空飛ぶ広報室でエロパロ
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0001名無しさん@ピンキー2013/05/09(木) 01:58:56.68ID:SPzNUsuM
無かったので立ててみました

空稲かわいいよ空稲

他カプ話でもエロ無しでもほのぼのでも何でもアリでどうでしょう

実は稲ぴょん限定で夜の時間のみドSだった空井にじわじわと言葉攻めされて
キョドってるの隠しながら全力でツンしつつ胸キュンが抑えきれない稲ぴょん

…なんていうのもアリですアリアリです
職人さんの投下お待ちしております
0002名無しさん@ピンキー2013/05/09(木) 03:03:15.68ID:SPzNUsuM
軽い小ネタ投下します
冒頭に状況説明が長々とありますがあとは会話のみですみません


いつのまにか恒例となった広報室の面々との親睦会の帰り道。
以前から取り組んでいた仕事の企画が、なんとか実を結んだという喜びと達成感のせいだろうか、
会の序盤から尋常じゃないスピードで生ビールをぐびぐびと流し込んでいたリカは、
周囲がいい感じに酔っぱらってきて盛り上がり始めた頃にはもうすでに泥酔状態になっていた。
空井は意識が朦朧とし出したリカを横目で心配そうに見つめていたが、ふと目を離した隙に
ごろんと大の字になって座敷の上に伸びてしまったリカの姿に気づくと、
いよいよ限界だろうと判断して、「まだ飲み足りない」とごねるリカを介抱しながら居酒屋を後にする。
「空井になら安心して稲ぴょんを任せられるなぁ。無事にベッドまで送り届けるんだよ。
 女性は体冷やすと良くないから、寝冷えさせないようにね」
どんな意図があるのかよく解らない言葉と、満面の笑みを浮かべた鷺坂室長に見送られ、空井はリカをおぶって夜道を歩いていく。

「…そらいさん」
「稲葉さん、起きてたんですか」
「……ずっと起きてました!」
「(…いびきかいてたくせに…)」
「あの、なんで私、空井さんにおぶってもらってるんですかね」
「いやどう見たって一人で歩いて帰れる状況じゃないですよ」
「だっ大丈夫です一人で歩けます!外出たらちょっと酔いも冷めたしもうほんと降ろしてください」
「いやいやいいですって。無理しないでください。ちゃんと家まで送り届けるように室長からも言われてるんで」
「……はっ?家!?なんですか家って!?」
「まさか酔っぱらって足元おぼつかない女性をそのへんの夜道に放っていくわけにいきませんよ」
「いやいやいやいやいや!!」
「あっちょっと暴れないでください落ちちゃいますよ」
「家までとかいいです無理ですあのほんとそのへんで降ろしてくださいタクシー拾うんで!」
「タクシーでもいいですけど、僕も同乗しますよ。家までちゃんと帰れるか心配だし」
「(………これは……暗に私の家に上がりこみたいっていうアピール…?いやいやまさか…)
 ……えーーと……空井さん、わざと言ってます……?」
「え?何がですか?」
「……………(何考えてんだかさっぱりわからない……)」
「稲葉さん?」
「いえ…なんでもないです…」
「あ、そうだ。恐縮なんですけど、ご自宅に着いたらトイレ借りてもいいですか?外歩いてるうちに冷えちゃったみたいで」
「(………こっ、これは………)」
「あ!稲葉さん向こうからタクシー来ましたよ!停めますか!?」
「(計算なのか……天然なのか……)」
「稲葉さん聞いてます?停めちゃっていいんですよね!…稲葉さん?……ってあああぁ!タクシー行っちゃった…」
「(……たぶん………後者…なんだろうな……)」

中途半端だけど終わり

そして空井はタクシー降りたあともふつーに稲ぴょんをおんぶしてベッドまでちゃんと送り届けて
ついでにトイレ借りてサラっと何事も無かったかのように
「ではまた!」とか言って任務完了とばかりに颯爽と去っていくんだろうな。
稲ぴょんドキドキ損。
0003名無しさん@ピンキー2013/05/09(木) 10:25:39.82ID:TCshVgFG
ドラマと、空井&稲ぴょんの二人が大好きなので、スレ嬉しいです♪
早速の投下ありがとうございます!
いい歳した(空井29歳、稲ぴょん27歳設定でしたよね)二人の純情な恋愛模様がたまりませんね〜

他の職人さんも!エロも是非!!二人のイメージ壊さない程度なら大歓迎です!!!
0004名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 01:23:56.63ID:RJIciSMt
>>3
上の小ネタ投下した者です。
空井×稲ぴょん好きな方に読んで頂けて嬉しいです。
ありがとうございます!これからもネタが浮かんだらちょくちょく投下したいと思います。

きっとこのドラマ見てて空稲にきゅんきゅんしてる方はたくさんいると思うのでw
このスレがどんどん賑わってくれれば嬉しいですよね♪

空井さんが29歳で稲ぴょんが27歳なんですねー イイ感じな年の差w
二人のイメージが崩れない程度にイチャイチャエロの投下に期待したいですねw
0005名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 03:02:58.33ID:RJIciSMt
連続で申し訳ないですが、再び投下させていただきます。

空稲がもし恋人同士になったとしたら、お互いをなんて呼び合うのかなー
今のところ二人とも敬語で喋るのがしっくりくるし、気楽にタメ口で会話する空稲とか想像できないなー

とか色々と妄想してたら浮かんだネタです。またもエロとは程遠い内容でスミマセン…


空稲の未来捏造設定 お付き合い始めてちょっと経ったくらいな設定

※本編中での空井の自宅が一般的なアパートの一室なのか、寮に住んでるのか、
そのへんの設定が解らなかったので、この話ではアパートの一室という設定にしております。



*  *  *



【 リカちゃん 】



リカが空井の自宅アパートに訪れるようになって、もうすぐ一年になる。

お互いに出会いの印象こそ最悪だったものの、その後は少しずつ時間をかけてお互いを理解し合う仲になり、
いつまでも付かず離れず微妙な距離を保ったままかと思われた二人の関係性は、
今ではもう世間一般に言う「恋人同士」というものに変化していた。

今日は久々に重なったお互いの休暇を利用して、少し遠出をして半日のデートを楽しんできていた。
夕方に空井の自宅まで帰ってきて、リカが色違いの2つのマグカップにコーヒーを淹れる。
スカイブルーの色をしたマグを空井に差し出し、自分は淡いピンク色のマグを両手で持つと、
ベッドを背もたれにして座り混む空井の横にちょこんと体育座りして、ふと思いついたようにリカが呟いた。

「そういえばこの部屋って、ソファとか座椅子が無いんですね」
「ああ、そういえばそうですね。一人暮らしだとベッドに座れば椅子の代わりになるんで、考えもしませんでした」
「…買いませんか?ソファ。二人掛けくらいの」
「あーいいですね、買いましょう。そうすれば、稲葉さんもこの部屋でゆっくりくつろげますし」

やっぱり、直に床に座ってコーヒー飲むのも味気ないですよね、と空井が苦笑いする。
淹れ立てのコーヒーをふうふうと冷ましながら、マグの縁にそっと口を付ける空井をじっと見つめて、
リカは少しそわそわとした様子で、目の前の低いテーブルに持っていたマグを静かに置いた。
0006名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 03:04:59.00ID:RJIciSMt
「……あの、空井さん」
「はい?」
「……その呼び方、」
「呼び方?」
「私のこと、『稲葉さん』って呼ぶのって、変える気ないんですかね」

さっきよりもぐっと距離を縮めて詰め寄ってくるリカの、改めて見ても大変整った綺麗な顔が間近に迫り、
空井はドクドクと脈打ち始める胸の鼓動に気づきつつ、一息置いて体ごとリカに向き合った。

「…稲葉さんこそ、『空井さん』のままじゃないですか」
「だ、だってそれは……。じゃあ、なんて呼べばいいんですか」
「…もしや稲葉さん、僕の下の名前を知らないとかっていう可能性は…」
「ないですっ!もちろん知ってます!失礼なこと言わないでくださいっ!」
「じゃあ、試しにちょっと呼んでみてくださいよ」

すっと伸びた切れ長の瞳にほんの少し好奇心を覗かせた空井が、からかうように唇の端を上げてリカに促す。
とたんに先ほどまでの威勢の良さをすっかり無くしたリカは、ウェーブがかったブラウンの髪から除く両耳を仄かに赤く染めた。

「い、いいですよ。それくらい言えます」
「じゃあ、どうぞ」
「……」
「……」
「………だっ……、だぃ……」

「…だい、だいすkっ……ンンッ!……だいす……け……」

「………さん。」


よく考えてみれば、下の名前を呼び捨てで呼ぶのはあまりに恥ずかしくて、
最後にぼそっと『さん』を付け加えてみた頃には、リカの顔はすっかり真っ赤に染まっていた。
その顔を空井に見られたくなくて、ぐっと深く俯いたままの頭はぴくりとも動かない。

そのまま何となく静寂が流れて、リカが猛烈に今すぐこの部屋を出ていきたいと思うくらいの羞恥心に耐え切れなくなった頃、
しばらく黙ったままだった空井が、気まずい空気を断ち切るように小さく囁いた。


「……リカちゃん」


驚いたリカが勢いよく顔を上げると、空井が下から覗き込むようにこちらをじっと見つめている。
0007名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 03:05:53.97ID:RJIciSMt
「…リカちゃん、首の付け根まで真っ赤だよ」


ふっと可笑しそうに頬を緩めて微笑む空井の眼差しが、自分を見つめるあたたかな瞳が、あまりに甘く気恥ずかしい。
ずっと下を向いていたせいで少し乱れた髪を直すように、空井の指先がリカの首筋に触れて、柔らかい毛先をするりと撫でた。
空井から向けられる目線や、微かに触れられた時に感じた体温や、色んなことに体中が過敏に反応してしまい、
リカの心臓は尋常じゃないスピードで脈を打ち、首の付け根どころか全身まで火傷のような熱が広がっていくのを止められない。

「…う、あ、えッ……な、なんで、その呼び方…っ」
「リカちゃんが言ったんでしょ。稲葉って呼ばれるの嫌だって」
「嫌とは言ってません!ただ、いつまでもお互いに苗字で呼び合うのって、どうなのかなっていう疑問を提示してみたたけで!」
「だから、『大祐さん』と『リカちゃん』っていう呼び方でいいと思うけど」

「…ていうかちょっと待ってください、空井さんなんでナチュラルにため口になってるんですか!?」
「いや、恋人同士なんだから敬語のままだと他人行儀で逆に不自然かなって」

「私的には今の状況の方が違和感バリバリです!!」

わぁぁぁ、と頭を抱えて身悶えてしまったリカの頭を、空井が満足そうに優しくナデナデしてみせる。

「……なんか、空井さんちょっと調子乗ってません?」
「乗ってないですよー、ただ…」
「………なんですか?」

「照れまくってる稲葉さんがあまりに可愛らしいので、ちょっといじめたくなりました」

「だからそういうことをサラッと爽やかな顔して言わないでくださいっ!!!」


「…リカちゃんは、そうやってすぐムキになるところが魅力だよね」


ぎゃーーーーっ、と色気もへったくれもない悲鳴を上げて、
もはや我慢の限界のリカは空井から慌てて飛びのくと、ベッドの布団の中に潜っていく。

それをただ黙って目で追っていた空井は、クックック、と堪え切れない笑いを片手で抑えた。
自分よりほんの少し年下なだけで、もう立派な大人の女性のはずのリカが、
こんな風にちょっとからかっただけで林檎のように頬を真っ赤にして恥ずかしがる様子が、
空井の目にはとても愛らしく、ますます魅力的に映った。



「空井さんは今後一切、ニヤニヤしながらリカちゃん言うの禁止!!
 調子に乗って私のことおちょくるのも絶対絶対禁止ーー!!!」


布団の中からくぐもった声で必死の叫び声が聞こえてきて、空井はとうとう我慢できず心底楽しそうに大笑いしたのだった。



おわり
0008名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 10:55:47.39ID:riGylAUs
ええもん
よましてもらいましたー

ありがとうありがとう
0009名無しさん@ピンキー2013/05/10(金) 21:55:07.24ID:JyRZ/15h
投下ありがとうございます♪♪

空井君はリカちゃんを拗ねさせるの好きですよね天然なだけで、何の計算もなくドキドキさせるし
個人的には4話の防大に誘うシーンが大好きです
あの時は彼がいるって誤解する前だから、プラベな気持ち全開で誘ったんでしょうね
恥ずかしくてリカちゃんの目を見れない空井君可愛かった
イケメンアナと付き合ってるって言われた時の切ない顔も可哀想だけど可愛いし
次回のヤキモチも楽しみですね!!
0010名無しさん@ピンキー2013/05/11(土) 14:47:05.29ID:JAw3OiFi
5話期待あげ
0011名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 00:56:23.52ID:VjlD+ol9
ああもう空井さんったら…!orz
とあまりのじれったさに観ながらため息が出てきてしまう展開の5話でしたね
本編の流れが切なすぎるので、ここではほのぼの幸せな空井さんと稲ぴょんの話が読みたいなぁ…

それにしても空井さんの嫉妬&スネっぷりがハンパないw
ちょっと稲ぴょんに対する独占欲とか湧いてたりして…?

