鍵のかかった部屋でエロパロ Room#4
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0102名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:01:22.50ID:jx0nbiTP
自分は原作から入ってドラマを観たクチで当初は主演に不安もあった
なので正直言って原作榎青の方が動かし安いし描き易いってのはある
でも今回初めてドラマ榎本に挑戦してみて案外感情移入できるかも…と
ただしやっぱ微妙にコメディに傾くなぁ…楽しいけど
ドラマと原作でここまでティストが違うってどうなんだろ?
ある意味パラレルワールドだ
0103名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:14:18.80ID:eQtokT7w
「距離感が好き」という視点だと、
原作の二人もなかなか萌える要素は多いよ。

榎本は純子への好意を自覚しているのに、表に出そうとしない点とか。
純子は純子で榎本が泥棒だと気づいているのに、何だかんだで毎回頼りにしてしまう点とか。
0104名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:14:29.80ID:aDIPt0GP
ドラマと原作で違って当たり前
だからイメージが広がって楽しい、と思う

自分は全く原作を知らず、ドラマから入ったので榎本や純子のイメージは固まっている
けど、原作の二人もそれぞれにキャラが立ってて面白い
どちらがいいなんてことはないよ
0105名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:29:54.44ID:LBWCmzgx
原作榎本の良い所は肉食系に描けるところ
ドラマ榎本だと草食系に描けるところ
0106名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:42:52.96ID:2XsMDmAo
>>103
自分としては、『硝子のハンマー』以降、純子が榎本を意識している描写はないんだけど
『歪んだ箱』で杉崎が二人の会話から親密さを感じ取って、榎本に嫉妬しているところが萌えるw
貴志センセそういうの上手いよね
0107名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:46:22.59ID:jx0nbiTP
原作は青砥も肉食系…で榎本を男として意識してる
一方ドラマは青砥も草食系…で榎本をチームメイトと思ってる
なのでドラマ版は書き手としての自分にはハードル高い
ドラマ版でニヤニヤキュンキュンさせてくれる職人さんはマジで神
0108名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 11:46:48.03ID:aDIPt0GP
容姿的には原作の榎本を映像化すると、まさにドラマ榎本なんだよね
普通は三十代男性で華奢なタイプって貧相なイメージだけど、そう感じさせずに
しかも小綺麗にまとまっている
小学生の女の子に「可愛い」と言われるほど

ドラマではそういう華があった方がいいから、ベストなキャスティングだった
0109名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:11:48.63ID:WksDqbK8
ドラマ榎青はそんなにハードル高いのか
前スレまでは結構たくさんいらっしゃったような気がするんだけど
あの神書き手さん達はもう投下してくれないんだろうか
0110名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:26:08.40ID:dKB+gjhL
自分もドラマの方が好きだけど難しいの分かるよ。
ドラマ榎本は謎解きや密室、鍵以外は口数少なすぎて
恋愛エロ話だとイメージ壊さず喋らすの大変だもん。
やたら丁寧な敬語で淡々として軽口叩かない笑わない取り乱しても同じ言葉を繰り返す程度。
でもここで読んだエロパロはちゃんと榎本のままパロっててすごい。
0111名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:27:30.19ID:eQtokT7w
ドラマ榎青でエロを書こうとして何が一番難しいって、
「行為に至るきっかけをどうするか」なんだよね。

やりやすいのはやっぱり「狐火の家」のお泊まり時なんだけど、
あらゆる書き手が題材に選びまくってて、今さらつけ入る隙が無いしなー
0112名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:46:54.86ID:jx0nbiTP
原作には榎本に関して「大きな目」「薄茶色の瞳」「色白」「痩身」等
美形を連想させるワードが散りばめられてるし
弁護士の青砥も舌を巻く程頭脳明晰な人物として語られてるから
それを「青砥目線の榎本」として捉えれば萌え展開が容易
だけどドラマ榎本はあのイメージのままエロを追求すると
どうしてもサイコ入っちゃう感じでその辺のさじ加減が難しい気がする

なので書くのが楽しいのは原作版
読むのが楽しいのはドラマ版ってとこかな
0113名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:48:27.26ID:xUU049X5
>>99
まるっと同意。
あの二人だからこそドSとかエロい描写が余計に萌える。
0114名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:51:24.63ID:6zlqeXxe
どっちも好きな自分としてはあんまり対立的な雰囲気になってほしくない
ていうか>>96は荒らしかと思った
0115名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:52:24.26ID:T9b9wqj4
原作でもドラマでも青砥を処女設定にすると描きにくいというか難しい
0116名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:56:30.56ID:LunPVEIC
>>115
え、あの青砥先生が処女?
何それ、想像したらめっちゃ萌えるんだけど。
0117名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:56:49.60ID:nmaKCPAz
あついあつい!
最近のブームは即プレイの風俗店にはまってること
激安でくくると、池袋や大塚に行きつくが
池袋なんかは、激安なのに即プレイの店は嬢のレベルが超高い
激戦区だけあって、ラブホも午前中だと激安なのにガラガラ
即プレイの風俗ジャンルは、SMやフェチ、痴女の分野を全部網羅するので有り難い
また、激安とくりゃ、いう事なしだ
0118名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 12:58:58.89ID:nmaKCPAz
わたしは、この手のストーリーを見ると、Hな妄想をしてしまい
いてもたってもいられなく、この手の激安風俗は大好物です
たくさん行ってしまうので、激安でそれも質の高い風俗店をじっくり探します
プレイ時間によってはオプションのAFが無料とか
潮吹き?が無料の店も池袋で見つけ、なんじゃこれです
デブから超美人まで、凄い在籍で
HPに載ってない嬢も、多数でした
大塚は北口が穴場です、お金が有れば大久保とかおすすめ
0120名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 13:41:03.84ID:egYeOE+C
ひとつ前の書き手さんのまだ読んでないけどあとでちゃんと読むからね!!!!
まってろちくしょー!
0121名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 13:50:53.06ID:OmtLh7cx
ドラマ版の方はサイコちょっと入りーの、もしかしてDT?の榎本が
なんかの拍子に男スイッチが入ってエロくなるのが萌え
でもこれ上手く描いてる人もいらっしゃるからすごいと思うわ

原作の榎本さんはエロ本さんとして描きやすいかもね
青砥先生が大人でイイ女全開だし

ここに投下されてる原作の二人の絡み読んでると貴志先生だってこうはエロス満載の
モノ書けないんじゃないかなって思う
0122名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 15:13:47.89ID:ZshEMRC6
エロを描くの上手いと言われる商業作家の男性が
エロばかりは同じ商業作家の女性の方が更に上手いと言っていたな
0123名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 19:28:07.33ID:MYeLTICF
自分はドラマのがめちゃ萌える。
エッチがなくてもいちゃいちゃしてるだけでキュンキュンする。
(いや、もちろん好みはあるんですけど。)
原作パロもたまに気分で読むけど、ただのエロ小説読んでる感じ。
スレが賑わった方がいいから表記の上投下されるのは全然問題ないんですけど。
0124名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 19:43:45.11ID:P902j3pd
原作あってこその二次なのにdisってんなよとは思う
同人板でも原作よりもあなたの書く作品の方が好きですは地雷コメだってあるしなぁ
0125名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 20:29:54.73ID:A6y9YdRj
ドラマ人気から誕生して賑わってるスレだから仕方ないかもね
ドラマ化されてなけりゃ、防犯探偵スレはなかったわけだし
原作あってのドラマ化だから、原作を蔑ろにするのはどうかと思うけど、
読み手の需要がドラマ版に偏るのは仕方ないかと
0126名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 20:38:56.24ID:2XsMDmAo
頼むからそこまでにしといてくれないか
ただでさえ、過疎ってんのに職人さんますますいなくなっちゃうよ
0127名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 20:50:55.93ID:MYeLTICF
原作あってこそだから原作はありがたいよ。
原作をdisってるんじゃなくて、
原作パロよりドラマパロのは自分の好みだって書いただけだよ。
だいたい、ここはもともとドラマパロスレだったのに…。
0128名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:00:12.19ID:dhx76BZh
最初にスレ立てた人は、スレタイにドラマって入れなきゃ良かったって言ってたけどね。
0129名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:05:17.10ID:Xix7qmuK
題材が被ってもいいからどんどん書いてほしいと思う
テーマが同じでも内容は各職人さんによっていろいろ違うし
狐火ネタが数十作あっても全部喜んで読むよ

