【男女】あべこべ世界妄想スレ2【逆転】 [転載禁止]©bbspink.com
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0519名無しさん@ピンキー2017/03/24(金) 19:52:53.72ID:6fWpQTEO
肉体改造の内容をちょっとこのスレ準拠にするだけでかなり興奮する
0520名無しさん@ピンキー2017/04/02(日) 19:52:55.56ID:2rmzED2X
男の結婚適齢期はクリスマスケーキといわれるのか。
24が売り時。25に成ると安売りが始まる。
0521名無しさん@ピンキー2017/04/03(月) 20:03:36.37ID:3SgzWqik
>>520
>>514の男の子はガチでそんな感じだな
0522名無しさん@ピンキー2017/04/04(火) 18:48:57.19ID:d6cWklvH
美少年、いただきましたってマンガがいい感じ
コミックヴァルキリーの貞操逆転世界みたいに明確に性欲が逆転してるわけじゃないんだけど、先生が生徒に欲情しまくってて、生徒は先生に「やらしい目で見てるでしょ?」と言ったりする
他にも教師が生徒を助けたり飲み物を買ってあげたり、風呂上がりの姿に欲情したり、ベットを譲って自分はソファで寝たり、「先生は手を出さない」と言ったり、教師が生徒の出てくる淫夢見たりと普通のラブコメを男女逆転させたような描写が一杯出てくる
0523名無しさん@ピンキー2017/04/05(水) 13:50:43.37ID:JAxG1+z/
>>522
生徒のでてくる淫夢
ホモビかな?
0525名無しさん@ピンキー2017/04/15(土) 11:12:05.56ID:ZIR/H1U5
有料だからあれだけど、
金ドル本の「真逆の世界なんたら」がいい感じ
0527名無しさん@ピンキー2017/05/23(火) 12:33:33.33ID:rM8GJI4r
あべこべになると、男が化粧して身体は柔らかく髪はサラサラ、長髪、一歩後ろに下がって、
女は粗野で肌はボロボロ、髪は短髪、体鍛えるからくびれなんて無いと思うんだが
良いのか?
0528名無しさん@ピンキー2017/05/23(火) 21:23:01.47ID:Yi5TsZks
俺はそれも好きやで?
というか3パターンあって
A、男女の立場だけ逆転。見た目はそのまま。服装社会的立場などは入れ替わる。
B、上に加えて男女の体つきも入れ替わる。性器はそのまま。(生理も入れ替わるかは細かい好み)
C、その他。貞操逆転などもここに該当。

このスレはAが主流。Bは半々かな。
0530名無しさん@ピンキー2017/05/24(水) 00:38:30.44ID:ydcSDb98
性器そのままって不思議だな
と思ったけどそうじゃないと男と言う名の女と女と言う名の男になっちゃうからか
0531名無しさん@ピンキー2017/05/24(水) 01:11:03.68ID:KDgueeuA
性器までいくと『性転換』になるからな
あくまでここは『立場の逆転』のスレだし
0532名無しさん@ピンキー2017/05/24(水) 13:27:55.55ID:Rz+J4fOb
スレチかもしれんが、中出しされても
妊娠するかを
女が自由に選べたら
男女の立場変わってたと思うんだよなあ。


ま、貞操逆転ものもっとでて欲しい
0533名無しさん@ピンキー2017/05/24(水) 16:46:28.34ID:KDgueeuA
正直言うと貞操逆転に関しては専用スレを立てたほうが良いと思う
男女の立場が逆転とはわりと分かり合えない分野だと思うし
0534名無しさん@ピンキー2017/05/24(水) 16:55:30.41ID:KDgueeuA
分かり合えないというと語弊うむか
TSで言うと『性転換』と『皮モノ』くらい違う感じかな
0536名無しさん@ピンキー2017/05/25(木) 10:59:21.94ID:DPqpeV2i
>>535
ちょっと違うなあ、というかもともとそこだった
あっちで『個人の立場交換』と『男女の立場交換』の二つの主流が産まれたから
後者メインの場としてこのスレが立ったわけよ
0537名無しさん@ピンキー2017/05/25(木) 11:05:21.08ID:DPqpeV2i
あーダメだぐちぐち好み語ってんじゃねーよ俺!
とにかく>>535よ、立場交換とここは違うかんな!
ほんとスレ汚しスマン
ちょっと妄想してくるわ…
0538名無しさん@ピンキー2017/05/25(木) 14:45:31.00ID:uivb2K9u
男がスカートが当たり前の世界
女がスカートをはくと変人扱いされる
0540名無しさん@ピンキー2017/05/31(水) 03:54:04.32ID:Np2mzrQr
ここの人たちはなんで女みたいに乱暴なのかしら
もっと男らしくしなさいよね
0542名無しさん@ピンキー2017/06/25(日) 01:15:08.96ID:qd3Zv0zN
言葉遣いや服装は変わってないんだけど、
性的な扱いや社会的立場が極端に女尊男卑になった世界とかも好き。

