面白そうに麗子の顔を見る。
「なかなかお盛んなようだね…君の彼も。」
麗子はイヤ〜な顔をする。
「…おっしゃってる内容の意味がわかりません。
それより聞き込み、行きますよっ!」
スタスタ、と麗子は逃げるように警部から距離を取る。
…ったく、この肉食系セクハラ上司め…
心の中で警部に悪態を付き、はた、と麗子は立ち止まる。
クンクン、と自分の臭いを嗅ぐ。
…私、なんかヤバいフェロモン出てる…?
(…続く。) 乙!乙!乙!
影山頑張れっ!
しかしながらフェラされる影山も見てみたいw 「…遅い。」
麗子はベッドの上でイライラしていた。
雑誌の同じページを何度めくっただろう。同じポップスの音楽が何度流れただろう。
窓の外は土砂降りだった。車の影さえ見えない…
カチャリ、と部屋の扉が空いた。
麗子はベッドから跳ね起きた。
そして入ってきた執事の姿を見て、麗子は仰天した。
「影山!あなた一体どうしたの!」
「…お嬢様。」
影山はうつろな目で、麗子を見る。
そして麗子のベッドの上を見る。
「その雑誌、どうされたんですか…」
「いや、前からあたしの部屋にあった奴だけど…」
「今朝廃品回収に出しておいたのに…」
「は!?」
影山はズブ濡れで帰ってきていた。
「雑誌の件は後で追及するとして…まずお風呂に入るわよ!」
麗子は濡れネズミの影山の手を引いて、大理石のバスルームに向かった。
(…続く。)
何故、このようなことに…
影山は浴槽の中でそんなことを考えながら乳白色のお湯を見つめていた。
豪華さと実用性重視の大理石のバスルーム。
広さは一般家庭の物よりちょっと広めくらいだが贅を尽くしたものだ。
本来執事であっても(それこそ麗子が風呂で溺れでもしないかぎり)
立ち入ることの許されない場所を影山は使わせてもらっていた。
「お湯加減、どお?」
「あ、ちょうどよろしいです、お嬢様…」
「そう、顔色もずいぶん良くなったわよ。」
正直なところ影山は目のやり場に困っていた。
自分が入っている浴槽のすぐ隣で…
麗子が体を洗っているからだった。 脱衣所に連れて行かれ、お湯張りやら入浴剤の準備をしてくれている麗子に影山は礼を言うと、
「気にしないで影山、私も入るから。」
と言われ、あやうく脱いだスーツをハンガーから落としそうになった。
言うが早いか麗子はカシミヤのセーターを大胆に脱ぎ出す。
影山は慌てて壁のほうを向いた。
何度も肌を合わせているのにいまさら、という気もするが
それはそれ、これはこれだ。
そんなこんなで今にいたる。
(…まあ、お嬢様の裸は何度も見ているのですが。)
やはり薄暗い寝室の明かりと、明るいバスルームの明かりとでは違う。
ちらり、と麗子のほうを見る。
豊かな髪。小さな肩。
(…ああ。)
華奢な腕。小ぶりだが形の良い胸。長く綺麗な脚。
(…お綺麗だ。)
「…なにジロジロ見てんのよ、影山。」
…思いがけずガン見していたようだ。
ゴホ、と影山はわざとらしい咳払いをする。
麗子はタオルを体に巻き、「影山、あなたもうちょっと詰めなさい」といい
湯船に入ってくる。
ザブン、とお湯があふれた。
(…続く。) 影山が意識して、麗子が全く無頓着ってのも面白い構図。
心地よい熱さの湯船で、二人は寄り添う。
麗子のやや長めの髪が、影山の肩にかかる。
「…二人だとさすがに手狭ね。」
「…いえ、ちょうどよろしいかと。」
影山は麗子の温もりを感じながら思う。
…まるで、新婚夫婦のようですね…。
しかし、同じ心の中でこうも思う。
…自分は、愚かしい夢を見ている。
影山が一瞬顔を曇らせたのを、麗子は察した様子だった。
「影山…お父様に、何か言われたの?」 麗子のまっすぐな目を見て、影山は重い口を開いた。
「旦那様は、わたくしとお嬢様の関係、というか交際を反対されたわけではないのです…。
ただ…。」
「ただ?」
「わたくしがお嬢様のお傍にいる条件として…
旦那様とわたくしとで、大きく意見の相違がございました。
…結果、わたくし旦那様の怒りを買ってしまったようでございます。」
麗子は、影山の言ったことの意味が初めよくわからなかった。
しかし、彼女なりに影山の答えを理解すると…
「なによ、それ!」
バシャン、と麗子はお湯を叩く。
「ようするにお父様が無理難題を影山に押し付けたの?
いますぐ婚約しろ、とか、婿養子に入れ、とか…」
「いえ、そういうものでは…。
そもそもそれくらいでしたら、苦痛とも思いません。」
「ああ、もう、バカらしい!そんな条件、飲まなくたっていいわ!」
麗子は真剣に影山の目を見つめる。
「影山、あなた何にもお父様に遠慮することないのよ…
なんだったら執事やめてプロの探偵になればいいじゃない…。」
「プロの探偵?」
「そうよ、言ってたじゃない。本当はプロ野球選手かプロの探偵になりたかった、って!」
フフ、と影山が笑う。
「夢、ですか」
「お嬢様はなぜ刑事に?それが子供のころからの夢だったのですか?」
影山の唐突な問いに、麗子はちょっと考え…
「笑わない?」
と一言置いてから、
「…本当は、正義のスーパーヒロインになりたかったのよ。」
…影山は彼女の子供のころにやっていたであろう、某美少女戦士アニメを思い出していた。
アレの影響か…。お嬢様も、可愛らしいころがあったのですね…。
「ま、大人になるにつれて、『正義のヒロイン』なんていう職業は無いってことに気づいたけど…
高校生くらいのころに…颯爽としたSPの女性警官に会って…
まるでドラマに出てくるような、正義の味方のように思えたの。
それで、警察官になれないかな、なるなら刑事がいいな、なんて…」
影山は微笑んだ。
「…素晴らしい。お嬢様は形を変えつつも、ちゃんと夢をかなえたのでございますね。」
「ま、まあね。」
麗子はのぼせた訳でなく顔を赤らめる。
「だから、影山も…がんばってみたら?
プロの探偵に年齢制限なんてないわけだし…。」
しかし影山は深刻な顔でつぶやいた。
「しかしお嬢様、わたくしがプロの探偵になると一つ問題が…」
「なによ?」
「お嬢様の手柄を、わたくしすべて奪ってしまうかと」
一瞬の沈黙。
「言ったな、このぉ!」
麗子はバシャンバシャンと影山にお湯を浴びせた。
影山は笑いながら思う。
…このまま、二人お湯の中で溶け合ってしまえればいいのに。
…ですが、そんなわけにもいきませんね…。
どんな幸せな夢からも、いつかは目を覚まさなくてはいけない。
真実を知った以上、麗子に告げなくてはならない。
そして、私は…。
(…続く。)
>>147=>>154なのかね
職人さんが萎えたら困る
頼むからやめれ その日、宝生麗子は憂鬱だった。
影山がズブ濡れで帰ってきた次の日、父・宝生清太郎を電話で問い詰めたが
どうも歯切れの悪いことしか言わず、「とにかくもう一切干渉しないで」とだけクギを刺した。
これ以上お父様を問い詰めるのは難しいだろう。
影山からも何も聞きだせそうに無い。
だが、どう見てもお父様との会談以来影山の気力が落ちている。
仕事はそつなくこなしているが、なんとなく…耳としっぽの垂れた犬のように元気がないのだ。
プライベートも不調だが、仕事のほうも不調だった。
旧家・小笠原邸で若い長男が殺された事件はここ三日犯人の影どころか凶器さえ見つかっていない。
結局ほぼ収穫なしで風祭警部の「お疲れちゃん」の一言で解散となった。
「なーに心配無いぞ宝生君!
明日は明日の日が昇る!捜査もきっと進展するさ!」
「元気とやる気と根拠のない自信だけはみなぎってますね、警部…」
うんざり、という顔を風祭警部に向ける。
「どうした、彼氏とケンカでもしたのかい?」
「そんなんじゃありません!」
「…心配してるんだよ。ホントに。」
思いがけず、警部の口調は柔らかかった。
「…警部。」
麗子はほんのちょっとキツイ言い方を反省する。
この上司は…案外部下思いなのかもしれない。
「…警部、もし、相談に乗ってくれるのなら…教えてください。」
「いいよ、なんだい?」
「…男の人って、元気がないとき…彼女に何をしてもらうのが一番嬉しいですか?」
風祭警部は真剣に考え…真面目にこう答えた。
「裸エプロンとか…。」
「警部に聞いた私がバカでした!!もういいです!」
麗子の大声に風祭警部は植え込みに突っ込んだ。
…そんな麗子と風祭警部の様子を、影山は庭木の陰からじっと見つめていた…。
(…続く。) わんこ影山可愛いww
ここは職人さんが随分と現れなかったし、このままの投下ペースでもいいとオモ
どうせ過疎ってるしさ、毎日覗きにくるのも楽しみだしw >>157
自分もちょくちょく来てるw
今日は学校休みだったから張り付いてしまったよ 自分も今定期的な投下が楽しみで毎日来てるよ。
ドラマ1話分くらいのボリュームと細かさで楽しく読んでますw 職人さんにも自分の生活があるんだから、自分のペースで更新してくれたらいいんじゃない?
確かにもどかしいけど、毎日の楽しみになっているし でももう10日以上かかってるんだよ。
こんなに長期的に独占状態って他スレでも見たことない。
まだ話を続けたいなら、まとめて投下するか、自分のサイトでやるべきだ。 162
おまえが代わりに書いてくれるのか?
