男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part3
0001名無しさん@ピンキー2013/03/14(木) 17:50:21.05ID:kAI4lTWL
現実と妄想を区別できない人・未成年立ち入り禁止。

男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです。
DV、ストーカー、監禁、レイプ、猟奇、異常な執着、その他諸々、男性のヤンデレなら何でもおk。
一次創作と二次創作、どちらも投下可能です。
女性利用者が多くなると思われますが、801厳禁。
荒らし完全スルー、良識ある書き込みお願いします。
sage進行。

過去スレ
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268026164/
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1314199458/
0005名無しさん@ピンキー2013/03/15(金) 11:11:36.18ID:/fluOboI
キューティーハニーTHE LIVE第一話が男ヤンデレ殺人事件だった
0006名無しさん@ピンキー2013/03/15(金) 13:53:19.03ID:0zYgyVDy
スレ立て乙
0010名無しさん@ピンキー2013/03/18(月) 01:58:51.46ID:v3jy7AJu
>>1乙!
そういえば最近やってたNHKのドラマ『書店員ミチルの身の上話』に男ヤンデレ出てきたね
0013名無しさん@ピンキー2013/03/19(火) 19:34:23.29ID:oVogE8+F
スレ立て乙
ねじまき真野さんっていう少女漫画に、いいヤンデレ男がいた
0014名無しさん@ピンキー2013/03/20(水) 12:56:00.39ID:D2O3xxUK
>>1


今日のヤンデレ男妄想
前妻の子の兄、後妻の子の妹・弟がいて。
兄は義理の妹が半分血が繋がってると分かっていても好きで気が狂いそうだったが
半分血が繋がってるという事を心の支えに、家族だからほかの男のモノになっても
赤の他人よりも強い絆があると自分をごまかし、いい兄を装い秘めていた。

しかし、妹が淡い恋をしギリギリに煮詰まっていたところ実は妹の父親は別だと発覚。
兄妹という心の支えであり防波堤が無くなった兄は常識の箍が外れヤンデレ犯す。
お前の母親は不貞を犯し俺の父を騙していた(お前もだ!)という罪悪感を煽り
&弟の身(家から追い出す)を盾にとって妹を脅し行動の全てを制限(軟禁)し行為も強要。
血のつながりというものがなくなってしまったから
他の確かなものが欲しいとヒロインを妊娠させようと躍起になる。
0015名無しさん@ピンキー2013/03/27(水) 23:28:59.88ID:2DaBojg0
病む
0016名無しさん@ピンキー2013/03/27(水) 23:46:05.61ID:hrpuO8Mr
一線ギリギリ保ってたヤンデレの切れる瞬間は良い物だ
切れる前がまとも(に見えていて)、切れた後は病んでいれば居るほど良い
0017角と稲妻2013/03/28(木) 22:31:59.51ID:fEWh+9fz
三話目行きます。
タイトル/NG「角と稲妻」
0018角と稲妻2013/03/28(木) 22:33:00.50ID:fEWh+9fz
夕べの冗談をまだ引きずっているのか、彼の中で私は草食系と認識されたらしい。
朝食に出されたのは、一山の山菜類だった。私はウサギか何かか。
まぁ、ぱりぱりしゃくしゃくと頂く山菜は、鮮度が高いだけに普通に美味しい。
オオヅノが毟っては口に運んでいる昨日の篦鹿の肉も、一晩かけてじっくり火を通され、大分薫製風の加工食品っぽくなっているので視覚的ダメージも少なかった。
「ごちそうさまでした」
食べ終えて、手を合わせて頭を下げる。オオヅノは相変わらず黙ったまま私を見ている。
長い前髪の間から覗くあまり瞬きをしない瞳の視線を受けながら、治療の魔法陣に魔力を充填する。

充填を終えて、私はちら、と視線を上げる。
これだけ食料が有れば、今日は狩りに出る必要も無いだろう。
彼はどうする積もりだろうか。そう思った矢先、オオヅノが立ち上がる。
彼が足を向けたのは、行き止まりの方の西の部屋。
私が首を傾げて見ていると、彼は間もなく陶製の壷を抱えて出てきた。
高さは40cmほど。端が欠けていて古い、中身は空のようだ。
壷を携えたオオヅノは、今度は真っ直ぐに東の出口へ向かう。
また外へ向かおうとしているのだろうか。
追って立った私に気付いたオオヅノが、踵を返して私の肩を押さえる。
「オオヅノ?」
首を傾げると、彼は私の右足を指さす。
「……待っていろ、と?」
確かに、ひょいひょい歩き回っているが、本来はあまり動いて良いような怪我ではない。
私の言葉に彼が頷いたので、再び腰を降ろすと、彼はもう一度頷いて部屋から出ていってしまった。

廊下を通って彼の気配が遠ざかる。
溜め息と深呼吸の中間のように、息を深く吸って深く吐く。
膝を抱えて焚き火を眺める。じっとしているのは苦手だ。
子供の頃からそうだった。風邪を引いた時、母親に大人しくしていろと言われたにも関わらず、
幼なじみのアイリスちゃんの所に遊びに行ってしまうような、そう言う子供だった。
それでもまぁ、今は早く怪我を治さないと場合によっては命に関わるし、
子供の時代から全く成長が無いと言うのもアレなので、回復に魔力を注ぎながらそっと目を閉じる。
……………………暇だなぁ。

あんな獣のような男でも、居なくなって一人取り残されると……寂しい。
こうしてみると手負いの身に孤独は堪える。
ここは森の中と違って獣の気配も無いし、鳥の声も遠い。
傷を負った時は狩りには出ない。
町に居ればあのうるさい薬師が何かと口出しをして来る。一人にはならない。
だからこの痛みと共にじくじくと染み入る寂寥は辛いのだ。
0019角と稲妻2013/03/28(木) 22:33:31.69ID:fEWh+9fz
隣室の窓から差し込む陽光が赤く色付いても、彼はまだ帰って来ない。
……どうしたんだろうか。
そう思いながらひたすら待っていると、一番星の昇るくらいの時間になって、オオヅノはようやく帰って来た。
「お帰りなさい」
私が声をかけると、彼は頷いて壷と一緒に抱えてた山菜や果物、木の実を床に降ろす。
ちゃぽんと液体の揺れる音。壷からは、甘くてツンとした匂いがした。
何だろう、と首を傾げている内に、オオヅノが部屋の隅の朽ちかけた戸棚から、端の欠けた陶器の器を二つ持ち出してきた。
彼は壷の中身を酌んで、私に手渡す。
ゆらりと揺れる白く濁った液体。焚き火を反射してとろりと光る。
少し野生味のある、だが華やかと言って良い芳香。
果物と酒精の香り……猿酒だ。
猿やコボルト等が、集めた果物を岩の穴や樹のウロに貯め込む。
それが自然発酵して出来た酒類を猿酒と呼ぶ。
勿論、かなり珍しい、貴重な物だ。
山に慣れた者が朝から日暮れまで探し回って、見つかればかなり運が良いと言えるだろう。
「これを探しに行っていたんですか?」
彼が首を縦に振る。
「普段から、よく探すんですか?」
横に振る。
私は微かに揺れる猿酒の水面に視線を落とす。
当然一つずつ味の異なる猿酒は、一期一会の酒とも言われる。
彼がそれを知っているのかは分からないが…………

どうやら私は、思ったより歓迎されているらしい。

私は彼をすっかり化け物扱いしていたと言うのに、彼は丁寧に私を歓待してくれる。申し訳ないような気分になった。
少し考えて、私と向かい合うように腰を降ろす彼を見遣る。
彼も器を手に、そうして私を見ていた。
「……では。一期一会の一時に、乾杯」
器を掲げると、オオヅノも腕を挙げ、二つの器を触れ合わせた。
一息に中身を呷る。
ベースは山桃だろうか。枇杷も入っている。とろりと甘い中にラズベリーの仄かな酸味。胃に落ちた後の暖かさ。鼻に抜ける鮮やかな香り。
あぁ、奇跡的なくらい美味しい。
ほう、と感嘆の息を吐く。
……一生懸命、探してくれたんだろうなぁ。
自分の器を干したオオヅノは、また私をじっと見る。
そして空になっていた私の器に、彼が猿酒を注ぐ。
それを受けて、私も返杯する。
勧められるままに彼が集めて来た山菜や、火の上から下ろした鹿肉に手を付ける。
この辺りの山は、緑は濃いが食べ物が豊富かと言えば、そうでもない。良くこれだけ集めて来るものだ。
薫製のように少し乾いた肉を噛みしめると、じわりと癖のある脂が口の中に広がる。
それを甘い猿酒で呑み下す。喉の奥までさっぱりとした酒精が通るのが心地良い。
酒ですっかり気が弛んでしまったのか、彼の手が届く位置に居るというのに、警戒心があまり湧かない。
どうしよう。これは流石に我ながら単純過ぎるか。
でも、あぁ。この酒は美味しい。
0020角と稲妻2013/03/28(木) 22:36:07.05ID:fEWh+9fz
常識が無くて荒っぽくて、怪力で異質で。でも、見ず知らずの私を助け、住処に連れ帰り、薬と食べ物を与えてくれた。
出自も種族も、名前さえも知れない彼。何者なのだろうか。
彼のことが知りたいと、必要に迫られた訳で無く、自分の身を守るためでも無く、思った。
「オオヅノは、酒は好きですか?」
彼が頷く。
「そう。私も好きだ」
町の地酒とか、故郷のワインとか、アイツの作る薬酒とか。
いつか彼にも呑ませてやれたら、きっと楽しいんじゃないだろうか。
「ずっと、一人でここに住んで居たんですか?」
彼の赤い瞳を眺めながら問い掛ける。
口を開くような素振りをしかけて、二呼吸。結局言葉は発さずに、ゆっくりと一度、頷いた。
「出身は?」
「あー、私? 私はここよりもかなり西の方から」
「自分の歳、数えてます?」
「あの火、魔法ですよね」
酒精で口の滑りが良くなった分、初日の夜の時よりもひっきりなしに喋り掛ける。
彼の方も、初日とは違って、言葉こそ発しないものの、頷いたり首を振ったりして答えを返した。
だからと言って彼のことが何か分かったかと言えばそうでも無いが。
しばらくそうして喋って居る内に、壷一杯分の酒を二人で呑みきってしまった。


片付けを終えたオオヅノが、私の隣に腰を降ろす。
「……オオヅノ」
揺れる火を見つめながら、彼に話し掛ける。
「足の怪我も良くなりました。明日、帰ろうと思います」
視界の端で、オオヅノが頷くのが見えた。
その日はそのまま眠った。生き物が隣に居たからか、昨日より暖かかった。
0021角と稲妻2013/03/28(木) 22:37:15.90ID:fEWh+9fz
本日はここまでです。
次回、ルート分岐でBad Endの予定。
やっと、やっと病める……!
0024名無しさん@ピンキー2013/03/28(木) 23:25:44.21ID:sB0/wLxr
GJ!!
今までのどこかほんわかした雰囲気も好きだけど、次回から病むのか!
無言のオオヅノがどんな気持ちでいるのか分かるのかな
楽しみにしてます
0025名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:05:17.44ID:1FR8KGgl
投下乙!
次回からが本番かw
ifルートも楽しみにしてます
0029名無しさん@ピンキー2013/04/15(月) 11:09:48.93ID:b4n8QVhu
ネットで色々漁ってみると、やはりS系男ヤンデレが人気だな
M系男ヤンデレにも魅力はあると思うんだが

例えば、徹底的に排除されどんなに血塗れのズタボロになろうが女に付きまとう執念のストーカー野郎とか
0030名無しさん@ピンキー2013/04/15(月) 22:28:37.37ID:u1F530Id
ベッドで鬼畜野郎になって女を犯すなら俺は問題ないと思うと言うか見たいかな
0031名無しさん@ピンキー2013/04/16(火) 13:19:10.61ID:sYELbFzm
男のM病みも増えて欲しいなぁ
「俺を犯して殺してくれ」と好きな女に迫ったりする
0034名無しさん@ピンキー2013/04/20(土) 12:14:27.98ID:142g11d1
その女がマトモなら死ぬまで覚えてて貰えるし一石二鳥やん
0035名無しさん@ピンキー2013/04/22(月) 21:37:10.80ID:KkBUhnOs
発想が歪みなく歪んでるな、素晴らしいわ
だが俺は女を支配したい
0036角と稲妻2013/04/23(火) 21:46:04.12ID:Kzja7Epz
タイトル/NG「角と稲妻」
Bad分岐行きます。グロリョナ注意。

・エセ攻略風ルート解説
三日目以降の夜パートに選択できる「町に帰る」を選択した時点で、オオヅノの好感度が高すぎると分岐。
0037角と稲妻2013/04/23(火) 21:46:58.27ID:Kzja7Epz
片付けを終えたオオヅノが、私の隣に腰を降ろす。
「……オオヅノ」
揺れる火を見つめながら、彼に話し掛ける。
「足の怪我も良くなりました。明日、帰ろうと思います」

ぴたり、と。オオヅノの動きが止まった。

*****

帰る。と『レヴィン』が言った。
『それ』は首を傾げた。
快活で賑やかしい生き物が、ここを出て言ってしまうと言った。
何故。怪我が治ったから。
『それ』はシンプルに思考した。
ならば怪我があれば『レヴィン』は帰らない。
「―――レヴィン」
『それ』は言った。それだけしか言えなかった。
『それ』は言語を高いレベルで理解している。知性だって有る。
ただ、長いこと会話をしていなかったから、言葉の発し方が思い出せなかっただけだ。
ただ、『レヴィン』と。
『それ』にも理由は分からなかったが、その音だけはすぐに発することが出来るようになった。
だから『それ』は生き物の名前を呟きながら手を伸ばした。
千切ってしまうと血が出る。血を出し過ぎると生き物は死んでしまう。
だから両手で持って丁寧に折った。
ぱきりとくぐもった手応え。
『レヴィン』が高い声で鳴いた。
肉に埋まって見えないが、多分、綺麗に折れた。
少し、楽しかった。『それ』自身気付いて居なかったが、唇が小さく弧を描いていた。

***

足に走った痛みに目を白黒させながら、レヴィンは這いずるように『それ』から距離を取る。
『それ』はあっさりとレヴィンの足を手放した。
何か不味いことを言ったか!? 酷く気に障るような。レヴィンは『それ』の顔を見やる。
だが彼は怒ってすらいない。獲物を捌く時と同じように、淡々と彼女の足を折った。
油断した。やはり『それ』は化け物だった。
全く理解できないまま、レヴィンは自衛の為の攻撃に出る。
口早に呪文を詠唱し、彼女へ手を伸ばした『それ』に向かって手加減無しに稲妻を放った。
閃光が走り、大柄な体躯が床に崩折れる。
人間なら死ぬような威力だったが、それはまだ生きていた。
それでもしばらくは動けないだろう。荷物を回収する間も惜しんでレヴィンは外へと走る。
足は痛んだが無視した。
0038角と稲妻2013/04/23(火) 21:47:29.47ID:Kzja7Epz
体験したことの無い種類の痛みに襲われ、『それ』は蹲った。
『レヴィン』が怒った……? 痛かったのが気に食わなかったのかも知れない。
『それ』が顔を上げると、『レヴィン』は今までに無い早さで移動して、帰ってしまおうとしていた。
制止のための言葉は発音できなかった。
だから『それ』は咄嗟に『レヴィン』と叫びながら、炉に積んであった煉瓦を投げ付けた。
煉瓦は『レヴィン』の背中に当たって、生き物は詰まったような高い声で鳴いて倒れた。
『レヴィン』は床の上で身を丸めて咳き込むと、肩を震わせて胃の中の物を全て吐き出してしまった。
「レヴィン……!」
『それ』は生き物に駆け寄った。
『レヴィン』はあまり頑丈な生き物では無いようだから、酷い怪我になっているかも知れない。
生き物が死んでしまうかも知れない。
でもちゃんとすれば助かる。『それ』打ち身に利く薬草も知っていた。
自身の嘔吐物に突っ伏した生き物を助け起こし、手当をしようと『それ』は『レヴィン』の服に手を掛けた。

***

戸口に辿り着いた瞬間、何か石のような物が背中にぶつかった。
固くて重い質量。息が詰まり、喉の奥から悲鳴の成り損ないが零れた。
背中は骨が無いから衝撃がモロに通る。
レヴィンは受け身もまともに取れずに床に倒れ込んだ。
肺が可笑しな風に収縮して、咳き込んだ拍子に胃の中身をブチ撒けてしまった。
息が出来ない。喉を圧迫される苦しさ。涙が滲む。
自分の反吐を避ける力も無く、生暖かい半流動体に突っ伏す。
立ち上がろうと動かした指先に力が入らず、半端に床と反吐をかき回す。
当然のように近付いて来た『それ』が、レヴィンの服の襟元を掴む。

***

特別鋭い爪を備えている訳でも無い『それ』の指が、『レヴィン』の服に掛かり、頑丈に作られて居る筈の衣服を容易く引き裂いた。
『それ』が僅かに眉をしかめる。急いでは居たが壊すつもりは無かった。ただ加減を間違えてしまっただけだ。
『レヴィン』が唸りながら彼の肩を突っぱねる。怪我のせいだろうか。悲しくなる程に弱々しい動作だった。

***

服を破かれて、また新たに危機感を覚えた。
『それ』を突き飛ばそうとしたが、『それ』は岩のようにピクリとも動かない。
『それ』がまたレヴィンに手を伸ばす。
訳も分からないまま殺されてたまるかこの野郎……!
喉を塞ぐ反吐を自分の指で掻き出して『それ』を睨んだ。

***

『それ』を押すのとは反対の手を自分の口に入れ、嘔吐物を吐き捨てると、『レヴィン』俯き勝ちに『それ』を睨みながら何事か呟いた。
二回目の、あの痛みが来た。
距離が近いせいだろうか、さっきよりもっと痛い。目の前が赤くなる。
0039角と稲妻2013/04/23(火) 21:48:02.69ID:Kzja7Epz
『それ』がうめき声を上げて丸くなる。
レヴィンは服が反吐で汚れる事も構わずに、肘で這いずって『それ』から距離を取ろうとする。

***

『それ』が顔を上げると、赤くなった視界の中で、また『レヴィン』が帰ろうとしていた。
まだ帰って欲しくない。まだ手当もしていない。
とにかく大人しくしていて欲しくて、『それ』は『レヴィン』を床に押し付けた。

***

『それ』が急に吼えた。
威圧。大熊でさえ竦んでしまうようなプレッシャーに身体が硬直する。
動きの止まったレヴィンに『それ』がのし掛かる。
背中を酷い圧力で押さえ付けられた。
ただの手の平が人外の怪力を発し、肺が押し潰され濁った声が押し出される。
苦痛に涙がぼろぼろと零れる。重さはいよ増してレヴィンを苛んだ。
石の床に押し付けられた肋骨が軋む。苦し紛れに床を掻いた爪が剥がれた。
軋んで、ついには折れた骨の欠片が肺に突き刺さる。
背中に掛かる力に押し出されるように血を吐いた頃には、レヴィンの意識は急速に消えていった。

***

血を吐いて、『レヴィン』が動かなくなった。
随分と薄くなってしまった背中から、『それ』は恐る恐る手を退けた。
手を離しても、『レヴィン』は帰ろうとしない。
帰ろうとしない代わりに、動かなくなってしまった。
死んでしまった。『レヴィン』が。
潰して殺してしまった。
帰って欲しくない、だけだったのに。
さっきまで、酒を酌み交わしながら『それ』の隣に居た筈なのに。
どこで、どこかで、間違ったのだろうか。
酒は好きかと問うた彼女の、あの笑顔を傍らに置いておきたいだけだったのに。
時間を掛けて理解したそれの目から、大粒の涙が零れた。
泣きながら手を伸ばす。触れた頬はまだ暖かい。
引き寄せて抱き締めると、暖かい身体はまた壊れた。
喉の奥から嗚咽が漏れる。遠吠えのような声で、それは泣いた。

***

村の狩人たちの間に、ある噂が流れた。
『村の北の山奥に、人間の死体を抱えた亜人が出る。何かの名前を繰り返し呼んで慟哭している。酷く危険なので、近付いてはいけない。それは悪魔である』
0040角と稲妻2013/04/23(火) 21:50:10.24ID:Kzja7Epz
以上です。
次回、何事も無かったかのように本ルートの続きの予定です。
0041名無しさん@ピンキー2013/04/24(水) 00:38:21.89ID:Qtr7R9ZN
投下乙!
グロリョナは見れないので今から別ルート楽しみにしてるぜ!w
0042名無しさん@ピンキー2013/04/24(水) 23:19:21.47ID:nChBMYa2
GJ
怖かったけど、オオヅノがかわいそうだった
レヴィンもかわいそうだった

次回に期待!
0043名無しさん@ピンキー2013/04/27(土) 23:09:45.44ID:QvntV9W2
ビッチ女×ヤンデレ男(スクイズの男女逆バージョンみたいなの)みたいなのが読みたい。
ヤンデレが精神的にひどい目にあって追い詰められるのが観たい。
喪女スレは喪女ばっかりだから、ないんだよな。
0045名無しさん@ピンキー2013/04/28(日) 09:27:38.20ID:9JrZnWkL
女向け作品の女主人公って読み手の女に受け入れられやすいように作られてるから
ぶっ叩かれやすいビッチは普通の恋愛物でも少ないよな
女性向け恋愛ゲームも全年齢・R18問わず恋愛初心者ヒロインが圧倒的多数を占めてるし
0047名無しさん@ピンキー2013/04/29(月) 02:35:41.03ID:8T8NVpcn
角と稲妻>
投下乙です!
レヴィンもオオヅノも報われねえ…だがそれも良し
遺体をミイラ化しても後生大事にしてる光景を想像するともう萌え死ぬ
ハートフルなヤンデレルートも楽しみにしてます!

女主人公がビッチ(というか性に奔放)な作品は本当に見かけないね
たま〜〜に非処女を見かけるけど、やはりビッチではない
エロゲ主人公は平凡童貞やら鬼畜ヤリチンやらバラエティ豊かなのになw
0048名無しさん@ピンキー2013/04/29(月) 02:55:36.71ID:+MDA+s4E
>>46
それは偏見だろ
実際は彼氏持ちや既婚者がストレス解消にやるのが主流
ガチで恋愛できない女は恋愛要素のない一般ゲーに向かう
0049名無しさん@ピンキー2013/04/29(月) 04:11:49.50ID:JxPM/O3L
リアル男女の話題出されると萎える
二次元スレでは水ささないでくれよ
0050名無しさん@ピンキー2013/04/29(月) 07:21:36.17ID:+MDA+s4E
でもなぁ
女性が二次元恋愛を楽しむのも当然っちゃ当然なんだよな

惨事男は「燃えない(萌えない)ゴミ」と呼ばれてるらしいし
確かに二次元男と比べりゃゴミかもな
0051名無しさん@ピンキー2013/04/29(月) 15:05:29.60ID:JxPM/O3L
三次男は燃えないゴミか
名言だな
男ヤンデレジャンルにこそ相応しい言葉だ
0053名無しさん@ピンキー2013/04/30(火) 00:59:17.32ID:/8H5Mof4
激グロ惨事と恋愛したい女性なんていないだろ…
汚ならしい
0054名無しさん@ピンキー2013/04/30(火) 06:54:25.07ID:nzMpWj/U
>>51
ヤンデレに「部屋のゴミは捨てておいたよ」って意味深に言われるんですねわかります
0055名無しさん@ピンキー2013/04/30(火) 22:03:12.67ID:bgAJqBV/
好きなバンドに付いて意気投合したクラスメイトの男子が、ヒロインの持ってるCDを借りに部屋に遊びに来た
ヒロインが飲み物を取りに下に降りた所で>>54
三分程度の間の出来事である
0056名無しさん@ピンキー2013/04/30(火) 23:02:20.06ID:wFBfsZB+
>>51
まあ三次のヤンデレはただのストーカーだからw
普通に嫌だよ。けど二次になった瞬間好物になる不思議
0057名無しさん@ピンキー2013/05/02(木) 21:54:48.23ID:8gSVffDL
そりゃそうだ
ヤンデレに限らず、フィクションでは好きだけど実在したら
関わりたくない、ってタイプのキャラはいくらでもいる
あくまで外から眺めていたいのであって、当事者になりたい
訳ではない

好きな女を精神的に追いつめてボロボロにして
「私を必要としてくれるのはこの世にこの人だけなんだ」
と自分だけに依存させるヤンデレが見たい
0058名無しさん@ピンキー2013/05/06(月) 19:34:00.93ID:Veqayabx
三次で萌えるのは歴史上の人くらいだな
少なくとも生きてる人は無理だ

上に出てたビッチヒロインで富江を思い出した
この作品に出てくる男は最初マトモな人間なのに、
ナチュラルボーン・ビッチな富江のせいでことごとく病んでいくw
ただ、富江のインパクトがメインな作品なので
男ヤンデレ的にはあんまり美味しくないな
0061角と稲妻2013/05/20(月) 22:09:29.19ID:1gJdWaLb
>>60
はーあーい!


四話目行きます。
タイトル/NG「角と稲妻」
0062角と稲妻2013/05/20(月) 22:10:27.16ID:1gJdWaLb
翌日、日の出と共に目を覚ました。
大きく伸びをして身体の筋を解す。
ここ数日石の床の上で寝ているせいで妙な凝りが付いている。
隣を見遣ると、私が動き出したからか同じように目を覚ましたオオヅノがのそりと動き始める。
昨夜の残り物で手早く朝食を済ませ、日が昇りきる前に荷物をまとめて出発することにした。
大分しっかりしてきた足取りで玄関ホールに立つ。
「あ、そうだ」
影のようにそろりと付いて来ていたオオヅノを振り返る。
「あれ、貰って行っても良いですか?」
そう言って、入り口の向こうに見える厨房の骨の山を指すと、彼は不思議そうに首を傾げ、それでも頷いた。
「ありがとう」
彼にお礼を言って、取り分けて置いた一山に近付く。
橙角鹿の角や水蜥蜴の翡翠色の牙、羊歯山羊の胆石。
保存性が高くて薬や装飾に使われる素材の類。
どれも換金性が高くギルドに持ち込めば、そこそこの値段で買い取って貰える。
欲張らず、負傷した足でも不自由無く運べる程度の量をバックパックに納めて背負った。
何分手ぶらで帰るとその日の食卓にも直結する職業だ。今回はこれでようやく首の皮一枚繋がったことになる。
手袋を填め靴紐を確認し、水筒やポーチの位置を確認し、忘れ物が無いか確かめて外へ出る。
朝の早い時間の光が樹冠から射す。雲も少ない良い天気で、これなら俄雨に降られる心配も無さそうだった。
最後にもう一度、彼にお礼を言おうとした所で、オオヅノがふらりと森の中に分け行ってしまった。
だが、あちゃあと思いながらも私がお別れの踏ん切りを付けるより早く、ばきりと鈍い音が聞こえた。
程なく姿を現した彼が、私に太い木の枝を差し出す。
枝の太さは私の手首より二周りほど細い程度。その端は今まさにへし折られた生々しい裂け目を晒している。
「……杖代わりに?」
訪ねるとオオヅノが頷く。私がまたお礼を言って枝を受け取ると、彼はちらりと視線を寄越し、背を向けて歩き出す。
「……レヴィン」
ぼうっとその背中を見ていたら、直ぐに立ち止まった彼が肩越しに振り返る。
あぁ、道案内をしてくれているのか、と気付いて、私は枝を杖代わりにしながら彼の後に付いて行くことにした。

下草を踏み越えながら、慣れた様子でオオヅノが足を進める。朝露で濡れた木の根で滑らないように気を付けながら、私も続く。
黒い蓬髪と鉤裂きだらけのボロ布に身を包む彼は、遠目には黒い毛玉にでも見えそうだ。狩人と遭遇したら、毛長熊辺りと間違えられるんじゃないかと言う思考が脳裏を過る。
木の生い茂るなだらかな斜面を下ること約10分。川原に出た。
広くて浅い川で、深さは見た所、膝くらいまでだろうか。向こう岸は高さ10メートル近くの、崖に近い角度の急斜面になっていた。
崖の上の木々を眺めて、私は、あー。と声を零す。
「ひょっとして、オオヅノが私を見つけたのはこの辺り?」
訊ねると、前を行くオオヅノの頭が動く。頷いたようだ。
と、すると、私が普段狩りをしているのはあの崖の上。
万全の体調で登山用ピッケルの一本も有ればこのくらいの崖なら登れるが、この足では無理がある。

村から見て北の山が私の狩場で、谷底に川を有するこの崖は、その山を北西から南東へ横切っている筈だ。
私が崖から落ちた位置は村から見て北東の位置。けれど、知っている限り崖の下に降りるには、ずっと西に回りこまないといけない。
歩いて丸1日かかるので、普段は崖下にまでは来ないのだが……

オオヅノは迷わず川下の南東方向へ足を進める。こちら側へは、山を居りきって平原に出れば村へ続く街道へ出る筈だ。2日近くかかるが。
帰宅を早まったかと思うこと30分。彼が進路を変えて川の方へと足を向けた。
岩伝いに跳んで川を渡るオオヅノが私を振り返る。身軽に、と言うわけには行かないが、私も何とか彼に続く。
川を超えた先の崖には、斜めに切れ込みを入れたような坂が張り付いていた。
緩やかとは言えないが、今の私の足でも登れる程度だ。こんなルートが有ったのは知らなかった。
「あぁ、ここなら登れそうです」
そう言って、杖を突きながら勢いを付けて一気に登り切る。体重を掛けてしまった足の痛みに顔を顰めながらも、崖の上へ出る。
川と太陽の位置から見当を付けた方角に、目印の大楠が有るのが確認出来た。
勢い込んで2、3歩。オオヅノを追い越してしまった。振り返りついでに彼に笑む。
「案内をしてくれてありがとう。此処からなら一人でも帰れそうです」
そう言うと、彼は少し当りを見回してから頷いて私に背を向ける。
「この礼は、またいずれ」
坂を下って行く背にそう告げて、私も踵を返した。
0063角と稲妻2013/05/20(月) 22:12:49.91ID:1gJdWaLb
―――『レヴィン』が帰ってしまう時のこの感情を、何と表すのだろうかと、『それ』は思考した。
青くてピリピリする。氷のような感情だ。
壁に空いた穴をヒュウと抜ける。乾いた風のような感情だ。
その感情は遠い昔、『それ』が未だ小さかった頃、朽ち葉の匂いのする夜に、独り火を見詰めて居る時に、心を満たして居たような気がする。
いつの間にか枯れてしまっていたその感情が、再び心に満ちている。
またいずれ、と。『レヴィン』が言ったから、『それ』は辛うじて救われたような気分になった。
今日の夜はきっと、静かで寒いのだろう。―――




速度の出せない足で散々歩いて日の暮れる少し前、ようやく村に帰って来れた。
道すがら農場の旦那さんが私の姿に驚いて、送ろうかと聞いてくれたのを笑って辞退しながらも、村のやや外れの方にある一軒の家に辿り着いた。
二階建ての家。木造で、外壁は漆喰で塗られた白。
薬師を表す乳鉢と草の絵の簡単な看板の下がった木戸を開ける。
「いらっしゃ―――……ッ!?」
カウンターの上に広げた本から目線を上げた青年が絶句する。
年の頃は私と同程度。清潔でシンプルな服装に、腰巻きエプロン。
これと言って特徴のない中肉中背の体躯。
整っているからこそ派手さの無い、穏和で朴訥とした容貌。
適度な短さで切り揃えられた茶髪はありふれた色彩。
驚きに見開かれた瞳だけが、不釣り合いな程に鮮やかで上品な紫色をしていた。
「ただいま〜」
私は緊張感の無い口調で言って、ついでに手を振る。
「レヴィンっ!! ずっと何処にっ! いや、怪我! 怪我は!? 何処か痛い所は!?」
瞬間的な硬直を吹き飛ばして、エルバが怒鳴る。
彼はカウンターのスイングドアを跳ね開けて詰め寄って来た。

彼の名前はエルバ・サルーターリス。職業は薬師。
私の幼なじみで、同居人。腐れ縁。
と言うか、彼が薬師の師匠のツテで、この住居兼店舗の建物を借りているのに、一枚噛ませて貰っている形だ。
同時期に村を出ることにした私達は、いざと言う時の護衛、いざと言う時の薬箱、
とそれぞれの思惑で徒党を組んでしばらくあちこちを旅をして、そうしてこの村に居着いたのだった。

有無を言わさず調合室に引きずり込まれ、診察台に座らせられる。
「足ひねっちゃってさ、山奥に住んでた亜人の人に助けて貰ったの」
言いながら捻った方の足を持ち上げると、即座にブーツと靴下を脱がされた。
「……捻ったって……折れてるじゃないかこれ……」
眉をしかめたエルバが唸るような声で言う。
「あぁー。やっぱり? ちょっと熱が出たからそうかなーと」
「全く…………応急処置は良かったみたいだけど……少し強く触るよ」
んー。と生返事をすると、跪いたエルバが私の足を取り、仔細に触診する。
痛い。が、まぁ生傷の絶えない職業なので痩せ我慢する。
「何日前?」
「三日前」
「打ったの?」
「良く分かんない。崖から落ちたから」
「なっ……気を付けろよ、もう……! 他の所は!?」
「あんまり大した事ないよ。これが一番でかい怪我」
「全く…………」
溜息を吐いてエルバが立ち上がる。
0064角と稲妻2013/05/20(月) 22:13:28.39ID:1gJdWaLb
あれこれ用意をして、湯の入った桶だのタオルだのを揃えて
「服、脱いで。傷見るついでに身体拭くから」
「風呂屋行きたい」
「無理。明日以降にしなさい」
「えー」
ブーイングはしながらも服を脱ぐ。
医者の前で恥ずかしがっても意味は無いし、人を女とも思っていない奴に対してはもっと意味が無い。
例えば左の内腿の目立つ傷は、河原牛の角にやられた傷で、これを治したのも彼だ。
エルバが精油を垂らしたお湯にタオルを浸け、絞ってから私の身体を拭う。
「あー。痣になってる。酷い」
背中を拭きながらエルバが嘆く。
「こっちも打ち身だ。湿布作らなきゃ」
一通り拭き上げて、エルバがタオルを投げて寄越す。
腕が使えない訳でもないので、流石に胸だの下着の中だの際どい所は自分で拭く。
エルバが作業机に向かっている間に、下着まで脱いで拭いてしまう。
精油が良い香りで、一通り拭うと、随分さっぱりした。
「あ、着替え」
「そこの篭」
「お、用意が良い」
振り向かずに言ったエルバの言葉で、篭の中の服を見付ける。
下着だけ着けて髪を拭いていると、もう良い? と声を掛けてからエルバが振り向く。
「髪も洗いたい」
「思ったよりマシだったから、右足を湯に浸けないなら明日行って良いよ」
「わぁい」
エルバが調薬したばかりの膏薬を、痣だのの上に塗って布を巻く。
足だけは別の薬を塗り添え木をして、しっかりきっちり包帯で巻き固める。
しかし凄い臭いだ。これでは動物から見たら大声で自己主張しているのも同じだ。
とてもじゃないが山には入れない。まあ数日は療養に始終しそうだが。
「はい終わり。夕飯作るから、さっさと食べて早く寝な」
「鳥たべたい」
「はいはい」
答えながら机の上を片付けて、エルバが調合室を出る。
篭の中から着替えを取り出しながら、私はその背中に声を掛けた。
「ありがとね、エルバ」
「うん」