あと原作とかドラマで揉めるのは止めるべきだろう
結論なんか出るわけないんだから
スレタイにドラマって入れなきゃ〜は、投下作品がドラマに限定されるからという理由
0130名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:11:35.53ID:vONPXFm+
自分の好きを主張するだけでなく、原作好き&職人さんを貶めてるのに
気付かないの?発言するときはもっと言葉を選んだ方がいいよ。
とりあえずID:MYeLTICFは一生ROMってろってことで。
0131名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:13:06.29ID:dhx76BZh
>>129
うん、だから、どっちだって書き手が書きたいものを書いてくれればいいと思ってるよ。
括る必要なんて無いって言いたかった。
0132名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:19:17.79ID:yiw9nmcX
ドラマがなければこのスレは立ってないし、
原作がなければドラマは存在してなかったんだから
どっちも大切にしたらいいじゃん
どちらのバージョンで投下するかは書き手の好き好きであって、
読み手があれこれ言って書き手が投下しにくい雰囲気を作るのは良くない
自分好みじゃない方が投下されたからって否定的な書き込みするのはマナー違反
0133名無しさん@ピンキー2012/07/26(木) 23:35:14.03ID:6zN2jQtK
まあ、エロ的に分類すると本気で黒いのはドラマ榎本さん。ドSとか監禁とか。
原作榎本さんはプレイボーイ的ですから普通に経験豊富なエロ本さんです。

そういや、密室なのに監禁ものは少ないね。ハードル高いのか。
0134名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 00:48:32.88ID:A2S1AaDD
>>133
監禁ネタ考えたことある。
ドラマ版の二人で
純子の何気ない発言に切れちゃった榎本がレイプ&拘束のコンボかまして
芹沢の追及逃れながら自宅に監禁するって感じで
ちょっとさすがにあんまりにもあんまりなんで投下は見合わせたwww
0135名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 00:54:46.38ID:Z6jwHQPU
>>134
投下見合わせなんてあんまりにもあんまりだよ〜w
お利口ちゃんにして待ってるからね
0136名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 07:06:11.79ID:Vlg0GmwQ
>>133
監禁ではなく軟禁された青砥を榎本が救出するのを書いたけど
書いても書いてもエロに辿り着けず難儀したから懲りた
0137名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 07:28:46.90ID:oYB31HG2
わかる
自分も榎本がたてこもり犯から青砥を救出するの書いてみたけど
エロ要素が全く生まれなくて「で?」って感じだったw
0138名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 08:47:48.12ID:h3umEAbb
エロパロのエロ部分に難儀してる職人さんけっこう多いんだね。
自分は榎青は萌えだけで十分だからエロ無くても全然構わないんだけど、「エロ無し」前置きあればエロ無くてもOKじゃだめかな?
スレの活性化に繋がる投下が増えるのは大歓迎だし。
0140名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 09:53:53.77ID:QdIEJGmJ
そうはいってもここはエロパロ板にあるスレだからね
エロ要素無しでも読み手にがっつりエロがあったんだなと
想像を掻き立てるSSでないと書き手としては未熟だなと自分は考えてる
0141名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 11:56:04.37ID:/lvWexHM
でも上手い書き手さんは、キスだけでも十分にエロいからなあ。
挿入だけがエロスだとは思えないんだけど。
逆にカブトムシの交尾みたいな、色気の無いセックスシーンの方が萎える。
突き詰めて考えると、エロって難しいやね。
0142名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 14:19:10.42ID:hSJ/wKpz
んじゃ、エロ無しだけど短いのを1本投下。

ドラマ榎青のつもりで書いたけど、見方によっては原作榎青でも読めるので、
お好みの方で解釈して下さい。

***********************

「……ん」
ごろんと寝返りをうち、純子はふっと意識を眠りから外してゆっくりと目を開けた。
自然と目を向けた窓は、遮光性のカーテンがぴっちりと閉じられていることもあり、今が朝なのか、夜明け前なのかさえも分からない。
部屋はエアコンが利きすぎるくらいに利いていて、純子は思わず身体を竦ませた。寒いとも言えるほどの涼しさに目を覚ましてしまったらしい。
むずがる声をあげて、ごろんともう一度寝返りをうち、掛っていただけのブランケットを目深にかぶる。
それでも、冷え始めた身体はなかなか暖かくはならない。けれどもリモコンを探すのは手間というか、今は動くのが億劫で仕方ない。
だから、間近にあったぬくもりの方を選んだ。
意識を半分飛ばしたままの純子は、すり寄るようにして近づき、榎本の身体に触れる。


心地の良い体温は冷え始めた身体にはちょうど良く、安堵感も与えてくれた。
ぐっすりと眠っているようで、純子が触れても身動き一つせずに、純子のされるがままになっている。
言葉を発さず、両腕で抱きついた榎本の腕に頭をもたせかける。
眠っているせいか鼓動は緩やかで、ちょうど良いリズムを刻みながら純子にも再び眠りへと誘いかけてくる。
広いベッドは大人二人が横になってもまだまだ余裕があり、スプリングも利いて快適さを否めないが、所詮ここは榎本の部屋で、しかも寝室。
ほんの数時間前を思い出すと、記憶はリアルな感触を伴って様々に蘇らせて、身体も一緒に煽られていく。
はたと気づき、その考えを外に押し出す。一体何が嬉しくて、こんなことを思い出しているのか。
しかし記憶は幾多にわたり鮮明で、堪らなくなる。赤くなった頬と、早く打ち始めた鼓動を自覚して、思わずうつむく。
誰が見ているというわけでもないのに、ひたすら恥ずかしくて、額にかかる前髪を手持ちぶさたにかき上げる。
「……寝よっと」
ため息を落として、無理矢理に目を閉じると、すぐにベッドに沈み込む感覚に襲われる。

気だるい身体はまだ睡眠を欲していたらしく、思ったよりも速やかに純子は再び眠りへと落ちていった。


それから間もなく起こる小さな笑い声。
止まらない微笑をもらした榎本は、ピタリとくっついてきている純子が眠っているのを確認する。
くすくすと笑うその姿は、普段の彼を知る人が見たら「こんな表情も出来るのか」と驚くような、穏やかなものだった。
自ら寄ってきた肢体をしばらく見つめ、ぎゅっと強く抱きしめる。
純子は微かな身じろぎをしたものの、抗うことなしに素直にされるがままとなる。

―――まるで、飛んで火にいる夏の虫。

けれどこうまで無防備にされてしまうと、守ってやりたくなる衝動にかられてしまうのは何故だろうか。苦笑をもらして、純子の額にかかった髪をどける。
榎本は、安心しきったように腕の中に眠る純子を一度見やり、おやすみなさい、と囁いて軽いキスを耳の後ろに送る。
そうして、いい夢が見れそうだと確信しながら、榎本も静かに目を閉ざす。

自然でほのかな幸せの一時が、二人の元にやってくる。甘いまどろみは、純子がはっきり覚醒するまでゆるやかに続いた。

<終>
0143名無しさん@ピンキー2012/07/27(金) 15:00:56.37ID:GvlriR17
>>142
ああー素晴らしいですGJです
純子を愛おしげに見守る大人の榎本さんめっちゃ萌え萌え
お代わりください!
0144囚われた女 1/62012/07/27(金) 22:13:14.73ID:+CXyuatc
他の作品とシチュとかセリフとか被っちゃったんで、お蔵入りしてたやつを投下してみる。純子縛られ、ドS榎本にいたぶられる話。
下品だし、萌えもないので苦手な人は読まない方がいいかも。前半ムダに長いので省きました。

〜あらすじ〜
 フリードマン・芹沢法律事務所設立の10周年記念パーティが開かれることになり、出席することになった榎本と純子。ダサいスーツしか持っていない純子は水城里奈の見立てにより、大胆なドレスを着る羽目になる。
そして、カリスマ美容師の手によって美しく変身させられ、榎本の待つホテルのロビーへと向かうのであった…。