あの普段は鉄仮面の稲葉さんが俺の前では本音さらけ出してポロポロ泣いてくれたわけだし
俺と一緒にいる時にたくさん笑ってくれたら嬉しいなー、稲葉さんってああ見えて笑うとすっごく可愛いし
あーやっぱりもっと仲良くなりたいなー、手繋いだりくっついたり、めいっぱいギュってしたり
あわよくばあのまっさらで綺麗な肌に直接触れてみt(ry

とかオオカミ目線まっしぐらな思考回路の空井さんも見てみたい……

……ちょっと紙とペンを準備してきますw
書き上げたら投下しにきてみますね〜
0012名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 07:43:28.79ID:YNfgDNI7
ぜひぜひ!!
職人さんの投下お待ちしております

オオカミ目線空井も萌えるわ
0014名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 10:48:07.37ID:9gUP+85i
空井さん「関係ないし」とか言うわりにはめっちゃ嫉妬してるように見えますよw
0015名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 12:02:35.56ID:gfsPwdce
たのしみにしてます
0016名無しさん@ピンキー2013/05/13(月) 22:36:42.13ID:LL/3MuS6
おお、スレ立ってる!
乙です

5話は空井のばかぁwな回だったな
0017名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 14:13:18.22ID:i7i8O/ut
「おーい、稲葉撤収!」
「あ、はい」
撮影を終えたペットショッブを後にしようと荷物を手に取り立ち上がる
すぐ脇のショーケースに居た柴犬とふと目があった
「わ、かわいいー」
しっぽをふって、ガラスの向こうのリカに触れようと一生懸命な柴犬の仔犬だった
そのまっすぐな目が何だか……あの人に似ていて……

「犬、お好きですか?今飼われたりは?」
「い、いえ、飼ってません。
こういう仕事なんで、家に帰る時間も不規則だし…
飼っても1人にさせちゃ可哀想ですから」
ガラス越しにあやすとますます仔犬は甘えて来た
0018名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 14:15:05.68ID:i7i8O/ut
「あ、そうですよね。テレビの方ってお忙しいから…
でも残念!この仔こんなに懐いて…運命の出会いかと思ったのにねー」
ショップ店員が柴犬に話しかける
その時、柴犬が少しさみしそうな顔をした様に見えて、リカはあやす手を止めた
「本日はありがとうございました!それではこれで失礼します」
リカは笑顔で会釈をして、未練を断ち切るかの様に勢いよくクルーの待つワゴンへと乗り込んだ
0019名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 14:16:57.19ID:i7i8O/ut
今、この仕事が楽しい
毎日が充実しているのが解る
でも、この仕事をしていれば…
先日同僚から聞かされたあの言葉が頭の中に蘇る
「自分がいない時家庭を守ってくれる様な女の子…かぁ」
今こうして楽しんで仕事をやれているのは、あの人のおかげだった
目的地を見失いかけていたリカを戦闘機に乗って先導し、光のさす方向へと導いてくれた…なのに
「皮肉だなぁ…」
こんな仕事をしている女は、あの人の好みでは無いのだ
0020名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 22:56:22.39ID:i7i8O/ut
「あ、稲葉さん!」
広報室前の休憩室からガラス越しに手を降る空井が見えた
(あ、さっきのワンコ…)
「どうも、お疲れ様です」
駆け寄って来た空井の顔を見て、思わずリカは吹き出しそうになってしまった
「あの…稲葉さん??」
空井が戸惑った表情でこちらを伺う
「いえ、なんでもありません。お疲れ様です。今日も打ち合わせ、宜しくお願いします」にやける口元を抑えて何とか堪える。
「はい!あ…」
空井はリカが脇にかかえていた資料に目を止めた
「どこか、撮影の帰りだったんですか?」
「はい、今日は街のペットショッブで…」
「あ、猫!」
「はい?」
「自分、猫が大好きなんですよ!」
空井がまた目を輝かせた
「可愛いですよねー猫!あ、もちろん犬とかも好きなんですけど、猫が1番!すごく甘えたりもするけど、反面芯は強いというか」
猫の可愛いさについて熱弁を振るう空井がリカにはどうしても嬉しそうにしっぽを降る仔犬に見えてしまい、また顔がにやけそうになるのを必死に抑えた。
0021名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 22:57:31.20ID:i7i8O/ut
「私も猫好きですけど…ほんとに大好きなんですね空井さん」
それでも堪えきれずについ笑ってしまった
好きなものについて話す空井は子供の様で
(かわいいかも、なんて)
「あ、なんかすみません…じゃあこちらへどうぞ!」
空井が姿勢を正して中へと案内する。
そのまっすぐな背中を見て、リカも気持ちを引き締めた
広報室の中へ入ると、ソファで豪快に横になる柚木の姿が見えた
「休憩終わりですよ、柚木三佐!いつまでもトドみたいに寝とらんで下さい!」
槇が柚木を引っ張り起こそうとする
「いたた…うっさいわねー。ナーニがトドだっての!そっちはゴリラじゃないよ!」
これは、いつもの痴話喧嘩だ。最近出入りの多くなったリカにもすっかり見慣れた光景になっていた。

先日、空井と2人で仕組んだ飲み会の席での槇の言葉
隣で聞いていて、自分たちはこの場に居ていいのかと恥ずかしくなるほどまっすぐな言葉だった
0022名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 22:58:32.23ID:i7i8O/ut
どんな風に振舞っても女として見てくれる
今のリカには何だかとても羨ましく映った
(女として…見られたい…?)
「また、始まっちゃいましたね」
ふと空井に困った様にくしゃっと笑った顔を向けられ、リカは思わず視線を外した
(もう、そんな顔でこっち見ないでよ〜)
「また、始まりましたね。広報室名物アニマルパーク」
いつの間にか隣に居た比嘉がいたずらっぽく2人に囁いた
「アニマル…パーク」
「そう。トドに、ゴリラに、楽しい仲間たち」更に隣から片山が顔を出す
「稲ぴょんはもちろん…」
「あ、あたしも入ってるんですか?!」
「もちろんでしょ。稲ぴょんは…」
「猫!!」
反対から空井が身を乗り出して手を上げた
「稲葉さんは猫、ですよね!」
「はあああ?お前、何言ってんの?!稲ぴょんなんだからウサギだろ」
「あ、あれ?そうか…」
しゅんとする空井を余所目にリカは顔が赤くなるのを感じた
0023名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 22:59:45.14ID:i7i8O/ut
(この人は…)
「でも、稲葉さんだからウサギって、名前だけのダジャレですよね?」
「うるせーなー稲葉と来たら白うさぎって相場は決まってんだよ!」
(さっき猫大好きって話をしといて、このタイミングで私が猫みたいだなんて言う?!)
「お前は空気を読め!」
(空井さん空気を読んでください!)

「そうかなー」
片山の口撃にまだ空井は不満気な表情を見せた
「なんだ、お前猫好きなのか。俺は犬だ断然犬ー」
「はい…」
頭の中がぐるぐるする
落ち着け、落ち着くのよ私!

「あ、稲葉さんも好きですよ」

一瞬の沈黙の後、必死に冷まそうとした頭がまた沸騰した
「え?えっ?」
空井がこちらを見ている。皆にも、見られている。
「えっ、そ、そんな事、今言われてもっ」
「さっき丁度そういう話をしていたんです。稲葉さんも好きですよね、猫」
またまた一瞬の沈黙の後、今度は全身から力が抜けて行くのがわかった
0024名無しさん@ピンキー2013/05/14(火) 23:02:31.24ID:i7i8O/ut
「ああ……はい……」
そう言うので精一杯だった

「お、稲ぴょん来てたの?いらっしゃい」
鷺坂がコーヒーを片手に部屋へ入ってきた
その鷺坂を巻き込んで、犬だ猫だ爬虫類だ鳥類だと論争が起こる中今度はリカの中に苛立ちが湧いて来た
「就業の時間です!!!」
広報室にリカの声が響き渡る
皆一斉にリカの方を向く
「私は別に猫派じゃないし、鳥派でもイグアナ派でもマングース派でもどーでもいいです!
お仕事お仕事!お仕事の時間です!」
デスクの方を指差し鋭い目で全員を見渡した
「こえー」「さすがガツガツ」「さあ、お仕事、ですね」
ソロソロと各自が机に向かった
リカに猫派では無いと言われた空井は肩を落としさみしそうな目をして鷺坂と共にゆっくりと応接ソファに身を沈めた
「さ!今日の打ち合わせの件、宜しくお願いします」
リカは机に資料を並べる
「拝見します!」
資料を手にした空井はついさっきまでとは違う輝いた目で文章を追っている

資料に夢中になっている空井を見つめてリカは心の中でつぶやいた
(私、本当は犬派です空井さん)
0026名無しさん@ピンキー2013/05/15(水) 09:04:41.22ID:eCtI86Bi
>>17
GJです!
本編かと思うくらい、みんなの様子が想像できたww
空井ワンコ可愛いよ
0028名無しさん@ピンキー2013/05/16(木) 15:25:28.50ID:yfIxsDtv
>>24で終わり?
0029名無しさん@ピンキー2013/05/16(木) 19:54:14.22ID:Yn/f8jIZ
>>28
終わりです
すいません書くべきでした

>>26
ありがとうございます
こういうの書いたの始めてなので、反応頂き嬉しいです
0032名無しさん@ピンキー2013/05/18(土) 21:00:23.42ID:l/6ojRvu
>>11です。ようやく書き上げたので投下させていただきます。

未来捏造の空稲プロポーズ?みたいな…。
直接的な表現はありませんが、ベッドの中でやることやったあとの
ピロートークみたいな雰囲気をイメージして書きました。

ではでは、2レスお借りします〜。
0033名無しさん@ピンキー2013/05/18(土) 21:01:32.57ID:l/6ojRvu
【 きみの名前を呼んだあとに 】



瑞々しい林檎のように全身を薄桃色に染めて、彼女はついに羞恥心に打ち勝てずにその可愛い顔を枕に埋めてしまった。

稲葉さんが頭を横に向けたことで、目の前に心地良い香りを仄かに醸す美しい首筋が現れる。
どうしようもない男の性というものなのか、衝動を自制することが出来ず、微かに汗ばんでいるの首筋に唇を当ててみると、
ぴくん、と彼女の身体が反応するのが伝わってきた。それでも甘く駆け上がってくる欲求に耐えられなくて、
まるで子犬がお気に入りの雌犬をひたすらに愛でるように、ゆっくりと時間をかけて遠慮がちに舌を滑らせた。

…そんなことをただひたすらに繰り返していると、
いつのまにか彼女のつぶらな瞳が微かに潤んでしまっていたことに俺はようやく気がついた。


「―――そらいさ、ん…」

「…っ、す、みませ……キツイ…です、か?」

「ん、…いえ、そうじゃな……」


何かを訴えようと一瞬だけこちらに瞳を向けた稲葉さんは、俺と目が合ったかと思えばすぐに視線を逸らしてしまった。

丑三つ時の自分の狭い部屋はいつものように静寂に包まれていたが、ひとつだけ違うことを上げるとするならば、
大人ふたりが並んで寝転がると、さすがに窮屈に感じてしまうところだろうか。

彼女のまっさらで肌理の細かい肌に触れると、なんとも言えないあたたかな幸福感が全身を駆け巡っていくのを感じた。

自分と彼女がこんなふうに生まれたままの姿で触れ合える関係になれるなんて、あの頃は考えつきもしなかったのを思い出す。
出会ってから、少しずつお互いを知り、時間をかけて深く理解し、認め合えた。これは俺だけが思っていることかもしれないけれど、
自分と稲葉さんの間には、「愛」とも「尊敬」とも取れる、確固たる絆のようなものが生まれていて、お互いにそれをとても大切なものだと認識しているのではないかと。

俺にとっての稲葉さんは、この世界に存在する唯一の希望だ。
彼女がただそこにいてくれるくれるだけで、すぐそばで笑ってくれるだけで、なんだって出来そうな勇気が湧いてくる。
俺を振り返り楽しそうに微笑むキラキラした瞳も、たまに不満そうにこちらをじっと見つめてくる寂しそうな瞳も、ぜんぶが愛おしい。

何があっても絶対に、彼女を失いたくないと思う。ずっとずっと、一緒に生きていきたいと思う。
お互いに向き合って支え合う関係よりも、ふたり同じ方向を向きながら、手を取り合って一緒に歩んでいきたいと思う。


「……リカちゃん」

「…うぅ…だからその呼び方やめてって…」

「リカちゃんも呼んでよ。俺のこと」

「……や、です」

「呼んでよー」

「そ、そらいさん」

「んー、違うでしょ」

「違わないでしょ!?アナタ空井さんでしょ!?」
0034名無しさん@ピンキー2013/05/18(土) 21:04:33.95ID:l/6ojRvu
「あのね、そんなふうに照れてるリカちゃんも超可愛くて俺だいすきだけど、これに関しては譲れない」


「キャアアアアだから真顔で言わないでよそういうことをぉぉーーー!!」


小さな子がイヤイヤをするように俺の腕の中で頭を振る彼女を、思いっきりぎゅううって抱きしめて。
優しい香りがするふわふわの毛先に鼻を近づけて、うりうりと頬擦りしてみたり。
その心地良さと稲葉さんの可愛すぎて悶えてしまいそうな反応や仕草に顔のニヤけが止まらない。
ニコニコと目尻を垂らしたまま、冷や汗をかきっぱなしの彼女の赤い頬に軽くキスを落とした。

「…リカちゃんリカちゃん、下の名前。ほら早くー」

「………………だいすけさん……」

ものすごく長い沈黙の後に、ようやっと彼女がその桜色に火照った唇を開いた。
ぽそりと囁いたその甘い言葉は、まぎれもない俺の名前。
その声の響きから、陽だまりのような暖かさと彼女の確かな愛情を感じ取れたことが嬉しかった。

「大祐さん、すきです」

「わたし、大祐さんのこと…すごく、すき」

「ほんとは…本当は、ずっとずっと、一緒にいてほしい……」

彼女の大きな瞳から、一筋の涙がぽろりと零れ落ちた。
その大粒の涙を唇でぺろりと舐め取って、その綺麗に澄んだ瞳をしっかりと見つめて静かに囁く。

「……俺たちって、やっぱり似てる」

「…似てる…?」

「なんで俺が考えてたのとまったく同じこと、言ってくれちゃうんだろうね」


「―――ずっと一緒に、いることにしませんか、稲葉リカさん」


その問いかけの真意に彼女が気付いたのかどうかはわからないけれど、
俺が微笑みを浮かべたまま、なるべく優しくキスを落とせば、彼女はそっと瞼を閉じて応えてくれた。


おわり


追記・すみません、冒頭に書いたピロートークをイメージでって、ちょっと違いましたね…w
わりと最中の描写っぽいセリフ書いちゃってたことにあとから気づきましたwす、すみませんw
0035名無しさん@ピンキー2013/05/18(土) 22:36:48.31ID:W4MYrkvx
>>33

乙華麗です!!
こういうの凄く待ってました〜しかも空井君目線なのがスゴくイイ!!!
萌え杉るー
これは自分の勝手な妄想ですが、結婚は空井君の方が早くから望みそうな希ガスw
結婚後の二人も読んでみたいですし、次の作品投下を楽しみに待ってます♪

他の職人さんも是非ともドンドン(エロも勿論歓迎w)宜しくお願い致します!!!
0036名無しさん@ピンキー2013/05/19(日) 01:06:14.10ID:abWW153O
さいこう!!!!!
0037名無しさん@ピンキー2013/05/19(日) 01:26:28.09ID:bb9+RZz6
みなさん素晴らしい!

