MMO風味ファンタジー異世界に転移しての冒険者生活だが
パーティー編成は男性1人に対して女性が3人から5人くらいが普通。
男女比率に偏りのある世界という訳ではなく、単純に男性の冒険者が少ない。

それも男性は総じて卑しい出自であるのに対して
女性は大抵が高貴な身分か富裕な家柄の出身である。

貴族や王族でも第3子や第4子ともなれば地位や財産の相続権など無く、
飼い殺しや冷や飯食いに甘んじるしかないのは男女を問わない。

それでも実家を離れて騎士団や修道会で身を立てる機会のある男性に比べると
男尊女卑の風潮で教団も学院も役職に就けるのは男性に限られ、
大半の騎士団が女人禁制で仕官の口にあぶれがちな女性は不利な立場にある。

そういう世間の扱いに鬱屈するあまりに実力で日々の糧を得るのを志し、
自由人稼業である冒険者に憧れて出奔する良家の令嬢は後を絶たない。

平民や貧民からすれば渡世人か娼婦に身を落とした方が生計が立てやすく
その日暮らしの瘋癲でしかない冒険者になるなんぞ
よほど下賤の素性か変人しか選ばないのが実情である。

このような訳で冒険者の男女比に偏りが発生するのだが
そういう女性冒険者は今までの窮屈な境遇の反動もあってか
冒険者仲間の男性と羽目を外した関係に陥る傾向がある。

パーティーがハーレム化する事も珍しくないが
妾や側室を当たり前として育った階級の令嬢方からすれば
男性が自分以外と恋仲になるのにも寛容であり
女性同士が和気藹々とする傍らで毎晩のように搾精される男性だけが
釈然としない思いを抱くのはままある風景である。