部屋着に着替えをして、先に荷物を持って二階に上がる。
ここはエルバの師匠であるクラウト先生が昔、診療所として使っていた建物で、入院が必要な患者を受け入れられるようにと、二階には部屋が六つもある。
階段を上って廊下の左右に部屋がある。右手の三つある内、真ん中の部屋が私の部屋だ。
部屋に入って突き当たり。大きな窓の前にある机の上に荷物を乗せる。
荷物を解いて、洗ったり補充したりする必要の有る物を分ける。
包帯はほとんど使いきった。ナイフは研ぐべきだ。ブーツは紐はまだ大丈夫だけど、磨いて油を塗り直した方が良いだろう。血止めの薬は使ってないから大丈夫。
急ぎの物が無いことだけ確認して棚に荷物をしまい、普段用の平靴に履き換える。
0065角と稲妻2013/05/20(月) 22:14:01.36ID:1gJdWaLb
ゆっくりと階段を下り、階段の向かいのリビングキッチンに入った。
鳥の焼ける香ばしい香り。油の跳ねる音。
食欲をそそる空間に、胃がくぅ、と鳴く。
「ごっはーん」
「もう少しだよ。パン切っといて」
フライパンと向き合いながらエルバが言う。
「はいよー」
答えて、戸棚から丸い白パンとパンナイフを取り出して何枚か切り分ける。
篭に入れたパンを食卓の上に置く。それからバターの壷とオリーブオイルの瓶を出す。
エルバが卓の上に皿を並べる。メニューは鳥のムニエルにサラダにスープ。
私はその周りに木の柄のナイフとフォークを並べる。
最後に席に着き、木のコップに水差しから水を注いで軽く掲げる。
「狩りの女神に」
「友人の帰還に」
私とエルバ、それぞれ述べて食事に掛かった。
薄く小麦粉をまぶして焼いた鳥は、外側はサクッと仕上がっているが、ナイフを入れると肉汁が溢れる絶妙な火の通り方。バジルのソースはパンに良く合う。
スープには何種類かのキノコが入っていて、咬むほど味が出る。
サラダは普通の農家で作っている野菜の他に、エルバが育てたり摘んだりしてきたハーブが入っていて、少し独特の味がする。
偉く久しぶりに感じる文明的で家庭的な味に舌鼓を打つ。エルバのごはんは美味しい。
「どこまで狩りに行ってたの。こっちは気が気じゃ無かったんだから」
鳥を切り分けながらエルバが尋ねる。
「いつもの北。ゴブリンに追いかけられて崖から落ちたの。あー、そうだ。ゴブリンの群、ギルドに報告しなきゃ」
答えながら一人語ちる。ゴブリンやオークのような危険指定種は遭遇情報の報告が推奨されている。
少ないが報奨金も貰えるので、私はまめに報告する方だ。これがもっと上位の殲滅指定種だと、報告は義務になったりするが、これは別の話だ。
「無茶なことするなぁもう……」
エルバがボヤく。
「ゴブリンが出たのは私のせいじゃ無いって。そっちは何も無かった?」
「うん。こっちはいつも通り。今日、狩りで怪我したって人が来たけど、三日位じゃギルドの所属の人達は心配もしてなかった」
「そりゃあねえ。私は一日置きには帰ってるけど、一週間位山に籠もりっぱなしって奴も居るし」
「これだから冒険者って奴は……」
「それは置いといてワイン飲みたい」
「却下」
「けちー」
「無駄に血行良くすると足が痛むだろ」
溜息を吐きながらエルバが言う。
「酒は百薬の長と」
「物理的損傷には効きません」
屁理屈はぴしゃりと切って捨てられた。

「ほら、もう寝な。寝た方が治りが良いんだから」
食事が終わるなり、片付けは良いから、とエルバに促され
「んー。分かった。おやすみ」
「おやすみ、レヴィン」
挨拶を交わして二階に上がる。
これまた偉く久しぶりに感じる布団に横になると、それまでの疲れがどっと出て来て、未だ早い時間にも限らず、私は泥のような眠りに落ちた。
0066角と稲妻2013/05/20(月) 22:14:35.37ID:1gJdWaLb
以上です。新キャラ登場回。
オオヅノは多分レヴィンの羽織ってた布クンカクンカしてる頃。
一人ぼっちは寂しいもんな。
0067名無しさん@ピンキー2013/05/21(火) 08:43:32.88ID:CjAfeFzx
あっなんかレヴィンがかっこよかったのが、今回は可愛い!
0070名無しさん@ピンキー2013/07/08(月) NY:AN:NY.ANID:OgJCmFWk
谷山浩子の曲、女ヤンデレも多いけど、男ヤンデレの曲も中々素晴らしい。
個人的には王国、仇、第2の夢・骨の駅、SAKANA-GIRL辺りがオススメ。
特にSAKANA-GIRLが電波でカニバで最高。
0071名無しさん@ピンキー2013/07/10(水) NY:AN:NY.ANID:WMWENpaH
まさかこのスレで浩子さんの名前を目にするなんて
森へおいでもすごく良い怖い
0076名無しさん@ピンキー2013/08/10(土) NY:AN:NY.ANID:ZE28DU4G
昔どこで読んだか忘れたんだが
ヒロインがヤンデレホイホイな女子校生で
周囲の教師や先輩やetc・・が協力して?拉致監禁で共有するってのがあった
暗闇で複数の男たちから無理やり犯されたりプレイを強要されたりとの
ヒロイン視点からばかりなので
ヤンデレ達がどうやって共存してるのか不明なままエタったけど
(ヒロインが拉致前の過去の思い出を思い出す→その時に犯してるのがその男だろうなってわかるような書き方)
ヤンデレ男たちが共有する感覚ってのも面白いなぁと思ってた。
でも続いてたらヤンデレ達が結局は殺し合ってヤンデレ蠱毒になっていたのかなぁ・・・
0077名無しさん@ピンキー2013/09/07(土) 21:14:07.07ID:Vvq3bsab
ほしゅ!
0080名無しさん@ピンキー2013/10/04(金) 02:31:53.38ID:FaMj16Tg
このスレまだ残ってたんですね。嬉しい。
興奮に任せて投下します。勢いだけ。ワンパターンな上に、無駄に長いです。

※※※




美容室からの帰り道だった。

あの日、私はどうしても気晴らしがしたくて、じっとしていられなくて、授業が終わると、教室を飛び出していた。
その足で、馴染みの美容室へと向かった。
変えたかった。髪型だけでも良いから。
今までの自分とは違う自分へ。ただ、それだけだった。
なのに、どうしてだろう。こんなことになったのは。
過ちは覚えている。家路の途中、古書店に寄った。路地裏の小さな店舗。顔見知りの店員。甘い、年代物の書誌の香りに、軋んだ古い床板。
全てが、見慣れたもの特有の、あの軽やかな安心感に包まれていた。
見るともなしに本を眺め、目当ての雑誌を購入し、店を出た。

過ちは覚えている。店へ立ち寄った事だ。
過ちは覚えている。どうして私は、すぐに店を立ち去らなかったのだろう。

50mを過ぎた辺りで、突如、腕を掴まれた。
振り返ると、古書店の店員が居た。
「鞄の中を、見せてくれる?」
息も乱さず、優しく微笑みながらそう言った男の指先は、途方もなく力強かった。
0081虚像の詩2013/10/04(金) 02:45:46.83ID:FaMj16Tg
いやなんです
あなたのいつてしまうのが 
花よりさきに実のなるやうな
種子よりさきに芽の出るやうな
夏から春のすぐ来るやうな
そんな理屈に合はない不自然を
どうかしないでゐて下さい――……

          ※

乾いた室内に、男の声が響く。
抑揚なく読まれる詩は、中身がどうであれ、陰気で不気味なものに聞こえるのは変わりない。
マナは、耳を塞いでいた手に力を込めた。
呪文のような不吉な声から、少しでも逃れたかった。
「『智恵子抄 人に』。高村光太郎が、愛する智恵子に贈ったと言われる詩だけど……」
パタン。と本を閉じた音と同時に、男が話しかけて来た。
それを合図に、マナは涙を拭いて顔を上げる。
視線の先で、男が静かに微笑んでいた。朗読のあとに、講釈が始まるのは、いつものことだった。
「この詩で、高村光太郎は、縁談話を受けようとする智恵子の事を『その身を売るきになれるんです。あなたはその身を売るんです』と、
まあ暗に貶めているんだけど、その実、光太郎は、智恵子を手に入れたその日から、彼女を徹底して美化することで精神的に束縛してしまうんだよね。
俺は、光太郎の妄想的な愛情が、晩年の智恵子を壊したんだって本気でそう思っているんだけど、君はどう思う?」
「……分かりません」
「分かりません、ね。いつもその返事だな」
男が、低い声で笑う。
マナは、男の低い笑いを無視する事が出来ない。
嘲笑されている事は確実なのに、男の声は、かえって透明に響くようで、自然と染み込んでくるのだ。
その感覚に、いつも恐怖する。
「君に少しでも反省の意があれば、もっと楽しい会話が出来ると思うんだけど」
「……」
「身が入らない?」
「……」
「君が盗んだこの本が、どれだけ価値があるものか、教育しようとしているんだけど」
「……私、盗んでいません」
「まだ、言うんだソレ」
男はまた低く笑った。

あの日、世界の全てが暗転した。その瞬間を、マナは忘れられない。
『最近多いんだよね。君みたいな子』
そう言った男は、古書店の店員だった。期間にムラがあるが、三年程前から、あの店で顔を合わせている。
話しかけられたのは初めてで、ましてや、腕を掴まれる事なんてありえなかった。
鞄の中を見せてくれる?と協力を求めてきた男は、実際のところ、何の許可も得ずに自分の鞄の中を物色し始めた。
呆気に取られて硬直していると、男は、一冊の本を取り出した。
赤茶けた表紙の、古い本だった。
その書籍が、何故自分の鞄の中に入っていたのか、マナには到底見当もつかなかった。
『一週間ぐらい前にも警察に処理して貰ったんだけど、君達って懲りないの?』
男の言葉で、ようやく自分が追求されている事に気付いた。
0082虚像の詩2013/10/04(金) 02:49:52.80ID:FaMj16Tg
『え、何ですか。し、知りません! 私……そんなの』
『シラをきるつもり? 鞄の中に入っていたのに?』
『本当に知りません。あの、私本当に』
『万引きするやつは、大抵そう言う』
万引き。
瞬時に、顔から血の気が引いていく。
『ま、万引きって、何が……私が?』
『君さ、さっきウチの店で、この本を手にとって見ていたよね』
男の手元に視線を落として確認する。
確かに、その本を手に取った覚えがある。だが、それだけだ。
普段から、古書を眺めるのが好きだった。古い装丁。インクの匂い。ザラつく手触り。
自分の知らない時代が、まだそこに息づいているようで、郷愁にも似た物懐かしい思いを感じられるその感覚がマナは好きだった。
だが、そこに金銭的な価値を見出したことは一度もない。窃盗だなんて、尚更だ。
マナは狼狽した。猜疑の目を向けられている。そんな経験は、生まれて初めてだ。
『見たのは事実です……でも、万引きしようだなんて思いません。何か、偶然に、鞄の中に入ったとか』
『偶然、ね』
切り口上で、男は、マナの目の前に本を突き出した。
冷めた双眸。なんともない、と言った様子で、題名を読み上げる。
『【高村光太郎著 智恵子抄】初版本。これ、オークションにかければ3万超えは確実な代物なんだけど、こんな偶然を信じろって?』
『あ……私…』
『あのさぁ。話してても埒が明かないから、警察呼んでいい?』
肺に、氷水を流し込まれたかのように、冷気が全身に走った。
足が震え、途端に呂律が回らなくなる。
(ケイサツ?)
頭の中の混沌が、痛いほどだった。
『けいさ、警察ですか?』
『そう、警察』
男が不意に視線を逸らした。
冷然とした横顔からは、感情は読み取れない。
『君が盗んでないっていうんなら、そう警察に言えばいい。言い分があるみたいだし。でも、俺も事実を言うから。
君の指紋がついてる時点で、話は終わっているようなものだけど』
『ま、待ってください』
『とりあえず、店来て。あ、いや、戻らなくてもいいや。あそこに行こ。そのほうが早い』
男は、道先の向こうにかろうじて見える小さな施設を指差して言った。
マナは愕然とした。その建物が何かを知っている。交番だ。
『お願いです。待ってください……お願いです』
歩き出した男を、必死で呼び止める。
『お願いします! 待ってください!』
『なに?』
無感情に自分を見つめる男の瞳に、萎縮した。
それでも、声を絞り出して言った。
『お願いします……話を聞いてください…』
『警察は、嫌ってこと?』
震えながら頷いた。
『じゃあ、学校に連絡する?』
大きく首を振った。反動で、体がよろけた。
男が咄嗟に支える。
縋りたくもないのに、マナはその腕に縋りついてしまった。
足元が縺れてふらつく。殆ど力が入らない。脱力しきった腰から下の感覚がなかった。
マナは自分の体を呪った。頭が混乱して、自分を威迫してくる男の手の平の温かさにすら、涙が出そうだった。
男は、相変わらず涼しい顔をしている。
『じゃあ親を呼ぶ? なにがしたいの。言ってよ』
涙がこぼれる。解決策なんて分からなかった。
だから、懇願する事しか出来なかった。
0083虚像の詩2013/10/04(金) 02:55:22.35ID:FaMj16Tg
『誰にも、言わないで下さい。お願いします……』
──出来るだけのことは、しますから。
沈黙が続く。針のような鋭い空気に耐えながら、マナは、ただひたすら男の腕を握り締めていた。
男の腕が僅かに動く。
『君、名前は?』
名前を聞かれた。若者らしい、澄んだ声で。
『……木原愛』
『キハラマナちゃん、ね』
男の暖かい指先に、力が戻る。
何を言うでもないが、交渉が成立したのだと、マナは理解した。


         ※


「俺さ、体温高いらしくって、いつも手が熱いんだよね」

男は、『薫』と名乗った。この古書店の店主の孫で、三年ほど前から、大学の夏休みを利用して店舗を手伝っているのだと説明した。
薫は、平均的な大学生の容貌をしている。遊ぶことにも、勉学することにも慣れた、学生らしい学生だった。
この古書店は、一般的な古本屋とは本の種類を画しており、希少な学術書や、絶版の文芸書や美術書を主に取り扱う事で固定客を獲得して、
売り上げを維持しているらしかった。それが、同時に学生達の小遣い稼ぎの標的にもなっていて、迷惑しているのだと、あの日、薫は言った。

「だからなんだ、って事はないんだけど、女の子には好評みたいでさ。触ってあげると大抵喜んでくれるんだよね」
ベッド脇に座り込んでいるマナは、薫の言葉を聞かないように、耳を塞ぐ。
早く時間が過ぎてくれと、切に願う。
「マナちゃんも、俺の手、気持ちいい?」
語りかけてくる男の声を無視する。
何日たっても、どれだけ慣らされても、怖いものは怖かった。
体の震えも、止まる気配がない。
「……いい加減、こっち向いたら?」
薫が、面白くなさそうにため息を吐く。
パラパラと、頁をめくる音がまた室内に響いた。
パラパラ…パラ、パラ。
意思のこもらない怠惰な間隔が、鬱陶しい。
我慢できずに、マナは叫んだ。
「もうやめてください! こんな……毎日毎日、嫌がらせ……もうたくさんです!」
薫は、本を床に置いて、足を組み替えた。
無機的な眼でマナを一瞥する。
薫は、あの日から継続的にマナを店へと呼び出していた。
『教育』と称して、『盗品』の本を朗読し、事後に感想を求めることで彼女の精神を抑圧していた。
そして最後に、奉仕を要求する。
マナは疲弊し、食事も取れないほどだった。
「……また、人を悪者みたいに」
薫は、再度短く息を吐いた。
マナの非難を何とも思っていない。退屈そうに、首筋を揉んでいる。
「強気だね。君は」
「だって、私は」
「盗んでないって?」
0084虚像の詩2013/10/04(金) 03:02:57.91ID:FaMj16Tg
マナは言葉に詰まる。
だが、躊躇したのは、一瞬だった。
「……警察を呼んだら、困るのは、薫さんなんじゃないですか」
「俺が?」
薫が、椅子から立ち上がる。
マナの体を引き上げ、ベットへと腰掛けさせる。
マナは逃れようと身を捩ったが、薫の熱い手のひらが、肩を押さえた。
「マナちゃんは、困らないの?」
耳元で囁かれた。ぞくりとするような、落ち着いた声色だ。
マナは思わず顔を逸らす。
頬が紅潮して、口の中が干上がるようだった。
端然とした薫の態度に、不安を覚えたのだ。
爆発させた威勢は、どこへ行ったのか。はや収束の一途を辿っている。
汗が流れる。薫が怖かった。
「……何がですか」
「なにがって」
薫の指先が、薄い皮膚の表面をなぞる。
それだけで、マナの血は沸き立ち、太股が鮮やかに染まった。
「御両親に、この事がバレても」
マナは、薫を睨み付けたが、効果がなかった。
逆に、要求された。
「口、あけろよ」
男の一言に、マナは青ざめた。
「やだ……」
「なんで?」
「……なんでって」
「あの日は、あんなに素直だったのに?」
「やめてください!!」
マナは、薫の手を払いのける。
──鮮明に記憶が蘇る。戻った店舗。消えた電灯。
閉ざされた書庫の中で、マナは薫に抱かれた。
苦痛で始まった行為だったが、忘失するまで、何度も体を合わせた。
何度も何度も。濡れた肢体が、乾く間もないほど。
「……やだ…」
吐き気がこみあがる。薫にではない。自分にだ。
「警察を呼ぶって事は、ご両親にばらしてもいいって事でしょ? あなたの娘さんは、万引きした罪を帳消しにする為に、男に股を開きましたって言っていいの?
フェラして、精液飲んで、あそこを舐められて、何度もイキましたって」
「やだ!!」
「言っていいんでしょ? あなたの娘さんは、もう処女じゃないんですよって」
「やめて!!」
「……」
「……やめて」
「覚悟がないんだったら、最初から言わなければいいのに」

マナが震えて身をかがめていても、薫は特に気にしない。
平然として、変わらない口調でマナに命令する。
「足、広げて」
流れる空気が変質する。
もとからある筈もなかったが、薫が決定権を握ったのだ。
マナにはもう、拒否する機会はない。
それでも黙っていると、薫は催促しだした。時間の無駄だと言いたげに。
「分かってるだろ? 服脱いで」
「……」
0085虚像の詩2013/10/04(金) 03:06:56.55ID:FaMj16Tg
マナは言われたとおりに、服を脱いだ。制服、スカート。靴下と、下着姿になる。
薫は、側に寄せた椅子に座り直して、その様子を眺めていた。
学校指定の、校章入りのハイソックスに手をかけたところで、椅子から立ち上がった。
マナの髪を掴み、強引に口付けをする。
性急で、暴虐な薫の舌に驚き、思わずマナはベッドに倒れ込んだ。
マナの上体を引き上げながら、薫は苦笑した。
高い体温とは裏腹に、薫の冷たい唇は、マナに爬虫類を思い起こさせる。
「まだ慣れないの?」
「……」
マナは沈黙に徹する。
「口あけろよ」
言われたとおりに口を開くと、生ぬるい粘膜の接触が始まった。
この行為は、いくら経験しても、違和感しか覚えない。
一掴み程の暖かい肉塊は、どうしても人間の付属品だとは思えなく、いつも奇妙な感覚に囚われる。
それでも、一定の手順を取れば、幼い肉体でも順当に反応していくようで、薫が舌を抜く頃には
マナの頬は色づき、瞳が潤み始めていた。
薫は微笑んだ。
マナの唇に指先を押し付ける。
やはり、熱い指だった。
「可愛いよ。マナちゃん」
首筋、耳たぶ、胸の谷間。鳩尾から、臍へ。薫の口付けが下りていく。
ベッド脇にひざをつき、マナの足首を持ち上げる。
ハイソックスを脱がし、幼く清らかな膝頭を口に含んだ。
マナは羞恥に、身を竦めた。
年上の男性を傅(かしず)かせているようで、その光景に嫌悪を覚えた。
淫猥さに、顔を背けたくなる。
「やだ! 薫さんやめて!」
「大人しくしててよ」
薫は、マナの抗議に取り合わない。どんな場面でも、自分が奉仕する側に回っても、主導権が変わらない事をわかっている。
細くて幼い足の輪郭を、舌と指先を使って堪能する。
シミもなく、傷跡一つない白磁の美しい流線は、香るほのかな体臭すら甘く、薫は満足げに口元を綻ばせた。
「『愛』と書いて、『マナ』ね。ご両親は、本当に君が愛しくてたまらないんだろうな」
「……っ、な、にが」
薫の淫靡な動作の一つ一つに、マナは歯噛みする。
足の裏に舌が回る。普段は滅多に触れられる事のない場所への愛撫は、予測すらしていなかった為に、防御のしようもない。
未体験な刺激に、マナの体は大袈裟に揺れてしまう。
体の内側が熱い。奇妙な感触。もどかしい快感の波に、腰が捩れていく。
呼吸が隘路され、雑多な思考に脳内が侵食されていくようだった。
マナは、無意識のうちに拒絶の言葉を口にした。
薫は、そんな少女の稚拙な反応を、微笑みで受け止めて、軽く流す。
「大切に育てられてきたんだろ?」
「や、やだ」
「体を見ていれば分かるよ。ご両親がどれだけ君を大事に思って、どれだけの愛情を注いできたのか」
「ひっ、あ」
「君は、天使なんだね。汚れのない純白の天使。俺は、そんな君を汚してるんだけど」
薫は、一旦、舌を休めてマナの足をみつめた。
手のひらに乗る、小さな足先。
薄桃色に火照っている、可愛らしいその様に、つい、歯を立ててしまう。
「いたっ、や……、やめてっ」
「感じた?」
0086虚像の詩2013/10/04(金) 03:16:31.99ID:FaMj16Tg
薫の唾液で濡れた肌は、冷気を帯びて、むず痒い。
熱い、寒い、くすぐったい、痛い。でも、気持ちいい。
異なる鋭敏な感覚は、喉元で交わり、快感の熱波となって脳内へと流入してくる。
マナは競りあがってくる甘い疼きを、ただ只管に、息を殺して耐えた。
圧殺された吐息は、紅色の血潮となり、体の表面へ顕在化する。
薫は、笑った。
マナの一貫した頑迷さには辟易する。無駄な労力を費やしてると思う。その事に気付いていないマナは、幼稚で愚昧だ。
だが、薫は、マナのその他愛ない児戯に付き合うのが嫌いではない。
「君がこんなに淫乱だったなんて知ったら、ご両親はどう思うかな」
「……」
「我慢しないで、気持ち良くなっちゃえばいいのに」
「……」
「足、開けよ」
「いやだ」
「強情だね」

強引に開かれた。マナは短い悲鳴をあげた。
だが、その叫びも、下腹部に走った強い刺激で飛散してしまう。
男の舌先が、柔らかい肉の丘に到達したのだ。
内包した熱が、溶けて溢れ出る。
「い、いやだ」
上下の下着が押しのけられて、一番触れて欲しくない聖域を陵辱される。
布一枚。なんの障壁にもならない。
与えられる感覚は、想像以上に、けざやかで強大だ。
「っあ…、ん、や」
「気持ちいいだろ」
「は、あ……やだ…いやだ、も」
「やだ? どこが?」
流石に、薫は女の扱いに慣れているようで、何の加減をする事もなく弱点を攻め立てる。
女体の本質を熟知した男の性技ほど、厄介なものはない。
薫は、絶望的な緻密さで、マナの体を弄んだ。
含まれた悦楽の芽は、歯で、唇で、舌で、蹂躙される。
執拗になぶられる秘芯。蜜を含んだ美肉の割れ目に、指が挿入される。
「ほら」
「あっ、あっ、いやっ……」
吟味し、指圧し、攪拌する。
解けた熱線が、発火し、まるで火傷したようだった。
薫は、期待通りの反応に満足した。
爛れて、溶け出した熱い体液は、塞ぐものを欲しがっている。
マナは唇をかみ締める事で、体内から湧き上がる願望を黙殺しようとしていたが、薫は、許さなかった。
「欲しがってるよ?」
「……っ、しらない」
「なんで? こんなにひくついているのに」
薫が指を動かすと、粘膜が卑猥な音を立てた。
暴かれた欲求に、マナは赤面した。
「可哀想だから、入れてあげるね」
「やだ! やめて!!」
衣服から取り出された薫の先端が、止める間もなく肉にのめり込む。
薫は、マナの腰を持ち上げて、彼女にもよく見えるようにと殊更ゆっくりと腰を押し進めた。
頑強な男根が、自身の秘部に侵入してくる。
柔らかな肉の抵抗が、かえって男の形を明瞭とさせていくようで、マナは恐怖と失望を感じた。
薫の形なんて、覚えたくない。
「キツくて気持ち良いよ。マナちゃん」
「や、いや……やだ」
0087虚像の詩2013/10/04(金) 03:25:24.26ID:FaMj16Tg
充血して膨らんだ肉ひだは、蜜で潤った精巧な花弁だ。
ひたすら拒絶する意識とは裏腹に、受精の予感に身を弾ませた花びらは、包み込むように薫の陰茎を捕捉する。
淫らな粘膜は、もっと奥深くまでと、充実した肉体を要求していた。
薫は本能に応えた。当然、マナの意思は無視される。
「あ、…っいや、や、ひ…んあっ! あ! 薫さっ──」
「キツッ……少しは協力してよ」
動きだした歯車は、動力が切れるまで止まる事はない。
抽出の巧みさに、マナは泣き声をあげるが、やはり薫は意に介さない。
薫の肉茎は、マナの快楽を抉り出すことに執着している。
狭い花園は、薫を飲み込んで離さない。湿潤の誘惑に、薫は感嘆の息を洩らす。
発達した成人の筋肉は、少女の体を揺さぶる事など訳無い。
薫は、マナの腰を持ち上げたまま、緩急をつけて悪戯に少女の性感を拷問した。
絶妙な腰使いは、マナの正常な領域を犯す。
頭の中に残っていた理性が、端から順に落とされていく。
堕落する。
抵抗の証である拒絶の言葉は、いまや快楽に追従するだけの喘ぎ声となっていた。
摩擦される分泌腺。膨張し、逼迫する悦楽の激流。
破裂したら、人は死ぬのだろうか。
「薫さっ、あ、っく……! 許してくださ……ごめんなさっ…もう、私」
「前にも言ったと思うけどさ」
薫の舌が唇を這う。
濡れて放熱する男の舌は、細い顎に似合わないぐらい肉厚だ。
「謝罪はいらない」
深くなった挿入。抱き締められ、体が潰された。
「は……苦し…」
「君が手に入れば、それでいい」
暴力的な早さと質量が、マナを襲った。
膣が収縮する。体が、更なる快感を迎え入れようと準備している。
昂ぶりに押されて、腕を伸ばす。男の背中に触れた。一瞬で融合した。
一分の隙も無かった。
衝動が湧き上がる。ただそれだけで、憎しみも戸惑いもなかった。
男の露骨な腰の動きが、たまらなく気持ち良い。
もっと、入れて。早くその先まで、連れて行って欲しかった。
足を絡めて抱き込む。薫の熱い呼吸が、肩先にあたる。
意識の天蓋。明滅する光が交錯する場所が見える。最後に映るのは、白か黒か。
「ひぁ!っあああ! あ……っ」
「マナちゃん、イッて。俺も……限界」
回転し、交わり、爆発する。爆ぜた。同様に、自分も。
性の一番欲深な場所が、男の形に彩られていく。
恍惚の中で、マナは汚れた天井を見上げていた。
自分が何故、泣いてるのか分からなかった。
0088虚像の詩2013/10/04(金) 03:30:35.10ID:FaMj16Tg
       ※

携帯の着信音で、目が覚めた。
マナは、鞄を置いていた場所へと目を向けた。
扉の近くに置いていたと思うが、どこにあるのか分からない。部屋の中は、冷涼な夜の闇に包まれて、何も見えなかった。
ふいに、視界の隅で動くものがあった。
ベッドの端に座った薫が、白いTシャツを着ているところだった。
「起きた?」
視線を感じたのか、薫が振り向く。
「水飲む?」
白いシャツを着用した薫は、幾分か若やいで見える。
自分を脅した事も、欲望のままに貪った事も、欠片も感じさせない。清潔な若さを、正常にまとっている。
マナは薫の顔を凝視した。善良な青年にも見えるこの男は、本当に先程の人物と同じなのだろうか。
暗闇は濃く、僅かな明りだけでは判別出来ないので、マナは諦めた。
「……いらない」
「そう」
甘い香りがした。焦げた糖蜜のような濃い香り。それが自分の匂いなのか、薫の体臭なのかは分からない。
肺に溜まった空気を吐く。
薫が、側で見ている気配がする。

薫に抱かれるまで、マナは、男という生き物は優しくて曖昧なものだと思っていた。
単純で、純粋で。単純過ぎるからこそ、取りとめのないものだと。
生まれて初めて人を好きになった。
優柔不断な人だったが、はにかむ笑顔が可愛くて、好意を持った。
気持ちが破裂する寸前に、思いを伝えた。
受け止めて貰えなかった。好きな人には、相手がいた。
(……呆気なかったなぁ)
崖から飛び降りるつもりで告白をしても、結果は他愛もない。
初恋は、簡単に終幕を迎える。
だから、自分を変えることにした。
美容室に行き、髪を染め、少しだけ化粧をしてもらった。
可愛いくなったね。と、誰かに褒めて欲しかった。ただ、それだけだった。
『君みたいな女子高生の話を、誰が信じるの?』
声が蘇る。
乾いた目尻を潤してるのは、一体誰の吐息だろう。
水底に沈んでいるかのように、体は重たくまどろんでいる。
薫は、冴えた眼差しでじっとマナを見下ろしていた。
快楽の余韻で、唇が血の色に染まっている。栗色の柔らかな髪の毛が、白熱灯の下、透けて輝いていた。
マナは瞼を閉じた。暖かい涙が、また一筋流れた。
「……薫さん」
「うん?」
男の声は、何処までも穏やかだ。
「本当は、私が万引きしたかなんて……どうでもよかったんでしょ?」
「……」
薫は無言のまま、蒸気したマナの頬に指先を当てた。
勿論、熱い指先だった。
0089虚像の詩2013/10/04(金) 03:37:24.55ID:FaMj16Tg
        ※

薫に手を引かれたまま、マナは階段の先を進む。
見せたいものがあるのだと、薫は、行為のあとで言った。
抗う気力もなかった。
マナの体力が戻るまで、薫は誠実に、真摯にマナの体を扱った。
髪を梳き、体液で汚れた体を拭いて、甲斐甲斐しく服を着せた。
何度もマナの体を褒め、「可愛い」と囁いた。
その言葉は、何処にも引っかかる事なく、マナの思考から流れ落ちて行った。