初めて書いてみました。
我慢して読んでみてくださいませ。
0038名無しさん@ピンキー2013/05/19(日) 01:28:09.05ID:bb9+RZz6
   《エレメント》

「稲葉、あれ買ってるか?」

街角グルメの取材が終わり、撤収作業をしているときに突然
坂出が言った。

「あれってなんですか、あれって」
「あれはあれだよ、稲葉、ビューって」
「坂出さん、また戦闘機の話ですか?
買えませんよ、一機何億円もするってはなしですよ」
「なんだ知らないの、稲葉
○○ゴスティーニの『陸海空 自衛隊モデルコレクション』
次号ブルーインパルスなんだ、もう楽しみで楽しみで」
「モデルコレクションなんて興味ないんで知りません!」

坂出にはそう答えたリカだったが……

自宅につくなりネットで詳細を検索
そして発売日当日

(ちょっと見てみるだけよ)
(空井さんを夢中にさせたブルーインパルスだもの)
(取材の対象、の一部みたいなもんだし)
(変なことに使うため買おうとしているんじゃないってば)
(変なことって!!!変なことって何よーーー)

逡巡しながらも買ってしまったリカであった。
0039名無しさん@ピンキー2013/05/19(日) 01:29:22.13ID:bb9+RZz6
同日
空幕広報室

「空井二尉、先ほどから何をにやにやしているんですか」
「え、いやあの
自衛隊モデルコレクションのブルーインパルスがさっき届いたので
ちょっとうれしくて」
「そーらーいー、オタク趣味全開ばりばりだなー
それじゃ女子に、もてないぞーーー(しめしめ、ナイスな情報ゲット、次の合コンの時ばらしてやる)」
「いいじゃあないの、みんな、それぞれに色々な趣味があるでしょ」
「あ、なんで同じの二冊も買ってんだーこいつ
まさか保存用と飛ばして遊ぶ用か!ガキ!!」
「柚月三佐、こいつだのガキだの、いいかげん言葉遣いに気をつけてくださいよ」
「なんだとー!!」
「はい、自分、オタクでもガキでもいいです、
好きなんでしょうがないです」

(もうみんなにめちゃくちゃ言われてしまったなぁ)
(今までの自分だったらきっと6機買っていただろうな)
(でもこれは……)
(一機は自分、もう一機は)
「それがエレメント」
頭の中で考えていたことをうっかり声に出して言ってしまい、
みんなの視線が空井に集まる。
空井の顔はあの日、防衛大の屋上で夕焼けに染まったときのように
赤くなっていった。

   《了》
0040名無しさん@ピンキー2013/05/19(日) 10:26:08.02ID:abWW153O
ニヤニヤとまらん
ありがとうございます!!!!
0041名無しさん@ピンキー2013/05/20(月) 19:02:03.87ID:L3QV2E9X
>>38-39
かわいい!二人ともピュアでなごみました

私も初投下です。お目汚し失礼します。
流れに逆らって藤枝目線です。

【同僚の苦悩】

「稲葉さん最近、前にもましてバリバリモードで
ちょっとうざいくらいです。」


番組ADの言うとおり、俺の同期、稲葉は
異常なほどイキイキと仕事をしている。

報道局から来たばっかりの頃は、めちゃめちゃ不貞腐れてたのに。


「ふっ切ったか……。」
「ふっきった?」

「ん?無駄に傷つく必要もないから、よかったな〜って話。」


だって好みと正反対だもんな。

今だってバリバリ仕事してて、家庭なんかどうでもよさそうだし。

最近ビール一気飲みして、おっさんみたいな発言が増えたし。
かと思えば、小姑みたいにどうでもいいこと注意してきたりするし。
わけのわからない支離滅裂なことをつぶやいてみたり。

男を勘違いさせるような言葉も多くなった。
全然家庭的じゃない。無自覚小悪魔だろ。

……って、なんで俺あいつのことばっかり考えてんだよ。
0042名無しさん@ピンキー2013/05/20(月) 19:03:00.06ID:L3QV2E9X
あの頃、稲葉が情報局に来たばっかりの頃
一緒に仕事できることが、バカみたいに嬉しかった俺なのに
今はこっちが不貞腐れてる。

理由は、多分……。


「あ、そろそろ出なくちゃ失礼します!!」


チーフと言い合いに蹴りをつけて
俺たちを突き飛ばして出ていく、あいつの後姿を見送った。

そんなに嬉しそうなのは、あの男に会えるから――?

理由は、あの、悲劇のパイロットだ。

なんて、俺が気にすることでもないけど。
俺は稲葉の彼氏じゃないし。別に相手に不自由もしてないし。

……でも。

本当は認めたくなんかないけど。
傷つくのが嫌なのは、俺もだってこと。

(おわり)
0043名無しさん@ピンキー2013/05/20(月) 22:14:53.60ID:j4Zjlv5l
>>42

ナッシュの結婚式によばれていたおばさん「藤枝アナ、私がいるわよ」
0044名無しさん@ピンキー2013/05/20(月) 23:24:34.63ID:6zns8EWY
今回も素敵な作品…
みなさまありがとうございます
0045名無しさん@ピンキー2013/05/20(月) 23:25:59.59ID:6zns8EWY
このスレ更新されてないかなーって来るのが私の日課と生きがいです♡
0046名無しさん@ピンキー2013/05/21(火) 08:43:29.08ID:QEJmlGRq
各職人さん方、萌え作品ありがとうございました

本編は牛歩だし焦れったいしw一週間が長過ぎる〜
せめてココでドラマのラブパート解釈や妄想話しましょう

二人の初夜的な作品がぜひとも読みたいです
色々な職人さんの様々なバージョン大募集!!!
0047名無しさん@ピンキー2013/05/21(火) 13:23:37.88ID:NvF04dnS
皆さん良作ばかり凄いなー

ドラマ6話は飲み屋で詐欺坂が「柚木はテレビ映りがいいから」と言ったのに対して
槇が即座に真顔でサラリと「ですね」と返して柚木もまんざらじゃない顔したのが地味にハゲ萌えた
空井稲葉だけじゃなく、高橋努さんに萌える日が来るとは…このドラマ恐ろしい
0048名無しさん@ピンキー2013/05/21(火) 15:52:02.02ID:8Gv4FFm6
原作読みましたか?
読んでない人はスルーしてくださいね。ごめんね。








{典子と博己のバカンス}

「ワイハ、さすがにあちぃなぁーーー」パタパタ
「股広げて、あおぐのやめてください!」
「うるわいなーもう
あのさー、新しいビキニ買っちゃったんだけど見る?」
「え!」

・・・柚月お着替え終了・・・

「じゃーん!」
「うぐっ」鼻血を押さえる槙
「そんなの禁止!おれ以外に絶対みせんでください!」
0049名無しさん@ピンキー2013/05/21(火) 23:08:16.46ID:4fXcK4AZ
皆さんの素晴らしい作品読んだら日曜日までwktkが止まらんw
0050名無しさん@ピンキー2013/05/22(水) 07:09:19.18ID:7KF2GJHA
中学生の恋みたいでじれったーい
ここのおかげで脳内補完

ラストまで映像ではなにも(いいシーンが)描かれなくて
「以上、帝都テレビ空井リカがお送りしました」の一言で終わったらいやだねー

職人さんたち
いろいろとエロエロと宜しくお願いします
0053名無しさん@ピンキー2013/05/24(金) 19:38:08.25ID:Vxhz+mE0
あれ誤爆だったんだ。悪意の転載かと思ってたわ。
おかげでこのスレが立ってたことに気付いたから個人的には良かった。

>>47
高橋努さんイイよね〜。
自分の中ではちょっとだけ「海の中」の夏(名前忘れた)のイメージだ。
0054ドラマスレより 転載2013/05/25(土) 08:24:25.79ID:076Ol+S7
147 名前:名無しさんは見た!@放送中は実況板で 投稿日:2013/05/24(金) 18:28:26.20 ID:UcncnB6U0
1話の稲ぴょんが人殺し暴言後、次に会った時の
仏頂面で現れて一瞬稲ぴょんをチラ見する空井が何故だか好き
どう考えても酷い事言ったり無神経な稲ぴょんって存在は大嫌いなはずなのに
なにが空井スイッチを押したんだろう
目の前で号泣したりナデナデされたり・・・やっぱり初めから潜在的に好きなタイプだったって事なのかなー

オオカミ目線になる空井・・・
あー妄想は膨らむが、なにぶん文才ないんで
職人さん方、宜しくお願いします
0056名無しさん@ピンキー2013/05/27(月) 00:51:55.80ID:C0Se3b5p
空井完全復活きたわww
空井と稲ぴょんは是非このまま突っ走って欲しい
0057名無しさん@ピンキー2013/05/27(月) 01:05:10.31ID:syWgIGxZ
本当に良い回だったね
空井のはしゃぎっぷりが可愛すぎて、今までどんだけ(稲ぴょんへの)感情を押し殺していたのかとw
0058名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 00:46:27.07ID:W2AzB8TG
あれ?雨?
部屋の中なのに……

痛さをこらえ、ぎゅっとつぶっていたまぶたをあける。
リカの顔に降ってきたものは雨ではなかった。

「空井さん、泣いてるんですか?」

大祐は、はっとして動きを止めた。

「空井さんの涙が降ってきました」

「なんでだろう
なんで涙が出てくるんだろう
泣いてるんじゃないんです
だって……すごく……稲葉さんの中はあったかくて気持ちがいいんだ。
あああ、すみません
稲葉さんこそいっぱい涙がたまってます。
すみませんすみません、痛かったんですね?」



初めての夜
いまだ苗字で呼び合う2人
0059582013/05/28(火) 00:47:26.45ID:W2AzB8TG
エロくなくてすまぬ
0060名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 07:20:16.11ID:N0tcfuLF
>>58

とんでもない!とんでもない!
2人の初々しさとお互いを愛おしく思っている気持ちと
やっと一つになれた喜びに溢れた素晴らしい作品です
続編、次回作など楽しみに待ってます!!
正座して待ってますので、また是非投下して下さいね
0061名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 09:30:01.72ID:kyjRaGGe
>>58

ありがとうございます!!
あまりにも素敵過ぎて…
マジ涙出てきちゃった←空井君風
0062名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 11:12:06.45ID:zFHCLuqx
新婚さんの空稲を希望してらっしゃる方がおられるようなので
拙いものかと思いますが、小ネタを投下させていただきます〜

新婚ホヤホヤの空井家での1コマ。ラブコメ的ノリだけど最後は結局あまあまイチャイチャみたいな…。
稲ぴょんが純白ふりふりエプロン新妻コスで玄関先で仁王立ち、旦那さまをお出迎えしてみた、
という場面からはじまります

* * * *

ガチャッ


「ただいまー…〜〜〜っ、ってえっ何!?」

「大祐さんおかえりなさーい」

「いなばs…じゃなくてリカさんちょっと待って!」

「ごはんにするー?おふろにするー?それともわーたーしー?」

「ちょちょえっなんですかその恰好!あとその死んだ目!」

「……柚木さんに押し付けられました。槙さんの趣味らしいんですけど超絶キモイから全力で拒否ったって」

「…………」


「……コホン、えー……

『空井はさー、一見爽やかそうに見えて意外と中身はド変態だからこういう王道チックなのは喜ぶと思うわ。
 新婚の盛り上がってるうちしかできないんだから一回くらい裸エプロンいちゃいちゃプレイでもやっとけ。』
 
 …以上、本日我が家に宅配されました柚木さんからの手紙より一部抜粋しました。

 …へぇー空井さんってそうなんだぁ。知らなかったなー……」
0063名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 11:14:36.37ID:zFHCLuqx
「ウワアアアアアア色々と突っ込み所が多すぎるけどとりあえずその生気の感じられない眼差しで俺のこと見るのやめて!」

「どーりでデートの時とか私がちょっと背伸びして色っぽい服えらんで着てってみても反応薄いわけですよね。
 なるほど空井さんってロリっ子系にグっとくるタイプでしたかあーそれは気付かなかったなー盲点だったなーー」

「なにそのナチュラルに距離感じる苗字呼び!あああああもう誤解なんだって!誤解だからちょっと一回落ち着こう!」


柚木三佐本当なにしてくれてんですか勘弁してくださいよもう!、とか内心文句言いながらも、
とりあえず仏頂面でスネまくる新妻さんの手を引っ張り、居間に移動してみる旦那さん。


「今までの自分の無駄な努力を振り返ってなんて言いますかね、独りで全力で空回ってたなーみたいな?
 断じて虚しさのあまりウッカリ袖を通しちゃったとかじゃないんですけどまぁ、ちょっと驚かせてみよっかなーみたいな?」

「……は、はぁ……」

「なんなんですかねーいっつもそうなんですよねー」

「す、すみません」

「…………」

「…………」

「…結婚してもお互い仕事が忙しくて一緒に暮らしててもあんまり顔合わせられないし」

「…うん」

「料理ぜんぜんダメだけど本屋でたまたま見かけたから不本意ながら初歩的クッキング本とか買って頑張ってみても全然うまくいかないし」

「…うん」

「そんな超絶まずい晩ごはんでも大祐さん、お、美味しいって食べてくれる、しっ」

「ん、」

「わ、わたし自衛官の妻どころか…ふ、ふつーのおよめさんとして失格っていうかもう、

 なんで大祐さんこんな私にいっつも笑ってくれるのかなとか、全然文句とか言わないし、

 も、もしかしてほんとは愛想尽かされてるけど、大祐さん優しいから黙って我慢してくれてんじゃないかなーとか……ひゃっ」
0064名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 11:19:22.47ID:zFHCLuqx
「――…そんなこと考えてたなんて知らなかった」

「ちょ、いきなりひっつかないでよっ!苦しいってば…もぅ、」


「……もっと早く言ってくれればよかったのに」

「……そっちが気付かないのがわるいんです」

「…そっか。そうだね、ごめん」

「そうやって…すぐ謝るし…私が悪いみたいじゃないですか」

「リカさんは悪くないよ。気づいてあげれなくてごめんね」

「………ううーーー……」

「よしよし、」

「だいすけさんのばかーーー……」

「うん、ごめん」

「もぉっ…全てにおいて鈍すぎだしっ…天然口説き魔……し、心臓いくつあっても足りないっつーのっ…!」

「そ、そうなんだ…」



「……でも、そーゆーとこもぜんぶひっくるめて好きなのよぉー…!
 
