比べるのもアレだけど、クソ親父がどっかの女の人と社長室で致してた時、似たような声、
聞こえてたし。
……おっぱい吸った記憶とか、無いし……
「ふぁ……」
片方を揉んで、もう片方を吸ってみる。さっきよりはっきり、声がした。
口の中で舐め回す度に、身体が震えて、その内、僕の頭を抱き締めて来て。
僕に、女の人に乱暴したいなんて願望は無い筈だけれど、こんな、無理矢理みたいな、中
途半端な脱ぎ方だと、妙にドキドキする。
「アルファ、さん……」
耳元をくすぐるアンジュの声は、まるで何かの魔法みたいに僕を昂らせる。
優しくしたいのに。僕と同じ初めての筈なのに、それなのに、求めてしまう。胸だけじゃ
なくて、沢山、色々な場所に口付けながら、僕は下半身に手を伸ばす。
……下半身と言えば、僕、キッツイけど美人な女王さ……女の人に足で射精させられて、
ズボンの中、大変な状態になってた筈なんだけど、アンジュは僕が心労で倒れていた間に
着替えをしてくれていたみたいだ。
まだ正体も不明だった時にシモの世話までしてくれて……

――つくづく、なんてお人好しなんだろうって、僕は思った。

長いスカートを捲り、物凄く手触りのいい……ぱんつ? 下着? えーと、隙間から手を
入れると、熱くて、指に滑る感触があった。
「っ、いや……」
嫌がって……る声じゃないよねコレ。アレだよね。穴……って言ったらアレだけど、その、
ここに入れると、すっごい気持ちいい……んだよね。それこそ、自分でする、何十倍も。
最初は、痛いんだろうけど、でも、でも、これだけトロトロだったら。
「……あ、アンジュ……その」
そう言った瞬間、アンジュはまた、泣きそうな笑顔で。
「名前、初めて呼んでくれましたね」
と。
あ、もう駄目だわ。

「っ、アンジュ! アンジュ!!」
アンジュに何度も口付けて、ぱんつ取るのももどかしくて、脱がせるのも諦める。足を広
げて、入口に当てる。先の方が、濡れた肉に触れただけで、もう気持ちいい。これが、全
体に広がるって事は、考えただけで怖い。
「え、あ、もうですか?(これだからDTは)」
よく聞こえなかったけど、少し戸惑ったような声。
「い、入れ、るよ?」
「はい……あの、優しくして下さいね」
「ぜ、善処します!」
そうは言ったものの、正直理性がもう無い。本当にもう無い。
僕は出来る限りゆっくり、一刻も早くアンジュと繋がりたくて、腰を推し進める。
「――あ、いっ……いた……」
僕を抱き締めて、苦しそうな声を出す。やっぱり、初めてなんだよな……なんだよ清楚系
股ユルビッチって……
顔も少し引き攣っている癖に、やっぱり無理して笑おうとする。けど、今はそれがありが
たくもある。本当は、僕がそうしたいのに、出来ない。
「……あまり、動かないで……欲しい、です」
はぁ、はぁ、と、短い呼吸を繰り返して、たどたどしく告げる。アンジュの中は、触った
時以上にヌルヌルしていて、ぎちぎちに締め付けて、動かなくても充分気持ちはいい。
……せめて、アンジュが痛みを感じなくなるまでは、このままでいたいけど……大丈夫か
な……僕の方が。暴発的な意味で。