【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B11F
0001名無しさん@ピンキー2013/07/27(土) NY:AN:NY.ANID:VDtQ73qV
君の目の前に開かれているのは、
DS・3DS用ゲーム「世界樹の迷宮」シリーズの二次創作スレッドだ。
君はこのスレッドを覗いてもいいし、このまま閉じて立ち去ることも出来る。
もちろん、自分でSSを書いて投下しても構わない。

なお『新・世界樹の迷宮』は、世にでて間もない為
特に新世界樹のストーリーモードを題材とした冒険譚を
SSとして投下予定の冒険者は、後進の冒険者に配慮して
『新・世界樹の迷宮 ○階(階層)以降のネタバレあり』
などと、ネタバレの有無を投下前に明記する事を強く推奨する。

準備が出来たのなら
さあ、剣を抜いて戦いたまえ!(性的な意味で)

前スレ
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B10F
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1277035091/

過去スレ
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B9F
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268490575/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B8F
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235796944/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B7F
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215240832/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B6F
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204886546/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B5F
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195402711/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B4F
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179583286/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B3F
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174360480/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B2F
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171538580/
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B1F
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1169308514/

保管所
ttp://www50.atpages.jp/eparo/sq/
01721662017/12/10(日) 01:09:10.88ID:Z7k+olgq
>>168
亀レスすまん、ひと通り調べてみたけどやっぱり海外かねえ…
この人の別の作品みっけられたら嬉しいけど、まあ見つかったら儲けもの程度に考えておくよ
0173名無しさん@ピンキー2017/12/24(日) 21:22:21.68ID:nnsvkkb4
V2のコアファイターってミノフスキードライブ積んでるからめっちゃ高いんだっけ
0174名無しさん@ピンキー2018/02/23(金) 22:24:41.65ID:YDpTu0mr
かなり久しぶりの保管庫の管理人ですが
使ってるサーバーのサービスが今月末で終了と連絡が来ました。
大変申し訳ないですが、そのままサービスと一緒に消滅致します。

PHP(CGI?)バックアップデータの譲渡は可能ですので、引き継いでくれる方居ましたらレスお願いします。

@PAGESサービス終了のお知らせ - アットウィキ
https://www10.atwiki.jp/atpagesguide/sp/pages/367.html
0175名無しさん@ピンキー2018/02/25(日) 00:11:54.32ID:DT9fL7s1
無くなるのは忍びないですが引き継げる環境でもなく…
流れに任せます
0176名無しさん@ピンキー2018/03/06(火) 08:02:14.61ID:H6pPk+YQ
サービス終わってしまったのか……お疲れ様でした
Xの線虫の話が好きでした
0177名無しさん@ピンキー2018/03/12(月) 18:35:42.17ID:g/hdfigr
昔フカ巫女の上げてじわじわ伸びる閲覧数と評価にニヤニヤしてたけど
そうか・・・サービスが終わってしまったか・・・
管理お疲れ様でした
手元にも残してないと完全にロストするんだねああいうの
0179名無しさん@ピンキー2018/04/12(木) 01:36:54.06ID:Jw2Gsr4Y
があああああ!!!もうすこし早く気づいていれば!!!!
0180名無しさん@ピンキー2018/04/12(木) 01:38:42.68ID:Jw2Gsr4Y
バックアップデータって奴ももう消滅した?
あるなら俺が引き継いでなんとかサイトを…
人がいなくなっても俺の故郷なんじゃ
0184名無しさん@ピンキー2018/06/11(月) 08:09:54.02ID:Xzap8rhJ
エクレアちゃんって意外と自分勝手だと思う…思わない?
0185sage2018/07/14(土) 23:51:59.94ID:IB2V85Ol
並みの魔物相手であれば間違いなく体の一部を奪っていたであろう斧の一撃は、
殻を用いた人間さながらの巧みな防御によって弾かれていた。
直後、攻撃を防がれ体勢を崩した斧使いの少女に触腕が迫り、
しかし少女の身に触れる前に術式を込められた特殊な弾丸がそれを根元から吹きとばす。
窮地を脱した少女は凍り付いた湖からそのまま雪原まで逃れ出た。
なおも追撃しようと迫る触腕を切り落としながら少女は悪態をついて憎々しげに敵を睨みつける。
敵は、迷宮の守護者たる魔物は、女だった。
絹のようにつややかで長い金髪に、美しい顔貌、剥き出しの大きな胸は平時であれば粗野な少女ですら息を呑むであろう美しさだったが、
その青い肌と赤い瞳、何よりその上半身が蛸と磯巾着と貝とを無理矢理繋ぎ合わせたような不快な塊から生えていることが、その存在が人間ではなく魔物なのだと知らせていた。

(違い、過ぎる――!)

