息が続くかどうかのギリギリのラインを行き来していると、自然と頭がぼうっとして来て、お互いにお互いのことしか頭に入らなくなる。
寝る前は新品のようだったシーツはすっかり乱れ、汗や愛液でどろどろ。時間が経てば確実に後悔するのだが、そんなことは今の二人には全く関係が無かった。

「ふぅ、ふぅっ、ひゃ、あぁん、ぁっ、ぁっ、ぁぁぁ!いっちゃう、イく、ぃくぅぅ?!」

限界が近くなっていた友沢は、みずきの絶頂に合わせて果てようと更に腰の動きを早めた。
びくびくと波打つような膣内の感触を感じながら、一際深くペニスを突き込むと同時に射精する。

「んふぁぁああぁぁ!?……っ!?っう……!」

達すると同時に、自分の中に熱い友沢の精子が塗り込められていく感触に溺れる。
既に数回膣内射精は経験していたが、やっぱりこれは病み付きになりそうだから控えなければ、と冷め始めた頭で考えるみずきであった。

――
翌日の昼過ぎ。友沢とみずきは、近くのショッピングモールに来ていた。とりあえず恋人らしいこと、というのを実践するためだ。
朝起きて昨晩の後始末をしている内に、不意に実はまともなデートの回数が少ないという事に気付いたのだった。

「……まさか本当に眼鏡に変えるだけで気付かれないなんて」

「トレードマークが無いと案外そんなもんだ」

みずきはわざわざ変装用のウィッグまで着用しているのだが、友沢はサングラスの代わりの伊達眼鏡をかけただけ。
繁華街のど真ん中を、仲良く手を繋いで歩いてきたものの、騒ぎにはなっていない。

「ワンポイントで印象が変わるのはファッションの基本だけど……なんか納得いかないなぁ」

「野球人気落ちてるからな。トッププロでも注目されない世の中になっちまったんだよ」

「うわー、自分でトッププロとか無いわー」

「今でも球界のアイドル気取りの奴には言われたくねーよ」

そんな憎まれ口を叩き合いつつも、仲睦まじく二人はモールに入って行く。

……実は周囲はとっくに二人に気付いているのだが、バルカンズの御膝元という土地柄ゆえに生温かく見守ってくれているというのは内緒である。