視線の先には、相変わらず夜の行為を続ける星太が、乾いた音の欠片を撒き散らしている。
(星太もしてるんだから……僕も…)
 友人のいけない行為に、少年も少し大胆な気持ちになってしまったらしい。
 アクロバティックな論理で自分を強引に納得させると、左手を枕元に伸ばし、履いてきたズボンのポケットから、ポケットティッシュを抜き取る。
 既に2枚ほど使っているが、枚数はギリギリ足りるだろう。
 両手を腰にやると、そろそろと音を立てないように、寝巻きのズボンを下着ごと下ろす。
 ッ、サァッ…
 そのまま膝まで静かに下ろすと、中から勃起した若茎が飛び出るように現れる。
 肥大化した牡茎は、既に扱くには十分な硬さで、包皮も亀頭の中程まで後退していた。
(星太の部屋でしちゃうなんて、変な感じ……)
 裸の少年器官の先端に感じる、いつもとは違う布団の肌触り。
 ここが自分の家ではなく、幼馴染の部屋であることを、敏感な部位への感触で伝えてくる。
 身体を横に向け、肉棒に右手を添えて準備を整えると、最後にもう一度だけ耳を澄ます。
 ギッ…ギッ…ギシッ…
 相変わらず聞こえるベッドの軋み。少しだけ前よりピッチが短くなった気がする。
(星太も…堪んなくなってきてるんだ…)
 友人の昂ぶりが生み出す乾いたBGMに耳を傾けながら、少年も右手を動かし始めた。