手に残る攻撃の感触に少女は歯噛みした。
冒険者は知恵と技、魔物は力。それが樹海の理ではなかったのか。
勿論樹海に住む大型の魔物が人間の使う道具や技を経験から知っているという事はあった。
だが、こいつは違う。
この魔物は本当に人間を”知っている”のだ。
先程の斧の攻撃は硬さに自信のある魔物なら寧ろ正面から受け止めようとするはずで
属性を帯びた一撃が魔物を防御ごと打ち砕くことのできる物だという事は冒険者だけの、人間だけの秘密のはずだった。
だがあの魔物は受けるのでも回避するのでもなく、己の外殻をまるで人間が盾でも扱うかのように用いて弾いたのだ。
その前に見せた術式への防御やこちらの裏をかくような攻撃といい、本当に人間を相手にしているかのようだった。
悪寒が体を走る。
あの魔物が元は人間であったというのは、本当なのだろうか?
立ちはだかったギルド「エスバット」の銃士は言っていた。
自分達の仲間は樹海で倒れ、そして世界樹の頂きの住む者の手によって魔物に変えられて帰ってきたのだと。
彼女をこれ以上傷つけさせないために自分たちは冒険者の行く手を阻んできたのだと。
0186名無しさん@ピンキー2018/07/16(月) 18:31:46.54ID:jdzzn7mU
術式の炎に紛れた女戦士の……僕の相棒の一撃は、しかし殻を用いた人間さながらの巧みな防御によって弾かれていた。
驚愕で揺れた銃弾は狙いをそれて、運よく彼女を狙っていた触腕を吹き飛ばす。
悪寒が体を走る。
あの魔物は人間を知っている。
そして、僕もあの魔物を知っているのだ。 

僕の相棒だけあって、彼女の戦闘能力は公国でも最上位に位置する。
だから例え人間の知性があったとしても、本当に熟達の冒険者でなければ、あの攻撃は防げるはずはなかった。
そう、熟達の冒険者でなければ。
――あの魔物は間違いなく、先に倒したエスバットの巫医であった女性、マルガレーテなのだ。
公国の外から来た他のメンバーにとってはともかく、公国で生まれ育った僕にとってエスバットという名の持つ意味は大きい。
何年か昔迷宮内での「事故」のためにマルガレーテを失い瓦解するまで、彼等はハイ・ラガード最強のギルドで、僕たち公国民の憧れの的だった。
0187名無しさん@ピンキー2018/07/16(月) 18:33:43.98ID:jdzzn7mU
先に立ちはだかった二人、アーテリンデとライシュッツなら、殺さずに倒すことは困難ではなかったし、そのために迷う必要もなかった。
二人だけとなった今もエスバットは最強のギルドの一つではあったが、志が折れて敗兵となった彼らにかつての輝きはなかった。
僕は迷うよりもむしろ失望したような気持ちで彼等を撃ち、武器を砕いたのだ。
大して変わらない年齢でエスバットのメンバーとして認められたアーテリンデを僕は羨んでいたというのに、迷宮で対峙した彼女はどこまでも腑抜けだった。

だがこの魔物は。
この魔物は、かつて憧れた熟練の冒険者、美しく強いマルガレーテそのものなのだ。
その身体はもう人間でないというのに、研ぎ澄まされた動きと判断は伝え聞いた冒険譚そのままで僕は彼女が敵であることを、魔物であることを忘れて見惚れさえする。
人間でなくなっているとしても、僕は今憧れていた英雄と戦っているのだ。
違和感と高揚感はないまぜだった。
魔物になった英雄などというグロテスクなものを見ていたくない、敬愛していた彼女を討ちたくない。
しかし同時に、彼女は力の面では期待を裏切らない、昔のような強さの持ち主なのだ。
0188名無しさん@ピンキー2018/07/16(月) 18:34:26.53ID:jdzzn7mU
敵の全てが触腕の届かない距離に出るや否や、魔物は息を吸い込む。
氷の池に美しい歌声が響いた。
人間のものではない、人を狂わせる妖しい響き。
その手に乗るか。
旋律の魔力が誰かの体に響き渡る前に、僕は魔物を威嚇するための音響弾を放った。
最初は崩されたが二度も三度も惑わされてやるほどお人よしではない。
冒険で培った勘が、あちらも手札をほぼ出し尽くしたらしいということを知らせていた。
戦いは消耗戦にもつれ込みつつある。
このまま続ければ先に守りを失った方が、恐らくは人間であり体力に劣るこちらが敗れるだろう。
ブレイクスルーが必要なことは明白だった。
つまり、彼女が迷宮で倒れた以後に生み出された強力な弾薬が。
ちらと見ると、他の仲間も同じ考えのようだった。

