7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第六帝竜
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ここはDS/PSPのRPG「7THDRAGON/セブンスドラゴン」シリーズの二次創作スレッドだ。
成人向け創作を発表するハントマンが数多く訪れるこのスレッドは、
冒険(性的な意味で)の拠点として、重要な意味を持つ場所となるだろう。
なおSSを投下予定のハントマンは、後進のハントマンに配慮して
ネタバレの有無を投下前に明記する事を強く推奨する。
全てのエロを語りつくせ!
公式(無印)
ttp://dragon.sega.jp/
公式(2020)
ttp://dragon2020.sega.jp/
公式(2020-II)
ttp://dragon2021.sega.jp/
wiki(無印)
ttp://www24.atwiki.jp/7thdragon/
wiki(2020)
ttp://www10.atwiki.jp/7d2020/
前スレ
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第五帝竜
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1260383454/
過去スレ
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第四帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245725580/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第三帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240392763/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第二帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238463258/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233975381/
保管庫
ttp://7thep.x.fc2.com/index.html
仮保管wiki
ttp://www29.atwiki.jp/nanadorakari/ ずーっと規制中で全然書き込めないんだけど、
ウィキに直接投稿するしかないかな…●を導入すべきなのか?
なんか金出してにちゃんってのも癪なんだが というわけで、ウィキに投稿しといた。
2020のゴスロリちゃん。ハード目だから注意。 wikiの空腹ルシェシリーズをスレ番毎に整理しました。
シリーズのタイトルとしては『外伝』で合ってるのかな?
261さん達が帰ってくる日を待ってます >>7
遅れながらGJ!
リーダーとミイナ、エメルの絡みももっと見れたら、それはとっても嬉しいなって
2020時代と無印時代って、やっぱり竜の知能値も違うのかな?
ニアラさまもフォーマルハウトも片言混じってるし、帝竜は台詞まったく無いし… おkでしょ
それはそうと5スレ目までに載ってたSSを全て保管庫にまとめることができました
うpロダごと死んでて回収できなかった『駆け出しローグの日記 ネバンにて』だけが心残りですが 保管庫更新乙ー
俺も過去ログはとってあったけど、ロダの方は未確認だったわ……
書き手さん本人が戻ってきてくれるのが一番早いんだがなぁ。他の連載中だった人たちも。
そして新規の人も来てくれるとなおいいんだがなぁ…… 人いなさそうだし、ひっそりと投下してみる。
・2021時代
・導入部分、エロ無し
・侍♂・(福山声)×ルシェ♀(竹達声)を予定
・上記が無理な人は『知られざる13班』をNGお願いします ――ムラクモ13班――
西暦2021年、日本においてその名を知らない人間はほとんどいない。
東京を中心に各地を侵攻したドラゴン達を、一匹残らず殲滅してみせた人類の希望。
子供たちはその武勇伝に目を輝かせ、13班に助けられた者たちはただただ感謝の言葉を述べる。
そんな、英雄と言っても過言ではない13班ではあるが……
「ええい、鬱陶しい!」
現在の構成員が、侍の青年ひとりだけであるということは、一部を除いてあまり知られていない。
僅か1年で再来した無数のドラゴンと魔物を屠っているのも、彼一人だけだと言われても、一般市民はそれを信じることはできないだろう。
「……ふん、その程度か、ドラゴン。俺一人にも勝てぬようでは……ぐっ……」
その唯一の英雄が数匹のドラゴンを切り伏せる度に、瀕死の状態に陥っているなど、さらに信じられないはずだ。
「……一度帰還して、立て直すか」
死ぬつもりはなく、しかし幾度となく死の淵に立つ青年――レオンはかつての13班のリーダーであった。
かつての彼の仲間は――もうこの世にはいない。
昨年の戦役の元凶であった真竜ニアラとの死闘で、彼らはその命を散らせ……
唯一生き延びたレオンもまた重い後遺症が残り、それでもなおこうして再び竜を屠り、新たに現れた真竜の首を狙っているのだ。
※ ※ ※ ※ ※
「俺、いつか絶対13班に入ってみせます!」
「ふん、無理な話だ。貴様が俺の領域に達することなど、未来永劫不可能なのだからな」
「おいレオン、お前また一人で狩りに行ってたのか? あんまり無茶すんなよな」
「誰に言っている? 力無き者を同行させたところで足手まといなだけだ。俺に余計な遺体回収をさせろというのか?」
「確かに俺たちじゃあせいぜい魔物の駆除が精一杯だが……
ほら、最近はS級の力を持った新人ムラクモが何人か13班に志願しているっていうし。
この前すれ違った奴は色々すごかったぞ。なんでも歌って踊れて戦える、ちょっとうるさいアイドル――」
「必要ない」
「お、噂の13班を発見! どうだい、戦力増強にこのスーパースターである僕を――」
「帰れ」
疲労を全く感じさせない足取りで、レオンは拠点である国会議事堂を歩く。
かけられる声は早々に切り捨て、向かうのは自室。
人で溢れかえるこの議事堂において、唯一気を張らずに済む場所だ。 「ふぅ……」
部屋に入り、扉を閉めると同時に大きく息を吐き出す。
やっと一人きりになれたと、全身に込めていた力も抜く。
「まだ……本調子には程遠いな……」
押し寄せるは、尋常ではない疲労感。
任務に復帰して以来、こういったことは日常茶飯事であったが、未だ慣れることはできないでいた。
真竜との戦いで負ったダメージは思いのほか深刻であり、今出せる力は当時の半分以下だろう。
その病み上がりの身体で、単独で雑魚はおろか帝竜まで相手どらなければならない。
かつて戦った叫帝竜と同じように、手負いであった晶帝竜にとどめを刺すのさえ一苦労した。
そんな苦労も知らず、人々は帝竜が倒れたことを喜び、『13班なら大丈夫だ』と期待を寄せる。
それを裏切るわけにもいかず、人々の前では常に気を張り、傲慢なほどに己の力を誇示する。
連日これでは、心身共にくたびれて当然である。
「弁当は……今日は無いか」
部屋の左隅に設置されたテーブルをみやるが、特にめぼしいものはない。
ムラクモの仲間からの差し入れは密かな楽しみであったが、なければないで礼を言いに行く手間も無い。
そう考えたレオンは、一気に重たくなった身体で最終目標地点へと向かった。
ふっかふか……というわけでもないのだが、何故かやすらぎ眠れる寝台へと。
「少し仮眠をとったら、いい加減にあの砂漠のドラゴンを殲滅せねばなら……ん!?」
ふとんをめくりあげた瞬間、レオンの動きはぴたりと止まってしまった。
「すぅ……すぅ……」
そこには、すでに先客がいたのだ。
穏やかな寝息をたてて眠る、白銀髪の少女が。
完全に無防備であり、短いスカートからは柔らかそうな脚やら、さらにその奥地までもが覗き……
「す、すまん! 部屋を間違えた!」
程なくして、掴んでいたふとんを放り投げ、レオンは凄まじい勢いで少女の部屋を飛び出した。
かつて奥義を会得するために戦った兎以上に、文字通り脱兎の如く、なりふり構わずに、だ。
その様子に、近くを通りかかった作業班の面々が何事かと驚いているが、それを気にかける余裕もない。
(お、俺としたことが、部屋を間違えるとは……!
いくら疲れていたとはいえ、なんという体たらくだ! 俺は一体、どこの部屋と間違えた?
フロアの右隅……という点においては問題ない。ということは、階層を間違えたのか!?
信じられん……どこまで抜けているのだ俺は……ん?)
頭を抱え、飛び出した部屋の扉にかかったプレートを見てみる。
【ムラクモ13班本部 許可のない者の立ち入りを禁ずる】
間違いなく自室だった。 「貴様あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
突然飛び出してきたかと思えば、今度はそれ以上の速さで、叫びながら部屋に突入。
レオンの奇怪な行動に、作業班の面々は頭にさらに疑問符を浮かべるが、彼らの疑問に答えてくれる者は誰もいない。
本人に聞くのが一番手っ取り早いが、修羅のような形相且つ、帯剣した彼に迂闊に近づいて貫付けされてはたまったものではない。
今見たことは忘れようと、作業班はそれぞれの仕事に戻る。
そんな作業班の優しさなぞ知る由もなく、レオンはずかずかと寝台に近寄っていた。
「むにゅ……」
「く……」
そこには相も変わらず少女が気持ちよさそうに眠りこけていた。
悪意など微塵も感じ取れず、ともすれば子供のようなその寝顔は、思わず起こすのを躊躇ってしまうほどである。
とはいえ、レオンが部屋を間違えたわけでもなく、事実少女が眠るこの場所こそがレオンの寝床なわけで。
僅かに良心が痛んだが、きつい戦闘から帰還した身体はもっと痛んでいる。
ここで休まねば、自分は倒れてしまう。風呂を沸かそうにも燃料は底をついている。
もし、この場に第三者がいたならば、きっとこう言うだろう。
『大人しく別のところで寝ろ。3つ用意してあるんだから』と。
本来三人一組で行動することを想定されている13班。
建築班の計らいで、その居室にも当然3つの寝台と、僅かながら各人用のテリトリーも確保されている。
……のだが。
生憎とこの青年は、枕などが変わると寝付けなくなる面倒な体質だったのである。
「ええい、何者だ貴様は!?
俺の崇高なる休息を妨害するとは、大した度胸だな!?」
「ふみゅ!?」
心を鬼にし、『起こす』と決めたレオンの行動は早い。
抜刀時のような力強さで、マットレスを鷲掴み。
居合時のような素早さで、それを一気に引き抜く。
かつて披露したテーブルクロス引き芸を応用した、神業である。
当然、突然そんなことをされた少女はたまったものではない。
寝心地は布地から一気に骨組みの冷えた金属へ、しかも枕まで奪われて後頭部を強打。
彼女はなんとも最悪な目覚めを迎える結果となった。
「いつつ……な、なんなんですかぁ、一体!?」
「なんだとはこっちの台詞だ!
この部屋に入ってもいいのは、弁当の差し入れか緊急事態の時だけだ!
だというのに、弁当は無し! 暢気に眠り込んでいた貴様が緊急の要件を抱えてるとは思えん!
とっとと――っ」
「あ、お弁当ですか? すぐに支度しますね!」
「な、おい貴様!?」
頭をさすりながら起き上がった少女は、起きるなりすぐに表情を変えて調理場へと駆けていく。
あまりの会話の噛み合わなさにレオンは頭をおさえ、少女を止める機会をも失ってしまった。
実のところ、会話の噛み合わなさ以上に、少女の頭部にあった――獣の耳に目を奪われたことの方が大きかったのだが。
(あの耳は……)
勝手に部屋の調理器具まで使い、本格的に弁当の作成にとりかかった少女はもはや止められない。
一瞬の隙から追い出すチャンスを無くしたレオンは、仕方なくその少女の後ろ姿を眺めることにした。
※ ※ ※ ※ ※ 「でひまひたー!」
「味見で舌を火傷する馬鹿がどこにいるというのだ……いや、目の前にいたか。
とにかく、だ。これを食べたらすぐに俺の部屋から――!?」
この食料難の時代に、用意された食事を廃棄するほどレオンは馬鹿ではない。
さっさとたいらげて、さっさとこの謎の少女を追い出そうと考えていたのだが、彼はテーブルから立ち上がることができなくなってしまった。
(う、美味い……だとぉ……!?)
その味は、凄まじい衝撃だった。
確かに、材料はそれなりにいいモノを使っているはずだ。
各地の特選品というわけではないが、入手難易度を考えれば一流の食材と言って相違ない。
一般市民や自衛隊ですら、食事のほとんどはレトルトや缶詰の類なのだから。
問題なのは、この食材を使って自分がかつて料理した時と、あまりにも味が違いすぎることだ。
自分が作った時は、全て一流の食材だからと油断したのも大きかったが、出来上がったのは……
●
こんな感じのブツだった。もう少し後ろが尖がれば、魔物と見間違えるレベルの代物だった。
それがどうして、こんな立派な料理に化けるのだろうか?
「……おい、この料理……まだあるか?」
「んー、まだありますけど……これ以上食べるとお弁当に詰める分が無くなっちゃいますよ?」
「構わん。元から弁当を持っていくつもりではなかったからな」
「そうですかー。なら、お夕飯ってことにしちゃいます? すぐに追加のおかずも作りますから」
「そうだな。さすがにこうも戦い詰めだと腹も……って違う!」
危うく当初の目的を忘れかけ、出された味見分の料理を完食すると同時にレオンは正気に戻った。
「大丈夫です! お塩と砂糖を間違えるような初歩的なミスはしてませんよ!」
「そこじゃない! くそ、何故こうも俺の思い通りに会話が進まんのだ……!
貴様、一体何者なのだ。この俺の部屋に不法侵入した以上、ただでは済まさんぞ!」
「あ、そういえば自己紹介がまだでしたねぇ。私の名前はクランといいましてー――」
「そうか。では問おうクランとやら。見たところ君はルシェのようだが、ならば来る部屋を間違えている。エメルの部屋は――」
「エメル総長より直々に、本日づけでムラクモ13班に所属することになりましたー!
というわけですので、以後よろしくお願いします! でも、13班の部屋はここだと思ったんだけどなぁ……」
「なん……だと……!?」
間の抜けた声と、苦虫を噛み潰した表情から生み出される苦悶の声。
全く異なる声が漏れると同時に、レオンは刀を持って再び部屋を飛び出した。
向かう先は、ムラクモ本部――総長エメルの場所だ。 とりあえずここまで。何か問題がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします >>11
乙 ネバンにては俺も読み損ねてたんだよね
ここで後の展開においての重要なフラグが立ってるっぽいから残念でならない
>>18
書いてくれる人がいるだけでありがたい
続き待ってるよ >>11
更新乙!
ローグ日記を全て回収できなかったのは残念だけど、仕方がないか……
ところで、第5帝竜の終わりのほうにPTSSの人のSS二本が別ロダにあがってるようだが
それも回収して保管庫にいれておくべきかね?
>>18
乙!
このスレの作品の多くに言えることだが、エロよりもストーリーの続きの方が気になるぜ
ただ、固有名ある時は最初に書いてくれると助かるかな。ルシェ子の職業も抜けてるっぽいし 復活してる……だと……
エロパロ板から離れていたせいで気づきませんでした、復活おめでとうございます。
「駆け出しローグの日記 ネバンにて」を書いたものです。
該当のデータはこちらの手元からも失われておりまして、
つまりその……冥福を祈ってやってください。
ちなみにネバンにてはざっくり言えば
「千人砲ですっかりどん底の空気になってしまったネバンプレスで、
志願者の一人の遺書を見つけた主人公のカエラちゃんが遺書を書くとは
どういうことか、命をかけるとはどういうことなのかを仲間に相談して回った末
自分なりの結論を出してサクリファイス習得を決める」という話です。
記憶はあるので書き直せないこともないですが、幕間色の強い話なので
書き直すほどのこともないかなと……
それよりも未完作品のほうが気がかりでした。
あと一月半くらいはPCにもろくすっぽ触れない環境なのですが、それが終わったら
また新しいのを書くので読んでいただけたらそれはとても嬉しいです。 Oh…スゲー良さそうな話なのに勿体無い……。
新しい作品楽しみに待っとるよ。 >>24
ローグ日記シリーズ大好きでした
ネバンにて読みたかったから残念ー
次の作品も待ってます! ・セブンスドラゴン2020−U終盤
・エロなし
・NGは「左側の部屋で」
0,
2021年、東京。人と竜との戦いが続く世界。
人類の拠点たる国会議事堂の地下2階にある、政府の特殊機関『ムラクモ』の居住区。
そこにある、人類の刃たる『ムラクモ13班』のマイルーム。……の、同じ並びにある一室。
通称『左側の部屋』。
そこに、今は失われた種族の2人がいた。 1,
「……」
「……」
室内で、2人は無言だった。
ひとりは女。
少女と言っていい年頃に見える、白いふわふわした獣耳をもつルシェ族の女が、
部屋に備え付けられたベッドに腰掛けて虚空を眺めていた。
もうひとりは男。
少年と言っていい年頃に見える、浅黒い肌と尖った耳を持つルシェ族の男が、
ベッドから見える位置にあるテーブルについて何かの資料を読んでいた。
ルシェの女が口を開いた。
「ねえ、ミツツグ」
ミツツグと呼ばれたルシェの男が応えた。
「なんだ?」
ルシェの女が言った。
「今日のご飯、なにかな」
「……」
ちょっと考えて、ルシェの男は答えた。
「これまでの経験から、缶詰と水の可能性が高いんじゃないかと思う」
「そうだね」
「……」
「……」
ルシェの男が口を開いた。
「なあ、アユム」
アユムと呼ばれたルシェの女が応えた。
「なに?」
ルシェの男が言った。
「今日の夕食は何時って言っていたかな」
「……」
少し記憶を遡って、ルシェの女が答えた。
「17:30だったと思うよ」
「そうか」
「……」
「……」
しばらくして、ルシェの女が口を開いた。
「ねえ、ミツツグ」
ルシェの男が答えた。
「なんだ?」
「わたしたち、13班だよね?」 2,
ルシェの男は答える。
「そうだな」
「なんでわたしたち、やることがないんだろう」
ルシェの女の問いに、ルシェの男はやはりよく考えてから答えた。
「俺たちは、創られた……生まれてからあまり長い時間が経っていない」
「うん」
「同じムラクモの先生に引率してもらわないと、ちゃんと行動できるか自信がない」
「うん」
「13班は予備員を含めて11人いるけど、そのうち9人は作戦行動に出ている」
「うん」
「残り2人である俺たちに引率がつけられない」
「うん」
「だからだと思う」
「あー」
ルシェの女は納得しかけたが、納得はしなかった。
「できるよ? ちゃんと行動」
「できるか?」
「……」
「……」
「できないかも」
ルシェの女は納得した。
「モトコ、また教えてくれないかな」
少し間を置いて、ルシェの女が言った。
モトコとは13班の一員である。
彼女は潜在的な身体能力がまったく普通ではない普通の女子学生だったが、一年前にムラクモ採用試験に呼び出されて以降
数奇な運命に導かれてドラゴンと戦う道へと踏み入り、立ち塞がる竜を斬って斬って斬り続けた挙句
ついには真竜の頭蓋をも貫いて地球から追い払う最後の一手を決めたというエース中のエースである。
さらに言うと一年後の今大戦でも最初から活躍し続け、帝竜を屠り、多くの命を救い、
そして連れ去られかけた最も特別な少女をアメリカの特殊部隊から取り戻し、その特殊部隊と一緒に議事堂に帰還して、
『あの……サクラバ兄妹との戦いでムキになりすぎちゃって何箇所か大事な腱が切れちゃった……』
と報告して彼女に人類の希望を託す関係者一同を未曾有の大パニックに陥れた張本人でもある。
議事堂襲撃の際、13班の同僚達は生存の不安よりも
絶対戦えない体で出撃したがる彼女をなだめるのに苦労しなければならなかった。
そんな彼女は療養中、新しく13班に入った2人の教育係として自分の技術を教え、あるいは一緒に技術の習得に励んだ。
現在では完全には体は元に戻らなかったものの、快復した彼女は戦闘スタイルをアイドルに転向、
丹田法で鍛えた発声と開発班の超技術メガホンを組み合わせ、並みいる敵の脳天をぶち抜く人間音響兵器と化している。 ベッドに体を投げ出し、ベッドの下をごそごそやりながらルシェの女が言った。
「モトコに刀の使い方を教えてもらうの、楽しかった」
鞘に納まった日本刀を引っ張り出し、膝に乗せたルシェの女は
お気に入りのぬいぐるみをそうしたようにリラックスして耳をぴこぴこさせた。
ルシェの男が言う。
「モトコがアユムに教えてる間、俺は一人でさびしかったな」
「モトコがミツツグと研究区に呼ばれて、能力開発してる間はわたしがさびしかったよ?」
「一緒に来てたのに?」
「モトコともミツツグともおしゃべりできないから……」
「そうだな」
ルシェの男は頷いた。
「俺もアユムとモトコが練習してる間さびしかった」
「でしょ?」
「そうだった」
「……」
「……」
ルシェの女が言った。
「今は2人でいるけど」
「ああ」
「誰にも呼ばれないと、まだちょっとさびしいね」
「俺もそう思う」
3,
「スキルの練習、しようかな」
ルシェの女が言った。
「……」
アイドルのスキル開発の資料に目を戻していたルシェの男は、
日本刀を持ってベッドからぴょんと降りたルシェの女の方を見た。
「スキルの練習をしておけば、呼ばれたらすぐみんなの役に立てるよね?」
「そうだな」
ルシェの女の言葉に、ルシェの男も少し乗り気になってメガホンを手に取った。
「こうやって……」
「……」
「……」
ルシェの女は日本刀を持った手を腰に当て、構えを取り、そして室内では
武器の抜刀が厳禁であることを思い出した。
ルシェの女は練習するのをやめた。
「………………」
ルシェの女の耳が力なくうなだれた。 ルシェの男は構えるのをやめたルシェの女を不思議そうに見たが、
すぐにその理由に気付いた。
「……」
気まずかったのでルシェの男は自分も練習するのをやめにしようと思った。
思ったが、ルシェの男の目にふと部屋においてある観葉植物の植木鉢が目に入った。
「……」
なんとなく、ただなんとなく、ルシェの男は
腕をぐるぐると回してその観葉植物に人差し指を向けた。
次の瞬間、突撃グルーヴに操られたルシェの女が観葉植物を真っ二つに斬り飛ばした。
4,
「なにかして、みんなの役に立ちたいね」
飛んできた研究員にしばらくの間日本刀を没収されることになったルシェの女が言った。
「そうだな」
頭にたんこぶを作ったルシェの男が応えた。
ルシェの2人は少しの間考えた。
ルシェの男が言った。
「お弁当を作るのはどうだろう」
「お弁当?」
「働いたあと、おいしいものが食べられると嬉しい」
「そうだね」
「きっと喜んでもらえる」
「うん、役に立てるね」
控えめに表情を輝かせたルシェの女が、ルシェの男に聞いた。
「料理の材料、ある?」
「……」
ルシェの男は少し考えて、言った。
「無い。アユムはあるか?」
「……」
聞き返されてルシェの女は少し考えた。
「これ、できるかな……」
そう言ってルシェの女は『手作り弁当』を出した。
何かのために研究員がルシェの女に持たせていたものだった。
「……」
ルシェの男は差し出されたそれを見た。
それは料理の材料にするのではなく、そのまま仲間に差し入れすべきものだった。
ルシェの男は言った。
「食べ物だから、たぶんできるとおもう」
『普通、料理として完成しているものは更に調理したりはしない』
という知識を、ルシェの2人は持ち合わせていなかった。
ルシェの2人は『弁当』を調理して弁当を作ることにした。 調理台の前に並んで、そしてルシェの男は言った。
「お弁当はおいしい」
「おいしいね」
「そして回復する」
「回復?」
ルシェの女が聞き返した。
「戦闘中に使うと、3人の体力が回復するらしい」
「どうして?」
「……」
ルシェの男は少し考えて、言った。
「おいしいと力がわく」
「そうだね」
「だから回復する」
「そうだね」
「……」
「……」
「どうしてお弁当は1つなのに3人の体力が回復するのかな」
「……」
「あと戦いながらご飯食べられるかな」
「……」
ルシェの男は煙が出そうになるほどよく考えて、言った。
「1人でお弁当を食べる嬉しさを1とする」
「うん」
「アユムと2人で食べると、2倍くらい嬉しいから2になる」
「うん」
「1つのお弁当を2人で食べると、半分しか食べられないから嬉しさが半分になる」
「うん」
「2倍の半分だから1になる。1つのお弁当を2人で食べると2人とも1嬉しい」
「うん」
「3人で食べると3人とも1嬉しい。3人とも回復する」
「そっか」
ルシェの女は納得した。
「あと」
「うん」
「人がお弁当を食べているのを邪魔するのは、いけないと思う」
「怖かった」
「怖かったな……」
ルシェの2人は何かを思い出して同意しあった。
「だから、お弁当を食べているときは攻撃されないと思う」
「戦いが止まるね」
ルシェの女は納得した。 ルシェの女が言った。
「じゃあ、料理しよう」
「うん」
「……」
「……」
「料理のしかた、わかる?」
「……」