職人さん居なくなったらまた過疎るだろ 現在他に投下する職人さんが居ないっぽいしいいんじゃないの
続き楽しみに覗いてるよ 164
逆でしょ。
他の職人さんが投下したくても、続いているから投下できない。
空気読める職人さんだと、話の途中でぶち込むようなことはしない。 うーん。
最初は普通に楽しんでたんだけど、ここまでブツ切りで続くばかりだとさすがに
嫌気が差すかな。
他のスレでこんなことしてたら叩かれること確実だ。
割と過疎り気味で職人の作品に飢えてるから、みんな何も言わないだけでさ。
オレ、続き待ってる。別の投稿始まってもうれしい。色んな二人が見たい。 待ってる
最初の頃に比べたら今の状況はマシ
全然人来なかったし
さみしかったし いんじゃねーの
間に別の人が投下してもいいじゃない。待ってるよ。
ガチガチになって指摘するのは、ヤボかと。
このスレのまったりしたこの雰囲気。
この職人さんの話も、毎日のぞく楽しみになって、これはこれでいいかな、と自分は思ってるんだけど。
逆に今、それを指摘し過ぎて、
続けてる職人さんも、>>28さんも、他の職人さんも投下しづらくなったらいけない
ただ、あんまり、スレの動向が不穏な方向へ行くようなら、
その時は今投下続けてる職人さん、スレ的平和を考えて頂けるとありがたいかな〜。
>>156の続きも、>>28さんも、他の職人さんも、待ってるんだからねっ 「この事件、解決まで長引きそうね…」
いつものディナータイムにて。麗子は影山に事件の話をしたが、語れることはあまりなかった。
しかし影山は、
「いいえお嬢様、もう推理に必要な材料はすべてそろっております。」
という。
「ええ!?嘘でしょ?ウソウソ!」
「嘘ではございません。まずお嬢様を悩ませている見つからない凶器ですが…」
影山から語られた推理の内容は、驚くべきものだった。
「…あの、影山。」
「…先ほど犯人は長男の婚約者だと申し上げたはずですが。まだ何か?」
「…あなた…いつもの毒舌はどうしたの?」
そう。麗子が驚いたのは、事件の真相ではなく、影山が一切の毒舌を言わずに推理をすべて語ってしまったことだった。
「ああ…毒舌ですか。」
影山は面倒くさそうに言う。
「失礼ながらお嬢様…この程度の真実がお判りにならないとは、お嬢様の頭はアホを通り越して、可哀想なレベルでございます。」
…パキン!!
麗子の手でグラスが砕け散った。
「ふ、ふふ…思ったより元気そうね影山…毒舌も絶好調よ…」
麗子はわなわな震え、そして言った。
「クビよっ!クビクビクビクビ…」
麗子はいつも通り影山に解雇宣告を…
「私をクビにして、その後どうなさるおつもりですか。」
尋常でない気迫で影山は言った。
ビク、と麗子が固まる。
「私をクビにして…その後新しく雇った執事も…お嬢様はベッドにお誘いになるのですか…?」
麗子は呆然とした。
「影山っ…!?あなた…言ってもいい事と悪いことが…」
「いいえ…私には言う権利と義務があります。真実を知る者として。」
影山は麗子をテーブルの上に押し倒した。ガシャン、と皿が何枚か割れた。
影山の体すべてで押さえ込まれ、麗子は変な体勢で手も足も出なくなってしまった。
「影山っ…何を…」
影山は獲物を捕らえた猛禽類のような目を麗子に向けた。
「お嬢様。私の正体を教えて差し上げましょう。」
「…私は類まれな幸運にて、旦那様にその頭の良さと羽の美しさを見初められた、一匹の鳥。この宝生邸に執事として迎え入れられたのは、ある目的あってのこと。」
麗子は戸惑う。
一匹の鳥…?目的…?
「この宝生邸と言う名の鳥カゴで…、旦那様の最愛の小鳥…
…お嬢様。貴女とつがいになることです。」
…つがい。つまり鳥の夫婦。
「…なにバカなこと言ってんのよ…。私は鳥なんかじゃないわ…。」
「いいえ、鳥です。カゴの中の鳥です。
豪華な食事と贅沢な寝床を与えられ、色取り取りのドレスとアクセサリーを着けた…
旦那様に飼われる、鳥なのです。」
麗子は影山の目に宿る残酷な感情に気づいた。
…哀れみ、だった。
…イヤ。
…そんな目で、私を見ないで。
麗子はギュッと目を閉じる。瞳から涙がこぼれる。
「すべての犯人は、旦那様だったのですよ。お嬢様の元恋人達が不幸な目に遭ったのも、それでお嬢様がこの年まで誰とも結ばれなかったのも、私がこの若さでお嬢様付きの執事になれたのも。
執事と結婚させれば…旦那様はお嬢様をずっと手元で飼っていられますからね…。」
影山は麗子に口付ける。鷹が獲物を喰らうような、濃厚なキス。
「んっ…、んっ…」
麗子は泣きながら首を振った。
イヤ。こんなの影山じゃない。助けて…
ガチッ!
影山が唇を放す。下唇からは血が出ていた。ペロリ、と影山は血を舐めた。
「…それでこそ、お嬢様です。」
いつもの影山のような、優しい声。
「…どんな贅沢をしても、自由に勝る王冠はないでしょう?」
麗子はテーブルから降り、影山を睨みつけて言う。
「…あなたはお父様に飼われてカゴの鳥になるのはまっぴら御免、ってわけね。」
麗子は服の乱れを直す。
「…私もよ。」
「…お別れです、お嬢様。」
「…さよなら、影山。せいぜい自由を楽しみなさい。」
麗子は足早に部屋から出て行った。そして影山も…
(…続く。) >>171
連呼するなw
でもごめん。
書くと言っててずっと書けずにいた。
ドラマも見られるものは全部見て雰囲気やノリを掴んだつもりだったけど、つい
年末年始もあっていつも常駐しているスレにだけ行ってた。
その詫びに、エロにまだ到達してないけど短いの書いた。
これで勢いを掴みたい。 壮麗なる宝生邸の夜。
今宵のディナーは格別のものがあった。
何しろ、麗子が自ら捜査した事件が見事早期解決したのだ。刑事としてこれほど嬉しいことはなく、
上機嫌でワインのグラスを幾度も干していく。
「…お嬢様、そろそろ止した方がよろしいかと存じますが」
いつものように付き従っている影山がそれとなく窘めるが、今夜の麗子は聞く耳を持たなかった。
「ふふーん、あんたなんていなくても私だって事件を解決出来るの。嬉しいんだから止めないでよ」
「それはもちろん結構なことでございます、しかし明日の仕事に差し障りますよ」
「…あー、もう。いっっっつもうるさいなあっ」
いつもなら右から左に聞き流すだけの影山の小言が、せっかくの上機嫌に水を差すもののようで
少しだけ気になった。
手にしていたグラスを干し終えると、催促するように片手を上げる。
「もっと別の、こう…何て言うのかしら。気分がウキウキしてくるようなワインはないの?」
無茶ブリもいいところではあるが、そんなことで怯む影山ではなかった。美貌も頭脳も教養も家柄も、
全てが生まれながらに常人とは桁違いなほどメチャクチャ備わっている麗子とまともに対峙すると
いうのはそういうことだ。
並みの常識と神経では務まらない。
「そのようなものはございませんが、先日面白いものは入手致しました。御覧になりますか?」
「なーに、それ。いいわ、見せてよ」
「かしこまりました」
過剰なほど恭しく頭を下げて何処かへ下がり、程なくして戻って来た影山は一本のワインを手にして
いた。
「これはお嬢様がワインの味にうるさいと聞いたソムリエの友人から、譲り受けたものでございます。
もしもまだ飲み足りないのでしたら、お試しになりますか?」
ラベルは馴染みのないものだったが、確かに飲み足りてはいない麗子はすかさず同意した。
「…いいわ、それを頂戴な」
「分かりました、では今すぐに」
ソムリエにも劣らない澱みのない所作で影山はワインの封を開け、コルクを抜く。まるで静かで優雅
なダンスを見ているようだ、と思った。
新しいグラスに、鮮やかな色のワインが注がれる。
「さ、どうぞ。お嬢様…本来であればワイン担当の者が給仕を致しますところですが、何卒御容赦を」
す、とテーブルの上に差し出されたワインはゆらりと緩やかに揺れて、麗子を挑発していた。銘柄から
してこれまで飲んだことのないワインではあるが、妙に麗子の興味を引いていた。
ワインの瓶が影山のしなやかで美しい手に収まっていた風情が何となく気になっていたのだろうか。 グラスの中の赤く艶やかな液体をこくり、と一口飲む。
まろやかで芳醇な香が喉から鼻孔に豊かに抜ける。これ以上もこれ以下も、ワインなら幾らでも口に
してきた麗子だったが、このワインにはそれまでにない何か印象的なものが舌に残った。
「…うん、美味しい…」
「お気に召したようで何よりでございます、お嬢様」
影山は満足そうに軽く会釈した。
「これはどこのワインかしら」
「お嬢様のような教養がおありの方でも把握しきれない、フランスの名もなき農園の産でございます。
ただし、元となった葡萄の栽培や醸造方法はバイオダイナミクスによるものでございますが」
「…ああ、そうなの」
バイオダイナミクス、その言葉は以前聞いたことがある。
葡萄の生育に関して農薬や化学肥料を一切使用せず、土壌本来の活力を最大限に利用し、太陽や
月など惑星の動きが環境に及ぼす影響を考慮しながらワイン造りを進めるものだ。有機肥料を使う
だけではなく自然に働きかけて、土地が本来備えている力を引き出すといわれている。
この方法を取り入れて生産されるワインも世界各地で最近増えてきたとは聞いていたが、実際に口に
したのは初めてだった。
もう一口、含む。
「……本当に、美味しいわね」
仕事柄とは全く関係なく、生まれつき合理主義の麗子はオカルト的要素のあるものなど一切信じて
いない。要するに『幽霊はいない』と言い張る子供のようなものだ。
しかし、ひょんなことで影山が持ってきた一本のワインから、少しは科学で説明出来ないことも世の中
にはあるのでは、とも思い始めていた。それほどにこのワインは薫り高く麗子を魅了している。
「ねえ影山」
「何でございましょうか、お嬢様」
「このワインを持って来たのは、偶然じゃないわよね?」
最後の一口を喉に流してから、少しだけ酔ってしまった麗子がとろりとした悩ましい目付きで影山を
見た。
「…何のことでしょうか」
この、常に従順で常に折り目正しい、そして麗子が持ち込んだ事件に的確な推理をして、時に毒舌を
吐く憎らしくも愛しい執事はやはり今この時でも素知らぬ振りをする。
……分かっている癖に。
麗子は胸の中で一人ごちた。 「あんた私に挑戦しているわね」
とん、と空になったグラスの縁を指先で戯れに叩く。最高のワインが酔いを早めているようで、頭の中
がくらくらしてきた。
「そんなことがある筈もございません、わたくし風情がお嬢様になど」
「じゃ…どうしてこれは私が生まれた年のワインなのかしら」
「…ああ、やはりそこに勘付かれましたね。さすがです」
大袈裟な動作でいかにも感服、といった様子を影山は見せた。嘘臭いにも程がある。
「当然よ」
ふん、と得意そうに麗子はするりとラベルを指先でなぞった。そこにはフランス語でバイオダイナミクス
の手法によって製造された年が明記されている。それが麗子の生まれた年だったのだ。本当に小さな
文字で、よく確認しなければ分かる筈もない。しかも小さな農園で作られたワインである。ラベルの中
にも紛らわしい数字の羅列があって、普通であれば誤認してもおかしくはない。
それを麗子は一発で見抜いた。
もちろんこの影山も同様で、何か祝い事があった時にでもサプライズとして出すつもりだったのだろう。
「お嬢様のような方に召し上がって頂けるなんて、友人もさぞ喜んでくれることでしょう」
もう一杯、グラスに注ぎながら嬉しそうに告げてくる。
「…ふ、ふん。その肝心の私のコメントが『美味しい』だけで悪かったわね」
これだけ最高のワインを口にしたのなら、もっと気の利いたことを言うべきだったと今になって後悔し
始めた。今更ながら語彙の少なさが恨めしい。
「とんでもない」
しかし、影山はものともしないようだった。
「良いものは良い、それだけで結構なのですよ。余計な薀蓄など、プロである友人が過不足なく言う
ことです。お嬢様はそのまま『美味しい』と仰って頂ければワインも幸せでしょう」
「そ…そうなのかしら」
「ええ、そうなのです」
その言葉に静謐な雰囲気を湛える端正な横顔をつい見上げると、まるっきり麗子など心の中にもない
様子で薄く微笑んでいる。
本当に、どこまで憎らしい男なのだろう。
わずかに何かを期待すれば呆気なくはぐらかされる。それでいてこの無駄のない所作と優雅な仕草
が常に忘れられなくさせるのだ。
「…ねえ影山」
もう、どうでもいい。そう思った。
どのみちもう酔い始めている。都合の悪いことは全部このワインのせいにしてしまえ、と半ば投げやり
な気持ちで次の言葉を口にした。
ずっと、言えずにいたことを。
「キスしてちょうだい…いい?」
終 す、すいません!