着いた頃には約束の時間を5分ほど過ぎていた。
走ってロビーへ向かう。ロビーにはすでにこちらに背を向け、座っている榎本の姿があった。
「ご、ごめんなさい! 遅れちゃって…」
その言葉に反応した榎本が振り向きながら立ち上がる。
だが、純子の姿を見て、一瞬動きを止めた。
「? …私の格好、やっぱり変ですか?」
「いえ、よくお似合いです。」
とても綺麗ですよ、と言いかけてその言葉を飲み込んだ。美しすぎる純子の前ではそんな言葉など安っぽく思え、口に出すのも憚られた。
目の前にはいるのは、冴えないけれども可愛らしいいつもの女弁護士ではなく、一人の淑女だった。
アップにまとめられた髪には所々ラメが散りばめられ、きらきらと輝いている。
元々ぱっちりとした大きな目にはさらに強調されるようにアイメイクがなされ、まるで吸い込まれそうだ。
頬には上気したような薄いピンクのチークと唇には艶やかに彩るピンクベージュの口紅がひかれていた。
顔立ちの美しさもさることながら、それ以上に目を引くのはそのドレスだった。シャンパンベージュの上品な色合い。
ホルターネックの形をしていて、胸元は布で覆われているが、肩から背中、腰のあたりまで白い肌が露わになっている。ドレスの丈は踝まであるものの膝の上まで続くスリットから形の良い脚が覗いていた。
「榎本さんは…いつもの格好ですね」
「まずかったでしょうか」
「ふふふ…。いえ、榎本さんらしくていいと思います。さ、行きましょうか」
純子に促され、パーティ会場まで移動する。
会場のホールはたくさんの人であふれていた。タキシードにドレス、そこでは純子の格好が決して場違いでないことは明白だった。
中には普段着を着ている者たちもいるが、皆カメラを携え、このパーティを取材しに来ているマスコミらしい。
純子はとりあえず芹沢を探す。すると、ホールの中央でゲストと談笑している芹沢の姿があった。
『ちょっと芹沢さんに挨拶してきますね。榎本さん、先に食べててください』
たくさんの人で会話が聞き取りにくいため、耳元で榎本にささやく。榎本は無言でうなずくと、料理を盛ってあるテーブルの方へ向かった。
「芹沢先生、遅くなってすみません」
「?」
純子に話しかけられた芹沢は怪訝な顔をする。ただし、鼻の下がかなり伸びているが。
「先生?」
「どちら様でしょうか?」
「!」
「こんな綺麗な方を忘れることなどないんですけど…」
「芹沢さん! 何言ってるんですか? 私ですよ! 青砥です」
0145囚われた女 2/62012/07/27(金) 22:15:24.00ID:+CXyuatc
「あ、あ、あ、青砥ぉ!? ほんとぉーに青砥なのかっ?」
「そんなに私、変わりましたか?」
「変わるも何も…お前別人だぞ…。しかし、こんなに化けるとはなぁ…」
芹沢は感慨深げに一人でうんうんと頷いている。そこへカメラを持った体格のいい若い男が話しかけてきた。
「失礼ですが、弁護士さんでいらっしゃいますか?」
「はい。そうですけど…」
「私、こういう者でして。今度、うちの雑誌で女性弁護士の特集をやるんです。良かったら先生に少しお話を伺えないかと思いまして」
「えっ、私にですか?」
「おおー! 良かったじゃないか。是非、お前の別人のように美しいこの姿を撮ってもらえ。うちの事務所の宣伝にもなるしな!」
傍で話を聞いていた芹沢がしゃしゃり出てくる。
「いやー。こいつはまだ若いですが、ガッツのあるヤツでして!うちの期待のホープなんですよ!」
芹沢はガハハと笑いながら、純子の背中をドンと叩く。男は少し鬱陶しそうな顔をしながら、「じゃあ、少しお借りいたします」と純子を連れ出そうとした。
「ちょっと待ってください」
――榎本さんに一言断っておかなくちゃ。

当の榎本はというと、かなり離れたところで、料理が乗った皿を手に持ち、こちらに背を向け立っていた。
「えのも…」
呼びかけようとするその声を男が阻む。
「インタビュアーが待ってますんで、早く」
純子は無理やり会場の外へ連れ出された。半ば強引にエレベーターに乗せられ、ある階数に連れて行かれる。
―いやぁ、本当にお綺麗ですね、女優さんのようです―エレベーターの中でも男はずっと褒めちぎるばかりだった。
ある客室の前に来ると、「中で女性のインタビュアーが待ってますから。安心してください」とにこやかに案内しながら、男はドアを開けた。
純子は言われるままに中に入る。誰もいない。
しまった、と思った時には、後ろでドアが閉まる音が聞こえ、純子の両手は背中で強く掴まれていた。
「は、離してください!」
その願いもむなしく、強い力で背中を押され、あえなく顔からベッドに倒れ込む。
男は純子の背中に馬乗りになると、ポケットから紐を取り出し、そのか細い手首を後ろ手に縛り上げた。
何とか必死で抵抗するも、大柄な男の力には到底かなわない。全身に男の体重がのしかかる。
「くっくっく…チョロいもんだねぇ…。案外弁護士さんって騙されやすいのかな?」
「あ、あなた! こんなことして! 雑誌社も名前も名刺でわかってるんだから!」
「は? ああ…。あんなもんいくらでも偽造できるんだよ。君って意外と世間知らずだね」
小馬鹿にしたように言われ、純子は悔しそうに唇をかむ。
「私は弁護士よ! 変なことしたら、ただじゃおかないってことわかってるんでしょうね!」
「ふうーん。そんなこと言っちゃう?だったら、君の恥ずかしい写真、世界中にばらまいちゃうよぉ? 大変だね〜。輝かしい弁護士人生もお終いだね。あははっ」
――悔しい。幼いころから弁護士に憧れて、必死で勉強してきた。やっとかなえた夢をこんな形で閉ざされるなんて。いやだいやだ。誰か助けて。
涙があふれ、体の震えが止まらない。
「俺さぁ、頭がよくて地位のある美人が泣いているのを見るのが大好きなんだよねー。俺ってこんないい女を征服してるんだなぁって…」
男がささやく。汚らわしい息が耳元にかかり、純子は目をつぶった。
「た、助けて…。誰か……榎本さぁん!」
0146囚われた女 3/62012/07/27(金) 22:15:59.78ID:+CXyuatc
その時ピーッと電子音がし、ドアが開いて誰かが入ってくる気配がした。男が振り向き、「誰だっ!お前!」と声を荒げる。
「東京総合セキュリティの榎本です」
「どうやって入ったんだよっ!?」
「最近では管理や携帯のしやすさからこういったカードキーが用いられることが多くなりましたが、この磁気式では簡単にコピーできてしまうものなのです」
榎本は一歩近寄り、小さなICレコーダーのようなものを見せた。
「これはアメリカで軍事用に開発された最新鋭の盗聴器です。このように防音性の高い建物でも、壁を伝わる微弱な振動を拾って内部の音声を録音することが可能です」
榎本は一旦呼吸を置くと、また一歩近づいた。
「ここでの会話は録音させてもらいました。あなたのやっていることは脅迫に当たるでしょう。それに、先程警察を呼びました。間もなく到着する頃です。あなたは強姦未遂の現行犯として逮捕され、実刑を受けることは間違いないでしょう。そうですよね、青砥先生?」
「え?ええ…」
突然話しかけられ、純子は狼狽する。
「くそっ」
男は観念したのか、素早く純子から離れると、榎本のわきをすり抜け、一目散に部屋を出て行った。榎本は純子に近寄り、縛り上げている紐をほどいた。
「大丈夫ですか?」
「うっ、うっ…。榎本さあん。怖かった〜…」
純子は榎本に抱きつき、その胸の中で大声で泣いた。榎本は為されるがまま直立不動で立っている。一通り泣くと、純子は落ち着きを取り戻した。
「うっく、ひっく…。そういえば、警察って遅いですね」
「あれは嘘です」
「嘘?」
「はい」
「むやみに警察を呼んで、事を荒立ててしまったら、青砥さんにとっても困ることになるのではないかと。もちろん、踏み込んでみて本当に危険であれば、警察を呼ぶつもりでしたが」
純子は、正直、助かったと思った。この大事なパーティの日に問題があったら、芹沢にも迷惑がかかったことだろう。榎本の気遣いに感謝した。
しかし、あの強姦未遂魔は許せない。手口も慣れていたからきっと余罪もあるはずだ。榎本が盗聴してくれた音声を後で警察に提出してやる。
「そ、そういえば、今はあんな高性能な盗聴器もあるんですね!」
「あれも嘘です」
「嘘?」
「はい。あれはただのMP3プレーヤーです」
「は、は、ははは…」
純子は乾いた笑い声をあげ、へなへなと床に座り込んだ。とにかく自分は助かったのだ。危険を冒してまで助けに来てくれた榎本に感謝しなければ。
「あ、あの。本当にありがとうございました!榎本さんが来てくれなかったら、今頃私どうなってたか…」
「青砥さんはお人好し過ぎるんです。純粋で人を疑わないところは青砥さんの良い所ですが、同時に弱点でもあります」
「おっしゃる通りです…」
頭の痛い話だ。純子は小さくなってうなだれるしかなかった。
「では検証してみましょう」
「は? 検証? なんのですか?」
「先ほどの検証です。もし、僕が来なかったらどうなっていたか」
「へっ?」
言葉の意味を理解する間もなく、純子は俯せにベッドに押し倒された。先程と同じように。そして、男が残していった紐で両手を後ろ手に縛り上げられた。
0147囚われた女 4/62012/07/27(金) 22:16:47.07ID:+CXyuatc
「え、榎本さん?」
「青砥さんは少々痛い目にあった方がいいのです。僕が来なかったらどうなっていたか、身をもって思い知った方がいいのです」
たちの悪い冗談だ。だが、その表情には冗談の文字は一切見えなかった。
「先ほどの男にどのようにされたのですか。」
榎本は露わになっている純子の背筋を指でつつ…となぞる。
「ひゃっ…。え、榎本さん、な、何を…」
「青砥さんは危機管理能力に欠けています。こんなに刺激的な格好をすれば、男どもがどれだけあなたに淫らな妄想を抱くかなどと考えなかったのですか」
「こ、これはっ! 里奈ちゃんが…!」
純子の言い訳は榎本に届かない。榎本は純子の脊椎の一つ一つを肌の上から丹念に舌でなぞる。生温かい感触が体の中心を走る。
「ふ…ぁ…。や、やめてくだ…」
榎本は許せなかった。純子に淫らなことをしようとしたあの男も。何も疑わずに男に付いて行った世間知らずな純子も。
静かに燃え盛る怒りに任せ、榎本は大きく開いた背中の部分からドレスを引き裂いた。
「きゃあ!」
下着の線が出ないようにするため、上はノーブラ、下はタンガショーツといった最低限のものしか純子は身に着けていない。
「これは、また…刺激的ですね」
「え、榎本さん…。お願い…。や、め、て…」
「どんなにやめてと懇願したところで、あの鬼畜は止めないでしょう」
榎本は、ショーツをずらし、純子の膝を少し開かせると、動かないように両足に体重をかけて押さえつけた。
そして――純子の赤く色づいた花弁に埋もれる小さな蕾に触れた。
「あっ…」
純子の体がピクンと反応する。そのまま秘裂を丁寧になぞる。純子の体がふるっとわなないた。
「やっ…!ぁあ…こんなこと…やめてくださいっ!」
「でも…もう濡れてきてますよ」
「そ、そんな…」
「青砥さんは顔に似合わず淫乱なんですね」
「ひ、ひど…い…」
「淫乱なのは罪です。さらに…お仕置きが必要です」
榎本はシュルッと自分のネクタイを外し、純子に目隠しをした。視界が遮られ、完全な闇に包まれる。
「こ、こんなこと…!」
「考えてみてください。僕でなければ…もし、こんなことをするのがあの鬼畜だったら…青砥さんは刃物などで切りつけられていたかもしれません」
「…!」
「本当に…僕でよかったです」
我ながら狂っていると思う。こんなの普通じゃない。それに純子は犯されたわけじゃない。未遂に終わっただけだ。
しかし、あの男が馬乗りになっている状況が脳裏から離れなかった。汚れた男に触れられた純子を自分の欲望で洗い流したかった。
榎本は花弁に指を飲み込ませ、内壁を強引に擦り上げる。
「あぁんっ!」
純子が大きく仰け反った。
きつく締め付ける内襞を無理矢理押し広げながら、意図的に露骨な音を立てて、いやらしくそこを掻き乱す。
力が入りぶるぶると震える純子の内股を生温かい蜜が伝い、シーツを汚した。
「あ…はぁ……ダ、ダメ…!!」
0148囚われた女 5/62012/07/27(金) 22:17:25.53ID:+CXyuatc
「ダメ、なわけがないでしょう。こんなに感じてるじゃないですか」
「んっ…あっ…!!」
ねちねちと続く愛撫。目隠しをされ、榎本の表情も部屋の様子も窺い知ることができない。
わかるのは裸で俯せになっている自分が不恰好に腰を浮かせ、淫らに足を広げ、後ろから榎本に攻められていることだけだ。
本来ならばこのような強姦まがいの行為は憎むべきことであった。
しかし、それを忘れさせるほど――榎本の手技は巧みだった。
純子も榎本と同じく正気ではなかったのかもしれない。
そのうち頭の中にぼうっと霞がかかり始める。
「え、榎本さ……」
「何でしょう?」
「…です」
「聞こえませんが」
「――!!あ……ん…榎本さんが……欲しいんです!…もう…いやっ…!」
「まだ、お仕置きは途中ですが、仕方ないですね」
榎本は手早く自分の衣服を取り去り、はち切れんばかりに怒張した自身を背後から純子に突き立てた。
「や…!ああん!」
「…くっ!」
自らの指で感じていた以上に締め付けを感じ、榎本は思わず声を上げる。
その刺激に負けじとゆっくりと腰を前後に動かした。
「あっ…ぁん…ん…ぁん……」
純子から漏れ出る声にもはや拒絶の含みはなく、艶めかしさを帯びていた。
榎本は前後の動きだけでなく、腰を回してグラインドを加える。
「ふ…あぁ……え、の…も、と…さん…私…もう…ダメ……ああっ!」
引きつった嬌声を上げ、純子の体が大きく波打った。
ふにゃりと力が抜けた体を強く抱きしめる。上がった息が落ち着くと榎本は目隠しをしていたネクタイを取り去った。
滴り落ちそうなほど、それは、涙で濡れてぐしょぐしょだった。
純子がゆっくりと振り返る。泣き腫らした瞼に恨めしそうに見つめる瞳。
榎本のサディスティックな欲求が止まらなくなる。
「一人でイッたのですか」
「え、榎本さん…何を…」
「僕はまだイッてません」
「やっ…待って…!」
榎本は挿入したまま純子を抱き起すと、膝の上で一気に突き上げた。
「ああーっ!」
体を劈く刺激に純子は叫ぶ。そして背後から乳房を思い切り弄られる。
「ん…ああっ! お願い! え、榎本さん…両手を…私の両手を…自由にさせてくださいっ!」
「駄目です」
「は……嫌ですっ! お願いっ…ああん!」
「駄目です」
「ん…くっ…いやぁ……!」
0149囚われた女 6/62012/07/27(金) 22:18:17.51ID:+CXyuatc
両手を縛られ、自由がきかないまま、狂ったように体を突き上げられ、純子の意識はどんどん遠のいていく。
果てつつある榎本の欲望が極限まで達した時、純子の体が大きく震えた。
そして、そのまますべての意識が消え入った――。
重心を失ってだらりとした純子の体を抱き起し、バスローブを着せると、再びベッドに横たえる。
急に襲い来る激しい自責の念。