ルシェの男は少し考えた。
「『しおやき』は知ってる」
「そっか」
「アユムは?」
ルシェの女は少し思い出した。
「『からあげ』ならしってるよ」
「そうか」
「この材料をからあげとしおやきにすればいいんだね」
「そうだな」
ルシェの2人は料理をした。
ダークマターが出来た。
5,
「なにかして、みんなの役に立ちたいね」
食べ物を粗末にした罰として頭にたんこぶを作ったルシェの女が言った。
「そうだな」
普通食べてはいけないものを食べたことによる腹痛からようやく復帰したルシェの男が言った。
目を伏し、頭を傾げ、ルシェの女が言った。
「じりじりする……」
「……」
「どうして、こんなにみんなの役に立ちたいんだろう」
手を組み、深く物思いに沈んで、ルシェの男が呟いた。
「血……」
「え?」
「誰かが、何かしろと言ってる気がする」
「誰か……」
「体の、中で」
ルシェの男が続ける。
「頭の、中で……」
目を閉じ、耳を伏せて、ルシェの女が言った。
「……わたしにも、感じる」
「感じる?」
「体の中を、めぐってる。頭の中にも」
「ああ」
「これが、ルシェの血?」
今は失われた種族の遺伝子を受け継いだ女が、言った。
「そうかもしれないと、思った」
今は失われた民の血を引き継いだ男が、応えた。 「モトコが言ってた。ルシェという種族のこと。俺たちを創った人が……エメルが言っていたって」
「わたしもマリナから聞いた。マリナは、エメルと会ったことがあるって」
ルシェ族。
かつて存在した海洋帝国にルーツを発する、今は失われた民。
その最大の特徴は、鉱物の声を聞くことが出来る耳でも、優れた頭脳と身体能力を併せ持つことでもない。
その最大の特徴は、地球に存在する命を繋ぐために種の未来を捨てた、その精神性。
他の命を繋ぐために自らの犠牲をいとわない。
その精神性を、ルシェ族は遺伝子に刻み込まれた特性として持っていた。
マリナ。
ルシェの女王の記憶を引き継ぐ、もう一人のルシェの少女。
実のところ13班の2人は、マリナに会う機会はあまりない。
それでも13班の2人にとって姉のような、守ってあげなければならないような、
不思議な血の繋がりを感じる相手でもある。そして、創られた命であると言うことも共通している。
そして、エメル。
アメリカで、そして日本で、ドラゴンを滅するために全ての智恵と技術を振るった科学者。
彼女の憎悪は、竜の力を持って竜を破壊する人類がドラゴンに打ち勝つための牙を生み出した。
また彼女の憎悪は、生命の禁忌に触れる研究で命を『創った』。
しかしその結果としてマリナや2人はこの世に存在し、また憎悪で出来ているはずの彼女が遺した
憎悪以外の何かは、マリナに、そして13班に受け継がれている。
そしてエメルがいなくなった後に、2人は目覚めた。
「ルシェの血が言ってるんだ」
ルシェの男は呟いた。
「自分の近くに居る命を守れって」
「わたしにも、聞こえる」
ルシェの男は続けた。
「この血の声を……そして、エメルの意思を引き継ぐ。それが、俺の生まれた意味」
「……」
「そのために、生きているんだと思う。この気持ちは、生きる理由を教えているんだと思う」
「そうかな?」
ルシェの女が言った。
「それは、きっと、ちがう」
「そうか」
「そう。だって、マリナも、ミロクも、ミイナも、何かのために生きているわけじゃない」
ルシェの男の脳裏に、よく笑い、よく喋り、よく熱を出し、自分達より
背が小さいのにお兄さん、お姉さんのように自分達に接する2人の姿が浮かんだ。 ルシェの女が続けた。
「オリハルコンを作るため。ナビをするため。そのために、生まれた。そのための力がある」
「うん」
「その力を使って助けたい仲間がいるから、使ってるんだと思う」
「うん」
「そのために生きてるから、って、その力を使ってるんじゃないと思う」
「うん」
ルシェの男が言った。
「そうだな」
ルシェの女が言った。
「生きてることに、理由なんてない。生まれたから生きてるだけ。それだけで、すごく嬉しい」
「そうか……」
「うまく言えないけど」
「いや、わかる」
ルシェの男が言った。
「何かしたいと思うのは、生きてるからなんだ。せっかく生きている、この気持ちを、未来に繋ぎたいんだ」
「……そっか」
ルシェの女は言った。
「やっと、言葉になった。わたしにもわかった」
「うん」
「ねえ、ミツツグ」
「なんだ?」
「わたし、ルシェの血の声を、大切にしてあげたい」
「……うん」
「ルシェは、命を残すために、一回は消えちゃった。でも、もう一度この星に戻ってこれた」
「ああ」
「せっかく戻ってこれた、この、ルシェの心……ルシェの誇りを、わたしは受け継いであげたい」
「……俺も、そう思う」
ルシェの男は同意した。
「ルシェの思いと、俺の思いは、同じだ」
「うん」
「自分の思いを未来に繋ぎたい。自分が大事に思うことができた大切なものを、未来に残したい」
「わたしの思いも、ルシェの思いと同じ」
ルシェの女も続けた。
「わたしは、戦う力をもらって生まれてきた。戦えないみんなのかわりに、戦える力」
「ああ」
「だから、戦いたい。戦えないみんなに、わたし達は負けないってつたえたい」
「ああ」
「……できるよね」
「できる、絶対に」
確かめ合うように、2人は声を合わせる。
「みんなの命と、思いを守る。この名前にかけて、きっと『希望を繋いで』みせる」
光継という名を自分につけた男が言った。
「わたしも……みんなの願いを形にしてみせる。みんながくれたこの名前にかけて、『絶対にくじけない』」
歩という名を仲間に貰った女が言った。
ルシェの2人はお互いをまっすぐに見て、言った。
「これが、『わたし達の意志』なんだね」
「これが、『俺たちの意志』なんだな」 6,
「……なあ、アユム」
ルシェの男が口を開いた。
「なに?」
「13班は、仲間だよな?」
「仲間だよ」
「……」
少し沈黙して、ルシェの男がまた言った。
「ムラクモのみんなも、議事堂のみんなも、日本もアメリカも……みんな、仲間だよな?」
「仲間だよ?」
「みんなを守って、みんなの未来を繋ぐことができれば、『俺の意志』は貫けたことになるよな……?」
「……」
ルシェの女は、ルシェの男を見て、柔らかな声で言った。
「どうしたの」
「……」
「どうしたの、ミツツグ」
ルシェの男は静かに語り始めた。
「ドラゴンを追い払えば、この星は未来へ残る」
「うん、そうだね」
「マリナも、モトコも、ミロクとミイナも、人間の希望と歴史を、繋ぐことができる」
「うん」
「だけど」
ルシェの男は言った。
「ルシェは、繋がらない」
ルシェの女は言った。
「どうして?」
「数が少なすぎる」
現在、地球に3人しかいない種族の男が続けた。
「生き物には、種を存続させるために必要な絶対数がある」
「うん」
「俺たちは、3人しかいない」
「うん」
「どうしても、足りない」
ルシェの女は、小刻みに相槌を打ちながら、ルシェの男の話に耳を傾けていた。
「ルシェは、人間との間に子供を作れない」
「……うん」
「ルシェは、人間に混じって、一緒に命を繋ぐことができない」
「…………うん」
「ルシェは、俺たちと一緒に、もう一度消える」
「………………」
未来の閉ざされた種族の男が、そう言って黙った。 「……」
「……」
「……じゃあ」
未来を閉ざされているはずの種族の女が、口を開いた。
「わたしと作る? ……子供」
「……」
ルシェの男は、ぽかんとしてルシェの女を見つめ、しばしの間沈黙した。
「ええと……」
ルシェの男は言葉を選びながら、説明しようとして口を開いた。
「存続に必要な数とかは、そういう問題じゃなくて」
「うん」
「ええと」
「でも」
ルシェの女は、言った。
「子供ができたら、その子がいる間、ルシェは続くよ」
「……」
「子供を作らなかったら、それで終わり」
「……そうかもしれない」
ルシェの男は考えながら言った。
「『ルシェを残す意志』がなければ、ルシェは残らない」
「うん」
「『ルシェを残す意志』があれば、なにか、いい方法が見つかるかも……」
「そうだよ」
「そうか」
「そんなかんじのこと、言いたかったんだよ」
「そうか」
テーブルを挟んで向かい合うルシェの2人は、お互いを見た。
「それで……」
「ああ」
「どうする?」
「……」
ルシェの男は、よく考えて、言った。
「……今、戦わないといけない俺たちは、子供を作るのが難しいと思う」
「あ」
ルシェの女は今気付いたように声を上げた。
「そっか」
「ああ」
「そっか……」
「ああ」
二度同じやり取りが繰り返された。 「じゃあ」
「うん」
「ドラゴンを追い払ったら、どうする?」
「……」
「……」
ルシェの2人は向かい合ってしばらく考え、やがて同時に首を傾げた。
「どうしようか」
「どうしようか」
7,
『左側の部屋』のドアの前で、アメリカの特殊部隊の現リーダーの女が言った。
「あいつらなんて話を……っていうかなんでここに? 部屋に入れない……」
〈終〉 投下完了。ものすごく遅れてごめんなさい。
未完結作品については現在大規模に編集を行っています。
才能の限界を感じまして……SSらしいテンポのいい感じに直したいです。
そのため短編をひとつ投下してお茶を濁させていただきました。
本当に申し訳ありません。もうしばしお待ちください。 保守代わりに投下してみる
・セブンスドラゴンの世界。ドラゴンいなくなって10年後設定。
・ネタバレ、独自設定、独自解釈あり。
・眼鏡メイジ(グラスト)×ルシェ侍(ナムナ)。他にも出てきます。
・名前はちびキャラ準拠。でもこれじゃない感がひどい。
・全体的に好き勝手やってる。
上記が無理な方は「なれそめ」をNGでお願いします。 大事なことを書き忘れてた!
エロなしです。エロはありません。 ナムナはグラストが苦手であった。正直に言うならば、かなり苦手であった。
別に、ルシェでないからという理由なき理由で嫌悪しているわけではない。
ギルドのメンバーはルシェもルシェ以外も含まれていたし、メンバー同士もお互いを大切な仲間として信頼し合っている。
だからといって性格が嫌いというわけでもない。嘘つけ、と突っ込まれるだろうがこれは本当である。
グラストという人物を一言で表すならば"秀才"だ。
齢18という若さで炎属性と無属性二種の魔法を巧みに操るだけの技量を持ち、かといってそれに驕ることはせず日々修練を重ね、
他者へ接する際は柔らかい物腰と丁寧な姿勢を保ち、常に穏やかで、大声を上げる姿など戦闘中以外では見たことが無い。
豊富な知識を有しているからか本人の性格か、偏見や固定観念に囚われることもなく、老若男女二つ名外見関係無しに人と接する。
当然、チーム内外問わず、年齢性別種族も問わず、色々なところから引っ張りだこである。まさに人気者であった。
ここまでの話を聞くと、多くの人が首をかしげるだろう。いったいどこにグラストを苦手とする要素があるのかと。
どちらかというと、完璧な彼を妬んでいるのではとか、負け犬の遠吠えだとかも言いたくなるであろう。もっともな意見である。
だが、残念ながら、苦手とする理由はそれなりにあるのだ。
ナムナとて、初めて会った時から苦手意識を持っていたわけではない。むしろ、第一印象は割と良いものであった。
前述した通り、グラストは穏やかな人間である。
自他共に認めるほど男勝りで、良く言えば元気の良い、悪く言えばじゃじゃ馬と形容されるほどに女らしさの欠片もないナムナ相手でさえ、紳士的な対応を崩さなかった。
大柄で、尚且つサムライという職業の自身に対してそのような対応を取るものは少数だったので、それなりに感じていた緊張が和らいでホッとしたのと同時に、
丁寧な人間なのだと好感も持てた。仲良くやれそうだと安心した。……のだが。
一つ。思い返してみれば初期のほうから、グラストはナムナと距離を取っている。
最初のうちは違和感など感じていなかった。無視をされているでもないし、少し人見知りをするのだろうかとか、まぁ気のせいかと流していた。
しかし、チームを組んで1ヶ月も経ったのに、直接話をした回数が両手の指で足りた時、流石にこれは不自然だと思った。
加えて、その数回とてまともな話をしたとは言い難く、せいぜい、今日は良い天気だのこの料理は美味しいだの、当たり障りのないやり取りを二言三言交わした程度なのだ。
他の面々とのやり取りを見ていても、明らかに自身との差は感じられた。ナムナよりも遅く知り合ったハルカラ相手でさえ、ほんの数時間も経たないうちに喜びのハグを交わす仲である。
どう考えても自分一人との距離感があり過ぎだ。
二つ。まともにナムナの目を見ようとしない。大体目を逸らす。もしくはそっぽを向いたまま。
貴重な会話の時でさえ、ナムナがグラストの目をまっすぐ見たことはあまりないのだ。思い返してみれば、最初の時でさえそうであった。
とにかくひたすらに、目を逸らすそっぽを向くナムナの目を見ようとしない。
ナムナ自身は相手の目を見て話すことを好んでいるが、世の中にはそうでない人がいることも理解している。
決して無理強いしようとか、目が合わないヤツは碌でもないとか思っているわけではないのだが、
他の人と話をしているときは普通に相手の顔を見ている姿を見てしまうと、どうしても思うところがある。
些細なことかもしれないが、それでも積もっていけば中々気になるものである。 三つ。ナムナを避ける。取り合えず避ける。本当に避ける。
これも最初のうちはあまり気にしていなかったが、グラストは、ナムナとの接触をひたすらに避けるのである。
話を早々に切り上げられたり、誰かと話していてもナムナが声をかけた途端さっさとその場を離れたり、
本を読んだりしていてもナムナが近付くとすぐにどこかへ行ってしまったりと、どんなに能天気に考えても避けられているとしか思えないのだ。
それでもめげずに関わろうとしてみたのだけれど、ナムナが声をかけたことで、
グラストとあまり話せなかった…と落ち込んでいる声を聞くことが増えてしまってからは、それ以上強引にいくこともはばかられるようになった。
流石に耐え切れなくなって、何度か、腹立たせるようなことをしてしまったのかと、
もし不満があるようであれば言ってくれと直球をぶつけてみたりもしたのだが、
なにもない不満など無い仲間として信頼している、の一点張りで、とりつくしまもないのだ。
嫌いだとか、ここが腹立つとか、気に食わないとか。
直接伝えてくれればナムナもやりようがあるのだけれど、
なにもないと言われるばかりであんな行動をとられては、もう、どうすればいいのかも分からない。お手上げだ。
結局、ナムナのほうも自然とグラストを避けるようになり、今となっては挨拶と戦闘時のやりとりのみが主な接点である。
ハントマンとしても人としても、中々出会えないであろう良い人物であるだけに、
薄っぺらい関わりしか出来ないことが寂しいところであった。 「……なるほど」
ナムナが説明を終えると、静かに聞いていたケイトは呆れ交じりの溜め息をついた。
現在、ギルド"クラフター"のギルドハウスにはナムナとケイトの二人しかいない。
クエストだのなんだので全員出払っているのだ。
残された二人はいつも通り軽く手合わせをしていたのだが、ケイト曰く普段のキレの良さが無いとのことで
早々に切り上げられ、ナムナの自室で相談をしていたのである。相談内容は、もちろん、グラストのことだ。
「最初のうちは、気のせいかとも思ってたんだけどさ。さすがに三か月もこのままだと…ちょっと、ね」
「そうだな。ナムナがそう思うのも無理はない」
「……やっぱり、あたいが嫌なことしちゃったのかな」
「そうとは限らないと思うが」
「ええー…?」
どういうこっちゃ、と口をへの字にしたナムナだが、ケイトは落ち着いたままだ。
「私の予想が合っているかは不明だが…グラストを見ていると、負の理由でナムナを避けているようには思えないんだ」
「どういうことだい?」
「相手のことを嫌っていなくとも、相手との関わりを避けてしまう場面は存在するからな」
「グラストのはそれだってこと?」
「確信は持てないが」
慎重な言葉とは裏腹に、ケイトの顔は妙な自信に満ちている。
しかしながら、彼女が何の意図を持ってそういうのかは分からない。思わず首を傾げてしまう。
「あまり心配するな。メンバー同士がぎくしゃくするのは避けたいし、
そうでなくともナムナは大切な友人だ。出来得る限り協力するよ」
「……ん、ありがとね」
そう言って微笑んだケイトの笑顔に、僅かばかり、心が軽くなった。 それが、三日ほど前の話。そして現在。
「というわけだから、ナムナ、グラスト。二人で行ってきてくれ」
「……えっ?」
ナムナは、ケイトに頼った自分自身を全力で殴りたい気分になっていた。
事の次第はケイトが引き受けてきたとあるクエストである。
依頼主は姫と付き人の二人組。曰く、トドワ山岳を超えたいんだけど二人じゃ不安だから護衛を、とのこと。
その内容自体は全く問題ない。戦慣れしていない人間が護衛を雇うのはよくある話だ。しかし。しかしだ。
思いっきり避けられてる相手と(姫と付き人はいるとはいえ)二人っきりで仕事してこいって…!
心の中で悲鳴を上げたナムナの一方で、グラストも困った顔をしていた。
「…お言葉ですが、ケイト。護衛というのであれば、もう少し人数が必要ではありませんか?」
「問題ない。どうやら、それなりに腕に覚えはあるお方のようでな。二人、と指定してきたのはあちらだ」
「……そうですか」
「ちょ、ちょっと待っておくれよ。それなら、ケイトとケビンとか、グラストとハルカラとかのがいいんじゃないのかい?」
このまま押し切られては非常に気まずい。
そう思って、ナイトとヒーラーの堅実コンビや、メイジとファイターの高火力コンビを提案してみたナムナだったが。
「あちらはローグとプリンセスだ。回復はできるから、連携がとりやすいサムライと、
もう一人は知識が豊富な人物をと希望されている。私たちのギルドに、グラスト以上に物を知っている人間はいないだろう」
「……分かったよ」
よどみなくすらすらと答えられ、結局、了承することになってしまった。 「えーと…プリンセスとローグの二人組、だっけか?」
「はい。待ち合わせ場所はここで合っているはずなのですが…」
二日後、ナムナとグラストはミロスの正門前にいた。
依頼主であるローグ、プリンセスの二人を待っているのだ。
「準備もあるだろうしな。のんびり待ってようか」
「そうですね」
待っているのだが、気まずい。
普段に比べたら驚くほどの言葉を交わしているとはいえ、先ほどから、
ナムナが話しかけてグラストが一言二言答えるという形式は変わっていない。
視線も合わないし。今も通りに目を向けたままだし。目を合わせるのすら嫌ってのかこの野郎。
ここのところ、ずっと抱え続けている不安や不満が限界に近付いているのを感じて、ナムナは長めに息をはいた。
自分がグラストと良い関係を作れていないことと、今回のクエストは関係無い。
私情に駆られて妙なポカをしないように、と心の中で気合を入れていたところで、
「…あ。あの人たちのようですね」
通りの向こうから仕事の依頼者たちがやって来た。 プリンセスのルシェの少女はモモメノ、ローグの青年はヤックと名乗った。
今回の山越えの目的は、二人の故郷であるトドワ山岳の麓の村へ里帰り、らしい。
「へえ、じゃ、あんたたちは幼馴染ってやつなのかい?」
「ああ。どっかのギルドに入ることも考えたんだけど、どーも二人旅に慣れちまってさ」
「で、ちょっと厳しい時はこうやってハントマンを雇ってるのか。それはそれで楽しそうだねぇ」
「…うん…」
ナムナの言葉に、ヤックとモモメノは顔を見合わせて楽しそうに笑った。
濃い青の長い髪を二つに縛って紫色のドレスを着たモモメノと、淡い桃色の髪以外は黒一色な服を着たヤックの組み合わせを見た時は、
自分の胃の安否が不安になったナムナだったが、彼女の心配は――少なくとも依頼人二人に対しては――杞憂であった。
二人とも、戦闘面では四人で行動するなら全く問題が無い技量を持っているし、今まで接してきた感じでは人好きのする正直な人間だ。
特にヤックは気さくで話しやすく、どことなく馬が合う感じがする。モモメノも、内気ではあるようだが懸命に頑張っているのが伝わってくる。
うん。やっぱり外見だけで人を判断するのはよくない。
「もう少し休憩を取ったら先へ進みましょうか。この調子だと、今日中に山頂辺りまで行けるかもしれません」
「おうよ。モモメノ、絶景見るためにがんばろうなー」
「うん。がんばる…」
にこにこと笑顔を交わす二人を見ていると、なんだか微笑ましい気分が伝染してきて、知らずのうちにナムナの頬も緩んでいた。
ふと視線をずらすと、グラストも同じように優しい笑顔で二人を見つめている。
こっちの方が本当の姿なんだよなぁ、と何とも言えない気分で眺めていると、ナムナの視線に気づいたのかこちらを見て、
「っ……!」
何故か顔を赤らめる。
反応が不思議で首をかしげたら、何やら一層赤くなって、視線を逸らしかけて、ハッとなって、もう一度ナムナと視線を合わせ、
「…そ、ろそろ、さきに、進みましょう、か」
ひじょーにぎこちない様子ではあるものの、恥ずかしそうに笑いかけてきた。
「…そうだね。そうしようか」
そんなグラストの様子に、何故か、不思議と、どことなく、
今までナムナの中にたまっていたもやもやが晴れていって、自然と笑顔を返せたのだった。 もう少しで山頂、という所で一行は野宿の準備を始めた。
日が落ちきるにはまだ時間があったが、暗くなる前に寝床を確保するのは基本中の基本だ。
「いやー、野宿の準備とかするとさ、やっぱ、ハントマン! って感じがあるよなー」
「安全な場所で寝れるに越したことはないけどね」
「そりゃオレだって寝袋よりはベッドが好きだぞ?でもこう、なんつーか…こう…」
「あはは、いいよいいよ。あんたの言いたいこともなんとなく分かるよ」
「おっ、やっぱりそうか!」
軽口を叩きながら手を動かす。
「…ナムナたちは、なんで、ハントマンになったの…?」
「んー…あたいは、もっと強いヤツと戦いたかったからだね。国も落ち着いたから良い機会だと思ってさ」
「おお、さすが、豪気だな! おまえはどうなんだ?」
「私ですか?…そうですね…自分の持つ知識を、誰かのために使えたらと思ったのもありますが…」
グラストらしい理由だ、と思いながら耳を傾けていると、少し間を置いて恥ずかしげな声が聞こえてきた。
「…色々なものをこの身で体験したい、というのが一番の理由です。あまり胸を張っては言えませんけれど」
「……どうして? すてきなのに」
「はは、ありがとうございます。…あなた方は、どうしてハントマンに?」
グラストの問いに、ヤックとモモメノは楽しそうに顔を見合わせる。本当に仲が良い。
「ありがちなんだけどさ、オレたちは"英雄"に憧れてハントマンになったんだ」
「ああ、なるほど」
「よく分かるよ。あたいも、あの人たちのこと尊敬してる」
「…うん。すごいよね」
ハントマンの間で"英雄"といえば、十年前の竜災害の時に全ての国の先頭に立って戦い、
七の帝竜と真竜を倒してエデンを救ったギルドのことだ。
直接会って話したことは無いが、ハントマンにとって、"英雄王ドリス=アゴート"と彼に導かれた"英雄"たちは、
絶対的な憧れの的であり、同時に、いつか追いつき追い越してやると思う目標でもある。
ヤックたちが彼らに憧れてハントマンになったというのも納得だ。
「実はさ、オレたち、会ったことがあるんだ」
「え?……会ったって、まさか、"英雄"に!?」
思わず大声を出すと、ヤックとモモメノはにこりと笑って頷いた。なんということだ。
「もう何年も前のことなんだけどさ。モモメノのお袋さんの病気を治すために、ゼンダ竹林で採れる特別な薬草が必要だった。
でも、村の人間じゃ、あそこのマモノには敵いっこない。あわや泣き寝入りかって時に現れたのが…」
「…"英雄"だったと?」
未だ驚きを隠せない様子のグラストに、再び二人の動きが同期する。
「つっても、そん時は必死で、どこの誰とか考えてなかったんだけどな。
お袋さんが元気になったあとに教えてもらって、そりゃあたまげたもんだよ」
「へえぇ…!」
「わたし、お礼言えなかったから…いつか会えたら、ちゃんとお礼しようって」
「…なるほど。それで、ハントマンになったんですね」
「そーゆーこと。今はまだ弱いけど、もっともっと強くなって、いつか絶対礼を言うんだ。それが、オレたちの目標!」
「うん…!」
それから、ナムナたち四人は"英雄"話に花を咲かせた。
どんなメンバーだったのか、どのような武器を使っていたのか、メンバーの職業はなんだったのか、など。
ヤックとモモメノの記憶も曖昧ではあったが、グラストとナムナの好奇心を満たし、想像力を働かせるには十分だった。 今になって、あの時の自分たちは興奮しすぎていたかもしれない、とナムナは思う。
一応安全な一角を確保したとはいえ、ナムナたちがいたのは街中ではなく、
いつどこから敵が飛び出してくるか分からないフィールドだ。慎重になってなりすぎることはなかったのに。
一言で言うと、不意を打たれたのだ。
日が落ちきる前に食事をしてしまおうと四人が僅かに離れたところを襲われた。
敵の気配を感じて振り返るのと、マッドライオンがナムナを弾き飛ばしたのはほとんど同時だった。
反射的に腕で体を庇ったのと、攻撃に合わせて地面を蹴ったおかげで腕の傷こそ大したことはなかったが、
「っ、ナムナさんっ!」
「うわぁぁぁああああっ!?」
そこまで広くない登山道から、暗い山の中へと転げ落ちる羽目になってしまった。 ここまで!