三角関係書きたいなー、と意気込んで書いてたらなんか尋常でない長さに…
まだ完結しないけどここからがクライマックスだぜ!
>>177さんへ。
素敵なお話、ありがとうございます。
自分に遠慮せず、どんどん書き込んでくださいねっ! 「…犯人が自供しました。警部、後はお願いします。」
いつもなら『ハイハイハイ僕にはわかっていたよ宝生君…』と風祭警部の声が続くところだが。
今日は違う言葉が返ってきた。
『…声が変だな。泣いてたのか?』
「なっ、なに言ってるんですかっ、泣いてなんかいません!」
『いーや、相当声がおかしい。ノドつぶれてるぞ。』
風祭警部の言うとおりだった。
屋敷を出て、自分の足で(というか、タクシーで)小笠原邸まで向かい、犯人に自首するよう進め…
すべてが終わって、窓ガラスに映った自分の姿を見て泣いてしまったのだ。
黒いスーツの、ただの地味な女がそこにいた。
私のことを、お父様に飼われるカゴの鳥、と影山は言った。
でも私は…本当は美しい鳥などではなかった。
自分の力で手に入れたのは、刑事の地位だけではないか。
子供のころに読んだ童話を思い出す。
他の鳥の羽で着飾った真っ黒なカラス。どんなに美しくても、みんな、借り物…
だから影山は去っていったのかもしれない。
鳥カゴのなかでいばっていたバカなカラスを見限って…
「…そうですよ、警部…。泣いてますよ…。フラれたんです!」
「やっぱりそうか…僕にはわかっていたよ、宝生君。」
「うわぁ!」
いつのまにか、風祭警部は麗子の後ろに立っていた。
「脅かさないでくださいよっ!警部っ!」
「単刀直入に聞こう。なんでフラれた?」
ああ、もう、また取り調べ?
うんざりとした顔で麗子は答えた。
「彼が…私と一緒になってカゴの鳥になるのはイヤだ…と言ったんです。
自由に勝る王冠はなし、とも。」
もういいでしょ?早く帰らせてよ…と言いたかったが。
「バカな男だな。そいつは。」
風祭警部は真面目に…そして不機嫌そうに言った。
「必ず後悔するぞ。男には…自由だのプライドだの、そんなもん放り捨ててでも…
…絶対に手放しちゃいけない女がいるんだよ。」
あまりに真剣な言葉に。
麗子は風祭警部の顔をまじまじと見つめた。
「…警部、ずいぶん重みのある言葉ですが…ひょっとして実体験?」
「まあ…な。おかげさまで四十になってもいまだ独り身だよ。」
麗子はちょっと微笑んだ。
風祭警部もニッ、と笑った。
「まあ僕のことはどうでもいい。宝生君、どうだい、お互い寂しい独り身同士、今夜は僕のジャガーでイタリアンでも…」
「いえ…警部」
いつもなら。「けっこうです。」とか「歩いて帰ります。」とかの断りの言葉を続けるのだが。
今日は違う言葉を返した。
「…和食でしたら…お付き合いいたします。」
影山は自室のベッドで横になっていた。
麗子と何度か床を共にしたベッド。シーツはとうに取り替えられている。
…彼女の残り香など、あるはずもない。
明日の早朝、この屋敷を出て行こう。荷物は簡単にまとめてある。
そんなことを考えていると。
扉がノックされた。
「…?」
戸を開けても誰もいない。かわりに、水色の封筒がぽとり、と床に落ちた。
(…またか…。)
封筒の中にはメモ書きが入っていた。
『お嬢様から本日ディナーのお誘いを受け遅くなるとの連絡。
風祭警部殿と。和銀亭にて。
和銀亭 住所 …………。』
要点のみの簡潔なメモだが、影山には責められているように感じた。
(もう…放っておいてくれ。)
お嬢様の人生は、もう旦那様が決めたレールから…つまりは私と結ばれる運命から…とうに外れているのだ。
相手が風祭警部なら、順当なルートだろう。
明治からの創業を誇る和食亭とは渋いデートコースだが、いまごろお酒も入っていい感じになって…
そのままホテルに直行なんてことに…
「……………。」
額に脂汗が浮かぶ。
…いやまさか。いくらなんでも早すぎるだろう?
しかし影山の脳裏には恐ろしい光景が浮かび上がった。
ホテルのスイートで男女の行為に及んでいる麗子と風祭警部が。
自分とのセックスよりずっと淫らに喘いでいる麗子。甘い言葉で風祭警部に愛を囁き、互いの性器を舐めあい、肉欲の限りを尽くしている麗子。
「う、わぁあああああっ!!」
影山はこのときばかりは自分の想像力の豊かさを呪った。
止めろ!お嬢様を自分の妄想で汚すな!
「旦那さまが今のわたくしを見たら…きっと嘲笑うでしょうね…」
宝生清太郎との会談を思い出す。
『何故だ?何故私のやり方が気に入らない?』
『失礼ながら旦那様は…お嬢様の人格を、人生の決定権を、何だと思っていらっしゃるのですか。わたくしはこんなことのために…執事になったわけではない。』
『それは…麗子を捨てる、ということか。』
恐ろしい顔で旦那様は私を睨み付けた。
私は負けじと答えた。
『いいえ…捨てるのは…自分の欲です。わたくしがお嬢様の運命の相手だったなどと…思い上がりも、甚だしかった。』
自分の欲を捨てられる?
そんなことは不可能だ。
しょせん自分は…執事の皮を一枚脱ぎ捨てれば…ただの欲の塊の一人の男ではないか。
ゴロリ、とベッドに横になる。
そして想像する。お嬢様の最も美しいであろう姿を。
純白のドレスを着た、お嬢様の姿。
「影山。来てくれたんだ。」
「お久しぶりです。お嬢様。よく私めなどに…招待状をくださいましたね。」
「恨みもしたけど…今の私があるのは影山のおかげだから…。」
幸せそうに、お嬢様は微笑む。
「じゃあ行くね。新郎を待たせてるの。」
「行ってらっしゃいませ。お嬢様…いえ、」
「奥様」
グシャリ、と影山は水色の封筒を目の前で握りつぶした。
怖い顔で虚空を見つめる。
神よ。この愚かな獣を笑うなら笑え。
影山は決意を胸にベッドから跳ね起きた。
(…続く。) ごめん。
ぶっちゃけ>>166も自分ですorz
いくら土下座してもし足りないぐらい失礼発言で申し訳ない。
すごく好きな話で、続きを期待しているから変な勢いが余ってしまった。
この先の展開が楽しみなのでまた覗きに来ます。
そんで自分も出来るだけ早く続き書きます。 >>177さん
意地っ張りだけど、お酒の力を借りたことにして素直な麗子が可愛い。
>>189さん
風祭が意外な形で絡んできましたね。自分の妄想に焦る影山が面白い。
昔は自分のサイトで小説書いていたんだけど、今は妄想するだけに
なってしまった。
影山と麗子の関係が好きで色々考えるんだけど、まとまらない。 和銀亭から出てきて。麗子は自分の吐く息の白さに驚く。
「寒くないか?」
「いえ…大丈夫です。」
狭い道を、離れた駐車場まで二人で歩く。
今日はどうかしている、と麗子は思った。
自分があの風祭警部のジャガーに乗ってディナーを共にするなんて。
「いいお店知ってますね。さすが四十台独身貴族」
「ハハハ、君さえ良ければいつでもご一緒するよ。」
麗子はジト目で風祭警部を見る。
「…『ショウレイさん』のことはいいんですか?」
麗子のイヤミに、風祭警部は笑う。
「愚問だな。どんな美女でも…
出会えなければ、恋はできないね。」
麗子はピタリ、と足を止める。
影山。
どんな運命でも…出会えて恋ができただけで私は幸せだったのに。
悲しみを思い出し、うつむく。
「宝生君。…まだ、泣き足りないのか?」
「……………。」
麗子は恥ずかしくなる。さっきも店の中で…泣いたのだ。
「…すみません。今日は警部に、みっともないところばかり見せてますね…。」
「…気にするな。いつも僕のほうが、君にみっともないところばかり見せているよ。」
麗子は驚く。
「…自覚あったんですか!?」
「…………君ねぇ。」
「宝生君。泣き顔よりも…眼鏡を取った、君の美人顔が見たいな。」
風祭警部の言葉に、麗子は凍りついた。
どうしよう。
眼鏡を取ったら…私がホウ・ショウレイだとバレてしまう。
でも。
…やがて意を決して、麗子は言った。
「…いいですよ。たいした顔じゃありませんけど。」
…人生が。抜け出せない迷宮なら。
この人に真実を見せることで道が開けるかもしれない。
…たとえ、後戻りできない道だとしても。
麗子は瞳を閉じて風祭警部に顔を向ける。街灯の下、風祭警部は麗子の顎に手をかける。
だが警部の目的は麗子の眼鏡を外すことではなかった。
(宝生君…。いいよな…。)
麗子は気づいていない。
風祭警部の顔が間近にせまっていることに。
(この流れなら…キスくらい…。)
麗子の薄い紅を塗った唇に、風祭の唇がもう後数センチ…というところに。
「…お嬢様っ!!」
麗子の聞き覚えのある声が、夜道に響いた。
影山。
麗子は声の方に振り向く。
あとちょっと…というところで麗子の顔が離れてしまったので、風祭警部は憮然とした顔になった。
そこには影山が怖い顔で立っていた。
しかし、いつもとはまるで違う格好だった。
(タ、タ○シード仮面…?)