薄暗い廊下は、無声映画に出てくる刑務所のようで、自然と、処刑場へと向う死刑囚を連想させる。
薫が、部屋の扉の前で立ち止まる。錠がついていた。自室のようだった。
(お手伝いで来てるんじゃなかったっけ)
湧いた疑問は、言葉にする前に口の中で分裂して、やがて綿飴のように消失した。
どうでも良かった。
ただ、呆っと、薫の後ろ姿を眺めていた。
青年らしい、健康的な骨格。
薄い生地の下から出来損ないの翼な肩甲骨が広がっている。
同級生とは違う後姿だった。だが、父親とも違う。幼くも、成熟しているようにも見える。
ふいに、理不尽な思いに囚われた。
何故、自分がここにいるのか分からなくなった。
思わず、言葉がこぼれ出ていた。
「なんで……」
「何?」薫が振り向く。
「なんで私、こんな目に合ってるの? ただ、気晴らしがしたかっただけだよ。可愛くして、忘れたかっただけ。誰だって嫌なことがあったらするでしょ? なのに、何で、どうして私だけこんな……」
一度吐き出してしまえば、あとはもう流れて行くだけで。
溢れた涙は留まることも出来ずに、マナはひたすら嗚咽を繰り返した。
全てが許せなかった。
これが運命だと言うのなら、人間なんてロクでもない。人生なんて無いのと等しいと思った。
薫は沈黙したまま腕を離さない。
それどころか、指先に僅かに力を込めたようだった。
「……だから、許せなくなったんだよ」
低く呟いた薫の声に、マナは思わず顔を上げる。
薫の瞳は、まっすぐにマナを見据えている。
だが、酷く無表情で、何を考えているのかは把握出来ない。
「……薫さん?」
悪寒を感じた。
逃げるつもりで引いた体が、薫の強い力で引き戻されてしまった。
「痛い!」
「嫌な事があって、ね。それで、自分を変えたくなる気持ちは分かるよ。問題はそこじゃない。君は、失恋したんだろ?」
薫は、もう一方の空いた手で、静かに部屋の鍵を回す。施錠がガチャリと音を立てて解除される。その音が、何よりも不気味に思えた。
「薫さん……」
「女が、失恋すると気分を変えたくなるって、よく知ってるよ。友達もやっていたし」
「薫さん。やだ、入りたくない」
マナは、後ずさりをした。部屋に、入りたくなかった。
「やだ、いやだ。やめて!」
予感がした。この先は、きっと……もっと『酷いこと』がある。
処女を失うよりも、篭絡されるよりも。ずっと。酷いことが。
「まあ、簡単に言えば逃避行為だよね。一般的だと思うよ、理解出来る。でも、俺が許せなかったのは──」
扉が、硬質な音を立てて開かれる。
逃げる間もなく、マナは部屋の中へと突き飛ばされた。
「っい──……」
強かに床板に体をぶつけた。衝撃に、息が詰まる。
背中から胸にかけて引き千切れるような激痛を感じたが、死ぬ思いでようやく呼吸を再開した。
体の側に、薫の足元が見えた。
逃げるつもりで身を起こした。見上げた。
視界に映ったのは、自分の顔だった。
0090虚像の詩2013/10/04(金) 03:53:02.21ID:FaMj16Tg
「なに────」
壁面いっぱいに異質なものが広がっていた。見渡す限りの写真。写真写真写真写真。
どれにも、思い当たりがなかった。それなのに、どの写真にも、自分の姿が写っている。
「なにコレ。わ、私? 何が……」
背後で、音がした。耳障りな、扉が閉まる音。
薫が鍵をかけていた。横顔は、いつものように冷めている。
「君が、その美しい髪を染めた事を、俺は怒らない。君が、その唇を汚した事も、俺は責めないよ。俺が大好きだった君の髪も、俺がキスをして舌を入れて愛する筈だった唇も、君がなんの躊躇もせず切り捨てた事を、俺は怒らない。だけど」
振り向いた唇が、ゆっくりと、笑みの形に開かれる。
「君が、たった一人の、何の取り得もない頭の悪そうなガキに、心を乱されたのは、許せない。あんなクソガキに簡単に傷つけられて、泣いて、動揺するなんて、許せない。酷い裏切りだ。侮辱だよ。俺への、君自身への。
君は、そんな低俗な存在じゃないだろう?だって、君は、何に代えても高潔な存在でいるべきだったんだ」
目の前の男は、明らかに常軌を逸していた。
マナは、呆然とした。理解が出来なかった。
何を言っているの?
聞きたかったが、言葉は頭の中で去来するだけで、一向に喉に降りていかない。
舌が硬化して、重い石が口内に張り付いているようだった。
「俺は、君を見ていたよ」
薫の指先が、マナの頬に辿りつく。
男の瞳は、遼遠の幻を見ているかのように、暗くて空(うつ)ろだ。
どこを見ているのか。少なくても、目の前にいる自分ではない。
ただ、唇だけが熱心に愛を囁いている。
「君が、少しだけ体を傾けて歩く癖が好きだった」
喉が熱い。なのに何故だろう。体が冷えていく。
「本を触る指先が好きだった。風に香る、甘い匂いが好きだった。ありがとうございます。って、小さく呟く君の声が好きだった。
せめて、君が高校を卒業するまではと、思っていたんだけど──……」
男が一呼吸置く。
その沈黙が、何を意味するのかは聞かなくても予測出来た。
「やめた。待っていたって、何の得にもならない」
マナは暴れた。
頬に宛がわれていた男の指が、するりと首筋を滑っていく。
抵抗する間もなく、腕を掴まれた。
「ひっ!」
「いつまで床に転がってるの? ほら、立って」
掴まれた腕が、痺れて痛い。
あの時と同じように、恐怖で喉が圧迫される。
声が出ない。息も出来ない。
誰か、助けて。そう思うのに、体が床から離れない。
「ベッドに行く気がないなら、それでもいいけど。俺は、君が抱ければどこだっていいんだから」
「や、いやだ──」
「そんなに暴れるなよ。なぁ、マナちゃん」
目の前の男は、優しく微笑む。
あの日と1ミリも変わらない、同じ笑みで。
「君は、俺だけの天使だよ」
被さる吐息は、すぐに押し流された。
代わりに口の中に広がったのは、熱い肉の塊。
男の、低い朗読の声が、耳の中でこだましている。
やがて、夜風の音すらも、マナには聞こえなくなった。



いやなんです
あなたのいつてしまふのが――
浪の砕けるあの悲しい自棄のこころ
はかない 淋しい 焼けつく様な
――それでも恋とはちがひます
サンタマリア
ちがひます ちがひます
何がどうとはもとより知らねど
いやなんです
あなたのいつてしまふのが――
0091虚像の詩,2013/10/04(金) 03:55:49.82ID:FaMj16Tg
×白熱灯の下、透けて輝いていた→○薄明かりの中、透けて見えた。
×出来損ないの翼な肩甲骨→○出来損ないの翼にも似た、肩甲骨

終わり。高村光太郎って、崇拝型ヤンデレ男の典型っぽいと思いました。
0092名無しさん@ピンキー2013/10/04(金) 09:05:03.34ID:GTurO+bX
おもしろかった!!!gj!!
しかし、こんな目に遭ったらマナちゃん気が狂れてしまいそうだな…
0093名無しさん@ピンキー2013/10/04(金) 15:30:36.95ID:djnpzQY6
うおおお!投下乙!!
こういうパッと見まともそうなのに静かにいっちゃってる感じの男大好きだわ
0094名無しさん@ピンキー2013/10/04(金) 21:30:30.99ID:iokotyVg
素晴らしい!GJ!!
官 能 小 説!って感じで読み応えが有った
0095名無しさん@ピンキー2013/10/04(金) 23:10:51.39ID:CDKi4g8Q
はりついててよかった!!
GJ!!この盲目さと見た目のまともさのギャップがたまらん!
最高ですぜ…
0096名無しさん@ピンキー2013/10/05(土) 20:51:49.79ID:R9MmqI3V
>>76見てたら、なんか降りて来たので投下します。
ありきたりな上に、長文。エロ成分少なめです。
0097砂の城2013/10/05(土) 20:54:44.93ID:R9MmqI3V
飛び散る白濁。汗ばむ肌。君以外の人間は、こんなにも汚い。

(……あいつ、また出した)
湊(ミナト)は、目の前のテレビを見ながら、舌打ちをした。
画面の中で、男が無様に尻を痙攣させている様子が映っている。
赤紫の硬直が、気持ち良さ気にぶるりと震える様を、湊は軽蔑の眼差しで眺めていた。
「汚ねぇな」
そう言われたのは、自分だった。
振り向く前に、テッシュの箱を投げつけられた。
腕に当たった箱を手に取り、視線だけで相手を確認する。
しかめ面をした眼鏡の男が、片膝を立てて座っていた。
「指だよ。お前バカか? 止血しろよ」
湊には、指を噛む癖がある。画面の男を見ながら噛んでいた所為か、思いのほか力が入っていたようだ。
男の指摘した通り、爪と指の隙間から血が噴き出している。
湊は、男に従わなかった。垂れ出る血液を舐め取った後、上着の裾で拭った。
「礼も言えないのかよ」
「余計なお世話ありがとうございました」
「本当に可愛くないな、お前」
悪態をつく眼鏡の男の名前を、湊は知らない。
この部屋で顔を合わせるだけの関係だ。興味もないし、関わりたくもない。
「お前、アキが居ないと本当に何も出来ないんだな」
ふいに出された愛しい人の名前に、頭に血が上る。
「気安く『アキ』って呼ぶな」
港が激昂すると、男が口端を歪めて嘲った。
「はぁ? 何言ってんだお前」
「あんたなんかにアキの名前を呼ばれたくない」
「自分の女を自分で呼び捨てにして、何が悪いんだよ。子供は黙ってろ」
「アキはあんたの女じゃない」
「はっ。じゃあ、お前の女かよ」
「そうだよ」
「クソガキが、調子にのるな」
「それは、あんただろ」
立ち上がった。互いに、睨みあいながら距離をつめた。
「やめろ」
掴み合う寸前に二人を制止したのは、壁際で傍観していた男だった。
「あまり大きな声を出すな」
男は、静かな声で自制を促す。
湊も眼鏡の男も、一度、臨戦態勢を解いた。睥睨したまま、互いに離れる。
壁に体を預けたままの男は、反目しあう男達に、冷静に忠告する。
「暴れたいなら、外で暴れろ。ここでの揉め事は、賢くない」
それだけを言うと、男は欠伸をした。緊張感のない、素直な欠伸だった。
気勢を殺がれた湊は、また座り直して、爪を噛んだ。
眼鏡の男は不満げに唸ったが、結局、彼も湊に倣って腰を下ろした。
壁際の男は、初めから何も無かったかのように、黙って腕を組んでいる。
皆、テレビを見つめていた。
画面の中で犯されているのは、彼らの恋人だった。
0098砂の城2013/10/05(土) 21:02:49.87ID:R9MmqI3V
少女の名前は『アキ』。世間では、行方不明の女子大生として認知されている。
アキはこの部屋で、四人の男に共同で管理されていた。
健康的な食事。清潔な衣服。美を保つ為の美容用品や雑貨。必要最低限以上の物品を、提供されている。電話やパソコンは、無い。
快適な生活を享受する対価として、アキは、一日二時間の性労働を強要されていた。
拒否権はなかった。
皆、アキは『自分の恋人』だと認識している。だから、性的な接触は当然だと思っていた。
恋人として彼女を抱く事に、男達は疑問を抱かない。躊躇する余地もない。
アキ自身の見解は、誰も聞いた事がなかったが。
湊も、例に漏れず、アキは自分の恋人だと自認している。
だが、正直、この状況を疎んでいた。アキの境遇にではなく、自分の待遇に対して。

半年前から始まったこの関係は、一見合理的だが、その実、波乱を包含している。
眼鏡の男は、アキの元恋人だ。だが、彼は支配的な性格の上に喧嘩早く、極端に言葉使いが悪い。
頭の回転が速いので、湊はいつも喧嘩を売られて迷惑している。
壁際でじっとしている男は、刑務所帰りとの噂だった。背中に幾何学模様の刺青を入れている。
鍛えられた実用的な肉体は、男の湊から見ても、美しいと思う。
理性的で寡黙な彼は、今のところ害はないが、底知れない雰囲気を纏っている為、油断できない。
男は、空虚な瞳をしている。アキを見る時だけ、眼に生気が宿る。
湊は、単純に『刺青の男』と頭の中で呼んでいるが、眼鏡の男は『ゾンビ』と揶揄していた。
今、別室でアキを抱いている男の詳細は、知らなかった。以前、アキが『教授』と呼んでいたのは覚えている。
30代半ばに見える容姿は平凡だが、やはり独特な気配から、湊はこの男も目障りだった。

体制が完成したのは、半年前。
個々の思惑が重なって、二度三度の修羅場を経た後に、自然の成り行きでアキを監禁することに帰結した。
湊はアキの従兄弟だ。アキのほうが年上だが、信頼し合い、一緒に成長して来た。
だから、男達の中では、一番アキと過ごした期間が長い。
その分だけ、他人に対する憎悪も深い。
(僕だけでいいのに──……)
いつも葛藤している。
睨み合う四人を憂いたのは、アキ自身だ。
彼女は、喧嘩が嫌いだった。健全で恙無い関係を築くのが、アキの理想だった。
だから、共同管理という結論に至った。
『お願い、みんなで仲良くしよう』
そう言ったアキは、おそらく、自分が生贄になる未来など想像もしていなかっただろう。

眼鏡の男が、口汚く罵る声が聞こえた。
画面の中の男が、また吐精したようだった。
「……これ、何度め?」
「四回目だな。どんだけ出すんだ、この変態は」
『教授』は、いわゆる性豪と呼ばれる類の人間で、制限時間内で、様々な体位と性技に興じる。その過程で、アキを疲弊させる事が好きだ。
「悪趣味な男だ。気分が悪い」
そう吐き捨てる眼鏡の男も、湊から見れば大差ない。
眼鏡の男は、極度な加虐趣味をもつ。アキを粘着質に責める上、容赦ない奉仕を彼女に要求するので、この男の性行為を監視している時が、一番、観客席が殺気立つ。
「見るのをやめたら?」
湊の提案を、眼鏡の男は鋭い目付きで撥ね除けた。直ぐに視線を戻しながら、言った。
「そんなわけにいくかよ」
「今日は特に機嫌がいいね」
「嫌味か?」
「さぁ?」
「……来る途中、駅のホームでジジイがぶつかって来たんだよ。あやうく線路に落ちるところだった」
「そのまま死ねば良かったのにね」
「今度、お前を殺してやるよ」
眼鏡の男が、冷笑する。
「そうすれば、アキを抱く回数が増えるからな」
0099砂の城2013/10/05(土) 21:14:05.01ID:R9MmqI3V
湊達は、ルールを設けている。
性行為は、一人二時間。原則として、一日一人の順番制だが、アキの体調が良ければ日に二人でも可能だ。
女には、大まかな穴が三つある。
この共同管理が開始された当初、各々でアキを独占する事を避ける為に、複数での行為を試していたが、結果は芳しくなかった。
互いへの殺意が強すぎて、共有するどころではなかったのだ。
牽制ばかりの男達の中に放り込まれたアキは、心身ともに困憊して激しく衰弱した。
だからと言って、自分以外の誰かが、二人っきりでアキと性行為を行う事を許せる男達ではない。また、アキを解放するつもりも、毛頭なかった。同盟は、紛糾した。
折衷案を出した。
監視のもとで、アキを抱く事。誰一人の例外なく、単独行動を冒さない事。
協定を結んだ。
愛しい人が汚される様を見るのは、胸糞悪い。
それでも、誰一人異議を唱える者が無かったのは、やはり、アキの全てを把握したかったからだ。
性格の違いはあれど、アキに執着している時点で、性質に異同はない。
それでも、湊は納得していなかった。
自分以外の誰かが、アキに触れるのは、耐え難い苦痛だ。

「今、何時?」
聞くと、答えたのは、刺青の男だった。
「20:45」
男は、それだけ言うとまた沈黙した。代わりに眼鏡の男が喋り出す。
「あと15分もあるのかよ」
「……15分」
アキがまだ汚されるのだと思うと、腹が立つ。
眼鏡の男が「あいつのセックス嫌いだ。見てるだけでイカ臭くなる」と言った。
虫の居所の悪い湊は、眼鏡の男を挑発する。誰のセックスも嫌だった。
「僕は、あんたのセックスも嫌いだよ」
「あ?」
「遅漏だから、あの男のセックスが嫌いなんだろ。本当は羨ましいんだ」
「羨ましいわけあるか」
「どうだか」
煽ると、眼鏡の男が、刺青の男に矛先を変えた。
「あいつだって、遅いだろ」
刺青の男は、素知らぬ風にテレビを見詰めている。
我関せず。と言った具合だ。湊は、横目で刺青の男を見た。
「あいつは違うよ」
刺青の男は、物騒な外見に似合わず、献身的な抱き方をする。
『スローセックス』と呼ばれる、温和で丹念な手法を取る。眼鏡の男とは、根本的に違う。
湊は、刺青の男とアキの性交を見るのが、何よりも嫌だった。
「話をそらした。あんた、図星だろ」
「俺は遅漏じゃない。お前らとは違って、射精に拘らないんだよ」
「二時間もやって出ないなんて、異常だよ。どっか狂ってんだろ。病院にでも行けば?」
「この中に、狂ってないヤツなんているのかよ」
男の言葉に、湊は口を噤んだ。
後ろで、「言えてる」と、刺青の男が密やかに笑った。
鼻白んだ。眼鏡の男も、仏頂面に戻っている。
当たり前だ。この場所に、常人なんていやしない。
(……僕だけで、いいのに)
鬱屈した不満が、爆発しそうだった。
「……僕、アキを殺したい」
突然の言葉に、眼鏡の男は呆気に取られた。
「何言ってんだ。お前」
「だって、あんたらに汚されているアキを見るのは嫌だ。可哀想だよ。開放したい」
「汚してんのは、お前だよ」
「あんた達だよ。アキは本当は嫌なんだ。本当は一番、僕が好きなんだ。抱いていれば分かる。僕に抱かれているアキは、一番幸せそうだ。でも、怖くて言えないんだよ。アキが好きなのは、僕だけだ」
「ふざけんなよ……お前…」
「落ち着け」
空気が硬化する直前、再び刺青の男が止めに入った。
「気が短すぎだ」
眼鏡の男に釘を刺す。
0100砂の城2013/10/05(土) 21:30:57.44ID:R9MmqI3V
刺青の男が、「ミナト」と、初めて名前を呼んだ。
「それは、アキを独占したいって事か? 何を言っているのか分かってるか。アキの体は一つしかない。殺すとしたら、一回きりだ。単独行動は厳禁だと、そう決めただろ」
男の深い双眸が、真っ直ぐに自分を射抜く。
湊は視線を逸らした。
「分かっているよ」
「……」
「……本当は、あんた達を殺したいんだ」
三人とも、沈黙した。
湊には分かっていた。邪魔者を排除したいのは、きっと自分だけではない。この協定は、初めから茶番なのだと。
砂上の楼閣。だれも、維持するつもりのない張りぼての城。
妥協の上に歪に成り立つ秘密の一角は、驚く程に脆いのに、誰一人として気にも留めていない。もし、瓦解したとしても、皆、確信している。
「生き残るのは、自分だ」と。
(みんな、様子を伺っているだけなんだ)
思い返した。
昨日、帰り道、異質な気配を背後に感じた。
底冷えするような視線は、玄関の扉を開けるまで、途切れる事なく注がれ続けた。
自宅がバレた。あれは、誰だろうか。
脳裏に浮かんだのは、赤く彩られた幾何学模様だった。

「……おい、終わったみたいだぞ」
眼鏡の男に促されて画面を覗き込むと、風呂を終えたアキが、覚束ない足取りでベッドに入る所だった。
いつの間に終わっていたのか。だいぶ体力を消耗している様子だ。
『教授』は、いない。退室した後のようで、おそらくこの部屋に立ち寄る事なく帰宅したのだろう。
湊は、画面上の恋人を見守る。
アキの眠りは深い。まるで、空想の世界へ逃避行しているかのように。
画面に映る愛しい人の額に触れる。安寧に包まれた寝顔。
目の前の彼女は、どこまでも健やかで柔らかかった。聖母マリアのようだった。処女なのに、懐胎させられた可哀想な女。
(必ず僕が、救い出してあげるよ)
言葉にせずに、心の中で誓う。
──だから、待っていて。
画面を撫でて、恋人の白い頬にキスをする。小さな鼻先をこすり、睫毛を何度も指でなぞった。
背中に感じる冷刻な視線は、気にならない。今、この瞬間、彼女は確実に僕だけのものだ。
耳もとに囁きかける。聞こえるはずは、ないけども。

また明日。
いい夢を。


※※※
終わり。

ヤンデレ蟲毒ってこうですか!わかりません!
ヤンデレ男の戦闘力はとても高そうだ。
0101砂の城2013/10/05(土) 21:44:04.82ID:R9MmqI3V
大事なところを間違えていた。
× ──だから、待っていて。→○ ──今度は、失敗しない。
すみません。
0103名無しさん@ピンキー2013/10/06(日) 15:10:22.17ID:E/pnDJlI
激しくGJ!
複数プレイ美味しかったです(^q^)

知り合いに勧められてみた「あなたの隣に誰かいる」っていうドラマにヤンデレ男が出てきてた
あんな感じのストーカー系ヤンデレ作品読みたいけど中々見つかんないな
0105名無しさん@ピンキー2013/10/08(火) 22:37:01.77ID:VFd+/J1g
FaMj16TgさんR9MmqI3VさんGJ!
マナちゃんもアキちゃんもテラカワイソス(´・ω・`)イイゾモットヤレ
やはり監禁はヤンデレのロマンすなあ
遅漏と絶倫しかいないヤンデレどもに蹂躙されるアキちゃんがマジ心配です(ゲス顔)
0106名無しさん@ピンキー2013/10/09(水) 01:38:33.16ID:IfzTLC0V
>>103 ガチストーカー系なら洋画の「P2」とか、かなり古いけど渡部篤郎の「ストーカー逃げ切れぬ愛」とか。
自分も探してるけど中々見つからない。ただ男が病んでるだけの作品なら一杯あるんだけどね。
0109名無しさん@ピンキー2013/10/27(日) 00:27:09.56ID:9zU+g1Kr
監禁ものいいよね
昔ヤンデレのロボが男性恐怖症の女性を監禁して孕ませる小説を読んだけど調べたら映画化しててビビったw
よく映像にできたなと
0110名無しさん@ピンキー2013/10/27(日) 02:21:00.72ID:A3x4J9xd
それいつだったかスレに話題が出たね
俺は見たこないから分からないけど、
結構みんな知ってるみたい
0111名無しさん@ピンキー2013/10/27(日) 10:29:43.27ID:SrFJTCoo
そういえばタイトルプロメテウスだったっけ?と思ってググったら全く関係ない
>武家社会においても行いの悪い主君を家臣が監禁する「主君押込」という慣行がありました。
という一文が引っかかってしまってヤンデレな妄想が止まらないw
主君が乱心したと周りに思い込ませて周りには忠実な家臣を装いながらも監禁とか胸熱…。
0112名無しさん@ピンキー2013/10/27(日) 10:35:07.56ID:SrFJTCoo
あと過去ログパート2の336からその話題だよ
題名がプロメテウスじゃなくてタイトル「デモンシード」だったorz
0113名無しさん@ピンキー2013/10/27(日) 10:36:18.26ID:SrFJTCoo
あと過去ログパート2の336からその話題だよ
題名がプロメテウスじゃなくてタイトル「デモンシード」だったorz
0115取り違えたユーフォリア12013/11/11(月) 23:42:06.79ID:nK7j229P
自分的にはヤンデレのつもりで書いていたのに
ヤンデレじゃないかもしれないと不安になったものを保守ついでに投下。
ヤンデレ男としては超BADED…かも知れないし、じゃないかもしれない。




 【ノースウェリフ伯ロクシーの独白】

 好きで、好きで、好きで、心が耐ぬえ切れないほど愛してる、僕の君。
 その君が、目を覚まさない。
 まさか君が乗っていた馬車が暴走し、それから振り落とされ……意識不明に陥るとは。
 こんなことになるのなら――、無理やりにでも奪えばよかった。
 お願いだから目を覚ましてくれ。
 その為なら、僕はどんなことでもするよ。
 そして目が覚めたのなら、僕は今度こそ――どんなことをしてでも君を手に入れる。



 【ノースウェリフ伯爵夫人ヴィオレットの独白】

 私が目を覚ましたのは、いつとは違うベッドの上でした。
 「ここは何処?」ぼやけた視界。
 でも心配そうに覗き込む顔は、愛しい私の旦那さまのロクシー。
 そして体に走る激痛に、約束を思い出す。
 だから私はこう言いました。

「貴方は、誰」と。



 【ノースウェリフ伯ロクシーの独白】

 何て事だ!
 神は僕に機会を与えたもうた。
 彼女の記憶がないとは!
 そして、運のいい事に――あの女、僕の妻はまだ意識不明だ。
 ――これは、転機。
 欲しくて、欲しくてたまらないモノを、この手にするまたとない機会。
 僕は不安げにしている彼女に向かってこう言った。

「君は、僕の大事な妻だ」と。
0116取り違えたユーフォリア22013/11/11(月) 23:48:48.50ID:nK7j229P
 【ノースウェリフ伯爵夫人ヴィオレットの独白】

「貴方は、誰?」

 ……そんな言葉が出たのは、セラベルさんとの約束だったからです。
 私は、セラベルさんと馬車の事故を起こして、記憶喪失になり入れ替わる予定でした。
 彼女は私の旦那さまの幼馴染で、大事な女性――しかも私と瓜二つの。

 私は幼い時に、このノースウェリフ領にある領主館(マナーハウス)に両親とともに招待されました。
 その時、私は本ばかり読んでいて周りにとけ込めていない、ロクシーと仲良くなりました。
 それが、初恋というものだったのでしょう。
 でも彼はそれ以上に、教区の牧師の娘のセラベルさんと仲が良かったのです。
 私と瓜二つの彼女が好きだという事は、私には全くの勝ち目のない戦いでした。
 幼い恋は、あっさりと終を告げたのです。
 それから彼とは数年、会うこともなく。時折、ほんのごくたまに思い出す、甘酸っぱくも切ない思い出になった頃。
 私は社交界デビューをすることになり、そして並み居る男性の中から、伴侶を見つけなければならなくなりました。
 そんな時です。さる伯爵さまの夜会で、彼と再会しました。
 幼い頃の思い出の中の少年は、立派な青年になっていました。
 領地に引きこもることが多かった彼に、会えるとは思ってもみなかった、急に思い出が甦り
 過去と現在が繋がったように、想いがあふれ出します。
 出会いの最初から今まで変わらなかったように。

 彼は私を見た途端に、人込みをかき分け迷いなくやって来て、私にダンスを申し込みました。
 忘れられてると思ったのに。
 私しか目に入らない、夢中な瞳で見つめられて。
 まるで、物語の夢見る瞬間。

 あれよあれよという間に、そのシーズンで彼から求婚されて、私は馬鹿みたいに舞い上がってそれを受けました。

 幸せの絶頂、私はその中に居て、彼の本意を知ることはなかったのです。
 結婚して彼の領地へ共に行くことになり、知った事実。
 豹変した夫の態度。
 使用人の囁く、無責任で容赦ない噂話。
 お互いに思いあっていた二人だけれど、牧師の娘とは身分違いで結ばれないから。
 ……だからうり二つの私と結婚したのだと。
 夢から覚めた、私に待っていた残酷な真実。

 私は只の身代わりで。
 忘れられない大事な人のただの代用品でした。
 頑張って愛されようと努力しましたが、無駄でした。
 どんなに尽くそうとも夫の瞳は、気が付くと私を素通りしてセラヴェルさんを見ていたのです。
 私を見る度に彼女を重ねるのです。
 なぜ本物ではないのかと、責められているようでした。
 いえ、実際に夫はそう思っていたでしょう。
0117取り違えたユーフォリア32013/11/11(月) 23:51:17.02ID:nK7j229P
 伯爵家の血を途切れさせないため、ただ子供を産むだけに。
 愛されない、私には形だけの行為を充たすことは辛かった。
 顔も見ずにアラナさんの体を想い抱かれる身体。
 本来尊敬と信頼と愛を交わすはずである行為が、冷たい義務になっていく。
 義務よりも重荷ともいえる時間。
 私の体の中で果て上になった夫に、無意識に囁かれる言葉は、私とは違う別人の名前。

 夜ごとに、千切れていく、私の心。

 だから決心したのです。
 全てを捨てて、セラヴェルさんと入れ替わることを。
 新しい“セラヴェル”として牧師の娘として生きることを。

 ドレスを交換して、馬車に乗り事故を起こし記憶喪失を演じれば。
 夫はきっと入れ替わりに気が付いてなお、セラヴェルさんを“妻”に選ぶでしょう。
 私の事など、“セラヴェル”として迷いなく捨てるでしょう。

 わかっているけど辛い。

 でも、それでもいいのです。
 私は誰にも愛されない、けれど、私が消えることによって二人が幸せになるのだから。

「貴方は、誰」

 一言、そう告げるだけで。
 私は自分自身だけではなく、貴方にもお別れを告げ、新しい人生が始まるのです。




 【ノースウェリフ伯ロクシーの独白】

 痺れるような、甘い幸福。
 普段から思っていた。あの女と、僕の愛しい人が入れ替わってくれればいいのにという願い。
 それが、今日これから叶う。
0118取り違えたユーフォリア42013/11/12(火) 00:13:02.41ID:g/uNtvvr
 あの女を見る度に、何故傍に置いてしまったのかという、後悔。
 彼女をあきらめなければいけないと思っていた僕に現れた存在に、逃げた。
 そしてすぐに後悔する。これは彼女じゃないのだと。
 なんてことをしてしまったんだという、焦燥感。
 本物であればいいと願う気持ちが募る一方で、過ごす時間が長くなればなるほど
 僕の愛しい人に重なっていく苛立ちが抑えきれない。
 ベッドの上での白い肢体。
 柔らかい感触、惚けたようにこちらをみる表情は、僕を性の魅力で堕落させようという魂胆なのか。
 彼女への愛を試す試練か。同じようでいても彼女とは違う表情を浮かべる女。
 顔も見たくないというように、ベッドの上では後ろから犬の交尾のように屈辱的な姿で。
 または、顔を枕で押さえつける。震えながらも耐える姿が、しらじらしい。
 そう思っているはずなのに、高まる恍惚の中でふいに、女の名前を呼んでしまいそうになって愕然とした。
 それからは代用品だという事を思い知らせるように、愛しの彼女の名前を囁く事を抑えなかった。
 ――ただの代用品の癖に。
 大事な彼女への想い。僕の心を揺らすなど、許されないことだ。
 理解はしていても、心の苛つきが抑えられない。
 自分では制御も出来ない、説明のつかない歯がゆさに、どうにかなってしまいそうになっていた時。
 突然に起こった馬車の事故は、幸運だった。
 幸いに愛する人は記憶を失っているらしい。
 ならば、記憶を失ったことを利用して彼女を“妻”と思わせよう。
 屋敷の者さえ、見間違う二人がこれで入れ替わっても気が付きはしないだろう。
 違和感を感じたとしても、記憶がないと説明すれば納得するはずだ。

 あの女。妻と呼ぶには似つかわしくない、僕に貴族としての体面を与えてくれるだけの存在。
 記憶がおぼつかないせいか、僕を見ても居心地の悪そうな表情を浮かべる"妻"にどこか重なる。
 ここまできてもまだ邪魔するのかと、苛立ちをかくして極上の笑みを向ける。

「さあ、心配ないよ僕の大事な奥さん」
「……」
「すまないが、僕には少し片づけなければならない事があるんだ」

 あとでゆっくり話そう。そう言って、不安げな表情をする“妻”を残し僕は部屋を後にする。
 時間はこれからじっくりとある。
 もし記憶が戻ったとしても、彼女が元に戻れなくしてしまえばいい。

 この昂揚感は、幸せな未来を思い浮かべているせいか、それとも……。

 僕の足は、あの女の待つ客用寝室へと向かう。
 とても簡単な事だ。

 これからあの女を、本当の不慮の事故の犠牲者にすればいいのだから。
0119名無しさん@ピンキー2013/11/14(木) 06:31:26.35ID:C0zPG289

最初は男と牧師の娘が結ばれるハッピーエンドかと思ったら奥さんがなかなかの切れ者ですね…
0122名無しさん@ピンキー2013/11/29(金) 22:57:27.92ID:uOEO2a2a
えーと読解力ゼロで失礼
間違って愛する人を殺してしまうパターンですか
奥さんの決意が台無しな上
旦那が殺人を犯すような人だと知ったら奥さんは幻滅すぎるな
0123名無しさん@ピンキー2013/11/30(土) 10:06:03.22ID:zGUs1ZsL

面白かった

>>122
相棒とかでありそうだよな
間違えて好きな人のほうを殺害って
0124名無しさん@ピンキー2013/12/01(日) 23:34:51.46ID:fXaaTje8
はたから見ればアホな理由で殺人ってコナンとかの方がありそうな気がするw
ドロドロぶりは金田一(孫の方)でもありそうだが
0125名無しさん@ピンキー2013/12/02(月) 20:29:49.27ID:fFGzVNn/
金田一で覚えている話といえば小説版のオペラ座館殺人事件かな
婚約者が殺されて復讐に生きるためにダメ男を演じてた男がよかったんだが
私的にヤンデレに入ってるんだけど
一般的にはこれはヤンデレに入るのだろうか・・・どうだろうか
とか考えていたら某スレのまとめサイトで見た
妻を鬱に追い込んだ女(報告主)を階段から突き落として踏みつけた医者の話が
すんごくヤンデレでこのスレ向きだった。
このヤンデレは妻に仇名す者をこっそりと葬ってそうだ・・・ウトメとか
0126名無しさん@ピンキー2013/12/02(月) 20:35:18.72ID:fFGzVNn/
追加で
高遠遙一もデレたらいいヤンデレになりそう。
でもこの人の場合元から病んでるからヤンデレといっていいのかデレヤンというべきなのか
0129名無しさん@ピンキー2013/12/03(火) 08:20:09.43ID:wLQoHmv9
>>128
ありがとう
まとめサイトより先に元スレに辿り着いて読んできた
ヤンデレってより報告者のキチと戦ういい旦那様だなと素で思ってしまった
0130名無しさん@ピンキー2013/12/03(火) 12:45:38.23ID:9WPsMaIG
検索しても見つからない…
申し訳ないけどコッソリ教えてくれ
0132名無しさん@ピンキー2013/12/03(火) 22:57:05.89ID:WF3DC61v
ためしに 〜話までをググったら楽勝に出たよ
美男美女カップルで夫婦仲もいいとは凄いね こんなの現実だったらやっかむわw
医者や看護師は結構生き死にな職場で心を凍らすことが多いんだと思う
0133名無しさん@ピンキー2013/12/04(水) 00:45:11.30ID:4igJxUKP
ぐぐったら報告者の文章が上手くて引き込まれてしまったわ
旦那病んでるな正気じゃねーや
創作だと思いたいw
0135名無しさん@ピンキー2013/12/04(水) 05:50:47.20ID:p0lCWzTT
ggrksって言葉知ってる?
話が話しなだけにぼかしてヒント出してるのに
132みたいにドヤ顔でヒント晒す馬鹿がいるせいで紹介したくなくなるんだよな
0136名無しさん@ピンキー2013/12/04(水) 07:57:38.58ID:bADx1tj5
そうか
135は話したくないようだから今度わからないことがあったら俺に聞いてくれ
0137名無しさん@ピンキー2013/12/04(水) 22:10:50.32ID:p0lCWzTT
嘘か本当かわからんけど生なんだから
無駄に分かりずらくしてるのに教えるのはアホって言ってるんだよ
こういう暗黙の了解分らないKYがいるから
自分は萌えるヤンデレ夫記事見てもここで紹介しないって言ってんだよ
0138角と稲妻2013/12/04(水) 23:34:06.58ID:zjxpW+Sm
気が付いたら半年経ってた時間って怖い。
お久しぶりです五話目行きます。
タイトル/NG「角と稲妻」