長い上に見辛くて申し訳ありません。精進します。
何か問題がありましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。 >>56
期待してる
頑張ってラストまで書いてくれ! >>56
続きが気になるー
たまには無印を思い出すのもいいよね よしいけた。
46です。反応いただきありがとうございました。
続きができたので投下します。長い…ですが…。
・セブンスドラゴンの世界。10年後設定。
・眼鏡メイジ(グラスト)×ルシェ侍(ナムナ)
・独自設定、ネタバレあり。エロ無し。エロ無し。
・名前だけはちびキャラ準拠。名前"だけ"。
・相変わらず好き勝手やってる。
以上が難しい方は、「続・なれそめ」をNGでお願いします。 グラストは、ナムナが好きであった。正直に言うならば、今すぐにでも求婚したいくらいに好きであった。
それならとっとと落としにかかりなよ、何うだうだと恥ずかしがってナムナを悩ませてるんだよ
バカなのアホなのヘタレなの? というのはケビンの言葉だ。グラスト自身も心底同感である。我ながら情けないにもほどがある。
分かってはいるのだが、情けないとも思っているのだが、言い訳を許してほしい。
普段の姿から誤解されやすいが、グラストは、内向的な性格である。
幼いころから、多くの人に囲まれるよりは一人静かに書物の項をめくっている方が好きであった。
人付き合いそのものが嫌いというわけではない。が、人と関わるとなるとどうも尻込みしてしまって、
ある程度打ち解けた相手でないとひどく緊張してしまうのだ。
敬語を使うのだって、初対面の相手に不快感を与えることがないよう自分なりに工夫した結果だ。
それが習慣として身に付いてしまって、親しい相手にも自然と敬語になってしまうのは予想外の付属結果だったけれども。
それともう一つ。
上記した理由とも関係があるだろうが、グラストは、生まれてこのかた恋愛というものから非常に縁遠かった。
学者である親元に居た時も、もっと勉強したいとプレロマに行った時も、多くの書物や先輩方の話に夢中で、
いわゆる若者らしい、"イロコイザタ"というヤツを体験したことは一切ないのだ。
お前は優秀だけど色気がない、という言葉を貰った回数は、両手両足の指を全部足してもまだ足りない。
初めてナムナに会ったときは、それはもう、驚いた。
こんなに美しい人が存在するのかと、以前アイゼンの書物で読んだ"天女"とはこの人のことを指すのではないかと、本気でそう思った。呼吸すら忘れていた。
凛とした声で自己紹介をされ、快活な笑顔を向けられた時は、もう、なにをどうすればよいのかまったく分からなかった。
それなりに蓄えてきたと自負していたはずの知識など、彼女の微笑み一つにすらなんの対応策も与えてくれなかった。
訳の分からない混乱に呑み込まれたグラストであったが、同時に、ナムナのことをもっと知りたい、とも思った。
こんなに強い興味だの執着だのを一人の人間に対して持ったのは初めてだった。 とはいえ、性格上、自分からナムナに関わることなど不可能だと分かりきっていた。
彼女と一緒にいると原因不明の混乱が襲ってきて、頭の中が真っ白になって、妙なことを口走りそうで恐ろしくもあった。
そこで、とりあえず、他の人と接しているのを観察してみた。
学問の基本は観ることである、というのが恩師の言葉であり、グラスト自身の座右の銘でもあったためだ。
……今考えると、人に対してもそれをするのは、やめた方が良かったような気もするが。
ともかく。一週間ほど観察した結果、ナムナはとても尊敬できる人だということが分かった。
男勝りとかじゃじゃ馬とか。散々なことを言われることが多い彼女は、明るく快活で元気が良いのと同時に、
とても繊細で心の優しい人であった。
同じハントマンの連中と豪快なやり取りをする一方で、困った顔をしている人がいたらすぐに声をかけ、
彼女に出来ることで協力する。
行軍中は、明るい笑顔でメンバーの士気を高める傍ら、密やかに咲いている小さな花に頬を綻ばせる。
どんなに酷い揶揄だろうと笑顔で受け止めて笑い話にしてしまう――きっと、自覚していようが無自覚だろうが
それを分かっているから、皆遠慮なしに関わるのだろう――ほど懐が深いのに、
影では自身の体躯や性格について悩んだり落ち込んだりもしている。
そんな彼女を自然と目で追ってしまうようになるまでにさほど時間はかからず、力になりたいと思うのにさほど時間はかからず、
普通に話せるようになるのは――いったいいつになるだろうか。
長くなってしまったが、つまり、だ。
グラストは、ケビンの言葉を借りるならば
「一目惚れして性格知るにつれてより惹かれちゃって、意識しすぎてまともに目線すら合わせられなくなっちゃったんでしょ?ほんとなんなんだよ君」
という状態にあるのだ。
そんな想い人が、目の前でマッドレオに襲われ、道を踏み外し、夜の闇に覆われていく山の中に落ちていってしまった。
なにもできずつっ立ったままのグラストの目の前で。
どうやら自分は、バカでアホでヘタレな上に、最低最悪なクソ野郎だったらしい。
何で私を襲ってくれなかったマッドレオ。 頭の端の妙に冷静な部分でそんなことを呟きながら呪文を紡ぐ。
右手の中心にマナを凝縮し、炎の塊に変換させていく。炎属性の魔法の基本、フレイムだ。
「ナムナ…ナムナっ…!」
「お、おちつけモモメノ! このままじゃオレたちも…!」
「でもっ、ナムナがっ!」
今にも泣きそうなモモメノと彼女を守ろうとするヤックにマッドレオが目線を向けた。刹那。
「――消えろ」
この時のグラストの姿を、後にヤックとモモメノはこう語る。
「死神の方がまだ可愛げがあると思った」
「…グラストだけは、怒らせたらダメ、だとおもう…」
掌ほどの大きさの火球はマッドレオに触れた途端に爆発し、一瞬で大きな炎のうねりとなって獣の王者を呑み込んだ。
断末魔を上げる時間すら許されず僅かな燃えカスになったそれには頓着せずに、グラストはナムナが滑り落ちた箇所を覗き込む。
深い緑と山肌が見えるばかりで、鮮やかな金色や青色は見つけられなかった。
即座に振りかえり、未だ呆けたままのヤックとモモメノに目を向ける。
「…誠に申し訳ありませんが、今回の依頼、途中放棄という形にしていただけますか」
「へ?……ああ! そりゃもちろんだ! 当たり前だそんなの!」
「グラスト、行こう?」
必死に駆け寄って来る二人に好ましさを感じつつ、今すぐにでも駈け出しそうなところを押し止める。
ついでに、念のためにと持っていたエクスポータを手渡した。
「お二人は、これを使って離脱してください。夜のトドワ山岳はより危険です。日が落ちきる前に、どうか」
「はあっ!? なに言ってんだよグラスト!? じゃあ、ナムナはどうすんだよ!? おまえ一人で助けに行くつもりか!?」
「依頼を受けた者として、依頼主を必要以上の危険に合わせるわけには参りません」
「おまっ…頭いいと思ってたけど訂正する! おまえはバカだ!筋金入りのバカだ!!」
「グラストっ…!」
思いっきり掴みかかってきたヤックを引きはがし、非難の色を滲ますモモメノの瞳を見つめ返す。 「…その上で、あなた方に、お願いがあります。どうか、我々のギルドのメンバーに、この状況のことを伝えていただけないでしょうか?」
「……え?」
「彼女をこのまま放っておくわけにはいきません。が、私と、ここから落ちた彼女の二人だけでは、
自力で脱出することも難しいと思うのです。救助が必要ですが、そのためには、誰かがこの現状を伝えなくてはなりません」
聞きとれる範囲の早口でまくしたてると、二人は同時に目を瞬かせる。こんな時でさえ息ぴったりだ。
「早い話が、あなたたちには救助の人を呼んできてほしいのです。
私が手紙を書きますから、それを"クラフター"の誰かに渡してください」
かなりざっくり説明し、過去最速でペンを走らせた羊皮紙をモモメノの手に握らせると、ようやく二人の表情が輝いた。
自然と緩んだ頬はそのままに、二人の頭を数度撫でる。きっと、彼女であれば、こうするはずだ。
「っ、分かった! すぐに呼んできてやるからな!」
「ぜったい、怪我しないでね…? ナムナも、グラストも、死なないでね…?」
手紙をぎゅうと握りしめたモモメノに微笑んで、ヤックには頷きを返す。
グラストとナムナの荷物を肩にかけ、出力を絞ったフレイムを杖の先に起こせば準備は完了だ。
「…では、そちらはお願いします」
もう一度だけ笑ってみせ、中々に急な斜面へと飛び込んだ。 岩や木の根、時には斜面に生えている木の幹そのものを足場にしながら、出来る限りの速度で斜面を駆け降りる。念のため周囲に視線を走らせながら進んでいるが、見えるのは緑と茶色と灰色だけだ。
グラストが見た時にはもうナムナの姿は見えなかったのだから、おそらく、受け身を使いながらも
一直線に落ちていったのだろう。斜面がなだらかになれば、見つけられるはずだ。
合流して、安全な寝床を確保できさえすれば、なんの問題もない。……もっとも、彼女が生きていればの話だが。
「っ……!」
最悪の可能性が頭をよぎって思わず奥歯を噛みしめた。
今は彼女を見つけるだけを考えろ、と自分に言い聞かせ、足元の岩を蹴って加速する。
体感は数十分、実際は数十秒程度の急斜面下りを終え、ひとまずたどり着いたなだらかな場所で辺りを見回すも、ナムナの姿は見当たらない。
耳を澄ませてみたが、聞こえるのは、グラスト自身の荒い呼吸音と、アナサキやナイトホークの鳴き声、
それから水が流れる音だけだ。近くに川があるのかもしれない。
「っ…ナムナさーん!」
大声で叫んでみても答える声はない。
空を見上げると、木々の隙間から見える夕焼けはいよいよ濃紺に染まってきて、否が応でも焦りが増した。
「ナムナさん、グラストです! 聞こえますか!?」
ひとまず水音のする方向に向かって進みながら、もう一度声を張り上げる。
モンスターの居る場所で大声を上げるなど自殺行為に等しいが、そんなことを気にしている余裕は今のグラストにはない。
「くそっ…ナムナさーん!!」
再三名を呼んでみても、帰って来るのは自然が起こす物音だけだ。
いったいどこにいるのか、生きているのか、無事なのか、怪我をしているのか。
もしかしたら、聞こえていても返事が出来ない状態なのか。
考えれば考えるほどに堪えきれなくなって、地面を蹴って駈け出した。
周りを見回しても、目に入るのは、緑、茶、灰色。鮮やかな金色は、見つけられない。
急に視界が開けて思わずたたらを踏んだ。ゆるやかに流れ行く川が行く手をふさいでいる。
反対側だったのか、もしくはあの場では止まりきれず――
「くそっ!」
即座に踵を返したグラストだったが、
「あれ、グラスト?」
探し求めていた人の声が聞こえて、つんのめりつつも再び振り返る。
彼の目に、片足を川に差し込んだまま、きょとんとしてこちらを見るナムナの姿が飛び込んできた。 「ナムナさんっ!」
「ど、どうしたんだい? そんなに慌てて」
らしくないねぇ、なんてのほほんと笑う彼女に、色々と言いたかったはずのことは全部飛んで行ってしまう。
こんな状況だっていうのに、どうしてここまで呑気というか、おおらかというか、胆が据わっているというか……。
張り詰めていた緊張の糸が優しく解されていって、グラストは知らぬうちに柔らかい苦笑を浮かべていた。
よたよたと彼女の隣に座り込む。
「…なんでもないです。お怪我はありませんか?」
「あー…実は、ちょっと足首ひねっちゃってさ。まぁ、そんなに大したことは…」
「失礼します」
ナムナの"ちょっと"や"大したことない"は信用できない。
言い終える前に水の中に入れられていた足を覗き込む。
右足首は酷く腫れ、青紫どころか黒に近い色に変色していた。これのどこが"ちょっと"なのか小一時間ほど問い詰めたい。
「…とりあえず、食べてください。僅かでしょうが、痛みが引くと思います」
「え? い、いいよそんなの。あたいなら大丈夫さ。怪我にも慣れてるし…」
「お願いですから」
半ば強引にパロの実を口の中に押し込んだ。
もっと良い物を使いたいのだが、主な回復薬はヤックとモモメノの荷物に入れられたままなのだ。
そんなことすらも確認する余裕が無かったあの時の自分に、呆れると同時に最大火力のフレイムをぶつけてやりたくなる。
足首の色は、微妙に青紫に近付いたような気もしなくもないが、それでもまだ酷い傷のままだ。
かといって、今ここで全てのパロの実を消費しては、万が一の時に取り返しのつかないことになるかもしれない。
仕方ないと溜め息をついて、もう一つだけナムナの口に押し込んでから残りを手渡す。
「痛みがひどくなったら食べてください」
「だ、だけどさ…」
「それと、ひとまずの応急処置をしておきたいので少しよろしいですか?」
「……うん」
強引だとは思ったものの、空はもう月と星の時間が始まっている。
とにかく急いで安全に休める場所を探さなければならないのだ。
薬草と太めの枝と臨時の包帯で足首を固定する。
グラストが自身のハンカチを引き裂いた時は物言いたげになったナムナも、痛み故か大人しくしていたためすぐに終えることが出来た。
それから、二つの革袋に水を汲み、やたら遠慮するナムナにマントを着せ半ば強引に背負って歩き回ること数分。
幸いなことに、数人程度ならゆったりと休めそうなほら穴を見つけることが出来た。
マモノの気配もないし、ここなら雨が降っても安心だ。 ナムナが休めるスペースを確保してから枝を集めて火を起こし、その上に金網と水を入れた金属鍋を置いてお湯を沸かす。
大分遅くなってしまったけれど、一応は安全な場所で夕食にありつけるのは有り難い。
「ヤックさんとモモメノさんのお二人ですが」
「うんっ!」
一番気にしているであろう二人の名を出すと、予想通り、ぴんと耳を立てて身を乗り出してきた。
「エクスポータを渡して、ギルドに手紙を届けてもらうよう頼みました。
平原の敵程度なら危険はないでしょうから、おそらく、ここよりも安全な場所で休めていると思います」
「…そうかい。…よかった…」
心底安堵した様子のナムナに笑みをこぼしつつ、ラビの燻製肉を一口大の大きさに切り取って鍋の中に入れる。
「手紙には、私たちがいるであろうおおまかな場所も書いておきました。
手紙を受け取り次第こちらへ向かってくれるでしょうし、万が一があったとしても、イグジットを使えば脱出することは出来ます。
もちろん、怪我が良くなったらの話ですが」
「分かった。あたいは大人しく治療に専念するよ」
「お願いします」
ある程度煮立ったところで、穀物を油だの芋だのなんだので固めたものも鍋の中に入れる。
そのまま食べることもできなくはないが、こうしてスープに入れてふやかした方が美味しいのだ。
単品だと、ハルカラ曰く「お肉の味がついてない骨をかじってるみたいな味」がするのである。
香ばしい良い香りが漂って来たところで塩を入れて味を整える。もう少し火を通せば完成、というところで、
「……グラスト、本当にすまない」
不意に、ナムナが頭を下げた。
それはこちらの台詞だ、と言おうとしたグラストだが、顔を上げた彼女の瞳が存外弱々しく揺れていて思わず口を閉じてしまう。
「あたいが油断したばっかりに、仕事も失敗して、あんたまで危険なことに巻き込んでしまった。
おまけに足なんて怪我して…お荷物以外のなんでもないじゃないか。迷惑ばかりかけて……本当に、どうやって詫びればいいか……」
唇を噛んで俯くナムナに、なんと返事をしたものかと眉根を下げてしまう。
迷惑などではないし、そもそも、こんな状況になってしまった責任はグラストにもある。
だが、それを言ったとしても、責任感の強い彼女は自分だけを責めてしまうだろう。そんなことは望んでいない。
どうしたものかとぐるぐる頭を回していると、ふと、中々卑怯な手を思いついた。
一瞬躊躇するが、下手に慰めるよりは幾分かマシだろうと自分を納得させる。
「…実を言うと、私もあなたに謝りたいことがあります」
「……へ?」
そんな返事は予想していなかったのだろう。きょとんと首を傾げるナムナを見つめ返す。
「あなたに、今まで、大変失礼な態度を取ってきてしまいました。本当に申し訳ありません」
ぺこりと頭を下げるとナムナは目に見えて動揺した。このタイミングでそんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。
グラストも、こんな、自分が絶対的に優位な状況で言いたくはなかったが。 連投規制に引っ掛かってしまいました。申し訳ありません…!
wikiに直接投下してみます。…できるだろうか。 投下完了しました。拙い編集にもほどがありますが…。
注意と本文だけしかできなかったので、詳しい方がおられましたら、
その他諸々の編集方法をお教えいただけるとありがたいです。申し訳ありません。
それと、前回の最後に「マッドライオンがナムナを〜」とありますが、
「マッドレオがナムナを〜」の誤りです。ライオンて何だライオンて。
重ね重ね申し訳ありません。お目汚し失礼いたしました。 保守代わりに小ネタです。百合要素ありますのでご注意ください
Q.理想のタイプは?
グラストとナムナの場合
「理想のタイプ、ですか。……意思が強くて、私には無いものを沢山持っている方、ですね。
恋愛感情云々も大切だとは思いますが、なにより、人として尊敬できる方が理想です」
「グラストらしいね。あんたの"いい人"もきっとすごい人なんだろうな。
なんたって、あんたに尊敬されなきゃいけないんだからさ」
「…どうでしょう。…では、その、ナムナはどうなんです?」
「そうだねぇ…やっぱ、強いヤツがいいな。あたいと同じかそれ以上くらいの。
あとは…うーん…あまりこだわりはないけど、優しすぎて妙になよっとしてるのとか、
考えてばっかで動かないのとかはあんまり。友人ならともかく、恋人とかじゃあ疲れそうだ」
「……そう、ですね……」
ケイトとケビンの場合
「…ナムナのてんねん! こうかはばつぐんだ!」
「…悪気はないんだろうが、な…」
「まだまだ時間はかかりそうだね。……時にケイト」
「どうした」
「理想のタイプは?」
「特にこだわりは無いよ。そういうお前はどうなんだ」
「ケイト以外の人」
「だろうな」
「…………」
「どうした、怖い顔をして」
「……今夜行くから」
「お前も飽きないなぁ。私みたいなのを相手にしてなにが楽しいんだ」
「うるさい。……今日こそ好きって言わせてやる……!」
「いい加減諦めたらどうだ? お前なら、誰を落とすのも造作もないだろうに」
「うっさい!」
ハルカラとモモメノの場合
「モモメノ、理想のタイプは?」
「…理想のタイプ…? どうしたの…?」
「ギルドハウスでみんなが盛り上がっていたんだ。ね、教えておくれよ。参考にするからさ」
「…明るくて、元気で、やさしいひと…が、いいな」
「そっかー…うん、確かにそういう人はすてきだよね。よし、頑張るよ!」
「……うん。…あの、ハルカラ、は…?」
「ぼく? モモメノがいいな」
「……あの。あの、ね。たぶん、こういうのって、そうじゃないとおもう、んだけど……」
「えー? だって、理想のタイプって、こういう恋人がほしいなーって人のことだろう?」
「た、たぶん…」
「じゃあ間違ってないよ。ぼくの理想のタイプはモモメノさ!」
「…ぅ…あの…えっと…えっと…その…」
「うん?」
「……ありがとう、ございます……」
「へへっ、どういたしまして!」
・ヤックの場合
「…なんでこのギルドってこんなに面倒なヤツが多いんだー…?
つーか、オレのことなんて気にすんなよモモメノ…。ハルカラがああいうヤツだから良かったけど…。
……あーっ! どっかに”いい人”でも落ちてねーかなぁ!」 乙
アオイちゃんとデス子がエロいことするSSと
アオイちゃんとフード男がエロいことするSS
お前らだったらどっちがいいよ >>72
どちらかを選べと申すか…?!