麗子がコスプレと勘違いするほど、影山は目立つ格好だった。
仮面を思わせるほど大きな白縁眼鏡。ラメ入りの紫のタキシードが月夜に反射してキラキラと光っている。
(いくら『ホウ・ショウレイのフィアンセの影山』と同一人物と気づかれないためとはいえ…)
ダサくね?と麗子が思ったことは秘密である。
毅然とした態度で影山は言った。
「お嬢様。お迎えに上がりました。」
風祭は憮然とした顔のまま呟く。
「君の親戚のお兄さん…か?
フン。やはりホストだったのか。」
麗子は自分達を遠巻きに見ていたカップルに気が付いた。
サッ、という言葉が似合うほど足早に離れていく。
ヤクザの若頭のような白いスーツの男と紫のラメ入りタキシードの男と黒いスーツの女。
傍からはどう見ても「ホスト二人が客の女を巡って睨み合っている」構図にしか見えなかっただろう…。
影山は麗子の手を取り、風祭警部から引き離す。
「ちょ、ちょっと、かげ…」
一刻も惜しい、と言わんばかりに影山は麗子を赤いフェラーリの後部座席に押し込んだ。
…ちなみに何故赤いフェラーリなのかは、それが宝生邸にある一番速い車だったからである。
「おい、そこのホスト野郎。」
風祭警部の声が響いた。
「今度俺の可愛い部下を泣かせたら、こんどは和食亭でなく高級イタリアンに連れて行くぜ。」
影山は無言で、恋敵に…しかしお嬢様の上司に…一礼した。
そして運転席に乗り込み…アクセルを踏んだ。
車内にて。
「…どういうつもりよ。影山。」
影山はムスッとした顔で答える。
「…まっことお嬢様は鬼のように心の冷たい女性でございますねぇ。私に別れを告げ、その足ですぐさま他の男を誘惑しにいくとは!」
「はぁ!?」
麗子は本気でムカッと来た。
つまり影山の言い分は、品のない言い方をすれば、「自分を捨ててとっとと次の男に行ってんじゃねーよ、このビッチ!」ということではないか。
「あのねぇ…!!」
麗子の言葉を遮り、影山は続ける。
「お嬢様。わたくしやはりお嬢様を放ってはおけません。もう旦那様がどんな意図をもってわたくしを執事にしたかなんてどうでもいい。考えないことにしました。
ずっとお傍にいます…いさせてください!」
「影山…あなたって人は…」
麗子は顔を真っ赤にしてふるふる震えていた。
怒りで。
「なら初めっからそうしろっつーの!!」
プリプリ怒っている麗子に、影山は意を決して聞いた。
「…お嬢様。なぜ、今夜に限って風祭警部とディナーを共に?
あのお方のことが、好き、なのでございますか?
…もしそうでしたなら…、わたくし今すぐお暇をいただき多摩川に身を投げたいと思いますが。」
世にも深刻な表情で呟いた影山に、麗子は唖然とした。
「はぁ!?冗談やめてよ…。
なんで自分の上司に千円のカツ丼おごって貰っただけでそこまで言われなくちゃいけないの!?」
「カツ丼…でございますか!?」
「うん、私、あなたにフラれた…と思ったから…なんかヤケ食いしたくなって…
普段だったら絶対食べないんだけどねぇ。
風祭警部、あの店のカウンターの端をいつも空けてもらってあるんだって。
お店の人の話によると、デートをドタキャンされたときはいつもあそこでカツ丼を食べているみたい。
あの席に女の人を連れてきたのは、私が初めてだってさ。」
クックッ、と麗子は笑う。
影山は複雑な表情をした。
個室で豪華な和膳を囲みながら二人きり…なんて状況ではなかったのは良かったのだが。
なんだか腹の虫が収まらない。
「お嬢様…カツ丼が召し上がりたくなりましたらいつでもわたくしが奢りますから…、
今後絶対に風祭警部のお誘いを受けて二人でお食事などしないでくださいませ。
男は誰でも…一皮むけば一匹の獣であること…お忘れなきよう。」
かくして、晴れて私と影山は元サヤに納まったのでした。
…今度こんなことがあったら、絶対、問答無用でクビにしてやるけど。
その後の話で伝えておくことは一つだけ…
あの日の夜、私はシャワーを浴びて影山の部屋に行き…
そこで呆然と立ち尽くしている影山を見つけた。
おそるおそる影山の後ろからベッドを覗き込むと…
シーツの上に目いっぱい真っ赤な薔薇がハート状に散らしてあったのだった。
(…終わり。)
お、終わった…。
ラストシーン(麗子にキスしようとした風祭から影山が麗子を奪い取る)ありきで
書き進めて行ったら30レス強の大長編に…。
まあこれで完結です。ほんとに。
書き進めていくうちにどんどんバカ話になっていってすみません。たいしてエロくもないし。
自分の中では
麗子は奔放で無邪気、でも傷つきやすい乙女なお嬢様。
影山はドSになりきれないヘタレで堅物な執事。
風祭警部は女好きのセクハラフェミニストになっていきました。
風祭警部が格好良すぎなのは使用です。
自分が中の人の前々からのファンなので…。 >>195
GJ!!
おつかれちゃん!
麗子かわいい影山へたれ?でも好きだよ影山、風祭ちょい紳士だね
またの投稿楽しみにしてるよ〜
スレチかもだけど、風祭初めて見たとき、何故かアンティークをふと思い出した。何か雰囲気にてない?役柄
>>195
おつかれちゃん!!
おもしろかったです。
次の作品も待ってる。
>>195さん
お疲れちゃん!
紫のタキシード着た影山が見たい☆
影山のヘタレなヤキモチの焼き方が面白い。
麗子も怒っちゃうよね。
最後の真っ赤なバラで作ったハートいいね。 >>195
影山のタキシード仮面に鼻鳴るほど笑ってしまった…!!
ギャグとシリアスが入り乱れてて読みながらすごく翻弄されました(褒めてますw)
どっちかに振り切れた作品も読んでみたいです
是非また作品投下してください >>195
お疲れ様です!
セリフ描写も上手くて毎回楽しみにしてました!
また思い浮かんだらお願いします。 >>195
GJ!
影山がいいキャラ過ぎて吹いた
また是非とも読みたいな
>>177
埋もれてしまってるけど、GJ! しかも舞台は沖縄らしい…!!
創作意欲が膨らむぜ!
「沖縄旅行の際は水着をお忘れなく」
「うふふ、中に水着着てきちゃったv」
麗子、大胆に服を脱ぎ、影山のほうに放り投げる。
あっというまにピンクのビキニスタイルになり海に飛び込んだ。
「影山も早くいらっしゃいよー!」
影山、麗子の服を抱きかかえ、困ったようにつぶやく。
「お嬢様、わたくし実は海パンを忘れてきまして…」 どうも影山は服を脱いだり裸になったりするイメージが湧かない
着たきりすずめっぽい もう、服のまま泳げw
そしてお嬢様と海の中でキス…v >>195
うおぉぉー!!
まさかこんな素敵な作品を読めるとは
面白くて一気に読んでしまったよ
ありがとう
気が向いたらまた投下して欲しい SPではラブラマンス&ハードボイルドな影山が見られるらしい… 影山のラブロマンスの相手は麗子じゃないみたいだね。いつも「影山」としか書いてないし。
麗子と影山のラブが見たい チャイナ服の北川景子が目撃されてるから
相手はショウレイさんと予想 だれか超ドSの影山を書いてくれ〜
お嬢様を陥落した後ベッドでタバコ吹かすようなw 「犯人グループのアジトに単身で乗り込んで拘束され穴という穴を犯され尽くして、
お救いに上がったわたしにもおねだりをしてよがって来るなど、
お嬢様はアホでございますか。」 「見てたんなら助けなさいよぉ〜!!影山のばかぁ〜!!」えぐっえぐっ 麗子「影山ぁ、赤ちゃんってどうやって作るの?」
影山「ブッ!!…お嬢様、なんということを…」
麗子「私、影山の赤ちゃん欲しいな…お・ね・が・いv」
影山「承知しました」
別のドラマ混じったw
影山もある意味ミタさん並みに万能だから、有り得そうだ 影山「執事たるもの、一家政婦には遅れは取りません!
さあお嬢様、是非『全部脱いで』とご命令を!」
麗子「誰がするかぁーっ!!この色ボケ執事ィ!!」 ドラマ麗子…お花畑お嬢様、超ピュアピュア
原作麗子…クールビューティーだが男女の機微には疎い感じ
どちらがお好み? ドラマ始まってこんなに麗子ってアホだったけ…
と思ったのはいい思い出。
ちなみに原作では
影山…たぶん経験あり
風祭…絶対経験多数
麗子…?
