【何発でも】腹責め専門SS・その12【叩き込め】
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0001名無しさん@ピンキー2013/04/17(水) 00:41:08.99ID:B2dQvbNF
例えば、
◆強気な優等生娘がスケバングループに拉致されて腹を殴られて悶絶したり、
◆格闘娘が手足の自由を奪われて、鍛えぬいた6パックの腹を延々と殴られて腹責め拷問されたり、
◆憎い仇の子種を孕まされた女戦士が、切腹して自害したり、
◆悪の女幹部が、その黒い腹を正義の拳で断罪されたり

というような、腹パンチから切腹にわたる腹責めシチュSSのスレです。
オリジナル・二次問いません。

小説以外にも、腹責め系のネタなら大歓迎。(プロット投下など)


まとめサイト
ttp://thinker.web.fc2.com/index.html

腹責め専門SS避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1241429062/

前スレ
【何発でも】腹責め専門SS・その11【叩き込め】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1348582025/
【何発でも】腹責め専門SS・その10【叩き込め】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1334395803/
【何発でも】腹責め専門SS・その9【叩き込め】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1321531910/
【何発でも】腹責め専門SS・その8【叩き込め】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1303793228/
【何発でも】腹責め専門SS・その7【叩き込め】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1279806388/
【何発でも】腹責め専門SS・その6【叩き込め】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244442849/
【何発でも】腹責め専門SS・その5【叩き込め】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1229223999/
【ソフトでも】腹責め専門SS・その4【ハードでも】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1209903187/
【嘔吐】腹責め専門SS・その3【子宮潰し】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196431261/
【嘔吐】腹責め専門SS・その2【子宮潰し】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174024879/
腹責め専門SS
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150474532/
0760名無しさん@ピンキー2016/11/30(水) 13:07:34.00ID:489qUf+V
>>759
最近だとここで>>733-734あたりの書き込みがあったのが11/5

フォローはされたままでいるがある時期を境にぱったりといいねもリツイートもリプライも消えた。監視目的か他に穏やかではない理由があるのだろうと俺は思ってるがな。この際言っちゃうと。
このツイートが11/6

少なくともここ見てる可能性は高いように思える
0762名無しさん@ピンキー2016/11/30(水) 19:15:12.60ID:azbjrizM
嵐で糖質で薬物中毒者の基地外、確かに触らぬ神に祟りなしかもね
0763名無しさん@ピンキー2016/12/01(木) 00:19:53.72ID:wbUxU3Oz
本人か確定してないのにそういうのはやめようよ…
元々SSアップしてたんだからここ見ててもおかしくないでしょ
0764名無しさん@ピンキー2016/12/01(木) 08:11:57.62ID:pT8694Ax
「ちかげーッ いっけーッ!」

「やっちゃえみまるぅ! ほら、ソコ!!」


黄色い声援が交わる中心で、ボクと隣のクラスのみまるちゃんは
お互いに拳を交わしていた。

といっても、別に決闘ってワケじゃないよ?

去年入学したこの学校が少し「特殊」で、体育の授業にボクシング「のようなもの」を取り入れているってだけで
お陰でボク達は週に一回、こうしてクラスメイトと殴り合いをさせられてる。
学長曰く―。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」
「筋肉は裏切らない」
「肉体言語は世界共通」

なんていう脳ミソがお筋肉で出来てるようなヒトが作った私立高校だとわかっていたら
こんな所には入学しなかっただろう。
・・・うん。きっとしない。絶対しない。むしろ通報してた。

女子高生が殴り合いってだけでも、その筋の変態さんには眉唾モノなのだそうだけど(担任談。)
ココで行われている授業は更に特殊だ。


 ぼごぅぅ・・・

 「ッッ・・・ぐ。」


1R2分で、今は2R目。
その間、こうしてお腹に喰らったパンチは数えきれない。
腹筋には自信がある方だけど、こうも執拗にお腹ばかり狙われちゃぁね・・・
自慢の4つにうっすら割れたおなかは、たび重なる打撃にほんのりと赤みがかかってる。


 (けはッ・・・もぅ、なんで「おなかだけ」なのよぉ)


ぎちぎちとめり込もうとするグローブは、ボクシングの其れではなく
MMAで使われるようなオープンフィンガータイプのグローブだ。
そう、ボクたちがやってるこの授業では「おなか」以外を狙ってはいけない。
だからボクシング「のようなもの」―――ついた名前が「ボディ・ボクシング」
女子生徒の間では「腹ボク」やら「腹ボッコ」やらと呼ばれてる。
昔は総合格闘技のようだったこの授業も、生徒や保護者からの苦情でこういうスタイルに落ち着いたらしい。
0765名無しさん@ピンキー2016/12/01(木) 08:12:41.79ID:pT8694Ax
 ドッ、ドッ、ドスゥッ!

 「ッ・・・ふッ・・・ぅ・・・。」

 (なんで・・・授業そのものが無くならなかったのかな・・・げふ。)


恨み事をぼやいたって仕方が無い。
その間にもぼすぼすと、ボクのお腹にはパンチが打ち込まれている。
パンチ力と胸筋は比例するって先生が言ってたっけ・・・
確かに、みまるちゃんのパンチは見かけによらず重い。
確実に内臓を揺さぶってくる・・・。これがFカップの威力か。くそぅ。
ボクはマウスピースを噛みしめて必死にお腹の筋肉を硬直させて、耐えた。

ん?なんでお腹しか殴らないのに、マウスピースなんて加えてるのかって?

それは―――こーゆー事、だッ


 ――ずむッッ

 「う”っっ!? 〜〜〜〜げ、はッ」


みまるちゃんの肉付きのいいカラダの、丁度みぞおち辺りに
ボクの渾身のアッパーが吸い込まれた。
タイミングはドンピシャ。しっかり体重も乗せればボクのちっぱいが生み出すパンチでもしっかり、効く。
みまるちゃんの柔らかいお肉の感触をグローブ越しに感じていると
ずるずると彼女は崩れ落ちた。
かわいい口から零れたマウスピースには、数分間のお腹の打ち合いでたっぷり唾液がまとわりついてる。

・・・うん。確かにちょっと、エロいかも。

お腹を抱えて蹲ってしまった彼女に対して、レフェリー役の生徒はカウントを取らなかった。
このRで、みまるちゃんがマウスピースを吐き出したのがこれで3回目だからだ。
ボクはずくずくと痛むお腹をさすりながら、みまるちゃんの背中をさすってあげる。


 (ああ・・・苦しいよねそこ・・・ゴメンね。でも、これってお互い様だよね?)


