わたモテでエロパロ
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0001名無しさん@ピンキー2013/07/21(日) NY:AN:NY.ANID:1N9WU+to
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!のエロパロスレです
マナーを守って楽しく進行しましょう
ゆうちゃん関係の話はよ
0004名無しさん@ピンキー2013/07/27(土) NY:AN:NY.ANID:DP08vKv/
保守
0005名無しさん@ピンキー2013/07/28(日) NY:AN:NY.ANID:Owz/CLmP
ともっち胴だけ潰されたトカゲみたいな逝き顔するからなぁ
0006名無しさん@ピンキー2013/07/29(月) NY:AN:NY.ANID:JvLg3ZWx
>>5
ともっちってだれだよ
もこっちだろwww
0007名無しさん@ピンキー2013/07/29(月) NY:AN:NY.ANID:kNPIyYkK
もこっちだったわ、すまん
いざ本番ってなると本性丸出しで暴れまくるだろうし、前戯でオトしたらオトしたで
干からびた深海鮫みたいなアヘ顔見せられるとかハードル通り越してウォール・ボッチだな!
0008名無しさん@ピンキー2013/07/29(月) NY:AN:NY.ANID:ewiqhtJp
もこっちは、信頼してる人によってゆっくりと心とカラダを開いて
もらったら変われると思う
言い換えれば智貴君が親切心を発揮するしかない
0010名無しさん@ピンキー2013/07/29(月) NY:AN:NY.ANID:JvLg3ZWx
>>9
OP修正してクマ取ってみたっていう動画あったぞ
0014名無しさん@ピンキー2013/08/02(金) NY:AN:NY.ANID:YwQvxq5s
>>12>>13
あのさぁ・・・
ホモとJカスは巣に帰って、どうぞ(迫真)
0015名無しさん@ピンキー2013/08/06(火) NY:AN:NY.ANID:gmntZHwQ
自暴自棄になって街なかで逆ナンしてたらDQN共に拉致レイプさせられた挙句捨てられて、
精神崩壊して幼児退行した智子を弟が慰める展開とか、

毎日自爆して泣きじゃくる智子の相手をする内に憐憫とは違う感情に戸惑いを覚え、
なぜか雨宿りの爽やかイケメンと付き合うことになった智子に苛立って襲う展開とか、

いろいろあるだろう!?
0016名無しさん@ピンキー2013/08/06(火) NY:AN:NY.ANID:PPVqXaIZ
ゆうちゃんと彼氏のセクロスをつい妄想したらついオナってしまったとか
これであなたもモテモテ!みたいなチラシやら記事やらに騙されてDQNどもに強姦あるいは輪姦されるとか
まぁ、弟を利用するネタとなると逆レイプっぽくなるだろうな
0017名無しさん@ピンキー2013/08/09(金) NY:AN:NY.ANID:KpW1yzcp
>>15
言いだしっぺの
0018名無しさん@ピンキー2013/08/14(水) NY:AN:NY.ANID:V8a7nBrG
エロじゃないが、渋にけっこういい感じのs
sがきてたぞ
0019モテないし、弟で我慢する その12013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
※近親相姦ネタです。
アニメ版しか知りません。




智子「………」じぃ……

智貴「……」ペラ

智子「………」じぃ……

智貴「……」ペラ

智子「………」じぃ……

智貴「……」パタン

智子「………」じぃ……

智貴「なんだよ」

智子「夢のなかでわたしとセックスする権利をやろう」

智貴「はぁ!?」

智子「セックスすれば可愛くなれるって雑誌にあってな。お姉ちゃん、夢の中でセックスすることに決めたんだ。
こうして就寝前に見た映像は夢に出てきやすくて。おちんぽついてれば弟でもいいかなって」

智貴「いいのかよ!?」

智子「生でさせてやるが中には出すなよ」

智貴「うぜぇ…」
0020モテないし、弟で我慢するその22013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
翌日