「男に学問は必要ない」
「男は体力こそあるが、脳が女と違って単純に出来ており、複雑な仕事には不向きである」
「日本男児たるもの、結婚まで童貞を守るべし」
「勃起とは即ち性交の同意であり、
 女性がいくら性交を強要したとしても強姦には当たらない」

そのため大抵の男は肉体労働者になるか、
あるいは花婿修行としてスポーツで身体を鍛えるかのどちらかである
(もちろん女性向けの性風俗産業に従事する男性も多い)。
まれに大学まで進学する男もいるが、会社に入っても割り振られる仕事は限られており、
受付やお茶汲み、コピーなどがほとんど。
基本的に男は、肉体を鍛えて性的魅力を高め、
種馬として女に養ってもらうのが男の幸せとされている。

ラグビーやプロレスのような男らしいスポーツは、
こちらの世界で女性が習う生花や茶道のような扱いをされており、
花婿修行として人気が高い。
しかし逞しいラガーマンは大抵チアリーダー達に性的に狙われており、
屈強な身体を震わせて輪姦されるラガーマンが後を絶たない。
満員電車でもかなりの頻度で男性が女性からの痴漢被害に遭っているが、
勃起した時点で合意とみなされるので、ほとんど事件化されない。

さらに男性の筋力は法律的に凶器とみなされるため、
女性に対して反撃すると逆に重罪になることが多い。
そのため世の男性たちは、どれだけ屈強な肉体を持っていようとも、
女性からの性行為を拒めず、低い声で喘ぎながら射精させられている。
0544名無しさん@ピンキー2017/06/25(日) 12:12:46.33ID:IWnixhU8
首から上は男みたいに化粧してアクセサリー付けてるのが笑いどころ
0545名無しさん@ピンキー2017/07/03(月) 14:55:36.50ID:q8O98WQM
FGOのアガルタが男女逆転っぽいらしいな
さっさと新宿クリアして進めないと……
0546名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:47:32.61ID:eWp0i7Jr
思い付きで一本書いてみました
ちょっと半端なところで終わっちゃってますが現状書けたところまでで

拙い文章ですがお付き合いいただければと思います

では次のレスから開始します
タイトルは「名は体を表す」です
0547名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:48:47.85ID:eWp0i7Jr
「〜〜〜、そろそろ起きなさ〜い!!!!」
「は〜い」
生あくびをしながら下にいるママに答えた。
たぶん何度か起こされたんだろう、下からママの怒号が飛んできた。この後「春休みだからってダラダラしすぎ」と軽く怒られるのだろう。
怒られるのはめんどくさいが、ようやく待ちに待った日が来たことで僕の心は浮かれていた。
今日は中学校の入学式の一週間前、ようやく中学の制服が届くのだ。

僕が進む中学は普通の公立なのだがなぜか制服のデザインを担当したのが御剣とかいう世界でも有名なデザイナーなんだそうだ。
といっても、十数年前にできたばっかの学校でこのデザイナーとは縁もゆかりもない。
この市の出身らしいのだがなぜうちの学校なのかは誰も知らないらしいがそんなことはどうだっていい。
この制服がとにかくかっこいいのだ。しかもこの制服、かなり手間をかけて作るようでかなり早い段階で採寸を行った。

採寸を早めにしたこともあって去年1年はとにかく早く中学生にないたいと悶々としていた。
そしていよいよ来週から中学生として自分のために作られた制服を堂々と着ることができる。昨日はうきうきして中々寝付けなかった。