げほげほとむせてる彼女を駆け寄ってきた彼女のクラスメイトに託し、ボクは簡易リングを後にした。
0767名無しさん@ピンキー2016/12/01(木) 13:07:17.96ID:xg4AfxNR
ランサー氏55氏降臨祈願age
0768名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 00:00:43.22ID:+z71SvSR
よかったよ乙!

ところで12月に入って規制強化された?
携帯から書き込めなくて焦ったよ。
0769名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 07:55:20.13ID:9DHY8p1k
さんくす。
実は続きあるんだ。もう少し御眼汚しさせてください。
0770名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 07:56:54.04ID:9DHY8p1k
 この「ボディ・ボクシング」なるものを競技として成立させている要素はいくつかある。
まず大前提として、勝敗要素。
10カウントでKOとなるのは普通のボクシングとかと一緒なのだけど、
そもそもお腹しか殴り合っちゃいけないのだ。なかなかボディだけでKOというのは例え素人の女子高生でも珍しい。
打たれるのがお腹ってわかってるんだから、いくらでもガードができちゃうんだもん。
そこで付け加えられたのが

1.ボディはガードしてはいけない
2.お腹を手で庇ったり、蹲るのもダウンとみなす

といった特別ルールだ。
その為、相手のパンチは全て己の腹筋のみで受けないといけない。
避けるのはアリらしいんだけど、そもそもボディブローって避けにくいんだよね。
ただこれが結構いい腹筋運動になってお陰で我が校の女子生徒のウェスト平均は全国でもトップらしい。
ほんとかどうかは、知らないけど。
でもグローブをつけたパンチってお腹の奥まで響いて内臓にダメージを与えやすいらしいから
結局のところ・・・総合的な「お腹のタフさ」を競っているのだと思う。
ほんと、地味なスポーツだと思う。TVで見る様なボクシングの華々しさはかけらも無いよ。
ただそれだと決着がつきにくい事がしばしばあったらしくて、

3.マウスピースを1Rで3回吐き出してしまったら、TKO

っていうルールが追加されて、今の形式になったらしい。
最初のうちは、おなか殴られてマウスピースなんて吐くのか疑心暗鬼だったのだけど
意外とボディを効かされてみると、ただでさえあのシリコン特有の・・・ぬぼっとした感触に
口の中いっぱいに溢れる唾液が混じってキモチ悪くてしかたなくなる。
それこそ授業を受けたての頃は、ボクもよく吐かされて負けてたっけ。
マウスピースを吐いてしまったらカウントが始まって、10カウントまでに自分で拾わなくちゃいけない。
一説だと、その為にブローブがオープンフィンガーになったのだとかなんとか・・・。


 「ちかげー、どうだった?」

 「ん? あー、へへへ。ぶいッ」
0771名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 07:57:31.27ID:9DHY8p1k
 「さっすがw ほんとタフだよねあんたww」


同じクラスの親友が体育座りしてるボクの隣に腰を降ろす。
ピースサインで勝利報告をすると、彼女は苦笑いをしながら自分のお腹をさすっていた。


 「なに、さっちょん負けちゃったの?」

 「だって、相手はあの矢城サンだよ・・・ちゃちゃっとボディ効いたフリしてマウスピースげぼってきたw」

 「・・・それバレたら補修確定だよ?」

 「だーいじょうぶだって、レフェリー役は小金井さんだから全然気付かれて・・・げほッ
 それに彼女とまともにやり合ってたら午後の授業もたないってw ッげふ、げふ。」


それにしては良くよく「えづく」彼女の顔は、よくみると青ざめてた。
ちょっと見せてと彼女のさするお腹を覗きこむと、そこには赤を通り越した紫色の斑点が3つ。
おへそに一つ、胃のあたりに一つ、最後の一つは両胸の下――みぞおち。


 「え、えへへ・・・ちょっとイイの・・・もらっちゃってサw いやあ効いたのなん・・・の・・・うっぷ」

 「・・・さっちょん。トイレ、付き合うよ。」

 「・・・・・・。ごめん。」


ボクは彼女に肩を貸し、体育館の通路にあるトイレまで連れて行った。
相当無理をしてたのか、女子トイレに入った矢先に彼女は朝ごはんをぶちまけた。


 (・・・・・・朝からお肉とか、重たいもの食べるからだよ)


背中をさすって介抱していたボクは冷静に嘔吐物を分析していた。
極めて、冷静だった。と思いたい。
きっそそうしてなければ、黒い感情に押しつぶされてしまうから―。
0772名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 07:58:58.69ID:9DHY8p1k
一通り吐き切った親友を保健室に送り届けて体育館に戻ると、体育の先生から呼びとめられた。


 「どこいってた真壁。」

 「あ。すみません、ちょっと新藤さんを保健室に。」

 「ん。なんだ新藤、吐いたのか? まぁ吐いたら吐いただけ強くなれる。心配すんな」


この女教師はどこか頭のネジというネジが一本といわず全部抜けてるんじゃないかとたまに思う。


 「・・・あの。普通は大丈夫だったか、とか。ないんですかね、教師として?」

 「こんな授業やってるんだ、吐いた倒れたなんざ日常茶飯事だろ? お前も散々それで打たれ強くなったんだし」


だからそれが異常な事なんだとつっこもうとした矢先、キチガイ女体育教師は複数ある簡易リングの一つを指差した。


 「真壁、ご指名だぞ。お前、もう一戦やってこいな?」


・・・。

ああ、今日の双子座の運勢は12位だってお母さん言ってたっけ。
0773名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 08:00:08.51ID:9DHY8p1k
広い体育館には全部で9つの簡易リングが生徒の手によってその日の授業の始めに作られる。
マット等は敷かずに、ポールを4本数メートル四方に設置されてる金具に突き刺し
ロープを張って完成だ。慣れるとバレーのコートを作る位の時間で仕上がる。
女子の体育は大抵2クラス合同で行われるが、人数の都合上、こうして複数のリングで試合が同時進行される。
そうでもしないと1時間半の間に捌ききれないからだ。