炎・氷・雷の3属性を複合した弾丸は強力無比だが、その分射程といい銃の状態といい攻撃前後には大きく隙を晒す。
つまり攻撃前には錬金術による牽制が、攻撃後には聖騎士の庇護が欠かせないのだ。
身の内で獰猛な衝動が高まるのを感じた。
攻撃が失敗すれば僕は死ぬだろう。それどころかパーティ自体全滅しかねない。
だが成功すれば本当の意味で僕たちは「公国最高のギルド」を塗り替えることになるのだ。
……いまや魔物であればこそ、冒険者である僕は彼女に全力でぶつかることができる。
僕を認めてなかった彼女に、僕の力を見せつけることができる。
例え彼女がバラバラになったとしても、僕が殺したのは魔物なのだ。

治癒師が起動符から放った火矢と共に相棒が斧を持って駆けだす。
陽動はある程度読まれているだろうが「歌声」を使わせず触腕がこちらに向かなければそれでいい。
錬金術師の作り出す火炎のベールを盾に、僕もまた凍った湖面を駆けた。
0189名無しさん@ピンキー2018/07/31(火) 23:04:10.68ID:1lGH68v2
この話はスキュレーだけにちょっと凍結しますね。
いやもう14日の時点でほぼできてたんだけど事情があって……
0190名無しさん@ピンキー2018/07/31(火) 23:46:25.01ID:1lGH68v2
でかわりにオランピアさんとプリンス君の鬱っぽい話を投稿します。
オランピアさんの熱烈なファンの方には怒られるかも……
0191名無しさん@ピンキー2018/07/31(火) 23:49:42.82ID:1lGH68v2
触手と眼球、瘴気と腐臭。人に寄生する樹木に捻じ曲がった空間。
正気を蝕むような混沌の樹海からやっとのことで這い出ると、
僕は仲間と別れ、天極殿星御座……この海底の都の執政所へと向かった。
危険のない土地に戻ってきたというのに不快感は止まない。
足が重いのは疲れのためだけではなかった。

深都の王ザイフリートとその忠実な下僕オランピアを討ち滅ぼしたのは僕たちだというのに、世界樹の意思によって生じたこの都はそれ以前と変わらずに僕たちを受け入れている。
百年を共に戦った王が倒されたところでそれ以上の力を持つ僕たちが替わりをするのであれば、意思を持つあの偉大な世界樹にとって何の問題でもないのだ。
王族として駒遊びには幾分か理解ある身のはずだが
それでもこの人間味を感じさせない手駒の取り替えは空恐ろしかった。
歩き慣れた石の道が、今は狂気の樹海と大差ない悪夢の道に思われる。
0192名無しさん@ピンキー2018/07/31(火) 23:52:21.37ID:1lGH68v2
天極殿の奥、水底からは見えない星海の動きを示す巨大な装置の前に
共に「魔」に立ち向かう僕たちの仲間、新たな深都の統治者が待っていた。
アーモロード王家に連なることを示す紫の髪と金の瞳を与えられた、人造の機兵。
僕がこの手でバラバラにしてしまったはずのオランピアがそこにいた。

海上の都と海底の都とのすれ違いから生じた争いの果てに、
深王同様幾多の破片になるまで破壊されたはずの彼女はあの後どうしてか
その機械の体を修復され深都に戻ってきていたのだった。
否、理由はわかっている。
あの神の如き世界樹が命じてそうさせたのだ。
彼女は深王から引き継いだ「魔」と戦うという役目と一緒に
世界樹から僕たちに与えられたモノの一つだった。