ピンポーーン
眠気覚ましに顔を洗っていると、待ちに待った制服が来たようで玄関へ向かう。
「太田様ですね、私、御剣デザインの佐藤と申します。この度はご入学おめでとうございます」
「ありがとうございます」
去年中学生になった隣の家の龍くんから聞いてはいたがホントにデザイナーの事務所の人が直接来るとは。
デザイナーのこだわりらしく一般の運送業者は使わず配送専門のスタッフを雇っているらしい。
「それではこちらが太田様の制服ですね。こちらにサインをいただけますか?」
「あっ、はい。これでいいですか?ありがとうございました〜」

さあいよいよ待ちに待った瞬間だ。勢いよく包みを開けて僕は唖然とした。
「え、なんでセーラー服がはいってるの?」
誤配かと思って送り先の名前を確認するが名前は間違っていない。とりあえずママにこのことを伝えると
「あ〜、あんたの名前女の子っぽいもんね〜、まちがっちゃたんかな〜」
あ〜、じゃねぇよ!!!息子の制服がちゃんと届いてないのにそんな反応かよ!!
しかしどこをどう見てもセーラー服だ。どう見てもスカートがひらひらしてる。
そういえばやたらと胸囲を測ってたな。なぜか位置をずらして2か所測られたけどまさか女の子と思われてたのか?
0548名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:49:45.37ID:eWp0i7Jr
確かに女の子の名前だし、見た目もそんなにごつごつしているわけでもなく今でもたまに女の子に間違われることもあるけどれっきとした男だ。
ちなみに僕の名前だが「優子」である。どっからどう見ても女の子につける名前だが僕は正真正銘男である。
そんな名前が付けられた理由だが、これがとてもくだらない。
僕が生まれる数年前からキラキラネームとかいうへんてこな名前が大流行したらしい。その当時の親たちは子どもの名前にやたらと個性を求めたらしい。
どうやったらそういう読み方ができるのかわからない名前や、外国の名前に無理やり漢字を当てはめたりペットにつけるような名前を付けて唯一無二の名前が
素晴らしい、子どもにも喜ばれると本気で思っていたらしい。

その熱が高まりどんどん奇抜な名前が付けられていったがさすがに数年もすればどんな奇抜な名前も他につけている人がいる。それでは個性がない。
そこでその当時教育ママとしてカリスマ的人気を誇ったある有名人が「男の子に女の子の名前、女の子に男の子の名前を付ければ新しい」と思い立ち、
自分の息子に「裕香」と名付けワイドショーを賑わせた。普通に考えればバッシングされてもおかしくないが、子どもの名づけに悩む親が多くその発想が
何故かウケてしまった。「裕香くん」が生まれたのが僕が生まれる3か月前。僕もそのブームに飲まれ「優子」なんて名前を付けられてしまった。
ブームもそう長くは続かなかったがそれでも2年ぐらいは続いたそうで、僕の同級生は名前が男女あべこべの子ばっかだ。

普通の名前を付けてもらった子も少しはいたらしいがあいにく僕が通っていた幼稚園、小学校にはいなかったので僕も途中までこの名前がおかしいと思っていなかった。
そんなわけで一番の親友は「愛梨沙くん」だし、今気になっている女の子は「武志ちゃん」。普通の感覚ならおかしいのだがそれが僕らの名前なんだから仕方がない。
「ママ〜、これどうにかなんないの〜」僕は半べそかきながらママに聞くと
「う〜ん、他の子のとこにも聞いてみたけどみんな逆の制服が届いてるみたい。
学校にも聞いてみたらなんか業者に渡したリストの性別欄が全部逆になってたって言われたって綾奈くんのお母さんが言ってたよ」