また、服装は体操着とはまた別に定められてる。
といってもその規定はただ一つ――

 「おなかが見える服装」

だ。胸から下はおヘソが見えるまで、おなかを出さなければいけない。
大抵の女子はスポーツブラやタンクトップを買って、下半身はジャージや半ズボンの裾を捲ってお腹を露出している。
もちろん周りは女子だけなのだから恥ずかしがる理由はないのだけど、それでも最初は抵抗があった。
中には服を忘れてブラと制服のスカートで授業を受けさせられた子も居たが、それに比べればマシだ。
どうしてお腹をわざわざ出さないといけないのか、一度キチガイ女教師に質問した事がある。


 「そりゃおまえ。その方が狙いやすいからに決まってるだろう?」


だ、そうだ。
まあお陰でかどうかは知らないけど、少なくともボクが入学して2年間、肋骨が折れたりだとか大きな怪我は耳にしてない。


 (・・・それでも、だったら冬場はせめて上下ジャージにしてよね)


お気に入りのスポーツブラに全校指定のハーフパンツ姿のボクは、しぶしぶリングインした。
目の前にいる対戦相手は、腕を組んで仁王立ちして待っていらっしゃった。
0774名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 08:00:29.17ID:9DHY8p1k
 「おっそい! せっかくさっさと済ませて時間を作ったのに・・・台無しじゃない!」


金髪ツインテールに形のいい胸(たぶん、ボクのそれより大きい)を黒のスポーツブラが包み込む。
下半身はスパッツなので全身のシルエットはくっきり出ていた。
ほんと、恥ずかしくないのかな・・・このヒトは。
ただ、自身あり気にさらけ出された彼女の肉体は
一言で表すなら洗練されていた。
くっきりと筋が浮かぶ腕やふとももは決して太くなく細くない。
なによりその腹部には、くっきりと縦横に区画整理でもされたかのようなコブが6つ。
正に映画にでも出てきそうなスタイルの持ち主。
―――それが矢城あかり。
嬢に嬢を重ねた、生粋のお嬢様。
ボクの親友を保健室送りにした、その人だった。
自然と、グローブの握りが強くなる。


 (ダメだダメだ、冷静に・・・冷静に・・・あくまで授業中なんだから・・・)


そう、あくまでもこれは体育の授業だ。
決闘なんかじゃない。復讐劇じゃない。
試合でもない。練習だ。


 「ラウンド、ワン・・・ファイッ!」


レフェリー役の生徒が開始の合図に手を降ろすと、ボクは両手を高く構えた。
0775名無しさん@ピンキー2016/12/02(金) 08:08:06.75ID:9DHY8p1k
だらだらとすまない。
でも肝心なシーンの前座って結構好きなんだ・・・。
0776名無しさん@ピンキー2016/12/03(土) 23:34:20.95ID:svGs15Al
乙!
前書きがあると物語に深みが出て、より楽しめると思います。
矢城さんの腹筋がパンチを跳ね返すのを期待してます。
これからの展開が楽しみです!
0777名無しさん@ピンキー2016/12/04(日) 03:10:58.00ID:DWHt3wqH
投稿乙
矢代さんが主人公を責める展開になりそうだけど、主人公が彼女の鍛えた腹筋とプライドを破壊する展開も是非見てみたい…
0778名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:35:28.49ID:TMiEnqo0
 ジリジリと構えたまま、距離を詰めるなんて事はこの授業においてマイナスでしかない。
打つ手が決まっているという事は、つまるところ射程距離が決まっているという事。
接近戦オンリー。息が届くほどの距離まで一気に詰めて、肉弾戦。


 ――ドッ!

 「・・・ッふ!」


距離を詰めた勢いを乗せてのボディフックを打ち込む。先手必勝というワケではないけど
ボクにしてはめずらしくアクティブなスタイルだ。
挨拶代わりにしては強めなパンチは、だがしかしお嬢様に息を短く吐かせるだけにとどまった。


 (・・・硬ったぁ。なんだよコレ・・・木の板かなにか埋め込んでるんじゃ・・・)


見た目通りの感触に、ぞっとする。
でも手を休めてる場合じゃない、硬いのがなんだ。所詮女の子のお腹じゃないか。


 ドシッ、バシンッ、ドフッ

 「ふッ、んッ、ふッッ」


腰の回転を効かせて、左・右・左とフックを見舞う。
しかしながら彼女の引き締った腹部にはさほどめり込む様子は無い。


 「・・・ふふ、やっぱり。さすがA組のエースだけあって、いいパンチね」


 「それは買いかぶり過ぎだよ。ボクなんかより強い子は他にもいっぱいいるし」


 「そうかしら?」


 「・・・おしゃべりは、拳でしよう?」
0779名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:35:57.52ID:TMiEnqo0
それもそうね、と。彼女は余裕ぶる。
正直、彼女―――矢城あかりとはなるべくなら当たりたくなかった。
だからこっちだってしゃべっている余裕なんてない。
先に打たせてくれたアドバンテージなんて、今の所これっぽっちも無い。


 (・・・・・・・・来るッ)


ボクは必死にお腹に力を入れる。
中学の頃は一応運動部だったし、お腹だって引き締ってる方だと思う。
この授業のお陰で薄っすらと割れ出したなけなしの腹筋は、しかしながら彼女の拳を
半分程も受け止めきれなかった。


 ――どむッッ!

 「ウッ・・・ッッッ!?」


腹・・・胃袋にモロ。ストマックだ。
体の奥からチャポンと音がして、息が詰まる。
上半身が意思に反してゆっくりと前屈みになってしまう。
これほどまでとは。ボクが彼女を相手にしたくない理由が、コレだ。


 「さ、さっすが・・・お嬢様。ボクシングやってるって噂、本当だったんだ?」


 「? ええ。ボクシングも嗜んでるわよ。」


聞き間違いであって欲しい。
これだから金持ちってヤツは。


 「どうしたの? まさか・・・一発で効いちゃったなんて事はないよ、ねッ!」


 ドゥフッッ!