智貴「……(むなくそ悪い夢を見てしまった…)」モグモグ

智子「ふわぁ…」

智貴「……!」

智子「昨夜はお楽しみでしたね」

智貴「ブフーーーーッ!!なっ、な……!?」ガタッ

智子「実の姉をいきなりバックで襲ってあんなことやこんあことまで…そんな鬼畜な弟に育ってくれて、お姉ちゃんは嬉しいよ」ニヘラ

智貴「……(姉貴のことか…)」

智子「うふふ、なんだか肌がツヤツヤしてるよ…これでわたしもヤリマン女だね…ぐへへへへ」

智貴「おれも姉貴とセックスする夢を見た」

智子「ブフーーーーーッ!!なっ、なっ…!?」ガタッ

智貴「………(動揺してる。動揺してる。全く溜飲が下がる思いだぜ)」

智子「お”が”ざーん”!!智貴にお”がざれ”る”ぅぅぅ!!」

智貴「ブフーーーーッ!!ちょっ、まてよ……!?」ガタッ
智子「は”ら”ま”ざれ”る”う”ぅぅ!!」ガタガタ

智貴「うぜぇ」




その夜

【智子の夢】

智貴『おらおらおら!』パンパン

智子『びゃああああああ!!』


【智貴の夢】

智貴『なっ、なにしてんだ…!』

智子『お姉ちゃんのおまんこ気持ちいいだろ?ほぉれ』ぬちゃぬちゃ





智子「……」

智貴「……」

智子・智貴(なんか気まずい…)
0021モテないし、弟で我慢するその32013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
その夜もさらにその夜もエッチな夢を見つづける姉弟


智子「もう出なくていいから!」

智貴「それはこっちの台詞だ」

智子「正直なところ引いてるんだよね。一週間も実の弟とセックスする夢を見るなんてさ」

智貴「同意見だ。誰が好き好んで姉とエッチする夢を見るものか」

智子「このままだと今夜も見そうだね…だからセックスするぞ!弟よ!」

智貴「なんでそうなるんだよ!ま…いいけどよ」


《姉弟でセックス中》


智子「いい汗かいたし今夜はぐっすり眠れそうだな」お肌ツルツル

智貴「ああ、そうだな…」ぐったり




翌日

智子「昨日はエッチな夢もみれずによく眠れたよ」

智貴「同じく」


その夜

智子・智貴『またエッチな夢キターーーーー!!』


翌日

智子「……」

智貴「……」



その夜

智子「よしヤルぞ」

智貴「おう」


《姉弟でセックス中》
0022モテないし、弟で我慢するその42013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
智子「てな具合で毎晩弟とセックスしないと、夢のなかで実の弟とセックスしてしまうんだよ…とほほ…」

優「どこから突っ込んでいいのかわかんないよ!」

智子「最近じゃ弟とのセックスもマンネリしてきて困ってるんだよ。
彼氏と盛りのついた猫のように交尾するビッチなゆうちゃんならさぞやすごいプレイをしてるんじゃないかと教えてもらいたくて呼んだんだよ」

優「困ってるのそっちなの!?ま、まーたしかに彼氏と色々変態プレイはしてきたけどもって何を言わせるの!?」
智子「あ、本当にしてたんだ…冗談だったのに…うわー引くわー」

優「実の姉弟とエッチするもこっちには言われたくないなぁ」

智子「でも、このままじゃお母さんにもお父さんにもばれてしまいそうなの…両親のコンドームを使ってるって…」

優「心配するのそっちなの!?ゴムつけてるのは評価してあげるけどね」

智子「えへへ、優ちゃんにほめられた」

智貴「……(なにこのボケ同士の漫才)」



優「姉弟でエッチするのはダメだよ!もちろん夢の中でもね。だから仕方ないあたしに任せて!」

智子「おお、頼りにしてるよ」

智貴「それでどうするんですか?」

優「あたしとエッチしてもらいます!」

智子・智貴「ブフーーーーーッ!!」

優「あ、夢の中でね。もこっちの話によると寝る前に見た子が出てくるんだよね?だったらあたしを見ればいいのよ!」

智子「その手があったか!」
0023モテにないし、弟で我慢するその52013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
智子「……」じぃ……

智貴「……」じぃ……

優「う……そんなに見つめられて恥ずかしいよぉ…」

智子「かわいい」

智貴「かわいい」

優「かわいいだなんて…////」

智子「勃起もんですなぁ」

智貴「ああ」

優「弟くん、もこっちに洗脳されてる!?」

智子「優ちゃん、質問いい?」

優「なに?」

智子「夢の中で受けと攻めどっちがいい?」

優「えっと…もこっちの好きなほうにまかせるよ」

智子「じゃあ、ゆうちゃんは受けだね!それとあたしにふたなりおちんぽが生えたっていう設定でゆうちゃんのおまんこをグチャグチャにするけどいい!?
それとも貝合わせがいいかな!?」