書き過ぎたので規制が怖い。
0139角と稲妻2013/12/04(水) 23:34:56.87ID:zjxpW+Sm
普段より大分遅い時間に起き出して階段を降りる。
「おはよー、エルバ」
調合室から顔を出したエルバに声を掛ける。
「おはよう、レヴィン。足はどう?」
「大分良いんじゃないかな」
答えながらリビングに入り、竈に薪をくべて魔法で火を着ける。マッチと違って使い減りしないし早いので、私が家に居る時は私が火熾し役だ。
入れ替わるようにエルバが火の前に立ったので席に着いて少し待つと、机に朝食が並べられた。
ハムエッグとトースト、サラダにミルク。
二人で手を合わせて食事を始める。
少し厚めに切ったハムに、卵を端がカリっとするまで焼いた目玉焼き。ナイフを入れると肉汁が溢れるそれを、トーストに乗せて口に運ぶ。
「今日は何処か行くの、レヴィン」
「えーっと、風呂屋行って、ギルドに報告して……」
「それから雑貨屋行って服屋行って酒場に顔出して酒飲んで来る積もりじゃ無いだろうな?」
「うっ……!」
一息で、まるで見て来たように私の行動パターンを先読みしてエルバが言った。
「はぁ…………風呂屋だけ行って真っ直ぐ帰っといで。ギルドには報告書を書いて。僕が出しに行く」
「せ、せめて酒場に……危険指定種の情報は出しとかないと……」
「絶対飲んで帰って来るだろ? 駄目。伝言が必要なら僕が行く」
「うー……」
一瓶だけ、から一杯だけ、まで譲歩したと言うのに、ドクターストップはアルコール厳禁を頑として譲らなかった。

仕方が無いから風呂屋が開くまでの時間に書き物とかを済ませてしまうことにして部屋に上がる。
机に向かい、寄木細工の箱から筆記用具を出す。自分でしとめた鷹の羽を軸にした羽ペンは、調子に乗って十本くらい作ってしまった余りがエルバの店の方に並べてある。今までに三本売れた。
ギルドの方へは簡単な地図を添えて、群の出現位置と規模を書いた報告書を作る。
自分の名前と、代理人としてエルバの名前を書いて、インクが乾くまで机の隅に退ける。
窓の外の太陽の位置からして、風呂屋が開くまでにはまだ時間があったので、私は新たにレターセットを取り出した。
淡いピンク色の小さな花の絵が書いてある便箋を広げ、ペンを走らせる。
宛先は幼なじみのアイリスちゃんだ。
村の女の子の誰よりも可愛いアイリスちゃん。
陽光にきらきら光る銀色の髪に水晶のように澄んだ青い瞳。
人形のように整った顔。童話に出て来るお姫様みたいな女の子。
13歳の頃に親に連れられて王都へ行ってしまった彼女とは、今でも親しく文通をしている。
『アイリスちゃんへ
元気にしていますか?
私は四日ぶりにペンを取れました。
狩りの途中で崖から落ちちゃったの。師匠にバレたら怒られるかな、笑われるかな。
近くに住んでた亜人の人に助けて貰って帰って来れたけど、最初はどうなるかと思っちゃった!
今はもう大丈夫。痛い所はないよ。エルバに診てもらったけど、怪我も平気そう。
アイリスちゃんは怪我などしないように気を付けて下さい。』
書き出して、他にも最近あったことや、アイリスちゃんからの手紙に対する返事を書き連ねて行く。
あっと言う間に便箋を四枚ほど埋めて、インクが乾くまで、紙が飛ばないようにそっと重しを乗せて机の上に並べる。
代わりにもうインクの乾いた報告書を取り、ザッと文面を確認して畳む。
蝋印とかが必要なほど、しっかりとした書類ではないので剥き身のままだ。
報告書を持って下に降り、店の方に顔を出す。
カウンターの方で何かの粉薬を計量して一服ずつ薬包紙に包む作業をしていたエルバが顔を上げる。
「書き終わったの?」
「うん。あともう昼だから何か作る。それ終わったらこっち来て。あ、これ渡しとく。お願いね」
「うん。ありがとう。そんなに時間は掛からないから」
「はーい」
書類をエルバに渡して踵を返す。
それから貯蔵棚から鶏肉とナバナを引っ張りだして、厨房でガレットを作った。
ガレットは鳥の丸焼きの次くらいに得意料理だ。
端を焦がさないように、かつバリッとなるように仕上げ、チーズと胡椒をかける。
「あ、美味しそう」
丁度料理が仕上がったタイミングで、呟きながらエルバがキッチンに入って来る。
「残りの鳥、片しちゃったよ」
「うん、ありがとう。じゃあ、冷めない内に……」
いただきます。と二人揃って手を合わせた。
0140角と稲妻2013/12/04(水) 23:37:28.02ID:zjxpW+Sm
食後一息ついて、エルバがギルドと酒場を回っている間、私が店番をする事になった。
「酒場連中には、北の大楠の辺りにゴブリンが群で出るから気を付けとけ、って言っといて」
「うん。夕食の買い物もして来る積もりだから少し遅くなるかも」
「分かった」
「あ、ついでに甘草刻むのやっといて」
「はいはい」

食器を片付けてから、店のカウンターの方で、エルバの帰りを待ちながら薬草を刻む。
黙々と一定の手作業。地味だが、実はこう言うのは嫌いじゃない。
ちなみに私が作業をしている間中、客は一人も来なかった。
まぁ、医者と兵士と葬儀屋が暇なのは良いことだ。
二時間ちょっとでエルバは帰って来た。
今から準備してゆっくり歩いて行けば、丁度風呂屋が開く頃に着けるだろう。
自室で着替えや石鹸を用意して一階に降りると、店の方からエルバが顔を出した。
「松葉杖出して来るからちょっと待ってて」
「別に昨日杖に使ってた枝でも―――」
オオヅノがくれた枝がまだ、入り口の脇に立て掛けてあった筈だ。
「あ、ごめん。あれ薪にしちゃった」
「マジで」
「ごめんごめん。薪が足りなくってさ」
「……まぁ良いけど」
エルバは憮然とする私の横を通り過ぎ、二階の物置から出して来た松葉杖を差し出す。
受け取ったそれを突いて体重を乗せる。まぁ、こっちの方が安定はする。
「じゃあ、ちょっと行って来る」
「寄り道しないように」
「はいはーい」
そんなやりとりをして家を出た。

足に負担を掛けないようにゆっくり歩いて到着した風呂屋は、今丁度開く所だったようだ。
入り口にノレンと言う東方式のカーテンを掛けていた風呂屋のおかみさんが、私に気付いて振り返る。
「あらー、レヴィンちゃん! 今日は一番乗りね! あら? 足どうしたの!?」
「いやー、ちょっとぶつけちゃいまして。湿布貼ってるから、お湯、薬臭くしちゃったら、ごめんなさい」
私が苦笑すると、おかみさんはおばちゃんが良く口にするように、あらあらあらあら、と繰り返し
「良いのよー! 男湯はもっと泥臭くて汗臭いのが一杯来るんだから!」
そう言ってノレンを手で避けて私を迎え入れる。
「良く浸かって温まってらっしゃいね!」
「はい、どうも」
おかみさんに軽く会釈してノレンを潜り、女湯の方へ向かう。
脱衣所で、傷に障らないようにそろりそろりと服を脱ぎ、包帯も右足以外は外してしまって、手桶に石鹸やタオルを入れて浴室の扉を開く。
まずは盥にお湯を汲み上げて、頭から被る。
膏薬他、ここ数日の汚れで濁ったお湯が、排水溝から流れて行く。
床と同じようにレンガ造りの背の低いベンチに腰掛けて、油糟や潰した豆、ハーブなどを混ぜて(エルバが)作ったクレイを髪に付けて丁寧に頭皮をマッサージする。
それからクレイを洗い流し、櫛を使って梳く。
煤けていた髪が艶を取り戻して行くのは気分が良い。
次いで身体を洗うために、お湯に浸したタオルで石鹸を泡立てる。
匂いに敏感な獣も居るのであまり香りの強いものは使えないが、サンダルウッドとベチバーの根の精油が少しだけ入っている。これもエルバの作である。
泡をたっぷりと付けたタオルで体を擦る。
所々傷に染みたが、それより徹底的に汚れを落とす方を優先した。
首から肩を通って腕。斑模様に散らされた打ち身のアザは、日が経って色が変わって来ている。消えるまでにはもう少し掛かりそうだ。
脇から、偶に邪魔に感じるほど大きくなってしまった胸。流石にこの辺りは傷も少ないし、鍛えられていると言ってもまだ丸みを帯びている。
「あちゃー……」
視線を下ろして思わずぼやく。やや目立つ古傷のある左腿。腕と同じく打ち身が酷かった。
0141角と稲妻2013/12/04(水) 23:39:23.41ID:zjxpW+Sm
骨折部分には触れないようにして身体を洗い上げ、髪をまとめて湯船に浸かる。
右足を浴槽の縁に引っかけて身体を沈めると、湯の温かさが身体の芯まで伝わって心地良い。
全身の凝りを解すように大きく伸びをする。血の巡りが良くなって、疲労が洗い流されて行くようだ。
生き返った気分でほぅ、と息を吐く。
ぱしゃり、と指先で水面を弄ってみる。
あぁ、生きて帰って来れたんだなぁ。
今回は流石に色々ヤバかった。今更ながらに日常から離れ過ぎたあの体験を思い出して目を細める。
足は痛むが、まぁ治るだろう。命が助かっただけ儲け物だ。
浴槽の縁に腕を置いて、それを枕に頭を乗せる。
再び深く息を吐く。
昔、師匠が言っていた。『冒険者になるなら命の保証なんて無い。それが嫌なら普通の村娘になれ。それでも此処じゃない何処かに行きたいなら、冒険者になれ。冒険者にしか出来ない経験も、村娘にしか出来ない経験もどっちも有るもんだ』
それでも冒険者になったからには命の覚悟はしていて、ああやって山で遭難しても泣きわめいたりなんかしなかったが、こうして安全な場所で気を緩めていると、恐怖心がじわじわと湧いてくる。
怖く無い訳じゃ、無い。
それでも。
オオヅノの事を思い出す。
初めて会う人、初めて行く場所、初めて口にする物。
そう言うものは大好きだ。
だから。
「よいしょっ」
掛け声と共に立ち上がって湯船から出る。
怪我が治ったら、もう一度オオヅノに会いに行こう。それが、何だかとても楽しみに思えた。

新しい服に着替え、肩にタオルを掛け、洗い髪を下ろしたまま家に帰る。
「ただいまー」
「おかえり」
カウンターで本を読んでいたエルバが顔を上げる。
「足、歩いてみてどうだった?」
「うーん、悪くは無いけど、やっぱりしばらくは大人しくしてるつもり」
「うん。そうしな」
エルバは頷いて、あぁ、そう言えば。と棚から小瓶を取り上げる。
「丁度良いや。ネロリの花の香油を作ってみたんだけど、ちょっと試してみて」
受け取った小瓶から伝う香りに、小さく歓声を上げる。
獣の中には匂いに敏感な種類も居るので、狩りに出る時は香りの強いものは使えないのだが、休みの日には香水を付けたりもするし、どうせしばらくは山に出られないのだ。
「ありがと。早速使うね」
「終わったら降りて来いよ。薬塗り直すから」
「はーい」
「あ、こら、走るな」
「はいはーい」
香油にテンションが上がって足早に二階に上がろうとしたのを目敏く見咎められ、口うるさく追って来た言葉におざなりに返し、少しだけスピードを落としながらも自室に急ぐ。
ドアを開け、入って右手に有るドレッサーの前に座る。
引き出しから櫛を取り出し、貰ったばかりの香油を付けて髪を梳く。
ふわりと広がる甘い香り。軽くて繊細な、柑橘にも似た花の香だ。
繰り返し繰り返し丁寧に梳くと、髪が完全に乾く頃には、薄く香油が刷かれて櫛通りも滑らかに深い艶を帯びる。
嬉しくなって立ち上がり、鏡の前でくるりと回ると、さらりと流れる髪から甘い花の香りが立つ。
出来上がりに満足して、髪紐を持って下階に降りた。
0142角と稲妻2013/12/04(水) 23:40:59.67ID:zjxpW+Sm
「ね、エルバ。良い塩梅」
「そう」
調合室に顔を出して、鏡の前と同じように回って見せるが、エルバはあまり興味が無いようで生返事を返す。
「これなら店にも置けるんじゃない。雑貨屋に卸しても良いし」
「んー。でも花の方があんまり採れないんだよね」
「え、そうなの。勿体無い」
「量が採れそうだったら考えるよ」
そう言って、それまで乳鉢の中身をかき混ぜていたヘラを止める。
「はい、座って。薬塗るから」
「香油が折角良い匂いなのに、塗り薬の臭いが混ざると嫌だな」
「そう言うと思って押さえ気味に作ってやったから、少しは我慢しなさい」
「はぁい」
邪魔にならないように髪を結い上げ、服を脱いで診察台に腰掛ける。
「ねぇ、エルバ。右足の固定は」
「まだ我慢」
「ちぇ」
唇を尖らせる私に、明日になったら一度外してやるから。と言って、エルバは傷の一つ一つを確かめながら手早く薬を塗って包帯を巻いて行く。
「流石は冒険者なのかな。回復が早いや」
ほっとしたように息を吐き、エルバは包帯の端を止める。
「じゃあ、お酒飲める?」
「うーん……珍しくちゃんと大人しくしてたし……家で、一杯だけなら。あと痛くなっても泣き言、言わないなら」
渋々ながらに降りた許可に歓声を上げ、
「なにくそ痛いのがどんなもんよ。お酒のためなら竜の口の中だって!」
喝采する私に呆れて頭を振りながら
「冒険者ってこうやって死ぬんだろうね」
溜息と共にエルバが呟いた。

数日経って、その日も日課のストレッチと回復魔法の魔法陣の更新をした。
それから、荷物と松葉杖を持って外へ出かけ、馬車通り沿いの素材屋でオオヅノの所で貰って来た素材を売った。
戦果は上々だった。帰り道、私は唇の端を持ち上げて、足に負担を掛けないように真似だけのスキップをする。
現金の他に、珍しいものが手に入った。雪兎の干し肉だ。
雪兎はここよりずっと北の山に棲んでいる生き物だから、その肉はこの辺りでは余り見ないレア物だ。味も良くてお酒に合う。
彼に良いお土産が出来た。

私が山から帰って来て十日目。
回復魔法を重ねていたお陰で足や身体の包帯も外れ、そろそろ休養も終わりにしようかと思っていた頃。
調合室で天秤に向かうエルバの後ろで、あくびをかみ殺しながらアセンヤクと言う名前の薬草を葉と茎、根に分ける作業を行っていた時だった。
店の方からドアベルが鳴る音がした。
「はーい」
答えて店に向かうエルバの背を、手を動かしながら目で追う。
この時間だと、牛の餌やりを終えた農場のじいさんだろうか。腰痛がどうのこうので良く来るし。
と、店の方からエルバの慌てる声。手を止めて、微かに腰を浮かせて耳を澄まし、様子を窺う。
「レヴィン! こっち来てくれ!」
切羽詰まった声に、手にした草を机の上に放り出して、私は弾かれたように立ち上がった。
0143角と稲妻2013/12/04(水) 23:42:23.75ID:zjxpW+Sm
店に出ると、エルバが床に倒れた誰かの横に屈み込んでいる。
倒れていたのは見知らぬ冒険者風の男だった。
「奥に運ぶ! 手伝って!」
鋭いエルバの声に頷いて、二人で男を担ぎ上げて運び、調合室の診察台に寝かせる。
外傷は見当たらないが、酷く熱が出ているようだ。
「聞こえるか! 僕は薬師だ! あんたどうしたんだ!」
男の耳元で、エルバが大きな声で呼びかける。
「う…………」
男が呻いて薄く目を開ける。
「森で……蜘蛛に、咬まれて……」
「どんな姿だった?」
「黒くて、背中に……赤い菱形……」
その言葉にエルバは、よろよろと挙げられた男の腕を取り、視診して眉をしかめる。
「……ブラック・ウィドゥだ」
エルバは強い毒を持つ蜘蛛の名を上げた。
「解毒剤は?」
保管室の方に視線をやりながら、エルバに尋ねる。
「作れるけど、薬草が一つ足りない」
「村に有る?」
「無い。保存がきかないんだ。摘んで来ないと」
「近くに分布」
「山の西に、群生地が」
矢継ぎ早にやりとりして、私は頷く。
「取りに行って来る」
「その足で!?」
「もう殆ど治った。それにこの足でもエルバよりは速いわ」
「でも……!」
エルバが背後に立つ私を振り仰いで、何か言い募りかける。
「貴方はこの人、見てないと駄目でしょう」
「……無理は」
「しない」
きっぱりと言い切ると、エルバは苦悩を浮かべた瞳で一瞬だけ逡巡し
「……じゃあ、頼む」
喉の奥から絞り出すように、そう言った。

「薬草の見た目、どんなの」
「スケッチがある」
「準備して来る。出しといて」
「分かった」
そんなやり取りをして調合室を飛び出し、自分の部屋で山歩きの支度をする。
服を着替え、ブーツの紐をきっちりと締める。
装備はウエストポーチに収まる最低限の物に、薬草を入れるための麻袋。
最後に空の水筒を引っ掴んで部屋を出た。

「エルバ」
調合室のドアを荒っぽく開きながら、こちらに背を向けていたエルバに声をかける。
「これ、スケッチ。それから簡単だけど地図」
振り向きざまに差し出された紙切れを受け取って目を落とす。
一枚目は薬草のスケッチ。茎の太い真っ直ぐな草で、天辺に小さい花が密集して咲いている。
二枚目を見る。私がいつも狩りに入る山の西側。道の分岐と位置で、どの辺りの事を指しているのか把握すると、どちらも畳んでポーチにしまう。
「二番目のノーム穴の有る辺りなんだけど」
「うん。分かる場所だった」
答えながら、机の上の水差し(エルバが自分用に用意しているヤツ)を取り上げて、中身を水筒に移す。
四角い水筒がポーチの上にぴったりと収まるように固定して
「じゃあ、行って来る」
「……気を付けて」
「うん」
0144角と稲妻2013/12/04(水) 23:43:49.22ID:zjxpW+Sm
店の扉から外に出る。店の前の道で軽く身を屈めて、片足ずつ体重を乗せる動作。痛みはない。ストレッチは毎日していたが、体力の低下が少しだけ心配だった。
眼を眇めて太陽を見上げる。角度で大体の時刻に見当を付けると、山の方へと走り始めた。
最初は軽く流す程度。足が痛まないことを確かめながら速度を上げ行く。
山の入り口に着く頃にはトップスピードになっていた。痛みは無いが体が重い。予想道理鈍っては居たが、行けそうだ。
山の入り口にほど近いノーム穴の隣を過ぎて、西の方へ向かう道に入る。
あっと言う間に道は荒れた獣道になる。速度を落としながらも、狭い悪路を走る。
木の根を避けて足を下ろし、地面を踏みしめ、全身の筋肉をバネのようにして、枝と枝の間をすり抜けるように、大きく蹴り出す。
山林を走るのは、平地を走るのとは全く違う。一歩ごとに、辺りの景色は万華鏡のように目まぐるしく変わる。
そこを跳ねるように駆け回るのは、楽しい。
存在を隠すことない私の走りに、驚いた小動物が逃げて行く物音。
苔むした石に足を取られないように、鋭い枝に引っかからないように。山の中なら、男にだって大半の奴には追いつかれない自信がある。
遠くまで、きっと何処までだってこの足で行ける。
不意に、大型の獣が早く走る気配。
眉を顰めて周囲を伺う。少し離れた位置を併走する黒い影。
黒狼だ。山や森に棲む大型の狼で、人や家畜も襲う。
慎重に数を窺うが、群ではなく一匹だけのようだった。
念のため2、3回、突然進路を変更してみるが、群での狩りの追い込み役のように、こちらの進路をコントロールしようと言う動きは見せなかった。
私は少しずつスピードを落としながら呪文を唱える。
獲物がバテたと思った黒狼の動きが変わった。
距離を詰めて来たことで、そいつの全身が明らかになる。
サイズは2メートル近い。かなり大型の部類だ。
そいつのと距離を見計らって、私は唱えていた呪文を解き放つ。
「ギャウンッ!?」
地面と水平に走った稲妻に打たれた黒狼が驚いて悲鳴を上げ、横っ飛びに距離を取る。打ち倒すには威力が足りなかった。
私の得意とする雷属性の魔法は、あまり射程距離が長くない。
これだけで相手を仕留めようとするなら、もっと間合いを詰めさせなければならなかったが、無理はしないとエルバに約束していた。
呪文を唱え、もう一発。
尻尾を丸めた黒狼が逃げて行くのを見送って、足を止める。
木々の隙間から空を見上げて現在地を確認する。
ポーチの中からエルバに貰った地図を出して現在地と照らし合わせる。目的地はこの辺りだ。
薬草のスケッチを取り出して、周囲を見回す。
草の形態から、何となくこの辺りに生えているだろうと当たりを付けて―――見つけた。
岩棚の影の少し暗くて湿っている所。
背の高い草で、太い茎からは細かいギザギザの付いた葉が伸びていた。天辺には、小さな白い花が火花が散るように咲いている。
スケッチと実物を見比べて、間違いないと確信し、私は大きく息を吐く。身体に籠もっていた熱で吐息が熱い。
腰の後ろの水筒を外して口を付ける。また何かハーブが漬けてあったらしい。微かに爽やかな香りのする水が喉を潤す。
水筒を戻して、ポーチの背板から携帯用のシャベルを抜き取る。
私の掌と同じくらいの大きさの、縦に長い五角形の金属板。底辺にT字型の木製のハンドルが付いていて、そこを握り込んで使う奴だ。
それを使って、薬草の根本を掘る。必要なのは根っこだ。
一株、二株と掘り起こして、茎と同じく太い根を切り取って、土を大まかに落として麻袋にしまう。見本として少しだけ茎や葉も取っておく。
一握りの薬草を詰めた麻袋を、ポーチのベルトに結び付ける。
それから身体を動かして、疲労度と痛みを確かめる。
やっぱり体力が落ちているか。
普段なら少し休憩を挟む所だが、今は急ぎだ。
「よっし!」
私は一つ気合いを入れると、山の斜面を駆け降りて行った。
0145角と稲妻2013/12/04(水) 23:45:29.94ID:zjxpW+Sm
弾む息を宥めながら、調合室に駆け込む。
作業机で調薬の準備をしていたエルバが振り返る。
「エルバ!」
一声掛けて麻袋を投げ渡す。
エルバが中身を確かめている間に、水瓶からタライに水を汲む。
「これで大丈夫だ。ありがとう、レヴィン」
葉や茎の形を確認して、エルバが頷く。
エルバはタライの水で根を洗うと、素晴らしい手際で調合を開始した。
その間に私はタライの水を入れ替えて、患者の男の様子を窺う。
診察台に寝かされた男の腕の咬み傷は、既に治療がされて包帯が巻かれていた。
男の額に掛けられていた、温くなった濡れた手拭いをタライの水で濯いで絞って掛け直す。
もう私の出来ることはあまり無いが、解熱剤を飲まされているらしい男の容態は比較的安定しているようだった。
出来上がった薬を男に飲ませると、エルバは大きく息を吐いた。
もう大丈夫だ、と男に声を掛けると、男は弱々しい息の下から礼を述べた。
二人で、男を二階の空き部屋に運んで寝かせると、
「お疲れ、レヴィン。足は痛くないか?」
「痛くないよ。エルバもお疲れ様」
お互いに労いの言葉を掛け合って、私の足の様子を軽く診察して、エルバは満足気に頷いた。
「うん、おめでとう。これだけ走って大丈夫なら完治だ」
「いやはや一時はどうなる事かと」
私が冗談めかして言うと
「これで懲りてくれると嬉しいんだけど」
「痛いのはこりごりだし、気を付けてだって居るんだけどね」
説教臭くなったエルバにひらひらと手を振って、私は席を立つ。
「家事は私がやっとくから。まだあの人に付いてる必要有るでしょう? 必要な物があったら声かけて」
「あ、こら、レヴィン―――」
思えば昼食もまだだった。どうせエルバもまだだろうから、サンドイッチでも作ってやろう。そう思いながら、ようやく軽くなった足で台所へと向かった。
0146角と稲妻2013/12/04(水) 23:46:17.22ID:zjxpW+Sm
以上です。
少し時間が取れそうなので、次は今月中に投下を目標に。
0147名無しさん@ピンキー2013/12/07(土) 07:43:40.96ID:XyU/qyGt
純愛ルート(だったよね?)キタ━(゚∀゚)━!!!!!
ヤンデレとの進展続き楽しみにしてます
0150名無しさん@ピンキー2013/12/12(木) 11:59:44.99ID:0rjv1Gom
YESロリータ NOタッチの精神で頑張るも耐えきれずにロリっ娘を犯すヤンデレ男が見たい
0151名無しさん@ピンキー2013/12/13(金) 00:25:42.50ID:itRWg6fa
怖がれてるのに迫る男ですね
0153名無しさん@ピンキー2013/12/13(金) 20:08:42.33ID:VO+Oqrgu
ゆきかおり?の伯爵カインシリーズの初期にそんな奴いたなw
ロリが牧師かなんかの孫?で妻子ある男と幼い自分の性的関係の事がおかしいから懺悔すると言ったら
そのロリと引き離されたくない、永遠に自分の者にするために殺すって犯人
0154名無しさん@ピンキー2013/12/28(土) 01:47:42.49ID:fIOfui1s
森や山の奥でてきとーに暮らしてた引きこもり小説家や世捨て人やなんかが、死にかけた女性を保護する…ってシチュ、なんでこんなに萌えるんだろうね…
レヴィンさんしかり「狂骨の夢」しかり谷山浩子の「森へおいで」しかり
0155名無しさん@ピンキー2013/12/28(土) 23:29:04.62ID:YpLR1Wkw
そのシチュだとミザリーぐらいしか思い浮かばない自分にはそのシチュ属性はないようだw
0157名無しさん@ピンキー2013/12/31(火) 17:19:06.11ID:zT8B7Zl1
新堂冬樹の「ホームドラマ」って短編集の、「嫉」
旦那さんがヤンデレ
0158名無しさん@ピンキー2013/12/31(火) 21:21:06.27ID:49dbEy3B
美蕾のペルソナってゲームの執事とラウルのヤンデレ怖かった
主人公が死ぬと凹む
0159名無しさん@ピンキー2014/01/04(土) 17:17:07.62ID:gKIhc4nO
凄くありがちだけど年上の夫がまだ若くて学校卒業したばかりで社会人経験もない若妻を
半ば監禁状態で管理してるのとか萌えるな
客観的には監禁してるに等しいんだけど
当の女の子はまったく気付かずに居るみたいな状況で

夫とは勿論お見合いで
超従順な卒業したての若妻を自分色にするって良いよね
0160名無しさん@ピンキー2014/01/10(金) 23:36:27.12ID:04t6bxm0
保守
0161名無しさん@ピンキー2014/01/16(木) 19:53:17.66ID:iB+FkDDX
>>159みたいな報告(友達の旦那の話)過去スレであったよね
報告者は喪女だから友達づきあいを許可されてるとかw
0164名無しさん@ピンキー2014/02/18(火) 19:02:24.04ID:RKyC1J8K
異世界?トリップ?先から帰ろうとするのを全力で阻止するヤンさんもいいです。
「私に隠れて帰ろうとするとは…」とか
0165名無しさん@ピンキー2014/02/18(火) 21:39:56.55ID:kI8YTdXK
なろうには沢山そんなヤンさん隠れているイメージw

むしろ帰れないと説明して親切なフリして保護とか胸アツ…。
そして帰れないと絶望してヤンデレに恩だけじゃなく
恋心を抱き好きになったと思ったところでネタバレで絶望とかも大好物です
0166名無しさん@ピンキー2014/02/24(月) 18:14:42.77ID:tgnjBs8t
元の世界のおうちに帰りたいと泣く女に
「お前の家はここだ。」とか、
彼女は子供好きで情が深いから無理やりにでも子供作ってしまえば
もう帰りたいとか言い出さないんじゃないか・・・
みたいなヤンデレもいい。
羽衣伝説もそんな感じで妄想するともえる。
0167名無しさん@ピンキー2014/03/03(月) 21:29:48.01ID:+KIF36kT
羽衣伝説といえば、妖しのセレスのミカギは今思うとなかなかのヤンデレ男だったな
ストーキング・嫉妬・軟禁・陵辱と大体のガイキチ行為はこなしてるw
0168名無しさん@ピンキー2014/04/09(水) 07:07:16.65ID:9ydRg8AL
ほしゅ
0169取り違えたユーフォリア52014/04/21(月) 00:01:57.37ID:1FrrjhWQ
自分の拙い文章の所為で
賛否両論になってしまった奥様の正体を保守ついでに投下。
>>115がダメだった方はスルーお願いします。


 【ノースウェリフ伯爵夫人ヴィオレットの独白】

 あの馬車の事故から、一転。 
 ロクシーは、よき夫になりました。

 あの事故で、もし入れ替わりのたくらみを見抜かれたとしても
 セラヴェルさんを“私”として受け入れ、私を“セラヴェル”として突き放すだろう。
 もしかしたらと思う希望もわかない程、夫の気持ちはわかっていました。
 そう覚悟していたのに、その「もしも」が起こり、夫は私をまた妻として迎え入れてくれました。

 私は事故の時、セラヴェルさんの服を着ていたはずです。
 なのに、彼は私を妻だと言ってくれました。
 そのドレスは夫が私と結婚する前にセラヴェルさんへと送ったという物なので、間違えるという事はありえません。
 入れ替わった時どの服を着るのかと相談した時。
 ドレスを見て申し訳なさそうに説明しながら……でも少し嬉しそうに微笑む彼女に胸が痛かったのですが
 あえて私はそれを選びました。夫と決別するために。

 事故の直後、状況がわからないまでも、約束通り記憶喪失を演じました。
 そんな私に夫は、手を両手で握って必死に縋るように言いました。
 事故で生死をさまよって、私が大事な人間だったと……悔やんで後悔していると。
 なんて嬉しい言葉なんでしょう。
 「記憶喪失は演技」という事をすぐにでも言おうと思いました――けれど。

「過去の君には酷い事をしてしまった。思い出してくれるな……本当に過去の事を悔いているんだ」

 そう言われ翳りのある瞳で見つめられると、記憶が戻ったなんて言えるはずがないのです。
 これ以上夫を苦しめたくない。
 過去、辛かった分だけ、夫が後悔し、謝罪してくれた事に嬉しくて泣いてしまいます。
 夫は身の回りの世話をする使用人でさえ入れ換えました。
 あの夜ごと私を苦しめていた寝台も、年代物の四柱式で家宝と言ってもいい値打ち物でさえも彼は捨てました。
0170取り違えたユーフォリア62014/04/21(月) 00:04:58.89ID:1FrrjhWQ
 そしてこの新婚生活を始めた領主館も。
 社交シーズンが終わるだけでなく、出来るだけ街屋敷へ住み、その間に館を改装するとまで言い出しました。

 私に何一つ思い出して欲しくないと。
 過去と決別し、捨て去り、新しくなるという夫の決意と後悔の現れです。
 だから事故の時に、私がセラヴェルさんの服を着ていたことを、問い詰めなかったのかと納得できました。

 残念な事にセラヴェルさんは、事故でお亡くなりになられたそうです。
 屋敷に運び込まれた後、急変してしまい、そのまま帰らぬ人となってしまったようでした。
 初めは人目のない馬車道で事故を偽装して、倒れていればいいと打ち合わせをしていたのです。
 しかしそこに向かう途中で、本当に事故にあってしまうとは思っても見ませんでした。

 あの時、馬車の操作をしていたのはセラヴェルさんですが、この入れ替わりを彼女に切り出したのは私。
 事故が起こった直後の事はあまりよく覚えていませんが
 セラベルさんが私を助けるために、手を伸ばしてきたのは、かすかな意識で残っています。
 恐ろしい結末を招いてしまった、罪深い私がこんなに幸せになっていいのでしょうか
 本当は、彼女が受け取るべきだった愛情をかすめ取ったようで心苦しい。
 けれど罪悪感を忘れさせてしまう程の愛情で、夫は私を包んでくれます。
 夜の務めも私の体が治るまでは……と、辛抱強く待っていてくれました。
 傷が癒えても、ベッドの上で今までの苦しみが甦って臆病になってしまう私を優しく解きほぐし
 薄暗闇の中ではなく、燭台の光揺らめく中で、目と目が合って、見つめ合い……。
 前は壊しても構わない程の力ずくで夫から触れられていたのに、壊れ物を扱うように優しく。
 いつも奪われるだけだった行為が、お互いに与え合うように、喜びに満ち溢れていきます。
 私はその日、初めて女としての喜びを知りました。
 こんなに――どうにかなってしまいそうな快楽があるなんて、知りませんでした。
 愛している夫だから、私に与えてくれる恍惚。
 
 時折、私の中に彼女を探すような、何とも言えない表情を向ける夫。
 自分の浅慮でこのような結果になってしまい、この幸せが怖い。

 いつか、この幸せは夢だったと。
 ある日突然醒めてしまいそうで……。 

 でもその夢が醒めるまで、今だけはこのまま幸せに浸っていたいと思う身勝手な私は
 もう心が壊れてしまってるのかもしれません。

 これは夫には言えない秘密。
 墓場まで持っていかなければならない、秘密なのです。

<終>
0172名無しさん@ピンキー2014/04/23(水) 12:00:03.00ID:lJGEKz7r
GJ!!夫婦絶妙な病み具合で面白かった。こういう静かな雰囲気の作品好き
0173名無しさん@ピンキー2014/05/06(火) 19:53:03.07ID:R1dvrlNZ
平凡な男が「男ヤンデレ」を描くと、ただの自意識過剰なメンヘラちんこ君になっちまうからツマランのだよな……
0175名無しさん@ピンキー2014/05/07(水) 01:00:31.84ID:1Z9X94B2
牧師の娘が意識不明になってる間に
入れ替わりに気づかぬ旦那が
愛する牧師の娘を妻だと思って殺してしまう
旦那は殺人を犯したと気づけば悲劇がより完璧
0176名無しさん@ピンキー2014/05/07(水) 23:34:46.72ID:JRj7vGC9
題名の事実を気が付いた時がヤンデレの真骨頂だろうね