 「お”ぅッ・・・は・・・」

 (ま、また・・・ストマック・・・入っ・・・)


洗練されたフォームからのキレイなボディアッパー。
さっきと寸分違わずボクのおヘソの少し上にめり込んだ・・・
完全に効かされたボクの口から、ぽろりとマウスピースが零れる。


 「ダウン! 1・・・2・・・3・・・」
0780名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:38:17.57ID:TMiEnqo0
ばかげてる・・・たった2発で、こんな。重い。重すぎる。
女の子のパンチじゃない。
そりゃぁ確かに2戦目だから少しはダメージが溜まってるっていうのはあるけど
それを差し引きしても、この破壊力。


 「・・・けほ。へへ、これでもちょっとは、おなかに自信あったんだけど、なぁ」


ひとりごちながら呼吸を整え、マウスピースを拾って咥える。
最初の内は床に落ちたものをまた口に入れるだなんて抵抗があったけど
そんな事は言ってられない。
彼女の強さは全校でも話題になってる。今年転校して以来、負け無しの女王。
ついた二つ名が「不落の城の女王」―――
そんな子からわざわざご指名を頂けるなんてとても光栄だと言いたい所だけど
あいにくと今口の中はよだれで一杯で、あまりしゃべる余裕もない。
レフェリーの再開の合図で再びボクは彼女のボディを狙う。


 ドッドッ、ドスッ・・・ドシィッ


 「〜〜〜〜ッッ、ふッく・・・ふふふ」


とにかくあの防壁を少しでも崩さないと。
どんなに強固な腹筋でも、ずっと力を込めてる事なんてできないハズ。
コンビネーションで手数を稼いで、呼吸を奪ってやる・・・
多少の被弾は根性で耐え―――


 どッぱん!

 「ッぶ・・・・・・!?」


先と違い、振り抜くようなパンチじゃぁない。
逆にコンパクトなジャブが、さっきと同じ場所に入る。
まったく見えなかった。


 どッ・・・どどぱンッ

 「ぶッ・ふぁ”・・・ッッ!?」


何発入った? 2発、いや3発?
波打つ自分のお腹を見て唖然としていると、じわりと奥深くに感じる息苦しさ。


 (ジャブなのに・・・おなかのなか・・・揺れて・・・)


 どッどッ・・・どどどッ・・・どどッ!

 「ふぶッ・・・ぐッ・・う”・・・ぶはッ・・・こ、のッ!」


遊ばれてる――完全に。きっと最初のダウンで相手の期待を裏切ったんだろう。
あったまにくるなぁ、そーゆー上から目線はッ
0781名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:38:42.17ID:TMiEnqo0
ボクはジャブの嵐の中、彼女の腹筋を削るべく一発一発ボディを返す。


 ・・・ドシッ

 「ッふ」

 どどどぷッ!

 「う”・・・ぶッ・・・」


1発撃てば倍以上返ってくるけど、かまわない。かまってられないッ


 ・・・ドスッバスッ

 「ふッ、んッ」

 どぽぽッ・・・どどどッ・・・どどッ

 「ぅぶ・・・ぶッふ・・・ぐッふぅぅ・・・!」


よだれが口から飛び散ってくのが見えるけど、これはボクのだ。
彼女は依然と眉ひとつ動かさない。まったく割りに合わない・・・
なら、これでどぉだ!


 ――ドゴゥッ!

 「ッ!?・・・・・・・ぅ」


ようやく嵐が止んだ。一瞬の静寂、彼女の顔が陰るのを見逃さない。
ボクのパンチは相変わらず彼女の6パックを貫けないでいたけれど
寸分違わずみぞおちにクリーンヒットしている。
どれだけ腹筋を鍛えても、人体の急所のひとつであるココは鍛えようがない。
そう授業で教わった。だから、もう一発―――


 ――ズンムッッ!!

 「かッ・・・は・・・」


効いてるっ! 彼女の眼が見開かれ、飛散した唾が球となってボクの顔に降り注いだ。
とどめのもう一発―――


 「すとぉーっぷ! 第1ラウンド終了だよ!!」


大きく振りかぶった所で、レフェリーの制止が入った。
0782名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:39:20.43ID:TMiEnqo0
 お腹の鈍痛を引きずってコーナーに戻ると、観戦していたクラスメイトが集まってきた。
セコンドなんてのは無いんだけど、生徒同士で意見交換は自由にしている風習がある。


 「すっごいよ、ちかげ! あの女王相手に1R耐えるなんてっ♪」

 「なに言ってんのよ、それどころかあと一歩でダウン奪えそうだったじゃんッ!!」


みんな口々に勝手な事言ってくれるよね。
こっちは蓄積したボディの苦しさで、それどころじゃないのに・・・。
呼吸を整えるだけで、精一杯。
でも・・・確かにあと一歩だった。手応えはあった。
十八番のみぞおちアッパーをしかも2連発だ。
効いて無ければ人間じゃないんじゃないかと思う。
ただこっちのダメージも深刻だ。ふとおなかを見る。
おへその1cmほど上に、ただ一点丸く赤い円が刻まれていた。


 「痛ッ・・・つ」


指で触れるとほんのり熱をおびており、激痛が走る。
恐るべき精確さにゴクリと唾を飲み込んだ。
もし、またここにあの強烈なボディブローをめりこまされたら・・・
想像するだけで吐き気がしてきた。
インターバルは1分。その間に少しでも息を整えて、少しでも内臓のダメージを和らげとかないと・・・


レフェリーの合図で、ボク達はまたお手製の簡易リングの中央で相対する。
打ち倒すべき相手は―――不敵に笑っていた。


 「ふふふ・・・びっくりしたわ。さっきのパンチ、久々に効いたわよ?」


 「・・・そりゃぁどうもw」


あのボディアッパーで蹲らなかった女子なんていなかったんだけどね・・・
なんて言葉は間違っても表に出さない。


 「だから悪いけど、このラウンド・・・本気でいかせてもらう事にしたの」


 「へへ・・・最初っからそうしなよ。矢城さんのパンチなんて効かないんだからサ」


あれで本気のパンチじゃないだって?
だめだ、その先を考えちゃだめだ。
心が折れる前に、ボクは本能的に精一杯強がった。
0783名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:40:04.69ID:TMiEnqo0
 「ラウンド、ツゥ・・・・・・・ファイッ!」


打たれる前に打つっ!
大きく振りかぶった渾身のストレートを、彼女の赤くなったみぞおちめがけてッ―――


 「あ・・・れ・・・?」


ブゥンと大きな音を立ててた拳は、虚空を突いていた。
―――彼女が、いない。
と、目を疑っていると不意にカラダの奥からの違和感。


 「あ・・・うッッぶ!?」


次いで、強烈な吐き気。
恐る恐る目線を下に送ると、そこには丁度おへそから腕が一本生えていた。


 (あ・・・この距離で・・・ダッキングして・・・ボ・・・ディ・・・に)