僕はなんて愚かなんだ。沸き立つ怒りに任せ、彼女を犯すなんて。

毛布を掛け、額に濡れタオルを置いてやる。自分にできる限りの介抱をした。
暫くすると純子が目を覚ます。目の前には深く頭を垂れ、真摯に謝罪する榎本の姿があった。
「青砥さん。本当に申し訳ありませんでした。あなたを傷つけるつもりなんて、全くなかったんです。ただ…僕の手で、あの汚らわしい男の痕跡を消したかっただけなんです。
青砥さんが…好きです。でも、怒ってもやむを得ないと覚悟しています。何でも致しますからおっしゃってください」
純子はしばらく黙っていたが、意を決すると、重い口を開いた。
「――榎本さん。顔を上げてください。では、私のお願いを聞いてくれますか?」
「…はい。何なりと」
「もう、二度とあんなことはしないでください。それと…」
「それと?」
「…次は普通に抱いてくれますか?」
にこりと小さく微笑むと、純子は榎本の頬を両手で包み、優しく口付けた。
「――あ、それと」
突然何かを思い出し、純子は不意に唇を離す。
「あのドレス、どうしましょう?」
「あ…それは僕が破ってしまったので、弁償させてください」
「いえ、そうではなくて…」
「?」
「私、着て帰る服がないんです。一体どうしたらいいでしょう?」
榎本は、顔の横で指を必死にすり合わせながら考え込む。しかし、いつもより時間が長い。
痺れを切らした純子が問う。
「結論は出ましたか?」
「いえ…ただ…」
「ただ?」
「もう一戦交えるというのはどうでしょう」
榎本はゆっくり純子をベッドに押し倒した。


―終わり―

エロがワンパターンで申し訳ない。次はラブラブほのぼの榎青書いてみます。
01511442012/07/27(金) 23:12:28.76ID:E8R6FCBy
ごめん
急用ができて急いで投下したんで、誤字やらカギカッコの付け方が変だった orz
読みにくいよね
罰としてエロ本に縛られてくる
0154名無しさん@ピンキー2012/07/28(土) 06:59:06.18ID:5NtoDRYP
GJ!GJ!
朝からいいもの拝ませてもらった
誰だ、って男に言われて律儀に名乗る榎本にフイタww
0155名無しさん@ピンキー2012/07/28(土) 19:52:09.00ID:9SLh6tAd
>>142
GJ ! 情事の後の独特の空気感良かった!
ドラマの純子は榎本のこと信頼しきってるのが可愛いくて好き。
>>151
縛りキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
涙でぐしょぐしょのネクタイ萌える!手錠とかも使って欲しいw
0158名無しさん@ピンキー2012/07/29(日) 21:10:14.83ID:fN6jEWJ8
呼び水に敬意を払ってくださった書き手様(この場を借りて御礼申し上げます)がいらしたので
また10分クォリティしてみました。

・・・・はっエロがかけらもなかった。
0159名無しさん@ピンキー2012/07/29(日) 21:10:53.57ID:fN6jEWJ8
青砥純子は客先での接見を終え、フリードマン・芹沢法律事務所へ戻る最中だった。
地下鉄の階段をあがるといつもの見慣れた道のはずなのだが、今日はどこか雰囲気が違うように思えた。
一瞬立ち止まりきょろっとあたりを見回してみて、その原因がわかった。
立ち止まり、何かを見守ってる人たちが何人もいるのだ。
何十人というわけではないがあっちに3人、こっちに5人というように様子をうかがっている。
その中でも高校生くらいだろうか?学生服の女の子たちは目を潤ませて、お互いに抱き合っている。
「どうする?・・・やばいよ!」
「やばいって!携帯だめだよね?」
抑えてはいるが興奮気味な声で、そんな声も聞こえてくる。

みなの視線の中心がどこにあるのか純子が目を向けて見ると、小柄で華奢な体格をした男性が、
何人かの屈強そうな男性に両側を守られるようにして5mほど先のカフェから姿を現した。
そのカフェはOLの間でもとても美味しいデザートで人気の店だったので純子も知っていた。
「あー、芸能人の取材があったのねー。」
そこらにいるのは芸能人の取り巻きか追っかけかと純子は一人納得し、
さてとと歩き出そうとしながら、ふと、皆の視線の中心にいる華奢な男性に目を向けた。