原作の刑事バージョン麗子は妙に落ち着いてると言うか、処女ではないよーな気がする。
が、お嬢様バージョン麗子のピンボケ発言を聞くとそうでもないのか?とも… 影山が自分以外の女に目を向けたらメラメラと嫉妬しそうだなあ… 逆もさもありなん
影山の場合はメラメラって感じじゃないだろうけど 「お嬢様。お仕置きでございます」
なぜこんなことになったのだろう。
麗子は手錠で両腕をベッド柵に拘束されていた。
「ちょっと影山、ふざけるんじゃないわよ!」
ガチャガチャ、と手錠の音が響く。
「わたくし、まったくふざけている気はございません。」 「そもそも何故お嬢様の私が執事にお仕置きされないといけないのよ!」
「本日職務中に電車内で女子高生のお尻を触っていた痴漢を現行犯逮捕されようと
しましたね。それはまあよろしい。
ですが相手が駅のホームに逃げ出し、取っ組み合いの大立ち回り…」
ハァ、と影山がため息を付く。
「御髪はボロボロ、アルマーニの眼鏡のフレームは曲がり、ひざ小僧は擦りむいて…
…失礼ながら、お嬢様はわんぱく坊主でいらっしゃいますか?」
ピキ。
「そんなわけないっつーの!立派な社会人成人女性よ!」
「…では、きちんとその自覚を持ってくださいませ。」
影山は麗子の上にまたがり、麗子のお尻を撫でた。
「なっ…////」
麗子は戸惑った。影山が自分のお尻を撫でたことに。
それ以上に、自分の身体の反応に。
ジワリ、と下着の中が濡れる。
もっと触って欲しい、と身体が欲する。
「…薬が効いてきたようです。」 「やだ…なに、これ…」
麗子は下半身をモゾモゾさせる。
「とても希少で高価な媚薬…とでも申しましょうか。本日のディナーに混ぜさせていただきました。
…しかしこんな短時間でヌレヌレになるとは…素晴らしい効き目です」
影山は麗子のパンツを脱がせた。
ヌルッ、とした愛液が太ももに垂れた。
なんなのこれ。なんでこの天下の宝生麗子様がM字開脚して
恥ずかしい所を影山に見られてるの。
「こ、こんなことして、許されると思ってるのおっ…」
涙目で。麗子は抗議の言葉を発する。
「ご心配なく。旦那様の許可は取ってあります。
お嬢様が妙齢の女性としての自覚を持てないようなら、わたくしが身体で教えて差し上げろ…と。」
影山はニヤリ、と笑った。
「よければ、そのまま種付けしてもかまわない…とも。」 >>238の続き
麗子は硬直した。
…「種付け」って。
「…あ、わたくしの家系は健康と容姿と頭の回転の良さに非常に恵まれた血筋で、
タネは雄としては非常に優秀であると旦那様のお墨付きです。
…もちろん、遺伝子だけでなく身体にもテクニックにも自信はありますがね。」
麗子はあまりのことに白目を剥きそうにになった。
…それで現実が何か変わる訳でもない。
「お嬢様、始めますよ。」
影山は医者がするそれのように麗子の服をブラごとたくし上げた。
麗子のそれなりに豊かな胸がむき出しになる。
ぷっくり勃ったピンク色の乳首が天を向く。
「いやらしい身体ですね、お嬢様は…」
影山は麗子の乳首をチュ、と吸い上げた。 麗子はもはや抵抗することもできず、目と口をグッ、と閉じる。
「せめてもの抵抗、でございますか?…いつまで声をたてずにいられますでしょうね。」
影山は麗子の乳首を舐めながら、下半身のほうにも手を伸ばす。
麗子の大事なところから、指で攻め立てる。
グチュ、と水音が漏れた。
「もうお嬢様の蜜壷は溢れそうでございますよ?」
「…………////」
麗子の目から涙がこぼれた。
それが快楽か羞恥かは麗子自身にもわからなかった。 「さて…このまましてもよろしいのですが…」
影山は麗子の身体をぐりん、と回す。
「やだ…なにこのカッコ…!!」
麗子は両腕を手錠で繋がれたまま…動物の交尾のように四つんばいにされてしまった。
「私的にはこの体位のほうが、燃えますので…。」
「この、人でなし―!!何が淑女の自覚よこのケダモノ執事!」
麗子は本気で絶叫した。
「お嬢様、人も所詮動物でございます。…お忘れなきよう。」
影山は悪びれもせず答えた。
「お嬢様も所詮は動物の雌…子供を作って産むさだめなのです。
ましてお嬢様は宝生清太郎様の一人娘。
いつまでもやんちゃをしていないで、旦那様に早く孫を抱かせて上げてくださいませ。」 影山のその言葉は。
麗子にとって…おそらくはこれからされる行為以上に…屈辱的な言葉だった。
ベタリ、と頭と脚を突っ伏す。
「…なんでよ。
どんなに毒舌を言われたって…どんなにアホだの節穴だの言われたって…
影山…あなたはもっと…私の生き方を理解してくれてると思ったのに…
…私はお父様の人形じゃない!」
「……………。」
麗子の言葉に思うところでもあったのか。
影山はもう一度…反対向きに麗子の身体を回し、自分の正面を向かせた。
「…お嬢様。お嬢様は意外にメスとしての能力が高いのでございますね。」
「…は?」
麗子は影山の言葉の意味がわからなかった。 「『お嬢様』と呼ばれる方々の中には、親にべったりで外に出て働くことすら恥だと思っている人もいる。
…お嬢様のように父親と距離を置こうとはしないのです。
しかし、生物の高度な子孫繁栄の能力としては…
近親相姦を防ぐため、自分に近しい遺伝子の者とは離れたがるのです。」
…影山の言ってることはわからないが、父親の洗濯物に触れようともしない女子高生みたいなもんだろうか。
「…そこまで考えたこともなかったけど…」
「まあ要するに…」
影山は麗子の上に覆いかぶさる。
勃起したオスの証を麗子のメスの証にあてがう。
「あ…!!」
隔てるものは何もなく。
影山と麗子は雄と雌として一つになった。
そして影山は腰を動かす。
「要するにお嬢様は…
父親以外のオスの遺伝子を欲しがっているのですよ…」
(END) 1から一気読みしてしまった…
ドラマしか知らなかったんだけども
このスレのせいで原作が読みたくなったじゃないか
どうしてくれるw 読めばもっと楽しめると思うよ
あのノリが好きならきっとハマれる ドラマから原作に入ると
風祭警部が意外と普通のイケメン警部に見えるかもしれない
それくらい椎名さんの風祭警部はぶっ飛んでいた…
「帰るわよ影山車出して!」
不機嫌という感情を絵に描いたような第一声と共に、彼女は車に乗り込んだ。
「お帰りなさいませ、お嬢様。…おや、そのDVDはいかがなされたのですか?」
「同僚に借りたのよ。観たことないと言ったら珍獣でも見たかのように驚かれて」
ふてくされた表情を隠しもしないのは、その相手が気を遣う必要のない人物だからだ。
仕事を終え、迎えにやって来たリムジンに乗り込んだ麗子を出迎えたのは彼女に
――― 正確に言うなら宝生邸に雇われた若い執事、影山という男。
つまること麗子は彼の雇い主側なので当然、態度も横柄である。
影山の方もそんな“お嬢様”の扱いには慣れたもので、飄々とした態度を崩さず
運転席からちらりとミラー越しに麗子へ視線を送り、僅かに唇の端を上げた。
「それはそれは…さぞかし屈辱だったことでございましょう」
「ほんと頭にくるったらないわ、日本人なら観たことないとおかしいとまで言われて」
やり取りを思い出したのか、眉間に皺を寄せて麗子がぼやく。
「お聞きしてよろしいでしょうか、そのジャンルは?」
「……ホラーよ」
応えに一瞬間が空いたことに、影山は気付かぬ振りをした。
「ホラー…ですか」
「これよ。あなた知ってる?」
影山が運転中であることは華麗に無視して、麗子は後部座席から身を乗り出した。
その華奢な手から受け取ったパッケージに素早く視線を走らせ、小さな嘆息を漏らす。
リ○グ
「(…何故今更そんなベタな作品をチョイスしての応酬となったのか不可解極まりない話ですね)」
と言いたい影山も、流石にこれ以上麗子の機嫌を無意味に損ねさせる気はなく、
「はあ、確かにメジャーではあるかと思いますが決して万人が見たがる作品とも言えないかと」
などと曖昧な感想を漏らすに留めたのだった。
(辛辣さがウリの彼としては珍しいことに!)
そんな無難な返答を聞いた麗子は疲れたようにふうっと大きな溜め息をつく。
ふかふかの座席にもたれ掛かって難儀そうに再び口を開いた。
「仕方ないわ、帰ったらディナーの後でシアタールームね。明日は公休だから
少しばかり夜更かししても構わないし……そうそう、影山あなたも、たまには息抜きで一瞬に見」
「なるほど、怖いのでございますねお嬢様」
「なな、わけないでしょ!純粋な好意よ労いの気持ちよ!失礼ね」
「これは失礼いたしました。お嬢様のご厚意に深く感謝いたします」
「どうしてそうわざとらしい言い方しかできないのかしら」
「そんな、心外です。わたくしの真摯な気持ちを申し上げただけですのに」
「もういいわよさっさと飛ばして!」
慇懃無礼な影山と憤然とした麗子を乗せて、リムジンは静かに帰路を進んでいく。 ディナーの後。
シャワーを浴びてゆったりとした(且つ、豪奢な刺繍の)ネグリジェにケープを羽織った麗子が
シアタールームに姿を現した頃には、既に影山が鑑賞の準備を全て整えて待機していた。
照明の落とされた室内に足を踏み入れた彼女が一瞬、戦慄のいたように唇をひきつらせる。
おそらく。
影山は分かりきったことを考える。麗子は、ホラーの類が得意ではない。
それなのに、無理に押し付けられたそのDVDを「苦手だから」と返すのもプライドが許さないし
「怖くなかったわ」と見た振りをして返却する、という選択も出来ない生真面目さをも
同時に持ち合わせてしまっているのだ。
ああ、本当にお嬢様はアホでいらっしゃいますね。
いえ、ですが、アホの子ほど可愛いとも申し上げられるでしょうか。
うっすら笑みを浮かべる影山に気付く余裕のない麗子は、落ち着かない様子でソファに腰を埋め、
続いてスクリーンにちらりと視線を走らせてから ――― 結局、観念したように彼を手招きする。
「ちょっと、影山」
「何でございましょうか。シャンパンならいつでもご用意できる手筈が整っておりますが」
「じゃ、なくて……ええと、隣に、」
「はあ」あえて惚ける影山の薄ら笑いに気付いた麗子は、
「いいから早く隣に来なさい!」と声を張り上げた。その頬はうっすらと赤い。
あくまで影山の立場は“執事”であって、主人を嘲笑するなどもってのほかである。
ニヤリと口が緩みそうになるのを悟られぬよう、彼は「では、失礼しまして」と
スマートに麗子の隣へと腰を下ろしたのだった。
それからかれこれ、二時間ほど。
影山にとっても麗子にとっても、それは試練の連続となる。
麗子は、苦手な所謂「怖い」映像に。
影山は。
その都度小さく体を震わせてしがみついてくる「お嬢様」に。
最初のうちこそ、高慢でプライドの高い麗子がたかが作り物の映像に青ざめて
怯える姿を楽しむ余裕こそあったものの、次第に映画の中に入り込む彼女の
怖がり方は尋常ではなくなった。
なまじ設備が整っているだけに、醸し出すおどろおどろしい臨場感は半端ではない。
その上彼女は意識してホラーというジャンルを避けてきた。
要は、耐性がないのだ。
(これは予想以上の反応ですね)
女が、井戸から這い上がろうとしていた場面あたりから
麗子は影山の腕にしがみついて離れなくなった。
そのつぶらで可憐な瞳だけは真面目にスクリーンに注がれ、影山の存在を意識している様子もない。
それがほんの少し、面白くなかった執事は試しに、お嬢様の背中に流された長い髪を撫でてみた。
反応なし。
なので、今度は軽く腰に腕を回してみた。
やはり、反応なし。
(、これは…)
――― と思いきや、「っっ!」と息を飲む声にならない悲鳴と共に、「うぐ、」と
小さな男の呻き声がシアタールームに拡散して消えた。
急に影山の胸に飛び込むように抱き付いた麗子の頭が、彼の鳩尾を強打した結果、である。
肉体的&精神的に衝撃を受けた影山は、
「お、お嬢様?」
どうなさいましたか、と二の句を継ぐ前にその原因を察知した。
スクリーンから今まさに、黒髪を垂らした女が井戸からこちらに這いずってくる。
というあまりに有名なシーンがスクリーンいっぱいに映し出されていた。
「…、お嬢様?」
「ちょ、ちょっと、だけ、こう…してて」
涙の滲んだ声で囁かれてNOと応える男もいるまい。
「はい。では」素直に返し、役得的に、であるも本格的に抱き締める体となった影山は
華奢な彼女の震えと乱れた呼吸が収まるまでしばらく、ずっとそうしていた。
僅かに思い入れを交えて、麗子を抱き留める腕に微かに力を込めたけれど。
彼女がそれを察するよう望むべくもないことは、勿論彼にも分かっていた。 怖くて眠れないお嬢様に添い寝してあげる執事…なんて希望。 二人で映画観賞…って萌えるシチュエーションだよね。
二人で外国の映画見てたら結構男女のきわどいシーンなんかあって
気まずくなったりw INシアタールーム
『ナタリー、前からずっとキミのことを…』
『駄目よロバート、私にはもうフィアンセが…』
『愛してる…』
『ああっ止めて、どうか…』
画面の茶髪の男優が金髪の女優をベッドに押し倒し…
ブチッ、と映像がそこで止まった。影山がリモコンで電源をOFFにしたのだ。
「ちょっとぉ!!何で止めるのよ!」
「…お嬢様がこんなものを見る必要はございません。」
「フツーの恋愛映画でしょうが!リモコン返して!」
「お嬢様。何でしたらこの続きはわたくしが体感させて差し上げましょうか」
「…え、ちょっとかげや」
「こういう時、女性は目を閉じた方がよろしいかと」
「ん、…っふ、」
「っっにすんのよ!このエロ執事!」
「お嬢様、顔が茹で立ての蛸のように真っ赤でございます」
「………」
「お嬢様?」
「ファーストキスだったのに〜!」
「え」
「うあああーん」
「お、お嬢様?」
「えぐ、えぐ」
「…申し訳ありません、お嬢様。責任はこのわたくしが」
「(…ひっく)影山?」
「ですから続きを、是非ともベッドルームにて」
「え?ちょっと影山…あなた意外と力あるのね。
じゃなくてなにするのよ、まま待って、下ろしなさいってば!」 シアタールームシチュエーションいいですね、それぞれありえそうで面白い 久しぶりにきたら作品が!