>>173
メンヘラ自体病んでるんだからこのスレ的にはいいんじゃねーの?
0177優しい夢2014/05/08(木) 23:42:28.59ID:zxXOggKR
投下します。前半ほのぼの?兄妹愛。後半ヤンデレ。エロは回想やら匂わせる程度。
精神的に弱い女の子が書きたかった。無駄に長文なので、苦手な方はスルーお願いします。
0178優しい夢2014/05/08(木) 23:47:38.76ID:zxXOggKR
(……まだ、連絡がない)
何十回と繰り返した言葉を、澪(ミオ)は頭の中で呟いた。
ため息を吐き、再度携帯を見る。やはり4インチのディスプレイには何の変化も見られない。
何度目になるか分からない確認作業。辟易する。それでも、また同じ行動を繰り返す。
澪は握り締めていた携帯から手を離した。
恋人から連絡がなかった。ここ三日ほど。
「また携帯見てるのか」
ダイニングテーブルの上で項垂れていると、兄の響が呆れ顔で声をかけてきた。
響は現在25歳。澪の三つ上だ。二人に両親はいない。澪が7歳、響が10歳の時に、家族で登った山の頂から滑落して、そのまま命も落とした。
澪と響は、それぞれ別の親族の下に引き取られ離れて暮らしていたが、16歳になった響が親族の家を出た事、新たに未成年後継人を選任した事で
また一緒に暮らせるようになった。それから今までの9年間。兄妹は支え合って生きてきた。
「だって……」
「だってじゃない。もう少し余裕を持て。お前少し怖いぞ」
「……」
「哲志くんだっけ? 連絡ないって言っても、まだ三日目だろ? 忙しいんだよ。きっと」
そう優しく諭す響は、澪の正面の椅子に座り、涙ぐむ妹の顔を覗き込んで笑った。
響は、疑い深くて排他的な澪とは違い、控えめで柔らかな性質を持つ。
闘争を嫌い、競争意識を忌避する響は、男性的な魅力に欠けてはいても、人当たりの良さが好意を持たれる類の人間だった。
病弱な為にいつも何かしらの薬を携帯してはいるが、それでも、澪にはこの地球上で一番頼れる存在だった。
澪は、兄の低く掠れた笑い声が好きだった。
「あんまり考え過ぎるなよ」
「でも、今までこんな事なかったし……」
「今まで無かったからって、ずっと無いってことはありえないだろ」
「……そうだけど」
「それとも、不安になるような事があったのか?」
「……」
「喧嘩したとか。お互いに不満が溜まっていたとか。お前を不安にさせるような行動を、彼が以前から取っていたとか」
「それはない」
「それはない?」
「うん。それは、ない。だって、哲志は今まで私が出会ってきた他人の中で、一番優しい人だったから」
哲志は澪の初めての恋人だ。
両親と死別し、幾人かの親戚に引き取られる過程で猜疑心の塊となった澪にとって、哲志は生まれて初めて信用した赤の他人とも言える。
同じ年齢だが、哲志は大学在籍時に何らかの理由で休学をしていたということで、一年遅れで澪の就職した会社に入社して来た後輩だ。
何かと軋轢を生みやすい澪の性格を柔和に受け止め、周囲の人間との緩和剤になり、辛抱強く優しく澪の側で彼女の仕事を補佐した。
哲志の誠実さは、頑なだった澪の心を動かした。
今まで、兄以外には居なかった。閉鎖的な自分の言動にも動じず、寄り添い、支えてくれる人間は。
優しさが具現化したような人。誰かを傷つけたり、不安にさせるような事を、哲志がした事はない。
だからこそ、澪は、何の前触れもなく彼から連絡を絶たれた事に驚き、痛みを感じるのだ。
0179優しい夢2014/05/08(木) 23:51:13.60ID:zxXOggKR
「私、嫌われちゃったのかも」
小さく呟いた澪に、響は驚いた顔をした。
「なんでだ。上手くいってたんだろ?」
「うん」
「ついこの間、二人で京都に行ってたじゃないか」
「うん──……って、気づいていたの!?」
「お前に一緒に旅行出来る程の、仲の良い『女友達』なんて居ないだろ」
「分かってて騙されたフリしてたんだ。ひどい!」
「ひどくない。優しさだよ」
「……」
「それで、そんな仲の良かった哲志くんが、なんでお前を嫌いになるんだ?」
「……」
「京都で喧嘩したのか?」
「だから、それはないってば」
「じゃあ何で嫌われたなんて思う」
「だって……」
「だって?」
「だって私──……」
淫乱なんだもん。
出掛かった言葉を、澪は飲み込んだ。
「なんでもない! とにかく嫌われたかも知れないの!! ほっといて!」
澪はテーブルに突っ伏して、会話を切り上げた。
響は暫く黙ってままでいたが、やがてため息をつくと、どこかへ行ってしまった。
兄が離れた気配を間近で感じて、澪は涙を零した。拭っても止めどなくあふれ続ける。目尻がヒリヒリと痛んだ。
(言えるわけないじゃん……こんな、恥ずかしいこと)
澪は、自分の体を恥じていた。

旅行先に京都を選んだ理由は、二人が好きな土地だったから。澪は、大学時代に交換学生として一年間かの地に派遣された経験から。哲志は伝統文化の観点から。
互いに大好きな場所だった。楽しい旅行だった。最終日の夜までは。
京都旅行の最後の夜、澪は初めて哲志に抱きしめられ、そして、受け入れた。厚い胸板。骨ばった指先。『異性』という存在を、改めて実感した夜。
兄以外の他人を信用して来なかった澪にとって、初めての性行為だった。緊張で心臓が破れるかと思い、あまりの恐怖に息を止める事もあった。
痛みを覚悟していた。だが、哲志の熱い塊が入り口に触れた瞬間、澪を襲ったのは、想像してもいなかった感覚だった。
(──……私、ちっとも痛くなかった)
来るべき苦痛に備えて力を入れていた澪の恥部は、本来あるべきはずの破瓜の痛みを一切感じる事もなく、絶妙な弾力と狭さを維持したまま哲志の男根を飲み込んだ。尋常ならざる快楽を伴って。
澪は混乱した。痛覚どころか、過剰な程の肉の喜びを体感している自分の体に。
どう動けば良いのか。どこに当たれば、気持ち良いのか。どこが弱くて、どう触ってもらえば、自分の性感は刺激されるのか。
本能と呼ぶにはあまりにも的確過ぎる快感の情報を、澪の体は知り尽くしていた。
澪は、快楽の頂点を得た後も、貪欲にうねり続ける自身の膣の動きに気づいた瞬間、思った。
自分は、どうしようもなく淫乱な女なのだと。
必死に声を殺して、痛みに耐える処女の振りをした。
もっと。と、強請りそうになる唇の動きを手で隠して、哲志の視線から顔を逸らした。
どこまで隠し通せたのかは分からない。
実際に、とめどなく濡れて、何度も達していたのだから。
(……きっと、バレていたんだ)
だから、彼は連絡してこない。
こんな人間が、受け入れられるわけがない。
「……うっ、ぅう」
我慢出来ずに嗚咽を漏らす澪の肩に、ふいに柔らかな体温が下りてきた。
見ると、マグカップ片手に兄が側に立っていた。その痩せた指先が、震える肩に置かれている。
「連絡が来ないだけで、そんなに泣く必要ないだろ」
響は、今度は正面ではなく澪の隣に座った。泣き濡れた妹の顔を上げさせて、苦笑いしながら汚れた目元と鼻を拭ってやった。
澪は響の優しさに打たれて、更に激しく泣きじゃくった。
0180優しい夢2014/05/08(木) 23:54:48.99ID:zxXOggKR
「お前、子供に戻ったみたいだな。あんまり泣くなよ。せっかく可愛く育てたのに」
「可愛くない」
「なに言ってんだ」
「私、気持ち悪い女だから。本当、気持ち悪い。だから可愛くないし、汚い」
「落ち着け。ほら、これ飲め」
響は、妹の背を抱きながら、持ってきたマグカップを手渡した。中には薄いレモン色の液体が入っている。
それは、澪の良く知っている飲み物だった。
砂糖とお湯、少しの塩とレモン汁、蜂蜜。兄手製のスポーツドリンクだ。
澪は毎晩眠る前にこれを飲む。
いつからかは分からない。だが、昔からの習慣で、これがないと澪は眠れなくなる。
「早く飲んで、ゆっくり休め」
穏やかな兄の顔を見て、澪は思い返す。先ほど、泣いている自分を置いて兄は席を立った。
呆れて部屋に戻ったと思ったのだが、違ったようだ。
「兄さん、これ作ってくれていたの?」
「泣いてる妹ほったらかしにするほど、俺はひどい人間じゃないよ」
「ありがとう」
「泣いていないで早く飲め」
澪は頷いて、コップに口をつけた。
よく知っている柔らかな香りが辺りに漂った。切ない甘みに、また目尻が潤んだ。
「体温が落ち着くからかな。昔からこれを飲むと、お前は面白いぐらいによく寝る……って、まだ泣き止まないのかよ」
相変わらず涙を流し続ける妹の顔を、響は両手で包んだ。
妹の濡れた睫は可愛らしく揺れているが、成人を過ぎた女の鼻水は如何ともし難い。
またティッシュで拭いてやって、赤くなった鼻の頭を見て笑った。
澪は、響に世話を焼いてもらいながら、また兄妹二人だけになってしまったかのような心細さに駆られていた。
今まで世界の中心は兄だった。兄さえいれば良かった。
だが、その中に哲志が入ってきた。唐突に介入してきた心地よさに、いつしか心を奪われていた。
それが無くなってしまった今、自分はどうすればいいのだろう。
こんな醜い本性を抱えていると知れば、実の兄でも離れていくのではないか。
「兄さんも、本当の私を知ったら嫌いになるよ……きっと、離れていっちゃう」
「何言ってるんだお前は」
「だってそうだよ。哲志だって、あんなに優しかったのに、もういなくなっちゃった。兄さんだって離れていく。
私は汚いから。気持ち悪い女だから」
「落ち着け。俺は酒を飲ませた覚えは無いぞ」
「……」
「気持ち悪くなんかない。お前は、世界で一番可愛い。俺が保障するよ」
「嘘だよ……きっと、兄さんだって私を捨てる」
「捨てるわけないだろ。何言ってるんだ」
「……」
「安心しろ。誰もお前から離れていかない」
「……本当?」

不安げに見上げてくる妹の顔を、響は笑って引き寄せた。
「本当だ」と告げ、母親が幼い子供を慈しむように、ゆっくりと妹の髪をかきあげて、その熱い額に自分の額を当てた。
両の頬を包み込みながら、静かに言った。

「誰も、お前からは離れられないよ」

  
         ※


響は時計に目をやった。
妹が寝息を立て始めてまだ五分。完全に眠りに落ちるまで、あと五分は欲しいところだった。
その間に、テーブルの上のコップを片付ける。台所のシンクに置き、洗剤を十分につけてから洗った。
洗い終えた後、響はふとシンクの脇に置かれた半透明のパラフィン紙に目を止めた。
薬包紙として一般的に出回っている紙の縁には、白い粉末が残っている。
響はそれを無表情に摘み上げた後に、ちり紙に包んでからゴミ箱に捨てた。
0181優しい夢2014/05/09(金) 00:03:09.40ID:mz4CcBgI
(……澪は、素直過ぎるのが玉に瑕だな)
妹は一生知る事のない、パラフィン紙の中身。
従順な妹は、普段兄がどんな種類の薬を携帯しているのか詮索して来ない。気にも留めない。それは多分、兄であるこの俺を信頼しているからだ。
だから、永遠に知る事はない。
だから、自分とは無関係だと思っている妹の目に、この残骸を映す必要はない。
「そろそろかな」
妹を寝室に運ぼうと抱き上げた瞬間、自宅用の固定電話が鳴った。
響はゆっくりと電話機に視線を向けた。改めて時計を見て確認する。あまり歓迎出来ない時間帯。立派に、非常識の部類に入る。
無視する事も出来たが、結局、響は電話に出る事にした。静かに澪を椅子に下ろし、肩周りの筋肉をほぐしながら受話器を取る。予感していた通り、付属のディスプレイには非通知の表示が出ていた。
「どちら様ですか?」
案の定、相手は無言だ。
「もしもし?」
応答なし。
「聞こえます?」
受話器の向こう側に話かけながら、妹を見る。どうやら妹は深い眠りに入ったようで、白い腕が力なくテーブルの端から落ちていた。
脱力した長い足が大胆に開いている。健康的な太ももの付け根が、緩めのショートパンツの裾から覗いていた。
妹の様子を眺めながら暫く無言を通したが、相手からは変わらず反応がなかった。
辛抱強い相手だと思った。
執拗な沈黙は悪意の証拠で、それが分からない程、自分は馬鹿ではないし、また、その事に気づかない程、向こうも馬鹿ではないはずだ。
響は微笑した。受話器を持ち直して、電話越しに静かに敵意を放つ相手に、呼びかけた。
「哲志くん?」
一瞬だが、相手が息を呑むのが分かった。
「哲志くんだろ? 澪の兄の、響です」
「……」
「妹から聞いているよ、君のこと。仲良くして頂いているようで何よりです。いつもありがとう」
「……」
「それで、用件は何?」
下手に出ても、相変わらず向こうから返答がない。
相手の忍耐力に、響は思わず苦笑を漏らした。
「いい加減、喋ってくれないかな。時間の無駄だよ?」
一呼吸の後、ようやく受話器の向こう側から硬質な声が返ってきた。
「僕も、澪さんからいつも聞いてます。あなたのこと」
澪の話では、哲志という男は気持ちの良い好青年という事だったが、今電話で話している相手は友好的とは程遠い雰囲気の持ち主だった。
声は低く、好意は微塵も感じられない。おまけに、会話を繋げる気遣いも持ち合わせていないときている。
だが、響はとくに動じなかった。相手に譲歩する気がないと見て、早速会話を切り上げにかかった。
「折角頂いた電話だけど、妹は今寝ていて電話を代われないので、良かったら明日かけ直してもらっていいかな。そのほうが妹も喜ぶと思うし、君も分かるだろ?」
「……」
「君から連絡が無いってさっきまで泣いていたんだよ。可哀想に。あんまり、妹を苛めないでくれないか?」
「……」
「妹の携帯にじゃなく、この電話にかけてきた理由は何?」
今度は、相手が密やかに笑った。
「いつも澪さんから聞いていたんです。あなたのこと。最高の兄だって。世界で一番信用しているって。自分のことは何でも分かるって。それで、あなたに聞きたい事があって」
「……」
「彼女、処女じゃありませんでした」
「……」
「知っていました?」
「……」
「僕が見る限り、今まで澪さんの周りに特定の男性が居た形跡はありません。澪さん自身も、僕が初めての彼氏だと言っていました。だけど、処女じゃなかった。
その矛盾を、お兄さんなら知ってるかなと思って」
「……」
「それに、ご両親の事故、あれは本当に事故だったんですか?」
「……」
「当時の新聞記事、読みました。若干の違和感を覚えたのは、僕の思い過ごしでしょうか? あれは、あの事故は、本当はあなたが──……」
「哲志くんさ、」
突然呼びかけられて驚いた相手の一瞬を見計らって、響は穏やかに投げかけた。
「君が澪の会社に入ったのって、偶然?」
0182優しい夢2014/05/09(金) 00:16:27.27ID:mz4CcBgI
沈黙が長く続いた。
だが響は、話を切り出さなかった。
相手が乗り出してくる事を見越して、余裕を持って沈黙に甘んじた。
程なくして響の読み通り、受話器から静かな声が返って来た。
「どういう意味です?」
「別に。ただの世間話だけど」
「……」
「君、小中学校は澪と同じ学校だったみたいだね。中学の途中から澪は僕と暮らすようになったから転校して君とは離れたけど、大学は澪と同じ所に入ったでしょ?
あの子は気づいてもいないようだけど」
「……」
「澪が交換学生として京都に行っていた間、君はどこにいたの? 何をして、誰を見ていたの?」
「……」
「余計な詮索はやめようよ。お互いに」
「……」
「それじゃあ、もう電話かけてこないでね」
「……」
「おやすみ」

相手は最後まで無言だった。それが、執念のように感じられた。
彼は妹を諦めないだろう。分かっている
妹に、『誰もお前から離れられない』と言った。あの言葉に嘘はない。
妹からは誰も離れられない。だから、間引きが必要なのだ。蔓延る余分な芽は、保護者である自分が摘み取らなければならない。
雑草は野放しには出来ない。駆除する事が自分の義務で、権利でもある。そうして生きてきた。妹を再びこの手に呼び戻せたあの日から。
「お前だって、そう思ってるだろ?」
響は眠っている澪の体を抱き上げた。
慣れ親しんだ暖かい体温は、支える者がいなければ、すぐにでも消失してしまいそうなまでに柔らかく、頼りなかった。
妹の、涙で濡れた頬を見る。薄桃色の唇からは、仄かにレモンの香りがする。
妹は起きない。
不純物のない純粋な睡眠は、朝まで一度も目覚めさせる事なく、人を深い夢の中へと誘う。
きっと、妹は朝起きてこう言うのだ。「おはよう兄さん。兄さんのお陰で、今日もゆっくり眠れたよ」
それが例え誘発された眠りであっても。彼女は疑う術を持たない。
響は澪の額に口づけた。
塩辛い涙の道を辿り、妹の唇に自身の唇を押し当てる。閉ざされた唇は、ほんの少し力を加えただけで、いとも簡単に開いた。
差し入れた舌に、熱い粘膜が触れる。甘く芳醇な香り。馴染んだ感触。従順な体。
寝室までの道のりが酷く遠くに感じられた。
服を剥ぎ、隠すものの無くなった妹の体がどこまでも瑞々しく柔らかい事を、響は知っていた。
繊細な果肉の奥深くに潜む、甘い蜜の存在も。その暴き方も。味も。
剥かれて露になった白い肌。爛熟に実った豊満な曲線。芳しい香り。
早く、その蜜の出所に舌を入れ、あの身悶えするほど愛おしい窮屈な快楽の中で、全てを吐き出したいと思った。いつものように。
今更、他人に譲る気もない。譲る道理もない。
ここまで育てた果実を、どうして他人なんかに渡さなければならない?
この極上の蜜が他人に啜られるのを、黙ってみてろと言うのか。
リビングに置いたままの澪の携帯からは、耳障りな着信音が流れている。相手は安易に想像出来たが、響は無視した。言わずもがな。澪には、聞こえるはずもない。
(妹の味は、俺だけが知っていればいい。他人は関係ない)
だから、今日も愛を込めて耳元で囁く。
この声が、いつか妹に届けばいいのにと願いながら。

「誰も、お前から離れられないよ」


だから、お前も離れていかないで。
0183名無しさん@ピンキー2014/05/09(金) 00:25:00.38ID:mz4CcBgI
終わり。長文誤字脱字やっつけすみません。また何か出来たら投下します。
他職人様の投下も待ってます(;_;)
0184名無しさん@ピンキー2014/05/09(金) 09:04:37.23ID:T0ZU2tYy
>>183
乙乙!
いいね〜、兄ちゃんの穏やかな狂いっぷりが美味しい。
哲志くんの謎も気になる。
ぜひぜひ続きをプリーズ!!
0187名無しさん@ピンキー2014/05/10(土) 13:02:56.14ID:NbG+H3G1
>>183
久々に読み応えのあるSSで面白かったです!
哲志くん視点も書いて欲しいな〜
0188名無しさん@ピンキー2014/05/10(土) 20:03:51.55ID:5JIT9YaD
前回投稿した人sage183ageすんのもどうかと
他人下げないと褒められないのは183にも迷惑だよ
0192名無しさん@ピンキー2014/05/18(日) 21:49:56.63ID:J9+nCjeV
ショタヤンデレのおねショタカップルは需要ありますか?
0194名無しさん@ピンキー2014/05/19(月) 21:32:07.94ID:PJ3R00mE
ショタヤンデレで需要が無いわけがない
おねショタだと『ぼく地球の』の輪くん思い出すな
あれは素晴らしいヤンデレだった
0195名無しさん@ピンキー2014/05/19(月) 22:10:19.89ID:sTj/ZdpC
まぁあれは中身がショタじゃないからな・・・・・年季の入った病み具合
0197名無しさん@ピンキー2014/05/23(金) 00:15:04.83ID:bf5fbh+h
0198名無しさん@ピンキー2014/05/31(土) 21:58:07.51ID:uWP0wBwR
規制でPCから書き込めない……
ロダに上げてURL投下の形式でもおkですか?
0200名無しさん@ピンキー2014/06/01(日) 10:50:36.71ID:/zZnXMZP
ありがとうございます。ロダから投下させて貰います。

また半年経ってた。時間怖い。待っていて下さった方、ありがとうございます。お待たせしました。
今回もルート分岐回です。ちょっと戻って町に帰った所から。具体的に言うと本スレ63の所。


・エセ攻略風ルート解説
開始から5日以内に町に帰らないと分岐。オオヅノの好感度を上げてはいけないのでレアなルート。

ttp://www1.axfc.net/u/3249209
pass:yandere


やっとエロに辿り着けたと思ったらどうしてこうなった。
エロゲで、メインヒロインを攻略していた筈なのにうっかりサブヒロインのエロから回収してしまったような気分。
0202名無しさん@ピンキー2014/06/01(日) 21:22:17.92ID:wCGMQhub
投下乙!
本当に視覚外からのヤンデレ襲来w
オオヅノさんの来襲もお待ちしております
0203名無しさん@ピンキー2014/06/02(月) 18:36:41.61ID:2nxnWCK3
GJ!!相変わらずの文章力ですね
エルバが気になってたんで、今回メインで嬉しかった!
0204名無しさん@ピンキー2014/06/06(金) 00:00:00.18ID:lSOW8eJ4
昔「親愛なる女王陛下へ 」を投下した人間なんだが
過去スレ読み直してて続きがあったのを投下してみる。

==============


「何故……何故ですか」

 男はそう呟くしかなかった。
 本来なら自分の首と胴が離れている時刻のはずだった。

 その証拠に聞こえてくるのは教会の鐘の音四つを繰り返し。
 咎有って死す者への最後の鎮魂――斬首刑が無事に執り行われた合図。
 民衆は、男の死を持って女王陛下の世が盤石であると安心する筈の音。
 男にとっては自分の死が悪名を持って、永遠に史実に綴られる愛の幕開けになるはずだったのに。

 そう、筈だった。
 なのに依然と男の首と胴はつながったままだ。

 これが愛の証と分るのは、ただ愛しいあの方だけでいい。
 一生に一度の命を懸けた告白。
 こんなちっぽけな自分があの方の心に強く刻みこまれる最期の機会。
 彼女の為に、哀れな男が死ぬ。
 優しい彼女は決して哀れな男を忘れないだろう。それが計算ずくだった。

 そんな至福の時を失って、男は茫然とした。
 ただその小さくも大きな願いの為に、血反吐を吐くほどの嘘を重ね、薄汚い事に長年手を貸していたのに。



 なのに。


「何故――身代わりを?」

 両腕で顔を覆っていた男は、顔を上げると、ここに居るべきではない目の前の人物を見つめた。
 じゃらり。と両腕を拘束している枷を繋げる鎖の音がする。その冷たさと重さが現実だと非情にも語っていた。
 深いフードをかぶって、この部屋に入っても一言も口を利かないが、男には誰か分かっている。

「お前に……生きていて、ほしかった……からだ」

 答える声は、怒りの為なのかそれとも動揺か、震えている。

 男の願いを潰したのは、最初で最後の恋文ともいえる手紙を受け取った相手だ。
 処刑されたのは、男が告発文に一番初めに名を綴った伯爵だった。
 目的の為に手を組んだとはいえ、男にとって一番唾棄すべき相手。
 そんな伯爵が自分の身代わりとなって処刑された。
 愛の証を、汚された。
 憎悪する理由が、また一つ増える。すでに死んだ人間だというのに、憎い。
 憎くて、憎くてたまらない。
 彼女が処刑する、初めての男になるなんて。
 許しがたい。
 代わってくれと、叫びたい衝動に駆られる。
0205名無しさん@ピンキー2014/06/06(金) 00:01:19.38ID:lSOW8eJ4
「俺は、死にたかったんですよ……。
 このまま生きていたら、貴女がこれから出会う沢山の存在の中に埋没してしまうような存在だから。
 ……そんなのは耐えられない!
 貴女に殺されて……忘れない存在になる事こそが、俺の望みなのです、陛下」

 今一時。
 情けをかけて生かしてもらうより大事なことだと、胸の内を絞り出すように告白する。

 昔の事が思い出される。
 手合わせをした、その時彼女の剣が男の肩をかすめた。
 才能はないとはいえ、男は曲がりなりにも武人の出。技量は天と地ほどの差があり、本来ならあり得ないミス。
 真剣な彼女の瞳に見惚れていた、一瞬の油断。
 その油断が招いた痛みは、自らが初めて人を傷つけたという、恐れと、怯えた瞳で甘美なものとなった。
 男の事だけを考え、男の事だけを心配し、男に心が埋め尽くされる。
 その昂揚感。
 
 彼女が女王となり、処刑する一番初めの人間になれば、心優しい彼女の事だ

 ――――絶対ニ忘レラレナイ。

 病んでいた。
 それこそが至上の喜びだと、道を閉ざされた男の最終目標だった。
 それ覆された今は、抜け殻でしかない。

「お前は、私にとってすでに忘れられない、大事な存在だ」

 陛下は涙ながらにいった。
 それが昔からの知り合いに働く心理だとしても、心が震える。
 でも駄目だ、震えるだけで根元からは揺り動かされない。
 男が欲しいものは、もっとも強い――揺るがない気持ち。
 これから一生、心の中に残った一部が全部に成る程の想い。
 
「私は、お前に生きていて欲しい――」
「俺は貴女の心だけでなく……身も頭の先からつま先まで全て欲しいんです、よ?」

 ただ生きているだけなら――死んでいるのと同じだ。
 いや、貴女の心の中にいれなくなった今の俺には、その機会が巡ってこないと焦がれ渇望し。
 手に入れられない現実に苛まれながら、生きているだけで地獄に居るに等しい。
 焦がれて、焦がれて、この身の内から焼き尽くされそうな、想い。
 それを目の前の相手に見せれるものならば見せたかったが、彼女が望むなら、生きながら心臓でさえも抉り差し出しただろう。
 でも今の男は顔に苦悶の表情を浮かべる事しかできなかった。
0206名無しさん@ピンキー2014/06/06(金) 00:02:32.60ID:lSOW8eJ4
「生きていたとしても貴女は去ってしまう、俺をここに取り残して忘れてしまう。
 一思いに貴女の手で……いや貴女は手を汚さなくていい。
 貴女が命令すれば……今、ここで俺は死ぬ。それを見ていてください」

「最初から私に居たのはお前だけだ! お前だけ……っ、他の臣下は全部弟のモノだった。
 初めから私に全て捧げていたのはお前だけ! そんなお前を疑うはずはないっ、私は……私は
 お前に生きていてほしい」

 初めて聞く、彼女の胸の中の激情。
 男は沈黙する。
 それは……自分が欲している感情なのか、それとも。
 いや、そんなはずがない。
 彼女が俺を――愛する、何てこと、と。


「いいえ、貴女の温情はわかってます」
「分ってない! 私はお前が好きだ」
「……臣下として? はは、それこそ俺の望むものじゃない」
「……どう言えば、お前の中の闇は晴れるのだ。こんなに好きなのに」

 ――好き。

 普通の人間への打ち明けたのなら最上の応え。
 告げられた言葉は男の上面をさらりと流れる。

「私は欲深いんですよ。一時より永遠を望むのです」

 わかってる。
 彼女が純粋に慕ってくれているというのは。
 しかし、これから男は牢の中で一生暮らす。
 日の当たる場所で、輝いていく彼女を見る事も出来ないまま。
 心は益々淀み腐っていくだろう。

 そんな気持ちなら――いらない。


「それは目の前の私が望んでもダメなのか、私よりもお前は自分の心をとるのか」
「そんなに俺を苦しめたいんですか、あなたは……罪作りな人だ」
「……お前が信じないなら証明しよう」
「証明?」

 ――そんな事、出来るはずがない。
 そう鼻で笑おうとした、男に返ってきた言葉は、信じられないものだった。
0207名無しさん@ピンキー2014/06/06(金) 00:05:02.89ID:lSOW8eJ4
「私の初めてをお前に捧げる」

 ――女は初めての男を忘れられないというしな。
 そう呟きながら、深いフードのついた外套を脱ぐと、最上の絹で作られた簡素なナイトドレスが現れた。
 彼女の体の曲線をしっかりと見せつけるその服装は、彼女の夫となるものしか見る事の出来ないあられもない姿。
 シャンパンゴールドの色はまるで手の届かない太陽のように目映い。
 それが段々と男に近づいてくる。
 その意味が、男にわからない筈がない。喉が妙に渇いて、鳴る。

「貴女に囲われろというのですか」
「私の為に生きてくれ」
「俺に――陛下の男娼になれと?」

 そういう意味ではないことは分かっている。
 でも彼女を傷つけたい。言葉で傷つけるしかない。

「ち、違う――」

 狼狽える、陛下。
 しかし、瞬時に持ちこたえる。覚悟したように。

「いや、そうだな……私は多分どこかの王族を王婿に迎え入れるだろう」
 美しい唇から紡がれる残酷な言葉。
 その想像だけで胸をかきむしるような嫉妬の炎が灯る。
 この体と……もしかしたら心までも手に入れられる男。

 嫉妬に気を取られている間に、光が床に落ちた。
 男がはっとすると、目映い光よりも更に目をくらませる、白い肢体。
 普通の貴族の女性とは違った、柔らかいだけではなく、訓練で健康的に引き締まった体。

「そんな目をするな」

 白い指が、男の下肢に伸びる。
 見せつけられていただけで、張りつめていたそこに。
 彼女を汚したいという思いが、そして汚したくないという相反する気持ちがあっさりと覆される。
 知識はあっても、実物を触るのも初めてなのだろう。
 ひるんだ表情に……それでも止まらぬおぼつかない手つきに男はあっさりと降伏し、彼女を白濁の液体で汚す。
0208名無しさん@ピンキー2014/06/06(金) 00:08:30.25ID:lSOW8eJ4
「安心しろ。生むのはお前の子だけだ私が産む子が、次の王だ」

 先程から信じられない言葉の連続に
 本当は先程無事に処刑され、その刹那が見せる、自分に都合のいい夢かと男は疑う。
 一度降伏した雄は、再び彼女の手によって瞬く間に硬くさせられて。
 男に乗りかかる、目の前に彼女の豊満な胸が躍る。
 手が伸びそうになり、鎖の冷たさに阻まれるが男は止められなかった。

「連綿と連なる王家の血筋。
 それにお前が入れば王位簒奪はなったものだ」

 男の血が、王家を繋ぐ。
 それこそ断頭された反逆者よりも酷い国家転覆。
 刻み続けられる、忘れられない愛の証。

「それでは、それではっ……お前の憂いは晴れ、ないのか? 私の事を信じないのか?」

 っつ、と男を中に受け入れるために苦しげな声で訴える。
 男はもどかしい腰つきで、目の前に広がる双丘に夢中で舌を這わす。
 びくびくと震える彼女の中がじんわりと温かく、潤ってくるのを感じながら。

「お前が何と言おうと、お前は私のモノだ……愛している、レーディン」

 その甘く切なく自分の名を呼ぶ声に。
 必死で男の顔を胸に掻き抱く感触に。
 迎え入れる彼女の肢体に。

 一生に一度の恋文の答えを貰った男は
 ああ、今死ねたら……俺はどれだけ幸せかと思った。

終了。
0211名無しさん@ピンキー2014/06/08(日) 10:26:23.59ID:dEblpIAN
メンヘラーチンコという新ジャンル
0212名無しさん@ピンキー2014/06/10(火) 19:45:11.77ID:cWCsuZG7
惨事男は存在が残念過ぎる
自殺した男性だけは許せるが
0213名無しさん@ピンキー2014/06/14(土) 14:19:35.32ID:gx4NBIZl
>>204 gj!!良かった!素敵な国家転覆ごちそうさまでした!

最近読み返したら、蟲師の庭師も良いヤンデレだった
表の顔は代々続く評判の庭師なのに、実は一族総ヤンデレ。好き嫌い分かれそうだけど
0214名無しさん@ピンキー2014/06/14(土) 23:30:26.89ID:mAqtNYCb
ヤンデレ臣下というと君主押込もいいよなーと思うw

>>213
蟲師昔読んでたはずなのに全然覚えてないんで読み返したくなってきた
庭師でヤンデレと聞くと愛する人を自分の物にするために
木の下に埋めてその木を大事にするとかそういうイメージだww
0215名無しさん@ピンキー2014/06/15(日) 21:11:45.28ID:ypnWnap3
首から下を行きずりの旅の女の物とすげ替え続けてたアレか
接ぎ木じゃないけど庭師ならではの発想だったなあの話
0216名無しさん@ピンキー2014/06/15(日) 23:03:39.36ID:7Jvz/Ifa
愛する人を埋めて、やぁ今日も綺麗だね。とか、いつまでも一緒だよ。とかいちいち話しかけるんですね。まさしく病んデレ。

桜って時点で嫌な予感はしてたけど、接木と分かった時は戦慄したわ。
専門知識を悪用するヤンデレもいいね。
庭師もだけど、医者とか弁護士とか研究職とか。前提として人の為にある技術や知識を願望の為だけに活用するとか見てて楽しくなる。
0217名無しさん@ピンキー2014/06/15(日) 23:15:02.73ID:JNbqCr9p
蟲師っぽい古めかしい閉塞感のある話だった
アニメだと今やってるのの6話だね
いいヤンデレだったよ…
でも代々結婚してるから柾以外は
本当に素晴らしい花を育てる庭師的な愛だったのかね
0218名無しさん@ピンキー2014/06/16(月) 09:34:01.17ID:TAFIhBum
庭師的な愛だったとしても十分病的だけどね
一族で愛でてた女を独占する為に
あの庭師が他の親族を排除してたら更にいい
実際に二人だけだったし
独占欲はヤンデレ男の標準機能だよね
0221名無しさん@ピンキー2014/07/02(水) 16:35:03.99ID:iuY8FYQ8
最近↑や↓にたまに現れる俺を選ばないならこの部屋で監禁する的な広告漫画が
正当派ヤンデレって感じで妄想掻き立てられるw
0222名無しさん@ピンキー2014/07/07(月) 22:58:55.33ID:XjlC+vwG
7月2日から更新が無いけど……
あれかな?待ってるのかな?