アオイちゃんとデス子でお願いします 需要どころか人がいるか分からんから聞きたいんだけど、2020・2020‐Uで
・サムライ♂(お調子者)とアイドル♀(生真面目)
・サイキック♂(犬属性)とルシェ♀(冷静)
・デストロ♀(単純バカボクっ娘)とサムライ♀(隠れ乙女)
のどれかで見たいのある? 駄文で良ければ書いてみようかと思うんだが >>76
承知した
時間かかると思うんで気長に待っててくれると助かる デス子とアオイちゃんがイチャイチャするSSがいつまでたっても来ないので自分で書いた
あんまりエロくないけどよかったら見てくれ
*
――深いところにいる。深いところだ。とても、深いところ。
「……こ……が、今……の実……体か……ら。ず……と、若……みたいだ……れど」
――声が聞こえる。私のずっと上から、響いてくる。細かくは、聞き取れない。
「親………………の代わ……に……なんて、……と……な……ですね」
――聞き取れないのは、遠くにいるせいではない。痛みはないのに、頭を酷く打ち付けたかのようで、思考がすぐ霧散する。
「……ぁ、この…………実験で、…………変……るわ」「…………れば、…………すが」
――視覚が復活した。水の中に浸されていた私は、「一番上」に引き上げられる。
「では、始めましょうか」
朦朧としていた私の意識に、その言葉は烙印のように焼き付いて、そして私は、 最初に、自分の荒い吐息が聞こえてきた。とにかく、冷えた空気を吸い込みたかった。
過剰に供給された酸素が血液に送られる。こめかみの蠢きが皮膚の感覚で分かる。刺すような痛みが脳髄を貫き、私は押し殺したような呻き声を上げた。
細めた目で枕元の時計を見る。午前二時。蛍光色の冷光を放つ短針と長針は、私の意識を少しだけ落ち着かせた。仲間たちの静かな寝息に、甲高い耳鳴りが覆い被さる。
深く息を吸いながら、手探りで枕元を探す。ペットボトルと精神安定剤を手に取り、錠剤を噛み砕いて精製水で飲み下す。
こんなドラッグじみたもの、「正義の味方」の13班には似つかわしくない。でも、これがないと私は、まともに拳を振るえやしない。
「……これで、六回目、か」
小さな声で、呟いた。
ムラクモに所属し、竜と戦うようになってから四ヶ月。月に一、二回の周期で、悪夢に魘されている。
内容は、よく覚えていない。ただ、強烈な印象の悪夢ということだけはわかる。両の掌に、嫌な汗がいつもじっとりと滲んでいる。
最初に医務室を訪れた時は、PTSD――心的外傷後ストレス障害と診断された。戦場に立つ兵士がよくかかると、聞いたことがあった。
今まで数え切れないほど死地に赴き、そしてその倍は殺されかけてきた。無理もないと、自分でも納得していた。
その日から周りの人は心配してくれたし、事実私が実地に赴く頻度は少なくなっていた。規則上三人で一チームを組むため、五人構成の13班は待機するメンバーが二人出る。
しかしそうやって休みを増やしても、未だ症状は収まらない。仲間が負ってくる傷の数は、日に日に増えているように思える。
この病は恐らく、竜との戦いが終わるまで続くだろう。中途半端な療養に意味はない。そしてこれ以上、迷惑をかけることはできない。
次にあの悪夢を見たなら、私は治ったことにするつもりにしている。どうせ心の弱さが生む幻影に過ぎないのだ。今の私は、甘えているだけに過ぎない。そう割り切ったのが、つい昨日。
ただ、一つ――このまま無かったことにするには、引っかかるものがあった。はっきりとは言えないが、一つ。
私が見ているのは、「竜を殺す夢」でも「竜に殺される夢」でもないような気がするのだ。
そう、例えばそれは、もっと無機質でもっと冷酷でもっと凄惨で、しかしどこか既視感のある――ここまで考えて、私は強く歯ぎしりした。
頭痛がまたぶり返してくる。これ以上思い出せない。思い出すことを脳が拒んでいた。これ以上考えても、仕方ない。私はやむなく、もう一度横になった。
「…………うー、ん……」
しかしこのジアゼパムという抗不安薬は、使い始めてすぐ即効性がないことに気付いていた。効果が出るのはおよそ十五分後と説明されていたが、どうも私は薬に強いのかもしれない。
あれだけ凄惨な夢――内容は全く覚えていないが――を見せられれば、すぐに眠れるはずもない。夢を思い出して怖がることはないけど、どうしても聴覚は周囲を探ろうとしてしまう。
戦闘職の人間として、無理もないのかもしれない。けれど埃が降り積もる音すら聞き入れようとする――実際に聞こえそうになる私は、やはり精神疾患なのだろう。
薄手の掛け布団に潜り込んでも、やはり眠れない。三十分は起きていることになりそうだ。明日は四ツ谷で生存者の捜索を行うのに、こんな時間に起きてしまっては仕方ない。 ――思い切って、私は布団から出ることにした。なるべく音を立てないようにしてベッドから降りる。しばらくこの階を歩き回って、眠くなったら帰ってこよう。少し体を動かしたほうが、きっとより深い眠りに就けるはずだ。
ドアノブをゆっくりと回し、静かに扉を開いて閉めた。目前の窓ガラス越しに夜景を眺めた。明かり一つ無い世界が広がっている。フロワロの花弁が舞い散っている。竜が生み出した歪な構造物が見える。――遥か向こうに、海が見える。
黒い空に光る星が綺麗だった。静かに凪ぐ海が綺麗だった。皮肉だった。竜が東京に降り立たなければ、こんな夜景を見ることは叶わなかっただろう。
けれど、願わくば。私はこんな景色を、私の病が落ち着いてから、今はまだいないけれども、私の大切な人と眺めたいと、思った。
また、溜息を吐く。薬を飲むようになってから、憂鬱な気分になることが多い。だが、甘えに過ぎないのだ。これも。きっと。
吐いた分だけ空気を吸い込む。前を向くと、フロア中央の廊下を挟んで向こう側にある部屋から、微かに光が漏れ出ていることに気付く。
10班の自室だ。眠れていないのは、私一人ではないようだ。どうせ寝るなら、一人より二人の方がいい。「彼女」もきっと、そうだろう。
私は散策の予定を取りやめ、光が漏れている扉をノックした。 *
中央のテーブルに座っていたのは、一人の女性――というには、少し幼すぎる。優しげな顔立ちの彼女は、どちらかと言えば少女に近い。私たちを先輩と呼んで慕ってくれるのだから、尚更そんな気がする。
雨瀬アオイ。現時点において、ムラクモ10班唯一の班員。体力と瞬発性と射撃の腕、そして根性においてムラクモで右に出るものはいないだろう。彼女に助けられたことも、何度もある。
性格は素直で、それでいて芯が通っていて――恐らく、私の知る限り、ムラクモで唯一総長の頬をはたいた人間。
――私は、彼女と仲がいいとよく言われる。私も彼女をよく知っているつもりだが、彼女は私のことを知っているのだろうか。
「……こんな夜遅くに、ごめん。こんばんは、アオイちゃん」
「いえ、ちょっと私も不安でしたし、嬉しいです。こんばんは、センパイ」
微笑んだ彼女は、テーブルの脇に自らの得物――8インチのマテバ・オートリボルバーと、50AEのデザートイーグルを置いていた。今しがたメンテナンスを終えたところのようだ。
眠れない時に銃を整備するのは、彼女のクセになっているらしい。眠れない時に、私が少し体を動かすのと同じだろう。自らの命を預かるものを、邪険に扱うことは出来ない。
「……急に、起きちゃって。よく分からないけど。参っちゃう」
「私も、ずっと眠れなくて……こういう時、ありますよね」
よく分からない、というのは無論嘘だ。とっくのとうに理由なんて知っている――そして彼女も、知っているはず。
明日に訪れるかもしれない自らの死、あるいは同志の死、友人の死。どんな蛮勇の戦士でも、恐れないわけがなかった。仲間を失いたくないのは、あの総長でも同じはずだ。
部屋を見渡す。がらんとした部屋。今は彼女だけが使っている部屋。ガトウの遺品は、すでに片付けられていた。
「アオイちゃんも、か……みんな、そうなのかな」「そうですよ、きっと」
「……そっか。そう、だよね」
彼女は、また微笑んだ。心からの、屈託のない笑みだった。私は、そんな風に笑えているかどうか、分からない。
私ぐらい、あるいはそれ以上に辛いはずなのに、どうしてここまで気丈に振る舞えるのだろうか。分からない。私には、分からない――けれども。
「そうだ。アオイちゃん、お茶飲む? 丁度、ハーブティーが作れるから」
「ハーブティー、ですか? でも、アレって……」
「大丈夫大丈夫、気にしないで。意外と簡単だよ」
そんな彼女からいつも元気を貰っているのは私だから、こんな時にはお返しがしたい、と思った。 椅子から立ち上がって、備え付けの小さなシンクから二人分のティーカップとヤカンを取り出す。ヤカンの中に、ポケットから出した二つの小瓶をおおよそ三対一で注ぎ入れる。
右手に持っているのは内服型応急薬で、愛称は「メディス」。原料によって回復の度合いが違い、「イチ」とか「ニ」とかいう言い回しで区別する。今持っているのは「イチ」だ。
左手に持っているのは同じく内服型治療薬の「ソルマネル」。こっちは単純な負傷には効果が薄いけれど、火傷や凍傷、軽い鬱状態の回復に使える万能薬。
混ぜると効果が打ち消されてしまうから、戦闘中にこの二つを混ぜても仕方ないけど、単純な嗜好品として味わうならこういう飲み方がいい。おいしくなる。
液体の入ったヤカンを、火の付いたコンロにかけてしばらく待つ。沸騰して三分ほど待つと薬剤特有の苦味が飛んで、原料の味が感じられるようになる。
適当なところで火を止めて、ゆっくりとカップに注ぎ入れる。湯気と一緒に、使われていたハーブの薫りが漂ってくる。
フリーマーケットでは一杯三千円は下らないハーブティーも、こんな簡単な手順で作れてしまうのだった。――ヤカンは一個しかないから、カップが温められないのはご愛嬌だ。
「……はい、どうぞ。お口に合うと、いいんだけれど」
「わ、ありがとうございます……! ……合います合います、すっごく美味しいです! 本当に簡単な手順で、作れるんですね」
「そういうこと。普通にハーブティーを買うよりずっと安上がりだし、アオイちゃんも作ってみるといいよ。チョコバーにも、合うと思うから」
簡単に作ったハーブティーだけれども、彼女はとても感動してくれた。夜中だっていうのに、チョコバーまで食べ始めている。……あまり太られてほしくないけれど、彼女なら大丈夫だろう。
彼女が喜んでくれると、私も嬉しくなる。勿論作ったお弁当が仲間たちに好評でも嬉しくなるけれども、彼女の喜びからは何か別のあたたかいものを感じる。
ゆっくりと自分の椅子を動かして、彼女の隣に座る。きょとん、とした表情で見つめてくる彼女と、手を重ねる。 「……ねぇ、アオイちゃん。
今夜、一緒に寝ても、いいかな」
自分でも思ってもみないことを、私は言った。――無神経すぎるんじゃないかとか、そんなことは思いもしなかった。
なぜそんな気分になったかは、分からない。だけれど、私は唐突にそうしたくなった。理由なんて、それでいいような気がした。
彼女はしばらく呆気にとられていたようだったけれど、すぐに微笑んでこう言った。
「……はい! よろしくお願いしますっ!」
ちょっとズレた返事だった。だけど、私は彼女がそう言ってくれるだけで、不思議で嬉しい気分になる。
そう、例えばそれは、もっと甘酸っぱくてもっと情熱的でもっと繊細で、そして今まで経験したことのない。そんな、不思議な気分なのだった。
深夜のお茶会を開いた私たちは、その後に歯を磨いて、同じベッドに入って寝た。
自分一人で寝るよりも、ずっと早く眠ることができた。今まで背負ってきた心の重荷のようなものを、一旦すべて下ろせたのかもしれない。
本当にものの数分で寝てしまったけど、私より先に眠った彼女は手を繋ぎながら寝てくれた。安らかな寝息と寝顔が私のすぐそばで見えると、また私は不思議な気分になることができた。
数ヶ月後。
彼女は、 こんなところです。駄文すみませんです。あと、>>79の名前欄、正確には(2/6)です。
一応、続編も書こうかと思っています。こんなので良かったら晒しますので、というより良くなくても晒したいので、よろしくお願いします。
お目汚し失礼しました。 >>84
亀だが全力でGJと言わせてくれ
続きも待ってるよ アットウィキが情報流出したし、仮保管庫もずっと管理人が出てきてない状態だから
勝手ながらseesaa wikiに新保管庫を建ててみた
ttp://seesaawiki.jp/nanadorakari/d/%a5%c8%a5%c3%a5%d7%a5%da%a1%bc%a5%b8 保守代わりに小ネタです。いい加減エロを書きたいんですけどエロのえの字もないですすみません
「ふっ…ん…グラストぉ…」
「はい。どうしましたか、ナムナ?」
「うぁっ…さ、さっきから…っ…入口ばっか…ちゃんと、奥もやっておくれよぉ…」
「ええ、分かっています。ですが、できるだけ丁寧にやりたいんです。嫌ですか?」
「…嫌じゃ…ない、けど…このかっこ、恥ずかし…んっ、ふぁぁっ…」
「おっと。…すみません、痛かったですか?」
「だいじょ、ぶ…気持ちいい…んぁ」
「それはよかった。では、これはいかがでしょう」
「くぅっ!? ぁ…や、そこぉ…!」
「ナムナ、動かないでください。貴女を傷つけてしまっては大変です」
「そ…んなこと、いったってぇ…ふゃあっ」
「っと…すみません。少し刺激が強すぎたんですね。…これならどうでしょうか」
「ぁ…にゃ…これ、好きぃ…」
「よかった。奥に進みますから、必要であれば私の服を掴んでいてください」
「ぅ…分かっ、ふわぁっ!? ぐ、グラストっ、ちょっ…いきなりすぎるよぉ!」
「えっ? す、すみません。急ぎすぎましたか?」
「…もう…敏感なんだから、優しくしてって言っただろ」
「も、申し訳ありません。こうしたことには不慣れで…」
「ん…まぁ、初めてにしちゃ、上手だとは思うけどさ」
「そう、でしょうか」
「…あー…ほら、そんなにしょんぼりしない! 痛かったわけじゃないし、大丈夫だって!」
「は、はい…」
「だーかーら、しゅんとしない! 落ち込む暇があるなら、もう一度挑戦した方が早いだろ?」
「…そうですね。では、ナムナ、改めてお願いします」
「よし。 ……優しくしてくれな?」
「はい!」
「…………」
「…………」
「……ねえ、ケイト」
「……なんだ、ケビン」
「あの二人、なにやってんの」
「見れば分かるだろう。耳そうじ兼毛繕いだ」
「ソファで、膝枕で、ねぇ。……なんであれだけイチャついといて告白すらしてないのあの二人」
「…………私にも、分からないものくらいある」 誘導
【堀越耕平】僕のヒーローアカデミアでエロパロ 1 [転載禁止]??bbspink.com
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1415290549/
このスレは重複スレです 駆け出しローグ シリーズ他いろいろ書いてた Y62mw7fowcさんの話が好きすぎて世界樹のときからストーカーしてた、ってコレどっかでもだいぶ前に書いたな。
どっかまとめてくれないかなー。色んなとこ発掘して読み直してるんだけど、何せ結構前のことだから散逸してて読み直せないもの多数。
ご本人さん今どうしてるのかなー。今もあなたの作品を好きなひとはここに居ますよってそれだけなんだけど。 保守
長らく放置されていた新保管庫ですが第一〜第六帝竜まで再度まとめ終わりました
http://seesaawiki.jp/nanadorakari/
>>93 駆け出しローグシリーズも載っていますよ 来るな。すげぇ楽しみ。
個人的に中学生位の男子×高校位の女子が凄い好きだからすげぇ楽しみ
アトランティスと東京とエデンでできるとか本当楽しみ
あと「ゴッドハンド」の女子Aタイプで涙腺に来た
なにはともあれ楽しみ 一ヶ月もないとはいえまだ期間あるってのに待ち遠しすぎてそわそわしてきた
時よ早く進め 主人公 おまえ
描写が無いのは脳内で補完しろ!
ナナドラプレイヤーの十八番だろ!!
アオイ「センパイ! どうしたんですか?」
アオイ「仲間とはぐれちゃいました? それともまさか、一人でここを攻略するつもりですか?」
アオイ「いくらセンパイでも一人でここを進むのは無理ですよ。もうすっごくかじりつかれちゃいますよ?」
アオイ「ほんとにすごいところなんですから。五回十回タコ殴りにされますよ」
アオイ「え? 意味が分からない? た、確かに、そうですね」
アオイ「でもでも、なーんか変だと思いません?」
アオイ「むぅ、ちょっとぼーっとしてますね。本当に大丈夫ですか?」
アオイ「らしくないですねぇ。一応ここはダンジョンなんですよ?」
アオイ「え? 一人なのは私もだって?」
アオイ「うーん、私方向オンチみたいで、どうも迷いやすいですからねー。一人なのは慣れてます」
アオイ「そういう問題じゃない? ははっ、確かにそうですね」 アオイ「でも、センパイ。『そういう問題じゃない』って、私のセリフですよ」
アオイ「何か大事なこと、忘れてません?」
アオイ「今、問題なのって私が一人だけってことなんですか?」
アオイ「もしかしてちょっと寝ぼけているんでしょうか」
アオイ「まぁその方が都合がよいかもしれないんですけど……」
アオイ「あは、ごめんなさい。変なこといっちゃいましたね」
アオイ「それより、なんで私が一人かってことなんですけど」
アオイ「センパイと二人っきりになりたかったからなんですよ」
アオイ「思い返してみると、センパイはいつも仲間の人と一緒にいたじゃないですか」
アオイ「センパイ一人だけとおしゃべりする時間ってあんまりなかった気がするんですよね」
アオイ「ガトウさんがいなくなってからちょくちょく私の部屋を訪ねてきてくれましたけど」
アオイ「私はセンパイと二人になりたかった」
アオイ「でもそれは、ちょっとかなわなかったですね」 アオイ「うん、だから、なんというか──未練だったんです」
アオイ「センパイと過ごした時間は短ったけど、センパイの輝きはみたことのないものだった」
アオイ「そこから感じた私の気持ちがどんなものかあやふやなまま、私は──」
アオイ「でも、センパイのことを見ていくうちに、気づいちゃったんです」
アオイ「それがすごく悲しくて……」
アオイ「すごく、悔しいんです」
アオイ「ここまで言えば分りましたよね」
アオイ「私が何を言いたいかってこと」
アオイ「センパイ」
アオイ「…………」
アオイ「……んっ」
アオイ「…………」
アオイ「……嫌がらないんですね」
アオイ「つまり、センパイの気持ちは私が思ってるとおりってことでいいんでしょうか」
アオイ「それとも女の子ならだれでもいいんでしょうか」
アオイ「そんなわけないですよね、センパイのこと信じてます」
アオイ「……続けますよ」
アオイ「いいですよね? 本当に続けますよ」
アオイ「この先も、続けちゃいますよ……?」
アオイ「やっぱり、嫌がりませんね」 アオイ「センパイも触ってくれていいですよ」
アオイ「んっ……これは、なんというか……」
アオイ「話にはきいていませいたが、変な感じです」
アオイ「センパイもかわいい顔してますよ」
アオイ「でも、特にリードしてくれるわけでもないんですね」
アオイ「ちょっとひどくないですか? 私、すっごく勇気出してるんですけど」
アオイ「センパイだって勇気だして、歩み寄ってくれてもいいんじゃないですか?」
アオイ「うっ、そんなに顔を見つめないで下さいよ」
アオイ「ぐぬぬ……惚れた弱みにつけこんでますね」
アオイ「仕方ないですね、奥手なセンパイのために私が一肌脱ぎます!」
アオイ「まずは一枚脱ぎます!」
アオイ「え、つまらない? うぅ〜」
アオイ「仕方ないじゃないですか、私センパイみたいにもてませんから! 慣れてないんです。ていうか初めてなんですっ」
アオイ「なんか言っとかないと頭真っ白になっちゃいそうなんですよ」 アオイ「え? 天使? 何サスガさんみたいなこといってるんですか」
アオイ「もういいです。とにかく、ほらっ、どうです?」
アオイ「……じっと見てるだけじゃわからないです」
アオイ「あ、でも少し動きましたね。直接触ってみますよ」
アオイ「むむむ、妙に暖かいですね」
アオイ「やっぱ見ないまま触ると不気味な感触だなぁ……」
アオイ「でも、不思議です。すっごく愛しい」
アオイ「ふふ、ちょっと積極的に触ってきましたね」
アオイ「えーと、じゃあちょっとそのまま倒れこんでください」
アオイ「ほいやっ」
アオイ「え? 床が冷たい? そんな細かなこと気にしてる場合ですか」
アオイ「そりゃっ」
アオイ「おお〜……な、なんか。熱い……」
アオイ「このまま脱がせちゃいますよ」
アオイ「代わりに私の下着、脱がせていいですよ。ほら、ブラ」
アオイ「あれー? もしかして脱がし方わかりませんか?」
アオイ「ひやっ!? すいません、調子にのりました……」 アオイ「でも私が上のままですー! 残念でしたっ!」
アオイ「ふっふふ〜ん、なんかコツをつこんできたような気がします」
アオイ「センパイの顔、余裕なくなってきてますよね」
アオイ「なんかドラゴンになった気分ですね」
アオイ「……すいません、ちょっと不謹慎でしたね」
アオイ「でも、本当に『食べちゃいます』」
アオイ「いいですよね? だって、センパイの方が強いんですもん」
アオイ「そのセンパイが、私に倒されているんですから」
アオイ「いやだなんていっても説得力ないですもんね」
アオイ「では、いきますよ」
アオイ「覚悟、してください」
アオイ「うっ!?」
アオイ「うあああっ……あぐっ……」
アオイ「こ、これ……」
アオイ「よ、予想外でした、いえ、話にはきいてたんですけどっ……」
アオイ「い、痛い……」
アオイ「あ、あはは……センパイも、なかなかドラゴンですね……」
アオイ「意味わかりませんか、私もわかりません、すいません」
アオイ「ちょっ、ちょっと慣れるまで待ってくれていいですか」 アオイ「そ、そんな顔しないでください。こーゆーのって楽しむものなんじゃないですか?」
アオイ「ううぅ……こんなはずじゃなかったんですけどね……」
アオイ「やっぱ初めてって成功しないものなんですね」
アオイ「な、なんとか挽回しないと……」
アオイ「これ、やっぱ動かさないとよくならないですよね?」
アオイ「うぐっ…うああ!?」
アオイ「い、いやぁ〜……麻痺っちゃいました。パラスガードでも買っておくべきでしたか」
アオイ「だからそんな顔しないでくださいって言ってるじゃないですか」
アオイ「私すっごくすべってるじゃないですか」
アオイ「だ、だめですっ! ぬきません! やめません!」
アオイ「今、今やめたら、もう……もう!」
アオイ「とにかく、センパイは動かないでくださいっ……」
アオイ「ちょ、ちょっとまってくださいね……」
アオイ「うぅ。な、なんでこういうところだけリアルなんでしょうね」
アオイ「私、もうそうじゃないのに」 アオイ「あ、なんか積極的になってきましたね」
アオイ「もしかして痛みを和らげようとしてくれています?」
アオイ「ですからそんな顔しないでくださいって」
アオイ「最初みたいな顔してくださいよ。そっちのほうが嬉しいです」
アオイ「できませんか、やっぱり優しいですね」
アオイ「ふふっ、本当にそう思ってますよ」
アオイ「さて。とにかく、なんとかして慣れないといけませんね」
アオイ「ん、んっ……一応、最初の激痛はきえましたよ」
アオイ「もしかしてセンパイ、結構なれてます?」
アオイ「あはは、無理に答えなくてもいいです。どっちでもいいですよ」
アオイ「……嘘です。ちょっと気になっちゃったりします」
アオイ「で、でも深入りしません! えぇ、しませんとも……」
アオイ「しっかし、これ、中どうなってるんでしょうね。センパイ、血まみれになってるんじゃ……」
アオイ「うへぇ。こういうのってロマンティックなものかと思ってましたけどグロテスクですね」
アオイ「現実って厳しいです……」
アオイ「でも、二人でなんとか成功させようってのもなかなかぐっとくるものがありません?」
アオイ「あはは、そうです。私ポジティブですよ」 規制に巻き込まれたかな?
途中ならわっふるわっふる アオイ「なんだかんだで、センパイのもなえていませんし。一応、よくはなってくれてるんですよね?」
アオイ「どうでしょう、こんな感じでいいです?」
アオイ「まーだ申し訳なさそうな顔してますけど、もしかして罪悪感感じてます?」
アオイ「もうっ、こーゆー時には頼りにならないセンパイですね、ほらっ!」
アオイ「どうです? 一応、ふつうぐらいには胸あるんですよ」
アオイ「……ありますよね?」
アオイ「はい、難しいことは考えない! ほら、当ててるものをとにかく堪能してください!!」
アオイ「そーれ、そーれ……」
アオイ「あ、結構痛みひいてきましたよ」
アオイ「えへへ、センパイの息も荒くなってきましたね」
アオイ「ではではっ……ちょっと本格的に動きますよ」
アオイ「え? 自由に動きたいんですか? だめですよ、こーゆ時ぐらい私の好きにさせてください」
アオイ「んっ、んっ……」
アオイ「あう、ちょっ、そんなっ……吸うのは……」
アオイ「う、うまく動けなくなる……のでっ! 勘弁っ……」
アオイ「あ、あぁ、ぁ……」
アオイ「くっ! うぅ、あぅ、はぅ……」
アオイ「……」 アオイ「いえ、別にまだおわりってわけじゃ……」
アオイ「でもちょっと余裕ないかな……」
アオイ「あ、卑怯です、動かないでくださいって」
アオイ「う、あうう、ああぅ……」
アオイ「うあぁあ!」
アオイ「ふ、ふふ……いいですよ、じゃあ私も、私だって……」
アオイ「そ、それっ、それっ!」
アオイ「あ、あはは、あはは……」
アオイ「いい、ですよっ! ほんとに、よくなってきましたっ……」
アオイ「こーゆー相性、よいのかもしれませんね、私たち」
アオイ「余計悔しいですっ、なんで、なんで私……」
アオイ「うぅ、うぐ……ぐすっ……」
アオイ「センパイ、センパイ──!」
アオイ「ずっと、ずっとこうして、こうして……私はっ……」
アオイ「うああああ!!」 アオイ「あ……あぁ、う、あぁ……」
アオイ「う、うごか、さないで……ほんとに、今、は……」
アオイ「はうっ、はぁ……はぁ、はぁ」
アオイ「あぁ、あぁあああああっ!!」
アオイ「はぁっ…はぁっ……」
アオイ「…………」
アオイ「こんなに……」
アオイ「こんなに、幸せな、気持ちに……」
アオイ「ふふ、センパイも、ですか……?」
アオイ「嬉しいです、嬉しいですよ……」
アオイ「嬉しすぎて……」
アオイ「かなっ、しい……ですっ……」
アオイ「っ……」 アオイ「さぁ、センパイ、もう時間です」
アオイ「任務、さっさと終わらせて」
アオイ「パーティする約束じゃないですか!」
アオイ「いっぱいの料理と、いっぱいの笑顔で、」
アオイ「みんなみんな幸せで──」
アオイ「その時はきっと、私もそこにいますから……」
アオイ「貴方のとなりに、いますから」
アオイ「だからほら、進んでください!」
アオイ「もぅ、なにそんな顔してるんですか」
アオイ「…大丈夫、センパイならできちゃいますよ。」
アオイ「センパイのこと、私はずっと、尊敬してます!」
アオイ「うん、ずっと、ずっと──」 アオイ「だから、センパイ」
アオイ「あなたともう一度会う時までに」
アオイ「もっともっと、かっこよくなっててください」
アオイ「私の時はもうずっと動かないけれど」
アオイ「その代わり、あなたへの想いも変わらないから」
アオイ「だから、センパイ。これからどんな辛い試練があっても、くじけないで」
アオイ「あなたなら失った力も、取り戻していける」
アオイ「例えどこかで敗れ、人々に非難されても、あなたの輝きはかわらない」
アオイ「センパイはもっともっと輝ける。その力の一端を私はこの目で見たのだから」
アオイ「その輝きを、もう一度、世界の人々に見せてあげて」
アオイ「あぁ、この光、もう、本当に時間が……」
アオイ「そんな顔しないでください、ちゃんと、また会えるから」
アオイ「その時まで私はしっかり待ってるから──」
アオイ「だから、ね……」
アオイ「センパイ──、だい、す……」
アオイ「き……」 アイテル「気が付いたようね」
アイテル「ここは泡沫の現実、時の交差点」
アイテル「あなたは望んだ。長きに渡る竜の物語を紐解くことを…」
アイテル「行きなさい。その光の中へ。貴方の仲間も待っているわ」
アイテル「そしてどうか、眠らせてあげて」
アイテル「あの人を」
アイテル「それが私の望み。だからこれは、お礼の先払いよ」
アイテル「では、はじめましょうか──」
おわり 連レスしすぎて死んでたw 汎用的にお前らの13班リーダーを主人公にするにはセリフだけにするしかなかったんや。
しかし今思い返してみるとこれネタバレなのかな。
少なくとも2020裏ダンまでやってくれないとわからないネタだったね。
最初にかいときゃよかったわ。すまん。 おお、無事に投下できてなにより
そしてGJ
シンプルに良かった 今更だが>>115GJ!!