その瞬間ぎくりと身体が強張ったのが自分でも分かった。
「え・・・・えのもと・・さん・・・?榎本さん!?」
視線の中心にいた華奢な男性は、すでに路上に停めてあったバンに乗りこんでいた。
奥の席に腰掛けていたが、角度的に純子からはっきり見えたのだ。
純子はコンタクトだが乱視がないので遠目が利く。
彼は、先ほどはかけていなかったはずの眼鏡をしていた。
少し俯いたその横顔が、榎本に驚くほど、酷似してみえた。

純子の心臓はバクンバクンと音が聞こえるほどに飛び跳ねた。
ただの他人の空似なんだろうと思う。
それでもあまりにもかけ離れたようなオーラをまとっている人間どうしが、
あまりにも酷似していたという事実が、純子の鼓動を激しく撃ち続けた。

うっそ・・・なんで榎本さんが?
いやいやまてまて。歩き方も違った。髪形も違った。
ていうか榎本さんなわけないじゃない。私何あせってんの。

榎本さんはあんなふうに前髪を立てて流したりはしないし、あんなテレテレした歩き方はしない。
目つきの鋭さは・・・ちょっと似ていたように思うけど・・・

今までにも何度かあった。私が思う他人の空似って。
私がそっくりだと思っても友達は誰も認めてくれなかったじゃない。
きっと目とか俯き方とか輪郭のどっかとかが似てただけなのね。
あはは、バカみたい。こんなドキドキしちゃって。

芸能人と榎本を見間違えてこれでもかと動揺している自分が恥ずかしくて、心の中で笑い飛ばしてみた。
しかし本当は、純子の鼓動が一瞬で跳ね上がった理由は、
ただ似ていてびっくりしただけではなかったのだ。

でも・・・・・私、一瞬目があった・・よね?
これって芸能人と目があっちゃったってことかな?そうだよねー。
ちょっとこれは榎本さんに後で自慢しよう。
榎本さんにそっくりな芸能人と会ったなんて言ったら、榎本さん驚くかな。

純子は榎本が憮然と目をそらすところを想像して顔がにやけてしまった。
さあ、そうと決まれば事務所に早く戻ってあの倉庫部屋に行こうっと。
純子は足取りも軽く去って行った。


何故純子と彼が目があったかという疑問は、一瞬脳裏によぎったものの、同じくらいの一瞬であっという間に流されてしまった。
****
続かないよ!
0160名無しさん@ピンキー2012/07/29(日) 22:52:35.44ID:6KhgvWgY
>>159
乙です。
榎本さんの本業がアイドルだった話?って妄想は深読みしすぎですか?
0162名無しさん@ピンキー2012/07/30(月) 00:54:51.45ID:bfN+cu5D
>>161
アイドルネタ。あえて書いてほしいとは思わないけど、
投下されるのは別にしょうがないんじゃないの?好みの問題でしょう?
それにここにはそんなに投下されてない気がするが、私が読んでないだけかな…?
0164名無しさん@ピンキー2012/07/30(月) 02:50:55.42ID:fHztvEFG
呼び水に呼ばれて書いてみたもののとんでもなく長くなってしまった。
読むの面倒な方は飛ばすが吉。

ドラマ版榎青で時間軸的には4話の少し後…だけど話に沿わないしパロディだから少し目を瞑ってください。
純愛ぽいのを書きたかったけど何かが違う。
0165二人12012/07/30(月) 02:53:22.05ID:fHztvEFG

午後8時を過ぎた。
とっくに仕事を終え普段通り社内のシャワー室で簡素な入浴を済ませた榎本は、コンビニへ向かおうとしていた。当然ながらここにはキッチンが無いのでこの時間にコンビニへ出向き夕飯を買うのが(必然的に)榎本の日課になっているが、これがどうも面倒くさい。
以前賃貸での一人暮らしをしていた時もたまの自炊はしていたものの食事の殆どを出来合いの惣菜などで済ませていたため手間としてはさほど変わらないが、やはりちょっとした買い物のためにいちいち外へ出るのは億劫なのである。
完全なる榎本のプライベートルームと化した倉庫内での生活でもそれは変わらず、毎日ちょっとしただるさと共に重たい腰を上げる。
空腹なんて無ければいいとは常日頃から思っているが、それが叶うのは鍵をいじったり密室関連の謎解きであったり何かしらに没頭している間だけだ。
小さく溜め息をついて扉に手を掛けた時、ほんの一瞬先にかちゃりと音を立ててノブが回り、扉が開いた。
0166二人22012/07/30(月) 02:55:08.41ID:fHztvEFG


「わっ、すいません!…あれっ榎本さん、もしかしてどこか行かれる所でしたか?それに何か髪濡れてません?」
「…いえ、ちょっとコンビニに行こうと思いまして」
つい先程風呂から上がったので、と付け足して説明したら目の前の見慣れた女性は申し訳なさそうに眉を潜めた。
「そうでしたか…ごめんなさい、こんな時間ですしご迷惑とは思ったんですけど」
ほんの少しだけ自分より身長の低い青砥さんは、困った顔をする時いつもちょっと上目遣いになる。
その顔もまた見慣れていて、いつも不思議と安心してしまう。そもそもちっとも迷惑なんかじゃない。
「どうかしましたか」
「あの、うちの事務所の近くに料亭があるのご存知ですか?
結構いいお値段するから入った事は無いんですけど、店先で売ってるお弁当がすごくおいしいんです!いつものこの時間なら売り切れてるのに今日はほら、たまたま二つ残ってました」
だから榎本さんと、と思って。にこにこして持っていた手提げ袋を目線の高さまで持ち上げる。
さっきまでの控え目な感じとはうって変わって嬉しそうに経緯を話すその顔は柔らかく、胸の辺りがすっとした。出掛けようとだらだらしていた気だるさなんてどこかへ行ってしまったようで。
「でもお出掛けするようですし…考えてみたらもうお食事済ませちゃいましたか?」
「夕飯を買ってくるつもりだったので。ありがたく頂きます」
青砥さんを招き入れて机上に積まれていた資料を軽く片付ける。
正直嬉しかった。買い物へ行く手間が省けたというよりも、青砥さんが一緒にと自分の分まで買ってきてくれたことが。
一人だったら、食事自体面倒に感じていたのに。

「私、お茶淹れますね」



0167二人32012/07/30(月) 02:58:01.08ID:fHztvEFG


──「美味しかったです。ごちそうさまでした」
「いえ、こちらこそ。突然お邪魔したのにありがとうございます。
それにしても美味しかったですねー」
確かに、さすが高級料亭と言うべきか中々の味だった。普段食べ物に頓着しない榎本にもわかる程でコンビニの弁当とはそもそも比べてはいけないかもしれない。
「そうですね」
内心こんなに感嘆していても気の効いた言葉が出て来ない。本来であれば一言で済ませてしまうのは失礼だとはわかっているし、日頃そのせいでコミュニケーションで痛い程失敗している。
しかし青砥は無愛想な一言にも嬉しそうに笑ってくれる、まるで榎本の気持ちを汲み取るように。
「こういうお店の手作りのお弁当ってやっぱり違いますよね。私も頑張らないと」
沈黙には慣れているが、こうして会話を広げてくれる彼女に少しは自分も乗っかって見ようと思った。
「料理をするんですか」
「うーん、苦手ではないけどそれ程得意でもないですね…ちょっと練習しなきゃ、結婚出来なくなっちゃいますから」
冗談めかしたように笑う青砥。しかし榎本にとっては聞き捨てならなかった。
「け、結婚するんですか」
「えっ、いやいや、いつかですよ!そんな驚かないでくださいよ」
明らかに動揺した榎本の様子を察知し、即座に否定する。また可笑しそうに笑ったが、今度はすぐに真剣な顔になる。
「ちょっと前に事件があったじゃないですか、蜘蛛を使った密室殺人の。あの時から何となく、漠然とですけど、私もいつかは結婚とか考えなきゃいけなくなるのかなって思って」
至って真面目に考えているようで、彼女らしいと思った。話を聞く限りではまだその状況に直面しているわけではないのにいずれ自分も、となった時の事をぼんやりとでも想像しているようだった。
女性であれば皆こうなのだろうか。仕事熱心でまさに打ち込んでいる最中の青砥がこんなことを考えているなんて。
何故か自分の中に焦りを感じた。いつか青砥さんも、どこかの誰かと。いつか。


0168二人32012/07/30(月) 02:59:00.50ID:fHztvEFG


「あれ、もうこんな時間」
思案に耽った榎本を覚ましたのは青砥の声だった。ふと時計を見るともう10時を回っていて、慌てるのも無理はない。急いで帰り支度をして立ち上がる青砥を榎本はただ見つめるだけだった。