最近ヤンデレというものに目覚めて色々妄想してるんだが……うーん。パターンがどれも同じでさ。しかもエロくない。
女Aには好きな人がいて、女Aの幼馴染みは女Aが好き。でも女Aの好きな人は先輩。悲しませたり困らせたりさせるのが嫌で本心を押さえ込んでたけど、女Aと先輩が付き合い始めて幼馴染みはどんどん情緒不安定に……的な。
0223名無しさん@ピンキー2014/07/09(水) 00:07:02.39ID:bF92rk1f
ここ普段から過疎ってるよ
殆どのスレそんな感じじゃないか
0224名無しさん@ピンキー2014/07/09(水) 16:52:54.48ID:6QicYSzy
>>223 マジか……
誰も聞かないし見ないだろうけど222で書いたやつをちょっと文章にしてくる
0225名無しさん@ピンキー2014/07/10(木) 22:48:21.59ID:X9zvVye1
投下が始まる事で人があつまってくる事もあるんで頑張れ
0226名無しさん@ピンキー2014/07/10(木) 22:58:20.80ID:2QlRMImB
>>224
人が居ない訳ではなく
投下がないからレスのしようもないだけ

雑談も限度があるし
今度は雑談が投下を妨げている
みたいな話になるし
0227名無しさん@ピンキー2014/07/11(金) 11:20:21.71ID:+sQUHo7f
>>222楽しみにしてる

>>1に、男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです
ってある通り、雑談大歓迎って訳ではないからね
常に過疎ってるけど人は居ると思うよ
0229名無しさん@ピンキー2014/08/09(土) 00:35:02.99ID:Mt4DO6Cs
正直思わせぶりなレスをするなら責任を持って投下して欲しい
そもそも投下する気もないなら思わせぶりなレスは真剣に止めて欲しい
0230名無しさん@ピンキー2014/08/09(土) 18:56:44.67ID:dmNp24VY
そんなカッカしなくても
投下がないのはたしかに残念だけど、まあいろいろ都合もあるだろうしええやないの
いつか投下してくれるのを期待してゆっくり気長に待とうよ
0233名無しさん@ピンキー2014/08/11(月) 19:47:35.87ID:v+PI0b05
表向きは年下幼妻とほっこりしてるが
内心はドロドロの狂気に満ちた愛に満ち溢れた定年退職した夫か
0234名無しさん@ピンキー2014/08/13(水) 23:39:37.31ID:8LaYGdEx
会社に行っていると見せかけて
実は定年退職(またはゆるーく勤務)していて
家にいる妻を監視していたりとかいいな
0235名無しさん@ピンキー2014/08/30(土) 13:11:20.80ID:Xhj4NCKQ
嫉妬のあまり調教しすぎて、ヤンデレを愛する前にビッチ堕ちしちゃうヒロインの妄想が止まらない件
最初は身体の関係だけでもいいやと思ってたヤンデレが後悔すると尚良し

やっぱ邪道かなぁ
0237名無しさん@ピンキー2014/08/30(土) 19:28:03.01ID:XVvPnr0T
自分もそういう設定考えたことあるんで問題ないとw

ハイスペックヤンデレが心が手に入らないから愛故
精神的に追い詰めて妻にして自宅に軟禁
日々無理矢理犯して自分の欲求にこたえる淫乱な女にしておいたが
好きでもない他の男にも答えてしまう体にした事には気付かない
(というか他の男を近づかせる気がなかった)
仕事に行ってる間にハイスペックヤンデレに好きな人を取られた後輩が
どんな女と結婚してるんだと来襲やら
ハイスペックヤンデレが朝から犯す→窓から見ていたお向かいさんが女を脅して犯す
孕ませられるヤンデレBADED妄想ならした事があるw
0238名無しさん@ピンキー2014/09/06(土) 23:33:37.68ID:Ey7LPr7/
今日「あやまち運命論」ってやつ読んだんだけど
>>159みたいなヤンデレに違和感を覚えて反抗するヒロインの話だった
ギャグっぽかったけどシリアスに書けばヒーローかなりえげつないヤンデレ
0239名無しさん@ピンキー2014/09/09(火) 11:16:50.29ID:qCVGiMQF
年を重ねて見返してみるとあれこれヤンデレじゃね?っていうのあるな
自分の場合はSWのアナキン
9歳の頃に14歳のヒロインに出会って結婚する宣言して実際結婚しても嫁大好きで結局嫁の為に悪堕ちしちゃうとか嫁への執着心凄くてついには嫁にまで手をかけようとするとか。実写は特に美男美女だし堪らんw
0240名無しさん@ピンキー2014/09/09(火) 23:27:43.80ID:Ii7noj8i
>>239
アナキンは最高だわ
嫁が年上美少女→美女なのが良い

あれみたいな設定で愛欲的意味合いでヤンデレ男大勝利ENDなな
アナキンとパドメをオマージュした様な関係の話が見たいよ
0242名無しさん@ピンキー2014/09/10(水) 08:39:47.42ID:VnLJY7qU
>>240
同志嬉しいw
今更小説とかも買い漁ってるんだが心理描写がある分実写以上により嫁嫁嫁なんだなw2828して見てしまうw
アナパドは嫁が美女なのはもちろんだけどヤンデレ男が美男なのもポイント高いわw


自分もアナパドみたいな話見てみたい
てかそんなカプ知りたい
0245名無しさん@ピンキー2014/09/12(金) 08:03:13.33ID:p352BXEk
もう買って来るしかないじゃないか
タイトル教えてくれw
0246名無しさん@ピンキー2014/09/14(日) 17:11:49.67ID:UwJ7RLkU
タイトルはそりゃスターウォーズEP1〜EP3


年下ヤンデレ男の激情やら我が儘自分勝手さに怯えながらも
惹かれてる年下美女は美しい
0247名無しさん@ピンキー2014/09/15(月) 14:38:58.54ID:wU2QX2Ty
スターウォーズをみんながみんな知っていると思っているなよw
0248名無しさん@ピンキー2014/09/15(月) 21:04:42.15ID:gS4Jo+pw
ハリーポッター世代だからスターウォーズとか見たことないな
0249名無しさん@ピンキー2014/09/16(火) 00:40:03.37ID:xMyRh2Tk
>>247
いや、そういう事を思ってる訳でなく上でタイトルが出てたから
でも確かにSWだけじゃわからんか
0250名無しさん@ピンキー2014/09/16(火) 17:17:21.58ID:Ty3YvmZ6
でもこういうところに居るなら登場人物の名前やらタイトル略称やら
ワード幾つも出してもらえてるんだし多少自力で検索した方が
0251名無しさん@ピンキー2014/09/16(火) 23:47:42.28ID:uFYrp5QC
WIKIみると未翻訳ばかりと言えどけっこうスピンオフ作品あるのに
スターウォーズ知らない人にはこれだとあたりをつけるの無理なんじゃね?
ここ基本商業ものならタイトル出せよって所だし
0252名無しさん@ピンキー2014/09/17(水) 00:07:11.11ID:4CqmW3//
自分>>239だけど最初からスターウォーズって書けばよかったね。すまん
>>245は実写はもちろんだけどそれで気に入ればエピソード1〜3の小説もオススメ
ヤンデレの心情堪らんからw
エピソード1の頃のアナキンはまだ9歳だから正確にはヤンデレ入ってないけど、その頃からパドメを嫁にするって決めてたりパドメに会えなくなるって事で喧嘩したりと執着心バリバリでヤンデレの片鱗見せてるのでぜひw
0253名無しさん@ピンキー2014/09/17(水) 02:11:43.15ID:SbqmMoZl
幼い頃からあの女、俺の嫁なと断ずる事が出来る心意気は称賛に値するよな
0254名無しさん@ピンキー2014/09/23(火) 00:07:38.15ID:cbmex0Mu
年下の男に良い様に弄ばれる美女は良いよな
0256名無しさん@ピンキー2014/10/23(木) 21:48:11.59ID:ml0AdRga
客観的に見たら良い鴨なんだが両想いなら
と思ったけどなんだかんだで美女、美少女の側は結局艱難辛苦を乗り越える必要に迫られそうだな
横恋慕する男なんか居たらを見た瞬間に嫉妬スパークしそうだし
荒ぶる神を宥めすかす巫女のごとき献身が必要になりそうだw
0257名無しさん@ピンキー2014/10/24(金) 00:34:23.11ID:IqK4unQH
じゃあ男の狂的な献身と執着を全く知らないままとか

お家は零落し若い身空で病の床の母との困窮した生活の中
ごく自然に押しつけがましくなく差し出される援助の手
時折馬の遠乗りでピクニックに出かけたりもし、無垢なままに囲い込まれ
「私の様なものを助けても見返りもないのに、
何て親切な方…あの方こそ本当の紳士だわ」と段々と心惹かれるも
狙いを付ける女以外には男は極めて冷酷にあたったのが祟り
唯一無二と思い詰めた相手をある日兇漢のナイフによって散らされて亡骸を腕に慟哭…バッドエンドになっちゃったよ
死なないまでも杖なしには日常に不自由になった女を細やかに世話をする男
最早飛びたてぬ小鳥の手を腕に明るい庭園を二人きりでそぞろ歩く
澱み切った歓喜を噛み締めつつあくまで努めてその表情は絵画のように穏やかだった
0259名無しさん@ピンキー2014/10/24(金) 20:46:46.97ID:vx0iReTO
自分とは遠い世界だから知らなかったけど出産のときって今でも母親死ぬこと結構あるんだね…
ヤンデレもそのこと知らなくて子供つくってて、子供だけ助かってパートナーが死んだらどうなるんだろう…
0261名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 04:51:43.96ID:LW2/1ZVs
>>259
岡崎朋也化するに一票

いくら遺伝子受け継いでて容姿声そっくりでも他の誰かを代わりに、が出来るならヤンデレじゃない
というのが自分の考え
0262名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 04:58:14.68ID:L72YLUkT
>>257
一般的にはその鳥籠からヒーローが救い出す展開みたいな話よくあるよな
そういうの読んでヤンデレ好きとしては可哀相といつもおもってしまうw

>>260
自分ならその展開だと結局どっち好きなの?ってもやもやするw
息子だと亡骸抱えて心中っぽく自殺しそう
自分に似てたら迷いなく子供捨てそうだけど
嫁に似てたら葛藤凄そうだな
0263名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 15:21:41.62ID:BYoWq09Z
>>262
鳥籠から救い出すとか糞だよな
そんな横恋慕野郎はヤンデレ男様に誅殺されるべき
0264名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 15:43:05.23ID:W5bJNKmK
助けにきたヒーローに私はここに残りますっていう展開希望
ヒロイン自らヤンデレを受け入れて共依存みたいになってるとか最高
0265名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 16:03:36.15ID:XSZgizfj
それ以上に女性の側が普通にヤンデレ男に惚れていて
間抜けなヒーロー気取りにラブラブっぷりを見せ付けてくれても良いんやで
0266名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 18:23:52.89ID:F1/zY8xj
>>264
オペラ座の怪人を初めて見たとき、その展開じゃなくて超ガッカリしたわ
0267名無しさん@ピンキー2014/10/25(土) 20:48:02.40ID:Fmy1u4Ix
時には正義の主人公的人間より余程愛と執着が深いヤンデレ男が報われる展開があって良い
ちゃんとヤンデレだと理解して愛してくれるヒロインカモーン
0269名無しさん@ピンキー2014/10/26(日) 05:19:55.94ID:1NApWedC
勝利エンド切実希望
だけど思い浮かぶのは何故か
大勝利ドヤ顔で主人公を見下してる
表情か、ヒロインに惚れ直し過ぎて
歓喜の恍惚アヘ顔してるヤンデレ
かっこいいエンドが見たいのに何故だ…
浮かんでこない
0271名無しさん@ピンキー2014/10/26(日) 20:26:10.22ID:8Pifef99
>>264を読んで、全く逃げる気がないのに不幸に耐える健気な女のふりをして男を誘い、ヤンデレ男に殺害させては喜ぶヒロインを思い浮かべてしまった。
0273名無しさん@ピンキー2014/10/27(月) 00:24:19.87ID:S5WU3exA
私の為に間男を殺してくれるなんて感激☆
いやーん私ってば愛されてるv

…みたいな感じだとしても面白いw
高橋慶太郎が描く世界ではありそうだと思ったw
0274名無しさん@ピンキー2014/10/27(月) 00:52:09.70ID:zgBPRA8S
殺人と言うと生粋のシリアルキラーな主人公が獲物(予定)を愛してしまい
殺意と生きている女性を愛でたいと言う葛藤の末に後者を選び取り
ヤンデレ爆誕とかこういうのも見たい
0276名無しさん@ピンキー2014/10/27(月) 23:12:27.26ID:6HTKQk3x
ヒーローポジションもヤンデレで助けたあともあまり状況が変わらないというエンドは…
0277名無しさん@ピンキー2014/10/28(火) 03:12:01.95ID:kXE/qJS5
ヒーローに助けられたと思ったらヒーローもヤンデレだったって事か?
良いな
0278名無しさん@ピンキー2014/10/28(火) 12:04:54.66ID:Wwg62LsI
それなら寝取られるヤンデレ可哀想
寝取るのは大好きだけど
寝取り展開ならやっぱり正義感のある好人物みたいな腹立たしい糞野郎から
ヤンデレ男が寝取る展開が良いです
0279名無しさん@ピンキー2014/10/28(火) 20:20:27.91ID:Qc/Bh6rD
ヒロインが最強のヤンデレホイホイで
永遠のヤンデレループとかだったらギャグになってしまうかw
0280名無しさん@ピンキー2014/10/28(火) 23:23:20.73ID:2152hgw0
555のヒロイン真理はわりとヤンデレほいほいのヒロインだったなw
草加は言うまでもないし、澤田も真理が好きだからこそ真理を殺して人間を捨てようとしてたりw
0281名無しさん@ピンキー2014/10/30(木) 16:33:05.16ID:h6i7A5//
ヤンデレたるもの他の男が好きな女に触れるのを赦してはいけない
0282名無しさん@ピンキー2014/10/31(金) 10:45:39.61ID:YdHFnyKI
ところでみんなはヤンデレ男を女が受け入れてくれる展開が良い?
それとも拒絶した挙げ句色々と拗れる展開が良い?

いや、まあ正直面白けりゃなんでも構わんのだが
後者はよくあるから上の方で言われている様にやっぱりヤンデレ大勝利で女が受け入れてくれる展開が見たいよね
後、他の男から寝取るとかでなしに
女は別の男が好きとかではなく
特に好きな男は居なかったか両思いに近い状況からスタートが良いなあ
0283名無しさん@ピンキー2014/10/31(金) 16:38:53.48ID:QVSaQb+G
あしながおじさんって言うか少女と後見人のおっさんって良いよね
小さくて可愛らしくて薄幸な雰囲気で健気な女の子が良いですねぇ……
そんな女の子とヤンデレなおっさんの恋愛が良い

えぇ、ロリコンです、ロリコンなんです。
小学生は最高だぜ!
0284名無しさん@ピンキー2014/10/31(金) 17:40:25.41ID:JP8XkC56
ヤンデレ万歳
0286名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 00:06:37.63ID:y35Ucv2T
>>263
> 鳥籠から救い出すとか糞だよな

ほんとそれ
せっかく萌える男ヤンデレが出てきても、結局ヒーローや俺TUEEEキャラの踏み台みたいな展開が多くて凹むよ
鳥籠の外で彼女のために戦いつつ鳥籠を甲斐甲斐しく整えて服やご飯を用意するヤンデレの姿が見えないのか…
ヤンデレ大勝利展開もっと増えろ
0288名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 18:38:48.25ID:qmymVGS3
> 鳥籠から救い出すとか糞だよな

で思い出したんだが某投稿スレで
ヤンデレがヒロインを囲い込むのに失敗して行動が裏目、裏目にでて
ヒロインはヤンデレに仄かに好意を持っていたのに
子供が自分の子じゃないと言われてぶちっときたヒロインが
結局は自力で鳥籠を出る話を読んだんだが
その感想を読んだんだがヤンデレザマァm9(^Д^)ww
な感想ばかりでびっくりしたな
ヤンデレスキーな自分からしたらヤンデレカワイソスだったのに
一般的にはヤンデレは受け入れられてないと現実を知った出来事だったw
0290名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 19:48:53.65ID:gSbanpA1
エロゲのプリズム・リコレクションの初咲姉妹の親父殿はヤンデレかも
奥方は既に故人やが(´・ω・`)
0291名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 21:01:29.92ID:tItsvpP2
>>288
多分知ってる奴と同じだが
私は確かヤンデレ可哀想と書き込んだ覚えが
貴方の同志はここにいます!
0292名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 21:54:59.63ID:qmymVGS3
おお同志よ!
自分がざっと見た時の感想は
殆どヤンデレが捨てられてスカッとしたって感じだったよ

あれは番外編でヤンデレにヒロインの情報を流していたり
ヤンデレが叔父に成りすまして手紙をヒロインと交換しているのをよしとする周りの人間に
ヒロインへの裏切り!ヒロインの味方は居ないのか!とヒートアップしていたのが
そこまでして一般の人はヤンデレを許せないのかと((((;゚Д゚))))だったw
0293名無しさん@ピンキー2014/11/03(月) 22:16:29.65ID:tItsvpP2
>>292
まぁ、客観的に見たらヤンデレ男は悪い奴だからね
仕方ないね

でも大勝利して欲しい人情
0294名無しさん@ピンキー2014/11/04(火) 00:12:19.54ID:6f0j4eiG
やっぱりヒロインが健気でヤンデレ男をちゃんと深く愛してくれる話が欲しいとです
0295名無しさん@ピンキー2014/11/07(金) 23:23:58.03ID:ncvkUpyR
サイコパスの東金さんがやってくれそう
黒く染めたいとか別に目的あるんだろうけどwktk
0296名無しさん@ピンキー2014/11/09(日) 19:18:21.00ID:HLuViGUX
サイコパスで執着対象がヒロインだとヤンデレ勝利はありえないだろうな…
0297名無しさん@ピンキー2014/11/09(日) 21:11:24.34ID:KlVAjv5R
そもそもサイコパスはヤンデレとは全く違う筈
同じ猟奇的かつ精神疾患でもサイコパスとは違う猟奇的人格、精神疾患だね
0298名無しさん@ピンキー2014/11/09(日) 23:03:47.06ID:HLuViGUX
>>297
ごめん。サイコパスというタイトルのアニメは恋愛やヤンデレ的執着がテーマではない(はず)から、
ヤンデレ勝利とかありえないという意味で書いた。
サイコパスがヤンデレではないということは知ってる。
0300名無しさん@ピンキー2014/11/16(日) 01:22:41.54ID:ffv/JjJQ
ヤンデレ男に付きまとわれる美少女とか最高に萌えるぜぇ
0301名無しさん@ピンキー2014/11/18(火) 02:07:53.39ID:3qef6oo7
このスレの住民はやはり濡れ場ではドSに女性を責め立てるのが良い人多いの?
俺はその方が良いけどねw
0305名無しさん@ピンキー2014/11/24(月) 22:33:36.59ID:AOxiYQyP
まったくキレないヤンデレもいいよね
どんなに女の子が怒って罵倒してても可愛いなーって暖簾に腕押しなのとかw
0306名無しさん@ピンキー2014/11/25(火) 03:11:14.10ID:tetT7WYQ
>>305
それいいね!
女の子が疲れて何も言わなくなったら「どうしたの?」「馬鹿で変態でごめんね?」ってクスクス笑いながら言うヤン
0307名無しさん@ピンキー2014/11/25(火) 08:23:59.62ID:biKI8uEp
女の子がヤンデレの相手に疲れ果てている描写は大好物だよ!
0308名無しさん@ピンキー2014/11/25(火) 23:52:43.61ID:i90Ea2Ak
「いつになったら私の言う事理解してくれるの?!」
「私の言う事をききなさいよ!!」

一歩間違えれば(間違えなくても)
子育てに疲れ果てているママみたいだなwこれw
0309名無しさん@ピンキー2014/11/26(水) 00:01:03.33ID:VFvDKeQz
ここまで書いといて
ハイスコアの麗二さんと景織子さんで脳内再生余裕だったw
0311名無しさん@ピンキー2014/11/26(水) 06:17:36.93ID:i3s6BeaL
こんなところでその名前を見るとはwww
嵐士もヤンデレっぽいよね?個人的には泉ちゃんが大好きだけども
0312名無しさん@ピンキー2014/11/28(金) 00:31:30.83ID:y2Z8AVTk
>>310
遅くなってスマンがそれだよw
自分は個人的にわづが好きだある意味こいつも一癖あるヤンデレかもしれないw


麗二さんは景織子さんにはじめて会った時は可愛い子ねって思われてたんだけど
未成年だってわかって(ここらへん記憶ウロなんだが)別れようとすると
血で部屋の掃除がめんどくさい(これが当初結婚した理由としてでてた)と思うぐらい自殺未遂やら
未成年とつきあってたなんて犯罪…や幽霊を毎晩けしかけて(麗二さん霊能力者です)…と脅しやら
拉致監禁・薬物投与までした挙句 印鑑を偽造して婚姻届を提出
と色々やっていたんだけど
結局は景織子さんは麗二さんのお父さんに一目ぼれしてお義母さんになりたかったけど
死んだ妻一筋で無理だったから義理の娘になる為に結婚(をあきらめて)したらしい

他にも景織子さんは子供(ヒロイン)産むときに死ぬほど苦しかったから
「生まれ変わったらお前に子供産ませてやる!(お前も同じ苦しみを味わえ的な意味で)」と言ったのに
「え、来世の約束v」とときめいたりするポジティブシンキング。
麗二さんは何かできる事ある?何でもするからって言ったら
「ここから飛び降りて死ね!」って言われて2階(以上?)から飛び降りたりもするし。

(まー12年ぐらい続いてる連載なんで設定がコロコロかわってるんだけど
0317名無しさん@ピンキー2014/12/25(木) 22:18:09.79ID:3ZUlhDk4
個人的にはガチ犯罪者なヤンデレ男とその男が策略謀略金の力で手に入れた箱入り美少女のラブラブ結婚生活が見たいよ
ヤンデレ男は嫁以外の他人の命は塵芥程度にしか見ない屑で嫁も完全に屈服させて
嫁入り後も箱入りで半ば監禁状態で

ヤンデレ男は犯罪を完全に隠蔽して暮らし続ける展開も良いし
捕まっちゃう展開でも良い
なお捕まる展開では嫁は周囲の説得にも耳を傾けず
極悪人な牢獄の夫に健気に尽くして帰りを待つ展開で
0318名無しさん@ピンキー2014/12/27(土) 01:55:32.55ID:4HqvwlSS
予期せぬところで男ヤンデレを見つけた時のしあわせ

マジキチヤンデレ幼馴染とそれを受け入れる聖母系女子
みたいなのが欲しい
0320名無しさん@ピンキー2015/01/01(木) 22:26:27.27ID:XtyYZEBd
親戚の家で3月のライオン読んで主人公に萌えた
僕の手の届く所に来てくれると聞いて 絶対 に〜からの囲いこみ発想
ヤンデレではないんだろうけど思考の飛躍がヤンデレ男っぽくて良かった

もっと日常潜伏型のヤンデレ男が読みたいよう
0322名無しさん@ピンキー2015/01/07(水) 00:02:02.88ID:R+PBuym3
最近 原型の熊で薄い本みたいな妄想してる
飼育員少女ちゃんに世話されてた熊が歪んだ愛むけちゃってて、檻に引きずり込んでレイプとか
山にハイキングに来た少女ちゃんに一目惚れしちゃって巣にお持ち帰りされてレイプとか
小さい頃遊んだ少女ちゃんが大きくなって結婚の話が来ちゃってお嫁に行く途中で襲ってレイプしちゃって
んでもって逃げられないように両足噛み千切っちゃったり
大好きなはずなのに、少女ちゃんが泣くのも心地良いし少女ちゃんの足美味しいしで
泣きながらもぐもぐハメハメしてくれるともっと嬉しいです
そんな薄い本ありませんか、、、
0323名無しさん@ピンキー2015/01/07(水) 00:32:44.07ID:hsrWxCW+
>>322
その発想はなかった

が最高だ
好きな女の子の身体捕食しながら犯すヤンデレ熊素晴らしい……
俺に画力さえあれば速攻で漫画化すんのに

そういや熊のちんこってどんなだろうか?
いや、二次元でありがちなオークとかのデカチンみたいにすりゃ良いんだが
0324名無しさん@ピンキー2015/01/11(日) 21:42:54.51ID:maxW9AI5
森のくまさんがそんな感じに思える自分は穢れているww
しかしカニ場的な物は特殊嗜好なので注意書きした方がいいんだぜー
もう平気な人間は麻痺しちゃってんだろうけどさw
0325名無しさん@ピンキー2015/01/11(日) 23:12:32.87ID:A1A/7ZoX
盲目の女の子とかダルマにされちゃう女の子とか好きだなぁ
そんな女の子に恋するヤンデレ男とか自分でやらかすヤンデレ男とかよし
0326名無しさん@ピンキー2015/01/12(月) 00:42:09.10ID:FgnywsJI
新年早々とばしてるな、安心した。
だがしかし注意書きか改行はした方が良いと思う。
ということで改行



食べちゃうのもありだけど食べさせるのもいいよね
晩御飯やら飲み物やらに混入してほくそ笑んだり、
拘束して無理矢理食べさせたり…
バレンタインに異物混入は噂で聞くけど
ヤロー的にはどうなんだろう。
やはり男らしくダイレクトにねじ込む方か。
0327名無しさん@ピンキー2015/01/12(月) 01:01:11.98ID:uxaTueRE
うん、新年早々キモ過ぎで私は大変に気分が良い
とりあえず改行しよう

>>326
男なら女の体にはねじ込めないといけない

とりあえずあれだな捕食しながら犯すのはもっと流行って良い
0328名無しさん@ピンキー2015/01/12(月) 18:03:20.58ID:m4Ppnhp/
新年早々だが
犬は体格の違いを考えないで交尾しちゃうから
出産で命を落とす雌犬がいると言うのを聞いて
体格の違う種族ヤンデレ―とか妄想が駆け巡る罠・・・・っ!!
自分でヤンデレっておきながら子供ができて絶望に陥るヤンデレとか飯ウマです


話題に出てるかもしれんが
あしながおじさんのジュディへの囲いっぷりが
ヤンデレ男に通じるものがあっていいなーもっとヤンデレだったらよいのに
0329名無しさん@ピンキー2015/01/16(金) 16:02:15.99ID:7wRz2tu4
ノリノリで強姦して孕ませた癖に絶望するとかなんたるポンコツか
もっと色々やらかすべき
0330名無しさん@ピンキー2015/01/19(月) 07:39:02.89ID:ui56voKY
囲い込むことには成功したが、こども最優先になってほったらかされるヤンデレですねわかります
0331名無しさん@ピンキー2015/01/19(月) 17:44:05.34ID:rYftT1M0
子供に対抗して甘えまくって母乳ごくごく飲んで乳児プレイしたら良いじゃん
0332名無しさん@ピンキー2015/01/20(火) 07:39:08.65ID:dwZghDQY
母そっくりの娘だったら娘ごと籠の鳥にするのも美味しいな
息子の場合は鮮血の結末が待ち受けていそうだが
0333名無しさん@ピンキー2015/01/24(土) 00:27:04.27ID:d1B0i/5m
ヒグマ…交尾したいメスが子供連れてたら子供殺すんだ…
0335名無しさん@ピンキー2015/01/26(月) 01:05:30.51ID:Ejd4LGz4
バツイチ子持ちに恋したヤンデレが
子供を懐柔して仲良くなりながらつつ内心では嫉妬
果ては・・・まで考えた
0336名無しさん@ピンキー2015/01/26(月) 23:31:02.19ID:Ded1fWiF
>>335
そこは子供は女の子にして母娘二人にヤンデレたら解決
親子丼だぜイャッホー
0337名無しさん@ピンキー2015/01/27(火) 02:46:58.85ID:ddpp5PtM
そして最後は嫉妬に狂った二人に刺されるんですね。逆ヤンデレ
0338名無しさん@ピンキー2015/01/27(火) 12:34:27.16ID:0ulSVtR+
そこは別に美人母娘を侍らせる展開で良いじゃないか
そして性欲がそう性欲が満たされる感じで(大切な事なので二度ry
綺麗で可愛い美人母娘の心を込めた御奉仕でヤンデレの股間はフル勃起ですよ
0339名無しさん@ピンキー2015/01/28(水) 16:21:30.86ID:rvR1ky6/
親子丼ヤンデレって珍しいな
子持ちヤンデレに嫁いで息子と旦那にヤンデられる逆パターンはないのか
0340名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 02:36:44.79ID:oXCjTATz
>子持ちヤンデレに嫁いで息子と旦那にヤンデられる逆パターンはないのか

うろ覚えだけどガラスの家っていうNHKドラマがそんな感じだった気がする
0341名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 13:37:13.98ID:Isf1CSA0
二人にヤンデレるなんて一人に絞られてない二股かけてるみたいでNGだなーハーレムスレならともかく
0342名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 13:53:46.49ID:dUptRA79
個人の趣向はさておきスレルール的には問題無い筈
NG促す注意書き対応でOK
0343名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 22:11:00.54ID:oXCjTATz
でもちょっとわかるな
ヤンデレって好き過ぎて病むとか狂う程入れ込むってイメージだから
あれもこれも手出すとヤンデレとして浅い印象を受ける
他に目をやる余裕がある分、病みレベルが低く見えるというか

個人的にはたとえば双子の片方にヤンデレたら
そっくりなもう片方には目もくれないほど気合い入れて病むみたいな一途タイプを応援したい
0344名無しさん@ピンキー2015/02/01(日) 00:18:45.24ID:ymRTmN/2
気合入れて病むってなんか新しいwww
体育会系に目標に向かって真っしぐらってのが好感
0345名無しさん@ピンキー2015/02/01(日) 19:11:36.62ID:peOGEVnA
>>343自分もそんな感じ
二兎を追うヤンデレ一兎も得ずな気がするw

いや>>342の言う通り個人の趣味だし注意書きあればいいんだけどw
0346名無しさん@ピンキー2015/02/02(月) 00:05:43.81ID:OnCcYdEC
>>343
そういうの好き。
双子で周囲の人間はそっくりだと言ってるのに、ヤンデレだけは見分けられて、
「全く似てないじゃないか」みたいな発言をして驚かれてほしい。
0347名無しさん@ピンキー2015/02/02(月) 01:03:39.52ID:drM7ZpId
そういうので更に双子なのに似てない姉妹で
ヤンデレてないほうのが一見スペック良くってみんなそっちを絶賛するのに
ヤンデレは劣ってる?と思われているヒロインに
自分しか見つけられない魅力を感じてるのとか好きだわー

更にスペック良しの方もヒロインにべったりでヤンデレと戦ってると良しw
0348名無しさん@ピンキー2015/02/02(月) 23:31:28.54ID:ViVMzUo0
ヤンデレに妥協は許されない
一直線に退かず、時に媚びるが省みず、
ライバルを蹴散らし病んでて欲しい
0349名無しさん@ピンキー2015/02/02(月) 23:46:27.11ID:HT4J1qzr
うむ

そして更生してはならない
ヤンデレを愛で真人間に戻すなど無能の極み
0350名無しさん@ピンキー2015/02/03(火) 22:47:29.44ID:if6HqMeg
更生させようとして中途半端なやさしさで関わると惨事になってしまえば良い
可哀想なヤンデレに手を差し伸べたら泥沼に引きずり込まれるとか

更生させようとしてくるのを、じゃれてるみたいで可愛いって思うのも
0351名無しさん@ピンキー2015/02/03(火) 23:41:09.94ID:9r9GU60z
ヤンデレ男と恋仲になって真人間に更正させようとするも諦めて全て受け入れるマジ天使なヒロインが良い
0352名無しさん@ピンキー2015/02/04(水) 04:10:51.93ID:LTXi/R2e
諦めるに至る過程を余すこと無く見たい
恋い焦がれ歪んでしまったヤンデレを更生させようと頑張り、
狡猾さや貪欲さに驚きつつも気を張り続け、やがて真っ向から
対抗するようになり、それでも底の知れないヤンデレに、
心を折られ怯えるも良し観念するも良し
天使なのもいいしキリッとしたヒロインでもいい
0353名無しさん@ピンキー2015/02/04(水) 13:09:52.42ID:IP0wz0lo
真っ向から対抗するのもあくまでも
ヤンデレ男への愛情があるからこそってとこを強調してくれると尚良しだね
心を折られて怯えまくってる展開は見たい
でも結局愛に殉じてくれるとか最高
0356名無しさん@ピンキー2015/02/08(日) 23:02:14.93ID:QpiVfw/G
想い人を我が手に収めて
恋敵だの自身の奇行凶行を止めようとした周囲だのを制圧して
太陽の様な満面の笑みを浮かべ高笑いをするヤンデレ男がなんだって?
0357名無しさん@ピンキー2015/02/09(月) 02:03:06.47ID:DvNHUU8t
そうさ〜100%悋〜気〜
もう 病みきるしかないさ〜

ヤンデレのポジティブ発言って
いくら言い方や内容が明るくても
不穏でしかないよなぁ
0358名無しさん@ピンキー2015/02/09(月) 02:18:25.14ID:8g2s6ac8
男ではなく女だがヤンデレでもアカイロ/ロマンスの依紗子さん位明るくハキハキした感じなら不穏さも……いや、不穏さしかないか
0360名無しさん@ピンキー2015/02/14(土) 15:50:46.84ID:0xa0LbaV
ワンコ系ヤンデレ
「へへ!先輩に近づくからあいつやっちゃいました!」(めっちゃいい笑顔)
0363名無しさん@ピンキー2015/02/14(土) 23:52:45.84ID:3S00VHqO
まぁ、女の子のヤンデレはスレチだよなぁ
わんこ系男ヤンデレも良いな
女性側の反応もひたすら怖がる、鬱陶しがる
カップルになる、そして恋敵をやった事に対して
愛してるが故に罪を償わせる様に動くのか
怖がるだけなのか
いけないと思いつつも必死に庇い隠蔽するのか
0364名無しさん@ピンキー2015/02/19(木) 08:28:44.68ID:1jeObcw9
アルドノアゼロのスレインがいい感じにヤンデレ化していて面白い
姫様ラブなのがどんどん歪んて行くのイイヨイイヨー
0365名無しさん@ピンキー2015/02/25(水) 17:06:46.58ID:T/Y3HCji
乙女ゲーだけどDIABOLIK LOVERSにヤンデレ男数人いる
好みは分かれそうだけど
0366名無しさん@ピンキー2015/02/25(水) 19:18:08.14ID:b3mAf9P0
あれは元々のヤンデルさんも含まれてるし
シナリオという面では死んでもお勧めできないし微妙
0367名無しさん@ピンキー2015/03/14(土) 15:37:59.27ID:U3uEkQIr
主人公を的にダーツ始めるからな
あれをヤンデレというなら
コミカルデフォルメヤンデレ