滅茶苦茶よかったよ。本当によかった さんきゅー。
こーゆーお前と会話するヒロインシリーズはまた作ってみたいと思ってるからよければまたよろしくw
ミイナとかマリナとか、ミオとか。 刀子もの書きますNTR注意
登場人物
マイ スチューデント♀。ボイスタイプ女性B(斎藤千和)。職はお好きに想像してください。ちなみに筆者はサイキック
断末魔の唸り声を上げながらドラゴンの巨体が崩れ落ちる。
周囲を見渡し、それが最後の1匹だったことを確認すると、俺は手近な位置にある瓦礫の平らな部分に腰を下ろした。
蓄積した疲れを抜くように大きく伸びをする。空を仰ぐと、崩壊したビル群の狭間に妖しく聳え立つスカイタワーが見えた。
自然と溜息が漏れる。
「ようやく終わったわね。お疲れさま」
腰まで伸びる長い黒髪を籠手の付いた手でかき上げながら、戦友のマイがこちらを見下ろしていた。
白と紺のセーラー服、そして赤いスカーフで構成されたシンプルな女学生スタイル。
膝上まで覆うパープルカラーのオーバーニーソックスがモデルのように長い脚を際立たせている。
不必要な装飾を好まない彼女なりのお洒落なのだろう、首には布地の黒いチョーカーが巻かれていた。
怜悧さを含む眼差しと淡々とした物言いは、彼女をよく知らない者には冷たい印象を与えることもあるが、その認識が間違いであることを俺は知っている。
「どうやら、さっきのでこの区域のドラゴンは殲滅できたようね。資材の回収が終わり次第、他のメンバーもこちらに合流する」
勝利の余韻に浸ることなく淡々と報告を続けるマイ。俺もまた、任務の完遂を手放しに喜ぶ気にはなれなかった。
なぜなら、この程度のドラゴンは、1年前の俺たちであれば瞬殺できていたはずだったからだ。
そんな連中に現在の13班は苦戦している。
真竜ニアラとの戦いで大きく傷ついた影響とはいえ、1年のブランクを未だ埋めることができていない現状に俺は焦っていた。
「議事堂からのルートは開拓できたことだし、一度帰還するようにミイナが……リーダー?」
不意に言葉を止めて、こちらの顔を覗き込むマイ。
人形のように整った顔立ちの彼女が、俺の心中を見透かすかのようにじっと見つめてくる。
たっぷり数秒のにらめっこを続けたあと、マイは俺の隣に腰を下ろした。ふわりと舞った黒髪が俺の頬を撫でる。
お互いに口を閉じたまま、時間が流れていく。
俺が気まずさに耐え切れなくなった頃、ようやくマイが口を開いた。
「…浮ついているわね。気持ちだけ焦っても、すぐに結果はついてこないわ」
どうやら俺を気遣ってくれているようだった。
俺の悩みに気付かれていたことが照れくさい反面、嬉しくもあった。
「大丈夫。焦らなくてもいいのよ」
マイの手が俺の手に重ねられる。その白磁のような白さに相応しい、ひんやりとした感触だった。
最初に会った時にはまるで他者を寄せ付けなかった彼女が自分を労ってくれている。そう思うと心が熱くなるのを感じた。
「私たちはチームよ。リーダーの貴方だけが背負い込む必要はないわ。お互いにできることを全力で…それが13班、でしょう?」
安心させるように微笑んだマイがあまりにも魅力的で、俺は初心な子供のように真っ赤になってしまう。
あまり感情を表に出さないマイが向けてくれる素のままの、温かみのある笑顔。彼女はこんな表情もできるのだ。
俺はそんな彼女がとても愛おしいと思っていた。そして彼女に憎からず想ってもらえているだろうということも。
紅潮した顔を悟られないように勢いよく立ち上がった俺を見て、次の指示を促すように僅かに首を傾げるマイ。
俺は気合を込めてパンパンと自分の頬を叩くと、資材の回収を終えて集まってきた仲間たちに号令をかけ、議事堂への帰途に着いた。 議事堂に帰ってきた俺は仲間たちと別れ、ムラクモ本部に向かう。
特に報告すべきことがない場合はリーダーである俺が残務処理を請け負い他の者には先に解散してもらうのが常となっていた。
簡単な報告を終えてホールに出ると、下の階を見渡せる吹き抜けの辺りでたたずんでいるマイを見つけた。
マイは俺の姿を見て少し驚いたようだった。どうやら待ってくれていた訳ではないらしい。
「その…報告、ご苦労さま」
普段は冷静な彼女にしては珍しく、落ち着きのない様子で俺に声をかける。
「ごめんなさい、人と待ち合わせをしていて…それはともかく、何か連絡事項はあるかしら?」
忙しなく周囲に視線を走らせていたマイだったが、すぐにいつもの調子を取り戻したようだ。
俺はドラゴンの方には特に動きがないこと、相変わらず国会ではムラクモ13班がやり玉に挙がっていることを告げた。
ムラクモは機密性の高い国防機関ということもあって、その不透明さを野党の攻撃材料にされることが少なくない。
これまではキリノが矢面に立って説明をしていたが、当のキリノは未だにグロッキーだし、あのエメルにこういうデリケートな役が務まるとは思えない。
今は一部の有力な議員の力添えでなんとか予算を守り通している状態らしい。
「そう…。嘆かわしいわね、こんな時に人間同士で対立しているなんて」
マイは落胆したような、どこかほっとしたような微妙な表情を浮かべた。細い指先が縋るようにチョーカーを撫でる。
「…それでも、私たちは立ち止まる訳にはいかない。
皆のために。…そして、貴方のために。
私にキリノの代わりはできないけれど、私にしかできないこともあるはずだから」
感情を抑えた、しかし同時に強い意志に満ちたマイの言葉に俺は頷き返す。
お互いに頑張ろうと笑いかけると、張り切る俺に戸惑ったのか、マイは曖昧な笑顔を返した。
人を待っているらしいマイをホールに残し、俺は13班の自室へと向かう。
仲間たちは皆どこかに出掛けてしまったのか、部屋には他に誰もいなかった。
俺はデスクチェアに腰掛けるとデスクに据え付けられたPCを起動させる。
これは人類が拠点を国会議事堂に移してから整備されたイントラネット用の端末だ。
議事堂内ならどこからでもアクセスできるので一般市民には好評だが、衛星通信を利用した携帯端末を持っているムラクモ隊員には不必要な代物だ。
大抵の連絡はナビたちから携帯に送られてくるので、デスクに届くメールはせいぜいゴミの日が変わっただとかフリーマーケットのお知らせ程度である。
今では他の連中はPCに触れようともしないため、結果的に俺の専有物のような扱いになっている。
「メールが1通届いています」
受信箱を開くと、今日は珍しいことにメールが届いていた。
表示された概要を見て俺は眉をひそめる。
本文は無し、動画ファイルが添付されているだけの内容。差出人のアドレスにも心当たりはない。
とりあえず開いてみて、ウイルスの類ならナビが作製したセキュリティに引っ掛かるだろう。そう考えた俺は軽い気持ちで動画を再生した。 映像がディスプレイに映し出される。
上から見下ろすようなアングル。画面の手前にはソファらしき物に腰掛けている誰かの、横に大きく開かれた両足と、その向こうにセーラー服を着た少女の姿が見える。
少女はその誰かの足の間にぺたんと座りながら、首をくっと前に伸ばして画面の手前から突き出ている『それ』を舐めしゃぶっていた。
「んっ……ちゅぱっ…」
男性の象徴であるそれの先を収めて口を大きく膨らませた少女は、そのまま露出した茎の部分に手を添えて、指の腹で擦り始める。
「それでいい。教えたとおりに口も動かして」
男の声が聞こえる。画面の端から伸びてきた手が、少女の長い黒髪に触れた。
それに反応した少女がこちらを見上げる。その顔には、見覚えがあった。
なぜ。
どうして、マイが?
疑問符が真っ白になった頭の中を駆け巡る。
見間違えるはずがない。その艶やかな髪も、切れ長の目も、色素の薄い桜色の唇も。俺がよく知るマイそのものだった。
「ぷはぁ、っ……ん…何を…しているの。撮らないで」
マイが口を離し、ぷいっと顔を背ける。どうやら撮影されていることに気付いていなかったらしい。
そのそっけない態度に彼女と出会ったばかりの頃を思い出し、俺はなぜか少しだけ安堵していた。
「気にすることはない。記念、ただの記念だ」
男は笑い、腰を前に突き出した。ぴんと上を向いたそれをマイの頬に擦り付けて先走りを塗りたくる。
「さあ、君はいつものように役目を果たしなさい」
嫌悪に眉を寄せるマイだが、男に促されると添えられた手をゆっくりと動かして男のものを刺激する。
先端をぐっぐっと押し付けられると、観念したように肉棒と向き合い、舌先で亀頭を舐めはじめた。
「れろっ…れる……ちゅぷ…んぷ…」
不服そうな目でこちらを見上げながら滾る男性器に奉仕するマイ。
舌で撫でるような繊細な舌遣いと、滑らかに茎をしごく指先。慣れている、と思った。
その凛々しい立ち居振る舞いと冷たい美貌で浮世離れした雰囲気を持つマイ。
ドラゴンを前にしても表情一つ変えることなく立ち向かっていく彼女が、世俗的なものから縁遠い存在だと思っていた彼女が、雄の象徴に傅き、従っている。
いままで想像だにしなかった光景に頭がくらくらする。
「ん…んぶ…ぬちゅ…れぅ…れるっ…」
汗と男の先走りで頬に張り付いていたマイの髪を男の手が掬い、掌の上で弄ぶ。
手入れの行き届いた艶やかな黒髪は男の指の間を流れるように滑っていく。
時折マイの唇がちゅっと吸い付いて刺激に緩急をつけると、男の手がビクッと痙攣して動きを止める。
その行為が数度繰り返された後、「ふうっ」と小さく唸った男がマイの頭を唐突に掴んで固定した。
「ん!んぐぅっ!んぐ、んむ………げほっげほっ!」
画面越しにでもわかるほどに体を強張らせていた男がマイを解放すると、苦しそうに咳き込んだマイが口を離す。
その目には涙が浮かんでいた。俺の中で悲しみとも興奮とも判別できない感情が沸き起こり、心臓を鷲掴みにする。
「見せなさい」
男の声が響く。少し喜色を含んでいるように聞こえるのは気のせいではないだろう。
何を、という疑問に答えるようにマイがこちらに向けて大きく口を開く。
鮮やかな桃色をした口内が、大量の白濁液で真っ白に彩られていた。
そこかしこで粘液が糸を引き、舌の上にはゼラチン質の白濁溜まりがゆっくりと流れ落ちようとしていた。
「うっ…えっ…えう…」
口を開いたままえずくマイ。舌先から零れ落ちた滴がスカートの上に落ち、白い染みを作った。 しばらく立ちすくんでいた俺はようやく動画が終了していたことに気付いた。
俺は混乱の極みにある脳を必死に宥め、状況の理解に努めようとする。
なぜ、マイがあんなことを。
恋人同士という雰囲気には見えなかった。彼女の本意ではないのは明白だった。
しかし、真竜をも屠るS級の能力者を脅せるような人間などいるのだろうか。
仮にいたとしても、彼女は脅迫で簡単に意思を曲げるような人ではないはずなのに…。
その時、不意に背後からドアを開く音が聞こえた。俺は反射的に振り返る。
「君が13班のリーダーくんだね?やあやあ、どうもはじめまして」
やけに高そうなスーツを着た、ビジネススマイルを浮かべる男が無遠慮に入ってくる。聞き覚えのある声。それもついさっきのことだ。
動画に映っていた男に間違いなかった。その瞬間、俺は自分の頭に血が上るのを自覚した。
怒りに任せて男の胸倉を掴み、壁に押さえ付ける。いきなり殴りかからない程度には理性が働いていたようだ。
「動画を見てくれたようだね。説明する手間が省けて良かった」
男は敵意をむき出しにする俺に動じた様子もなく言葉を続ける。
「いきなりのことで驚いているだろうね。マイには秘密にしておくように頼まれていたんだが、リーダーの君にはきちんと話を通しておくべきだと思ってね。
…なにせ、彼女は君のために頑張ってくれているのだから」
…俺のため?予想外の発言に思考が止まる。この男と接点があった記憶はない。続きを促すように男の胸を小突く。
「なに、そう複雑な話じゃない。スカイタワーの一件以来、ムラクモに予算縮小の話が上がってるのは知っているだろう?
真竜に勝てないムラクモに無駄金を使っている余裕は無い、というのが彼らの理屈らしい」
馬鹿げた話だがね、と男は付け加える。
「そんな時に彼女からなんとかしてほしいと頼み込まれてね。よし、一肌脱いでやろうと決心したというわけだ。私は議員の方々に顔が広いからね」
物資の不足で着るものにも困る今のご時世、日常生活で背広を着ているような人間は限られている。男の身なりは確かに政治家のそれだった。
「その代わりと言ってはなんだが、彼女には私の身の回りのサポートをしてもらっている。要は秘書のようなものだ」
厭らしい笑いを垣間見せる男に衝動的に拳を振り上げるが、俺の中の冷静な部分がその先を押し止めていた。
ここで男を殴り、マイに2度と手を出せないようにするのは簡単だろう。
しかしそれはムラクモの立場を更に危うくさせ、マイの挺身を無駄にすることに繋がらないだろうか。
超人と呼ばれるS級も、結局は人間だ。
充分な装備と補給、そして本部からのバックアップを受けてようやくマモノやドラゴンと対等に渡り合えるようになる。
予算の削減によってそういった支援が滞れば戦況は悪化の一途を辿ることは想像に難くない。
だからこそマイは薄汚い欲望に利用されることを知りつつ、男の甘言に乗ったのだろう。
ムラクモのために。13班のために。そして、リーダーである俺のために。
その覚悟を、俺の個人的な感情とマイへの執着で踏みにじっていいのか。
結局、俺は男を殴ることができずに手を離した。
「物分かりが良いようで安心したよ。天下の13班が一般人に暴力を振るったなんて、誰かに知られたら大変だろうからねえ」
男は何事もなかったかのように乱れた服を整えると、うなだれる俺の横を悠然と通り過ぎていく。
「君たちの活躍に期待しているよ」
最後にそう言い残して、男は部屋から出て行った。
残された俺は随分長い間その場に立ち尽くしていた。
俺は、マイのために何ができるのだろう。彼女を本当に想うなら何をすべきなのだろう。
今の俺に考えつくことは、部屋に帰ってきたマイに今日の事を悟られないようにうまく誤魔化すことだけだった。 仮保管庫(>>87氏じゃない方)に一本投下させていただきました
『左側の部屋で+1』(ルシェ、イズミ 非エロ)
ttp://www29.atwiki.jp/nanadorakari/pages/102.html
新作発売までの暇つぶしになれば幸いです。
SS内で「2020からどのように無印まで繋がったか」のオリジナル設定が出てきますが、新作の発売とともに否定されると思います…… うーむ、Vのお気に入りNPC、実はアリーなんだが需要はあるだろうか。 まだ買ったばかりだけど、アリー敵っぽいんだよなぁ
ノーデンス社だから、母なる竜NDの本体って可能性も? 表はクリアしたから何か書くわ。
ネタバレには気を付けるけど、いつから解禁すればいいのかな? 新作のネタバレ回避なら一〜二週間くらいで良いんじゃね?
クリアしてないゲームのエロパロを求めるって相当レアなケースだと思うし オッケーありがと☆
主人公×アリーで書いてみる。
期待しないで待っててね☆ 無印、幻体、神体、幻視、第三真竜…多分裏ダンでまた幻影真竜として戦うから、ニアラさんとはシリーズ通して6回も戦うことになるのか…
スタッフの玩具にされ続けたニアラさんが報われる話も読んでみたい >>131
さらに再現データが人竜にワンパン。
ニアラが報われるって、どうすれば報われるんだろうこいつ。
しかもエロパロで。 BBAの触手モノがあるくらいだし真竜パワーでカタナコやヤイバの一人や二人 表クリアしたんだけど流れに逆らって1stリーダーと2ndリーダーの信頼関係が好きだと言いたい
なんか考えてみるかね 戦闘中にルシェ子の下着がチラチラ見えて集中できません!
しかし今回ニアラも大概だけど帝竜の扱いも酷いな。殆どNPCに狩られて姿すら現さない >>131
実はシナリオ終盤でもう一戦あるから計7回戦うことになるよ……
NDママンの口調や性格が無印の裏ダンの時と全然違ったり、ニアラも一人称が我かワレで統一されてないし、
旧作と3はパラレル認識の方がいいのかな?過去を改変した瞬間並行世界が生まれる的なこと言ってた気がするし 宣言通り、主人公×アリーを投稿します。
Vでの初投稿ゲット。
主人公。
外見メイジ♀Aデフォルトカラー、声・沢城みゆき。でお送りします。 「食欲が満たされたら、次は……わかるでしょ?」
ノーデンス社社長アリー・ノーデンスは社長室の一角で隣に座るゴスロリの人物にしなだれかかった。
「あら、いいの?」
13班のリーダー、イヴリスは慌てもせず細目の女社長の肩を抱き寄せる。
「んふふ☆イヴリスはこういうの馴れてるのね」
「あらあら、初物以外は食べたくない? 私はアリーを一目見た時から食べてしまいたかったのに」
「アリーは美味しい物なら選り好みはしないよ☆……でも、初めて会った時って真面目な話してたんだけど?」
「うふふ、じゃあ私の前にこんな美味しそうな物をぶら下げて置かないの♪」
歌う様に、楽しそうに……愉しそうに服の上からでもはっきりと分かる、たわわと実った乳肉を揉みしだき始めるイヴリス。
立場で言えば社長と嘱託。年齢で言っても倍近く離れているだろう相手にもまるで躊躇いが無い。
肌を重ねることが当然の義務かと思っているかの様な動きだった。
「ああ、指がどこまでも沈むみたいな柔らかさ。みずみずしいウラニアとも、張りのあるジルとも違う感触……これがアリーの『味』なのね」
「イヴリス、ふつーこういう時に他の女の子の話題は出さないものじゃない?」
咎める口調ではなく、ただ純粋に疑問に思った様にアリーは乳房を揺らされながら吐息を感じる距離で問うた。
「普通はそうなのかしらね。でも、これが私の普通よ? 気に入った女の子は誰でも抱いて抱いて食べてしまいたい。13班の皆ももう味わったし、ウラニアやジル達も私を通じて姉妹になったわ……それを隠すつもりは微塵も無いのよ」
乳肉への愛撫を止めないまま、もう片方の手で髪をかき上げる。
後ろ暗さなどまるで感じていないかのようだった。
「ねえアリー、こんな不誠実な奴としたくない?」
「んー、したくないって言ったらどうするのよー?」
「押し倒すわ」
言ってイヴリスは元より殆ど無かった彼我の距離を0にする。アイシャドウの塗られた瞳が肉食獣の光を宿し始めた。
「それは困るのね。だって……ミンナがメロメロなイヴリスのおちんちんを触りにくくなっちゃうから☆」
一瞬、ほんの一瞬開かれたアリーの瞳もまた肉食獣に似た輝きを放ち、フリルたっぷりのスカートを捲り、美しい少女の容姿に不似合いな剛直を白く長い指が取り出した。
イヴリス――13班のリーダーで、ゴスロリを纏った麗しの魔少年である。
「んふふふふ☆脈打ってて熱いのよー」
「だって、ずっと舌なめずりしてた極上の獲物の牝の顔を拝む機会がやっと来たのだもの……期待だけで達してしまいそうよ」
少女的な……まさに少女マンガのヒロインを務められるだろう美貌の下の獣性を露にした少年。
「そう言って貰えると嬉しいのよ☆アリーもずっとずっとイヴリスを食べたかった……ううん、食らい合いたかった」
普段の間延びした印象が剥がれおちた淫獣の女社長。
相手の唇を奪ったのはどちらが先だったろう。いや、それはきっとどうでもいいことだ。 それは口づけと呼ぶにはあまりにも暴力的過ぎた。
ディープキスと言うにはあまりにも野性的過ぎる。
少しでも多く相手の唾液を飲んで、己の体液を送り込む。口内の全てを使って相手を蹂躙する。
「じゅるっ! じゅばじゅば……んっ!」
「ぢゅっ! ぢゅっちゅばっ! ぁあ!」
肉食獣が互いの首に牙を突き立てるかの様な。二匹の蛇が尻尾を蝕むかの様な。この星で連綿と紡がれ、幾千と幾万と幾億と繰り返された原初の儀式。
そう想わせるほど濃厚な口辱の情愛が繰り広げられている。
「んっ、ちゅ……ん」
無論、この二匹の媚獣が口だけで満足するわけもなく。イヴリスはアリーの服を捲り赤いブラジャーを剥ぎ取って、白い豊乳を外気に触れさせ。アリーはイヴリスの肉棒に引っ掛かっている黒いショーツを脱がせていく。
どちらも互いの蹂躙を止めないまま、脱がせやすい様に体勢を変えている。
それは決して屈服を意味するものではなく、自負。相手の好きにさせても上になるのは自分だという絶対の自信だった。
まるで竜が、狩る者が自身の元へ来るための道を用意しているかの様な王者の余裕。
「んく……あぁ、美味しかったのよ☆」
「ぷはぁ、前菜もなかなか」
互いの唾液の混合液を飲み干した二人は、数分間ずっと貪り合っていたとは思えないほど優雅に微笑んだ。
「まずはイヴリスからどうぞー」
「では、遠慮無く」
アリーは身体に数テンポ遅れて着いてくるほど法外な大きさの乳肉を色情魔の少年に向ける。あまりの大きさに捲り上げられた服が落ちる心配がまるで無い。
「前から大きい大きいと思っていたけど、生で見るとなおさらね。皆の中でも一番じゃないかしら?」
スイカをぶら下げている様。という形容がまるで遜色無い乳肉……いや乳塊を慣れた手付きで揉みしだくイヴリスの脳裏に、今まで喰ってきた女達の裸体が浮かぶ。
ウラニアやジルはもちろん、早熟な幼なじみや未亡人のルシェなどの13班の面々でも、この大きさには負けそうだ。
もし匹敵するとしたら、まだ手を出していないナギリくらいか。
「まあ、考えごとは後にしましょ」
この白い媚峰は巨大過ぎるため多少垂れているが、むしろそれがさらなる興奮を煽ってくる。大丈夫、イヴリスの筆下ろしは幼なじみの母親なので熟しているのはむしろ好物だ。
「柔らかい。本当にいいおっぱいね。初な乙女みたいに興奮に際限が無いわね」
「んふふふ、そう言って貰えると嬉しいのよ☆」
世辞でもなんでも無く、本当にそう思う。揉めばどこまでも沈んでしまいそうな柔肉は、まるで指が性器になったと錯覚しそうな快楽を与えてくる。
百戦錬磨のイヴリスで無かったら、このまま射精してしまいかねない。
「でも、一方的に感じさせられるのは趣味じゃないのよ」
パン生地をこねるみたいな動きで緩急付けて揉んでいた白峰を、両手を使って握った。
「んっ!」
「いいのよ? 声を殺さなくても。いえ、もっと感じる姿を見せてちょうだい」
牛の乳を絞る……というよりもホイップクリームを絞る動きでの乳辱は、さしものアリーをも喘がせるには有効だったようだ。
「ムー」
余裕の表情で乳粘土を遊ぶ年下の捕食者を狼狽させたいと、天を突きっぱなしの肉剣に手を伸ばし掛けたが、今は相手のターンだと思い直し、その手をイヴリスの頭に置いた。
「こんなに気に入ってくれたなら、大きく育って何よりなのよー」
赤紫の髪を優しく撫でる。きめ細かい髪がまた、手のひらを愉しませてくれる辺り、この少年は女殺しに過ぎるだろう。
「別に大きい胸だけが好きなわけでは無いのよ? 気に入った女の子なら大中小なんでもござれよ?」
「へー、例えば?」
「ミオや13班のロリコンビも美味しかったわ」
「わお」
「あと、チカとリッカも大変美味しゅうございました」
まったく悪びれもせずに、C学生やS学生、それに目の前の相手の部下と交わったと告げる少年は、女社長の乳塊への『凌辱/奉仕』にさらに熱を込めた。
「そかそか、チカとリッカもかー。どうだった?」
「身体は小さいけど、いい塩梅だったわ。今度まとめて食べ比べしたいわね……いえ、アリーも一緒にノーデンスどんぶりもいいかも」 「イヴリスが小さいって言うー?」
実は背丈で言えば13班の中でも前述のロリコンビの次に低い魔少年であった。
「もー、そんなにじゃないけど結構気にしてるんですからね……小さな私じゃ、このおっぱいの相手は骨が折れるわね。両手を使っても半分も隠れないとは」
実際、愛撫されているのは右の乳房だけでアリーは微妙な歯痒さを感じてはいる。でも、両手での搾乳は気持ちいいし、ゴスロリの少年の白く細い指の隙間から自分の乳肉がはみ出るのは、視覚的にも感じさせてくれる。
猫が戯れているかの様な愛くるしい容姿も相まって、このままある意味緩い愛撫に浸ろう。そう思った刹那。
「ま、手以外もあるのだけどね」
「くひぃっ!」
完全に油断していた。思考の間隙を突いた、稲妻めいた快感がアリーの脳髄に奔流った。
「んー、おいひぃ」
そう、これは食事なのだから、口を使うのは当然なのだ。
イヴリスは、両手で犯していない左の乳肉を、思い切り口で吸っていた。
「ん、んー!」
ただ吸うのではなく、豊乳に相応しい大振りの乳首を甘噛みして、舌で弾いて、好き勝手乳辱している。
まるで赤子が母親のお乳を求めるかの如くだが、それに伴う色は濃厚な極彩。淫らな極彩であった。
そんなものを、弄られる期待感だけを高められた牝乳が受け止められるわけもなく、アリーは快楽の波に溺れるのだった。
***
意識をやったのはほんの数十秒だろう。
その間にイヴリスはアリーを押し倒し、極上の淫乳を抱き締めて愉しんでいた。
「んー、あまーいミルクの匂いがするわ、お母さんを思い出すわね」
自身の頭より大きい白峰に顔を埋め、深呼吸を繰り返す魔少年に微笑んだアリーは、イヴリスごと上体を起こす。
「アリーのおっぱい美味しかった?」
「ええ、このまま一晩中食べ続けられそうよ」
そう言って両の乳首をつねってくる。
「お粗末様なのよ☆でも、アリーもお腹ぺこぺこかな☆」
「そっか残念。でも、メインディッシュの前に運動すなきゃね」
少し無理をすれば二人並んで寝られそうな広いソファーの上に立ったイヴリスは、自分のスカートを捲って、勃起しっぱなしの巨根をアリーの顔前に突き付ける。
「次は私が食べられる番ね? さあ、御賞味あれ♪」
幼い体躯に不似合いなそれは、びくびくとカウパーを垂れ流し、牝を誘惑していた。
「うわー、間近で見るとますます美味しそうなのよー!」
「味は保証するわよ。もう百人は食べてるし、リピーターも多いのよ?」
「そかそか、それはとてもよく分かるよ。イヴリスのおちんちん、女の子を悦ばすことだけ考えて進化したみたい」
もう隠すつもりも無い淫らな気配を全開にして鼻を鳴らすアリー。その姿にイヴリスもさらに昂ぶってくる。
「それじゃあ、美味しく食べてね?」
「もちろんよ! じゃあ、いただきまーす☆」
パクリ。
そんな擬音が聞こえてきそうなほど鮮やかに。アリーの口の中にイヴリスの愛剣が消えた。
淫らな晩餐会は、まだ始まったばかり。 >>141
滅茶苦茶おいしかった。GJ!続きも楽しみにしてる!!