 ……すきだーっ!このやろぉー!…だいすきーっ!!…ばかぁぁ……!!」


「………えっ(なにこのご褒美展開!)」


おわり

永遠に砂吐くドロ甘会話が続いていきそうなのでこのへんで自粛しますw
このあとの展開は皆さまのご想像におまかせします…が、
たぶん旦那さんが嫁の可愛さに萌え死んだ後にサクッとベッドインしちゃってると思います(なまぬるいえがお)
0065名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 15:17:26.97ID:kyjRaGGe
>>62

結婚後の二人!!シチュ最高♪

空井君のキャラそのままの優しい旦那さんぶりや、相変わらずな二人って感じで
ドラマの延長線って感じでスゴく良かったです!
0067名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 21:26:33.71ID:ToXPSGSA
初投下です。
なのに長文すみません。
設定として空井は空幕から他の基地に異動後にしてます。
(原作設定無視です)
前半ほぼ会話のみで進行してます。ごめんなさい。


「あ〜空井さんって、どの女の子にも優しいんでしょ?そうですよね〜。」
「稲葉さん飲みすぎだから」
「そりゃ多少飲みましたけど、正気です。全然酔ってません。」
「いや目が据わってるし・・」
「うまれつきですから!!」
「ちょっと、ねえ。ほんとになんでそんなに機嫌悪いんですか?」
「・・・心当りがない?」
「ないです!」
「・・・・・新しく広報に異動できた女の子かわいいですよね〜?若いし。胸大きいし」
「胸??あの〜・・・稲葉さん。なんでそんなに新しく着任した子のことに詳しいんですか?」
「片山さんがメールで教えてくれました!!新しく着た美人と空井がなかよくやってるって
噂だぞ〜。いなぴょん、見張っとかなきゃ〜って。ふら〜っと飛んでくよ〜って」

「男の人って胸のおっきい子がやっぱ好きなんだ。そうなんだ・・」
「いや自分は小さくても、こう、手にしっくり・・・」
「馬鹿!スケベ!変態!大祐のダイスケベ」
「稲葉さんが胸の話を振ったんじゃ・・・」
「私が悪いっていうんですか?」
「あ〜なにこの不毛な会話!そりゃきましたよ。若くて、美人でその上胸が大きな女性自衛官!
でも仕事上の付き合いです。ほんとです。絶対です。信じてくださいよ〜」
「・・・信じたいけど・・・」

続く
0068名無しさん@ピンキー2013/05/28(火) 21:42:07.07ID:ToXPSGSA
離れていたら不安にもなる。
だって確かなものなんて何もないのだから。

今日だって会うのは一か月ぶりだ。
毎日のようにあっていた以前と違い、今はお互いの休みを調整してなんとか逢っている

こんな可愛げのないこと言うつもりはなかった。
笑ってじゃあまたねっていうつもりだった。

でも顔をみたらやっぱり甘えてしまう。この人なら許してくれるって思ってるから
ズケズケ言ってしまう。どんどん可愛くなくなってく。

なんだか泣けてきた。こんなことくらいで泣いてたっけ私?
涙がとまらない〜。ガツガツの稲葉リカはどこにいったー!!」

自分が泣いてしまったことにパ二くっているのは私だけではないらしい。
隣の飛行機馬鹿もアワアワしていた。

「ご。ごめんなさい。稲葉さんを不安にさせたのなら謝ります。すみません。
あの、でも、彼女は同僚なんで仕事の話はやっぱりしないといけないと思うんです。
一応自分が先輩だし。比嘉さんや片山さんに教えてもらったように、自分が後輩に
教える番なんです。でも、それだけです。ほんとです!」

早口にまくしたてて、息を大きくつく。

そして唐突に抱きしめられた。

「え?なに?なんで?」
この状況が理解できない。
「ヤキモチやいてくれてるの、なんか嬉しかったから。すっげー俺って稲葉さんに
好かれてんだな〜っておもっちゃって。」

・・・ああこの人がもし、私以外の人を好きになってもきっと上手に隠したりできない。
馬鹿正直で、超がつくほどまっすぐで、お人好し。
この人がまっすぐに私のことを見ていてくれるなら、たぶん大丈夫。

「浮気・・しないでよね。」
「そんな器用じゃないの、稲葉さんが一番よくしってるでしょ?」
「たしかに・・器用な空井さんて想像つかない」
「・・・なんだろ?何気に失礼ですね」

さっきまで怒ったり泣いたりしてたのが、アホらしくなる位この人は変わらない。
気持ちが揺れるのは私のほう。
弱いのも私のほう
エレメントなのに置いていかれそうだな。
そんなことを思いながら、彼の背中に手をまわしてギュッと抱きしめた。

以上です〜
エロなくてごめんなさい〜
0069名無しさん@ピンキー2013/05/29(水) 00:16:38.79ID:AZCeVGGY
>>67
ヤキモチもいいですねぇ〜


まきゆずの初デート
3レス使わせていただきます。
0070初デート 12013/05/29(水) 00:17:47.62ID:AZCeVGGY
「ばかやろう!スカートなんて持ってねえ!」

柚木先輩からの返信メールを読み返しながら
明日のデートのプランを練っていた。

プランA
柚木先輩がおれのリクエスト通り、女性らしい服装で来たら
美術館をゆっくり鑑賞
フラメンコを見ながらスペイン料理

メールでは拒否されたが、もしかしたら?という淡い期待もある一方で、
先日、ダーツバーの階段を下りてきたワンピース姿を思い出し
あんなスタイルで来られたら、緊張して話が弾まないかもな、とも思う。

プランB
いつも通りだったら
レンタル自転車で代々木公園を散策
いい季節だから、鷺坂室長の言っていたハーブガーデンものぞいてみよう

よしこれで完璧だ!
0071初デート 22013/05/29(水) 00:19:28.38ID:AZCeVGGY
完璧なプランだったはずなのに、なんなんだ!このアクシデントは!

「スカートなんて持ってないからさー
昨日買いに行ったんだよ、稲葉に見立ててもらおうと思ってさ
そしたら、偶然、稲葉と空井も、出かけるって言うんで
んじゃ4人で行こうぜーって盛り上がっちゃって」
と話す柚月先輩の隣で稲葉さんも
「ついて来ちゃいましたー」と朗らかに笑っている。
空井は2人の視界から外れたところで
スミマセンスミマセンと手を合わせ、必死な顔でおれにあやまっている。

しかたがない。
それに服装も全くいつも通りだ。
買いに行ったんじゃないのか?まったく!

ではプランBでいきますか。

こんな大人のダブルデートって
他人から見たら滑稽にうつらないだろうか?
人目が気になるおれがいる。
0072初デート 32013/05/29(水) 00:21:18.01ID:AZCeVGGY
だが柚木先輩はとても楽しそうだ。
自転車のペダルをがんがんこいで
どんどん先に行ってしまう。
気がつくと空井と稲葉さんをはるか後方においてきてしまっていた。

「柚月先輩、いくらなんでも速すぎです、空井たちが」
「ばーかばーか槙、空気読め
わざとおいてきたんだよ、ふたり
私がこんだけこいだら、ついてこられるのは
槙だけだよ」

そもそも空気読めないのは柚月先輩です、と言いたかったが
それは言葉に出さずに飲み込んだ。
先輩の言葉がちょっとうれしかった。

「もっと速く行くよー!槙!」
「はいはい、ついて行きますよ、いつまでもどこまでも」

でもね柚月先輩
次のデートは2人だけで行きたいと思うのは、おれだけですか?

                       おしまい
0073名無しさん@ピンキー2013/05/29(水) 22:45:16.81ID:BJ0eEUAN
柚木と槇の先輩後輩カップルいいですね〜。

こちらも柚木槇を投下します。
原作未読のため設定等原作と違っている箇所があるかもしれませんがご容赦下さい。



いつものように悪酔いした柚木の介抱をしていた槇が顔を上げると広報室の面々は姿を消していた。
逃げやがったな、と心の中で呟きながら槇は柚木の身体を抱え直す。

「よ〜し!もう一件行くよ!」
「なに言ってんすか。自分で歩けんくらいベロンベロンなくせに」
「うっさい、風紀委員!今日は気分がイイの!飲み足りないの!!」
柚木が暴れたので巻き添えで転びそうになるのを槇はすんでのところで堪えた。

「…分かりました。明日非番ですしね。俺も、柚木三佐も」
「おっ、その気になったか!よ〜し、どこ行こうかな〜」
「…柚木三佐の家」
「えっ!?」
「柚木三佐の家で部屋飲み。それなら付き合います」

柚木のそれまでの酔いが一気に醒める。
つい真正面から槇の顔を見据えたら思った以上に顔が近かった。
やばっと思った柚木が距離を取ろうとするより一瞬早く槇が唇を捕らえる。
キスされそうな空気を察すると頭突きを食らわせてくるので柚木にキスするには不意を突くしかない。
いつものように目を白黒させるだけで何も言えない柚木をよそに槇はさっさとタクシーを止めた。

「言っとくけど散らかってるよ。…急に来たあんたが悪いんだからね!」
「いいから早く開けて下さい。往生際悪いです」
柚木の部屋は本来の彼女らしいと言うべきか、柔らかな色調でまとめられていた。
散らかってると言いながらも整理整頓が行き届いているのは自衛官の性か。

途中のコンビニで大量に購入してきた酒やつまみを適当にいくつかテーブルに並べる。
言葉少なにビールを缶のまま軽く合わせた。

「…ちょっと」
「何すか?」
「何か話しなさいよ」
「…何か、って何を?」
「今、何考えてる?」
「…聞いたら後悔すると思いますけど」
くわえていたさきイカが柚木の唇から零れ落ちる。
「あ、あんた!イヤらしいこと考えてるのね?!」
「…もうちょっと言葉選んでもらえますか。惚れた女と二人きりなんです。仕方ないでしょう」
拗ねたようにそっぽを向いた槇の耳朶がほのかに赤い。
0074槇&柚木その22013/05/29(水) 22:53:18.74ID:BJ0eEUAN
惚れた女というワードに柚木の頬も赤くなる。
「あんた、そんな厳つい顔でよくもそんな甘々ワード口に出来るわね」
「はっ?!俺なんか変なこと言いましたか?」
「いい、気付いてないならいい!」
今度は柚木がそっぽを向く番だった。

気配を感じて振り向くといつの間にか槇が柚木の隣に腰を下ろしていた。
「…そんな露骨に逃げますか」
「に、逃げてなんかないわよ!あ、あんたが座ると一気にソファが狭くなるから自分のスペースを確保しようかと…!」
最後まで言う前に唇を塞がれた。
いつもの不意を突いたキスは唇に触れるだけですぐに解放してくれるのだが、今回は様子が違う。
硬い胸板に手を突っ張って押し退けようとしたが槇の身体はビクともしない。
ようやく解放された時には柚木の息は完全に上がっていた。

「…顔、上げてもらえませんか」
「…無理!」
「無理、て」
槇の大きな掌が柚木の頬を包む。
「…あんたの手、熱い」
「柚木三佐の頬っぺたの方が熱いですよ。熱でもあるんですか?」
「誰のせいだとっ!」
反射的に顔を上げてしまい真っ直ぐな槇の視線とぶつかる。

「…今日は、頭突きは勘弁して下さい」
掠れた低い声が耳元で囁いた。
「…好きです。柚木先輩」
柚木の心臓が跳ね上がる。
ゆっくりと槇の顔が近づいてきた。
頭突きをくらわすだけの時間はあったが、柚木はそっと目を閉じた。

「…ねぇ」
「…はい?」
「ポメラニアンと別れたのっていつ?」
「…今聞く話ですか、それ」
「だって…!」
竹を割ったような性格の柚木が珍しく言い淀んだ。

「私、その、こういうのあまりに久しぶりで…」
「…はい?」
「あ、その、もちろん初めて、ってわけじゃないんだけど」
「ま、そうでしょうね」
学生時代に柚木と付き合っていた男なら槇も顔を見知っている。
「ただ、その、ホントに久しぶりなもんだから、手順というか、流れというか…」
「…はい」
「そういうのちょっと心もとないというか、自信がないというか…」
必死に噴き出すのを堪えている槇にテンパっている柚木は気付かない。
「ほら、あんたも私もとっくに30オーバーだし、2人揃ってこう、オタオタしてたら寒いっていうか…」
耐えきれず槇は噴き出した。
「ちょっと!」
「いや、すみません。まさかそう来るとは…」
柚木が膨れっ面でそっぽを向いてしまったのでようやく槇は笑いを治めた。
0075槇&柚木その32013/05/29(水) 22:59:56.19ID:BJ0eEUAN
「すみません。機嫌直してください」
「うっさい!うっさい!」
「別れたのはずいぶん前ですが、手順を忘れるほど前でもないです」
「…それは、それでちょっと複雑な気分になる」
「…ん?」

「言っとくけど、こっちはほぼオッサン化した30オーバー女だから!」
「知ってますよ」
「わ、若い娘と比べてもイイことなんてないからね!」

あぁ、もう!
槇は堪らず柚木を抱きしめた。

「あんまり可愛いこと言わんで下さい。こっちの理性にも限界ってもんがあります」
「今の会話の何処にあんたの萌えポイントがあったのかさっぱり分からないんだけど!」
柚木はそう言いながらもなんとか槇の腕から逃れようともがいた。
しかし男の、しかも自衛官なんてやってる奴の力に敵うわけがない。

「ちょっ!急所蹴り上げるのだけはナシですよ!」
「あら、察しが良いわね」
「この後使いモンにならんくなったらどうするんすか」
「ちょっ!なにそのド直球の下ネタ!」
「あぁ、もううるさい!…そろそろ黙ってくれませんかね」

放っておくとどんどん話が変な方向に行きそうなので槇は実力行使に出た。
まだ言い足りなさそうな柚木の唇を塞ぐ。
唇を舌先で強引にこじ開けて逃げる柚木の舌を絡め取った。
「…っん!ふぅ…」

柚木から漏れる吐息に甘さが加わってきたのを確認してから槇は唇を解放した。
0076槇&柚木その42013/05/29(水) 23:04:09.35ID:BJ0eEUAN
「さて、どうしますか?」
「…どう、って?」
「俺は別にここで続行しても構いませんが」
「あ、あぁ、そうね…。さすがにソファじゃ狭いかも…」
「たまにだったらこういう所でもそれはそれで燃える…痛っ!」
「変態!」
「ここでまた頭突きがくるとは思いませんでした。…よっと」
「…えっ!?ちょっと!」

おでこをさすっていた槇が柚木を抱き上げた。

「暴れんでください。この高さから落ちるとさすがの先輩でも痛いと思います」
「ちょっ、降ろして!重いから!」
「先輩なんて軽いもんです。普段何キロ抱えて訓練するか知ってるでしょう」
「は、恥ずかしいのよ!こんな、普通の女のコみたいな扱い…!」
「俺にとって先輩は充分女の人です。何度も言わせないで下さい。…寝室こっちですか?」

恥ずかしくて顔を上げていられない。
槇の肩口に顔を埋めて柚木は微かに頷いた。
「…了解」

危なげなく柚木を抱えたまま槇は寝室のドアを開けた。
そっと壊れ物を扱うように柚木をベッドに下ろす。

柚木はシャツを脱ぐ槇の背中を見つめていた。
職業柄、男の上半身裸なんて見飽きている。
ましてや槇は学生時代からの後輩だ。
やれ部活だ、合宿だ、でそれこそ数え切れないほど見ているはずだった。
なのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう。

「ん?どうしました?」
「あ、あんた、結構イイ身体してんじゃない」
「それはどうも」
槇がベッドに腰を下ろす。
さほど大きくないベッドの上ではもう逃げ場がない。

槇が困ったような顔で頭を掻いた。
「そんな怖がらんでください」
「こ、怖がってなんか!」
「見栄張らんで下さい。…ゆっくりしますから…」
そっと槇が覆い被さってくる。

久しぶりに感じる重みと人肌の温もり。
柚木は思わず槇の背中にしがみついた。
槇は少し驚いた表情を浮かべたがすぐに柔らかく微笑んだ。

「好きです…先輩」
「さっきも聞いた…」
「何度でも言います。今までずっと言えなかったんですから」
「…バカね、あんた…」

そう呟いて微笑んだ柚木はあの頃とちっとも変わってなくて。
槇は思わず抱きしめた腕に力を籠めた。
0077名無しさん@ピンキー2013/05/29(水) 23:11:03.04ID:BJ0eEUAN
いったん、ここで切ります。
本番に持ち込むまでのやり取りが書きたかったんですがエロそのものを書く自信がありません!
どなたか続き書いてくれませんかね?w

このスレがもっともっと盛り上がりますように!
007841を書いた者です。2013/05/30(木) 19:50:33.18ID:h9tmFA82
>>73-76
槇柚素敵でした!槇さん性格男前やw