「待っていた、お帰りなさい」

オランピアがほんのわずかに微笑しながら僕に語り掛ける。
街娘を思わせる、場違いなくらい自然な微笑。
おぞましさと違和感のために視界が歪んだ。
かつて彼女はこんな風に笑うことはなかった。
冒険者を惑わすための作り物の笑いと、機兵としての冷酷な無表情ち、忠誠が機械の彼女に与えた僅かばかりの感情……深王に逆らう者への軽蔑。
それだけが僕の知る彼女の表情だった。
しかし今の彼女は僕に芯からの忠心を向けていて、それが僕の正気を蝕む。
0193名無しさん@ピンキー2018/08/01(水) 23:01:45.09ID:FywqFQOv


「……これらの要素が空間の歪みを作り出している。
 つまりあなた達の立てた一定の範囲外に移動させられることはないという推測は正しい。
 あなた達はきちんと奥まで進んでいる。
 次の探索では下層へ至る道を見つけることができるだろう。」

オランピアが淡々と続ける説明を、僕はどうにか理解しながら聞いていた。 
深都独特の機械によって、天極殿の壁に迷宮の地形と僕たちの歩みを示す巨大な図面が映し出されている。
誰一人本心から望んでいないのに僕たちが深都と手を切れないでいる理由は二つあり、
その一つがこうしたここにしかない技術だ。
力だけで人知を超えたあの迷宮を進むのは到底不可能なのだ。

「ただ、次の探索に出るのはもうしばらく後にして欲しい。
 ……探索の経過を、遣わせたアンドロを通して見ていた。」 

もう一つの理由は戦力だった。
冒険で脱落した戦力を補うためには深都の造る強力な機兵の力を借りるしかない。
僕たちは紛れもなくアーモロード最強のギルドであり、他のギルドから補充し得る人員で思った通りの連携を行うことはもはや望めなかった。
どうしても誰か一人は、天極殿にやってこなければならないのだ。

「生命力を吸い取る魔物との戦いであなたは窮地に陥った。
 あの魔物は危険。
 あれに安定して対処するためには機兵にまた新しい装備を追加する必要がある。
 だから、それが済むまでは深都に留まっていて欲しい。」

言葉を紡ぐオランピアの表情は苦しげだった。
わずかに変わった声色に、僕は続く言葉がなんであるかを察する。

「……私が行ければ手伝えるのだけど、
 それは、できないから……」
0195名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 00:44:02.59ID:E9wAPEio
呟くオランピアの惨めな姿に罪悪感が沸き上がる。
かつて彼女は「魔」やその眷属と戦う最強の機兵だった。
百年に及ぶ戦いの中で何度も取り替えたらしいのに、
彼女の金属の体はいつ見てもボロボロで、いつも砕けた装甲の下に回路が覗いていたのを覚えている。
あるいは僕は、彼女の合金の腕に剣をへし折られた時の恐怖も覚えていた。
使命のため、深王のために戦っている時のオランピアは恐ろしく、そして美しかった。
けれど今彼女の体には一つの傷もない。
高度な知性を持つ機兵は容易に生産できず、これ以上統治者の替えがきかないことから世界樹は彼女が樹海に出ることを禁じたのだ。
彼女が苦しんでいるのは、つまり僕のせいだった。

「あなたがあの魔物に締め付けられている時、私はとても不安だった。
 あのままやられてしまったらどうしようと思って、
 それでも私は、ここで見ていることしかできなかった……。
 あなたの戦いを助けるのが、私の役目なのに……」

汗が吹き出し、体が震えた。
叫び出したい衝動を必死で抑え込む。
彼女の心配は本心からの物だ。わかっている。
0196名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 00:50:24.40ID:E9wAPEio
かつて彼女は深王ザイフリートの忠実な臣下だった。
通常感情らしいものを見せない機兵だが、オランピアは長い生と深王の親愛のためにやがて心を得たのだ。
だが仕えるべき深王が滅び、戦いという存在価値も失った時、
もう僕たちが敵であったと彼女が覚えていることは、世界樹にとって不利益でしかなかったのだろう。
彼女は過去の記憶まで消去されてしまったのだ。
彼女が僕に微笑みかけるようになったのはそのためだった。
戦い、記憶、主君。支えであった全てを奪われ、己さえも失った彼女には
吹き込まれた新たな使命、偽りの主人である僕に仕えることしか残っていない。
心の残骸と使命を果たせないことへの恐怖だけが彼女の手に残った遺産だった。
僕が返事をできずにいるとごめんなさいと言ってオランピアは迷宮攻略に話題を戻す。 
0197名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:30:37.06ID:E9wAPEio