ただ、ふたなりものなら最初に注意書き入れたほうがいい気もするんだけど、どうだろう? 感想ありがとうございます。
ふたなりじゃなくて女装っ子だったんですが、分かりにくかったですかね。
次から注意書きに入れますね。 マリナとおしゃべりエロばっか
セリフだけ描写なし。主人公のイメージないので補完よろ
ちょっと前に投げたアオイの続編っぽい感じ。
2020Uのネタバレ注意。内容忘れてると若干楽しめないかも?
連投の制限上、一気に全部は出せないかも
こんこんこん
マリナ「ねぇ」
マリナ「起きてる?」
マリナ「私。マリナだよ」
マリナ「今、大丈夫かな?」
マリナ「そ? なら入るよ」
マリナ「お邪魔しまーす」
マリナ「……えへへ、急にごめんね」
マリナ「今日もお仕事おつかれさまっ」
マリナ「君はいつもずっと働いてるよね」
マリナ「明日も仕事みたいだけど、大丈夫?」
マリナ「その、一年前のことなんだけど」
マリナ「ニアラを倒したときにはすごい後遺症を負ったとかきいて」
マリナ「ちょっと不安になっちゃったんだけど……」
マリナ「うん、君の仕事みてれば、大丈夫だってわかるんだけどね」
マリナ「ニアラを倒した時よりさらに強くなってるってことなのかな」
マリナ「え、私のおかげ?」
マリナ「そっか、あの時は私がいなかったから竜殺剣が……」
マリナ「なら、私も貴方を守れたのかな」
マリナ「ふふっ、違うよ。お礼を言ってほしくてこんなこといったんじゃないの」
マリナ「……ちょっと確かめたくって、ね」
マリナ「君がフォーマルハウトを倒してからもう一か月ぐらいたつんだけど」
マリナ「何もしてないよね」 マリナ「…………」
マリナ「やっぱり、忘れてる?」
マリナ「君に竜殺剣を渡すときだっけ」
マリナ「私に言ったじゃない」
マリナ「『悪いことする?』って」
マリナ「あの状況で、それがどういう意味が分からないほど」
マリナ「私、何も知らないわけじゃないわ」
マリナ「それで、君がフォーマルハウトを倒して、全部終わったんだけど」
マリナ「『悪いこと』しないね」
マリナ「そんなに忙しいのかなって」
マリナ「思ったんだけど……」
マリナ「……」
マリナ「もしかして君って、自分であーゆーセリフいうのはいいけど」
マリナ「こーゆーふうに迫られるのは苦手なの?」
マリナ「ふつう逆じゃない?」
マリナ「私、すごい恥ずかしいんだけど」
マリナ「そう見えない?」
マリナ「本当にそう思う?」
マリナ「なら私にさわっ……」
マリナ「?」
マリナ「そんな顔して、どうしたの?」
マリナ「もしかして……」
マリナ「私の体のこと?」 マリナ「……」
マリナ「ごめんね、調べたんだ」
マリナ「私、クローンなんだよね。それは知ってるんだけど」
マリナ「私の心は王女の記憶のコードから生み出されたんだよね?」
マリナ「じゃあ体はどこからきたのかなって」
マリナ「最初は研究員さんたちにきいてまわったの」
マリナ「まったく教えてくれなかったんだけどね」
マリナ「ムラクモに関連する人が気づいているようだったから……」
マリナ「ナビさんにお願いして過去のムラクモのメンバーを見せてもらった」
マリナ「そしたらわかっちゃった」
マリナ「私に似た人がいたから」
マリナ「……そして、ね」
マリナ「なんとなく、気づいちゃったの」
マリナ「なんでなのかな」
マリナ「私の『記憶』と『体』が」
マリナ「貴方を『知っているんだ』」
マリナ「どういう意味か、分かる、よね……?」
マリナ「……」
マリナ「ねぇ」
マリナ「君は好きだったの?」
マリナ「アオイさんのこと」 マリナ「…………」
マリナ「あの、さ」
マリナ「さみしかったの……?」
マリナ「私、は……」
マリナ「わかる、よね……?」
マリナ「君は、どういうつもりで……」
マリナ「私と、『悪いこと』したい思ったの?」
マリナ「……」
マリナ「いいよ?」
マリナ「私は、いいよ?」
マリナ「だからそんな」
マリナ「悲しそうな顔しないでよ」
マリナ「君は、もっと笑顔でいてよ」
マリナ「私は……」
マリナ「君が世界を、私を守ってくれたのに」
マリナ「君がちょっと寂しそうなのが」
マリナ「いやなの」
マリナ「だから、ね」
マリナ「……」
マリナ「ほら、気持ちよくない……?」
マリナ「だめ、かな……」
マリナ「私のこと触っても、何も思わない?」
マリナ「私、は……」
マリナ「すっごく、ドキドキするよ」 マリナ「……」
マリナ「そ、その」
マリナ「脱がして、いいよ……?」
マリナ「や、やっぱ、その」
マリナ「覚悟は決めてきたんだけど」
マリナ「んと、えっと……」
マリナ「い、いくよっ……?」
マリナ「……うっ」
マリナ「んっ、んん……んぅ」
マリナ「へへへ、上手?」
マリナ「不思議な感覚」
マリナ「知らないのに、知ってる……」
マリナ「ううん、覚えている」
マリナ「この感覚は……」
マリナ「……?」
マリナ「ど、どうしたの!?」
マリナ「何かまちがっちゃった?」
マリナ「だって、そんなつらそうな顔してるから」
マリナ「あっ……」
マリナ「ううん、いいよ」
マリナ「私が動くよ」
マリナ「そのままじっとしてていいよ」
マリナ「んしょっ……」
マリナ「んんっ、あぅっ」
マリナ「は、うう、うぅ」
マリナ「んぁぁっ」 マリナ「…………」
マリナ「ねぇ」
マリナ「そんなに好きだったの?」
マリナ「その子のこと」
マリナ「……」
マリナ「好きなのは私?」
マリナ「私はその子じゃないんだよ?」
マリナ「…………」
マリナ「ごめん、そんな顔しないで」
マリナ「大丈夫だから」
マリナ「私、そんなふうに貴方のこと思ってない」
マリナ「本当だってば」
マリナ「……」
マリナ「ごめんなさい」
マリナ「本当にそんなつもりじゃなかったの……」
マリナ「ただ、私じゃない『記憶』と『体』は貴方を知っていた」
マリナ「それがなんだか悔しくて」
マリナ「私が知らない貴方を知っていることが、なんだか……」
マリナ「え?そーゆーところも似てる?」
マリナ「それはそれで、ちょっと複雑……」
マリナ「でもその方がよかったのかな」
マリナ「だって私、今すっごく気持ちいいよ」
マリナ「初めては本当は痛いんでしょ?」
マリナ「っていっても、初めてって感じあんましないんだけど」
マリナ「こーゆ相性、いいのかもね。私たち」 マリナ「……ん?どうしたの?」
マリナ「あっ、わかった……」
マリナ「今、私の言葉にその子を重ねたんでしょ」
マリナ「同じような言葉、その子も言ったのかな」
マリナ「ふーん、いいよ」
マリナ「それなら私の方に振り向かせるから」
マリナ「だって、この体は私の体だもん」
マリナ「えへへ、かくごっ」
マリナ「うっ、んんぅ、はぅっ……」
マリナ「はぁう、うぅ、うっ……」
マリナ「あははっ、変な顔。そんなにいい?」
マリナ「えへへっ、凄いね。悪いことしちゃってるね」
マリナ「私悪い子だね、ふふっ……」
マリナ「そうだよ、私にこんなことさせる君も悪い子」
マリナ「だから、ね。おしおきしないとね」
マリナ「はぁぁぅっ! い、いきな、り……」
マリナ「ううん、いいよ。好きにしていいから」
マリナ「うぅっ、で、でも少し手加減してくれないとっ……あぅっ」
マリナ「声がっ、響いちゃう、よ?」 マリナ「だから、ね」
マリナ「そうならないように……してほしいんだけど」
マリナ「……」
マリナ「…………」
マリナ「ちょっと鈍すぎるんじゃないの?」
マリナ「……」
マリナ「んっ、ちゅっ……」
マリナ「んくっ、んぅ、んちゅっ、んくっ」
マリナ「ん、んぅ!」
マリナ「ぷはぁっ! ちょっと長すぎるってば!」
マリナ「え、鼻で息をすればいい? やだよ」
マリナ「鼻息荒い女の子って、好みじゃないでしょ」
マリナ「まぁ、私で鼻息荒くしてる君を見るのは」
マリナ「わるくないんだけどね……」
マリナ「えへへっ」
マリナ「と、ところでさ……」
マリナ「そのまま動いてもらっていいよ」
マリナ「このままじゃ苦しいでしょ?」
マリナ「うん、好きにしていいよ」 マリナ「んぅ……」
マリナ「あぅ、うぅ……あんっ」
マリナ「あぁあああううっ」
マリナ「あぐっ、うぐっ、ちょっと待って……」
マリナ「キスしてたらなんか、ちょっとビリビリきちゃってて」
マリナ「さっきよりなんか変なかん……ひゃあっ!?」
マリナ「うっ、うああぁ、うあああああっ」
マリナ「ちょっ、ちょっと待ってよ」
マリナ「まっ……うぅうううっ!?」
マリナ「待ってってば!うりゃ!」
マリナ「え、えへへ……私だけ気持ちよくなるの、だめだからね」
マリナ「君も悪い子なんだから」
マリナ「いっしょに、おし、お……くぅっ!」
マリナ「……あ、あぶないっ、なぁ、もう」
マリナ「そんなことしても、君と一緒じゃなきゃ私、気持ちよくならないからね」 マリナ「ほ、らっ……だ、しっ、うう」
マリナ「うあああああっ!」
マリナ「あ、あああうっ、ううぅぁああっ……」
マリナ「はっ、はぁっ……!」
マリナ「つっ……くうぅぅう」
マリナ「ま、まだ我慢できるよ」
マリナ「うん、お願い、いっしょに……」
マリナ「も、もう動けないっ──」
マリナ「うああああっあああ」
マリナ「かはっ、はあっ、はぁ……」
マリナ「はぁ、はぁっ……はぁ……」
マリナ「え、えへへ……」
マリナ「すごい……中で、出してるの」
マリナ「すごく伝わるよ」
マリナ「よくなってくれたってことでしょ?」
マリナ「あうっ、んんっ……」
マリナ「あぁ……」
マリナ「ちょっと、我慢しすぎちゃったみたい」
マリナ「このまま上でねそべっちゃっていい?」
マリナ「……ん、ありがと」
マリナ「…………」 マリナ「ねぇ」
マリナ「やっぱり、悲しい?」
マリナ「好きだった……ううん、本当に好きなんだ」
マリナ「ふふっ、いじわるしちゃったかな」
マリナ「ほらっ、気にしないの」
マリナ「ちゃんと伝わってるから。安心して」
マリナ「『その時』は私もいっしょに謝ってあげるから」
マリナ「そしてその子とも仲良くなるの」
マリナ「そうすれば全部解決でしょう?」
マリナ「それにね、私には感じるの」
マリナ「その子は貴方が死ぬまでひとりでいることを望んでいない」
マリナ「それに体はひとつなんだから、浮気じゃない──よね?」
マリナ「うん、そうだね。屁理屈だね」
マリナ「それでもいいの」
マリナ「いいんだ……」
マリナ「だからこのまま」
マリナ「ね」 マリナ「…………」
マリナ「……………………」
マリナ「……き、て」
マリナ「起きて、ほら起きてってば」
マリナ「もぅ、皆にバレてもいいの?」
マリナ「そろそろナビさんからコールされる時間でしょ」
マリナ「こーら。二度寝はだめだよ」
マリナ「はいこれ」
マリナ「何って、目覚ましにおやつ」
マリナ「なにびっくりしているの?」
マリナ「まだ食べられるよ、これ」
マリナ「……そうだよ」
マリナ「君がずっと冷蔵庫にしまってたもの」
マリナ「食べられなかったんでしょ。このチョコバー」
マリナ「……私があげたチョコバーじゃないよね?」
マリナ「だめだよ」
マリナ「ちゃんと食べて」
マリナ「私も食べるから」
マリナ「そのために、遺したんだから」
マリナ「消費期限は、まだ切れてないよ」 マリナ「……やっぱり、無理?」
マリナ「いつまでも、形にのこしておきたい?」
マリナ「あっ……」
マリナ「……」
マリナ「目が覚めた?」
マリナ「うん、よかった」
マリナ「……」
マリナ「ねぇ」
マリナ「大丈夫だからね」
マリナ「私はずっとそばにいるから」
マリナ「貴方が守ってくれたこの世界で」
マリナ「私が貴方を守ってあげるから」
マリナ「…………」
マリナ「んっ……」
マリナ「んぅ、んくっ……」
マリナ「もしかして、照れてるの?」
マリナ「ふふふっ、図星なのかな」
マリナ「えへへへへっ」
マリナ「じゃあ、そろそろ……」
マリナ「行こうっ、今日のお仕事、たくさんあるよっ!」
おわり やっと投げ終われたww
この方法だと改行制限が地味に辛いwww
次はVのヒロインかなぁ。セブドラがかわいいこいっぱいいていいね! >>159
投稿乙 設定が掘り下げられてて面白かったよ 良かったらまた投稿してくれ マリナちゃんとアオイちゃんのSSとはよくわかってる
俺も触発されて久々に筆を執ろうと思うんだが、
・アオイちゃん×デス子(2020)
・ヤイバ×キリカ(III)
・ヤイバ×ミオ(同上)
お前らどれが一番読みたいよ >>161
一つや二つじゃない 全部だ!
あっ上から読んでみたいです >>160
コメあり。若干暗めのお話だったから次かくときは明るいのにしたいね。
とりあえず161のはアオイちゃんダントツや! ミオちゃんエロくてかわいいな…
あとエンディングのアイツも 何気なく作成した主人公(いわゆるヤイバ)しばし戦闘してみたら思いがけずボクっ娘で
そこに自分のミオちゃんに対する邪な気持ちが融合して
「女の子が好きすぎてお近づきになるため女装して女の子の集まりそうなところに遊びに行くのが趣味の男の娘」
という設定になってしまった >>166
うちの子かな?
うちはお色気系男の娘だが。 流れ切ってすまん
皆は初心者の恥ずかしい文章見せられても大丈夫?スレのどの文章もレベル高杉て俺の羞恥心がスカイハイメテオなんだが…… 進化するためにのせるんだ!
叩かれても臆することなかれそれを乗り越え更なる高みへ! >>168
何、気にすることはない。
初めは皆レベル1だったんだ。
俺とか、最初の頃は文頭を下げない、エクスクラメーションやクエスチョンで空けない。とかやっちゃってたしw >>169-170
よっしゃ頑張って自分の限界まで上手に書いて 千人砲に乗り込む気合で載せるよ
お陰で自信がついた ありがとう! 投稿します 初心者ですのでお察しです 糞ss乙と罵って下さい是非お願いします
Vのネタバレあり 百合で相手はウラニア様です
恥ずかしい文章力 多分誤字脱字 キャラ崩壊 捏造 無駄に長い 超展開と痛そうな描写 地雷だったら速攻NG
主人公は多分一人称私ヤイバちゃんです
アトランティスの王女、ウラニア。彼女は亡き父王の跡を継ぎ、人の為、国民の為、祖国の為に日夜努力している。
士気が上がるならと方向性がだいぶ違う東京の親衛隊を正式に認め、面会する時間を設けたのは序の口。
祖国の仇、ニアラを倒す決め手となった竜殺剣を鍛え上げ、その直後、疲労困憊の体で絶望に打ちひしがれる国民を立ち上がらせた。
更には未来の敵本拠地にまで駆けつけて、ヘイズ討伐の立役者にもなったのだ。
その活躍や人となりは他国の王顔負けといって足りない程。
しかし、その分疲れたり、表に出せない感情を溜め込んでしまったりは、仕方の無い事なのだろう。
彼女には幸せであってほしい。
だから、私は竜退治の一幕、彼女に、いわゆるカウンセリングもどきをしていたのだ。
□ □ □ □ □
文官が恭しく頭を垂れ、部屋から下がった瞬間、彼女にしては珍しく体当たり気味に抱きついてきた。衝撃を戦いの要領で緩和し、いつも以上に無防備な背中に手を回す。
柔らかな桃色の髪を梳くと、普段はピンと立つ耳も力なくへたっていた。
────ここの所、親衛隊との交流会に避難民への物資の調整、要人との面会などを寝る間も惜しんで一生懸命こなしていた、と皆から聞いていた。
お疲れ様と労わりを込めて頭を撫でる。頑張り過ぎてしまうのも考え物だ。
「立ったままじゃ疲れちゃうし、座ろ?」
「………はい」
そう言って手を引き、ソファに二人で座った。
普段なら、すぐに何があったかを教えてくれる彼女だが、どうやら今日は口が重いらしい。
言いたくない程疲れたのか、と気になる所ではあったが、こちらから訪ねても、余計言いづらくなるだけだとも知っていた。
そうして、しばらく手を繋いでいただけだったが、不意に彼女はこちらを向いた。
「ごめんなさい」
そう言って、彼女は私を押し倒した。背中には柔らかなソファの感覚が当たった。
………………一体何が起きた。淑やかな彼女が何故? 私が気分を害したのだろうか、というかこれは事故なのか恣意的なアレなのか、あとごめんなさいってなんだ。
内心冷や汗を滝の如く流しつつ、固く目を瞑り、大人しく彼女の行動を待つ。そうして、暫く悶々と考え込んでいたが、やっと合点がいった。
ああそうか、恨んでいたのか。それなら殺されても構わない、さらば人生、でも、せめてドラゴンだけは狩り尽くしたかった──。 ───待てども待てども、彼女が動く気配はなく。丁度よい重みと温もりをこれでもかと堪能したし、そろそろ声をかけようかと顔を覗き見た瞬間、驚愕の声が漏れてしまった。
あのウラニアが、私を物欲しそうに見ていた、ような。
ハッと我に返った彼女と目があう。瞬間、恥ずかしいのか、彼女が胸に顔を押し付けてきて、じんわりと彼女の体温が上がって。泣きだしそうな緑眼が見つめてきた。
「折り入って、お話したい事が」
「はい」
「その、私は、あなた、が………」
途中で静かになった彼女は、口をはくはくと開けて、落ち着きなく瞳を彷徨わせて戸惑っていた。
「取り敢えず」
「はっ、はい?」
「起きない?」
「……………それでは、ダメなのです」
急に彼女は膝立ちになり、私の肩をソファに押しつけた。追い詰められたような表情を縁取る髪が頬を掠めた。何一つ理解出来なかった私は、無遠慮にも訳を聞いてしまった。
「どうして?」
「私は、私は…………あなたを愛しています」
思考が大気圏外まで逃走した。
スタンや石化や行動不能、戦闘不能なんて比ではない、あなたをあいしてる? どういうことなの?
「私達を救って下さった時から、好きでした」
言葉を区切って頤を持ち上げた、その瞳は見たことのない表情をしていて、やっと戻ってきた思考回路はそれを悲しみだと判断した。そうとしか思えなかった。
「……悲しいの?」
「はい、とても。私は、遅すぎたのです。もう、抑えきれません、許しも乞いません。ただの獣に堕ちた私を、今だけは」
唇を塞がれる。開け放しだった口内にぬるぬるとした熱が入ってくる。なんの躊躇いもなく唾液をこそげ取った舌の動きに、ぞくりと背筋が震えた。彼女のそれは、悲哀という生温いものではなかったのだ。 息を荒げ乱雑に襟元を開かせる姿が遠い。彼女の控えめでも、本当に楽しそうな笑顔が脳裏をよぎった。清楚さは無く、ただ強引に音を立て銀糸すら飲み干し、恍惚とした吐息を吐き出す一人の女が、その情景を塗りつぶす。
性急に進もうとする彼女が、必死に腕を掴む手だけが幼かった。無抵抗にはだけた服の隙間から、欠けたペンダントが覗いた。
「あなたは、本当に………ずるい人」
「何を、言って」
思い切り噛み付かれる。ひりひりする傷口から溢れた血潮を幾度も舐めとられ、指で捻られる。最早性交とも呼べない暴力を与えられる度に、脳裏に焼け付く熱は大きくなって。皮膚が裂ける毎に、腹の奥が激しく疼いた。
頭がおかしくなりそうで。やめてと切願しても、開いた唇を乱暴に塞がれ、また責め立てられるだけだった。
いつしか、どこが痛いのか、気持ちいいのかさえ分からなくなって、目の前が、真っ白に。 「…………きて、起きて、13班!」
目が覚めた。
変な汗をかいていたらしく、身体が少し冷たくなっていた。暑かった訳ではないのに、何故、何故…………。
そうだ、ウラニア。私は、さっきまで彼女に襲われて────────────襲われる? なにを言っているんだ私は。
疲れからか、記憶が混濁しているらしい。過去を思い出そうとするたびに頭が痛む。何故か、とても大切なことを忘れているような、道を踏み外しているような、気がする。
『……おいっ……!……まで………戻っ…………13班!…………』
戻る? どこに? 皆がいて幸せなのに、どこに戻れと言うのだ、全く理解できない。酷い頭痛だ、誰かに呼びかけられている、助けを求める声が聞こえる。
でも、それでも。
「どうしたの? 身体の方は大丈夫?」
「……………大丈夫。ありがとう」
「そう? …………あっそうだ!今日は頑張った13班に特別に休みをあげるって、アリーさんが言ってたよ」
「本当?」
「うん、どうする?」
「それなら、今日は───」
欠けたペンダントは、もう無くした。 おしまい
エラー多発で分割が無意味に陥ったのでむしゃむしゃして強引に終わらせました お目汚し失礼しました 乙は、乙はまだ間に合うか
>>177 本当に乙
そして過去投下が来たのに気づかず乙しそこねた苦い思い出 亀だけど乙!>>177超乙!