自分も投下します。空稲です。

【敵は灯台もと暗し?】

室長の部屋から、おかしな声がする。

「……空井。」「……空井二尉。」
「……なんですか。」

「いなぴょん、だよな……。」

打ち合わせと称して部屋に入ってから30分。
室長も稲葉さんも、出てくる気配がない。

と、いうより、打ち合わせしてる気配がない。

『あっ、あぁ!そ、そこはちょっと!』

しばらく経ってから聞こえ始めた、明らかに……な声。
0079敵は灯台もと暗し? 22013/05/30(木) 19:52:16.35ID:h9tmFA82
『ひゃっ!やめ、ぁ……』
『っ、くっ、し、しつちょ、いっ』

「間違いないな。」「ですね。」
「ちょ、ちょっと片山さん!?比嘉さんまで!」

にやにや笑いながら僕を見てくる2人がものすごく怖い。思わず後ずさりしたら
ソファ……否、ソファにアザラシみたいに寝転がる柚木さんの頭に足がぶつかった。

「いったあ!空井何してんだよー。」
「すみません!ほんとすみません!」
「アザラシが干からびたみたいになってる柚木先輩も柚木先輩です。」
「室長も奥さん以外に興味あったんですね。」
「でもあんなガツガツだぜ?俺ならないわー。」
「……嘘が隠し切れていないですよ。」

比嘉さんの視線の先に気がついて、顔を真っ赤にした片山さんに
槇さんとの言い合いに疲れたらしい柚木さんが言い放つ。

「ったく、うっさいなあ。休憩時間に寝てようがエロい事してようが勝手だろうが。」
「ド直球な言葉を使わんで下さい!」
「……おっさんも、ないわー。」
0080敵は灯台もと暗し? 32013/05/30(木) 19:55:38.81ID:h9tmFA82
『ああっ!』

そのとき、一際大きい声が聞こえて、うるさかった広報室が一気に静かになった。
ピンと張りつめた空気に甘い声がもう1度響くことはなく、耐えかねた片山さんが僕の肩をつかむ。

「あーもうっ!空井、乗り込んでこい!」
「は、え?む、無理です!無理ですよ!」

全力で拒否をしたのに、あっけなくドアの前に連れてこられてしまった。
比嘉さんが勝手にノックをして「どうぞ」と合図を送って来る。

いや、絶対無理。稲葉さんの……な姿とか見たら僕立ち直れません!
でも両側からのプレッシャーにも耐えられないし……ええい、ままよ!
ゆっくりとドアノブを回し、勢いよく開けると――。


「……え?」

そこには、稲葉さんの肩に手を乗せた室長がいた。

「いなぴょんの肩もみ。お仕事疲れかな?」
「なんかすみません。打ち合わせのはずだったのに。」
「……。」

ほっとしたような、がっかりしたような。変な気持ちが身体中を駆け巡る。
誤解招きすぎですよ、稲葉さん……。

「あれ?空井、やきもち?」
「あ、え、なっ、なんでそうなるんですか!」
「……。」
「あー、いなぴょん拗ねちゃった。」
「え!?あの、すみません、えっとですね、その」
「大丈夫ですっ!拗ねてなんていないですから!」

慌てる僕と、拗ねる彼女と、楽しむ室長の後ろで
「つまんねえの、」と吐き捨てて
トイレに行ってしまった片山さんのことを、僕はまだ知らない。

(おわり)
0081412013/05/30(木) 20:44:36.15ID:h9tmFA82
調子に乗ってもうひとつ。
空井異動後、原作無視です。すみません。

【君をもっと知りたくて】

仕事が終わった後、空井さんが迎えに来てくれた。
お互い相変わらずの忙しさだけど、たまの休みにはいつも会いに来てくれる。

「ごめん!待たせました?」
「いえ、全然!大丈夫です!」

まだまだ敬語の抜けない私たちを片山さんは馬鹿にする。
でも、私だって思っているんだ。もっと先に進みたい、って。

「どうしましょうか。やっぱりいつもの店で飲みます?」

よし!稲葉リカ、一世一代の勝負だ!!

「あの、私明日休みなんですけど。」
「よかったですね!久しぶりじゃないですか!」
「空井さんは、その、いつ帰るんですか?」
「え?明日の夜の便で帰るつもりですけど……。」
「そう、ですか……。」

空井さんは私の言葉の本意がわかっていないらしい。
自分は考えずにドキドキさせるようなこと言うくせに!察しろこの飛行機バカー!!

「空井さ「なーにいちゃいちゃしてんだよ、稲葉。」
「藤枝!」

仕方がないから直球で自分の気持ちを言おうと思ったら
間の悪い同僚が声をかけてきた。どいつもこいつも、まったくもう!

「これからデート?良いねぇ……」
「いっつも女連れてるあんたに言われたくない。」
「空井さん、こいつ明日休みなんで。思う存分、可愛がってあげてください。」
「……は、はあ。」
「ちょっと、藤枝!」
「じゃーな!稲葉と空井さん!」

予期せぬ邪魔が消えたことにほっとして、さあもう1度言おう……と思ったら
そこには見たこともないくらい険しい顔の空井さんがいた。

「……空井さん?」
「稲葉さん。やっぱり、稲葉さんの家に行きたいです。」
「!?」
0082君をもっと知りたくて 22013/05/30(木) 20:46:01.55ID:h9tmFA82
家に着くと、空井さんは私を突然壁に押し付けた。

「やっぱり、あのアナウンサーの方がいいんですか?」
「は……?」
「そうですよね。イケメンだし、明るいし?
僕なんかより稲葉さんのこと、よっぽど知ってるだろうし。」

でも、僕は稲葉さんのこと離さないから。

早口で言いきった空井さんは、休む間もなく唇を重ねる。
こんな空井さん、私は知らない……。

「っ、っは、そ、空井さん、ちょ!」
「嫌ですか!」
「そうじゃなくて!」

嬉しいけど、すごく嬉しいけど、なんかびっくりして!
言葉にできないうちに口はまた塞がれ、今度は身体もなでまわされる。
顔から熱が広がってゆく。思わず首に手を回そうとした、そのとき――。

「ご、ごめんなさい!あの、僕……。」
「……え、」

次に見えた空井さんは、真っ赤に顔を染めた、いつも通りの空井さんだった。
さっきのはなんだったのだと思いつつ、かわいいと思ってしまう私は
重症なくらい、きっと、この人に惚れている。

「空井さん。」
「は、はい。」
「つづき、してください。」
「はい!?」
「私も知りたいんです。空井さんのこと、広報室の人よりも。
だから空井さんも、わたしのこと知ってくれませんか……?」

言ってしまえば簡単だった。予想通りさらに顔を真っ赤にした空井さんは
優しく微笑んで、今度は優しくキスをした。

「いきましょうか。稲葉さん。」

(おわり。中途半端でごめんなさい。)
0083名無しさん@ピンキー2013/05/30(木) 21:33:51.02ID:Dg1wekh8
空井さんかわいい!
おもしろかったです!
みなさん素晴らしいですね
できればもっと見たい( ´Д`)
0084名無しさん@ピンキー2013/05/30(木) 22:55:37.22ID:MS07j9JP
>>81
d
空井らしくて良いーーーー♪
5話、6話の拗ね具合をみると、かなりヤキモチ焼くし
空井は割と誰の事も好意的に見るお人よしタイプだけど、藤枝の事だけは気に食わない感があったしw
純情な所は勿論、8話の予想妄想含めドラマの空井テイストが嬉しい!!!

どんどんお願いします
0085名無しさん@ピンキー2013/06/01(土) 03:01:57.59ID:NlP5pIzM
>>601 >>603
男子アナって女子アナより更に倍率高くて5,000倍とか
(NHK以外は各局一名か、多くても二名まで、試験は毎年やるけど男子は一人も採らない年度も普通にある)
イケメン度で取るか顔はアレでも喋りが上手いか、その年の欲しいキャラで採用基準が変わるけど、どちらにも必ず求められるのは機転が利くかどうか
試験は7次か8次くらいまであって、空井はパイロットになるのって凄く難しいって言ってたけども
パイロットは身体的な(視力や脳など様々な検査)ふるいのかけられ方が大きく、本人の努力だけではどうにもならない
でも、なれる可能性、競争率で言ったらはアナウンサーの方が上だよ
藤枝はイケメンなだけでなく、切り返し方が上手いのは頭の回転が速さ、熾烈で過酷な試験を勝ち抜いてきただけの事はある・・・はず
給料は五大商社辺りよりも上、海外支局は別として転勤も無い


でも、これはドラマだし、自分は空稲には絶対結婚して欲しいと思ってる!!!

>>618
だよね、アッキーナ元恋人はないわ〜!!
純粋培養空井が、彼女が出来てもすぐ振られますって言ってた(過去に付き合った経験がある??)のも
好きになられて押し切られ、周りからも色々言われ渋々付き合う事に→2,3回デートしてみたけど【飛行機男】ぶりをフルに発揮してしまいアッサリ終わる程度では

>>626
ダーツの賭けで何とか空井に稲ぴょんとデート出来る作戦言いだしたのにw
ま、AD佐藤と稲ぴょんとの対比が良かったけど

餅話は、一人っ子じゃないんですか?の流れから、お正月に実家帰った時の話かな〜なんて思ってる
稲ぴょんの事をもっと知りたい、自分の事も知って欲しいって気持ちが表れてたように感じた
もっともっと二人の会話シーンが見たかったw

今後の鬱展開は萎える、、、、、、禿そう
0088852013/06/02(日) 00:09:11.91ID:jvr/h5ss
>>86
お疲れ様です(空井風)

すまねえなあ〜
皆、明日を楽しもう
職人さんも投下またよろぴく
0089852013/06/02(日) 00:11:21.48ID:jvr/h5ss
次はアンカーミスかよ〜
逝ってよしだな自分・・・
>>87
ありがd
0091名無しさん@ピンキー2013/06/03(月) 00:15:02.94ID:C6FWe8Gn
色々順番がおかしい空井は告白より先にキス…ってことは次は?w
本編は来週鬱っぽいけど、エロパロ的には美味しい展開だね
0092名無しさん@ピンキー2013/06/03(月) 00:18:36.16ID:sLA06gHx
柚木さん、槇さんとのデートで何があったんだ?
恥ずかしすぎる何かをされちゃったのか?そうなのか?

空稲ももちろん好きだが槇柚も大好物です。
0094名無しさん@ピンキー2013/06/03(月) 06:13:26.50ID:58YHJFXI
ところで鷺坂室長は稲ぴょんが終電で帰ったと聞いて
それではだめだ、のようなことを言ってたけど
いったいなにをどうすればサギ坂的によかったのか、ついつい妄想してしまう。
0095名無しさん@ピンキー2013/06/05(水) 14:44:23.62ID:4oBczcdz
ごめん。全然エロくない小ネタです。

【稲ぴょんのやきもち】

「僕、あのチョコ味が大好きなんですよ!」
「あ〜、いい!でも俺はイチゴ派♪」
「え、意外!藤枝さんは正統派いくのかと…。定番はやっぱり…」
「「メロンパン!!」」

(バカか、こいつら……。)

広報室からの帰り、空井さんと飲みに行ったら藤枝がいた。
珍しく女の子を連れていない彼に声をかけてみれば、なんだか落ち込んだ様子。
空井さんには悪いと思いながらも、結局3人で飲むことにした。

……でも、今は激しく後悔している。

(なんで2人で盛り上がってるわけ!?)

「街角グルメでは紹介しないんですか?」
「そういえばまだしてないな。稲葉、今度やってよ。」
「やってください!」
「……考えとく。」

藤枝と空井さんの話題は、とあるパン屋の「ひこうきパン」なるもの。
飛行機バカの空井さんはともかく、藤枝まで知っているとはそんなに有名なのか。

でも、私が今まで見たことのないようなそこまで輝いた笑顔をされると
なんだか面白くもなくもなくもないわけで……。

ていうか、飛行機だったら何でもいいわけ?他に趣味ないのか!?
空井さんとられた。藤枝なんかに情けをかけなきゃよかった。

「はぁ……。」
「あれ?稲葉さん元気ないですね。体調悪いんですか?」
「……別にー。」
「え、ほんと?ほんとうに?」
「大丈夫ですよ。ちょっと拗ねちゃってるだけだから。」
「拗ねてなんかないし。」
「目が泳いでるぞー。いなぴょん。」
「い、いなぴょ……藤枝のバカー!!」

「……あの、僕お邪魔ですかね?」


結局やきもちをやくのは空井なのでした。
(おわり)
0096名無しさん@ピンキー2013/06/05(水) 16:36:28.81ID:nH7ZE4Tp
>>95
乙でございます。
いいですねぇ、3人の飲み会
藤枝も、いつか幸せになってほしいですね。

さて
ドラマ、鬱で悲しく展開しそうなので
おもいっきり今の状態無視の新婚ネタ投下します。
エロくないので各自妄想よろしくお願いします!
0098名無しさん@ピンキー2013/06/05(水) 16:38:54.63ID:nH7ZE4Tp
「おはよう、リカちゃん」と大祐のキスで起こされた。
「ええーなんで私より先に起きてるの!
しかも朝食の準備もできてるーーー」
「どっちが作ったっていいじゃない、今日は僕で、
リカちゃん、もう一回ちゅー「だめだめだめ」

飛び起きたリカは洗面所で軽く顔を洗いながら
バスタオル入れに隠してある「新婚の手引き」をこっそり見直す。
・・・・やっちゃったー・・・・
手引きには

・朝食の準備をととのえたら、「もう朝ですよー」と優しく声をかけながらキスする

と書いてある。「なかなかうまくいかないなぁ」

リカのマグカップにコーヒーを注ぎながら
大祐も槙が作った
「新婚大作戦、空井でもできるいちゃいちゃ生活」を読んでいた。

・早起きしてかわいい寝顔を小一時間味わう
・朝食の準備をする
・このさい、すぐに起きてこなくなる可能性があるので(この行にピンクのマーカーが塗ってある)
冷めても美味しいもの、簡単に温めなおせるものを準備すること
・優しくキスをしながら起こし、キスの盛り上がり具合によっては昨夜の延長戦に突入すること

「槙三佐、ほんとにこれでうまくいってるのかなぁ
リカちゃん、キス一回で直ぐ起きちゃいました、とほほ」

なお、リカが持っている手引きは鷺坂に渡されたものでした、ちゃんちゃん
0100名無しさん@ピンキー2013/06/06(木) 00:24:09.32ID:WpZwHC09
>>95 >>98
ありがとう!!
今は波乱の9話、脚本家のツィなど、不安材料一杯なのですごく癒されます
とにかく、いつまでも幸せな2人がエロエロ見たいよ〜
0101名無しさん@ピンキー2013/06/06(木) 17:02:07.43ID:qHlk1eU5
なぜか「カーネーション」のせつない場面を
尾野→新垣変換して何度もリピートしているお馬鹿な私

本スレにもいるみたいだけど、空飛ぶ廃人になってしまいました。
0102名無しさん@ピンキー2013/06/06(木) 18:25:11.14ID:aBMxHOEj
まさかの3P。駄作失礼いたします。

【ご教授願います】
視界に広がったのは、自分の部屋の天井の壁だった。

「あれ……?」

今日は仕事が早あがりで、藤枝と飲みに行ったはずだった。
それで……だめだ、頭が働かな「んぅ、稲葉、さん……。」!?