ところでこの前読んだ漫画に
ストーカー婚という言葉が出てきてた
思わずググったけど全然ヒットしない。
字面で想像はできるけど
もっと詳細な情報がないか気になってしょうがない
0368名無しさん@ピンキー2015/03/14(土) 17:21:28.56ID:DbXDjv90
>ストーカー婚
その作家さんがノリで出した造語なのかねー

昔カレー倶楽部やらアリスにおまかせ読んでた作家さんが
まだ描いていたのかーと懐かしくなったんだが
その内容がヤンデレ可哀相になった…あなたは愛を信じますかってタイトルなんだけど
ヒロインは正ヒーローと付き合ってたけど酷い裏切りがあって別れて
ヤンデレと付き合おうかとなっていた時に
正ヒーローと再会で裏切りは誤解だと気が付き元鞘にあっさりヤンデレ振られる
(でもヒロインは友達に戻るだけだとかーやっぱり私達親友だよねとかヤンデレにこれっぽっちも悪いと思っていない)
勿論、正ヒーローとの誤解はヤンデレが仕組んでいたし、友人ポジに治まってたのは虎視眈々と狙ってただけ
そんなヤンデレをやっつけてめでたしめでたしだったんだけど
ヤンデレ好きとしてはヒロインいい加減にしろよ!!って思ってしまったw
0369名無しさん@ピンキー2015/03/18(水) 21:08:21.62ID:NknveTEe
人外×少女専門の人なんだがショートショートな話最近ちょこちょこあげてて、
たまにヤンデレっぽいのもあって俺得だった
0370名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 00:54:05.20ID:rhNhT2AK
>>367
誘拐婚なら知ってるけどな…それと間違えたのかな?
0372名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 02:38:47.32ID:Hm2FFYs7
暇つぶしにやってみたが、、一人だけ凄い奴がいた、想定外の奇跡だゎ・・

お前も超本命ならできる確立高いな

▲をnn2に変える
s▲ch.net/s11/078momo.jpg
0373名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 03:22:45.60ID:S/l04SQX
369だ、すまん
支部に上げてる人だ
タグ検索してくれれば多分解る
0374名無しさん@ピンキー2015/03/19(木) 21:19:52.28ID:Imhhv4En
個人サイトへの誘導はNGだよ
一般の人に迷惑かけんなよkz
0376名無しさん@ピンキー2015/03/20(金) 00:33:51.88ID:uZeH0Qjb
2ちゃんに晒して相手を潰したいのなら好きにすればいいんじゃない
373と375みたいなやつはスレの面汚しかそれとも本人乙か…
0377名無しさん@ピンキー2015/03/20(金) 00:39:05.75ID:uZeH0Qjb
こんな民度の低い事してたら投下もしにくくなると思うけどな
0378名無しさん@ピンキー2015/03/21(土) 23:12:16.61ID:i+6QFEeH
実際投下しに来たけどこんな風にさらされてると投下しにくいw
0381名無しさん@ピンキー2015/03/22(日) 19:30:33.49ID:mwmL4mr/
>>379
あ、投下者からみての気持ちって事でヨロ!
晒しが横行してる所に投下したくないって思う投下者もいるって事で
自分のようなヘタレだったらいなくなってもいいだろうけど
上手い人逃すのもったいないよ
0382名無しさん@ピンキー2015/03/24(火) 07:29:51.07ID:dCiBt/dq
まぁ379のような生産性のないレスするアフォな人間よりは
ヘタレでも投下ルール守ってカキコしてくれる職人の方がどう考えても必要だけどね
0383名無しさん@ピンキー2015/05/22(金) 10:49:24.55ID:eBKr6tE/
ヤンデレに栄光あれ
0384名無しさん@ピンキー2015/05/22(金) 13:50:31.04ID:d1WygfPn
これガチやで
知らずに利用してるやつ多すぎw
今んとこ断トツでコスパ良いわ

0==2==2==i==t.ne==t/9/0521.jpg

=は削除
0385名無しさん@ピンキー2015/05/31(日) 22:38:43.40ID:nc86rp1f
アルスラーンの王妃タハミーネもネタバレ見ると
なかなかのヤンデレに愛されちゃって人生狂っちゃった女性だな
原作見てないんで性格がどういう人なのかは良くわからんけど
0386名無しさん@ピンキー2015/05/31(日) 23:14:03.80ID:7DamdpIj
キレッキレのヤンデレ野郎に愛されて人生狂わされる美女とか最高に萌える
0387名無しさん@ピンキー2015/06/01(月) 01:48:12.43ID:wxhdKcpv
初めは傾国の美女で、生き残るために
テンプテーションみたいな魔法とか薬とか使って
妲己ちゃんってるのかと思いきや
実はまさかのヤンデレ被害者だからなー
0389名無しさん@ピンキー2015/06/24(水) 22:23:20.50ID:tOZD2ko4
おとぎのファルスって漫画読んでみたんだけど
タイトルと宣伝の扉絵でファンシーでハートフルな感動モノかと思っていたら
全く違ってて自由な変人ばかりが出てきてヒロインがヤンデレにストーカーされる話だった
しかも初めはヒロインの命を狙う暗殺者だったのに首絞めて殺そうとしたら一目ぼれしてしまうという
その後はひたすら自由にストーキングでヤンデレ好きにはたまらなかったw
0390名無しさん@ピンキー2015/06/28(日) 12:50:46.90ID:O0M+5zK2
この作品皆変人ばっかりなのがいいんだよね
肉屋さんがソーセージ(息子)作った材料は
死んだ奥さんの肉で作ったの?って思われても
それもありだなと自然な感じで納得出来る雰囲気が好き
後から奥さんの肉じゃないってサラっていわれてるけどw

蜘蛛より嫌いって言ってたヤンデレ暗殺者と抱きしめあってたり
殺そうとするからレイプするに変化したりと
段々と二人の距離が近づいてきてるのがいいけど
なんかヤンデレ死にそうな気がして続きが気になる
私的には肉屋の後を継いでヒロインと結婚してほしいけど
0391名無しさん@ピンキー2015/06/29(月) 00:04:13.57ID:vI5MHt1U
「月光の囁き」という漫画の主人公はマゾヒストというより、変態型ヤンデレなのではないかと思い始めた。
彼女の全てを受け入れたい願望が強すぎるところなんか、何処と無くヤンデレっぽく感じる。自分の記憶が正しければ、映画版だとヒロインに「滝から飛び降りろ」と命令されて、嬉しそうに笑って滝から飛び降りたりとかしてた筈なんだけど正直ゾクゾクした。
0392名無しさん@ピンキー2015/06/29(月) 01:50:02.67ID:9y23LV9M
>>391
なにそれ萌えるとおもってググったらwikiに書いてたよ>飛び降り
でもヒロインがドSでNTRプレイもあるんだね
ちょっと思ってた嗜好とはちがった
0393名無しさん@ピンキー2015/06/30(火) 02:14:00.12ID:XRx4KMM5
尽くす系もいいよね
自分の方が上だと思ってたら
腕力で組み敷かれて以後少し
怯えつつもヤンデレを従えるヒロインと、
ヒロインの変化に気付きつつ知らないふりして
これまで以上に(無理矢理)尽くしまくるヤンデレ
ください
0394名無しさん@ピンキー2015/07/01(水) 22:01:22.17ID:VO6b1MYI
>>392
実はヒロインは生まれつきドSな性格なわけじゃないんだよ。
主人公と出会いさえしなければ普通の子だった。
あくまで普通のカップルとしてお付き合いしたいヒロインにとって、主人公のフェチ方面に吹っ切れた性癖は理解出来ないしおぞましいものだった。
主人公の本性を知ってしまってからは拒絶して軽蔑しつつも、内心怯えてたり、
主人公も「彼女の全てを受け入れる」かわりに「自分の全ても受け入れてもらおう」という己の願望を、彼女の気持ちを無視して一方的に押し付けたがってたりする。
NTRプレイも、彼に対する対抗手段としてヒロインが自分から抱かれに行ってそうなった。
けれど、主人公はそれさえも泣きながら喜んで受け入れたので対抗策にはならなかったし、益々エスカレートしてしまっただけだったというw
彼女はDQNに襲われた時に「彼女が汚された」とマジギレしたり、付き合う前から彼女の物をこっそり収集して自慰に使ってたり、彼女の飼ってる犬に対して本気で羨ましがったり、嫌われてからも彼女にどんな酷い扱いを受けても基本的にニコニコしている姿がわりと怖い。
まともなヒロインとおかしい主人公の精神的駆け引きの描写がストーリーの主軸になってるの漫画版の方が良いかも。彼女の激昂こそが主人公にとっての喜びなので本人は楽しそうだったり。
原作も映画版も、主人公の毒気にあてられて段々ヒロインまでおかしくなってきて(というかヒロインの心が折れた)、最終的に共依存的な関係に落ち着くのも面白い。そのせいで周りの人間達が被害を被ることになるのもヤンデレ的だなぁと。
Sとしての素質を見抜いた主人公が普通の初心な女の子だったしそうでありたかったヒロインの心を何度もへし折って、自分好みのドS女王様になってもらうまでの話なので。
裏では彼女との約束のための努力を怠らなかったりする所も好印象だった。
0395名無しさん@ピンキー2015/07/02(木) 19:11:17.48ID:AK+2ck8K
一目見てドSだってわかるっていうので
和田信二のスケバン刑事の神恭一郎の秘書の話思い出したw
あれヒロインは初めは普通の優しいMっぽい子かと思いきや
夫が一目見て自分に並びたてれるドSだって気が付いて結婚するけど
初めはヒロインはドSだって開花してないから
ドアマットヒロインで姑にも夫にもいびられる…って話
ある意味夫も病んでる人なのかもあれ
0396名無しさん@ピンキー2015/08/03(月) 09:04:58.85ID:EzvGznYB
昨日からこのスレ見つけて1スレからずっと読んでしまった...
遅かれながら書き手さんGJでした!

まだ投下できる状態の文章ではないからまだ完成できてないけど需要あるのかな
0398名無しさん@ピンキー2015/08/03(月) 16:43:36.67ID:EzvGznYB
>>397
良かった... そして下げ忘れてたorz
思ったより長くなったのでまだまだかかりそうではあるが

ヤンデレ男×ヤンデレ女で妄想してたらもはやギャグになってしまったw
男「小さい頃から今までの女ちゃんの写真を部屋に飾ってるよ」
女「私も男君の飲んだペットボトルや使用済みのマスクもとってあるし、
男君の使ったものなら大事に保管してあるけどね」
男「」

みたいな
0402名無しさん@ピンキー2015/08/14(金) 17:25:59.67ID:7DPI5Ufe
>>400
>>401
書き手さんが書いてくれないかな〜と思い小ネタ用に書いてみたのですが...
誤解させてしまうような文になってて申し訳ないorz

近々内容が全然違うものですが投下すると思います、もうすぐ完成するので!
そして保守
0404名無しさん@ピンキー2015/08/22(土) 23:33:50.97ID:vr/qCVaZ
やっと小説完成したものの、結構ストーリー重視ぽくなってて投下大丈夫なのか迷う
勿論ヤンデレ、エロ要素はあるんだけど...
そしてエロ展開が話的に結構遅めになってるのがなんとも言えないので、
ここ一週間その事で悩んでるんだけど....投下していいのかなorz

>>403
ありがとうございますw
402です、近々投下するとか言ってて1週間近くたっててすいません。。
0406名無しさん@ピンキー2015/08/24(月) 00:05:44.99ID:tMYgjGZD
投下キターーー!

だけど、誘い受チラッチラしてたら変な人湧いてくるかもしれないのでさらっと投下した方がいいかも

何はともあれ投下お待ちして居ります
0407名無しさん@ピンキー2015/08/24(月) 22:46:13.35ID:KQ05syAh
まぁ誘い受けはどこでもうざがられるイメージだからやめた方がいいと思うよ
という事で早く投下するんだw
0408名無しさん@ピンキー2015/08/25(火) 10:47:58.38ID:ykm9ODaO
うおお、すいません...遅れましたが投下します

エロ、ヤンデレ描写は最初ら辺少なかったり後々出てきたりなので注意
NGは『パトスと欠片」でお願いします
0409パトスと欠片【1】2015/08/25(火) 11:01:44.47ID:ykm9ODaO
#『プロローグ』

いつの日からか、自分の隣にはいつもあの子がいた。
幼馴染みであり、何かと気にかけてしまう女の子。

自分が贔屓目に見ている部分もあると思うけど......
明るくて鈍臭いものの、一つの事に一所懸命になって、
周りに笑顔を振り撒くところに魅かれていた。

完全に片想いなのは承知の上だったけど、それでも結ばれなくていい、
一緒にいられるなら......と自分に言い聞かせ、気持ちを抑える事はできた。

思わず見惚れてしまう、きれいな黒髪。
透き通るかのような、聞いてるだけで恍惚として聞き入ってしまう声。
名前の通り、水色のような青を帯びた目。
そして、なにより寛容で明るくて何事にも一所懸命な性格が大好きだった。

―――すべて。
独占したいと思った。そんな男を魅力しそうな笑顔なんて、こちらにだけ
向けてくれればいいな。
なんて青臭い言葉さえも思った。
0410パトスと欠片【2】2015/08/25(火) 11:17:49.39ID:ykm9ODaO
・・・でも彼女は優しいから。それは良い意味でも悪い意味でも。
現に目を離した隙に、すぐどこかへ行ってしまうから。
簡単に変な輩についていってしまわないよう、しっかりと
見張っておかなければならない。

――そんな決意を胸に抱いたのは、いつだったか。
幼少の頃だった?物心ついた、あの時だった?
はたまた、出会った瞬間だった?
・・・いや、今更そんな事を考えても遅いのだろうか。

振り返ってみると、やっぱり自分勝手に生きた人生だったのかもしれない。
周りの人を困らせて。無神経な事を口走るばっかりで。
......それに、彼女には不自由な生活を送らせてしまった。
優しい彼女につけあがって、傷付けて......。非常に身勝手な事をしてしまった。

そこがとても気がかりで、改めて悔いが残ってしまう。
だが、何もせずにただ悔語し続ける訳にもいかない。
.....そうだ。まだ彼女にまだ恩も返せていないんだ。


「―――――。―――――。」
不意に背後から声が聞こえてくる。特に驚く事はなく、僕は変わらない
体勢でその声に反応し、受け答えをする。

「......。.........、............」
そのまま執筆していた手を止めると、僕は静かに席を外した。
0411パトスと欠片【3】2015/08/25(火) 11:34:37.48ID:ykm9ODaO
#『王宮内での会話』

――――時は遡り、3年前。

「ふっふっふ〜!!」
「・・・何?」
自分の鞄をぶんぶんと振り回す少女と、そんな少女を呆れ顔で見守る少年。

「あのねあのね! 今日お呼ばれしちゃったんだよ〜お茶会!
久し振りでなんだかとってもわくわくする!」
つい最近、11歳を迎えた無邪気な少女、シアン。

「はいはい、そりゃあ良かったな」
彼女とは同い年のはずなのに、どこか冷ややかな
面持ちを見せる少年、アルパ。
二人は王族の子息、令嬢であり、同時に仲睦まじい幼馴染みの関係だった。

「......というか鞄振り回すなよ。仮にもシアンの部屋だろ。
それに、なにか当たったりぶつかったりしたら危ないだろ。しまえよ」
「へいへい、つれないなぁ〜......」
彼に言われた通りしぶしぶ床上にある椅子に腰掛ける。

取り留めもなく、足をブラブラとぶらつかせながら
「あれ?今日は執事さん一緒じゃないんだね?」
と、先程から疑問に思っていた事を聞いてみる。
0412パトスと欠片【4】2015/08/25(火) 12:07:41.63ID:ykm9ODaO
「んー......まぁ、この屋敷内には一緒に入ってきたんだけど」

「だけど......どうしたの?」
いつもは、ご丁寧にこちらに挨拶してくれる執事さんがいないのが気にか
かったのだ。それに、仮にも御曹司の彼をほったらかしにする訳がない。

「君のご両親に捕まってた」
「えっ」
その言葉に乾いた声をあげる。別に驚きの声をあげた訳じゃない。
もう慣れているが......社交性も高い父。お菓子を作るのが好きな母。
タイミング良くてか否か、普段忙しいを連呼してる二人が今日家にいる......。

言い方を変えると、おしゃべり好きな父。人に自分の作ったお菓子を
食べてもらうのが好きな母。......嫌な予感しかしない。

それ故、二人に引き留められたんだなと想像はつく。自分が迂闊だった
のもあり、罪悪感に苛まれる。きっと今頃は父と母に囲まれ、楽しく会話して
いるに違いない。......そうであってほしい。
父との会話にくたくたになるまで付き合わされ、たびたび出てくる母の
お菓子でぶくぶく太る執事さんなんて私は見てない。決して嫌がらせでも
なんでもなく、二人に悪意なんてものがないのが、余計に質が悪い。

......想像したくはないが、もしそうであれば後々労ってあげよう。

「ごめんね、私がうっかりしてたせいで......執事さんが」
「いや......僕が置いてきたのが悪い」
・・・そう言う割には、全然悪びれてる様子もない。
これは推測に過ぎないが、彼は執事さんが私の両親に挨拶している間に、
隙を見計らって逃げてきたのではないかと思う。そうなると、主人に盾に
されている執事さんがますます可哀想になってくる。

我ながら、他人を無意識に翻弄する親と、自分の執事を身代わりにする
幼馴染みが恐ろしくなる。
0413パトスと欠片【5】2015/08/25(火) 12:33:34.56ID:ykm9ODaO
「......?どうかした?」
考え込む私を不審に思ったのか、アルパ君はこちらをまじまじと
見つめていた。
「う、ううん。何でもない! それより、何かして時間潰して......じゃなくて、
一緒に遊ぼう!」


あれからなにか行動に移す訳でもなく、ボーっとしている自分をよそに、
彼は黙々と読書をしていた。
「......ん?」
不意に自宅から持ってきたであろう、難しそうな本を読むアルパを
じっと見つめた。ちらっと表紙を見たところ、どうやら英国の本らしい。
さすがに翻訳版と記載されてあるが、どちらにしろシアンには読めそうに
ない。

(なんでそんなにスラスラ読めちゃうんだろう......)
昔から本を読む事が好きらしいが、最近では翻訳版の本も進んで読んでいた。
そういえば、前に一万冊の本を読破したとか小耳に挟んだ記憶がある。
(本をたくさん読むのは勿論良い事だけど......最近、アルパ君外出してないよ
うな?)
彼の外出した最終日は、うろ覚えだがもう3、4ヵ月前ぐらいらしい。

(でも、まぁ......それだけ勉強したり、本を読んだりしてるって事かぁ)
外出を好まないのもあってだろうか。室内で遊ぶのも好きだが、外で遊ぶ方が
大好きなシアンには、よく分からない事ではあるが。
外では彼の両親の名誉の為に、社交性の高い彼であり、及ばれしたパーティー
や展覧会についていくのだが、彼曰く実際は本を読んだり、一人でいる方が
よっぽどいいらしい。

たまには外へ連れ出してあげたいけど......。
無意識にアルパを見つめ続け、なにかいい手はないものかと悩む。
0414パトスと欠片【6】2015/08/25(火) 13:05:15.25ID:ykm9ODaO
「......?」
暫く見続けると、さすがにアルパも気付いた様子だった。
「何こっち見てるんだよ......お茶会とやらの支度はしなくていいのか?」
と、言い方は荒くもシアンの事を気にかけてくれていた。
しかしアルパの言葉はシアンにはもう届いておらず、杞憂な事になにか
物事を考えてるようだった。
「シアン......?シアンってば、おーい......」

すると、微動だにしなかったシアンが突然「そうだ!」声を張り上げる。
「わっ......! い、いきなり大きな声を出すなよ」
無駄だと思いながらも、かるく睨みつけ指摘する。
シアンはその声にびっくりして、ようやくこちらに顔を向けると、
肩をすぼめて「ごめん」と一言謝る。

「......ったく、そんな隙があまいからとんちんかんなんだよ。もっとピシっと
してなさい」またしてもアルパに指摘され、思わず狼狽えてしまう。
「えぇ......?ま、間抜けなのは分かってるけど、今私に隙があまいところなん
てあった......?」
「いや、もういいよ。それよりも、なんか変な事でも思いついたのか?」
「......?あっそうそう。それでね、良かったらアルパ君も一緒にお茶会どうか
な〜って!」

瞬時嫌な顔をされた。あからさますぎて、こちらまで顔をひきつってしまう。
......本当は、こういう結果になるかもしれないと予想はしていたが。
「あー......やっぱり駄目だったかぁ......」
分かりきっていた事ではあったが、がっくりと肩を落とす。

「別に強制ではないんだろ?どちらにしても、パスさせてもらうけど。シアン
のところの使用人も、勿論ついていくだろうし......平気だろ?それくらい」
「そ、そうだけど......じゃあアルパ君はここに残って本でも読んでるつもり
なの......?」
「いや、帰らせてもらうよ。もとはといえば、君が無理矢理ここに連れてきた
んじゃないか」
「う......」

図星......というか事実をつきつけられ、シアンは何も言い返せなくなる。彼の
言う通り、乗り気ではないアルパを半ば強制的に連れてきてしまったのだ。
0415パトスと欠片【7】2015/08/25(火) 13:35:57.09ID:ykm9ODaO
『お願い! 30分以内に私の家に来て! すっごい美味しいクッキーもある
から! もうアルパ君が全部食べていいから!』
……なんて無茶苦茶な電話をかけていたのだ。無論、彼はクッキーにつられて
来た訳でもない。30分程粘って頼み続けてた結果、しぶしぶ了承の返事を
得た為、だ。

仕方がない。ここは諦めて一人で行く事にしよう。と、そんな考えに至る。
「......」
――だけど少しだけ。ほんの少しの希望を提案してみる。これで駄目だったら
もうちゃんと諦めるつもりだった。

「......じゃあさ、お茶会は諦めるから日を改めて二人で勉強会しよう! どち
らの家でもかまわないから!」
「べ、勉強会......?まぁ、それくらいなら......」

......良かった。彼が外出の他に、人混みの中が苦手な事を視野にいれといて。
それに加え、読書と同じくらい勉学も好きらしい......という事も。
それにただ単に「勉強しよう!」という心意気だけじゃなく、家庭教師からの
宿題で分からないところがあったから教えてもらおう......なんて不純な動機も
あった。

さて、本人からの承諾も得たのだ。お礼も言わなければ。
「良かった......! 本当にありがとう!!」
そう言ってお礼の言葉を述べると、アルパの両手を握りしめた。

「……! わ、分かったからほら身支度とか準備しなくていいのか?」
紅潮とさせた顔をそらすかのように、手で隠していたのが印象的だった。
尚、隠したとしても手の隙間から見えてしまうから無意味なのだが。
0416パトスと欠片【8】2015/08/25(火) 14:06:54.84ID:ykm9ODaO
「う、うん。えっとまだ3時間もあるから、間に合うし大丈夫だよ」
「でも持っていくものをあらかじめ自分で決めるんだろ?シアンって優秀不断
だし、大分時間かかるだろ......悪い事は言わない、用意しとけ」
呆れ顔で不安を煽るようにシアンを諭す。

「な、なんかアルパ君のせいで不安になってきたよ....... うー、わかった
わかった。用意するってば〜」
そう言うと、しぶしぶ自室のクローゼットへ足を向ける。
アルパはやれやれ、やっと自宅に帰宅できるかと安堵のため息をついた。

「......よいしょーっと......これちょっと脱ぎにくいな」
「………えっ?」
そう安心したのはつかの間、いきなりシアンが目の前で衣服を脱ぎ始めたのだ。
「ちょっ、シアン服!! 服!! 脱ぐんじゃない!!」
気付いていない様子のシアンに、慌てて行動を止めようとする。

「え?なに?服……?ってああああ!?違うの、えと、これはつまりその......
癖なの! そう癖!」
混乱したあまり、自分でも言っている意味が分からなくなり、呂律がうまくま
わらない。だが、思考はまだ追い付いてるようで、ちゃんと衣服を着ようと行
動に移る。
「いや一体どんな癖だよ...... もうあっち向いてるから、焦らないで着なよ」
冷静にツッコミをいれられて、羞恥心がより高まる。
「う、うん……ごめん」

言葉の通り背を向けるアルパに重ね重ね申し訳なさでいっぱいになってしま
う。
0417パトスと欠片【9】2015/08/25(火) 16:37:58.45ID:ykm9ODaO

仮にも客人のアルパを待たせる訳にもいかず、一分も経たない内に着付けを
終わらせ、「もう着替え終わったからこっち向いて大丈夫だよ」と、アルパに
声をかける。

「あー、うん……って、着替え終わったはいいけど、髪ボサボサじゃ……」
「勿論このままで行く訳じゃないし、後で整えてから行くよ。それとね、
あの……私が呼び出したのに、慌ただしい時間になってしまって……本当に
ごめんなさい」

「・・・え?」
……どうしようか。謝ったら謝ったで、益々彼は困惑の表情を浮かべていた。
そりゃあいきなり服脱ぎ出したり、急に謝罪したりで無理もないだろうけど。
「確かに、驚いたのは驚いたけど……そこまで気にしてないから、そんなに
深く考えなくていいよ」
「でも……」
「いいから。あともう顔あげる! あんまり謝っていると怒るけどさ」

その言葉に驚いて、咄嗟に顔をあげる。

アルパはそんな彼女の反応に、思わず「ぷっ」と吹き出してしまう。
また、彼の笑いを表情に出し、クスクスとこちらを笑っている様子にあんぐり
と口をあける。

「……なんで吹き出すの?」
「……ごめんごめん。反応が素早くて面白かったからつい」
謝りつつも、まだ笑いを堪えてる彼の様子にどうも釈然としないものの、
笑ってくれるならいいかな。と結論になる。
0418パトスと欠片【10】2015/08/25(火) 17:33:38.68ID:ykm9ODaO
――今の彼の態度が場の空気を良くしたかは定かではないが、シアンがなにか
をきりだすいいきっかけになったようで。
思いきって控えめな様子で聞いてみる。

「えっ……と許してくれたって事?」
「許すもなにも……うん、そういう事かな」
「許すもなにも」の後に、こちらが聞き取れるが聞き取れないかぐらいの小さ
めの声で、「悪い事でもした訳じゃあるまいし」と聞き取れた。……きっと、
彼なりに気遣ってくれたんだろう。

「そっか……よ、かった……本当……許してくれて」
どもりつつもなんとか口に出し、拍子抜けしたかのように「はぁあぁ……」と
安堵のため息を漏らす。
「良かった……のか?それよりさ、何でそんなに必死になってたんだ?なにか
事情でも……」
「えっ……それは、その……なんでもないの!」
「…………?」
そんな戸惑いながら言葉を紡ぐ私を見て、アルパは首を傾げていた。

「……それじゃあ、そろそろ僕おいとましようかな。準備の邪魔だろうし」
「えっ、もう帰っちゃうの?」
未練がましそうに、そう呟く。……だけど、話の話題を切り替えてくれて同時
に助かった。
アルパはちょっと困った顔を浮かべつつ、口元を緩ませて、すぐに「まぁ、
さっきからそのつもりだったしね」と、付け加える。

「そ、そっか。じゃあまた後で連絡するね」
「別にいいけど……。あ、あとさ、お茶会に誘われた相手もお偉いさんの息子
娘なんだろ?」
「え?うん……」
「それで……あの、変な問題起こして恥かかないように……じゃなくてっ
事故とか巻き込まれないように、気をつけて楽しんでこいよ」
なにかと思えば、どうやら心配してくれているらしい。この国は治安は良いと
も言えるし、特にここ最近は目立った大事件など起きていないが、用心をかか
す事に越した事はないだろう。

「え、えっと、心配してくれてありがとう!」
あまり感情を表に出したりしないけど、面倒見が良く両親が一緒にいられる
時間がとれなく忙しくて、寂しいと思う時にはいつも一緒にいてくれる、シア
ンにとって大事な存在だ。

「ふふっ……やっぱりアルパくんは大切な存在だよ」
――ポツリと、アルパにも聞き取れないような小さな声で呟く。
「……?なにか言った?」
「ううんっ、なんでもない」

彼女にとって、彼はかけがえのない人だというのは過言ではない。
しかし、<恋仲>ではないのだ。また、シアンにそのような感情は持ち合わせ
ておらず、強いていうのなら<親友>という方が正しい。
男女に<親友>なんて関係性はあるのかはさておき、それくらい深い関係性で
あるのは間違いない。

―――そんな二人の色恋沙汰の未来は、もう少し先の話となる。
0419パトスと欠片【11】2015/08/25(火) 17:52:47.69ID:ykm9ODaO
「それじゃあ、そろそろ僕本当に帰るね」
『本当に』と、強調するのはさっき引き留めてしまったせいなんだろうか。
そう思うと、なんだかちょっぴり申し訳ない。

「分かった! あっ、私門の方まで見送る」
「……大丈夫だよ。ほら、君も準備をいち早く終わらせないとだろ」
彼は、そう言って見送りを拒否する。
本当は見送りたいが、あまり言い合いになるのは避けたいので、ひとまずここ
でお別れという形になった。

「じ……じゃあね! お茶会から帰ったらすぐ電話かける!」
「別に今日かけなくてもいいよ……じゃあ、また」
必死に大きく手を振るシアンに、アルパは小さく振り返す。
アルパが見えなくなるまで振り続けると、「はぁ〜」とため息をついて、
その場にへたりこむ。
(うーん お茶会が始まった訳でも終わった訳でもないのに、なんでこんなに
今日はくたくたなんだろう……)

結局は全部自分がまいた種なのだから、自業自得なのは理解しているが。

「あーあ、お茶会緊張してきちゃった……」
同時に、胸を踊らせてしまう気持ちもあった。別に今回のお茶会が初めてと
いう訳じゃないけれど。なんだかわくわくしすぎて、自然と綻びる表情に
なってしまう。

……胸を踊らせるのはともかく、こうしていると時間がはやく過ぎてしまうよ
うな気がして、急いでシアンは身支度の準備にとりかかった。
0420パトスと欠片【12】2015/08/25(火) 18:22:13.95ID:ykm9ODaO


「お帰りなさいませ、アルパ坊っちゃま。お湯を張っておりますが、御湯殿は
いかがいたしましょうか?」
こちらが汗だくな様子なせいか、使用人が声をかけてくる。

「あ……いや、ちょっと時間をおいてから入る事にするよ。ありがとう」
と、断りを入れる。せっかく声をかけてくれたのに申し訳ないが、今はそれ
よりも疲労感の方が上回っていた。何せ風呂に入る気力も湧かないくらい、
クタクタだった。
その様子を察してか否か分からないが、
「左様でございますか......。失礼致しました。それではご要望があれば、
なんなりと申し付けくださいませ。それと、体調にはお気をつけ下さい」と、
こちらを気遣ってくれていた。最近は不調や大きな怪我にはならないし、
気を付けていれば安心して過ごせると思うが。

「大丈夫だよ。心配ありがとう」
そのまま早々と自室に向かった。途中、他のメイドや使用人が先程の使用人の
ように気にかけてくれていたが、「大丈夫。心配しないで」と、同じように
断りを入れておいた。


「はぁ、疲れた……」
清潔好きにも関わらず自室のベッドへダイブしたのは、きっと疲労感が増して
きたせいもあるんだろう。アルパはどこを見るまでもなくぼうっとしていた。

考えるのは今日の出来事。
胸につっかえるのは、シアンが発した言葉。
・・・きっと、彼女は何気なしに呟いたんだろう。

気に留める必要なんて、ないはずなのに。


「『大切な存在』か・・・」

そう呟いた後、ゆっくりと目を閉じ、深い眠りについた。
0421名無しさん@ピンキー2015/08/25(火) 18:28:17.90ID:ykm9ODaO
一旦投下終わります、そして【9】と【10】の時間差はうとうとしてたせいも
あり、完全に寝落ちです すいませんでしたorz

もしかしたらエロよりヤンデレ重視になるかもしれませんw
蛇足ですが執事さんはちゃんとアルパが連れて帰りました
スレ汚し失礼しました。。。
0422名無しさん@ピンキー2015/08/25(火) 23:54:40.23ID:VOSdW9vL
>>421
続きが気になる
既に未来では色々後悔含みのあれこれが発生している様だし
0424名無しさん@ピンキー2015/08/26(水) 02:19:54.37ID:so0hum1X
今起承転結のどのあたりなんだろ
続きの投下待ってますね
0425名無しさん@ピンキー2015/09/07(月) 00:26:17.09ID:dRhHWceE
タップでやってる鳶田くんと須藤さんがヤンデレあるあるで面白かった
おとぎのファルスといい無料漫画も侮れん
0427名無しさん@ピンキー2015/10/01(木) 17:05:47.35ID:yunX7vRC
「さらば仮面ライダー電王」見たけどこれ歳の差ヤンデレ?
0429名無しさん@ピンキー2015/10/25(日) 21:07:58.08ID:kF1W3AWj
揚げ
0430名無しさん@ピンキー2015/11/14(土) 19:50:33.13ID:X8SXUb6H
やっぱり正義の味方面してヒロインを救おうとする横恋慕野郎に
ヒロインがキッパリ私はこの人と居ますとヤンデレ男と共に歩む√を選ぶ
そんな話が良いにゃ
0431名無しさん@ピンキー2015/11/17(火) 00:29:46.98ID:JUjO7+R3
わかる
0432名無しさん@ピンキー2015/11/17(火) 18:11:40.47ID:Oxwq108c
ヤンデレと一緒に歩む道は障害少ないだろうな…ヤンデレの言動以外の障害は、だけど
0433名無しさん@ピンキー2015/11/17(火) 19:00:54.03ID:G5t97C7e
まあ、女性側ヤンデレ野郎だと理解した上で受け入れてくれてるなら大分と障害の少ない生活になるだろうな
それでも進んで障害になりそうなのがヤンデレたる所以
0434名無しさん@ピンキー2015/11/18(水) 00:23:49.30ID:FucEJ0A3
ヤンデレ男が障害排除用建機であり障害建設建機なのだ
0436名無しさん@ピンキー2015/11/21(土) 11:55:02.95ID:9IO8l1ey
>>432
ここでは高スペックヤンデレが多いからそう思えそうだけど
低スペックDQNヤンデレなら未来はノーフューチャーだったり
カニバ・猟奇系だったらヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
>>434-435の所為で自分の理想の家に人柱のように埋めて悦に入るヤンデレ
(仕事を早く終わらせて彼女の待つ家に帰るんだ)とか考えちゃったじゃないか
それよりは庭師ヤンデレの方が好みだけどw
0437名無しさん@ピンキー2015/11/21(土) 14:54:27.40ID:n6FMqZ0G
>>436
好きな女を人柱として埋めて仕事終わったらホクホク顔で帰宅とかキレ過ぎだなw
0438名無しさん@ピンキー2015/11/21(土) 18:22:25.40ID:aMd1lqOX
で、その柱で自分を慰めちゃったりするんですかね…凄い光景だ
0439名無しさん@ピンキー2015/11/21(土) 21:44:04.31ID:/7bUzqT5
ワロタ超好みだわ
帰宅するや否や溶け出しそうな笑顔を浮かべながら床や壁にへばり付き頬ずりしたりこすり付けたり
ヤンデレには壁や床どころか家具とか家の中の何もかもが大小さまざまな彼女で形成されて見えている
みんな口々に『おかえりなさい』とくり返しながら優しく微笑んでヤンデレを受け入れてくれるのだ
ここにもそこにも君が…ううう…幸せ…とブツブツ漏らして朝まですすり泣くヤンデレ
彼女は死んでもヤンデレ野郎に冒涜され続けるのだ…
0441名無しさん@ピンキー2015/11/22(日) 00:02:58.54ID:MK9wzOEK
好きな女性埋めてとかハイレベルヤンデレ過ぎるわw
なんか幽霊より活きた人間に方が怖いってのを思い出す、まさにホラー……