お待ちしてますよ〜続き続き! それなりに作品も溜まってきたし、エロパロ保管庫に申請しない? 保管庫なんて感慨深い…!
最初の集まらなさを考えるとなー ここ数日、麗子の表情は冴えなかった。
何故かというと一週間ほど前に両親の古い知り合いであり、麗子も幼い頃は随分可愛がって貰った
男が亡くなったからだ。
大人になってからは仕事もあってほとんど顔を合わせることがなかったが、とても優しくしてくれた
ことだけは鮮明に覚えている。思い出すだけでとても切ない。
その為に今夜もあまり眠れそうになかった。
「影山、悪いけどシャンパンを一杯貰えるかしら」
「かしこまりました」
今夜も側で付き従っている影山に声をかけると、委細承知というようにうやうやしく頭を下げて一旦
下がってから、グラスのシャンパンを静かにテーブルに置いた。
「他に何か欲しいものはございますか、お嬢様」
いつもはムカつくこともあるこの男の声は、今夜だけは何故かわずかに穏やかに聞こえた。それが
ささくれかけている麗子の心を癒す。
「うん、もういいわ…あんたも私なんかに付き合わなくていいのよ」
「そうは参りません、そのようなお嬢様を放っておくことなど出来ましょうか」
「…そう」
好きにすればいい、と投げやりに思った。
ほうっと溜息をついて麗子は真珠のように綺麗な泡を眺めながら、グラスを取り上げシャンパンを
一口飲む。
「浅倉のおじさま…もう一度会いたかったなあ」
亡くなった浅倉という男は香道の流派の一つ志野流の蜂谷家の系譜にあり、幼い頃の麗子には香の
世界の幽玄さが全く理解出来なかったが、いつも優しく教えてくれた。
元々心臓に疾患があり急な発作で亡くなったと聞いている。麗子にも外せない仕事があってとうとう
葬儀にも行けなかったのだが、彼は迫り来る何かを予感していたのだろうか、生前から麗子にと一枚
の手拭を家族に託していた。
それが今、麗子の手元にある。
紺色で、何やら白い模様が見えていた。
珍しいことに影山がそれに興味を持ったらしく、声をかけてきた。
「お嬢様、それは何でございましょうか」
「これはおじさまの最後のことづけよ、よほど私に会いたかったんでしょうね」
「失礼ですが、拝見してもよろしいでしょうか」
「いいわよ、どうぞ」 特に何も考えずに、麗子は手拭を影山に渡した。はらりと紺色の手拭を広げた影山は手拭に大きく
白抜きされている奇妙な模様を一目見るなり、わずかに表情を歪めた。眼鏡の奥の眼差しがやや
鋭さを増す
「これは源氏香の『若紫』の意匠でございますね」
「なーに、それ」
グラスのシャンパンを飲み干してしまった麗子は、特に興味も持たずに聞き返した。源氏物語に何か
関係があるのだろうかねと思った程度だ。
「お嬢様は存じ上げなくてもよろしいのですよ」
「…いつも私の無知をからかう癖に」
「これだけは、別でございます。知らないままでいた方が幸せということもあるのですから」
影山の態度もいつもとは変わっていた。どこか痛ましくも、麗子を労わるようなものがその言動から
滲んでいる。
「良く分からないけど、別にいいわ」
まだ哀しみで心が塞いでいる麗子には、その影山の思いを汲み取ることは出来なかった。しかし、
優しさだけは伝わってくる。
手拭を手際良く畳んだ影山が不意に短く呟いた。
「お嬢様は決して、誰にも」
しかし今の麗子には何も聞こえなかった。
「シャンパン、もう一杯頂戴な」
「…かしこまりました」
そのわずかな間に一瞬気を取られ、顔を上げた麗子の唇が塞がれる。はっと目を見張ると至近距離
で影山の視線とぶつかった。驚くほど真剣な眼差しにぎゅうっと心が掴まれる。
「…あ」
「すぐにお持ち致します」
何か言おうとしたのだが、影山は何事もなかったように立ち去ってしまった。唇に指で触れてみても
温みはもう残っていない。
「…もう、バカ……」
なにもこんな時に、とずっと出なかった涙がはらはらと零れた。
終 分りにくいんだけど、麗子が幼いころからの知り合いが麗子に懸想していたのを
影山が察知したということ その人はあわよくば光源氏の若紫を麗子でやろうとしていたのかね。
麗子は気づかなかったけど、影山は手拭いを見て気づいて嫉妬したのか。
影山のお仕置きとか見たいなぁ。 いいねえ、源氏物語…幼女を自分好みに育てるとかロマンだよねw
もう麗子は大人だけど影山の手によってアレコレ…とか見たい! 影山とレイコウさんという、恰好のネタがあるぢゃないかw 麗子お嬢様、地味に貞操の危機だったぞw
あのままもし風祭警部に喰われていたら… 園児のコスプレ似合ってるって言ってんのがなんかえろかった レイコウにチャイナ服着せてるのも影山の趣味っぽかったしコスプレ好きなのねw
風祭のいとこに電話で誘われたり、風祭に襲われそうになったり結構際どかったね SP後設定のお話…(ネタバレ注意!)
沖縄のホテルで、麗子は優雅にまどろんでいた。
一糸まとわぬ生まれたままの姿で、甘いマンゴーの香りだけを身にまとっていた。
朝日が海を金色に照らす。
麗子はうっとりとつぶやいた。
「…ステキな朝…。」
「そうだね…、宝生君。」
聞き覚えのある声に、麗子は隣を振り向く。
「おはよう、マイスイートハニー。」
そこには、自分と同じく一糸纏わぬ全裸の風祭警部がいた。
「イヤァァァァァアァァァーーーーーーー!!!!!!」
バキイッ!
確かなパンチの手ごたえと共に目が覚めた。
もちろん宝生邸の自宅のベッドの上である。
「な、なんて夢…!!」
ゼエ、ゼエと麗子は荒い息をついた。
「お目覚めですか…お嬢様…。」
ベッドの横には、座り込んだ影山がいた。
麗子のパンチを喰らい、眼鏡はグンニャリとひしゃげていた…。 「ご、ごめん影山…怪我しなかった?」
「わたくしは無傷です…が…、相棒が…殉職しました…。」
影山はグンニャリとひしゃげた、銀縁眼鏡の残骸を切なげに見つめる。
ああっ、そんな神戸君に別れを告げる右京さんみたいな悲しそうな顔しないでっ!