「え、な、なんで空井さんがこ、ここにっ?」
「俺が呼んだの。」

振り返れば、ソファの上で断りもなくコーヒーを飲む藤枝がいた。
問いただせば「稲葉の家知らないから。」なんて飄々と言う。

「私に聞けば済む話じゃん!」
「ベロンベロンに酔っぱらったのはどこのどいつだよ。」

図星で言い返せないことに思わず眉をしかめると、満足そうにニヤリと微笑む彼。
空井さんの肩を揺すり起こし、そして楽しそうに言った。

「じゃあ、はじめようか。」
「「は?」」

私と空井さんの声が重なる。

ヤツの調子に乗せられていたのは私だけではなかったらしい。
わけのわからない私たちに、彼はテンポよく爆弾を放ってゆく。

「稲葉が言ってましたよー?『空井さんが手ぇ出してくれないっ』って。」

「え!?」
「ちょ、ちょっと、藤枝!」
「いやあ、お酒って怖いねぇ。」

黙れ、と手を伸ばしてみたものの、力の強い男には勝てず。

目線を空井さんに送れば、真っ赤な顔をして逸らされた。

頭上からクッ、と含み笑いが聞こえて羞恥心を煽られる。
…なんてことしたんだ、私。
0103ご教授願います 22013/06/06(木) 18:27:54.04ID:aBMxHOEj
「教えてあげましょうか、空井さん。」
「な、何をですか……?」
「稲葉を満足させる方法。」

正しくはオンナノコだけど、なんて言って、妖艶に唇の弧を描いた藤枝の手は
急に陶器を触るような優しいものに変わって、なんだかコワイ。

空井さんの瞳に助けを求めれば、それは不安そうに揺れた後、突然鋭くなった。

「ご教授願います!」
「なんでそうなるのー!?」

また含み笑いが聞こえる。
うつむきながらそちらの様子を伺えば、いつの間にか藤枝の顔が間近で見えた。

息ができなくて苦しい。視界の端にこちらを見つめる空井さんがいる。
悔しいのに、怖いのに、恥ずかしいのに、身体の力は抜けて。
口いっぱいに広がったコーヒーの苦みは、徐々に甘い刺激に変わっていった。

「……次は、空井さんの番ですよ。」
「えぇ!?」

無理です無理です、と今にも言いそうな表情の彼。

「こういうときこそ『勇猛果敢・支離滅裂』でしょ、」

なんて言われながら私の前に連れてこられて
口にはまた、甘い刺激が広がって。

空井さんとのキスに夢中になっていると、後ろに回っていた藤枝の手が胸に触れた。

「――っ、ふ、ふじえだ、」
「ほら、空井さんの相手してあげなくちゃ。」
「え、ちょ、んっ……」

彼はいつもと同じテンションなのに、状況があり得ない方向性にいっている。
空井さんの手も下に伸びてきて、私の頭は完全にキャパシティオーバー。

「あッ……ふぁ、や、だめ……」
「ほら、どうしてほしいかちゃんと言わなきゃ、空井さんも分かんないよ?」
「……言ってください、稲葉さん。」

「っ、も、もっと、激しく……っ!」
0104ご教授願います 32013/06/06(木) 18:29:01.83ID:aBMxHOEj
官能的な水音が聞こえる。
それが早さを増すたびに、快楽の波は押し寄せる。
空井さんの顔が胸の方に移動して、藤枝には耳を責めたてられて――もう、限界だった。

「あ、はあっ、ん――ッんん――ッあ……やあっ!」
「気持ちいいですか?」
「っは、きもちっ、い、あッ、あん!や、あ、」

――いれますよ。
近いはずなのに、ものすごく遠くに感じた後、身体中に衝撃が走る。

「やあっ、あ、あんっ―――ッは、や……」
「っ、きつっ、」
「あん!あッ、そ、らい、さ、っは、ああん!やッ、や、あ、あ、あ―――ッ!!」

………

目を覚ますと、すぐ隣に空井さんの顔があった。
昨夜のことが頭をかすめて、頬が熱くなるのがわかる。
目覚まし時計の隣には、「遅刻すんなよ」という藤枝の文字。

「何がしたかったんだろう……あいつ。」

とにもかくにも、あんなことのあとじゃ顔が合わせずらいじゃないか。
思わず顔をしかめると、後ろから低い声がする。

「おはよ……ございます、あれ、えと……。」
「おはようございます。空井さん。」

空井さんが状況を理解しないうちに、早く逃げてしまおう。
朝ご飯つくりますから、というセリフと共に、私は部屋のドアを勢いよく閉めた。

(おわり。結論・藤枝ほど使いやすいキャラはいないw)
01051042013/06/06(木) 18:30:38.84ID:aBMxHOEj
×合わせずらい
○合わせづらい 

ですね。失礼しました。
0106もっと。2013/06/08(土) 09:09:28.97ID:CGeLJfsr
いつものように、リカは空井に終電だと急き立てられていた。
無意識のうちに重くなる足取りに、「酔っちゃいました?」とリカの手が引かれる。
 ――ほんっとに分かってない……。
元戦闘機パイロットとしての性質を遺憾なく発揮されても、リカにはそれがため息のもとだ。
そういうことに気がつくなら、リカの心の内も分かって良さそうなものだが。
 ――まあ、それが空井さんっていうことだよね……。
リカは先に立って歩く空井の背中を恨めしそうに見た。
颯爽としたスーツの背中には、躊躇いや迷いは一切なく。

 ――ねぇ、少しは……帰したくないとか、思ってくれてますか?

そんな自分の心の中の呟きに、リカは思わず首を左右に振った。
勢いよく開いた乙女心の引き出しは、相も変わらず扱いが難しい。
「稲葉さん?」
「な、なんでもないです!」
0107もっと。2013/06/08(土) 09:11:59.98ID:CGeLJfsr
肩越しに振り返った空井の顔がまともに見れず、リカは勢いよく顔を背けた。

 ――とても言えない!恥ずかしくて死ぬ!!!

頭の中で、いつかの柚木のセリフがこだまする。
「それじゃあ、ここで」
改札の手間、いつもの場所で立ち止まった空井がリカの手を離す。
それだけで、ぎゅうっと胸の奥が痛くなる。
「あ……、はい」
「おやすみなさい。気を付けて」
屈託のない空井の声に押されたように、リカは数歩改札へ向かい……そして突然踵を返した。
終電を逃すまいと小走りになる人々の、自分へ向けられる迷惑そうな顔も今は気にする余裕がない。
「稲葉さん?」
終電が、と続けようとした空井を挑むように見上げる。
0108もっと。2013/06/08(土) 09:17:05.96ID:CGeLJfsr
「……2秒あげます」
「え?」
きょとんとした空井の目が、照れくさそうに細くなり、そして触れるだけの優しいキスが降ってくる。
微かなぬくもりだけを残して離れようとする空井のシャツを、リカは咄嗟に掴んでいた。
「嘘です」
「は?」
「2秒なんて嘘です」
自分は今、どんな顔をしているのだろう。
困惑した空井の瞳に、どんな風に映っているのだろう。
直視出来ずに、リカの視線はシャツを握りしめた自分の手の上を彷徨う。
白くなる程握りしめられたそれと。
そのすぐ下の、空井の体温。

「2秒じゃ短いです。……もっとあげます、から」
0109もっと。2013/06/08(土) 09:20:12.91ID:CGeLJfsr
遠くから、電車の低い振動が聞こえてくる。
遠雷にも似たその音に、リカの手が自然と離れようとする。
突然、強くその手を引かれて、リカは思わずよろめいた。
空井がそれにも構わず歩き出す……改札とは逆の方向へ。
「そ、空井さん?」
「タクシー拾います」
流石に、稲葉さん歩かせられないんで、とリカの手を引いた空井が、ちょうど人を吐き出したエレベーターに乗り込む。
空井のこぶしが「閉」のボタンを叩くのと、抱き寄せられたのはほぼ同時だった。

深く重ねられた唇に、応えることも出来ないまま翻弄される。

「……全部、もらいますけど」

いいですよね?と、髪の中に差し入れられた指がむき出しにした耳朶に、空井の囁きが触れる。
リカは返事をしようと口を開き、そして結局ただ頷くことしか出来なかった。

音もなく、小さな箱は二人をゆっくりと地上へ運んでいく。
0110名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 09:24:05.09ID:CGeLJfsr
106です。
「2秒下さい」をエンドレスでリピートしてたら
妄想が止まらなくなりました。
朝から何やってんだか。

うわ、仕事遅れる。
逝ってきます!
0111名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 11:20:04.45ID:VX9jgy6b
>>106

萌えるわー
投下ありがとう!!

階段降りてる時のテンパってる空井って、何かしらアクションを起こしたくなってて会話にも余裕なくてw
でも最初からキスするつもりだったんだろうか??
それとも、今回は天然じゃなくて順番通り当初は告白するはずだったんだけど
ドア開けて稲ぴょんが横を通った時に、彼女の髪の香りとか甘い匂いに抑えてた男が目覚めちゃったのかとか
色々妄想しちゃうよねー
2秒→ロックオンの伏線から考えると、やっぱり初めからキスして想いを伝えるつもりだったが妥当かな!
0112名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 15:50:25.76ID:I+n36WDS
仕事を終えて帰宅するとこんなにも素晴らしいご褒美が届いていたー
ありがとうございまする>>106さん
0114名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 21:02:09.17ID:CGeLJfsr
106です。ただいまです。
つづきかどうかはわからないですが、また書きにきますね。

>>111さん
そっか〜。
2秒→ロックオンっていうことだと、狙ってキスしたのかもですね。
なんとなく空井だから、また順番間違えて告白すっ飛ばしたのかと思ったw
0115名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 22:35:57.16ID:ngVo+sge
>>106さん
お帰りなさい。お仕事お疲れ様〜。
脚本家さんのツイによると第9話から辛い展開になりそうだけど、106さんの作品で癒されるよ。ありがとう。
0117名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 00:59:35.45ID:Uku3U/MC
>>106さん乙!
二人が初々しさを越える所にキュンキュンしますた。
続きが気になるので、良かったらまたうpしてください。
0118春野菜(1/2)2013/06/09(日) 02:30:57.16ID:7PH9fVD7
空リカ書きたくて書いてたらエロさが足りなくなりましたが投下
2レス?お借りします



テレビ関係の仕事というものは、とにかく生活リズムが破壊されるらしい。

「……稲葉さん?」

その話をしてくれた当人が机に向かって船を漕いでいる姿に、僕は何故か息を殺して扉を閉めた。
所用で席を外していた僕を訪ねてきたらしい稲葉さんは、僕がいないとわかると「どこか空いている場所を貸してほしい」と申し出たという。
そのことを伝え聞いたときの広報室メンバーの言い分は散々だった。
「ファンデーション越しにもわかる隈の酷さ」「私でもビックリする肌荒れ」「廊下を歩き去るときに呪詛のようなものを唱えていた」……呪詛とやらは、
「原稿の締め切りが!!」と崩れ落ちそうになりながら口にしたということから、おおよそ推察できる。声に出すと考えがまとまることはよくあることだ。

「空井、コーヒーでも持っていってやりなさい。あの様子だと今ごろ潰れてるかもねー」

「はぁ……」

特別静かな部屋を貸したから。
親切なのか不親切なのか判断が難しい言葉を背に向かった先には、冒頭に述べた状態の稲葉さんがいた。
半開きのブラインドから差し込む夕陽に横顔を照らされながら、稲葉さんはその小さな頭を揺らしている。
思わず足音を殺して傍に近付くと、机の上に置かれた取材用らしきノートや紙に書かれたたくさんのメモ書き。紙の端に頭の揺れに合わせて短いへにゃへにゃした線が引かれていて、学生時代を思いだし、吹き出しかける。
知り合って間もないころの稲葉さんは、なんというか、隙のないキャリアウーマンのような印象を受けた。けれど一歩踏み込んでみればなんてことはない、少し意地っ張りがすぎるだけの、普通の女の人で。
……いや、普通というか、スッゴク可愛い女の人で。
持ってきたコーヒーを音を立てないようディスクに置き、彼女の隣の椅子を引く。疲れているのだろう彼女を起こすのは気が引けて、僕はこれも音を立てないように椅子に腰掛け、彼女の顔を見つめた。

(……疲れてても、ちゃんと化粧はするんだなぁ)
0119春野菜(2/2)2013/06/09(日) 02:32:03.30ID:7PH9fVD7
自分が女だったら、皮膚を覆うという息苦しさに耐えきれる自信がない。
化粧は可愛くなるための、美人になるためのものだろう。ということは、稲葉さんは美人に見られたいわけだ。彼女は化粧なんてしなくても美人だろうなと思うけれど、スッピンなど見たことがない。

(もっと仲良くなったら、見せてくれるかな)

恋人のスッピンにがっかりした、と同期に愚痴られたことがある。つまり、妙齢の女性が異性にスッピンを晒すのは、それくらい仲良くならなくてはいけないということだろう。

(……あの人は、見たことがあるのかな)

稲葉さんと仲が良いというイケメン男性キャスターの顔が思い浮かび、途端にモヤモヤとした嫌な感情が胸に渦巻いてしまう。
どうでもいいが、テレビに映ることを生業にしている彼は化粧をしたことがありそうだ。
この肌の白さはファンデーションなのかな、と考えながら視線を下ろしていき、見えてしまったものにぎょっとした。
空調の効いていない室内が暑かったのか、二つ目までボタンがあいた稲葉さんのワイシャツ。
彼女が前屈みになっているせいで、白い首筋から繋がる胸の膨らみが目に入る。微かに汗ばんだ谷間と愛らしい桃色のレースが見えてしまっている。
目を逸らさなくてはと思うのに、身体どころか視線さえもいうことをきかない。空調を調整してあげなければ、彼女に次の用事がある可能性もあるのだから起こさなくては、そう考えている理性がどこか遠くで叫んでいた。

(う、わ)

気がつけば握り締めていた掌が汗ばんでいる。
うっすらと開かれた稲葉さんの唇からは小さな吐息。ファンデーションでもなんでもなく白い肌の谷間に汗をかいているのがよくわかってしまって、自身のパイロットとして優秀だった視力の良さを恨んでしまう。

「んん……」

暑さが寝苦しいのか、悩ましい声をあげた稲葉さんは肘をずらしてさらにディスクに寄り掛かる。彼女の胸がディスクに押し付けられて、膨らみがさらに鮮明になってしまう。
やばい、このままではやばい。
なにがって、僕が。

「い、稲葉さーん……空井来ましたー……」

なんとか上げた手で彼女の肩を軽く揺する。むずがるように声をあげた稲葉さんは、スローモーションのようにゆっくりと目蓋をあげる。
寝起き特有の焦点がぼんやりした瞳が僕を捉えたと思った瞬間、彼女はへにゃりと微笑んだ。

「っえ、」

「ぁー……空井さんだぁー」

小さな女の子が大好きな縫いぐるみを見つけた時のような、甘えたな声に息がとまる。

「おはようございますぅ、空井さん」

朝ごはん食べましょっか、という言葉の語尾は、再度眠りに引き込まれたらしい彼女の口の中に消えていく。規則的な寝息が再開するまで動けずにいた僕は、熱を放つ顔を両手で覆い、五月蝿い心臓の音を聴く羽目になった。
そんな甘い声、まるで。

(か、可愛いすぎますよ……っ!!)