「え〜、じゃあデザイナーさんの方にどうにかなんないか聞いてよ〜」こんな制服とてもじゃないけど着られない!
「それも聞いてみた人がいるみたいなんだけど今から作り直すのは無理なんだって。他の仕事も抱えてるし来年の入学生の分も作るからそんな時間はないだって」
「そんなこと言われても、じゃあどうすんの!?これ着て来週から学校に行けっていうの?」
「仕方ないんじゃないの?制服着なきゃ学校に行けないし、他の子の制服着てたら怒られるだろうし。」
制服には一人一人の名前がちゃんと縫い込まれている。僕のもとに届いたセーラー服にもしっかりと「YUKO OTA」の文字が。
「服装に関しての校則がすっごい厳しいんでしょ?指定のもの以外を着たら反省文とか最悪謹慎とかって」

「え〜、でも〜」いくら校則でも男がセーラー服なんて絶対おかしい!
「いつまでもごねてても仕方ないでしょ!どうせみんな同じ格好してんだからそのうち慣れるって」
「そういう問題じゃないとおもうんだけどなぁ〜」
「じゃあなに?学校に行かないつもりなの?今時中卒どころか小卒じゃ将来どうにもなんないよ」
「うっ、それは…」
「もう、それ着て通うしかないんだからとりあえず着てみなって。毎日着てりゃ慣れるよ」
「てか息子がセーラー服着せられようとしてるのにママは何にも思わないの?」
「いや〜ホントは女の子も欲しかったんだよね〜。まぁ叶わなかったけど息子がセーラー服着て通学するのも面白いしいいかなって」
能天気にニカっと笑うママを見て僕はもう何を言っても無駄だと悟った。
0549名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:50:25.38ID:eWp0i7Jr
「うぅ...わかったよ着ればいいんでしょ!」
「分かればよろしい。そういえばその中学、下着もそのなんとかってデザイナーのとこの着けなきゃいけないらしいよ。箱に一緒に入ってない?」
そう言われ恐る恐る箱を覗くとしっかり入ってた(泣)男には無縁のはずの色とりどりのかわいらしいデザインのブラジャーとパンティーが何着か。
後で聞いた話だがそこまで指定するのはいいものを使ってほしいのと、自分のところの商品を使ってもらうことでファンになってくれればというデザイナーの思いかららしい。
ちなみに下着まで指定してくるのだから当然体操着や水着なんかも指定のものだ。しかも体操着はこの時代には絶滅したかと思われているブルマなのだ。
なんでブルマなのかは理由はわからないが一説ではデザイナーの趣味とかなんとか。

「いやいやいや、男なんだからブラジャーはいらないでしょ!?」
「でも、そこに入ってるってことは制服の一部なんでしょ。だったら着ていかなきゃいけないでしょ」
「そんな〜」
「つべこべ言わずに着る!どうせ3年間着るんだし覚悟決めなさい、男の子でしょ」
「はぁ、じゃあ着替えるから出てってよ」
「あんた1人でブラつけたりできんの?やってあげるから着ける下着えらびなさい」
それもそうだ、というかできてたまるか。うきうきしてるママを横目に10種類ほどある下着の中から青い下着を選ぶ。
青を選んだのはせめてもの抵抗だがどれもパステルカラーなのでかわいらしさはぬぐえない。それでもピンクの下着なんか着けるよりはマシだ。

「あら、青なのね。どうせそのうち着けるんだからピンクとかにしとけばいいのに」よくわかんないことでがっかりしてるよ。
袋からパンティーを出して広げてみると思ったより小さくてこんなんで包めるのかと不安になるが、先に行こう。
というか普通に穿こうとしてるが、これ女の子が穿くものなんだよな...
そう意識すると途端に恥ずかしさが込み上げてきたがどうせまたママに無理やり穿かされるんだ諦めよう。
前にリボンがついててちょっとかわいらしいし少しぴちっとしてる気はするけどこれは普通のパンツだと自分に言い聞かせ、意を決してパンティーに足を通した。
う〜ん、穿いてみると意外と伸びるし少し男物のパンツより肌触りがいい気がするけど、やっぱりオチンチンを包むことを想定していないからか些か具合が悪い。
それにどう意識しても女の子が穿くものを穿いているということを意識してしまい少しいけないことをしている気分になる。
こんなのに慣れなきゃいけないのかと戦々恐々としていると、追い打ちをかけるように魔の声が。