「”糸”と同様の緊急脱出機能については実用化の目途はまだ立っていない。
 けれど……
 ……聞いている?」

あの後いくつか話題が変わったが、もう僕はほとんど話の内容を理解していなかった。
ああいったことがあっても、以前なら心を保てていたはずなのに最近ではそれが非常に難しい。
進むほど猛烈に狂気を増していく樹海や、仲間の脱落といった心労が僕の精神を着実に削り取っているのだ。

「大丈夫ですか、殿下。
 お顔が真っ青です。」

呼び方が、口調が変わったのに気付いた。
心細げな眼が僕を見つめている。
オランピアが優しく僕の手を取った。

「っ……」

触れられた感触に、口からこわばった息が漏れる。
僕の手を包み込むオランピアの手は、かつて僕の首を捻じ切ろうとしたそれと違って柔らかだった。
いや、柔らかなのは手に限った話ではない。
彼女はいつの頃からか、現状への当てつけのように人間同様の柔らかで温かく刃も装甲も備わっていない身体を己の姿としているのだった。
天極殿の宝物庫で見つけたというその身体は、そしてそれを包むドレスは、戦いから解放される日を夢見た深王が臣下への贈り物として用意していた品だった。
0198名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:31:21.23ID:E9wAPEio
「……ごめん、あんな樹海に長く、いたから、……疲れているんだと思う。」

言いながら、オランピアの手を軽く振り払う。
彼女の感触を感じることが恐ろしかった。
顔に血の気がなさそうなことは自分でもわかる。
このままではきっと僕は正気を失くしてしまう。

「殿下」

ふらつく僕の胸にオランピアがそっと身を寄せた。
柔らかで魅力的な肉体の感触に鳥肌が立つ。

「殿下、それなら私に、お気を紛らわせる手伝いをさせてください」

オランピアは笑っていた。
誘うような、虚ろな笑い。
ごくりと喉が鳴った。
違う、駄目だ。
彼女はこんなことをするべきじゃない。
こんな関係はもう終わりにしなくてはならない。

「私にできることを……
 私の役目を、果たさせてください。
 貴方に仕えることが、貴方を助けることが私のたった一つの役割。
 私の存在する意味は他に何もないのです。」

喉がからからに乾く。
そうだ、拒絶すればいいのだ。
彼女は僕の言葉に逆らえないのだから。
僕は彼女の意思を全て無視して命令に従わせる権利を持っているのだから。
0199名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:31:45.41ID:E9wAPEio
「オラン、ピア」

名を呼ばれ金色の瞳が縋るように揺れた。
人間を装った彼女の体の中で、人間よりも遥かに巨大な力が鼓動しているのを感じる。
なのに僕に身を寄せるオランピアは、突き放せば壊れてしまいそうなくらい儚く見えた。

「っ……」

そうすべきだとわかっているのに、僕は続きの言葉を投げかけることができなかった。
彼女を雷術で破壊しこんな風にしたのは僕なのに、それなのにさらに酷い仕打ちをすることなんてできない。
違う、欺瞞だ。
オランピアが僕に縋りたいだけであるように、僕も恐ろしい使命と自分のしてしまったことから目を背けたいだけだ。
ここにやってきた時から僕はこうなることを期待していた。

「はい、殿下。」

僕が彼女を行動を無言のうちに容認したことを理解すると、オランピアは甘えるように囁きながら僕の身体に腕を回した。
柔らかな腕が、僕の背を、首を撫でる。
熱を秘めた、空虚な視線が交差した。
僕の唇に柔らかな作り物の唇が重ねられる。
僕は自分の腕が彼女の身体を抱きしめようとするのを必死に抑えた。
オランピアの腕が僕の顔を引き寄せ、口内に舌を滑り込ませる。
オランピアの唇は、舌は、甘い。
生活に唾液というものを必要としないかわりに、彼女の口から送り込まれる液体は人を欲情させるようだった。
彼女は僕のために役立つという任務にあくまで忠実で、そのために自分の身体を造り替えているのだと僕は知っていた。
0200名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:32:05.73ID:E9wAPEio
オランピアが僕を強く抱きしめ、身体を僕に押し付けた。
欲情したペニスが身体の間で擦れ合って快感が走る。
気持ちいい。気持ち悪い。気持ちいい。
駄目だ。
罪悪感に耐えかねて身をよじるが、オランピアの腕は到底抵抗しえない機械の力で僕の身体を締め付けている。
勝ち目のない敵に蹂躙される時絶望と一緒に感じる、倒錯的な幸福感が湧き上がる。
オランピアの腕は僕を決して離さないと言いたげだった。
あのオランピアが、自分を保つために僕に縋っていると思うと背徳感が駆け巡る。
違う。駄目だ。
こんなことを続けていたら、オランピアも僕も本当におかしくなってしまう。
苦悶の息を漏らすと、オランピアは僕の唇を解放してくれた。
黄色い瞳がじっと僕を見据える。
唾液の塊が彼女の肌に落ちた。

「オランピアっ……っやっぱり、……
 ……今日、は……」

先の肯定を打ち消す言葉を言い終える前に、オランピアの指先から僅かの電気が走った。
 
「ぁぁあう…っ…」

声にならない声が漏れる。
全身を駆け抜けた電流が効率よく僕から全ての力を奪った。
僕に言い訳を与えるために、彼女は備わった電磁防御機能を使ったのだった。
相手のため、というのは僕たちの免罪符だった。
脱力して崩れようとする僕をオランピアの腕が支える。
身体が動かない。
0201名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:32:22.89ID:E9wAPEio
濡れた唇が哀願するように囁く。

「大丈夫です。辛いことは考えないで……。
 こうすることが私の役目。
 私を役立てて……。」

再び唇が重なる。
殆ど彼女に持ち上げられるようにして立ちながら、
僕はもう逆らうこともできず、彼女に与えられる媚薬を飲み下していく。
身体が熱い。頭が煮える。
形のない罪悪感が沸き上がり、情欲が注がれ、思考が沈み込んでいく。
どうすることもできないという免罪符が、最後の理性を殺した。
金色の目が細められる。
指先が機械の器用さで僕の装備を取り除いていくのを感じた。
0202名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:32:58.34ID:E9wAPEio


やがて裸に剥かれた僕は、大きなベッドに横たえられていた。
沈み込む感触が、見慣れた天蓋が僕に自分たちのしていることを自覚させる。
僕の体の上ではオランピアが美しい裸体を晒し、硬くなった僕の性器に女性器を擦りつけていた。
濡れた、とろけそうな感触がペニスを撫で上げ、僕を焦らす。
もはや抑えもせず僕は喘いだ。
人に似せた身体と言えど子を産むことはできないのだから、元々彼女の身体に性器は備わっていなかった。
彼女の性器は、僕のために彼女が自分の身体を造り替え取り付けた装置なのだった。
かつて兵士だった彼女は、自ら金属の身体を捨て、肉の体に身をやつし、それにすらも手を加えて娼婦のように成り下がっているのだ。
全身から汗が噴き出す。
罪悪感と、それから目を背けるために快楽を求める心の間で僕は板挟みになっていた。
オランピアは興奮したように淫らに笑う。
或いは彼女自身、自分の傷口を抉ることを楽しんでいるのかもしれない。

「大丈夫です、殿下。
 私がお守りします……。
 辛いことはみんな忘れられるよう……。」

オランピアがゆっくりと腰を降ろす。
僕を悦ばせるためだけに存在する女性器が、絶頂寸前の僕のものを咥え込んでいく。
オランピアのそこは温かく、以前にも増して柔らかだった。

「あっ……」

体がぶるりと震え、奥まで入り切る前に失禁するように精液が漏れだす。
0203名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:33:45.60ID:E9wAPEio
「ぁ……う……」

オランピアの体内にどろどろの精液が溢れ出す。
脱力した体は堪えることもできずに快感に打ちのめされた。
気持ちいい。
薬に冒された状態での絶頂が脳を痺れさせる。
精を受け入れたオランピアは愉しげだった。
媚薬のためにペニスは既にまた勃起を始める。
快楽を与えるためだけに造られたオランピアの女性器は、人間のそれよりも遥かに心地がよかった。
その感触をもっと味わいたいとでもいうように、ペニスは貪欲に膨らんでいく。

「そう……何も考えないで、私を使ってください……。」

幸福感と悲哀の入り混じった声でそう呟くと、
オランピアは僕のペニスを迎え入れるために、再び腰を降ろしていく。
機兵の重さは逃れようがないという免罪符をもう一度僕に与えるのには十分で、期待と喜びの混じった吐息が漏れる。
罪悪感を手放し快楽に溺れようとすることへの背徳に身が震えた。
造られた女性器がぴったりと僕の性器を包み込み、脈動して刺激を与える。
射精したばかりなのに、僕はもう絶頂寸前だった。
快楽の余韻と、射精を求める切なさが僕を狂わせる。
快感に声をあげる僕を愛しげに見つめながらオランピアはかき回すように腰を大きく揺すった。

「あ、あ……ああっ……!!」

先程よりも強烈な絶頂に大きな声が漏れる。
動かないはずの身体が絶頂でひきつり、わななく。
快感に喘ぐ口の端から涎が零れ落ちた。
絶頂二回分の快感が僕を浸し、壊す。
脳が焼けて、思考から苦悩がこぼれ落ちていく。
ペニスはまた膨らんでいた。
無駄なことを理解しながら僕は身をよじってオランピアの下から逃れようとするが、金属の重さを持った体はびくともしない。
自分よりも強い者に組み敷かれているという事が、僕を一層興奮させた。
今度の抵抗は被虐を味わうためのものに過ぎないことをとうに理解しているオランピアは、
嬉しそうに笑うと女性器でペニスを締め付けた。
0204名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:34:06.29ID:E9wAPEio
「心地よいですか、殿下。
 私はお役に立っていますか……?」

ろれつが回らず、言葉を返すことはできなかった。
返事の代わりに僕は更なる快楽を求めて腰を突き上げる。
オランピアは儚げな笑みを浮かべると身を倒し、僕と上体を重ねた。
耳に唇を寄せ、囁く。

「そうです。もっと、もっと溺れて……。
 忘れることが、生き延びるために必要なのだから。
 ……機兵と違って、人は壊れたら、戻せないのですから。」

機械仕掛けの女性器にペニスを蹂躙され、断末魔のような声と共に僕は三度目の絶頂を迎える。
涙が頬を伝った。
僕を見つめるオランピアは泣き出しそうな顔で笑っていた。
0205名無しさん@ピンキー2018/08/03(金) 01:53:02.59ID:E9wAPEio
おしまい。
いわゆる「海の見える丘に白い家を建ててオランピアさんと住みたい」って奴でした。
世界樹発売記念に何か書こうと思って気が付いたらできていた。
あーもう地獄だよという感想を抱いていただければ幸いです。
こうならないためにも皆深都ルートを選んでグートルーネ様を倒s……
やっぱ真ルートを選んでオランピアさんを不幸……に……
世界樹切り倒そうぜ!
0206名無しさん@ピンキー2018/08/15(水) 14:47:08.54ID:OWfqtOIZ
やっぱあれは世界樹切り倒すしかないよな!!

世界樹の迷宮が発売されるたびに、ギルド『エーヴュア』のひと帰って来ないかなーとここを見てしまう…。
0208名無しさん@ピンキー2018/11/12(月) 02:39:03.51ID:SAjT529j
久しぶりにおもいだしてきたら保管庫が消えてた
データ持ってる人いる?
0211名無しさん@ピンキー2019/01/16(水) 02:43:38.79ID:l8Ye7x+e
再建するのって多分お金かかるんだよな?
タダならなんとかやるかもだが
0215名無しさん@ピンキー2019/10/19(土) 11:49:08.41ID:IvJyUhu2
インターネットアーカイブでサルベージできるな
もちろん、消えているのもありそうだが
0216名無しさん@ピンキー2019/10/19(土) 14:08:49.96ID:IvJyUhu2
アーカイブから回収できた物を上げておく。

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1973407.zip.html

dl pass archive
zip pass atlas
0217名無しさん@ピンキー2019/10/28(月) 00:22:25.00ID:Q2SKReaS
まだこれからでも作品作っても大丈夫?
今構想中だけど新Uでパラ男、ソド男、プリンセス、ブシ娘、ガン娘でラブラブ系三部作をば
0219名無しさん@ピンキー2021/01/03(日) 21:48:07.08ID:wk5FucHi
クレクレ無いものねだりで申し訳ないんだけど、>>158の消えちゃったSSの本文誰かお譲りいただけませんか…
バックアップからもこぼれちゃってて読めない
レスを投稿する


ニューススポーツなんでも実況