 げぶッ


吐き出しそうになるマウスピースをこらえ、よだれだけをだらしなくボタボタと零す。
ボクは彼女の腕にもたれかかるように身体をくの字に折り、
未だ引き抜かれない剛腕の味を、腸全体で味わっていた。


 「言ったでしょ・・・本気だってw」


 ぐりぐり・・・ぐちゅぅ・・・


 「ぅう”・・・え”ッ・・・」


ボクの背中に手を回し、突き込んだ拳を右へ左へ掻き回す。
その度に腸がおなかの中で動かされて、体の力が抜けていく・・・。
ほんの数秒の拷問がとても長く感じた。
やっと解放されたボクの体は、言う事を聞いてくれずよたよたとたたらを踏んだ。


 (やば・・・い。打ち返さな・・・きゃ)


振りかえったボクを待っていたのは、追い打ちの洗礼だった。
0784名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:41:27.15ID:TMiEnqo0
―――先ずは、横殴りのフックを1発。


 どぶッ

 「ぉうはッ・・・・!」


返す手でおなかの反対側にもう1発。


 ずむぅッ

 「うぐぶッッ・・!!」


必死に腹筋を締めてるつもりなのに、なんなく拳半分はめりこんでる。
極めつけは、ボディアッパー。


 ドンッ、ズボゥァ!!

 「うッ、ぶぅッッッ!!?」


しかもへそとストマックへのダブル・・・効く。飛び出ていきそうなマウスピースをぐっと堪えても、体が言う事を聞かない。
前のめりにボク上半身が落下する。
床がどんどん目前に迫る。
時間がゆっくり流れる。


ふと、さっちょんの背中をさすっていた光景が頭をよぎった。心配をかけまいと必死に強がっていた親友は、反吐まみれになっても
それでも涙を見せず、笑ってたっけ。


 ――――ドボォッ!!

 「!? ぐ・・・ふぁッ!?」


ボクの脚は寸前の所で地面を踏みしめていた。
そのままの勢いで体を起こし、掬い上げるように女王のみぞおちを射抜く。
弛緩しきったそのおなかにボクのグローブはまるまるめり込んでいた。


 「へ・・・へへ・・・隙ありぃ・・・ごふッ」


息も絶え絶えに撃ち込んだボディアッパーは、女王を一瞬浮遊させる。
信じられないといった表情が小気味いい。
重力に従って沈み込む彼女の上半身を、ボクは抱き止めた。正直、ボクもおなかの痛みで立っているのがやっとだ。


 「ほら、さっきの・・・お返しだよッ♪」

 ギュチ・・・ギチギチ・・・・ッ


めり込んだグローブをサディスティックに捻ると、革と皮膚とが擦れ合う独特の音色を奏でる。
ボクの肩越しからカハッと息が吐き出されるのを確認する。
0785名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:41:53.70ID:TMiEnqo0
この授業のミソは、如何に相手のパンチを耐えきるかっていう
いわばプロレスじみた所にあるとボクは思ってる。
どんなに強靭な耐久力をもったおなかでも、攻撃の終わりには必ず緩むタイミングがある。
そこを突けば、ボクにだって勝機はあるんだ。


 どむッッ

 「うぶぅッ!!」


一度引き抜いた拳を、再度彼女の腹に埋めた。
3度みぞおちを抉られた女王の腹筋は、なんなくボクのパンチを迎え入れてくれる。
そこには最早、形だけの6つの肉団子が痙攣しながら並んでいるだけだ。


 「げぅ・・・・こ・・・のぉ・・・調子に乗るなッ!」

 ずぶッ どっぼ どちぃッッ

 「ぶふッ んっぐぅ ぅうぶッ!? は・・・どうしたのサ、さっきよりパンチ・・・軽くなってる、ヨ!!」

 ドブッ! ぐりぐりぐり

 「ぉ・・・ッえ”・・・けほッ、けほ。い、今の貴女には、十分・・・よッ!」

 どぽぉッッ

 「う”ぅ〜〜〜〜ッ・・・ッげぶ。」


お互い抱き合ったまま、パンチをひたすら交互に打ちこむ。
背中にかかる相手の唾液に確かな手応えを感じる。
もちろん、こっちも腹筋なんてとっくの昔に効かなくなってる。
単純なガマン比べ―――テクニックなんて関係ない。根性のある方が、勝つ。

そのラウンドの残り時間全てを、ボクは内臓を痛め痛めつけられる事に費やした。
0786名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:42:18.43ID:TMiEnqo0
 「・・・バケ・・・ツ。」

コーナーに戻ったボクがクラスメイトにかろうじて発する事ができたのは、この一言が限界だった。
察しのいい女の子が、すぐさまバケツを差し出してくれる。


 「〜〜〜〜ぅげぇぇえぼッッ」

 びしゃびしゃびしゃッ―――


ボクはマウスピースを外す間も無く、そこへ胃の中のモノを思う存分吐き出した。
授業で吐くのは久々だ。喉がヒリヒリと辛い・・・。
でも、おかげでスッキリした。
息を整えようとしても、呼吸をするたびおなかが鈍痛を発する。
おなかはすでに至る所が赤紫に変色してる。
ここまで腹筋も内臓も痛めつけられたのは初めてかもしれない。


 (こりゃお昼ごはん、無理・・・かぁ)


お昼どころか、数日は何も胃が受け付けないかも。
ふと、背後からマウスピースを差し出された。
反吐まみれのバケツから掬い出し、きれいに拭われているボクのマウスピース。
―――さっちょんだった。
保健室から帰ってきたのか。
彼女と目が合う。お互い、言葉は発さない。
ただ一事、ありがとう、と言ってボクはコーナーを後にした。
彼女もただ一事、ありがとう、と言って笑っていた。
0787名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:42:41.26ID:TMiEnqo0
 「ふふ・・・やっぱり貴女は、期待した通りの子だったわ・・・」


最終ラウンド、女王は早速ボクの弱り切ったおなかに拳をめりこませながらそう言った。
豆腐のように柔らかくなったボクの腹筋は彼女のグローブを丸ごと受け入れてヒクヒクしてる。
ボクは無様な呻き声でしか応えることが出来なかった。


 「ぉ”え”えッ・・・げほッ・・・!!」


足がガクガクと震える。
しっかりめり込んだパンチはボクの吐いて空になった胃袋を、さらに押し上げていた。


 (き・・・効く・・・ぅ・・・)


 ドボッドボッ・・・ずむり・・・ずどぼぉッ


何度も胃袋を突き上げられ、途中で一発レバーを抉られる。


 「う”ッ・うッ・う”ぅッ・・・・げぁッ・・・ぐぼぉッっ!」


吐き気をぐっと堪えて、ボクはお返しのパンチを振るう。
レバーに深く一発、それからストマック。しっかりと左右の拳を奥まで捻りこんでやった。


 どずんッ・・・どぶんッッ!!