優「………」

智貴「馬鹿な姉ですみません…」
0024モテにないし、弟で我慢するその62013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
智貴「……」じぃ……

優「……(さっきからあたしの胸ばかり見ているような…男の子だから仕方ないもんね…)」

智子「……ぉぱぃ…ゅぅちゃんの…ぉぱぃ」ブツブツ

優「もこっちは女の子でしょ!」

優「はぁ…仕方ないなぁ」ヌギヌギ

智子・智貴「なっ…!?おっぱい!?」

優「しっかり見てよね…」

智貴「………」じぃぃぃ…

優「うう……(やっぱり恥ずかしいよぉ…)」

智子「優ちゃんのおっぱい柔らかいよぉ」もみもみ

優「あぁんっ」

智子「弟よ、羨ましいだろ。女の子同士だから許されるスキンシップなんだぞ。ほれ、ゆうちゃんの乳首をれろぉんと。
げへへへ、妹に生まれなかったことを悔やみながらそこでシコるんだな」レロレロチュパデュパ

智貴「グッ……」

優「智貴君もおっぱい触っても舐めてもいいわよ?」

智貴「ほ、本当ですか…」

優「ええ」ニッコリ



優「裸になっちゃおうかな…」

ベッドに全裸で仰向けになる優。

優「これで裸のあたしが出やすくなったね。」

優「いろんなところを触っても舐めてもいいのよ?」

優「この際だからエッチしちゃおっか。夢の中でもすることになるしね」


優「はぁはぁ、これで大丈夫ね…」

智貴「はぁはぁ、そうですね…」

智子「ぜぇはぁぜぇはぁ!ゆうちゃんを逝かそうとしたら逆に逝かされてしまったぜぇ!何を言ってい(ry」
0025モテないし、弟で我慢する ラスト2013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:V5YyKri/
その夜

智子「ゆうちゃんとお泊りわぁーい」

優「いい夢みようね」


翌日

智子「おはよう、ゆうちゃん。昨夜はいっぱい夢の中でゆうちゃんを犯せたよ」

優「おはよ、もこっち。そ、それはなによりだね…」

智貴「おはようございます…」

智子「お、どうだったぁ!?弟よ!」パシパシ

智貴「朝っぱらからうぜぇな。」

優「おはよう、智貴君。どうでしたか?」

智貴「優さんのおかげで馬鹿姉貴とセックスしなくてすみました。すっごく良かったです。特に鞭と蝋燭が」

優「女王様!?」

智子「私の弟がM男なのはわたしのせいか?ま、いいや。ゆうちゃんはどんな夢を見たの?あたしたちと3Pセックス?」

優「え?あ、…そ、そうの!二人してあたしを失神するくらい責めていたの!もうこまちゃったわ!あは、あはははは…」

優(言えない!言えないわ!夢の中でもこっちと智貴君が近親相姦するのをあたしが延々と眺めていたなんて!
智貴君が外に出そうとするときに腰を押さえてもこっちの中に出させたりなんて絶対に口が裂けても言えないわ!)

おわり
0026名無しさん@ピンキー2013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:j3t8a9O9
最初姉弟かと思って焦ったが優ちゃん出てきてほっとした
0028名無しさん@ピンキー2013/08/20(火) NY:AN:NY.ANID:PpIIxZcw
ゆうちゃんとえっちしたい
0029名無しさん@ピンキー2013/08/20(火) NY:AN:NY.ANID:xi7NNlr0
アニメであまり出番のないゆうちゃんを活躍させてあげて
0030名無しさん@ピンキー2013/08/28(水) NY:AN:NY.ANID:bfJB3KX7
もこっちって地は可愛いんだろ?
覚醒展開ないの?
キモいままで行くんかな
0033ハンバーガー注文するもこっちかわいい2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
 帰宅した智貴がいつものように靴を脱いでいると、不意に玄関に並ぶ靴が目に入った。
母がいて、姉がいるらしい。それもいつものことだ。
部活で遅くなる自分が帰れば、いつもそうである。
ただ、最近の姉の靴は――――通学に使う靴は、うっすらとホコリをかぶっていた。