こういうの大好きだ! Vのネタバレ超注意。ミオと一緒に3P。相変わらず主人公イメージなしの台本形式です。
ミオ「ナガミミちゃん」
ナガミミ「……」
ミオ「ナガミミちゃんナガミミちゃん」
ナガミミ「っ……」
ミオ「ナガミミちゃんナガミミちゃんナガミちゃんナガミミちゃん」
ナガミミ「おい」
ミオ「あっ、ナガ……」
ナガミミ「ふざけんなよコラ? ぶち殺されてぇのかコムスメ」
ミオ「え、ええぇ!? 私何かしちゃったかな?」
ナガミミ「してんだろうがどう考えても! オレサマが今受付やってんのが分からねえのか?馬鹿か?」 ミオ「え、でも隣のお姉さんは何もいってこないよ? それにナガミミちゃんって受付嬢じゃないでしょ?」
ナガミミ「それはアイツが俺に面倒事を押し付けてるだけだし受付嬢じゃないのも世界つくりなおす前の話だろが。一回死んだくせになんでそこ忘れんだよ」
ミオ「そうなの? でもほら。あれから二週間しかたってないし。ノーデンス社内に入れないこともあってどこが変化してるかまだ全部わかってなくて」
ナガミミ「オレサマがカウンターごしに受付嬢の制服きて立ってる時点で気づくだろ普通。てめぇの目は節穴なのか?」
ミオ「あっ、そうか……ごめんね。気づかなくて」
ナガミミ「はぁ……お前のS級能力もE級に再構成されたのかもな」
ミオ「でもナガミミちゃんって私と同じぐらいの年齢に見えるし幼すぎて受付嬢っぽくないよ。人間になってたことも驚いたけどナガミミちゃんってほんとかわいいよね」
ナガミミ「……ご用件はなんでしょうかお客様?」
ミオ「ちょっ、そんなに強く握らないでってばっ!」
ナガミミ「暇じゃねえんだよ。オレサマだってこんなコスプレじみた制服きたくねえんだよ。マジあいつの趣味だろこれ絶対……」
ミオ「顔も怖いってば。ほら笑顔笑顔」
ナガミミ「は や く 要 件 を 言 え」 ミオ「ご、ごめんごめん。実はさ、デートのお誘いにきたの」
ナガミミ「は?」
ミオ「ほら今日。週末だし。お仕事も明日はお休みでしょ?」
ナガミミ「おい」
ミオ「ほら、あの世界の事はっきり覚えてるのって私たちだけじゃない? 私は彼ほど皆とお話ししてなかったからそうでもないんだけどさ」
ナガミミ「……ん?」
ミオ「でも、全部なかったことになっちゃったでしょ? 仲間とも離れ離れになっちゃってるし、やっぱり時々どうしてもさみしそうなの」
ナガミミ「あー、すまん、マジで話がみえないんだが」
ミオ「もー、ちゃんと聞いててよぉ。だから私とナガミミちゃんで彼とデートしてみようってお話だよ」
ナガミミ「分かんねえよバカッ!!」
ミオ「あいたぁ」
ナガミミ「マジありえねぇよお前っ! ホントに寒気したから。お前とデートするって思っただろ……つかおいちょっとまて」
ミオ「ててて……なぁに? ちょっ、ほっへたつねりゃひゃいへぇ」
ナガミミ「色々わかんねえんだよ! なんでオレサマがアイツとデートすんだよ。つかなんでお前も含まれてんだよ。なんで三人なんだよ」
ミオ「えー、だって私だって彼の事好きだし、さすがにナガミミちゃんと二人っきりにさせるのは悔しいし」
ナガミミ「はぁ!? だったらお前がアイツと二人でデートすればいいだろが、バカか!」
ミオ「そ、それはそれでズルいじゃん。それにそんなことしたらナガミミちゃんがかわいそうでしょ」
ナガミミ「は、はぁ……?」
ミオ「私ナガミミちゃんのことも大好きだし。彼もナガミミちゃんがいっしょの方が悦ぶと思うの」
ナガミミ(な、なぜだ……こいつの言葉が卑猥に聞こえる……) ミオ「私たち、好きどうしなんだからいっしょにいる時間も大事にしないとだめだよ」
ナガミミ「あ、あぁ……?」
ミオ「というわけで今日これから……」
ナガミミ「ていうかちょっと待て! オレサマがあ、あああいつが、好きとかはぁ? マジで、マジで意味不明っつかバカバカマジバカ」
ミオ「あっはは、ナガミミちゃんって意外にボキャブラリーないよね」
ナガミミ「ああああ!?」
ミオ「大丈夫だよ、ちゃんとわかってるから。彼もナガミミちゃんの事好きだし、私もナガミミちゃん大好きだから」
ナガミミ「あ、頭が痛くなってきた……ってか、アイツは別に、そんなんじゃないってか、別に、ちょっとアレなだけで……」
ミオ「もー、そういうのいいってばぁ。ここ、私予約しといたから。ちゃんときてよ。じゃあねえ」
ナガミミ「ま、まちやがれコムスメ! あっ、ちょっと」
受付嬢「ナガミミさん、周囲のお客様が動揺されていらっしゃいます」
ナガミミ(ミオがいなくなった瞬間にでしゃばりやがってこのクソアマ……!!)
二時間後
ナガミミ「ってなんでラブホなんだよ!」 ミオ「ご、ごめんごめん。私もデートなんて彼としかしたことないから三人デートで一日を過ごすプランはちょっと難しくて……お金は私と彼が持つから許して?」
ナガミミ「そこじゃねえよ。なんでこんな……」
ミオ「だから最初からクライマックスってことで。ね?」
ナガミミ「ね? じゃねえよ、だいたいお前もなんでしれっと……お、おい! か、顔赤くしてんじゃねえよバカッ!」
ミオ「ほーら、ここに来てる時点で覚悟は決まってるんでしょ?」
ナガミミ「バカか! てめーみたいなロリが入れるわけねえだろ。いろいろな意味で終わるぞ。こいつの人生終わるぞ? 犯罪者にさせちまうぞ?」
ミオ「こんな時でも彼を気遣ってあげるなんて……やっぱナガミミちゃんは優しいね」
ナガミミ「うんがあああああ」
ナガミミ「は、入れてしまった……おかしいだろ、ここの店員意味わからねえよ……」
ミオ「きっと理解が深い人なんだよ。ほら脱いで」
ナガミミ「ぬ!? ぬ、ぬぐっ!?」
ミオ「え、だってほら、ここホテルだし……」
ナガミミ「いや、その発想はおかし……くないか。どうしよう」 ミオ「もういつまで照れてるの? そんなナガミミちゃんには〜……」
ナガミミ「うひゃぁ!? ひあ、くすぐん……なぁ、ってば……ひゃ、あはっ、あははははは」
ミオ「ほら、あなたも脱がせてあげて? こっちこっち」
ナガミミ「ち、近づくな! 変態! スケベ! クズ! ヘタレ!!」
ミオ「いや、そんな真っ赤な顔してニヤニヤしながら言っても……流石にそれはないよ」
ナガミミ「ニヤニヤなんてしてないっ!」
ミオ「はいはーい形だけの抵抗はしなーい」
ナガミミ「ううううあああっ!」
ミオ「わぁ、かわいい下着だねぇ。女の子同士なのに私までドキドキしちゃう」
ナガミミ「う、うぅ……」
ミオ「ほら、腕どけないとよく見えないって、もう観念しようよナガミミちゃん」
ナガミミ「さ、さわんなっ! な、なんでこんな……オレサマは、コイツと……」
ミオ「え? なになに?」
ナガミミ「なんでもねえよ!やるならやれよ!さっさとしろよ!」 ミオ「いや、でも本気で嫌ならやめるよ?」
ナガミミ「あぁあああ!?」
ミオ「ナガミミちゃん、彼としたくないの? ほんとに?」
ナガミミ「おま、こ、ここまできてなにいって……」
ミオ「それはこっちの台詞だよ。ここまできたのになんで一番大事な台詞を言わないのかな」
ナガミミ「はぁ!? ふざけんな、だいたいコイツだって……」
ミオ「…………わぁ」
ナガミミ「うっ、嘘言ってんじゃねえよっ!お前なんかヤりたいだけだろが、オレサマはそんな……」
ミオ「…………」
ナガミミ「いや、その、確かにあの時は『これが最後ってワケじゃない』とか言ったけど……べ、別にそういう意味じゃなかったし……」
ナガミミ「うっ、だから……そんなのあの時わざわざ言わなくても、ってか……」
ナガミミ「ぅぅ……そりゃ、お前がVFDと戦ったことは……忘れるわけねーだろ……ずっと見てたし、いやっ、それはそういう意味……じゃないわけ、じゃないけど……」
ナガミミ「そ、そんな真顔で、言うなって……あぅ……」
ミオ「はい終わり!!!」
ナガミミ「うわぁ!?」 ミオ「もー、一応私もいるんだよ? そんなにずっとナガミミちゃんとお話ししてるのはさすがの私でも嫉妬しちゃうよ?」
ナガミミ「ふ、ふざけ……だいたい、お前がっ」
ミオ「ナガミミちゃんも、もういい加減にしなさいっ! 彼はちゃんと言ったんだから、ほらっ! ナガミミちゃんの番なんだよ!」
ナガミミ「だ、だからっ! お前はなんで、ここにいんだよ! 三人だぞ? わかってんのかコムスメ!」
ミオ「はぁ……さっきからコムスメコムスメ言ってるけどさ、ナガミミちゃん。何もわかってないなぁ」
ナガミミ「な、何がだよ……」
ミオ「私さ、どうしても納得いかないの。今の彼がおかれている状況が」
ナガミミ「それは……」
ミオ「ナガミミちゃんだって最初は思ったでしょ? 私、最初にきいたもん。 むなしくない? って」
ナガミミ「それ、オレサマと同じ……ってか、お前は……あ……」
ミオ「ううん、君は否定しなくていい! 私にはわかっちゃうもん! 私だってさみしいもん。 ノーデンス、アトランティス、エデン……皆離れ離れだし、別れの挨拶だってできてない」
ナガミミ「……」
ミオ「君だって寂しいでしょ? 私以上に、貴方は皆と絆を結んだはずだから……だから、大好きなあなたが少しでもそんな顔をしないように……」
ミオ「ナガミミちゃんとも、して、いいよ……?」
ナガミミ「ちょ、おい! 話が飛躍してねえか? コムスメ!?」 ミオ「それにね、ナガミミちゃん」
ナガミミ「な、なんだよ、急にニヤニヤした顔しやがって……」
ミオ「えっへへ、私は、もうしちゃってるんだよ? んー、っちゅ」
ナガミミ「なっ!?」
ミオ「だから、ナガミミちゃん? 早くしないとどんどん私におくれをとっちゃうよ。ね?」
ミオ「キ ム ス メ ちゃん♪」
ナガミミ「っ!」
ナガミミ「〜〜〜ッ!?」
ナガミミ「こ、こここ、こ、ここ……うごごご……」
ミオ(面白い顔だなぁ)
ナガミミ「て、てめぇ!! この、クソエロガッパ! ヤリチン! ロリコン!」
ミオ「そんなことないよ。彼だって私以外の女の子とするのは初めてなはずだよ。ねぇ? それに私はオトナだよ」
ナガミミ「そ、そうじゃなくて、このっ、このっ、このこのこのっ!」 ミオ「違うでしょ、ほーら。ね?」
ナガミミ「うっ……」
ミオ「……」
ナガミミ「…………」
ミオ「…………」
ナガミミ「オ……オレサマも、まぁ……」
ミオ「うんうん」
ナガミミ「嫌いじゃ、ないかなぁ……って感じで……まぁ、その……スキデス……」
ミオ「よくいえましたー」
ナガミミ「うぅぅ……」
ミオ「さ、皆でいっしょに、楽しくしよう……?」
ナガミミ「ぅぁ……」 ミオ「ほら、力抜かないと痛いって、ね……」
ナガミミ「あぅ……」
ミオ「うん、よさそうだよ。お願い……」
ナガミミ「う、ぐっ……!?」
ミオ「あ〜、一気にやっちゃったほうがかえって痛みが長引かないかも。遠慮しない方がいいよ?」
ナガミミ「うあ、てめ……いぐっ」
ミオ「大丈夫だよ、ほら気持ちいい気持ちいい……」
ナガミミ「ふざっ、けん……あうううっ」
ミオ「ほら、顔隠さないでよ。ナガミミちゃんがしっかりしないと彼も傷ついちゃうよ」
ナガミミ「う、っく……お、おもっだよりいだくじゃい……」
ミオ「あ、あははっ、そんな涙目になりながらいっても説得力ないよぉ。でも彼を気遣うナガミミちゃんすっごくかわいいよ?」
ナガミミ「うっせえ! このビッチがっ……うっ……」
ミオ「えへへ、そうだね。でもこれでナガミミちゃんも同類だね? 彼専用のビッチだね」
ナガミミ「お、俺様は……こいつが……」
ミオ「うんわかってる。彼の望みにこたえたかったんだよね。私もいっしょだよ。ほら」
ナガミミ「ひあっ!? い、いきなり動かすなって……」 ミオ「うーん、やっぱ余裕ないなあ。私も手伝うね」
ナガミミ「うぅ!? ちょっ、お前は赤ちゃんかって、うひああぁ」
ミオ「少しはいはみやわらぐはなぁ……じゅるっ、君は反対をお願い」
ナガミミ「うううう、そ、そんな顔しながら吸うな! ってか、こっちみんなって!!」
ミオ「あはは、楽しんでね?」
ナガミミ「うぐっ……こ、こーゆーの初めてなんだからな……だ、大事に扱えよ……って、なんかこんなセリフ、前にも言った気がするな……」
ミオ「じゅ、……ずりゅりゅっ、むぅ、私に分かんないおはなししないでよぉ。もしかして前の世界で二人でなんかしたの?」
ナガミミ「なんかって! あの時は人間じゃ、ひああっ! な、なかったし……こ、こーゆーことはしてな……ひゃぅ!」
ミオ「ふふふ……動かしてもよさそうだね」
ナガミミ「う、が……あぁ! あ、あぁ……あぅあああ!」
ミオ「えへへ、おめでと? ちょっと痛みは残ってるかもしれないけど、少しはよくなってくれてるかな?」
ナガミミ「うあ、あぁ、ひあああ、あぁ、うぁああ」 ミオ「……むぅ、聞こえてないなぁ。なら私は……君とキスしてよっ」
ナガミミ「ん、うう、ミ……おま、ああうあああ!」
ミオ「ん、くっ……んちゅっ、あ、そういえばナガミミちゃん、彼とキスしてなかったっけ……見せつけちゃった?」
ナガミミ「ふざ、うううあああ、あああ、だめっ、う、あああ……」
ミオ「え? もしかしてもうイきそう? ナガミミちゃん才能あるんじゃない?」
ナガミミ「ぜったいちがっ……そ、そうだ、お前! お前のせいで、こんな体になっ……ひああっ! お前、あの時何をのぞ……」
ミオ「あー……なるほどね」
ナガミミ「う、うあああっ、ちょっと、やめっ……だめ、こわいって……ひうあああ」
ミオ「大丈夫、すっごく気持ちよくなるだけだって。そのまま彼とのつながりを楽しんで。私はこっちを……んくっ」
ナガミミ「う、うあ、あ……」
ミオ「んちゅ、ちゅっ……じゅる、えろ……あー……」
ナガミミ「うああああああああっ!!」
ミオ「……ふふっ」 ナガミミ「はぁっ、はぁ……ぜぇ、はぁっ……」
ミオ「……すごい、すごいよナガミミちゃん。全身こんなになっちゃってて……」
ナガミミ「ふあっ、ああ……ひあ……」
ミオ「やっぱり才能あるんだよ。ナガミミちゃんは立派な変態さんだね」
ナガミミ「ち、ちがっ……はぁっ……ちがうって……」
ミオ「違くない違くない。ほら、今度はナガミミちゃんが彼をいかせてあげないと。自分だけ満足してちゃだめでしょ」
ナガミミ「ひっ、やめっ、ばかっ! うごかすなっ……」
ミオ「はい、よいしょっと……」
ナガミミ「うあああっ! あぁっ……」
ミオ「えへへ、いった直後だからやっぱり大変かな? ほら、ここに手をあててバランスとって」
ナガミミ「う、うぅっ……あぅっ、う、腕が、ふるえ……」
ミオ「大丈夫だよ。後ろに私いるし。ほら。腰うごかして」
ナガミミ「う、動かすなんて。む、むりぃいい!? ば、お前さわ、あひゃあ!?」 ミオ「ふふふ、私の時もそんな感じでしゃぶりついてたけど、君は小さめの胸の方がすきなのかな?」
ナガミミ「ふ、ざっけんな……この、ろ、ロリ……うあっ、ああぁ!」
ミオ「ナガミミちゃんも人の事いえないよ? 何そのこしづかい。すっごくいやらしいよ」
ナガミミ「お、オレ……別に、うごかして、ないって……」
ミオ「そ? 自覚がないって、こわいなぁ」
ナガミミ「う、うあぁあ……あぅあああ」
ミオ「ちょっとやけちゃうなぁ。私の時、彼はこんな表情してくれてたっけ?」
ナガミミ「うっ、この変態……がっ、へ、変な顔すんなって……あはぁっ」
ミオ「だからそんなニヤニヤしながらいっても、説得力ないってば、ほら」
ナガミミ「に、ニヤ、して……あぐぅ、も、もうげんかっ……」
ミオ「ん、大丈夫。そろそろだと思うから、はい……」
ナガミミ「う、うあああっ、あああああっ!!」
ナガミミ「あ、あぁ、あ……うっ……」 ミオ「あ、あれ?」
ナガミミ「…………う、うぅ」
ミオ「ちょ、大丈夫? 急にぐったりして……あ」
ナガミミ「……」
ミオ「失神しちゃってる」
ミオ「……えへへ、ちょっとやりすぎちゃったのかな?」
ミオ「うん、大丈夫。いったんぬくね」
ミオ「よいしょっと……」
ミオ「どう? 満足できた?」
ミオ「ふふふっ、やっぱナガミミちゃんを呼んでよかった」
ミオ「その表情がみたかったんだよ、ふふふっ……」
ミオ「私? 大丈夫だよ。 貴方がダレとセックスしても、貴方は私のものだもん……」
ミオ「ふふふ、それに、ね……」
ミオ「私、ナガミミちゃんのことも……だぁい、好き……なんだよ……」 ミオ「じゃ、今度は……」
ミオ「私と、しよ……? もっともっと、気持ちよくしてあげるから……」
ミオ「…………」
〜〜〜〜一週間後〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナガミミ「…………」
ミオ「うーん、いい眺め! やっぱナガミミちゃんはすごいね。さすがだよこんな場所貸切にできちゃうなんて」
ナガミミ「……ぅ」
ミオ「13班の皆はこんなところで暮らしてたんだね。どぉ、君もちょっと懐かしい感じ?」
ナガミミ「あ、あぁ……」
ミオ「ふふっ、ちゃんとベッドもあるね。そりゃそうだよね。ここで暮らしてたんだから」
ナガミミ「おい、お前……そ、それにミオ……」
ミオ「うん分かってるよ。はりきって今日のお茶会のお料理用意しちゃったから」
ナガミミ「ちがっ、ぅあ……もぅ……は、はや……」
ミオ「えへへへへ……ねぇ?これから先は、ずっとさ……」
ナガミミ「う、ぁああ……あぁ……」
ミオ「私、貴方の『願った世界』、つくってあげるからね……?」
おわり。 終了っす。
明るくコミカルにしようと思ったらいつのまにかミオが若干ヤンデレ化しちまった。
苦手だったらごめんねw >>200
GJ!
本当にGJ!
しかしこのスレ人少なすぎないか?
書け書け言っておいて書いてもらったら放置はヤバイと思うんだ
職人がやる気なくして逃げるぞ >>200
遅レスだが不動16乙 ヤンデレミオちゃんと純情ナガミミいいぞ^〜
関係ないけど何故過疎ってるんだココア… ナガミミ様のエロなんて発売前は想像もしなかったな… サントラやっと買えたー。
なのでナナドラ熱が燃え盛っておる。エロパロとは別方面だが。 「よう待ってたぜ。」
ノーデンス社・本館RF...スカイラウンジ。
東京の夜景が見渡せ大人の雰囲気漂うこの空間、今夜もひと時の安らぎを求めて様々な者達が集う。
人間だけで無く何故か猫までも...営業妨害どころか猫と戯れる事目当てで訪れる者も。ネコカフェなら別にあるのだが...
様々と表したが本質はホテル最上階のレストラン&バーに近い、なので未成年は残念ながら立ち入る事は出来ない。
「ごめんね、ちょっと遅れちゃって。」
「別に構わねーよ、ホラッさっさと座りやがれ。」
なのだがどう見ても未成年の少女が二人カウンター席に座り込んだ。
雰囲気から考えれば浮いてるかもしれないが、この二人は常連なのでマスターも他の客も表情を変える事無く受け入れている。
一人は白を基調としたブレザーにミニスカート、緑のニーソックスやリボンを組み合わせ清涼感溢れる色合い。
ショートからボブの中間辺りの黒髪、やや太い眉が凛々しく「おっぱいの付いたイケメン」とよく言われる。
名は「ヤイバ」
過去、現代、未来を超えドラゴンとの因果に決着をつけた存在。
彼女が新たなる世界を再構築し、彼女が願った世界が創造された。
双刀のサムライとして戦い抜いたが今では身体能力が優れているだけの少女、もう獲物を握る事はありえない、ドラゴンと戦う事は無くなったのだから。
ヤイバがサムライであった事実を知っているのは極僅か。
「只のゲーム会社になったと思いきや...ジュリエッタはタイムマシンに掛かりっきりだし、他の奴も最近残業しまくってるしでま〜たブラックになるんじゃねぇのか?フヒヒヒ...」
小さなシルクハットは何故落ちないのか?、ゴシックな服装は紫と黒をメインとし、ツインテールで象った金髪。
翠の瞳とのコントラストが文字通り「お人形さんみたい」で素晴らしいが、大体が生意気で気だるそうな表情、まず毒が飛んでくる。
ノーデンス社の制服(?)だから一応着ているだけらしいが、案外気に入っているらしいし何よりも似合う。
名は「ナガミミ」
ウサギの様なぬいぐるみの姿をした奇妙な生命体、ドラゴンに滅ぼされた何処かの文明の記憶が集まった思念体らしいが、本人もよく分かっていない。
生き残りたい意志の残りカス、竜を狩る者の導き手としてヤイバが所属していた『13班』のナビゲーターとして共に戦いぬいた存在。
抱き枕にも等しい外見であったが、ヤイバが世界を再構築した際に少女の身体となって現れた。
性別など無かったらしいが今の世界ではれっきとした女の子、ヤイバの強い願いが反映された姿らしいが...