 「んぐッ〜〜〜〜〜ッッぶふぅ!!」


彼女の口からマウスピースがもっこり頭を覗かせる。
ほっぺたを膨らませて、まるでリスみたい。


 どぼぉッ!!


 「ウッ!?・・・・・・・げぇぼッ」

 びしゃびしゃッ


見入っていると、こんどはみぞおちにアッパーをもらってしまった。
今までで一番深く、しかも鋭角に。
もう吐くものなんて、胃液しかないよ・・・。
たまらず蹲ると、カウントが取られる。1・・・2・・・3・・・
0788名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:43:17.06ID:TMiEnqo0
カウント8まで休んで、お返しのボディ。


 ―――どっむ!

 「おぅぅゥッ・・・ぶはぁ」


女王がふらつき、ロープにもたれかかった。
チャンスだ。ボクはラッシュをしかけに重い足を引きずり、女王の腹を追いかけた。


 ずっどッ・・・!!

 渾身のストレートが女王のヘソに突き刺さる。

 「おぐぅぅぅぅ・・・・ッッ」

 更にストレート、左右のボディを連打、アッパーを二発、お見舞いする

 ヅン・・・ばむッぼむッどぶッずぼッ・・・どむッ!ぼぐぅッ!!

 「んはぁ”・・・うッウッぐッぶっ・・・う”ッ! ぅう”ッッ!! げ・・・え・・・ぼ」


びしゃびしゃと液体の滴る音といっしょに、ぼとんと彼女のマウスピースが床で跳ねた。
同時に彼女はおなかをかかえて膝をついて蹲る。

1・・・2・・・3・・・


立つな、立つな、立つな・・・ボクだって立ってるのがやっとだ。


4・・・5・・・6・・・
0789名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:44:31.13ID:TMiEnqo0
女王がマウスピースに手を伸ばす。


7・・・8・・・


悪夢でも見ているようだった。


な、9・・・


白いマウスピースを咥えなおした彼女が、ボクの目の前に再び立ち塞がった。
試合再開の合図をレフェリーがかけようとしたその時だ。


 ―――――――――。


・・・授業終了のチャイムがボクを救った。


 目が覚めると、白い天井があった。
ぐるりとカーテンに囲まれたベッド、鼻につくエタノールの匂い。
久しぶりに嗅いだ、匂い。


 「・・・なんだ、保健室・・・かぁ・・・」


頭にもやがかかって現状把握に時間がかかる。


 「あ、ちかげ・・・気がついた? よかったぁ」

 「んあ・・・さっちょん」

 「もう、ちかげ無理しすぎ。」

 「・・・ん。どしたのさっちょん、なんで泣いて―――ぅッッッ」


涙ぐむ親友の頭を撫でるため、体を起こそうとすると腹部に激痛が走った。
一瞬息が止まる。ずぐんずぐんと重く疼くおなかの中の痛み・・・お陰で意識がはっきりしてきた。


 「まだ寝てなって。あの矢城さんのパンチをモロにあれだけ受けたんだから・・・

 「ぅぐ・・・そっ・・・か。ボク、負けちゃったのか」

 「―――。」
0790名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:45:07.97ID:TMiEnqo0
実の所、2R以降の記憶がはっきりとしてない。
が、さっちょんは意外にも首を横に振った。


 「のーこん。」

 「??」

 「だから、ノーコンテスト・・・引き分けだよ。もぅ、あの後大変だったんだから―――。」


彼女の話によると、ボクはあの後気を失って倒れたらしい。
幸い保険の先生によれば、肋骨とかにヒビは入ってないだろうって事だった。
どこかの附属病院で腕ききの名医だったって噂だから、きっとそうなのだろう。
相変わらずうさんくさい学校だなぁ・・・ほんと。
それにしてもおなか殴られて失神なんて、テレビの中だけの事だと思ってた。
・・・なんだか、貴重な体験をしたような気がする。ふへへ。
数人の生徒に保健室まで運びこむのも大変だったらしいが、
もっと大変だったのは・・・女王サマだったとか。


 「あー・・・うん。なんか、わかる気がするよ。」


・・・それもそうだよね。
自分が指名しておきながら、その相手に自慢のお腹をボコボコにされた挙句
あまつさえダウンを許してしまったのだから。
プライドの高そうなお嬢様にとっちゃ、相手をKOできなかっただけでも不本意だったろう。


 「・・・なんか、矢城さんに悪い事したなぁ」

 「はぁあ!? なに言ってんのっ私達あの子にぼこぼこにされてるんだよ!?」

 「そ、そりゃそうだけどさ・・・ほら、時間がもっとあれば、お互いスッキリできたんじゃないかな、って」

 「バカ。いつからあんた、スポ根JKになったのよ・・・。」


折角、お互いお腹を殴り合ったのだから、優劣なり何なり結果が出ていればって思っただけなんだけど
さっちょんは全力でそれを否定した。
0791名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:46:10.99ID:TMiEnqo0
 「ちかげ。あんた間違っても本人にそんな事言っちゃダメだよ?」


 「もう聞いちゃったわよ。」


―――カーテンに囲われた空間の空気が凍りつく。
どきッとした瞬間に腹筋に力が入ってしまい、ボクはしばらく悶絶したが
聞き覚えのある声の主は、そんな事どこ吹く風とカーテン越しに話を続けた。


 「・・・立ち聞きする気は無かったのだけど。ずいぶんな言い様ね」


 「や、その・・・別に悪気が・・・あって言ったわけじゃ・・・う・・・ぐッ」


お腹の鈍痛に言葉が途切れ途切れになり、余計にいいわけ感満載になってしまった。
なんだようこの重い空気・・・女王のボディより重いよなんとかしてよ。―――沈黙を破ったのは、カーテンに映る陰がついた溜め息だった。