【モテないし、弟に気遣われる】

「ただいま・・・」
「おかえり」
 居間に通りかかった智貴が呟くと、そこにいた母はすぐに反応した。
「姉ちゃんは」
「二階にいるけど」
「俺の部屋かな」
「多分。気に入ってるみたいだから」
「…………」
 トントン。階段を上がる息子の背を、母は見上げた。
「無理して相手しなくていいのよ。今大事な時期なんだから。お医者さんとお母さんに任せても」
「別に」
 そっけなく答えた智貴は振り返らずに、自室を目指した。姉に煩わされるのもいつものことだ。
程度の差はあっても、いつもそうだった。最近では、進路すら変えられた。
もっとも、そんなことさえ些細なことで、遠い過去のように感じる。

 自室と廊下をしきる戸を、ガラリと開く。
「ともくん」
 部屋にいる姉は、あどけない笑顔で自分を迎えた。
畳んでいた衣類から手を放し、立ち上がる。
そのまま胸に飛び込んできた少女を、智貴はそっと包んで迎えた。
「おかえりなさい」
「ただいま、おねーちゃん」
0034ハンバーガー食べるときもかわいい2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
 中学3年の三学期――姉である智子にとって高校1年の三学期――、
受験の結果待ち、消化試合のような授業と卒業の準備……受験生のもろもろで通学していたある日。
その時の智貴は部活もなく、同じく暇となった友人と遊んでいた帰りであった。
夜道をぼんやりと歩く智貴は、ポケットから響く着信音に気づき、ケータイを手に取る。
そこには、当然発信者のデータが表示されていた。
 
『姉』

 珍しいな。まず、そう思った。
家でだってそこまで会話はしない――向こうがしてきたり、
こちらがせざるを得ないことになったりはするが――仲の姉弟だ。
昔はそうでもなかったが、今はそうであった。
昔ならすぐに出るのであろうが、今はそうでもない。
嫌な予感しかしないのだから、いっそ切ることも考えた。
しかし、経験上、その場合しつこく掛けてくるか、家で絡んでくるかの二択なので、とりあえずは出ることにした。

 それは正しかった。
結果論になるが、その場で出るべきであったし、嫌な予感は当たっていた。
ただ、その結果と状況は、掛けられた相手にしても予想外であったし、掛ける相手もそうであっただろう。
お互い、そうならない方がよかったと、望んだだろう。

『…………』
 通話ボタンを押しても、声はなかった。
ボソボソ話すようになった姉であるが、だからといって無音ではない。
それに、家族である自分にはそれなりにはっきり物を言う。
「おい」
『…………』
「切るぞ」
『…………』
 これだけ言っても、何もなし。
本当に切ってやろうか。
そう思ってボタンに指を這わせる。
『……こうえん。きんじょの』
 ぼそり。どうにか聞き取れたのがそれである。
 それからは、また無音。
 智貴はため息を吐いた。そこに何があるか、そこで何をしているかしれないが、
どうやら自分をそこに行かせたいらしい。
 まあいい。どうせ帰り道だ。いつぞやのように、拾って帰ろう。
どうせひどい有様でそこにいるのだろう。

 その予想は正しかったが、想像とは遥かに異なるものであった。
0035イメチェンには何も言うまい2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
  
 言葉は、思考は、そこからほとんど記憶がない。
何を口にしたか考えたか、今でもよく思い出せない。

 震える手で母に連絡したのだけは、ぼんやり覚えている。
そこから、気がつけば病院の待合室に腰掛けていた。
「大丈夫だ」
 遅れてやってきた――走ってきたのだろう。息が乱れて汗でびっしょりだった――父に肩を掴まれて、
智貴ははっとなった。
「大丈夫だ」
 電話で何があったのか知っているのだろう。おそらくは、母か病院の関係者から。
智貴を含めた家族全員が、無事でないことは知っていた。しかし父は、繰り返すように大丈夫といった。
まるで呪文……祈りのようだった。

 
 発見が早かったことで、医療にしても捜査にしても事後的には上々だった。
発端は、智子が町中で男性をナンパしたことからだそうだ。
その言動から、自暴自棄になっており、事に至ること容易と判断した加害者は仲間を呼んで智子を拉致、
事が終わった後、証拠隠滅も兼ねて公園に捨てていったらしい。
現場が近所であったこと、携帯電話等の物品も破壊や盗難を免れていたことなどの杜撰さから、
犯人たちは早々に検挙された。その計画性なさが減刑や弁解のためか、それとも素なのか知れない。
智貴にとって、そんなことはどうでもよかった。