「ホントごめん影山…今日は休みだから、一緒に眼鏡見に行きましょ!ね!」
「…はい。」
そのとき。麗子の携帯がピピピピ…と鳴った。
「めんそーれー!宝生君、今度俊ちゃんが東京に沖縄料理のレストランを出店するんだけど
良ければオープン記念のディナーを一緒に…」
ブチ、と麗子は携帯を切った。
「…誰が行くか。」
フン、と麗子は鼻息を荒く付く。
「…警部も、ショウレイじゃないあたしなんか誘わなきゃいいのに。」
影山はあさっての方向を見つめて言う。
「まあ、春はヒトにとっても発情期でございますから…」
「今、なんか執事には不適切な発言が…
あなたも、レイコウさんとのロマンスは春だから起こったっていうの?」
影山はフフ、と笑う。
「木の芽時は、恋のつぼみも花開きやすいのですよ。」
「…ふーん。あっそ。」
はぁ、とため息をつく。
…私の春は、いったいいつ来るのかしら…。
(END) メンソーレ可愛い
麗子の顔したレイコウとロマンスってことは、
影山も風祭と同じで麗子の顔がタイプなんだねw だったら眼鏡姿の麗子もけっして不美人ではないはずなんだがなぁ… 原作読んでないけど眼鏡麗子も美人設定らしいよね
なんでドラマじゃB級扱いなんだろうw「服装が冴えない堅物」くらいでいいのに
俊ちゃんじゃなくて風祭が麗子をお姫様抱っこしてる画が見たかったなぁ… >>289
北川景子はやっぱり「着飾り美人」なんだよなあ…
シャープな素の美貌がないから眼鏡にスーツ姿だとやぼったく見えて…
まあカワイイっちゃカワイイけど 影山と麗子は裸のままベットで抱き合っていた。
麓「ねぇ影山。sexってどんなことするの?」
影「それは今からすること全部でございます。」
麓「じゃぁ早くして?」
影「かしこまりました」
そういうといきなり影山は自分のアレを
麗子の口に入れた。
麓「ひょとなにしゅるのよ!!」
影「これはフェラです。舐めてパンパンにしてください」
それから5分・・・はち切れそうなくらい膨れ上がった。
影「・・・もしかして誰かと練習しました?・・・・上手すぎるでございますよ」
麓「そんなことするわけないでしょ!?第一あんたが・・」
すべてを言わせる前に影山は麗子のクリトニスを刺激した。
麗子から甘い吐息がこぼれる。
その声をもっと聞きたくてそこを一生懸命舐める。
さすがにびしょびしょにぬれたので
影「入れていいでございますか?」
麓「そのSEXっていうやつが気持ちいいのか知りたいの。
お願い。して?」
影「かしこまりました」
そういうと自分のアレをもうひとつの麗子の口にゆっくりと入れていく。
ズブ・・ヌチャ・・と音がする。
麓「何か気持ちいいような 痛いような・・・・」
影「今からが本番ですよ」
麓「えっ・・・・?それってどういう・・きゃぁ!」
影山は腰を激しく揺さぶる。
そのたびにパンパンっと音がしている。
麓「っっ・・・はぁ・んあ!」
影「そんなに気持ち良いですか・・はぁっ」
さすがに影山の腰も痛くなってきた。
それと同時に精子が溜まってきた。
このまま子宮に注ぐと妊娠ということもありえるので
限界待て腰を揺すり、出る!というときに抜く。
麗子の腹に全てが掛かった。
麓「なに?これ・・・・」
指ですくい、舐める。
影「いけませんよ!お嬢様!」
そういったときにはもう遅かった。
麓「まず〜い」
影「そんなもの舐めるからですよ」
麓「だって影山から出てきたじゃない」
影「・・・・・気持ちよかったですか?」
麓「ええ。でも最初はすごく痛かったわ」
影「次にするときは最初から気持ち良いですよ?」
麓「ふぅん・・・え?」
影山は麗子を押し倒し、もういちど腰をふった。 >>289
自分はお嬢様麗子より眼鏡麗子のほうが脱がせがいがあると思う 舞台化か・・・あまり行きたいと思えないキャスティングだなぁ。 もっとましな奴が山ほどいた筈なのに、何故あえてDAIGOw
キャスティングした奴なんも考えてないだろ
割り切ればトンデモになりそうで、それはそれで面白かろうが 影山には秘密がある。
実は彼は幼い頃宝生グループの買収によって会社を吸収され、
絶望して自殺した子会社の社長夫妻の忘れ形見だったのだ!
身分を隠して宝生邸に潜入し、宝生の愛娘である麗子からの絶対的な信頼を得た影山。
かくして、彼の復讐は幕を開ける――――まずは麗子だ。自分なしでは生きられない躯にしてやる。
「お嬢様はここが弱くていらっしゃいますね」
「ああ、お願い影山やめて…こんなこと…」
「体は悦んでいるようですが?聞こえますか、淫らな音が」
「そんな…うう…」
「まったく、世界の宝生グループのお嬢様の名が泣きますよ。宝生麗子さま?」
・
・
・
「影山、これ…なに」
「ああお嬢様、わたくし最近物書きに嵌っておりまして。つまらない作品でお恥ずかしい限りです」
「勝手にわたしをこんな役回りで出しといてつまらないとは何様よ!?」「お嬢様、怒るポイントがずれていらっしゃいます」
「黙らっしゃい!なによ、どーしてわたしが『お願い影山、もう我慢できない…』とか言わなきゃいけないの・よ!」
「なんとお嬢様自ら、再現していただけるとは…何という役得」
「喜ぶな!このド変態執事が!!」 影山wwwお前が職人さんだったのかww
…どんどん書いてくれ 影山ならそれぐらい軽くやりそうだw
いいぞもっとやれ 赤ドレスの回で、ごく自然に麗子の首筋に手を回してネックレスをつける影山の構図に
そこはかとないエロスを感じて止みませんw
基本的にこの2人、やたらと距離感が近いよなあ あのシーンいいよねぇw
膝にナプキン置いたりソファーから起こしてあげたりも、なんか影山がやるといやらしいw
隙あらば押し倒しそうな顔してんのかな? 思い立ってDVDBOXを注文してやったぜい
妄想膨らませるぜ〜 映画化おめでとさん
今回はちゃんと一緒に行動しそうだね 船上ってのがいいね、降りれない状況であれやこれや…w 2人でタイタニックごっこやればいいよw
むしろ影山はノリノリでやりそうだけども 「お嬢様、さあ胸をお張り下さいませ。このポーズは恥を捨ててこそです」
「ちょっと、何いきなりこんな所で…下手したら海に落ちるじゃない」
「落ちることはありません、この影山がおりますので」
「って、どさくさにどこ触ってんのこのエロ執事!!!!!」
「ああお嬢様、暴れると確実に落ちますよ」
「うぐぅ…」
今回は状況的に麗子の負け
>>322
「お嬢様、胸をしっかりお張りくださいますよう申し上げておりますのに」
「だから、ちゃんと胸張ってるじゃないの恥ずかしいの我慢して!」
「ああ、これは失礼いたしましたあまりに凹凸がささやかでした故」
「……
クビよっ!あんたクビクビクビクビクビクビ!!気にしてたのにー!」 舞台の制作発表やったみたいだね。見に行くつもりないけど 映画までこの気持ちをもたせたいwので
投下おまちしてます。 自分も同じくw
眼鏡外しながら麗子に迫る影山とか妄想はいくらでも出来るんだけどなぁ
「どうして欲しいのか口で言っていただかないとわかりません」とかなんとかww SPみたく
「はぁ?」(聞こえんなぁ?)って何回も聞きなおして羞恥プレイですね その夜、麗子はひどく疲れていた。
このところ仕事が立て込んでいることもあるが、それにも増して風祭警部のオヤジギャグがやたらと
ウザい。
まともに相手をするのも憚られるレベルなのだが、仕事上つい生真面目に対応しているせいで余計に
疲れる羽目になる。
「はー、もうやだ…」
入浴を終えて自室のベッドに倒れ込むなり、もう何もする気力もなくてついつい眠り込んでしまったの
だが、ふと目が覚めると枕元に影山がいて妙に近い位置で覗き込んでいることに気付いた。
「…ぅわあっ!」
想定外過ぎる事態に、思わずとんでもない声が出ても当然だろう。
「何何なによ、何であんたがここにいるの!」
空前絶後にパニクっている麗子に比べて、影山の方はいつも以上に憎たらしいほど落ち着き払って
いる。
「お嬢様、宝生家の御令嬢ともあろうお方がそのように狼狽してはなりません」
「いやいや、おかしいから!そもそも何であんたがここにいるのって話だし」
「今日は特にお嬢様がお疲れの御様子でしたので、何か御所望のものがあるか伺おうと致します
前に早急にお部屋にお入りになりましたね。けれど珍しくドアに鍵がかかっていないのは不用心だと
判断致しました。なので失礼とは存じ上げながらもこうして参じた次第でございます」
最悪な目覚めを迎えたせいで、これっぽっちも言いよどむことなく簡潔明瞭にのたまう影山に文句の
一つもいいたくなるのは仕方のないことだ。
大体が、嫁入り前の娘の部屋に無断で立ち入るなど、執事風情がすることではない。びっくりし過ぎて
ベッドの上でまだドキドキしている胸を押さえながら、麗子は取り合えずわめいた。
「その、もっともそうな言い分が最初から変だから!鍵はかけるの忘れただけ。勝手に入って来ない
でよ。心臓に悪いっての」
麗子の狼狽を鼻で笑うように、影山は眼鏡を長い指で上げるとすらりと立ち上がった。
「これは失礼致しました、それで何か御所望のものはございますでしょうか」
「え」
「私はその為に参ったのでして、どのようなことでも何なりとお言いつけ下さいませ」
「…いや別に欲しいものはないけど」 「季節の果物でしたら最高級のメロンが本日まさに食べ頃となっております。旦那様もいたくお気に
入りの産地のものですので、味も香りも保証つきでございます。お持ち致しましょうか」
「う、うーん…じゃあ少しだけ食べてみよう、かな…」
有無を言わせない影山の口調につい乗せられそうになって、はたと麗子は正気に返った。
「じゃなくて!」
「果物がお気に召さなければ、お目覚めのシャンパンでも如何でしょう」
「なんもいらない!いいから出てって、すぐ出てけ!」
どうせ寝ているんだからと肌もあらわなナイティ姿であることも忘れて睨みつけても、敵は平然とした
ものだ。
「…あまりお怒りになりますと、お若くして目元に皺が増えますよ。お嬢様」
めちゃくちゃに振り回した腕を難なく受け止めると、手の甲にキスして薄く笑う。やはりどうあっても
敵わない感じだった。
「さて、お嬢様。あなたのような方が部屋に鍵もかけないなど、不用心にも程がございます。気付いた
のが私だから良いようなものの、世の中の不心得な男であれば穏やかには済みますまい」
不心得なのはあんただよ、と言いたいのを我慢して、麗子は必死で取られた手を振りほどこうとした
のだが、やたらがっちりと掴まれている。
「それは歓迎していると思われても仕方のないことなのですよ」
「…う」
訳の分からない理屈で身動きも出来なくされて、初めて麗子は恐怖を覚えた。もしやこのまま最悪の
事態になりかねないのでは、と。
しかし、そんな不安をからかうように影山はもう一度手にキスをするとさらりと離れた。
「お嬢様の無防備には呆れます。本来ならここは密室でなければならない筈でしょうに」
「それどういうこ」
何とか言葉を繋いでいる間に、影山は何事もなかったように部屋を出て行った。最初から最後まで
全く訳が分からない。
「何よあいつ…」
どこか残念なような気もしながら、一人残された麗子はしばらくベッドの上に佇んでいた。もしかして
部屋に鍵がかかっていて密室状態だったとしても、それはそれで影山は入って来るのかも知れない
ような気がした。
いや、絶対に奴は来る。これまでの経緯を考えるに、そんな確信が妙にあった。
ならば今後はより厳重に幾つもの鍵をかけよう。それこそ某セキュリティ会社の鍵オタクな社員でも
開けられないほどの鍵にしてしまえば、その中で守られた自分にもより価値を感じるのではという
期待が出てきた。
「…よし、明日にでも鍵を特注しよう」
いつまで経っても訳の分からない、心の読めない男に対して麗子はなけなしの宣戦布告をした。
終 >>332-333さん
GJ!おもしろかったです。影山の変態ぶりが最高! GJ!