「すいません、長居しちゃって…もう帰りますね」
どうもありがとうございました、と一礼して青砥が背を向けた瞬間。
「…待ってください」
「はい?」
振り返り怪訝そうな青砥、何しろ帰ろうとする彼女の手首を引き留めようと掴んでしまっていたのだ。驚いたのは榎本自身で、ぱちりと目が合ったまま硬直してしまう。
すぐに背筋がぞくっとして激しく後悔した。やってしまった。さっきの話を聞いていた辺りから胸に留めていた寂しさからつい、自分でも気付かない内にこんな真似を。
焦りから手を放すことも出来ずに重たい沈黙がのし掛かる。何て言えばいいんだろう、どうやって説明すれば…

「榎本さん、どうかしましたか」
降ってきた言葉は大方予想していたそれだった。しかし、その顔はいつもと同じく柔らかい笑みで。
引いたような素振りも見せずに投げ掛けてくれた言葉から優しさを感じる。

──だめだ、
「え、榎本さっ……」
「すいません」
「あの、ちょっと…」

放せなかった手首をそのまま引き寄せて、肩からきつく抱き寄せた。見た目にも華奢な青砥の体は薄く、腕が余る程なのに柔らかい。首元に青砥の顔が密着して頬には髪の毛があたる。すぐ近くから匂いがして吐息がかかり、体が熱くなっていった。
放心していたのかしばらくじっとしていた青砥が身動ぎし、ぷはっと顔だけ逃れて榎本を見つめた。頬は紅潮していて少し困った顔だったが、唇までいつにも増してほんのり色づき、やけに艶めかしい。

0169二人42012/07/30(月) 03:02:49.68ID:fHztvEFG

「え、榎本さん…?」
互いの顔は僅か10cmに満たない距離まで近付いていて、息がかかる。見たことも無いような女性的な表情についに我慢が効かなくなった。
「青砥さん、きっと嫌だと思います」
「えっ?……っん、んぅ…はあっ…」
不安そうにも見える呆然と空いた口に無理やり自らの唇を重ねた。
化粧気の無い青砥の唇は想像よりずっと柔らかく、吸い付くような感触が生々しい。
角度を変える度わずかに漏れる吐息が暖かくてぞくぞくする。隙をついて舌を潜り込ませ、いたずらに口内に滑らせる。舌と舌が触れ、腕の中の青砥がぴくっと動いたのが分かった。
初めて触れる青砥の口中に舌先からとろけるような感覚。むしゃぶりつきたくなるようなリアルな弾力で、隅々まで犯したくなる。
息が荒くなり、とろんとした目がそそった。
「ふ、あっ…んんっ…」
ぐっと頭を寄せて奥まで舌を押し入れ絡ませるとすごく熱くなっていて、どちらのかも分からない唾液が溢れ口の端から垂れて首筋まで伝う。
気にも留めず続けざまに歯列をなぞったりわざと下唇を噛んでみたり、無我夢中で貪る合間に嬌声が聞こえて感情が昂っていく。
「…はあっ、あの、んんっ!…っは、」
「すいません、こういった事はあまり慣れていなくて」
苦しくなったのかなんとか抜け出そうと抵抗を見せ始めた所で、やっと唇を離した。顔を真っ赤にして息を荒げる青砥の唇も榎本と同様に唾液で潤んでいて色っぽい。
自分の口許を拭い、小さな見栄を張って青砥の頬に手をかけてみた。
いい加減にきつい抱擁をやめて腕も放したが、逃げる様子も無く別段嫌そうな顔もしていない。
「…っもう一度、」
「あ…んんっ」
再び乱暴に唇を奪い、舌を押し込み同時に空いた片方の手で青砥の肩から背中にかけて撫で回す。
少し震えている感じがしたが、怖がっているわけではないようで、ついには青砥自ら榎本の胸元のシャツをきゅっと掴んだ。

0170二人52012/07/30(月) 03:04:03.66ID:fHztvEFG

─調子に乗ってしまいそうだ。
青砥のシャツのボタンに手をかけ、極力丁寧に外していく。一つ一つ開いていく胸元から徐々に膨らみがあらわれ手を滑り込ませた。
「あっ…」
「青砥さん、綺麗です」
恥ずかしそうに俯いた彼女の耳元でそう囁くと、また上目遣いでこっちを見てきた。うるうるとした瞳にほだされて、また体が熱くなる。
淡い水色の下着の上から胸を揉みしだき、首筋につつつ、と舌を伝わせて膨らみまで沿わせた。
「ふあっ、はあっ…」
片手を背中に回しホックを外して下着をずらし、ピンク色の突起を口に含んだ。
「いやあっ、あっ、」
舌で転がすとさらにぷっくりと硬くなり、甘噛みしたり思いっきり吸ったりと弄ぶ。その度漏れてくる声が甘ったるくてやけに耳に引っ掛かって頭が白くなる。もう何もかも吹っ飛んでしまいそうだ。

「んんっ!」
「あ、青砥さん…」
得体の知れない感情が迫って来て、ふっと口を離すと目の前の彼女はあまりに淫らな格好だった。
半端に前のはだけたシャツは右肩側だけが露になって下着の肩紐はだらしなく垂れているだけでもう身につけている意味は無い。
頬が赤く息が上がっていて、その顔はいつもの機敏な女性弁護士の面影は無く、うっすら空いた口がどこか物欲しそうに見えた。
「え、榎本、さん…」
「…もう我慢出来そうにないです」
きりっとした目つきに凛々しい顔。いつも見ている青砥純子とは違う、ふにゃりとしたこの顔は自分の手によって見せたという征服感が確かにあった。
もっと乱れた姿が見たい。どうにでもしてしまいたい。
…いや、

「お…お願いです…榎本さん、さ、最後まで…」
自分のものにしてしまいたい。
「わかりました。ただ、途中ではやめられません」
言い切る前に既に青砥のズボンのホックに手を掛けていた。
すっとファスナーを下ろすとするっと落ちていく。白い太股はやはり細くすらっとしていて、か弱い印象を受けた。
上と同じく水色の下着の上から秘部に触れると、もうかなり濡れている。脚の付け根から下着の中に指を潜らせるととろっとした愛液がまとわりついた。
「濡れていますね」
「………」
俯いてしまって、言葉を発してくれない。耳まで赤い所を見ると照れているらしくまた背筋がぞくぞくした。
ゆっくりと中指を挿れると、ずぶずぶと入っていくのが感触で伝わる。もう指の付け根まで届いていて、中が温かい。

0171二人52012/07/30(月) 03:07:18.40ID:fHztvEFG

「青砥さん」
「………」
両手で掴んんだ榎本の肩に力が入る。
「ぐしょぐしょです」
「っ…」
間接を曲げ、中で指を動かす。かき乱すように壁を強くなぞって奥へ奥へと進めると、またとろりとした愛液が溢れて指から手の甲へと伝って行く。段々と中が緩んできて人差し指、薬指と本数を増やし、動きも徐々に激しいものにしていった。
「あっ、んんっ、はぁっ…んっ…」
立っているのが辛いかのように足が震えて榎本にもたれ掛かる。吐息も荒くなり、肩で息をしながら声が大きくなっていく。
下着は青砥の愛液でびしょびしょになり、指の動きは律動へと変わっていった。出しては押し上げを繰り返して奥を突く。太股まで伝う滴。一瞬中が引き締まって、榎本の指をくわえ込んだまま絶頂に達したようだった。
前のめりになって膝から崩れた青砥を慌てて支えて何とかそのまま座らせた。
「はぁっ…はぁっ…」
同じく榎本も膝をつき、余韻に浸る青砥を抱き寄せながら自らのベルトを外してズボンを下げた。
「辛かったら言ってください。出来るだけ何とかしますから」
「…はい……」
互いの心音がうるさいくらいに聴こえて響いている。共有する火照った体は今までよりずっと熱を持っていてなんだかむず痒い。

0172二人72012/07/30(月) 03:09:50.97ID:fHztvEFG
慣れない手付きで取り出した榎本のそれは、はち切れんばかりに硬く経験したことの無い程だった。
「青砥さん、こんな所ですから」
自分のシャツを脱ぎ青砥の下に敷いてやる。流れとはいえベットですらないただの床で行為に及んでしまったが、おそらく無いよりはマシだろう。
青砥も素直にシャツの上に横になり、恥ずかしそうに榎本の腕を掴んだままじっと見つめている。その体はじっとりと汗ばんでいて、不思議と魅力的に見えた。
「同じことですが、辛かったら言ってください」
「榎本さん…ああっ…!」
榎本の気遣いから来る言葉にまた柔らかく笑う青砥。口付けし、そのままゆっくりと挿入した。
「うっ…」
「ふ、あ…っあ」
ゆっくりと着実に奥へ入って行くが、ねっとりとまとわりつくような感覚と言い様の無い熱さにすぐイってしまいそうになる。程よく締まった中といじらしく身を捩り感じる青砥の表情とがミスマッチで余計にそそられるものがあり、愛おしい。
「う、動き、ます…」
「あっ、はあっ!んんっ…!」
腰を振り、奥へ突き始める。少しきつかった膣内が徐々にほぐれていき、また愛液が溢れ出す。それに伴いずるずると生々しい音が響き律動の速度も上がっていった。
何度もイく寸前になりつつも必死で堪えて動き続ける。少しでも長く青砥の中にいたい気持ちが大きくなってしまう。勿体ないから、取り零さないように。
「あ、おと、さん…っ」
「やっ、ああっ…!はあっ…えっ、榎本、さんっ…!」
抗えない快感に囚われながら健気に呼び掛けに応えてくれるのが嬉しくて。そんな青砥の優しさを、自分を受け入れてくれる心をほんの少しでもこぼしたくなかった。
自分のものにしたい。叶わないならせめて、青砥が自分へくれるものは一つ残らず──