 「・・・はぁ。貴女が気に病む事なんて何もないわ。事実は事実、ドローはドローよ。」


 「え。あ・・・ありがとう、ございます?」


返ってきた言葉に意表を突かれてしまって・・・御礼を言ってしまった事も、同級生なのに敬語になってしまった事も、どうでもよかった。


 「それだけおしゃべりできる元気があるなら十分ね。でもまだしばらくは動けないわよ?
 暗くなる前には帰れるとは思うケド・・・ボディのダメージは地獄の苦しみ。しばらく残るから。
 盛大に嘔吐してたからお腹空いてるとは思うけど、そうね・・・今日はご飯は抜いておきなさい。
 どうしてもって言うならご飯は流動食にした方がいいわ。もっとも―――」


より地獄を味わいたいというのなら止めはしないケド。
と、言い残して彼女は保健室から出て行った。
・・・なんだったんだろう? 早口で言われて最後の方はよくわからなかったや。


 「・・・さっちょん。アレってもしかして、気遣ってくれた・・・のかな?」


 「・・・あの不落の城の女王様が?」


ボク達は顔を見合わせた。


 「「・・・まっさかぁ。」」


その日は結局、午後の授業は全部休んだ。
嫌いな勉強を合法的にサボれる事だけが、この授業の唯一のいい所じゃないだろうか。
でもそんな矛盾した授業を取り入れてるって、ほんとにココ学校としてどーなんだろう。

ちなみに晩御飯はおなかが空き過ぎてガッツリ食べちゃったんだけど、夜中に全部吐いた。
0792名無しさん@ピンキー2016/12/09(金) 07:48:01.66ID:TMiEnqo0
読みにくい稚長文ですまない。とりあえずココで区切りです。
0793名無しさん@ピンキー2016/12/12(月) 01:19:07.11ID:oTsFhISj
面白かった。投稿乙
主人公の心理描写も含めてとても濃密な作品でした。
同じ試合を矢代さん目線で想像したくなる。
ボコられながらも向かって来て腹を責めてくる真壁さんに、次第に精神と腹筋の余裕が無くなっていく過程とか、真壁さんサイドと違った精神的リョナが楽しめそう。
0794名無しさん@ピンキー2016/12/12(月) 08:18:21.31ID:n6NKpsje
おつあり。そういって頂けてとても嬉しいです。
なるほどなぁ…女王目線という発想は無かったのでとても新鮮、参考にします。ありがとうございます。
0796ミスト2016/12/18(日) 10:08:32.65ID:uRVTlkvt
ランサー氏55氏降臨祈願age
0801名無しさん@ピンキー2016/12/24(土) 12:40:34.57ID:9Pj51G7c
>>792
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙ッ!乙ラッシュを矢城お嬢様の腹に叩き込め!!
0803名無しさん@ピンキー2016/12/30(金) 18:17:28.73ID:MuIjtMEH
ミスト氏ツイート復活したけど支離滅裂だな
死刑宣告受けたとかやることが決まったって言ってるけどマジで事件だけは勘弁して欲しい
0804名無しさん@ピンキー2017/01/03(火) 13:17:58.77ID:p4zLFTTU
喋る内容さえ制約を強いられてるのに生活サイクルまでとか勘弁してくれよ?
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

え、こんな時間から寝ろとは言わんよな
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

最後の最後まで居場所は見つからなかったな。それでも俺の行き先は決まってるから後はそれまでに早くやる事をやらないと
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

不格好でも最大限努力した。できる限りの事をした。
それが不格好にしか捉えられずに終わった。
ただそれだけだ
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

まあ良いか。どれほど尽力しようが認められない存在ってのはいるもんだ。それが自分だったというだけの話。笑い者として存在する事で話題を提供できたって事で良しとしよう
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

さぞかし滑稽な存在だろうな、連中から見ればよ
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

それでもやるだけやったさ、その上での結果だからこそ否も応も無い
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

マイノリティだからこそ固い結束を感じる事ができた所もある。尤もその世界からも死刑宣告を受けた俺には今や遠すぎる場所だがな
1件の返信 0件のリツイート 0 いいね
ミスト ?@mistomach 2016年12月28日

リョナや腹パン腹責めもマイノリティな事には代わりは無いだろうがそれでもずいぶん認知度も上がったし発展したもんだ
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ミスト ?@mistomach 2016年12月28日
0805名無しさん@ピンキー2017/01/03(火) 13:48:43.28ID:WNa9xthe
一応それ関係の仕事についているが、過去ツイさかのぼって見たけど誰かのツイを自分あての非道中傷だと勝手に思い込んでるだけの糖質患者の典型的な被害妄想
JJJ氏になにがあったか聞かれてもとんちんかんな返しばかりで具体的な話を全くしていないしな
ミスト氏がいくつかは知らんが、ここまで長引いているならおそらくかなり昔から患ってるんだろう。家族は大変だよ
0807名無しさん@ピンキー2017/01/03(火) 21:47:02.64ID:PnNTQ79+
フリス全盛の頃から知っている人間からすればまたか、って感じたよこの人
はじめは人当たりいいんだけど、何かスイッチ入っちゃうと氏ねだころだ大騒ぎで入院
0813名無しさん@ピンキー2017/01/08(日) 11:45:02.02ID:MFvpyKUh
現役だったのか…
新規の人が入ってくるのもいいけど、古くからの人が現役で
活躍してくれるのは嬉しいね
0816名無しさん@ピンキー2017/01/30(月) 20:35:55.17ID:4sI79IMc
ブログ見る限りだと過去のよりかは遥かにまともなような
0817名無しさん@ピンキー2017/01/30(月) 21:05:38.62ID:/aH2nTSG
純粋なファンをこじらせちゃったのかね
55氏以外の米にも返信すりゃいいのにとは思うけど
0820名無しさん@ピンキー2017/03/15(水) 23:49:14.73ID:leEhhzbj
https://youtu.be/m4dSwjkJw64