その後の密室バージョンも是非お願いします! うわあ。ありがとう!
ちょっとエロっぽい雰囲気にどきどき。
やたらと鍵をかけすぎて、密室になったはいいが、
余裕で侵入w影山&出られなくなったお嬢様とか期待w いいね
すぐには書けないかもだし、どんなものになるかもまだ分からないけど続きは
書くことにするよ 鍵が掛かってないと部屋に入る影山
鍵が掛かっていれば、スマートに(いや意地でも)あけて部屋に入る影山w
どっちでも麗子ピンチw どっちでも影山は入るんかいw
まあ、影山の中の人と鍵オタクの中の人は同じグループだしな 「やっと金メダル一つ獲得かあ、なかなか上手くいかないものね」
「やはり大舞台ともなりますと何かと勝手が違いますから、普段の力が出せないこともあります」
「北島選手は期待してたのになー、もうっ」
「あの時間にリアルタイムで御覧になるのはなるべく避けて頂きたかったですね」
「それは無理よ、観たかったもん」
「案の定、次の日のお仕事に多少…差し障りが出ましたでございましょう?」
「でもああいうのはまさにその時間に観るからいいの」
「それでは、次からは障りがあると判断した時点でお止め致します。差し当たり今夜から」
「何言ってんの影山…ちょっとm」
お嬢様危うし 「やったー!日本ようやく金メダルー!」
と舞い上がった勢いで隣にいた影山に抱きついてしまう麗子
で、慌てふためくお嬢様をしれっと離さない腹黒執事
ってのを、さっき宝生家の隠しカメラで覗き見ました 隠しカメラ欲しいw
麗子ならエリザベス女王と並んで観戦とか出来ないかなw
「宝生君…夏は犯罪の多い季節だよ。こう暑いと人はついカッとなりやすいんだろうね。」
「…はぁ。」
いきなり何ですか、警部?
「最近はスマートフォンを狙った悪質な犯罪も多い。詐欺アプリなんかもその一つだ。」
「そうですね。私も怪しげなアプリはダウンロードしないようにしています。」
「知ってるかい宝生君、巷では『服が透けて見えるアプリ』なんてインチキアプリが出回っていて騙された被害者が続出しているそうだ!
許せんな!まったく許せんな!」
「…………警部、まさかそんな犯罪行為にしか使えないようなアプリ…
ダウンロードしたんですか?」
「いや、断じて僕は170円でダウンロードなんかしてないぞ!
ただ被害者に代わって怒っているだけだ!」
「…………。」
麗子は限りなく冷たい視線を風祭警部に向けた。
「…………そんな話を警部としたのよ。」
「…そんなはずはないと思いつつ、騙されてしまうのが男心というものでございますよ。お嬢様。」
「…………影山はそんな詐欺アプリダウンロードしてないでしょうね?」
「…………まさか。」
影山は何かをごまかすように遠い方向を向いた。
影山お前もかw
見ようと思えば麗子のどんな姿も見れるだろうよww ノックなしで麗子の部屋に入る影山は、そんなことしなくても偶然を
装ってしっかり麗子の着替えを見てそうだ いやむしろ隠しカメラ数台セット済みで、麗子就寝後に晩酌しながら堪能してるとか 朝早く影山はベッドの中で目覚めた。
時計はいつもの起床時間より15分前を指している。
(…そういえばお嬢様は今日からお盆休みか。)
ならもう少しゆっくり寝ていてもよさそうだ…そんなことを影山が思っていると。
バン!と自室のドアが開けられた。
「影山!せっかく私の連休が始まるんだから早く起きて起きて!」
妙にはしゃいだお嬢様の声が私の部屋に響く。
…まるで夏休みに入った小学生かのようなはしゃぎっぷりである。
「そうね〜今日の予定は美容室にエステにショッピング…。新しい靴と鞄を買いたいわ…。」
「ZZZZ…。」
「ちょっと影山、何よそのわざとらしい狸寝入りはっ!」
…私は寝たふりを決め込むことにした。
「も〜起きてっっ!」
ガバッ!とお嬢様は私の上掛け布団を剥ぎ取り…
「………。」
お嬢様はそのまま固まってしまった。
…お嬢様は赤い顔で私の体のある一点をじっと見ている…。
「………え……と…。」
「………。」
私も自分の下半身におそるおそる目をやる。
私のモノは完全に勃ち上がっていた。いわゆる朝立ちである。
「…お、お嬢様。これはただの男の健康な証の生理現象でございまして…。」
バチーン!
皆まで言い終わる前にお嬢様の平手打ちが飛んできた。
「…この、ド助平!ド変態!」
そう言い残し、お嬢様は私の部屋を出て行った。
…理不尽だ…。(涙) 原作影山は30過ぎ
ドラマ版も中の人は大体同じ
つまり影山元気だなw 影山「若いころは悩ましいだけでしたが、
30過ぎると、朝立ちは嬉しいものでございますね…。」
麗子「知るか(怒)!」 影山「執事たるもの、いつでもお嬢様の期待に応えられなくてはならないのでございます…(ニヤリ)。」 影山は、主であるお嬢様のあられもない姿を見てため息を付いた。
麗子は飲み屋で泥酔して仰向けに倒れこんでいた。
思えばお嬢様は今日仕事を終えたときから荒れていたのだ。
「今日は友達と飲みに行くから!ついてこないで!」
そして現在に至る。
「ごめんなさい影山さん、麗子今日は凄く荒れてて…。」
「職場で嫌なことでもあったのかしらねー。」
麗子はむにゃむにゃと寝言を言う。
「ちくしょー…。風祭警部のばかやろ…。ウッウッ…。」
「何があったかは存じませんが、諸悪の根源は大体想像が付きますね…。」
麗子の友人と介抱してくれた女将さんに礼を言い、酔った麗子を抱えてリムジンに寝かせる。
万一吐かれては困るのでタオルを厚めに顔の下に敷いておいた。 幸いお嬢様は嘔吐されることも無く、宝生邸のベッドまで運ぶことができた。
「着きましたよ、楽になさってください。」
麗子は立つこともできないほど泥酔しているので、影山は麗子の靴を脱がせてベッドに横たえた。
「うぅ…苦しい…。」
麗子の顔色はよろしくない。
影山は麗子の服装を見る。ブランド物のタイトな赤いスーツ。
(ぬ…脱がせたほうがいいのだろうか…?)
執事が許可も無くお嬢様の衣服を脱がせるなど無礼千万の行為だが、
麗子の顔色を見ると、少しでも楽な格好をさせたほうがいいように思える。
「…ご無礼いたしますよ、お嬢様。」
そう言って、影山は麗子の上着のボタンに手をかけた。 プツリ、プツリとボタンを外し、麗子の上着を脱がせる。
脱がせるために麗子の体を少し起こすが、麗子は目覚めない。
(上着はこれで良し…と…、次は…。)
影山は少し緊張しながら麗子のスカートに手を伸ばす。
ホックを外し、スカートのファスナーを下げる。
スルリ…と麗子のタイトなスカートを脱がす。
白い下着と、すらりと伸びた綺麗な麗子の脚があらわになった。
(おお…これはなかなか…。)
影山の目は麗子の太ももに釘付けになった。
ゴクッ、と生唾を飲む。
(マズイ…下半身がズキズキと…。)
これ以上麗子の脚を見ていては危険である…と判断した影山は、
麗子の下半身に布団をかけて見えないようにした。
「う〜ん…。」
麗子が呻いた。鬱陶しげにシャツの首周りを緩める。
(シャツも脱がせたほうが良いのか…?) 影山は麗子のシャツのボタンを外す。
麗子の胸元があらわになり、薄いキャミソールの下に白いレースのブラジャーと胸の谷間が見えた。
(…可愛いブラだな。)
そんなことを思いながらシャツを脱がせると、麗子は幾分楽になったような表情を見せた。
(これで良し…肌着は汗を吸うから必要ですし…。)
しかし影山の目は麗子の胸元に止まった。
キャミソールの下…しっかりしたブラジャーで体を締め付けたままでは…。
(いやいや、いくら執事でもそれは…。)
だがしかし、せっかくここまで脱がせたのだからブラも外して胸を見たい…
ではなく、体を締め付けるものはすべて外すべきだろう、うん。
影山は自分に都合の良い解釈をして、麗子のブラを外すことに決めた。 影山は緊張しながら、麗子を抱きかかえてブラのホックを外す。
ストラップも外し、キャミソールの下から白いレースのブラジャーを外す。
「ふぅん…。」
胸を締め付けるものが無くなり、麗子は満足したようなため息をついた。
キャミソールの隙間から、麗子のたぷん、としたおっぱいと薄桃色の乳首が見えた。
影山はキャミソール越しに麗子のおっぱいの感触を確かめた。
(や、柔らかい…。)
「ん…。」
ギクッ、と影山は体を強張らせたが、麗子はむにゃむにゃと眠ったままだ。
影山は麗子を起こさぬようそーっと横たえ、ベッドから離れた。
影山は横になった麗子をじっと見ていた。
ノーブラでもツン、と乳房は上を向いている。
(お嬢様…意外と着やせされるタイプでございますね。)
ふと、手に持ったままの麗子のブラジャーを思い出し、タグを探した。
サイズは75のD。
今後の参考までに…と影山が記憶にとどめていたとき。
「へくしっ!…ん…?」
麗子はクシャミと共に目を覚ました。
「あ…。」
「…………。」
麗子は自分が今キャミソールとパンツ一枚であることを理解した。
そして、自分の服を脱がせたであろう影山は、自分のお気に入りのブラをしっかり握り締めたまま気まずそうな顔をしている…。
「あ、いや、誤解ですお嬢様…。」
影山はしどろもどろで弁明を始めた。
「私決してこのブラジャーで破廉恥な行為を使用としていたわけでは…。」
「出てけこのエロ執事っ!」
げしっ、と麗子の蹴りが影山の顔面に当たった…。
(END) サイズ確認する影山さんが地味に変態臭くてgoodです 麗子の中の人は現在、腹黒なサイコ先生をやっているのでそれを上手く絡ませられないかと
検討中 麗子「いやーんGacktー♪やっぱりセクシーだわーv」
影山「クッ…。」
血の涙を流し藁人形を打ち付ける影山だった。 このスレってエロエロって書いてあるのに全然エロくねぇな〜
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