限界が近付いて来た頃、青砥が首に腕を回してきた。息を荒げて喘ぎ声が更に大きくなる中で耳元で囁かれる。
「え、榎本さんっ…!もう、わたし…はっ、あああっ…!」
最後にびくんと青砥が仰け反り、咄嗟に引き抜いた所で果てた。彼女の腹部に白い液体がかかる。
「…あ、青砥さん……」
謝ろうと声を掛けた時、ぐったりとした様子で目を閉じていた。


0173二人82012/07/30(月) 03:11:46.97ID:fHztvEFG


帰り支度が済んで、ちょうど乾いた髪を束ねる。情事後、時間も時間なので他の社員はいるはずも無く、社内のシャワー室を借りられた。
榎本さんはずっと黙っていて目も合わせてくれなかったけど、ちらっと見た横顔がすごく申し訳なさそうに思えて。
それでもタオルを貸してくれたり、私がシャワーから戻った時には倉庫内も綺麗に片付いて温かいお茶までいれてくれていて、やっぱり優しい人なんだな、と微笑ましくなった。
「…榎本さん、私帰りますね。お茶ごちそうさまでした」
「………」
きっと酷く自分を責めていて何も言えないのだろうと容易に想像出来る。そういう人だし、何より表情が物語っていた。
無理に会話をさするのも悪いし、今日のことに関しては、また後日ゆっくり話せばいい。そう思って帰ろうとした時。

「…青砥さん」
「はい?」
「今日のことは忘れてください」
「え…」

変わらず俯いたまま小さく言った。
声のトーンが暗くてかなり沈んでいる。もうこれっきり、この話はおしまいなのだろうか。
「榎本さん、でも…」
「それで、あの」
不安になって声を掛けると、顔を上げた榎本さんと目があった。何かすごく言いづらそうにしてるけど、そこに後ろめたさは見えなくて。


「今度一緒に、食事でもどうでしょう」

〜おしまい〜
0175名無しさん@ピンキー2012/07/30(月) 13:30:55.34ID:/B9KIEfu
>>173
乙ですGJ!面白かったー。
シャツを敷いてあげたり忘れて下さいって言うところが榎本っぽくてイイ(・∀・)
よかったらまたよろしく。
01761/32012/07/30(月) 22:45:05.03ID:zF7PNd1q
ドラマ榎青書いてみました。二人は付き合い始めの初々しい感じで、体の関係はまだ2、3回といった設定です。
かなり甘ったるい内容になってしまいました。お許しください。

************

その日の純子は、会議室に響き渡るほどの大きな溜息をついた。会議を終えた芹沢が心配そうに純子を覗き込む。
「おい、どうした。とうとう榎本に振られちゃったか?」
「そんなんじゃありません」
「じゃ、どうしたんだ? 榎本の変な趣味でも見つけたか?…例えば、女装とか」
「…そんなんでもありません」
「じゃあ、何なんだよ?」
「榎本さんに…1週間も逢えていないんです」
「はぁ?」
今、榎本は1週間前から大阪に滞在している。毎年、東京総合セキュリティは大阪支店に赴き、防犯の技術指導を行っているらしい。
それは社員からは忌み嫌われるイベントで、体よく榎本は押し付けられてしまった形だ。
本来ならば今夜帰ってくる予定であった。…が、列島を直撃している大型台風のせいで、帰路が絶たれてしまっていた。
運が良ければ明日、台風の機嫌によってはもう少し延びてしまうかもしれない。予想外の事態に純子はやきもきした。
「なんだ、そんなことか。…い、いや。わかる、わかるぞぉ、青砥ぉ。逢えないもどかしさってやつだな。
だがな、それは恋愛においてスパイスみたいなもんだ。逢えない時間がなぁ、二人の愛を育てるって…」
「――失礼します」
これ以上話しても無駄だと悟った純子は、尚もしゃべり続けている芹沢を残し、会議室を後にした。
付き合い始めて今日の今日まで、一日たりとも逢わない日はなかった。
どんなに忙しくても、どんなに短い時間であっても、二人は何とか一緒に過ごす時間を工面していた。
初めて過ごす一人の時間に、その孤独に、押しつぶされそうになる。
どんなに榎本がメールをくれても、電話をくれても。
寂しくて、逢いたくて。
ここまでのめり込んでしまっているなんて自分でも呆れてしまう。
しかし、榎本を恋い焦がれる気持ちは、自分では手の施しようがない程に止めることができなかった。