 外傷は一生残るものではなく、すべて綺麗に治るらしい。
内部についても、復元できないでもなかったが、
それは後で本人に決めされるということで、最低限の処置にとどめた。

 厄介なのは、精神的な問題だった。


 智子が入院してから数日経って、一家は担当医に呼ばれた。
母は多感な時期にある息子に、これ以上の関与は控えさせたかったが、
第一発見者という隠蔽できない立場にあり、
家族の一員として智貴自身が知りたがっていたため、強くは言えなかった。
『中学校で習ったと思うけど――あるいはこれから習うかもしれないか――、
人間の心には防衛機制という心の働きがあるんだ』
 初老の医師は、とりわけ智貴に配慮するように説明した。
『心が壊れてしまう前に、心を変えて守ろうとするんだな。それにはいくつか種類があって、お姉さんの場合は』

 退行。


 現在の姉の心は、幼少期のそれであった。
0036ちなみにエロはない。すまんな2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
「ともくん、お部屋のお片付けしてたんだよ」
「ああ、悪いな」
 元々ちらかす方ではないが、受験のごたごたで資料や参考書が散乱していた。
しばらくは――おそらくはもう――使うことはないだろう。
本棚に整然と並ぶそれらに智貴は特に執着していなかった。
「おねーちゃん、俺、おねーちゃんと同じ高校に行けるってさ」
 今日は合格発表の帰りであった。今日日、現地に行かずとも確認できるが、気分というか記念のようなものだ。
一緒に受けた友達と共有したいというのもある。もっとも、確認して早々、打ち上げもそこそこに帰ってきたわけだが。
どうも姉のことが気になってしかたがない。
「わーい。やったー」 
 諸手を挙げて喜ぶ姉に、かつての陰湿さはない。それがいいのか悪いのか、智貴にはわからなかった。
 退行したといっても、性格や思考がそうなったのであって、記憶や知識までごっそり、ということではないらしい。
かといって、事件当時の記憶はあまり思い出せないし、結構覚えていないこともあるから、なんともいえない。
退行、こと精神的な異常は個人差が大きく、専門家でもよくわからないところがあるとのこと。
ゆえにしばらく経った現在でも完治ということにはならず、定期的に精神科へ姉は通っている。
学校については諸事情で早めの春休みを取るということで、内々に処理しているはずだ。
同級生に接触させることも嫌がった母が書類一式を持ち帰っているのを智貴は見ている。 
「よし、洗濯物もおしまい」
「ん、どうも」
 制服をハンガーに掛ける智貴の後ろで、智子はぱんと手を叩いた。
嗜好も従来とは変わり(戻り)、パソコンなどに興味を示さなくなった。
ゲーム関連もソロでは不満らしく、自分とのプレイを望んだ。
自然、自分が帰ってくるまでは暇なので、姉は家事の手伝いをやっている。
最近と比較すれば改善ともいえるが、母は複雑そうだった。

「ともくん、やろう」
「ん」
 希望満面でコントローラーを掲げる姉を、拒む理由はなかった。
ありきたりな――飽きがくるほどやりこんだゲームでも、新鮮だったし、楽しかった。
娯楽の熱中するような楽しさではない。ノスタルジックな、ほっとするような楽しさだ。
昔を懐かしむみたいな、古き良き時代を楽しむそれだ。

「なに?」
「いや、別に」
 寄り添って嬉しそうにコントローラーを握る姉に、智貴はこっそり笑った。
気恥ずかしさがないわけではないが、それ以上に、
姉が――大好きだった姉が帰ってきたことは、智貴にとって喜びだった。
もちろん、あの事件は忘れられないし、許せない。
しかし、それを怒り続けるより、智貴は目の前の幸福を大切にすることにした。
場合によってはもっとひどいことになっていたかもしれないのだ。
それがこうして帰ってきて、一緒に過ごせるのだから、何よりではないか。