「戦いが終わって一ヶ月、テメェの活躍を覚えている奴なんざオレとコムスメくらいってな。...寂しいか?英雄として称えられる可能性もあった13班のリーダーが今では社員に過ぎねぇからな。」
ヤイバの身長が160近くだとすれば、ナガミミの身長は130後半。
実年齢で言えば成人など遥か昔に突破しているが、この外見ではどうみたって未成年。
なのだが成人済みとして受付役やら案内役など、ノーデンスに欠かせない社員として日々を過ごしている。
あーだこーだ愚痴は絶えないし、人間の少女になろうが強烈な憎まれ口は全く変わってない。それでもこの場に居るのはちゃんとした理由があるから。 「...寂しくないって言えば嘘になるかな...ずっと戦って来た仲間が皆居なくなって私だけ生き残った感じになっちゃって。」
ナガミミ曰く「世界の何処かに存在しているかもしれねぇ」らしいが、それが本当なのか気を使ってくれただけなのかは分からない。
ドラゴンに関する存在であるアリー・チカ・リッカ・ユウマも消えてしまい、アトランティスやエデンの皆がどうなったのかも不明。だがドラゴンが居ない世界で幸せに過ごしているのだと願う。
現社長であるジュリエッタ、ナグモ博士等は薄っすらと『何か』を覚えているらしいが完全に思い出すことは無い。そういう世界となったのだから。
ドラゴンが居た世界を知っているor覚えているのはヤイバ、ナガミミ、そしてミオだけだ。
確かにドラゴンに怯える事も無く戦う事も無くなった平和な世界となったが、ヤイバの心には穴が空いたかの如く大事な物が抜け落ちた。
あれだけ一緒に戦って助け合ってきた仲間が居なくなってしまったのだから、ミオと再開出来た喜びと同時に悲しさまで。
新入社員として悲しさを紛らわすように働いていたが、共に戦っていたナガミミにはヤイバの心境は丸分かりな訳で...暫くは悲しい想いは残るだろう。
「だからよぉ、消えたんじゃなくてこの世界のどっかには存在すっかも知れねぇだろっ!もう会えなくなった訳じゃねぇんだ、テメェのヘタれた顔見てっとムカつくから止めやがれっ!今夜はオレ様が付き合ってやんだから失礼だと思わねーのかよ!?」
「フフッ、ありがとうナガミミ...私の事を思って誘ってくれたんだよね?んっ...そうだよね、記憶を失って何処かには居るかもしれないし、ナガミミは隣に居てくれるから...寂しくないよね!」
「バッッ!?触んじゃねーよっ!!?」
シルクハットの反対側を撫でると、足が床に届いてないにも関わらず椅子ごと後ずさる謎移動。
少しでも気を紛らわせる為に、励ます為に誘ってくれたのだから変な表情をしてられない、今はナガミミと夜を楽しみたい。
そう...会いたい意志があるのだからもう一度...何時になるかは分からないが絶対に会いたいと信じれば何処かに居る仲間達と。
再構築されても覚えていてくれた大事な存在が二人も居るじゃないか、自分は一人になった訳じゃないんだ。
「ナガミミってホント可愛いね、抱きしめたくなっちゃうよ?」
「〜〜〜っ!!バカヤローッ!!み、み、店ン中で突然ナニ言ってんだテメーは!!他の客共がオレ達に注目してんだろーがっ!!大体この姿になったのはテメェが原因なんだかんなっ!!このクソロリコン野郎がっ!!」
ヤイバが願ったから少女の姿となった、再構築世界のナガミミ。
まさかこんな事になるとは思って無かったし、可愛いねとか声掛けされた時はドスケベと罵ってやったが、ヤイバは嬉しそうだったのでちょっと引いた。
ヤイバはモテる、おっぱいが付いたイケメンなので当然か。
そのモテっぷりは尋常じゃなく13班のメンバーどころか、女王様・オネェ・双子の少女・12歳の人造人間・イカツイ軍人から謎のヒーローまで。
異性から同姓、100歳以上から12歳まで幅広くデートした事実をナガミミは知っている。
人類は死ぬ寸前だった状況だから仕方ないのだが、人々がやけに積極的なのは「そういう意味」なのだろう、生き者としての本能か?
守備範囲が広すぎるがどれも大切な人・仲間としてらしいのでデートとは言っても一線だけは越えてないハズ。
だが特にミオとのデート回数は異常に多かった、ここから導き出したナガミミの答えは一つ。
ヤイバは小さな女の娘が好きだと言う事を。
「前から思ってたけど私は女だから"クソ野郎"じゃなくて"クソアマ"だよ?」
「あっ、そうか...って、違うだろっ!!お前の変態性癖をオレは知ってんだからなっ!そーいう趣味だからオレをこんな格好にしやがったんだろ?ああっ!?」
「声が大きいよナガミミ...まぁその話は一先ず置いといて、とりあえず飲んだり食べたりしようよ?ナガミミとデートするの楽しみで朝から何も食べてないんだ。」
「お、おいテメェなに話逸らしてんだよっ!つーかデートって...はぁ、いいけどよ...今夜は説教する為に呼び出したんじゃねーし。その話は今度たっぷり追求させて貰うぜフヒヒヒ...」 マズイと思ったのか、人目が多かったからなのか、強引に話を切り上げ飲み物を注文する元サムライ。
如何に救世主といえど未成年なのでお酒は飲めない、なので烏龍茶なのは仕方ない。
悲しみを紛らわす為自分から呼び出したのに、ギャアギャア喚けば本題からズレるし店の迷惑にもなる。
気になる事は多いが一先ず見逃してやろう...ナガミミも飲み物を注文するのだが、
「んじゃあ"ニアラ"ってカクテルを頼むぜオヤジ。」
「えっ...お酒は止めといた方がいいんじゃない?」
カクテル名を見れば"フォーマルハウト"だの"ヘイズ"だの"アイオト"だの、どっかで聞いた事ある様な物ばかり。
マスター曰く謎の電波を受信してインスピレーションが湧いた自信作らしく、会社のみならず東京全土で評価は高いのだがナガミミがお酒を飲むのは初めてだ。
どっからどう見ても幼い少女だが一応成人済みになっているので、飲めると言えば飲めるが...
「んだよ、今までのオレ様は人間の食いモンを納めるって概念が無かったからな。こんな姿にされちまったんだから利用しねぇと損だろうが?どーって事ねぇよこれくらい。」
趣味の悪い...いや、黄金色がとても綺麗でありつつも、左側のみやや電流の様な物が迸るカクテル:ニアラ。
プラズマが口で弾ける美味しさらしいが、未成年のヤイバはイマイチ凄みが理解できてない。飲みたいけれど流石に。
そもそもラウンジ自体社員だから特例で利用できているので本来は立ち入り禁止である。
「へー、噂通り美味そうな見た目じゃねぇか!味の方はどうかなっと...ゴク...ゴクッ...ングッ...プアッ...ハッ...」
叫んだから喉が渇いたのか、そんなに美味しいのか一気飲み。初めてのカクテルなのに。
ヤイバの視線は蠢く喉元と満足げでありながら、トロンとし色気が交じった目元のナガミミ。
「...はっはぁー...酒とか全然大したことねー...じゃ...ねーか...クァハ...クァハ...がふぅ...」
「ナッ、ナガミミー!!?」
あの「トロン」は酔いが回ってきたからか、それにしては速過ぎる。
何処かで聞いた事ある奇妙な声を上げながらテーブルに突っ伏したゴスロリ少女、まだ10分も経ってないのにこの有様。
アルコール度数自体決して高かった訳じゃないが早々にノックダウン、一気飲みは危険だから止めさせようとしたが見惚れてしまっていたので出来なかった自分の責任もある。
これじゃ食事どころじゃないので、マスターに謝罪しながら料金を支払い退散。サムライとしての能力は失ったが身体能力はS級なので人間一人持つ事くらい訳無い。
そうでなくともナガミミが異常に軽い、小さな女の娘になったとはいえ軽すぎる。
(ちゃんとご飯食べてるのかなぁ?まだ物を食べるって言うのに慣れてないとは言ってたけど。)
ゴスロリ少女をお姫様だっこするイケメン少女。
向かう場所は... ...んっ...あ?
ここはアイツの部屋、13班の連中が使用してたレストルームか?
っ...頭いってぇ...そうか、オレ様はカクテルを飲んでぶっ倒れちまったのか。
クソがっ!もう絶対あんな悪趣味金ピカなんざ口にしねぇ!これだから人間の身体ってのは...
それよりも悪い事したな、オレから呼んでおいて先に倒れちまうなんざぁ。
あー、そうだそうだ、アイツは何処へ行
「………」
白い衣服の胸元、さらに見上げれば頬を染めたヤイバの顔。
片手を腰に回され肘を付きながらコチラを見ている、もしかしてずっと...?
「おはようナガミミ、まだ夜中だけどね♪」
「っ!?っ"!?ちょっ!!おまっ...!!」
二人だけの空間で有無を言わさず抱きしめられた。
数十秒間、何がどうなっているのか理解不能状態だったが小柄すぎる自分は、すっぽりヤイバの身体の中に納まってしまっている。
「はっ、離しやがれっ!!手付きがいやらしいんだよテメェんっ"!?はぁ...んっ...」
「ナガミミ...」
「ひっ...なっ、なんだよ...」
明らかに普通ではない。
ヤイバの表情は真剣でありながら熱を帯びており、その視線はまるで...
突然すぎる展開に流石の毒舌少女も面食らってしまいビビるが、恐怖ではなく自分に向けられている表情が真剣過ぎるからであり。
「ハッキリ言ってチャンスだと思ったんだ、ナガミミがお酒飲んで倒れちゃったの。だから二人っきりになれるレストルームに連れ込んで...悪いと思うけど我慢できないの...」
「馬鹿ッ!キャッ...く、首触んじゃねーよクソアマぁ!なに発情してやがんだ死ねっ!!」
暴れたり殴ろうとする素振りを見せるが、ヤイバは全く怯んでくれず首筋に手を触れられる。
不覚にも身体がビクンッと反応し、物凄く可愛らしい女の声が出てしまったがバッチリ聴かれてしまっているだろう。
「再構築の際、オレ様を人間のメスに変化させやがった程に重症だからなテメェは!どーせ小さいメスなら誰だっていいんだろっ!?変態っ!変態っ!変態っ!!」
「違うっ...違うよっ!」
誰でもいいなんてありえない、だって自分は 「私はずっと前からナガミミの事が好きだよ、ウサギのぬいぐるみっぽい姿してたあの時から...ずっと...」
「...はっ...はぁ...っ!?意味わかんねぇ...よ...」
今では女の娘だが、あのぬいぐるみの様な姿をしていた時は性別などなかった。
敢えて言うなら性別:ナガミミだ、そういう概念の無い存在だったのだから。少なくとも人外であった時から好意を持たれていたのか?
「ナガミミはなんだかんだ言って...ずっと一緒に居てくれた、仲間以上の気持ちになるのは早かったよ?状況が状況だったから言いそびれてたし言える雰囲気でもなかったけど...」
顔を下にズラしナガミミと目線を合わせる。
自分の顔は凄く赤らめているだろうが、目の前の少女の方が絶対に赤くなっている。心なしかツインテールまで硬直して。
「にっ!人間じゃなくても良いのかよテメェは...やっぱ変」
「違うっ!誤魔化さないでよナガミミッ!そういう事を言いたいんじゃないよ!姿が変わっても変わらなくてもナガミミ自体が好きなのっ...!!」
「ばっ、馬鹿っ!近けぇんだよ!コッチ来んな離せっ"!?んっ!...んぅ、ちゅ、ちゅっ、ふっ...」
ずっと昔にした事あるのかもしれない、それとも今の今までした事無かったのかもしれない。分からない。
一つ言えるのは、この身体になって初めてのキスだという事だ。
まさか告白されてキスをする羽目になるとは、思っても考えてもみなかった。
頭の何処かでは冷静な自分が状況把握するが、大半の部位が『初めてのキス』という事実に麻痺しておりヤイバのされるがまま。
全身が蕩けてしまいそうで瞼が落ち行く、普段の強気な表情とはうって変わったしまりの無い顔になっている事だろう。
鏡を見たかのように勝手に刻まれた光景に、内側から徐々に昇ってくる想い...そして興奮してしまっている自分が判明し、また興奮の繰り返し。
それくらいに長いキスだと感じたが、実際は3分あるか無いか。そんな事も分からない程であった。
「...ぷっ...ぁ...可愛いよナガミミ...好き...」
「ひゅあっ...なに言って...ふざけんっ...死ねっ...馬鹿...ドスケベ...ロリコン...」
「そんな顔で言われても説得力の欠片も無いよ?ナガミミだって自分からキスし易い様に顔動かしてたのに?」
「ひひゃっ...!?かっ、勝手な事ほざくんじゃねぇ...!!つーか了承も無しでキ、キ、キ!キスしやがるとはどーいう事だっ!!」
「嫌だったら抵抗すればよかったのに、舌を噛んだり殴ったりとか出来たハズだよ。しないって事はOKだって受け取っちゃうけど...」
確かに...噛み千切ってやるくらいの理性は何処かに残っていたハズなのにしなかった。
何時もの自分は抵抗しようと指示を出すが、内に秘めていたもう一人の自分は「抵抗するな、素直になれ」と指示を出す。
どちらに従ったのかと言えば後者、抵抗どころかキスを受け入れやすくしていたなんて。
「そ、それはっ...だ、大体テメェにはコムスメが居るじゃねーか!そっちはどーすんだよっ!」
世界が再構築されてから、ミオとヤイバがオフの日は毎回デートで外出。
もはや友達の域をとっくに超えており、父親のヨリトモですら「幸せにしろ」以外の言葉が出なくなってしまっているらしい。
ヤイバは小さな少女が好きである。それでも女×女同士なので一線は越えない...と、言いたいところだが 「大丈夫だよ、ミオはナガミミとも一緒に三人で楽しくしたいって言ってくれたから。」
「...って、オイッ!?そっ、それどーいう意味だよっ...」
「どういう意味って..."そういう意味"だよ♪」
知らない場所で一線を越えてしまっていたらしい。ヤイバはミオを大人にしたのだ。
戦闘では双刀だがコッチは一刀(男よりも女の娘が好き的な意味で)
流石にそこまでは行かないだろうと思っていたが甘かった、もう『コムスメ』とは言えないかも。
「うわあああ"っ"!!マジモンの変態だあああ"っ"ー!!14歳に手を出すなよクソロリコンっ!!訴えてやるっ!!」
「でもミオは合意してくれてるし、再構築の際に女同士が堂々と結婚出来たりする世界にすればよかったなぁって、今になって思ったり思わなかったりだよ。」
「こ、コイツ...真正だ、こんな奴に世界は救われたのか...泣きてぇよ...オレも女の身体になるしでよぉ...はっ!?あぁ"っ"!!」
気を緩めた瞬間スカートの中にヤイバの右手が潜り込む。
タイツで硬くガードしてあるが滲み出ているモノは隠せていない。
「キス...気持ちよかったんでしょ?キスだけでこんなに濡らしちゃうってエッチだね。」
「なっ、何しやがんだ変態ッ!気持ちよかっただぁ!?下手くそ過ぎて哀れんでひぁ"!?やっ、馬鹿っ!やめっ...」
「さっきから口だけは抵抗するけど身体は全然動いてないよ?」
口では馬鹿だの変態だの罵っているが、身体だけは抵抗する事無く素直に快楽を受け入れてしまっている。
期待してしまっている...ヤイバとナニかをする事を。
ぬいぐるみの姿であればそんな事は出来なかったが、今の姿なら可能だ。
そういう意味も含めてヤイバはこの姿を願ったのだろうか?
地球外の思念体としてではなく、一人の存在として傍に。
「自分で弄った事...ある?」
「んはぁ"っ!?あ、ある訳...ねーだろっ!思った事もねーよっ!」
「じゃあ初めてなんだね、もしかしてキスも?」
何をしようがもう無理なんだなと。
ヤイバはその気だし自分も期待してしまっているしでドキドキは高まる。
好きだという言葉に偽りは無い、本気で自分を好きだから友達以上の関係になりたいと、一緒に気持ち良い事したいと瞳で訴え大事な部分を弄られてしまっている。
女同士でこんな事...でもヤイバとなら別にいいかもしれない。
中指で筋を擦られれば、ナガミミ様とは思えない甘ったるい声を上げてしまい性器から全身に快感が響く。
指一本でこの有様、自分はこんなスケベな身体だったのか?それともヤイバにして貰っているから嬉しくてこうなっているのか?
そうだ、恥ずかしいから隠していたけど自分だってずっとヤイバの事が... 「...くっ...クソッ...!あーそうだよっ!ファーストキスをテメェに奪われたんだよっ!責任取りやがれーー!!」
狩る者としてだけでなく一つの存在として、ナガミミにとって特別な存在。
今の身体となってからハッキリと、ヤイバの事が好きなのだと理解できた。
「ッ、ッ...ナガミミの初めてを私がっ...やったぁ!うんっ!責任取らせて貰うね!幸せにするから!」
「幸せにするって何を言って...」
「私頑張るよ、女と女が堂々と付き合ったり結婚したり出来る日本にする努力しちゃうから。私なら出来る気がするんだ、ナガミミとミオが居てくれれば。」
「なっ!なっ!なぁ...アワワワワ....ダメだコイツ...馬鹿でスケベでレズでロリコンで...アワワワワ...」
めちゃくちゃな事を大真面目に宣言しているのだから本当の馬鹿だ。
でもヤイバは竜を、帝竜を、真竜を、絶対の理であるVFDですら倒した存在。
無謀過ぎる運命と因果に抗い、幾千の願いと思いに答え、明日を創りだしてくれた意志のある者。
この意志があるのだから夢描く世界にしてしまうのも冗談に聞こえないだろう。
殆どの者がヤイバを忘れてしまった現在の世界で最初に出会ったのがナガミミ。
代表として感謝したがまだまだ、全然感謝しきれてない。
今では導く者でも何でもない一人の人間、ナガミミ。
「はっ、初めてなんだから...大事に扱えよ...?」
戦いは終わり一人の人間となったのだから、ちょっとくらいは素直になってやってもいいかもしれない、これ以上意地を張って"思念体のナガミミ"を保っても"人間のナガミミ"なのだから意味を成さない。
ヤイバに願われたのだから応じてやらん事も...本音だが口には出せない。
「ナガミミ...っ!可愛いっ!大好きっ!優しくするねっ...フフッ!」
「おまっ!?恥ずかし気もなくそんな事をド直球にぃん"っ"!?ふみゅっ、ふむぅ!んっ、んぢゅっ...」
ヤイバ自身この様な行為に慣れていないが、あまりそんな事を感じさせないのは情熱とイケメン度でカバーしているからだろう。
ナガミミは丸っきり経験がゼロなので流されるまま、口ではイヤイヤ言いつつも身体では拒否してないのだからOKのサイン。
少なくとも暫くは同じような状況となるだろうが何時まで持つやら、ナガミミが完全に素直になるのは想像出来ないから口の悪さは最後の砦か。
「聖域さえも〜♪深層さえも〜♪侵食されない意志をずっとずっと抱〜いて♪...ここがナガミミの聖域であり深層なんだよね?なんちゃって!」
何かの歌詞を口ずさみながら弄っているのは、ナガミミ自身一度も触った事のない秘部だ。
下着を掻い潜って生で弄られているのだから、こみ上げるのはこれまでの比ではない。
やっている事は大胆極まりないが力を入れず優しく、相手を労わる手付き。
「やぁん!優しくするって言ったばっかじゃねーかよぉ!ひぃんっ!はぁ...んっ!」
「力抜いて楽にして...ねっ?」 おっぱいの付いたイケメンという評価は伊達ではない。
女だけど男らしい眼差しに心音は高鳴るが絶対に聴かれてしまっている。
「テメェって奴はぁ...もうっ!あぁ、ダメぇ...じゃねぇけど...ダメだってぇ...はぁ、あふっ...」
そしてナガミミは押しに弱い、非常に弱い。
人間となった今もそれは変わらないようだが、本当に嫌だと思っていたら受け入れはしない。
「気持ちよさを必死で堪えてるナガミミ...エッチだよ...大好き...」
耳元でこんな事を呟かれてしまえば堕ちる他無い。ミオも同じような事をされたのだろうか。
「オレの顔見んじゃねぇぇ...馬鹿ぁ...」
ナガミミが何を言ってもヤイバにとっては興奮する材料にしかならない。
可愛くて愛おしくて、ミオと共に歩みたい女の娘。
「ナガミミって愛液の量が多いのかな?触れる度に出続けてホラッ、すっごくネバ付いて糸引いてる。」
「そんなモン見せるんじゃねぇ!!変態っ!!」
「私が変態なのは認めるけど、コレはナガミミの身体から出てきた物だよ?」
「あっ...あぅ...」
もしかして自分はヤイバに負けず劣らずの変態...なのか?
それともヤイバにして貰っているから感じている証拠を分泌し続けているのか?
...もういいや、考えるの面倒くせぇ...
好きな奴に全てを任せちまおう、口には出せないけど身体は抵抗出来ないワケだし。
毒されたどころかオレ様も、コイツ無しでは生きられなくなっちまったなぁ。まぁ...いいけどよ。
「ナガミミ、今私が触れてるのがクリトリス...女の娘がとっても気持ち良くなる場所の一つ、触るね?」
小さい女の身体でもちゃんと感じられるのだと、軽く上下されれば快感のあまりヤイバを強く抱きしめる。
少し触れられてこの有様なのだからこれ以上は...怖いけれどして欲しい矛盾な想い。
ヤイバも抱きしめ返してくれた事が嬉しい、以前の身体ならば出来なかっただろう行為が可能となったのだから、この身体も悪くない...かも。 「キスしよナガミミ。」
「ふぁ...んひゅ...ちゅふっ、はぁ、ちゅぷっ、てめぇぇ...好き勝手にぃ...」
「ちゃんと"ヤイバ"って呼んで...?」
そう言えば名前で呼んだことは一度たりとも無かった。
出会って当初はともかく、後半は照れ隠しやらも含まって相変わらず「テメェ」だの「お前」だの「13班」だの。
この期に及んで名を呼んだことがなかったなんて、とても申し訳無い気持ちがナガミミを襲うが、
「めんど...くせぇんだよ...ヤ、ヤイバ!...これで満足かよ...」
少しは素直になれたがこれが限界だ。恥ずかしくて死にたいけどヤイバが殺してくれない。
「っっ...嬉しくて嬉しくて...私の心の○○○が大一文字しちゃうよっ!!」
「き、気持ち悪いしツマラねぇんだよ!ば、馬鹿...さっさと続きしやがれっ...」
片腕ではクリトリス及び割れ目を、片腕では僅かな膨らみしか確認できない胸を、口ではキスを、両足同士は絡まって。
(ヤイバァ...オレもう...っ...)
ひねり出したのは声にならない声。ヤイバにとってはやる気と興奮を増すドーピング。
声になっていないが何を訴えているのか分かる、ミオも似たような状態になったのを確認しているから。
「いいよっ、ナガミミがイッちゃう瞬間見ててあげるから...」
毒を吐き続けたからか、Sっぽいセリフにゾクゾクしてしまう。
絶頂を迎えるのも怖いけどヤイバが居てくれるのならば大丈夫、怖いけど受け止めてくれるし隠さずエッチな自分を曝け出せる。
こんな自分を見せるのはヤイバだけ...が、今後はもう一人「コムスメだった奴」も増えるかもしれない。
「ひっ"!?来ちゃっ!ヤイバァ!!あっあぁ"っ"〜〜!!...ひっ...はぁ...ハァ...ぅ...オレ...」
「可愛かったよナガミミ...よしよし...」
初めての絶頂を経験し、だらしない表情で身を預ける少女を撫で上げるのも少女。
アソコから噴出した液がシーツを汚し、未だ痙攣している身体が快楽の凄まじさを物語る。
(あぁ...気持ち...良かったよぉ...ぁ...はぅ...)
幸い口パク状態であった為声には出してないが、ヤイバにはしっかりと伝わってしまっているのをナガミミは知らない。
これからも気持ち良い事を二人で、または三人で出来るのかと想像するとメスの身体も悪くないと同時に、アソコが疼いてしまう自分が居る事実を認めざるを得ない。
「ナガミミ?夜はまだ長いし今日は休日だよ?少し休んだらもっと気持ちのいい事しようね!次は私も...」
ヤイバのアソコも自分と同じくらい濡れている、人の事言えないじゃねぇか...
「...変態のヤイバを受け止められるのは、オレ様とコムスメくらいだろうからな。仕方ねぇからずっと...そのっ...一緒に居てやってもいいぜっ...?」
ナビとしてではなく、一人の人間としてこれからは共に進みたい。
もうドラゴンは存在しないのだからバチは当らないハズだ。 「ナッ、ナガミミッー!!可愛すぎーー!!いただきまーすっ!!」
「コラーッ!!まだ休ませあんっ!んひゅ...!?ぢゅっ、ぢゅるっ...んふっ...ぷぁ、舌入れやがってぇぇ...へんたいぃ...」
皆が居た証拠、あの時撮った集合写真は二人の行為を静かに見守る。
その隣に新たなる写真が飾られるのも時間の問題だ。 終わりです。
ヤイバ(サムライA)がイケメン過ぎて、ナガミミが可愛かったので書きました。 オッツオッツ
ヤイバちゃんはガン攻めの極みだと思う ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています