雨ってのは傘持って行かないといけないし、荷物増えるから嫌いなんだよね。
だから梅雨は苦手なんだけどさ、今日登校の時にずぶ濡れで走ってるクマーが居たわけよ。
あちゃーとか思って信号待ちしてる時に傘差し出してやったら、サンキューとか言って入ってきたんだけどさ。
オレの傘、安もんだから雨に当たらないようにするには相当詰める必要が有るわけ。
だから必然的に身体を押し付けあう形になってな。
もちろん意図してのことじゃないぞ? そこまで飢えてないし。
そしたらクマーったら事態に気付いたのか、信号渡り終わった辺りで急に顔真っ赤にしてさ。
飢えてないって言っても相手が意識しだしたら、こっちもソワソワしちゃうじゃん?
見たらクマーの左肩に雨がザンザン当たってるからさ、肩を抱き寄せたんだよ。
抵抗されるかなぁとか思ったけど、されるがままでさ。 そればかりか俺に身体を預けてきてな。
そんなコトされたら歩けないじゃん? 遅刻するぞって無粋に言ったんだけどさ。
「もうちょっとこうさせてくれよ…」なんて言って熱い目で俺を見上げるもんだからさ…。
雰囲気に流されやすいんだろうな、オレ。 気がつくと唇を重ねてたんだ。
顔を離したらクマーの奴、女の顔して恥ずかしがってたよ。
梅雨ってのも悪くないかもなぁとか思ったな。 あ、浮気じゃないからな、コレ