 もっとも、問題がないわけではないが。
0037名無しさん@ピンキー2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
「そうだ。ごほうびあげなきゃね」
「ん?」
 ゲームをいったんストップさせた智子は、智貴に抱きつき、
「ごほうびのちゅー」
 そのまま唇を重ねた。
「ん!?」
 このように、行動も昔そのままなので、スキンシップも昔通りなのである。
無邪気に抱きつくし、こんな風に抵抗もなくキスをしてくる。
小さいころの記憶は曖昧で、あの時はどういう感覚だったかなど知りようもないが、
この感触は強烈だ。柔らかい、甘い。

 すっかり生活も改まっているから、目のクマもほとんどないし、いつぞやのように油べっとりな髪でもない。
そこからはたしかに女の匂いがするし、贔屓目かもしれないが、姉は結構可愛く映った。
そんな姉に甘えられるのはどうにも……。
 
 辛い。

 無意識にコントローラーから手を離していた智貴は、気がつけば智子の背中に腕を回していた。
細くて柔らかくて、温かい。安心と、それ以上にモヤモヤした気持ち。
いつまでもこうしていたいと思う反面、もっと、と強く望んでしまう。

「ともくん?」
「あ、ああ。ごめん」
 いつまでも離さない弟に不思議そうな顔を浮かべた姉。
それに気づいた智貴は慌てて智子を解放した。
「心配しなくても、今日もいっしょに寝てあげるよ」
「ああ、うん。ありがと」
 それが一番辛いのであるが、ここまで献身的な姉の厚意を無下にできない弟であった。
0038これで終わり2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:4H6LYW5t
 夜。
「…………眠れん」
 夜更かしもせず、健康的な睡眠を取る姉に抱かれている智貴はちっとも眠れなかった。
おかげでこっちのクマは絶賛拡大中である。
今までなら叩きだしていたところだが、こうなってしまっては受け入れるしかない智貴であった。
不意に、天井の照明に貼ったままであるプリクラ――かつての姉と目があった。
剥がそうと思いつつも、結局忘れてそのままにしてあったのだが、いい加減剥がさなくては。
「あ、うう……」
 プリクラと見つめ合うのも飽きてきた頃、智子が呻き声を上げて苦しみだした。
慌てて智貴は揺すって起こす。
「ともくん……?」
「いつもの怖い夢か?」
「うん……」
 汗を浮かべた智子は頷く。あれ以来、結構な頻度で悪夢を見るらしい。
具体的に何が、というわけではないが、何か怖いものに襲われる夢。
どんなに逃げても、最後は捕まってしまうらしい。そして、何故か声を上げることはできないそうだ。
その内容・原因は察しがついていたが、智貴は教えてやることはできなかった。
姉は自分であえて記憶に蓋をしたのだ。無理矢理開くわけにはいかない。
「こわかった」
 汗に加えて涙まで浮かべる姉を抱きしめる。
「大丈夫」
 父に言われた言葉を、姉に送る。言う身になってわかる。
そう言って相手を元気づけてやりたいのだ。
「おねーちゃんは俺が守るから」
 昔姉にそうしてもらったように、今度は自分が支えになろう。
恩返し――今がその時のように感じた。姉を助けたい、助けねばという意思が、智貴に芽生えつつあった。
「ともくん、ありがとう」
 いきなり見上げてにっこり笑うもんだから、智貴の心は激しく揺れた。
涙目で上目づかいなんて、いったいどこで覚えた高等テクニックか。
「ん――」
 おかげで体が勝手に動いてキスをしてしまった。
もしかしたら、体が昔のことを覚えていたのかもしれない。
あっさり、自然に唇を重ねられたことに、智貴自身が驚いていた。
「ともくん、だいすき」
 胸に顔をうずめた姉の髪を、智貴は撫でた。
「俺もおねーちゃんがすきだよ」
 ああ、俺はもうだめかもしれない。
 智貴は自身に呆れつつ、一方で満足している自分を感じた。
0040名無しさん@ピンキー2013/08/29(木) NY:AN:NY.ANID:YILR5Zyk
ネタ元だが理想的なssで感動した。まじおつ
0041名無しさん@ピンキー2013/08/30(金) NY:AN:NY.ANID:Fwgp2wae
適度に、もこっちが覚醒してるのはいいがもう少しヤキモキ感があれば俺好みだ