まるで、一緒に夜を明かした恋人のような台詞。
指の間から見える彼女は相変わらず気持ち良さそうに寝ている。エレメントに撃墜させられている自分の間抜けさに動けないまま、ブラインドから差し込む光が消えていく。
暫くしてから飛び起きた稲葉さんに声をかけられるまで、僕はそのままの姿勢でいたのだった。





※名前欄はおきになさらず
0120名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 07:11:47.60ID:rW0M9dZ5
春野菜のように稲ぴょんをおいしくいただいたのかと思いましたw

素晴らしいドキドキ感でした。
ごちそうさま。
0121名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 08:50:06.40ID:JRgEShH6
しっかりバッチり見ちゃってる空井がかわいい!

そしてこの部屋の扉の外では、
広報室の面々が息を潜めているに違いない……w
0122名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 13:23:52.89ID:4U/WH8BU
106です。
続きじゃないけど、ピロートーク的なのを。

今夜はいよいよ9話ですね。
楽しみなような、怖いような……。
0123versus2013/06/09(日) 13:25:04.47ID:4U/WH8BU
「本当はわざと外したんじゃないですか?」

とりとめのない深夜の会話はそれでも途切れることはなく、いつしかお蔵入りに終わったPV撮影の話になり、「そういえば、あの時」とダーツの話に触れたのはリカだった。
布団の中に半ば顔を埋めた、どこか拗ねたようなリカの言葉に、空井は思わず目を瞬く。

「……ええっ?!」

一瞬遅れてやってきた理解が、空井に驚きの声を上げさせる。
「違います!本気で当てにいってましたよ!」
そりゃあまぁ、結局外しましたけど、と付け足さなければならないのが、何とも情けないところだ。
「……本当に?」
「はい」
間髪入れずに即答した空井に、「なら、許してあげます」とすまして言ったリカの瞳が、くるんと可愛らしく見開かれた。
まだほんの少し、先刻の気怠さが残っている。
0124versus2013/06/09(日) 13:26:33.28ID:4U/WH8BU
「それじゃあ、今度また勝負しましょうか」
悪戯っぽく見上げてくる恋人に、空井の目が自然と細くなった。
以前とは違う、くるくると目まぐるしく変わるリカの表情が、いつも空井に境界線を越えたことを教えてくれる。
「いいですよ?」
「何か賭けます?」
思案顔のリカに、空井はおもむろに手を伸ばした。
頬に落ちた髪の一房を、耳にかけてやる。
「そうですね……」
そのまま、指を耳元で遊ばせながら空井が口を開く。
「俺が勝ったら、3回廻ってピョンって言って下さい」
動画撮影つきで、と言った空井に、リカが思わずといった風に噴き出した。
「何ですか、それ!」
「ちゃんと、手で耳もつけてくださいね?」
「それじゃあ私が勝ったら、空井さんは3回廻ってワン!ですよ?オマケでお手とお座り!」
リカの笑い混じりの提案に、空井は眉間に皺を寄せた。
「え?俺、犬ですか?」
真顔の空井に対し、リカは、はい、と笑顔で頷く。
「何かこう、忠誠心にあふれた犬、みたいな感じ?」
よしよし、とリカの手が空井の頭を撫でる。
「何でしょうね、セッターとか、ポインターとか……あ、柴犬?あとは……っっ!!」
「……あとは?」
そう尋ねた空井に、ぱくぱくとリカの口が開く。

「な、な、何でいきなり耳舐めるんですかぁ!」
「犬らしく、ご主人様への愛情を示してみたんですが」
0125versus2013/06/09(日) 13:28:05.03ID:4U/WH8BU
しらっとうそぶいた空井に、リカが微妙な空気の変化を感じて後ずさる。
とはいえ、所詮は空井の狭いベッドの上だ。
易々とその身体を捕まえて、空井は白い首筋に顔を埋めた。

――因幡の白うさぎ、って鷺坂室長が言ったんだっけ。

確かに、日に晒されていないリカの身体は眩しいほどに白く。
その膚が、夜の中で浮かび上がるように見えるのも。
自分に応えて、だんだんと仄かな朱に染まるのも、空井はもう知っている。
「ちょ、空井さん!」
じたばたと暴れるうさぎを捕まえて、空井は舌先で首筋をなぞる。
自分の下で、リカの身体が若木のようにしなやかにたわむ。
「もう……」
短い攻防の末、リカが観念したように声を上げた。
見下ろした空井を、潤んだ瞳が鏡面のように映している。

「……稲葉、うさぎなので優しくしてください」

呟くようなその台詞に、空井は思わずリカの肩口に突っ伏した。
「リカさん……それ……!」
ぐっと、リカを閉じこめるようについていた両腕に力を込める。
「絶対に!俺以外の人間の前では言わないで下さいよ!」
食べられますよ!ほんとに!と息巻く空井に、胸元まで真っ赤になったリカが抗議する。
「い、言うわけないでしょう?こんな恥ずかしいこと!もうっ!二度と言いませんからっ!!」
空井さんのばーか!と喚くリカを、空井は笑いながら抱き締めた。
匂いたつリカの香りが、頭の芯を痺れさせる。

「でも……」

甘く、甘く、その膚に歯を立てて。

「言っても言わなくても、結局俺には食べられちゃいますけどね」
0126名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 13:30:36.89ID:4U/WH8BU
(メインディッシュがうさぎな犬の話が書きたかっただけです)
(ほんと脳みそ溶けててごめんなさい)
0127名無しさん@ピンキー2013/06/09(日) 20:55:04.84ID:DXm+qxcJ
>>118
空井目線なのが超嬉しいっす!!!
しかもドラマの空井そのままって感じで、純情で稲葉さん大好きな所が可愛い〜
シチュとしては4話と5話の間くらいかな
また是非お願いします

>>123
今夜はせつない回なので今から萎えてるけど、貴方の作品で萌え補充させて頂きます!!!
「絶対に!俺以外の人間の前では言わないで下さいよ!」
ここ最高ですw
0130名無しさん@ピンキー2013/06/11(火) 00:14:07.76ID:WoBotwD6
>>123
ありがとう!!あなた様の作品大好きです
再度続きまってますから!正座で!!
0131名無しさん@ピンキー2013/06/11(火) 21:00:48.89ID:pcEkiBYY
>>130
ありがとうございます!
ドラマの結末が読めないので、
ちょこっと様子見してましたw
また書きま〜す!
0132オトコノカラダ12013/06/12(水) 04:37:38.13ID:9ZffRLZa
すみません、初めて書くので拙いですが2人が好きすぎて手を出してみました。
お酒のパワーでお互いちょっと大胆になる話です。



空井と稲葉が付き合い始めて数ヶ月。

空井と稲葉は空井の自宅で呑んでいた。

空井の家で呑むのは3回目。
過去2回は例に漏れず終電で健全に自宅に送り届けられていた。

今日もお酒の空き缶が増えるごとに話に花が咲いていく二人。

「空井さんってー、あんまり自衛官っぽくないですよね〜」
「えぇっ!?」
「あ、いや精神面ではとても自衛官ぽいんですけど、見た目です。線が細いし、私自衛官って槇さんみたいにがっちりした人ばっかりだと思ってましたぁ〜」

少し呂律の回らない口から失礼な発言が飛び出す。

「…良く言われるんですよね、ひょろいって。
でも!筋トレとか毎日してるんですよ!!」
男らしくないと言われた気がして、空井は少しムキになって言った。

「……見て、見ますか?」

酔っているのか稲葉の返事が遅れる
その間に、空井は長袖のシャツの釦に手をかけあっという間に脱ぎ去ってしまった。
0133オトコノカラダ22013/06/12(水) 04:42:40.42ID:9ZffRLZa
空井の上半身はしっかりとしていて、隆々とした筋肉の山も目立つ。手首などはキュッと骨ばって締まっている。
胸板は思っていたよりもずっと厚い。

「あ…そ、空井さんって着痩せするタイプなんですね」

動揺したのかお酒の力がそうさせるのか、稲葉は思わず空井の胸板に手を当てる。
まだ涼しい夜の空気にさらされた空井の肌は、ひんやりとしていた。
その奥はとても速い鼓動が波打っていた。

「…気持ちいいなぁ〜
空井さん、ドキドキしてま…」

ドサッ

背もたれにしていたベッドの上に急に押し倒された。

「稲葉さんっ!そんな可愛い声で気持ちいいとか言ったらダメです!俺っもう…っ!!」

「え!!そんな意味で言った訳じゃ!ただ私今お酒飲んでて暑いから冷たくて気持ちいいなって!!! んっ!」

いきなり唇が重なる
それと同時に空井の身体が覆い被さってくる。

サラサラしてひんやり。本当に良い気持ち。

長いキスが終わったかと思うと、
稲葉の首すじに空井が舌を這わせていく。

「あぁ…や…はぁ…んっ!」

逞しい空井の身体は、段々と熱を帯びて行き、力強くなっていく。

「はっ…空井、さんっ、」
「稲葉さんの身体、とってもキレイです。俺も気持ちいい。」

稲葉の服も剥ぎ取られ、
いつのまにかお互い下着姿になっていた。

「空井さん、電気消してください」
「…嫌です。もっとちゃんと見たい…もっと、見せて」

リカは恥ずかしくて思わず上半身を捻るように顔を背けた。
真っ白な背中、淡いブルーのラインの中心にあるホックを空井が不器用な手つきで外してしまった。



「全部、見せてください。稲葉さんの全部。」






以上です。失礼いたしました。
0134名無しさん@ピンキー2013/06/12(水) 19:15:46.94ID:dCNWe7Yd
>>132
うわっっっ♪ドキドキします!!!
ちょ、続きはないんでしょうか???
9話に萎えてるんで、こういう作品本当にありがたいです
正座して待ってます〜お願いします
0135名無しさん@ピンキー2013/06/15(土) 00:09:06.18ID:a0TY/sUV
一週間が長すぎる・・・
ココを毎日覗いてしまう
幸せな2人が大好きだ
0136名無しさん@ピンキー2013/06/15(土) 15:33:53.00ID:DD5saklo
ドラマ終わったら有川浩スレになってほかの作品もOKになるのかな?
0138名無しさん@ピンキー2013/06/18(火) 01:14:39.77ID:OgUDdRVO
>>137
やっぱ「お前」って呼んでたよね!?
空白の半年間の槙柚ラブストーリーが気になって仕方ないwww
あの感じだと槙の方がツンデレ柚木を手の上で転がして上手いこと主導権握ってんだろうなーと妄想爆発したわ
0139名無しさん@ピンキー2013/06/18(火) 07:09:48.12ID:SUvdtdsn
一緒に旅行行ってるもんなw
出来てる指摘に対して照れもないし。
0140名無しさん@ピンキー2013/06/19(水) 06:38:47.78ID:jMQU1dAi
槇はともかく柚木さんは槇と付き合うまで処女間違い無しだしね
あの温泉旅行もすでに2回めや3回めかもね
14年分待ってたから、この2人の進展はめちゃめちゃ早そうと思ったけどw


ちなみに9話の飲み会翌朝に同伴出勤していた槇柚木だから、この時点ですでに柚木非処女だと見た
0141名無しさん@ピンキー2013/06/20(木) 22:49:11.63ID:bxHFtXjA
最終回はハッピーエンドで大丈夫そうだし
ドラマの流れをみて、って言ってた職人さん含め
空稲萌え萌え作品、投下して欲しいよー
0142名無しさん@ピンキー2013/06/22(土) 02:46:14.86ID:Ke9LE+kX
柚木が30過ぎまで処女なんてことあり得んだろ。
防衛大卒業して配属になるまでは普通に魅力的な美人だったんだろうし。

剣道部の部長とかの彼氏と幸せそうにしている柚木を憧れのような切ないような複雑な気持ちで
遠くから見つめているまだ若かりし頃の槇、とかちょっと萌える。

空井は子犬っぽいけど槇は大型犬っぽい。
0143名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 00:31:39.01ID:bpZMDuCe
男所帯のおっさん女子は、見てくれが上々でも意外と残ってるもんだが。
途中で断念したまま無責任に投下。

「柚木三佐!帰りますよ!」
飲み会のたびに、太い声で呼びかけられ、引き起こされるのにも、そろそろ慣れてきた。
その手の熱さと強さには、まだ少し違和感があるけれど。

「よし!その忠義に免じてたまには優等生になってやろう!
今日はこのまま帰るぞ、風紀委員!」
いつもどおり寝落ちした自分と槙が取り残された飲み会。
めずらしく「後輩に面倒をかけまい」と考えたのは、空井たちを見ていて、ふと昔を思い出したからかもしれない。
誰かに素直になることを。

「なにをしても女性としか見られない」
自分にとっては屈辱でしかなかった言葉を、「人として尊重されているのだ」と受け取れるようになったのは、いつからだろう。
肩肘をはってばかりでは、何も変えられない。誰も助けられない。自分自身も前へは進めない。
だから、変わらなければならない。少しでも。
「悪いね〜毎回。でもあんたがいるから、安心して飲めるね」
求められているのは男性隊員とは違うモノ。ならば、それを提供できる自分にならなければ。
0144名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 00:32:43.34ID:bpZMDuCe
朦朧とした頭でそう考えたことまでは覚えていた。
ふと目を開けると、見慣れた顎と頸が至近距離にある。
「あ!?」
飛び起きるつもりが、身動きが取れない。
「起きましたか?」
頭越しに聞こえるのは・・・酒でかすれた槙の声。
その腕と胸が自分を縛めていることに気づく。
「ああ!?・・・起きた!起きたから!」
しらふでは耐えられないシチュエーションからのがれるために、なるたけいつもの口調で、いつもの行動を取ろうと試みる。
すねて生きてきた自分のままで、まっすぐに好意を向けてくれた後輩に対峙はできない。
そう考えて、いつもどおりのスイッチを入れるつもりが・・・。
「そうですか」
答える声は聞こえるのに、自分の身体は身動きもままならない。
「馬鹿!何寝惚けてんだ!話せ、この馬鹿!」