「じゃあ、あんたこれから卒業まで男物の服禁止ね」
「え!?なんで!?」
「なんで?ってあんた毎朝学校に行くのに毎回そんなに戸惑いながら何分もかけて着替えるの?普段から着て慣れなさい。どうせ学校に行ってる間は嫌でも女物なんだから。」
そりゃそうなんだけど、そのにやけ顔で言われてもなぁ...釈然としないが次に移る。
次に手に取ったのは特殊な趣味を持つ人でなければ男には無縁の下着、ブラジャー。まさかブラジャーを着けることになるとは。
とりあえず腕を通してみたが後ろのホックがうまく留まらない。。四苦八苦してるとママから救いの手が。

「も〜不器用ね〜。まぁ初めてだから仕方ないか。慣れないうちはこうやっていったん前に持ってきて見えるところでホックを留めて後ろに持っていくの」
へ〜、と感心しているとブラジャーのカップの部分が前側に回ってきた。ふと姿見をを見るとかわいらしいブラジャーとパンティーを身に着けた僕が映っていて一層恥ずかしさが増した。
うむ、どう見ても変態である。ただ、見た目だけなら僕はまだマシだと思う。
6年生の時同じクラスだった梨咲(りさ)君は1年生の頃から野球をやっていて真っ黒に日焼けしてて、友達の中では一番背も高いし、
筋肉は小学生にしてはムキムキで男らしさの象徴みたいな子だ。その梨咲君が今の僕と同じような格好でいるのを想像すると複雑な気持ちになった。
なんにせよこのままでいるのも恥ずかしいし次に行こう。
0550名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:51:08.90ID:eWp0i7Jr
次に下着と同じ色のタンクトップのようなものを取り出す。
これならと思ったが今まで着たことのあるものと比べて肩紐の部分が細い。
それに肩紐の付け根部分には小さなリボンの装飾がついていていかにも女物です感がすごい。
「ママ、これってタンクトップだよね?」
「似てるけど違うものよ。これはキャミソールって言うのよ。あえて見せてファッションの一つにもできるけど基本的には下着を透けるのを防ぐために着るものよ」
「こんなのも着なきゃいけないの?」
「そうよ。下着が透けるのはとっても恥ずかしいことなんだから必ず着るのよ。お腹冷えちゃうから早く着ちゃいなさい」

そう言われ下着姿なのを思い出し慌ててキャミソール?を頭から被る。
着てみるとすべすべした感覚で少し気持ちよかったが、胸のところに布がついていて少し厚めなのが気になった。
「ママ、ここの布は?」
「キャミは部屋着としてノーブラで着ることもあるから乳首を保護するために当て布がついてるのよ」
「でもあんたは慣れるために家でもブラジャー着用だからしばらくはそんなことしちゃダメよ」
「うぅ・・・わかった」
これで過ごせば家ではブラジャーを着けなくていいと思ったが即効で却下になった。

キャミソールの上から白いTシャツを着る。
Tシャツなら安心だと思ったがやっぱりこれもいつもとは違う。
襟口が少し広く生地も柔らかいように感じる。
後からママに聞いたがこのシャツもやはり女物らしい。
次にセーラー服を着ようと手に取ったところでママに止められた。

「スカートを先に履いた方がいいわよ」
と言われスカートを先に取り出す。
紺色のひらひらとした布にきれいな織り目が付きひだのようになっている。
今まで女の子が履いているのを見るだけだったのにまさか自分が履くことになろうとは。
しかしかわいらしいパンティをずっと曝したままなのも恥ずかしいので意を決して足を通す。
腰骨のあたりでホックを止めようとしていたら
「あぁ違うわよ。スカートはねここで止めるの」
そう言いながらおへそのあたりまで引き上げてホックを止めファスナーを上げる。
「ウエストはこのあたりで測るから必ずこの辺で止めるのよ」
0551名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:51:43.09ID:eWp0i7Jr
スカートを履いたはいいがすーすーして履いたような感覚があまりない。
下を見てみると腰の下でひらひらとした布が揺れている。その布は膝小僧のあたりまでしかなかった。
すーすーする股間がひどく無防備な感じがして太ももをくっつけていると、
「スカートの時は中見られないように必ず今みたいに足を閉じててね。気を付けてないとすぐに中が見えちゃうから」
涼しい股間に戸惑いながらセーラー服を頭から被って、紺色の太ももの半ばぐらいまであるソックスを履く。

鏡の前に立ってみるとセーラー服に身を包まれた僕がいた。
女顔なのが幸いしてかいびつには見えないが、こんなのでも男なのでやはり自分の中では違和感を覚える。
「あらー!やっぱりかわいいわねあんた。なんで女の子に生まれてこなかったんだろ。
これからゆうちゃんって呼ぼうかしら〜」
「やっぱりこんなのおかしいよ」
「そんなことないわ。とっても似合っているわよ。これで街を歩いてもだーれもゆうちゃんのことを男だなんて思わないわ」
「ねぇもう脱いでいいでしょ?やっぱり恥ずかしいよ」
「今からお買い物に行くから脱いじゃダメよ」
「外に出るならなおさらだよ!」
「なに言ってんの。さっき男物の服禁止って言ったでしょ。学校が始まったら毎日その格好で登校しなきゃいけないんだし」
「それに男物の服着て女物の服を買いに行くつもりなの?」
「そんなもの買いに行かなくても・・・」
「今日この後着替えるものがないでしょ。セーラー服のままだと皺になっちゃうし」
うきうきで準備をするママに取り付く島など存在せず、僕のこれからの人生への不安は積もっていくばかりだった。
0552名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 13:56:25.14ID:eWp0i7Jr
とりあえずここまでです
現状きっかけがあべこべなだけでただの女装もののような気もしますが
学校生活パートなども一応考えてはいます

他にも何本か並行して書いてるのでいつになるかわかりませんが続きはそのうち持ってきたいと思ってます
0553名無しさん@ピンキー2017/07/18(火) 17:00:44.95ID:7XUG6WQo

ただこのままあべこべにならないなら女装スレでやる内容と思う
0554名無しさん@ピンキー2017/07/19(水) 00:07:24.93ID:wi9Oub4Q

ここからいろいろ「あべこべ」になっていくことを期待
0555名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:49:35.23ID:ZCdQB2VZ
>>553 >>554
ありがとうございます
上手く書けるかはわかりませんがじわじわとあべこべにしていくつもりです
もうちょっとお待ちください

次のレスから再開します
今度もどこまで書き込めるかわかりませんがあべこべになりはじめるとこまでいけばいいなぁと思います

それではお付き合いください
0556名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:51:04.51ID:ZCdQB2VZ
「うあー、疲れたー」
初の女装をしての外出、女物の服屋、帰ってからの着せ替えショーからようやく解放されベッドに体を投げ出す。
初めてのことだらけで身体的な疲れよりも精神的に疲れた。
「それにしてもママはテンション上がりすぎだよ」
買い物中に恥ずかしがってる僕の手をぐんぐん引っ張っていろんな服を選ぶママの顔はとても楽しそうだった。
「こんなものまで着せられたし」
青いベッドシーツに横たわる僕の体は薄いピンク色のネグリジェに包まれていた。
ノースリーブのワンピースみたいな感じで薄くひらひらとした布にレースなどの装飾がされている。
ネグリジェやワンピースなど女の子の服の名前はママにあれこれと着せられたときに教え込まれた。
「とりあえずもう寝ちゃおう」
疲れ果てていた僕はすぐに眠りにつくことができた。

次の日、がさごそという物音で目が覚めた。
眠い目をこすり起きるとクローゼットの前でママが何かをしていた。
「ママ、なにしてるの?」
「あら、おはよう。クローゼットの男物と女物の入れ替えをしてるのよ」
ママの言葉にハッとして飛び起きた。
「なんでそんなことしてるのさ!」
「そんなこと言ったって昨日買った服が入らないし、もう着ない服を置いといてもしかたないでしょう?」
クローゼットの中はほぼ女物の服に変えられていて、黒とか青とか暗めの服が多かったクローゼットが華やかになっていた。

「僕の服はどうしたの?」
「そこの段ボールの中よ。傷んでない服は売っちゃって、下着とかは捨てちゃうわ」
「別に売らなくても…それに卒業したら男物の服も着ていいんでしょ?」
「そのころには体も大きくなってどのみち着れなくなってるわよ」
「でも…」
「でももだってもないの。昨日の服だってお金かかってるんだし」
「それはママがいっぱい買うから」
「服がなきゃ困るのはあなたでしょう。この話はもうおしまい」
最後に詰めていた段ボールを持って部屋から出て行ってしまった。
部屋の中ぐらい自分の服でも…と思っていたが目論見は甘かったようでがっくりときた。