つか、こういうの書ける奴って見るたび人種が違うと思うわ。思考回路というか。
とにかく上手かったよ、お疲れさんです。
0046名無しさん@ピンキー2013/09/05(木) 02:11:03.03ID:8IN2Hv1y
最高やな。
ありがとうございます
0047名無しさん@ピンキー2013/09/08(日) 23:12:01.32ID:1CDZPMnu
なんか文化祭でベタいけど、歌唄って下手くそで
みんな帰っちゃう中で弟とかYOUちゃんだけ残ってパチパチ・・みたいな
展開が見てみたい。
0049名無しさん@ピンキー2013/09/12(木) 21:41:50.29ID:siy0cP3B
>>47
YOU書いちゃなYO

よく見たら>>34-35の間に抜けがあった
文脈がなぜかつながってる奇跡で気づかんかった
それを載っけてから二話目
0050>>34-35の抜けていたところ2013/09/12(木) 21:43:24.38ID:siy0cP3B
 釈然としないものが胸でゆらゆらと揺れながらも、きちんと迎えに行くのは情ゆえか。
智貴がそこについても、そこに姉の姿はなかった。
てっきり、また打ちひしがれてブランコを揺らしているとおもったが、そうではないらしい。
それとも、待ちくたびれたか、別の理由で移動したか。
 それなら自分もここにいる理由はない、と体を回した智貴は、意図せず見つけてしまった。
サッカーの恩恵か、目は悪くない。そういった色々には、敏感だった。

 随分離れたところに、靴があった。姉が通学の際に履いてるものだ。
ほとんど毎日目にしているのだから、嫌でも覚える。
それは茂みの前に無造作に転がっていて、それだけなら智貴もそこまで気にはしなかった。

 問題は、その奥だ。

 茂みの中からこちらに伸びるように、白い足がひとつ伸びていた。
それに見覚えはないわけではなかったし、そこに姉がよく履くソックスが引っかかっていれば、
自然思い浮かぶ答えは一つ。

 またバカなことをやっていると呆れる一方、智貴の心には不安が突風のように通り過ぎた。

 何か――本当にやばい何かが姉の身に起こったのではないだろうか。

 意図せずめぐる幼い姉との思い出。優しく頼れる理想の女性。それが壊れていくイメージ。

 冷たい汗を流しつつ近寄り、茂みに隠れた向こうを智貴は覗いた。

  
0052乙女ゲームで徹夜したもこっちかわいい(一日目)2013/09/12(木) 21:48:39.38ID:siy0cP3B
「いや、だからお前らで行けって。俺は外していいからさ」
『そんなこというなよ。このメンツはこれで最後なんだぞ』
「別にもう会わない奴なんてどうでもいいって」
 握った携帯電話に向かって智貴は面倒臭さを臭わせた。
『もう会えなくなるかもしれないから最後に皆で集まろうって話なんだろが』
「サッカー部とか内輪の集まりはやっただろ。それで充分じゃねえか」
『いやホント、マジで頼むって。お前がいるといないとじゃ女子の集まり具合が』
 それが本音か。智貴は相手のしつこさに納得した。こいつとは頻繁に会っているし、進学する高校も同じだ。
この関係において、卒業式に合わせたクラス会にこだわる必要はない。
「野郎だらけのクラス会でも楽しむんだな。じゃあな」
『考えが変わったら連絡してくれ』と、哀願する声がぶつりと途絶えた。


【モテないし、弟に気遣われる】2


「クラス会?」
 携帯電話を置いた智貴の上から声が降ってきた。姉の智子である。
彼女の膝に頭をのせて横になっている弟は、髪を撫でる手を堪能しつつ、
「うん。卒業したら皆バラバラになるってんで、その前に皆で集まらないかって」
「行かないの?」
「そのつもり」
 こうしてゆっくり過ごせるのも、今だけだ。進学すれば忙しくなる。
どうしてわざわざ会いたくもない連中のためにそんな貴重な時間を使わねばならんのか。
もっとも、断った理由の最もなものは、姉の膝枕で甘えていたところを邪魔されていることであったが。
そんなこと、同級生には口が裂けても言えるはずがない。