                 **

はあ…。榎本さんが帰ってくるのを期待して、今日は残業もないように調整したのにな。

家では見たくもないテレビを見て時間を潰したが、それでも時間が有り余ってしまう。することも無いので、仕方なく寝る準備を整えた。

今日こそは榎本さんの夢が見られますように。

パンパンと携帯電話の待受画面に向かって柏手を打って祈る。
そこには二人で撮った写真。上機嫌でピースサインをする自分の横には、その勢いに押されるかのように困った顔の榎本。
何となく温度差を感じさせる写真だ。…まあいい。
その携帯電話をしっかりと握りしめ、純子は眠りについた。激しい雨風のせいで、窓がガタガタと耳障りな音を立てて大きく震える。
そんな中で、うとうととしかけた頃、何かヒヤリとしたものが自分の頬に触れるのに気付いた。人の手のように思える。
やっと夢の中に待ち人が現れた。うれしくなり、純子はその手を握る。
「…うふふ…。榎本さぁーん…」
思わず口にして気が付いた。このリアルな感触。
――夢ではない。
純子は飛び起きる。薄明かりの中、ベッドの側に座り、驚いて固まっている榎本の姿があった。
01772/32012/07/30(月) 22:46:43.89ID:zF7PNd1q
髪には雨と思われる水滴が無数に付き、肩の部分は見た目にもわかるくらい濡れている。
そして、雨によって体温を奪われた手はしっかりと純子に握られていた。
「榎本さんっ、ど、どうして…? 今日は帰ってこれないんじゃ…」
「青砥さんに…逢いたくて…何とか帰ってきました」
照れくさいのか視線をそらしながら榎本は言う。肝心な“逢いたくて”の部分で声のトーンが小さくなるところも榎本らしいと思った。
純子は榎本の胸に顔を埋める。
「…うれしい」
「青砥さん。濡れてしまいます」
「そんなの…いいんです。せっかく逢えたのに、そんなこと言わないでください」
「…すみません。長い間不在にして」
「うれしい、うれしいです。榎本さんが私に逢いたいと思ってくれたなんて…。私も逢いたかったです」
顔を埋めたまま、榎本の背中に手を回した。
「私…ずっと榎本さんのこと考えてました。眠っている間は夢に出てくれないかなとか…。何かおかしいですよね。私って」
榎本もおずおずと純子を抱きしめる。純子は深呼吸をした。わずかに雨が混じる匂いの中で愛しい榎本の香りが純子の鼻をくすぐる。
「榎本さんの匂いがする…。本物なんですね。夢じゃないんですね。うれしい…」
これほどまでに自分のことを想ってくれた人が今までいただろうか。純粋で素直でいじらしい。
榎本は抱きしめる腕に力を込め、自分の鼻先に揺れる柔らかな髪の匂いを嗅いだ。彼女らしい、いい匂いがした。
「…青砥さんは…シャンプーの香りがしますね」
「あっ!そういえば、榎本さんはお風呂まだですよね。私、お湯流しちゃってて…。ちょっと待っててください。今入れてきますから」
体を離してバスルームに向かおうとした純子の手首を榎本が強い力で引っ張る。
「そんなの…後でいいです」
「でも…」
「今はこうしていたいんです」
どれくらいの時間抱き合っていただろうか。お互いの体温と鼓動を肌で感じながら、会えなかった時間を埋めていた。
少しだけ体を離し、見つめあう。
「青砥さん」
「何でしょう?」
「好きです」
「ふふ…。わかってます」
どちらからともなく唇を重ね合わせた。やはり何度キスしても、ドキドキする。
唇の感触は、榎本の想いを表すかのように優しく、温かだった。
ただ重ねていただけの唇は愛しげに純子のものを啄む。その隙間から漏れ出るかすかな吐息が純子の心を震わせた。
榎本の唇は鼻先、額、頬にも優しい口付けの雨を降らせていく。窓の外では雨風が吹き荒れているというのに、この部屋の中だけは穏やかで平静だった。
なんという満ち足りた気分。
背中を抱きしめていた榎本の両手がするすると下へ下がり、パジャマ代わりに来ているダボダボのTシャツの中に滑り込んできた。
予想はしていたことなのに、緊張で純子は一瞬体を固くする。それに気づいた榎本は労わるかのように優しく言った。
「…すみません。もう我慢できそうにありません。いいですか?」
純子は小さくこくりと頷く。そして、ゆっくりとベッドに押し倒される。めくれあがったTシャツの裾から露わになっている―小振りだが、形の良い―乳房に口づけられ、純子は小さくうめいた。
榎本の舌が中心の蕾を包み、ゆっくりと転がす。
「あっ…はぁ…」
自分の口から漏れ出る淫らな喘ぎに恥ずかしくなり、純子は咄嗟に手の甲で口を覆う。それをやんわりと遮る榎本の手。
「隠さないでください。青砥さんの声が…感じてる声が聞きたいんです」
榎本のつつましい訴えに、多少の気恥ずかしさを覚えながら、代わりにシーツを握りしめた。
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華奢な腰を抱かれ、さらに蕾を愛でられる。触れられているのは上半身なのに、なぜか下腹部の中心が熱を帯びた。
何かが染み出す感覚。それに気づき、頬がみるみる紅潮していく。
榎本の手が下半身を覆う色気のないハーフパンツにかかり、来る…!と思った瞬間、するりと下着ごと脱がされた。
無垢な下半身が無防備にさらされ、純子は躊躇いがちに両手で隠そうとする。そんな可愛い抵抗は榎本の手によって妨げられ、下腹部の茂みにキスをされた。
恥ずかしい。恥ずかしい。だけど、もっと触ってほしい。
榎本の手が、愛しい人の存在を確かめるかのように肌を滑る。それが、火照った体にヒンヤリとした刺激を与えて、とても気持ちいい。
そして、下腹部に感じる温かい吐息と舌の感触。艶めかしく動くその舌が、初心な純子の女の部分を開かせていく。
「あ…ぁ…ぅん…」
控えめに喘ぐ純子の中に、壊れ物を扱うように、慎重に、裸の榎本が入ってきた。
十分な潤いを湛えていたが、行為に慣れていない狭い膣内は純子に鈍い痛みを与える。思わず眉根を寄せた。
「…痛い…ですか?」
榎本が心許なげに尋ねる。ここで痛みを訴えれば、どんなに激しく欲情していたとしても、榎本は行為を中断するだろう。
それだけは避けたい。純子は優しく榎本を抱きしめる。
「…大丈夫です。続けてください。もっと…榎本さんを感じたいんです。逢えなかった分…私を愛してください。」
自分を見つめる、切なげにうるんだ瞳。心から愛しくて大切にしたいと思う。純子の心遣いに応えるかように、榎本は軽くキスをした。
様子を窺いながら、ゆっくりと腰を動かす。鈍い痛みの中に感じられるのは何よりも代えがたい榎本の存在。そう考えるだけで、純子は悦びに満たされた。
配慮にあふれた律動は、次第に純子を恍惚の世界へといざなう。
「は…ぁ…榎本さん…榎本さん…」
夢中で彼の名前を呼ぶ。返事はなくとも、その息遣い、温もり、甘い香り、全身で榎本を感じていた。
ほんの数時間前まで、榎本に逢えず不安に思っていた気持ちはもうどこにもなかった。
表情と喘ぎの変化に合わせ、榎本は腰の動きを早めていく。本来ならばもっと彼女を悦ばせたい。彼女が乱れ、喘ぐ様子が見たい。
だが、体が言うことを聞かない。律動の速度が極限に達する。純子の内部は、心と同じように自身を締め付け、離すまいと絡み、榎本の欲望を翻弄した。
押し寄せてくる大きな快楽のうねりが二人を包む。
どこにも行かないでほしい。ずっとそばにいてほしい。二人はお互いに、そう切に願いながら、きつく抱き合い、大きなうねりに身を任せた――。
快楽の波が去っていくと、そっと閉じていた目を開ける。そこには汗で乱れた前髪と大きく肩で息をする少年のような榎本の姿。純子は小さく呼びかけた。
「…榎本さん」
「…何でしょう」
「好きです」
「…わかってます」
そして、また、どちらからともなく唇を重ね合わせた。

                 **

「ところで…どうやって帰ってきたんですか?確か、飛行機も新幹線も不通だったはず…。」
榎本の腕枕の中で、後の余韻に浸りながら、一つの疑問を純子は投げかけた。
「聞きたいですか?」
「はい。とても…聞きたいです。」
きっと榎本のことだから何かすごい裏技を使ったのではないかと胸を躍らせる。
好奇心でキラキラと輝く大きな瞳に、榎本は少しの逡巡を見せた後、言い難そうに答えた。
「…ヒッチハイクです」
「ヒッチハイク!?」
榎本がそんなことをするなんて。予想もつかなかった。
純子は、テレビのバラエティ番組のように行先を書いた紙を持って立ち尽くしている榎本の姿を思い浮かべた。
「ブハッ! い、いえ…決して笑ってるわけでは…」
「思い切り笑ってますが」
「ご、ごめんなさい。ププッ。なんか、想像したら…おかしくなっちゃって…。でも、もう笑いません。ごめんなさい」
「…一般道を通ったので、思いの外時間がかかりましたが…。乗せてくれたトラックの運転手さんがいい人で助かりました」
「…それは…よかった…です…ホントに…」
今度はイカツイ運転手の横でこじんまりと座る榎本を想像しながら、純子は必死に笑いをかみ殺すのだった。

************
以上です。やっぱり難しいなぁ。なんか淡々として、盛り上がりに欠けるっていうか…。もっと上手く書けるよう修行します。
0180名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 00:32:20.55ID:DkIpBvCM
>>176
いいじゃないですかー。えのもっちゃんめっちゃ爽やかエロい!!
萌えもえですがな
素直な表現が返って素晴らしいです
great job!
0181名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 21:07:51.12ID:b1NkooHS
月1くらいでお題だしてそのお題のSSを出し合うなんてイベントどうですか?
記念すべき第一話放送日の4/16に因んで毎月16日とか。
0183名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 21:28:22.15ID:6bMygoZX
>>176
榎本さんがドラマの榎本さんそのまんまで再生された。うまいなー!
最後笑いもありエロも萌えたしウブなイチャイチャ感も良かったです。
エッチに小慣れてない2人可愛いw
GJ ! !
0185名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 22:13:25.56ID:mfyuveEr
そのほかの投下が規制されることなく、
やりたい人でやるんなら別にいいんじゃないの?
投下が重なってかぶらないかなってちょっときになる。
0187名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:07:40.94ID:qImC1nxK
お題で思い出した

以前、榎本が男に痴漢されるネタを誰かが書いたらたちまち痴漢祭りになって
面白かったなあ
職人さんそれぞれのカラーが出てたし
0188名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:12:57.61ID:mfyuveEr
16日とかじゃなくて、
8月のお題は「夏休み」(←適当)とか決めて、できた人から投下したらいいんでない?

誰がお題を決めるかが問題か?
0189名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:23:38.52ID:7GWcPFeN
何て嫌な祭りだw<痴漢祭り
いやとても楽しませてもらいましたけど
0190名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:30:47.81ID:TEfDwKnF
お題祭りするほど書き手さんがいるかどうか、だなぁ
ドラマやってる間はたくさんいたような雰囲気あったけど、
今じゃ2人くらい?だから、タイミングとお題次第じゃ作品投下されないかも(´・ω・`)
0191名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:54:23.17ID:QvSeOCD6
かつて投下した書き手の1人としては、雑談から話の種を拾うこともあるので、保守がてら雑談しててもらっても構わない。
0192名無しさん@ピンキー2012/07/31(火) 23:58:01.13ID:b1NkooHS
じゃあ今月はこんなお題はどうかな?いやいやこうじゃないかって話してることが
投下の種になる可能性があるってことですか?

じゃあお盆にむかって霊感ありの榎本さんとかどうですか?
0193名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 00:02:54.34ID:prNyR3rk
書き手さんとしては1か月もいらないんですかね?
投下期限決めるとしたら、1週間くらいですか??
0196名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 00:37:46.59ID:0Op4w2F7
前にいたスレでは、書き手同士でリレー小説やってたとこがあったなあ
活性化に繋がるならイベント大歓迎
スレがにぎわって書き手さんが戻ってきてくれるといいな
0199名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 01:13:26.30ID:v3BNLDZ+
>>197
大野のにわかど新参ファンか
ファンスレでみっともなくはしゃぐなよ
というかオタのふりしてオタスレ荒らしてるアンチ?
ゔぃーゔぃー知らないとかあり得ない
0200名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 09:21:44.43ID:iiPBwc5N
お題っていうか普通にリクエストだったら季節モノが読みたいな
浴衣デートとか
ずっと先だけどクリスマス年越しバレンタインとか楽しみ
0201名無しさん@ピンキー2012/08/01(水) 09:32:07.45ID:nFJt1j2a
>>200
そういうのウザい
書き手は読み手の萌えだけの為だけにSS賭けといわれているみたいだ
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