これのタイトルわかる方いますか?
0822名無しさん@ピンキー2017/09/17(日) 18:41:22.18ID:DGbUH5hq
もう無理やろ
0824名無しさん@ピンキー2017/09/22(金) 15:51:58.58ID:pCCiHXTy
ピクシブで結構良いのがあった
0825名無しさん@ピンキー2017/09/28(木) 00:37:48.46ID:ScYgQJOC
シャーはどうしたんだ
誰か知らん?
0828名無しさん@ピンキー2017/10/22(日) 02:40:26.42ID:Pe0nHLMu
むしろ脳内で補完しよう。
それにしても、もう10年経ったとは…
0831名無しさん@ピンキー2017/11/10(金) 04:12:32.84ID:cDecBsb9
シャー復活したね
純粋な腹パンチャーで創作してくれる人は絶滅危惧種
精神病は元気なってからがヤバいから無理せず
頑張って欲しいね
0833名無しさん@ピンキー2017/12/30(土) 15:52:05.37ID:na4w99I/
昔「腹パンチえほん」みたいな感じのHPで
初々しい高校生カップルが彼氏の家で初腹パンチプレイをする小説があったんだけどあれもう一度読みたいな
0836名無しさん@ピンキー2018/03/29(木) 18:19:10.57ID:ASvBAonx
ピクシブも良いのは大抵読んでしまった。
もっと読みたいなぁ。
0837名無しさん@ピンキー2018/03/31(土) 19:13:00.37ID:umLneozS
このスレ初期は賑わってたけど、
前途有望な新人さんを辛辣な批評するやらスルーするやらして潰してしまったんだよな
0839名無しさん@ピンキー2018/05/10(木) 22:22:05.14ID:KQZ7QThO
ミヤビいきなり消えたな
またメンヘラか?
ミストといい、精神状態やばい奴多くね
0840名無しさん@ピンキー2018/05/13(日) 16:44:33.65ID:JlH2FK3m
ミスト氏はリンドリや女子ボクシング界隈にいた頃から時々ヘラって他人に攻撃しまくってたけど、ミヤビ氏は兆候あったっけ?
0841名無しさん@ピンキー2018/05/13(日) 23:26:55.19ID:hXUhAPV0
昔からメンタルは弱かったぞ

しかし、いきなり消えた割には元フォロワーが誰も反応してないのが怪しいな
なんかあるのか?
あったとしても予告なく消えるとか、せっかく応援してくれてた人らに対して、失礼極まりないが
散々ファンやフォロワーを大事にしようとか言っといて、本性はこれかい
0842名無しさん@ピンキー2018/05/15(火) 01:23:44.61ID:w0YeGcAy
久々に書き込まれてるから新作の話題かと思ったのに…
どうせ粘着が影で何かやってたんじゃないのか
0843名無しさん@ピンキー2018/05/19(土) 14:33:25.57ID:jxV1PRhZ
ミヤビの失踪はこれで二度目だから、またかって感じ
ツイッターであれだけ僕ストイックに頑張ってますアピールを繰り返す自己顕示欲の塊なんだから、
また目覚めただの本当に大切な事に気付けただのの厨二発言しながらすぐ戻ってくるって
0845名無しさん@ピンキー2018/06/17(日) 22:31:04.74ID:qbVY49fb
ヒレ腹フレ腹
0846名無しさん@ピンキー2018/06/27(水) 09:21:48.46ID:3btSnmPS
音葉の寄せ書き本当いい
個人的に更衣室の仕置きレベルのがゴロゴロしてると思う
他にいいブログやサイトがあったら教えてくれ
0847名無しさん@ピンキー2018/06/30(土) 20:29:44.89ID:frGdl47b
>>846
音葉氏のは非常によい
個人的には55氏のブログroom number 55と星野氏の えほんやさんの出張所やな
ただ星野氏は支部でちょこちょこ新作見れる
0849名無しさん@ピンキー2018/07/17(火) 20:42:42.94ID:fY1Fy1W0
ミスト氏はどうしたんだ?
0850名無しさん@ピンキー2018/08/05(日) 18:08:46.03ID:Sdbgrooo
精神病んで入院
仕事も辞めたらしい
0851名無しさん@ピンキー2018/08/15(水) 00:47:28.42ID:uoCeE5Tm
噂で聞いたけどミスト氏過去何回も周囲と揉めてるらしいね
ソシャゲとかでも過去気に入らないことがあると公式や2次創作してる作家さんに脅迫まがいのことして距離置かれたみたいだし、今回の腹パンチ関連も似たような感じだったんじゃないの?
0852名無しさん@ピンキー2018/08/19(日) 23:41:42.82ID:AKg5Lg0S
今さらそんなネタ蒸し返さなくてもツイッターとか見てたらわかるじゃん
0853名無しさん@ピンキー2018/08/20(月) 00:17:45.82ID:v6TN/6AZ
ツイッターは一時期マジでヤバかったよな
不快害人って名前変えて気持ち悪いイラストあげたり血祭りに上げてやるとか言ったり、措置入院してるっぽいことも言ってたし
りょなけや他の作家に恨みあるっぽいこと言ってたから会場で凶器持って暴れるんじゃないかと思ったから行かなかったわ
0854名無しさん@ピンキー2018/08/20(月) 00:41:14.85ID:CXR+PdMN
>>853
いやそんな大層なもんじゃなく単なるメンヘラの症状だったよ
合同誌もやってたし繋がりもあったはずなのに、完全に黙殺したりょなけ側はむしろ信頼できると思ったわ
あれでミスト氏に媚びるような事言ってたらそれこそ行かなかったわ
0855名無しさん@ピンキー2018/08/20(月) 19:00:26.85ID:flLqHWPb
>>854
俺はその黙殺が怖かったけどな
りょなけ側ではなくミスト氏側が
普通あれだけヘラると他の作家が声をかけててもよさそうなのに不気味なほど総スルーしてたから、見えないところでもかなり暴れてたんじゃないかと思ってる
0856名無しさん@ピンキー2018/08/21(火) 23:07:47.90ID:0P4bZUYL
>>855
絡みのある範囲にヘラってるとこに構うような作家居たか?
nns氏なんかはアドバイスはしても構うようなタイプじゃないし
0857名無しさん@ピンキー2018/08/24(金) 10:49:24.04ID:kepNywU3
同じ人かな?
どんなss書きさんか知らないけど、名前出して人格
バッシングするのは
スレ違いだから
あと絵師さんの名前も出すなよ・・・。
0859名無しさん@ピンキー2018/09/09(日) 18:45:22.17ID:tKX+YMlJ
鬼太郎の猫娘に腹パンチage
0860名無しさん@ピンキー2018/09/15(土) 21:15:34.33ID:j6qj0MsN
せっかくスレが盛り上がってたのに857のせいで止まった
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