「行ったほうがいいよ」
 姉の悲しそうな顔に、智貴は不安を覚えた。
「きっと後悔するよ」
 目を伏せ、沈んだ声を出す姉。何かあったのだろうか――いや、あったのだろうな。
智貴は尋ねず察するにとどめた。
「わかったよ……行くよ」
 本当はこのままゆったりとしていたかったが、姉の沈痛な表情を見て過ごしたくはない。
「本当?」
「楽しめるかどうかわかんないけど、とりあえず行ってみる」
「うん!」
 自分のことでもないのに喜ぶ姉――自分のことを思ってくれる姉。
智貴は穏やかな笑みを浮かべた。最近、母親や友人によく笑うようになったと言われた。
自分でもそう思う。


 昼の陽気もあるだろうが、そんな格好で姉と一緒に自室でテレビを見ていると、
その心地よさにいよいよ眠たくなり、うとうとしてくる。
そんな智貴をはっとさせたのは、チャイムの耳障りな音であった。
「あ、来たかな」
 智子は立ち上がる。
「何か頼んだの?」
 自然、名残惜しくも体を起こすことになった智貴の問に、
智子は「うん」とだけ答えて階下へ降りていった。

 なんだろうな。あぐらをかいた智貴はぼんやりとした頭で考える。
嬉しそうだったから、そこまで変なものでもあるまい。
新作のゲームだろうか。
0053保健室で男と寝たもこっちかわいい2013/09/12(木) 21:50:04.40ID:siy0cP3B
 荷物を受け取ったのだろう。玄関の扉が締り、そして姉が階段を上る音。それと同時に近づいてくるうめき声。
何か重い物を運んでいるらしい。手伝おうかと智貴が立ち上がろうとするより速く、智子は二階に上がった。
「よっと」 
 開けられたままの戸を潜り、智貴の部屋に戻ってきた智子は、持っていたダンボール箱をそっと下ろした。
結構な大きさである。
「さすがにラッピングはやってなかったんだ」
 智子が言うとおり、それは見て明らかになるように外面がプリントされていた。
「スポーツドリンク?」
 自分がよく飲んでいるスポーツドリンクの絵や文字。未開封のところから、それがそのまま入っているのだろう。
「うん」
 智子が頷く。それから、申し訳なさそうに俯いて、
「今まで、よく勝手にともくんの飲んじゃってたから、返さなきゃって思って。
進路のことは私じゃどうにもできないけど、せめてこのくらいは……」
 それで1ケース注文したということか。智貴は納得した。
「あー、うん……そう」
 こういう時、どう返事をしていいかわからない。
勝手に飲まれ続けたこちらとしては、感謝するのは変だし、謝るのも違うだろう。
「じゃあ、もらっとくよ」
「うん、ごめんね」
「いや、いいよ」
「よかった」
 ほっとしたように笑った智子は、弟を抱きしめた。
「ともくんだーいすき」
 もはや反射で、智貴はその背に腕を回した。
温かい、柔らかい、安心する。

 目と目が合う。

「ちゅー」
「ん」
 唇が重なるのにも、昔のような慣れがでてきた。
昔と違うところがあるとすれば、姉に女を感じるくらいか。


 クラス会当日。
その日は卒業式前に設定された。本当なら卒業式の後、というのが一番なのだろうが、
往々にして、大抵が、家族や親戚が祝いの席を設けているので、それを避けた形だ。

「智貴、クラス会があるんだって?」
 遅い朝食――寝すぎてほとんど昼である――の席、
姉との会話を聞いたのか、姉から聞いたのか、台所からこちらへ来た母がそんなことを聞いてきた。
「遅くならないように帰ってくるよ」
「そうじゃなくて」
 母はポケットから財布を取り出す。そして中の紙幣を一枚、智貴に渡した。
「はい、智貴。おこづかい」
「あー」
 別にいい、と断るべきか悩み、向かいで微笑む姉を見て受け取ることにした。その方がいいようだ。
「おつりはいいから」
「うん、どうも」
 財布に心配はなかったが、あって困るものでもない。
「卒業したらクラスはやっぱりバラバラになるの?」
「そりゃ、まあ」
 大体は高校へ進学するが、それでもバラける。何人かは同じ原幕に行くらしいが、
友人以外のことはよく知らない。
「好きな子と離ればなれになるとか」
「別に。そういうのいないし」
 にやにやしていた母はつまらなそうに「そう」とだけ。
「モテそうなのにね」
「そうだね」話を振られた智子は、それだけいって笑った。
智貴は話のネタにされてやや不機嫌であったが、金を受け取った手前、不平を口に出すのはやめておいた。
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