必死にもがいてみるものの、同じ訓練をした相手だ。
性別による力の差はどうしようもない。
「まだ朝までしばらくありますよ。もうちょっと眠れますから」
そうささやいて、槙は抱きしめる腕に力を込める。
「好きです、先輩」
消え入りそうな声にも関わらず、その吐息は柚木をたじろがせるほどの熱を帯びていた。
無防備な首筋に、甘えるように顔をすり寄せ、もう一度ささやく声が聞こえた。
「好きです。あなたがどんな生き方を望んでいても、俺はついていきます」
0145名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 00:58:36.36ID:jY5SxUEk
次回予告の幸せになってくださいがもうウワアアアア
というわけで、プロポーズ妄想です・・・

「僕と、一緒に生きてくれますか?」
たくさん不安な想いをさせるだろうし、迷惑もたくさん掛けると思うけど。
それでも、僕と。
ぼろりと零れた涙を拭う余裕などなかった。
「・・・はい、はい」
力強く何度も頷くと、溢れた涙が地面に落ちる。
それを見て「決めたんだけどなあ、もう泣かせないって」と
困った顔で頭を掻く空井さんに、これは嬉し泣きです、と答える。
「幸せに・・・ 僕が、僕の手で、稲葉さんを幸せにしたい」
幸せにします、と言い切らないのはきっと空井さんが自衛官だから。
いざという時に傍にいられないことを、痛いくらいわかってる空井さんだから。
「私、幸せです。もう、充分なくらい。ただ、」
「稲葉さん?」
「幸せにしてもらうだけじゃ、嫌です」
私だって空井さんを幸せにしたいんだから。
言い切った。その瞬間、何かに弾かれたように空井さんの
身体が動くと、いつの間にか視界が遮られていた。
耳が、空井さんの固い胸に当たって、どくどくと
速い鼓動を伝えてくる。
「・・・・ありがとう、」
僅かに震えた語尾が、心からいとおしいと思った。
0147名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 20:04:16.07ID:Pnk0RkBf
>>145
投下ありがとうございます♪
最終回前半は切ないと思うので、嬉しいです
また是非お願いしますね!
0148名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 21:27:59.77ID:/f9ZiFt9
106です。
とうとう最終回ですね。
空井とリカがどうなるのか……。
出来れば、この先の幸せな二人が想像できる結末だといいんですが。

そんな中、142さんのレスで妄想が膨らんだので、槙柚書いてみました。
0149MARKS2013/06/23(日) 21:28:54.87ID:/f9ZiFt9
かっちりとした制服の上からは分かり難いが、柚木の身体は自分と違ってしなやかで柔らかい。
自分よりほんの少し体温の低い肌はしっとりとして、触れる度にその感触に夢中になる。
今も、無意識に身体の上を辿っていた手が、離れがたいというように悪戯に動き出すのを、槙はどうしても止められなかった。
「なんなの、あんたは!体力馬鹿か!」
拳つきで自分を振り払おうとする柚木を抑え込んで、
「取り柄なんで」
即答した槙に、こんな時なのに「そうか」と柚木が納得したように頷く。
大方、槙の自衛隊志願の理由(体力に自信があったから)でも思い出したのだろう。
「にしたって!もう寝る!あたしは寝る!明日も仕事だっての!」
はい!おやすみ!と勢い良く背を向けた柚木に、槙は短い嘆息を漏らした。
柚木の言う通りだ。
時刻は、あと2時間もすれば外が明るくなる頃で。
いい加減休むべきなのは分かっているが、それでもと思ってしまう自分に苦い笑いが浮かぶ。
あまりにも想う時間が長すぎたのか、まさか思春期の子供のように自分を持て余すとは思わなかった。
それでも槙は、自分に背中を向けて眠ろうとしていた柚木を抱き寄せた。
これが当たり前に思える日が、果たして来るのか。
その首筋に顔を埋めて、唇が滑らかな肌を感じると、あとはただ思うままに貪ってしまう自分を抑えられない。
0150MARKS2013/06/23(日) 21:30:07.91ID:/f9ZiFt9
きつく吸い上げると、腕の中で柚木が非難の声を上げた。
「ちょっと!痕残さないでよ!」
高校生か!とつっこむ柚木にむっとする。
「……昔だって、つけてたじゃないですか」
そう低く囁くと、柚木の身体が分かり易く竦んだ。
その反応に、咄嗟に苛立つなと自分に命じる。
「何、言って……」
「知らないわけがないでしょ。……ずっと見てたんですから」
防大時代、ただ見ているだけしか出来なかった自分。
他の誰かに向けられた彼女の横顔。
何もかも忘れがたく残っているのだから。
きつく柚木を抱きしめると、腕の中で彼女は呆れたように深くため息をついた。
「……好きにしなさいよ。もう……全部、あんたのもんなんだから」
その言葉に、らしくもなく自分の心臓が跳ねた。
槙は、そっぽを向いている柚木の頤に手をかけて、自分の方へ引き戻す。
「こっち見て言って下さいよ」
「っ!い、言えるかぁ!馬鹿じゃないの!」
「柚木先輩。耳まで赤いですよ」
「うるさい!さっさと寝ろ!」
飛んできた拳ごと抱きすくめて、槙は深く彼女に口づけた。
0151MARKS2013/06/23(日) 21:31:02.57ID:/f9ZiFt9
「ちょっと!バカ槙!あんた何してくれてんのよ!!」
突然部屋に飛び込んできた柚木に、槙はネクタイを締める手を止めて振り返った。
「……ああ」
そして得心がいったように頷く。
「あんたがいいって言ったんでしょ」
「加減ってもんがあるでしょうが!」
憤る柚木の身体には、点々と仄かに紅い痕が散らばっている。
柚木は気づいていないだろうが、同じ物が背中にもあることを、つけた張本人はもちろん知っている。
「……柚木三佐」
「あ?!」
剣呑な目で自分を見る柚木に流し目をくれる。
「誘ってんですか?それ」
「は?」
たとえ、女性らしさ皆無の勇ましい仁王立ちをしていても。
しなやかな肢体が、可愛らしいサーモンピンクの下着しかつけていないとなると話が変わってくるというものだろう。
槙の視線の先を追いかけて、自分の身体を見下ろした柚木が「ぎゃっ」と色気のない声を上げて部屋を飛び出していく。
その後ろ姿を見送って(もちろん痕はしっかり残っていた)、にやける顔を必死に引き締めていた槙は、
「何着りゃいいのよ!」
そう喚き散らす柚木の声に、思わず噴き出してしまったのだった。
0153名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 22:07:20.87ID:OmHyyLeZ
柚槙ゴチです!
ドタバタっぷりが想像できていいー!萌えるー!

最終回予想を遥かに越えましたね!
あまりに素敵すぎるラストにニヤニヤが止まらない〜!
0154名無しさん@ピンキー2013/06/23(日) 23:01:09.77ID:5JBuT9ZH
最終回が幸せすぎて賢者タイム……嫁を「可愛いなぁ」ってなんだくそ祝ってやるwwww
最近では珍しいほどのハッピーエンドだった
0156名無しさん@ピンキー2013/06/24(月) 02:48:04.22ID:3bmC62Ew
空ぴょんといなぴょんが結婚するまでのエピソードとか初夜とかとか読みてー
0157名無しさん@ピンキー2013/06/24(月) 02:54:05.31ID:pPGulIMl
うん、禿しく読みたいね!!>空稲の結婚までの音速エピや初夜
0158名無しさん@ピンキー2013/06/24(月) 20:00:24.30ID:L3QgK+Z1
良かったねえ
前半の震災関連が辛すぎて、どんなにハッピーエンドでも盛り上がれるのかな?と不安だったけど
鷺坂さんやブルーインパルスに気持ちを盛り上げられて、これ以上ないハッピーエンドだったw
今日ずっと思い出して2828してしまったw
0159名無しさん@ピンキー2013/06/25(火) 16:49:35.81ID:q2/84O2S
互いのアナルにコンプレッサで空気を入れあう二人…

いつしか友情以上な感情が…
0160名無しさん@ピンキー2013/08/27(火) NY:AN:NY.ANID:TYOuwjg4
age
0161 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(-1+0:8) 2014/03/10(月) 00:32:34.31ID:6zaVCmFG
test
0162名無しさん@ピンキー2017/11/23(木) 17:13:59.68ID:cF8LET7I
私に人生を語ることはできません。
そこには色々な問題や、どうにもならない状況もあってそれをわかった気になってひとまとめに語ることはできません。
ただ1つ言えることは、どんな人生でも自分がやりたくなかった人生でも、真正面から向き合えば
何かを得ることはできるんじゃないでしょうか。
思い通りにいかないことは、たっくさんあります(´・ω・`)
どんなに一生懸命やっても上手くいかないこともあります。(´・ω・`)
夢があっても叶わないこともあります。悲しいですけど、あるんです。それは。
でも!どんなに失敗しても、なりたいものになれなくても、人生はそこで終わりじゃないです!
どこからでもまた始めることが出来る。恐れずに飛び込んでください。
1つ1つの出会いを大切にしてください。
(´・ω・`)
0163名無しさん@ピンキー2020/09/02(水) 15:38:16.63ID:LtSlpVNU
目覚めると暖かい腕の中だった。
ーー夢だったんだ。
リカの目が熱く潤む。
空井が知らないけれど自分よりもずっと家庭的で柔らかくて可愛らしい誰かと去っていく、そんな夢を見ていた。
「ん……」
リカの身動ぎに気付いて空井が目を覚まし、ぼんやりとした眼差しでリカを見つめた。
焦点の合わなかった視線がリカの目に浮かんだ涙をとらえ、びっくりしたように見開かれた。
「え!……リカさん?どうしたんですか?」
リカはパッと顔を背け無理やり体勢を変えて空井に背を向ける。
「な、何がですか?」
「何がって……泣いてますよね?」
「泣いてなんて……」
誤魔化そうとした声まで震えていた。
「リカさん」
少し強い口調でリカの名を呼び、空井は起き上がって覆い被さるようにリカの顔を覗き込んだ。
「やっぱり泣いてるじゃないですか」
「何でもないです、本当に、ごめんなさい」
「リカさん、俺言いましたよね?俺たち離れて暮らしてるんだから何でもちゃんと話そうって、結婚した日に約束しましたよね?」
その約束ならリカも勿論覚えていた。けれど夢なんて不確かなものを理由に泣いたことを空井に訴えていいものか分からない。
「ちゃんと話して。聞きますから」
0164名無しさん@ピンキー2020/09/02(水) 15:59:41.63ID:LtSlpVNU
何度も空井に諭され、リカはしどろもどろになりながら、夢を見て泣いたことを打ち明けた。
言葉を途切らせながら話すリカの涙の理由を空井は静かに聞いてくれた。
「リカさん、離れてるのが不安なの?」
あえて敬語をやめて空井が話してくれているのがリカには分かってその優しさが、止まりかけていた涙をまた溢れさせた。
「だって、私のせいで離れて暮らしてるし、空井さんは本当は家庭的な人が好きなんだって思うし、空井さん、私と結婚して、本当に幸せなのかなって……」
言葉の途中で、今度は乱暴に抱きしめられた。
「あー!もう!可愛いなぁ!」
空井のたくましい胸の中で聞いたのはそんな言葉。
「リカさん、俺は本当にリカさんと結婚できて幸せだよ。離れてるのだって、半分は俺の仕事のせいだし、そんなこと言ったら不安なのは俺の方だよ」
「空井さんが、不安?」
「結婚してもいつまで経っても名字呼びだし、リカさんは可愛くて仕事も出来る魅力的な人だし、離れてて誰かに心を移されちゃうんじゃないかって、不安になるなら俺の方でしょ?」
「でも……そんな素振り一度も……」
空井は抱きしめる腕の力を緩めてリカと視線を合わせると、そのまま自分の額をリカのそれと合わせた。
「藤枝さんに聞いたんだ、リカさん、俺と離れてる間、空を見て俺を想ってくれてたって」
「それは……!」
そんな話が藤枝経由で空井に知られていたとは思いもしなかったリカの頬がカッと赤くなる。
「だから離れて暮らしてもリカさんと俺は空で繋がれてるんだなって、俺は安心してたのにリカさんはそう思ってないの?」
「それは、私だって!」
空を見ては空井を想っている、その気持ちは結婚してからも何一つ変わっていない。それを疑われるのだけは堪らない。
「じゃあ、リカさん、そろそろ俺を名前で呼んでよ。そしたらもっと幸せになって絶対絶対、これから先も何があってもリカさん以外を好きになったりしないから」
つかの間、リカはもじもじと視線をさ迷わせたが、一つ大きく息をついて強い瞳で空井を見た。
「だいすけさん、ずっと好きでいてね?」
「はいっ!」
空井は強い力でリカを抱きしめた。
0165名無しさん@ピンキー2020/11/20(金) 18:31:30.03ID:jeHfp2ou
結婚式の招待状が手元に届いた頃だった。
東京のリカの部屋で宛先をプリントアウトした封筒に招待状を入れて封をする作業をしていると、突然リカが手を止めて考え込むような表情をしたと思ったら空井の顔をしげしげと覗き込んできた。
そんなことにさえドギマギして、空井は耳が熱くなるのを感じた。
「どうかしました?」
「はい、しました」
リカはこくりと頷いた。
「大祐さん、私、空井リカになります」
改めて言われると照れる。空井の耳はますます熱くなった。
「そ、そうですね」
「はい、でも……」
そこで言い淀んで、リカは俯いた。そのまま黙り込んでしまったリカに空井は慌てた。まさか、やっぱり嫌ですとか言われたらどうしよう。
「……稲葉さん?」
「それです」
「え?」
「その、ちゃんとその、……にゅ、入籍しないと稲葉のままなんですか?」
ドキリとした。結婚が決まった段階で、つまり二人が出来上がった頃からリカは空井の呼び方を空井さんから大祐さんに切り替えてくれた。リカの可愛らしい声で、大祐さん、と初めて呼ばれたとき空井はいたく感激したのを覚えている。だがそれに対して自分の方ではリカの呼び方を切り替えるタイミングをどうやら逃してしまった。
「え、えっと、それはその……」
「ズルいです、私は勇気出したのに」
そう言って拗ねたようにそっぽを向いたリカの横顔が可愛い。ああ、俺本当にこの人と幸せになるんだな、この先もずっと。そんな甘い心地に浸っている場合ではなかった。勇気を出したとリカが言った通りだ。このままだと入籍した後も、稲葉さん、なんて呼び掛けかねない自分がいる。
「リカさん」
自分を奮い立てて呼び掛ける。
「はい」
振り向いたリカの顔が嬉しそうで、こんな簡単なことで喜んでもらえるのに、今までそれが出来なかった自分の不甲斐なさに少し、いやかなりがっくりきた。さらりと呼び方を変えてくれたリカの方が空井よりも余程潔い。でもこれ照れるな。そんなこともちらりと過ったがそれはそれだ。
「幸せになりましょうね、リカさん」
「これ以上の幸せがあるなんて何かワクワクしますね」
微笑むリカは花のように綺麗で、花嫁姿になったらもっと綺麗なんだろうと思うと本当にリカの言うようにワクワクするな、と空井は幸せを噛み締めた。
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