でもホラーの場合普通なら因果応報で悪霊と化した殺した想い人に殺されてとかになりそうだが
ここまで逝ってると妄執で形成されたヤンデレ男の生霊が
悪霊になっちゃった女性の霊をガッチリホールドしてそのまま陵辱してそう
0442名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 08:11:54.84ID:4BzYUKvp
想像するだけでも恐ろしい光景だ…。死んでやっと自分の怨みとかをぶつけられると思ったら、今度は生霊に陵辱されることになるなんて。「こんなはずじゃなかったのに…」とシクシクすすり泣く受けの姿が目に浮かぶ
0443名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 14:37:26.70ID:j1g/etIA
そうか埋めちゃったら一方通行過ぎるなと思ったけど
見える人だったら人柱にしても意思の疎通が可能っ…!!
0444名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 15:45:01.85ID:pT1NtKcJ
ここにいるのは男が多いのか女が多いのかホモが多いのか分からない・・・
0445名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 16:54:06.05ID:m1FkqXdQ
>>441
異常ホラー過ぎるw

>>444
俺は男だぞ
視点は男女どちらでも構わんがヤンデレ男が女に
あんな事やこんな事をする情景が見たいんだYO!
0446名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 17:10:19.23ID:4BzYUKvp
>>444
どっちにしても男ヤンデレが好きなことには変わりないさ…ヤンデレ万歳三唱
0447名無しさん@ピンキー2015/11/23(月) 22:17:52.95ID:j1g/etIA
掟上今日子の備忘録ドラマ版見て
主人公が岡田雅紀(爽やかなんだけど爽やかすぎて胡散臭い
もといイッちゃってる感じがするという偏見)で原作が西尾維新だったら
主人公はヤンデレなんじゃないかと思ったらそんな事はなかった
でもヤンデレだとしたら萌える展開なんだよなー
0448名無しさん@ピンキー2015/11/24(火) 19:09:09.46ID:Jl+iIEha
西尾維新の作品は男ヤンデレが多いイメージがある。戯言シリーズの軋識とかかな?
0449名無しさん@ピンキー2015/11/26(木) 00:46:31.23ID:85Ao3zc7
今日の相棒は>>430の横恋慕野郎にかっさらわれていく展開で胸糞…
しかも何も知らない癖に「もう幸せになってもいいと思う」って言われただけで…なんて…
ヤンデレの気持ちが切なすぎるわー
0450名無しさん@ピンキー2015/11/26(木) 02:28:56.76ID:lJZe3qIs
>>449
相棒見てないけど普通のドラマなら仕方無いさ
でもそういうの聞くだけで胸糞ではあるw

ヒロインに愛されて大切にされるヤンデレ男は居ても良い
0451名無しさん@ピンキー2015/12/05(土) 11:38:03.33ID:VR4w3tCN
男ヤンデレが可愛くて仕方ない受けの女の子いいですな
0452名無しさん@ピンキー2015/12/07(月) 18:23:50.45ID:jWaq35a2
愚者の皮の続編よさげ
0453名無しさん@ピンキー2015/12/13(日) 12:32:44.37ID:dFYRvR6q
掟上今日子最後にヤンデレ出てキターーーと思ったら全く違った件
でも寝たらor一日で記憶リセット少女を監禁して
自分の妻だと思わせるヤンデレもいいなーと気付かせてくれた
0454名無しさん@ピンキー2015/12/16(水) 22:09:14.22ID:NSu4nLRo
記憶がなくても愛し続けるヤンデレ(純愛)
0455名無しさん@ピンキー2015/12/20(日) 17:47:12.42ID:ZBaVwF9F
>>452
続編気になって検索したら
キモい兄たちはともかく夫がヤンデレっぽくて気になるけど
今の所雑誌連載型なんだね
一冊になったら読んでしまうかもしれないけど
ちょっとグロキモホラーなのが…

上の方であった幽霊になっても愛し続けるって作品イイナーって思ってたら
チーズって雑誌の増刊の読み切りで
天才霊能力者が小さい頃テレビで見た都市伝説の地縛霊に一目ぼれして
大きくなってから見つけて地縛霊を拉致監禁って明るいポップなヤンデレがあったw
商業誌の少女マンガでも行けるんだと思ったwww
0456名無しさん@ピンキー2015/12/22(火) 17:52:57.34ID:goctwG4W
>>455
これはまた随分と攻めた内容だなwww
0458名無しさん@ピンキー2016/01/05(火) 10:19:26.86ID:zKVTWPSJ
自分を利用していた邪悪ヒロインを「君が好きだ」で最終的に根負けさせて両想いになった男キャラ(主人公の弟分)ならエロゲで最近みたな
男気を見せる系寄りだけど、「あんだけヒドいマネしたのに私が好きとか頭おかしいんじゃないか!?」とビビった邪悪ヒロインに呪いで攻撃されるけど笑顔で受け流してじりじり迫ってくる
0459名無しさん@ピンキー2016/01/05(火) 23:21:11.78ID:gDaDcoVT
すごく見てみたい…
0460名無しさん@ピンキー2016/01/06(水) 01:41:39.61ID:nxYJLToG
『相州戦神館學園 万仙陣』だな
続編なので前作の『〜八命陣』からやった方がいいが前作の方にはこのスレ的な旨みはないかな
0462名無しさん@ピンキー2016/01/08(金) 22:56:32.65ID:xtc0pB3r
>>461
ありがとう!
0463名無しさん@ピンキー2016/02/12(金) 13:30:13.80ID:VCyFLzzK
保守しようと思います。
0464名無しさん@ピンキー2016/02/15(月) 00:29:11.30ID:LGHDLmpx
左門君はサモナーの左門君が大変拗らせたヤンデレ風味で面倒くさくて良い
全然デレが無いけど
0465名無しさん@ピンキー2016/02/16(火) 09:47:30.20ID:SXttGpKk
普段女ったらしなろくでなし野郎が自分に靡かない貞操観念が強い慎ましい女性に惹かれて全力でヤンデレる展開とかが好き
0466名無しさん@ピンキー2016/02/21(日) 04:29:07.31ID:orIf/4Zx
クソゲーオブザイヤーにもノミネートされたラブルート0が
ヤフーコミックで1巻無料で怖いもの見たさで読んだら
ヒロインの彼氏がいい感じにヤンデレで良かったw
ヒロインの所為で怪我して負い目を追わせて付き合った物の
ヒロインは負い目を感じてるだけで恋愛としては好きじゃないから
手を出せなくて他の女で性欲処理
優等生の仮面はヒロインが望む限りはかぶり続けるとストレスで歪んでる
まぁあらすじと展開からして
太陽のようなクラスメイトに鳥籠から救い出されるENDっぽいが
救い出す方も実家の保育園で預かってる園児の保護者
(育児ノイローゼ)を救ってあげたかったと不倫してて
なんかほんのり救うことに病んでそうな雰囲気なんだよなw
0467名無しさん@ピンキー2016/03/07(月) 15:56:03.83ID:olkK0/Zh
気に入ってた男ヤンデレ小説サイトが消えてた。
どうして直接ブクマしなかったんだ私の馬鹿!!。゚(゚´Д`゚)゚。
0471名無しさん@ピンキー2016/03/25(金) 15:41:05.01ID:q+vDjz3W
上げ忘れた
0473名無しさん@ピンキー2016/04/10(日) 20:15:03.43ID:Ja9giGHf
保守
0474名無しさん@ピンキー2016/04/11(月) 22:35:28.00ID:jC7GbmrE
シェイムって映画の主人公が病んでてめっちゃツボった
セックス依存症のお兄ちゃんと奔放で魅力的(だけどメンヘラ)な妹
どんどん疲弊していくお兄ちゃんが素晴らしかった
抑圧型のヤンデレ男もいいね
積極的なヤンデレ男とは違った魅力がある
0479名無しさん@ピンキー2016/06/11(土) 01:29:40.43ID:3yh1qquJ
弟がヤンデレなSSが読みたい
自分で書いたら、話がグダグダでちっとも萌えれない
他力本願で悪いけども誰かお願いします・・・
0480名無しさん@ピンキー2016/06/11(土) 17:26:43.26ID:hz8hYR3B
弟ヤンデレにも色々な種類あるよね
あざとい系、真面目系、だるデレ系、不仲系、等々
ぱっと思い浮かぶのだけでこれくらいあるからヤンデレって奥が深いのう
0483名無しさん@ピンキー2016/06/22(水) 20:57:15.62ID:KSY0b4q0
千と千尋の神隠しのカオナシの歌がヤンデレっぽい
0484名無しさん@ピンキー2016/06/23(木) 01:27:46.04ID:SOuEu9iL
あれ素晴らしいよな
おなかに入れたいとかゾクゾクくるわ
0485名無しさん@ピンキー2016/06/26(日) 23:23:45.04ID:FVMDePxf
普段は姉をブスとか馬鹿とか言って不愛想なのに、実はすごく執着して監視しているみたいな弟ヤンデレみたい
0486名無しさん@ピンキー2016/07/04(月) 11:53:58.31ID:8L8ElNS3
幼馴染の年の離れた女年上、男年下もいいぞぉ
女は高校教師、男は高校生とかな
0487名無しさん@ピンキー2016/07/10(日) 22:02:06.24ID:Byw+wh8S
保守ですよ
0488名無しさん@ピンキー2016/07/20(水) 02:35:58.56ID:REf7QvbT
今期ドラマの藤堂比奈子の2話に出てくる犯人の青年が最高にヤンデレだからぜひここの住人は見てほしい
0489名無しさん@ピンキー2016/07/20(水) 11:43:19.45ID:rFdMVeEE
まさかここの住民で観てた人がいたとは
色々こうじゃないかああじゃないかって推測しながら観てたけど
ネタばらしの所でほら見てーってところ本当に病んでてぞくぞくしたわ
0490名無しさん@ピンキー2016/07/21(木) 09:52:12.76ID:7kr3bpz5
「僕の家族になってよ、戸籍の無い僕のために凍りついて、時間の止まった家族に」のことろでこの男はヤンデレっぽいなって思った
でもその後に比奈子に「藤堂さんって氷みたいに冷たい目をしてるよね。あなたなら僕のお嫁さんになってもらえる気がするんだ」のところが最高だったわ
男の境遇もおどおどした喋り方も、多分比奈子が家族以外で初めて話した異性だったという点も良かった。
0491名無しさん@ピンキー2016/07/28(木) 21:45:58.60ID:OSBdf1a7
二話目をちょうど見逃して鬱w
再放送とかまとめありそうなんで期待
ヒロインも感情がないし人を殺したらどうなるのか?って病んでるところがいいよね
さらに先生もなんかちょっとしたきっかけでヤンデレそうで期待してる

最近オメガバーズってジャンルを知ったんだが
オメガバーズでヤンデレ妄想すると萌えるわー
伴侶がいるのに魂のつがいでヤンデレでもよし
逆に伴侶なのに魂のつがいになれなくてヤンデレるもよし
発情期に俺だけに感じればいいとか思ってるのにつがいになれなくて
他の男たちに否応なしに感じてしまう彼女にギギギってなるもよし
0492名無しさん@ピンキー2016/08/12(金) 09:17:37.17ID://q6UJ/G
オメガバースヤンデレ、とてもいいと思う
0493名無しさん@ピンキー2016/08/30(火) 22:18:08.89ID:xlaj52nn
筋肉男ヤンデレ×むっちりお姉さんの汗だくエロ下さい
0494名無しさん@ピンキー2016/09/11(日) 23:11:05.24ID:re0IR2MC
テロリストの少女が警戒厳重区域に潜入するために、そこの火元責任者にハニトラを仕掛ける
……しかしその責任者の孤独な心に恋心で付け入ったせいで正体を知られたあとに病んだ彼に監禁されてしまう
組織の理念の矛盾や間違いを理知的に否定されて囁かれる愛にテロリストの少女は徐々に洗脳されていき…

というネタを思い付いた
0495寂しさ 1/32016/09/28(水) 14:20:48.04ID:EPMK20EE
保守代わりの小ネタ投下
弟ものです 近親相姦なので注意



お父さんが単身赴任で遠くに行ってからしばらくした後、お母さんが滅多に家に帰らなくなった。
帰ってきた時にめかしこんでいるのでおそらく男。
まあお母さんの気持ちもわかる。
家にお父さんはいない。娘と息子は姉弟仲もあまり良くない上、会話も弾まない。
さみしかったの。僕が問い詰めたらお母さんはそう言った。
寂しい。…そうだね、寂しい。僕も姉さんも寂しかった。
そんな環境の変化に、姉さんは家に帰ってきたらひたすらぼうっとするという判りにくい動揺の仕方をしていた。
最初は僕も判らなかった。いつも夕食時以外は私室に籠っているのにおかしいな、とは思ったけど。
「葵」
ある日、姉さんは僕の名前を呼んだ。
「今日の夕飯どうしようか。お母さんはパートだもんね」
僕に笑いかけた。僕に問いかけた。
「そういえば最近お母さん朝から居ないよね。朝食は当番制か交代制にしない?」
僕を、頼ってくれた。
さみしかった。そうだよ、僕だって寂しかった。お母さんや姉さんよりずっと寂しかった。
昔は僕と姉さんは仲が良かった。姉さんが遊びに行く時は僕も付いて行って一緒に遊んだ。
いつの間にか姉さんは僕を置いて遊ぶようになり、僕は戸惑いながらもそれに従った。
姉さんと僕は離れて行った。寂しかった。
寂しかったから本人が居ないときに姉さんの部屋に入るようになった。
姉さんが座った椅子。姉さんのものが詰まったゴミ箱。姉さんが眠りにつくベッド。
姉さんの部屋は姉さんのもので溢れていた。寂しくなかった。
椅子に何度も頬ずりをした。枕に自分の肉杭を擦り付けた。
姉さんの部屋に姉さん以外の人の持ち物があるなんて耐えられなかったから僕のもので全て汚した。勿論綺麗に拭いたけどね。
ああそれと姉さん、スマホは情報の宝庫だよ。姉さんの名前の子音と誕生日を組み合わせたパスワードなんて簡単に破られちゃうよ。気を付けてね。
ねえ暮人って誰? 男だよね? 
女の子の名前や苗字で登録されているものはまだいい。でも男の下の名前で登録されているものがあるよ、これは何?
姉さん、姉さん姉さん、ねえさん!
ああ姉さん、僕はこんなにも寂しかったのに。姉さんを求めていたのに。姉さんは僕なんて目にも映してくれなかった!
0496寂しさ 2/32016/09/28(水) 14:21:39.54ID:EPMK20EE
「だから姉さん、僕が傍に居ることができなかった分の姉さんを、生身の姉さんを、もっと頂戴?」
聞こえた声は弟の声。
頭がひどくぼんやりとしている。胸元が涼しい。
「まだぼんやりしてる。夢でも見てるのかな、姉さん…」
「ゆめ…」
夢、そうか夢を見ているのか。
お父さんが仕事で遠くに行ってから、お母さんは仕事が忙しくなったのだと遅く帰るようになった。
お母さん、今日もパート? そうよ。 違うよねお母さん。今日はそこ休みだよ。
頬を叩かれた。詰られた。でも何と言われたかは覚えていない。頭がぼうっとする。いや、痛い?
すり、と胸元で動いた気配がある。目を向けてみると弟と目が合った。
胸元の下着は外されている。脇腹からなぞり上げるように移った手は胸に置かれ、そのままゆるゆると揉まれる。くすぐったくてくすくすと笑ってしまった。
「姉さん」
感触を楽しむように動かしていた手の人差指と親指が頂へと触れ、そのままくりくりと弄ばれる。
人差指で先端を引っかき、親指と挟んで捏ねる。
そんなこと続けられたら脚がふるふると震えてしまう。その動きに気が付いたのか、右手は下へと滑った。
スカートの中へ手を潜り込ませ、下着越しに割れ目を何度も指で擦る。
ふ、と息が漏れてしまう。葵もくすくすと笑って、空いた胸の周りをちろちろと舐めた後、
「…んっ、ふ」
かぷりと頂を柔く噛んだ。
痛くないように加減し、ちゅ、ちゅと音を立てて可愛がる。
「は、ぁあ……ふ………――んっ…んあ……は」
酷く甘やかな彼の愛撫に小さく声を漏らして悶える。指先と唇に緩やかに追い立てられ、そして追い詰められていく。
「……ねえさ、ねえ…ん………ふふ、姉さん」
仕上げとばかりに舌先で舐め上げた後、下着を片足だけ抜かれた。指を差し込んでみるとぬるりとした蜜で濡れそぼっている。
そのままひくひくと物欲しげな蜜口に指を進めた。浅いところを、好きなところを擦られて自然と腰が浮いてしまう。
二本の指に何度も高みに上げられ、それでも果てさせず焦らし続ける。意地悪な指を水音を立て引き抜かれるとどうしても甘えた声が出てしまった。
「は……あおい、あお、い」
「ん…?」
「はや…く、ほしいの」
「………。おねだり上手になったね、姉さん」
――なった? 私は何回も葵と、弟と。まさか、まさかあれは夢でこれも夢で。
私はこんなこと望んでいない。お父さんだってお母さんだって毎日家に帰ってきて、いや、最後に両親と顔を合わせたのはいつ? 
そんな。そんなこと。
ベルトを外す音がする。音に反応してぼんやりとしたまま自然に軽く脚を開くと、取り出された熱い楔は入口に押し当てられ、にちにちと先端に蜜を塗りたくった。
開いた脚は葵の手で支えられている。そのまま片足ずつ肩の方へと運び、支点は彼の肩へと移った。
「ねえさ……―――、」
聞こえない何も聞こえない聞かなかった。聞こえるはずのない音の響きにぐっと目を閉じたのが合図だったのか、楔が埋め込まれる。
「ねえさん、――…、――ッ、―――だよ…っ」
こつん、と奥に先端が当たる。ああそういえば、葵はゴムを被せていたっけ…?
「ゆめ…」
首がかくりと動く。天井が見える。
胎の中で葵が動き出す。引き出す時に首が丁度良いところに当たって爪先が空を切った。
「…ふ、………はっ、あ……あは……は…あっう……………ははは!」
0497寂しさ 3/32016/09/28(水) 14:22:21.83ID:EPMK20EE
葵の上で腰をくねらせる。
荒く息を継ぐ葵に合わせて肩で息をし、水音を響かせた。
胎の中は丁度よく葵のものを食い締める。もうどちらのものかもわからない真白い蜜がぱたぱたと布団の上で染みをつくっていた。
「ねえさん、っう、……は、ねえさん」
眉を寄せ快楽に耐えながら葵が苦く笑う。そんな彼を見つめたまま腰を揺らめかせ、一人淫蕩の中に意識を沈ませる。
彼を見つめてはいるが目には何も映していない。口からは赤い赤い舌が覗き、その唇の端はほんの微かに上がっている。そう、笑っていた。
突き立てられた熱い楔を自分の一番奥に、何も考えられなくなるほど深い部分にこすりつけ甘い息を漏らす。
これは夢、そうだ夢だ。
苛む理性を自ら壊すべく、狂ったように腰を振りたてた。
「ねえさ、……く…っう、うう………ッ!」
これで何回目か、彼が姉の腰にしがみついてがくがく震える様を彼女はほんの少し笑みを浮かべて眺めている。
その夜も、父親と母親は帰って来なかった。

ゆるり、と目を開ける。
「…あおい」
隣で眠る弟を見る。ああ、夢はまだ終わっていない。夢の続きだ。
そっと彼の方に身体を寄せる。自分よりも小さかった身体はこんなにも大きくなった。
昔から私のことを親に教わった通りに姉さんと呼び続けてくれた。
可愛い弟だと思っていた。唇をくっつける遊びも乞われるままにお互いに笑い合いながら何回もした。
私が小学校中学年の頃だったか。
「ねえねえ葵君、好きなタイプは?」
弟と一緒に仲のいい子と遊んでいた時だ。ほんの少し顔を赤らめて、まわりの女の子と一緒に適当に好きなタイプを聞いて回っていた子が居た。
葵は笑顔で言った。
「ねえさん。ねえさんが好きだよ」
私は嬉しかった。葵が私のことを好いてくれている。それだけで笑顔になれた。
その顔のまま女の子の方を向く。何か言おうとしたのか口を少し開けて閉じ、気持ち悪いものでも見たかのように眉を寄せ、睨まれていた。
やっとわかった。葵と、弟と好きあうことは駄目なのだと。
その子にも葵を見せたくなくなってしまって、彼を一緒に連れて行くことも止めた。
寂しそうな目をしていた。今もその目で私を見る。
「……あおい」
だからこんなに幸せそうな顔をしているなんてありえないこと。これは夢だ。
「…寂しいよ、葵」
夢から覚めたら派手な匂いを纏わせた母に詰られる。
夢から覚めたら葵と離れて、あの寂しい目を見ることになる。
もう少し、もう少しだけでも構わないから夢を見ていたい。
ずり下がってしまった布団を葵の肩にも掛けてやる。彼の胸元に潜り込んで、ゆっくりと目を閉じた。
じんわりと、甘くて苦い夢に溺れていく。
夢を見ている間は、寂しくなんてないのだ。
0498寂しさ2016/09/28(水) 14:22:52.71ID:EPMK20EE
終わり
誤字脱字は気を付けたつもりですが不自然な所があるかもしれません申し訳ない
0502名無しさん@ピンキー2016/09/29(木) 00:47:33.92ID:tyC5PkKE
グッジョブ!
本当に二人ともおかしいのがいい
閉塞感があっていいなぁ
0503名無しさん@ピンキー2016/10/25(火) 18:40:57.85ID:m39Gefs8
最高ですね……
0504名無しさん@ピンキー2016/11/16(水) 20:16:57.03ID:y8KKeJw9
保守上げ
0505名無しさん@ピンキー2017/01/29(日) 18:04:18.14ID:bX9O4B6s
保守
0506名無しさん@ピンキー2017/01/30(月) 21:36:31.86ID:EGx5PNOL
エロパロ板自体過疎だからなあ…
書き手はなろうとかpixivの方に行っちゃったのかね
0507名無しさん@ピンキー2017/02/12(日) 00:54:45.06ID:/O9bYOnX
スレを読み返して続き読みたい話が一杯だった
特にオオヅノさんルートはまだですか…と言ってみるw
0508名無しさん@ピンキー2017/02/24(金) 23:37:47.98ID:s+PWWpN2
今週の相棒の犯人のデレヤンっぷりが半端ないw
病んだ人のデレってくるわーって感じ
0509名無しさん@ピンキー2017/03/12(日) 12:58:11.48ID:UtkEpda1
籠の中とリトルプリンセス良かったなー
ウサギシチュー作る兄ヤンデレが見たかったと思い出して読み返してたら
もう五年近く前の作品だったのか!?


CSIファイナル8話の生きた人形見て
ヤンデレって萌えるけどヤンデレの子供ってかわいそうだなーってオチだった
0510名無しさん@ピンキー2017/03/31(金) 01:38:50.13ID:6s5XDMcc
今年の本屋大賞をなんとなく読んで見たら
ヒロインの幼馴染がナチュラルにハイスペックヤンデレだったw
部屋いっぱいにヒロインの写真貼ってたり
都合のいい時にストーカーして現れたりと
しかもそんなヤンデレじゃないと旦那にはなれないだろうといわれてる
ヒロインも理性的に見えて激情型DQNで面白い
0511名無しさん@ピンキー2017/04/30(日) 04:28:07.24ID:Nx9i/Uyj
0513名無しさん@ピンキー2017/06/04(日) 17:00:54.86ID:1IcosB3W
上で弟ヤンデレについて語っていたら弟ヤンデレが投下されたということは何か話題にすれば投下が来るのか!?という結論に至った
それはともかくヒロインと血が繋がっている兄弟姉妹や従兄弟とかのヤンデレは黒い面ががっつり出ていいね
年上なら保護者代わりという名の行き過ぎた過保護、年下なら甘えん坊と見せかけての周りへの威嚇、双子なら片割れという存在に対する共依存
とにかくヤンデレが読みたいんだ…
05141/22017/06/12(月) 15:22:27.87ID:gubt/Dje
保守代わりの小ネタ投下
なんでも許せる方はどうぞ


*

「ヤンデレさんヤンデレさん」
『なぁに?』
「どうして私を助けてくれたのですか?」
『だって…好きな子が、いや、通りすがりのものでもあの状況をずっと見続けるのはきつかったからね』

「ヤンデレさんヤンデレさん」
『なぁに?』
「どうしてヤンデレさんはここに居てくれるのですか?」
『だって…君が心配なんだもの。大丈夫、置いて行ったりなんてしないよ』

「ヤンデレさんヤンデレさん」
『なぁに?』
「ヤンデレさんはなんでフェラチオとアナルセックスばかりさせるのですか?」
『だって…処女は結婚初夜に散らしたいもの。でも君はまだ結婚できる歳にはなっていないからもう少し待とうね。アナルはすっかり僕の形になったから…ああ、落ち込まないで』

「ヤンデレさんヤンデレさん」
『なぁに?』
「結婚してください」
『…君もなかなかやるね、誕生日に言うなんて』
「やっぱりダメですか?」
『まさか。やられたな…こちらこそよろしくね』
05152/22017/06/12(月) 15:22:59.34ID:gubt/Dje
*

好きな人がいた。憎い人がいた。
その人は自分の父親の子供を産んだ。あろうことか外には出ずに屋敷の中で。
馬鹿な人。可哀想な人。
当然正妻から嫌がらせを受けた。どろぼうねこがなんたら、だんなさまがなんたら、しゃっきんがなんたら。
しゃっきん、借金? 僕は気になってやっと憎い人について調べた。
憎い人は元々夫婦揃ってこの屋敷に勤めていたらしい。ところが夫が夫婦仲良く暮らす家を借りようとして何かに失敗し、莫大な借金を抱えたそうだ。
夫は夜逃げ。残された妻は旦那様、つまり僕の父親に借金を肩代わりしてもらって、ますますこの家で働くことになった。
――ああ、わかった。全部父親が仕込んで子供を作らせるに至るまでにこぎつけたのだ。
その人の微笑みを思い出す。香りを思い出す。幼かった僕がいつものようにあの人の元に駆け寄って、父親の匂いを嗅ぎ取ったときの顔を思い出す。
父親の匂いがする人なんて嫌いだ。恋心とも言えない淡い気持ちがその匂いですっかり冷めて、父親の匂いを纏う大嫌いな母親に駆け寄った。
可哀想な人。可哀想な人。
いつの間にかその人を屋敷で見ることはなくなった。自分を責めて、あの人を責めて、父親を責めて、母親を責めて、そして苦い思い出としてしまいこんだ。
はずだった、のに。

*

行為の跡を端布で処理して、甘えるように胸元にすり寄る彼女に微笑む。
父親はあの人だけが欲しかったのだろう。あの人の姿を見なくなって、何年かしたらこの子が屋敷の廊下で使用人たちに蹴られているところを見つけた。
新人の子がやらかしてしまったのだろう。それにしては幼すぎるが。と正直に言うとその時はさして気にも留めなかった。
またお前か。本当になんで。お前はここに居なくてもいい存在なんだぞ。愛人の子め。
――中傷の中の気になる単語を耳が拾った。愛人の子。まさか。
その子についてすぐに調べた。すぐに行動した。
彼女の行動範囲を僕の近くに移すようにした。使用人の乳母兄弟たちに彼女のことを話し、深い傷を負わないように適度なところで止めさせて欲しいとお願いした。
あとは僕が救い出せば思い通り。
彼女は僕の想像通りだった。無知で純粋で、純潔で。
彼女の部屋を片付けて、僕の部屋を自分の部屋だと思いこむように刷り込ませる。
たくさん甘やかして、食事を運んで一緒にとって、贈り物をして、警戒心を解かせる。
まだ熟れきっていない身体を少しずつ開いて、快楽を覚えこませていく。
ああ思い通り、思い通りになった!
まさか彼女から結婚という言葉が飛び出すとは思わなかったが、そこまで懐いてくれたと思えば可愛いものだ。
後で父親に報告しよう。子供を楽しみに待っていてほしいと。彼女以外は考えられないから他所の家との婚約もお互い不干渉を守る子をお願いすると。
「結婚式」を終えて疲れてしまったのかすうすうと寝息を立てて眠る彼女の頬をそっと撫でる。
待っていてね。僕が立派な籠を作ってあげるよ。
僕の可愛い可愛い、妹。
0517名無しさん@ピンキー2017/06/12(月) 18:44:48.86ID:cMMKK3Gn
>>514
GJ!
最初ヤンデレさん呼び掛けでギャグが始まるのかと思ったら一気に暗くなって驚いた
ご馳走さまです
0518名無しさん@ピンキー2017/06/14(水) 00:34:23.48ID:+tcH39rO
乙です、もっとエロがっつり入れてもいいのに
拗らせた遺伝の絡むものもいいね
0519名無しさん@ピンキー2017/06/14(水) 00:58:09.10ID:FHt2mx87
>>514
GJ!
淡々と簡潔にまとめてあるのが逆に狂気を感じる
手懐けて堕としていく流れがいいね!
二人とも幼い感じがまた
0521名無しさん@ピンキー2017/09/01(金) 09:05:57.12ID:t1ZLL1uB
保守
0525名無しさん@ピンキー2017/10/21(土) 22:22:56.82ID:yn98lUgF
よく漫画サイトの宣伝バナーで見る
凪のお暇の元彼が気になって見たら立派なヤンデレ予備軍だった
まぁそうはならないんだろうけどヤンデレに陥る気配がぷんぷん漂うのがいいw
0526名無しさん@ピンキー2017/11/07(火) 08:55:29.80ID:GSzf5Q2O
0527名無しさん@ピンキー2017/12/10(日) 15:38:39.30ID:Y3e67Htd
愚者の皮チガヤ編
ネタバレあり



連載当初ここで話題になってたけど
ヤンデレの完全敗北かよ…
ちょこちょこヤンデレにも勝機がとか思わされてたのが
最後まで読むと全くなかったのが辛いけど
ヤンデレにも救いが初めからあったのか

でもそれぞれ幸せになってよかったけど
ヤンデレの次の恋はハチワンダイバー的な明るいヤンデレになりそうw
0530名無しさん@ピンキー2017/12/10(日) 19:33:47.02ID:q8lmqUdp
>>529
不憫だからこそ成就させたくなる
0531名無しさん@ピンキー2018/03/03(土) 01:24:39.44ID:ObKZLjQP
レヴィンちゃんの羊飼いルートってここで読んだ気がしたんだけど違った?
0533名無しさん@ピンキー2018/06/05(火) 19:56:16.15ID:heeYShgo
アマゾンズ2の殺人鬼カップル
短いけど萌えポイントをおさえた良い狂愛だな
大人向けアクションホラー作品なのでグロ表現も凝ってて良い
0534名無しさん@ピンキー2018/08/05(日) 12:45:09.20ID:goOJpxbp
来世は他人でいいもいいヤンデレw
ヒロインが強いから安心して見れるけど
0536名無しさん@ピンキー2019/11/11(月) 06:30:02.63ID:3ua3FT5F
男のヤンデレで思い浮かぶのは
「サムライスピリッツ」の首斬り破沙羅(くびきりばさら)

自分が殺した奥さんの亡霊に命令されて人を斬る狂人
0537名無しさん@ピンキー2021/09/04(土) 16:47:34.05ID:nr/hH6Ci
保守ついでに
死のドレスを花婿にという小説、とてもヤンデレな男性が出てきてすごく面白かった
どなたかヤンデレ男好きなひとの目に止まりますように
0538名無しさん@ピンキー2022/02/21(月) 23:13:37.18ID:rYBYahQO
>>537
遅レスだけどオススメしてくれてありがとう
気持ち悪くて最高みたいなレビュー多くて
面白そうだからポチった!
0540名無しさん@ピンキー2022/05/24(火) 07:35:19.61ID:SijkNSpx
スレの名前に惹かれて来たら随分前に建ってたから過疎かと思ったら動いてて嬉しい
ヤンデレメインじゃないけど今年から地上波にもなったディズニーチャンネルでやってるパリが舞台の変身ヒーロー&両片想いがテーマの主人公の相手役兼男主人公がヤンデレ気質な気がする
ヤンデレ?と思ったのがシーズン3で妄想で変身したヒロインに正体明かして思いの丈を告白するんだけど悪を倒したら南の島に一緒に消えようって姿消す前提
その次の話でifで悪堕ちしたら愛してくれないし時を戻せないなら全て壊すって言っててヤンデレだなって
後主人公と自分が特別な二人という事に固執してるから偶に自分以外のヒーロー呼ぶと機嫌悪くなったり物に当たったりする
ヤンデレとして惜しいのは主人公にも原因あるとはいえ他の女の子に揺らいじゃったとこ
書いてて思い出したけど父親も正にテンプレヤンデレだった
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