緊急連絡

本日、夜19時より、以下の条件に該当する方は集会所へ集合して下さい。
うみなりタウンには関係の無い私用ですので、謝礼は弾んじゃいます。
来られない方は、指定時間より町内放送があるまで集会所には近付かないで下さい。

                    必須事項
            ・強烈な下ネタに対し、耐性のある方
            ・どちらかというと自分はSだと思う方
                  ・秘密を守れる方

          上記を満たした上で、いてくれると助かる方
           ・可愛い顔の男の子ならイケるという男性


急かつ若干非常識な要望に御迷惑をお掛け致しますが、御容赦下さい。
お詫びとして後日、うみなりタウン全戸においしいお味噌をお配りいたします。
尚、読んだ後はこの書類を必ず焼却処分して下さい。


                                                  アンジュ


速攻で書類を作成し、深夜の内に新聞屋のエリザさんに全戸に配るよう指示して貰い、そ
の時を待つ。

因みに、侵入者さんは飲まず食わずで縛ったまま放置している。
トイレに行きたそうだったので、有無を言わせず、しびんで介護してあげたら、感動に打
ち震えてくれた。もしかして、こっちの道にも行けるかも、と思った。

で。
「意外と、少ないですね」
「恐らく、必須事項の『強烈な』に引っ掛かった者が多いと思われる。おまけにアンジュ
さん、貴様にイイ顔したい輩も多い。だから今回は辞退したと思われる。本来なら、この
うみなりタウンは下ネタタウンと改名しても良い程だ」
正直、この人が来た事に驚愕を隠せないのですが、ハヤトさんは普通にそんな事を言った。
「因みにハヤトさんは」
「イケるかどうかを確かめに来た」
「大いなる探究心ですね」
ちょっと、感心した。
「アンジュサン、どういう事なんデスか? 酒池肉林デスか? オレ、可愛くナクテモ拷
問めいた事ナラ何でも出来マス!」
妙に興奮しつつ、カミュさんが、どえらいカミングアウトをする。
「それはそれは。実はですねえ、私の家にリオンさんのスパイが不法侵入して来まして、
なんとか捕まえる事が出来たのですが、何分、口を割っていただけなくて……このままで
は怖くて」
「あたし、そのスパイをこんな状態に出来るアンジュさんの方が怖い」
笑いながら、私の肩をばしばし叩くカリノさん。お若いのに、イイ趣味をなさっているみ
たいです。
集まったのは、この3名。まあ、1人でも来てくれたらなー、と思っていたので、収穫で
はある。
「それでは御開帳です。侵入者の、名も知らぬ少年Aさんです」
そう言って、被せておいた布を取る。そこには――