それから学校が始まるまでは女の子のファッションやコーディネート、
ブラジャーの付け方やスカートを履いた時の座り方などの女の子の作法をみっちり指導された。
その甲斐あってかブラジャーのホックを留めるのに苦労しなくはなってた。恥ずかしいのは変わらないけど。
そうして入学式の日を迎えた。
0557名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:52:25.28ID:ZCdQB2VZ
セーラー服に身を包み通学路を歩いていく。
毎日のように着せられていたためスカートへの違和感は小さくなってはいたが、やはり家の中で着るのと外に出るのとでは違う。
人目を気にしながら歩みを進めていると後ろから声をかけられた。
「優子くんおはよー!」
「武志ちゃんおはよう…」
振り返るとそこにいたのは黒の学ランに身を包んだ武志ちゃんだった。
気になっている女の子にこんな姿を見られるなんて…と恥ずかしがっていると
「そんなに恥ずかしがんなくても大丈夫だって。めっちゃ似合ってるよ」
セーラー服が似合ってると言われても男としては複雑なのだが好きな子から褒められるのはやはり嬉しい。
「ありがと…武志ちゃんは恥ずかしくないの?」

「そーだねー、男の子はスカート穿くことなかっただろうけど女の子はパンツも履くからねー」
あっけらかんと答える武志。
「それもそうだね。武志ちゃんも似合ってるよ」
「そーでしょ!せっかく動きやすい恰好なんだしと思って髪型も変えちゃった」
小学校のころは下ろしていたさらさらとした髪を後ろでひとくくりにしてポニーテールにしていた。
見て見てーと後ろを振り向きゆらゆらと揺れる髪を見せながら武志はただね、と続けた。

「ブラジャーを着けられないのがどうしても気になって…」
「それじゃあ」
「そう、今ノーブラなの」
真新しい学ランの胸の部分は男にはない膨らみで押し上げられていた。
セーラー服を着てはいるが思春期の男の子である。見てはいけないと思いつつ柔らかそうな膨らみに目が行ってしまう。
「だからあんまり見ないでね」
優子が見てるのに気付いたのか胸を隠そうとする武志。
「ととと、当然だよ。みみ、見てないよ」
「ふーん、そっか」
前を向き直して再び学校への道を進む二人。
想い人の急なノーブラ宣言に動揺した優子の耳には武志がボソッと言った
「まぁ優子くんなら見られてもいいんだけどなぁ」というつぶやきは届いていなかった。
そしてしばらくの間優子のスカートの前が軽く持ち上がってることには二人とも気づかなかった。

学校が近くなると親友の愛梨沙も合流して三人で学校へ向かう。
「優子おはよう。って、武志も一緒かよ」
「愛梨沙おはよう。セーラー服似合ってんじゃん。かわいいよ」
ププッと笑う武志に
「うるせーな。どうせ似合ってねーよ。恥ずかしいからあんま見んな」
シッシと手を振る愛梨沙。
恰好こそあべこべだがようやくいつもの感じに戻ってきた気がした。
0558名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:53:14.67ID:ZCdQB2VZ
学校に到着すると入学式の行われる体育館前に人だかりができていた。
どうやらクラス発表が行われているようだった。
同じ小学校の見知った顔や、隣の小学校の子たちが入り乱れている。
その全員が男子はセーラー服を着て、女子は学ラン。
カオスのような空間がそこにはあった。
その中に同じ小学校だった梨咲君の姿もあった。

一際背が高く日焼けした体もセーラー服に包まれていたのだがそれよりも気になったのは腰のあたりまで伸びた髪の毛だ。
「梨咲君おはよう。その髪どうしたの?」
「あぁ優子か。ただでさえこんなの着せられて恥ずかしいってのに『あんたは体でかくてそれっぽく見えないからこれも被りなさい』ってかーちゃんが」
「学校来たら取っててもいいんじゃねえの?」
「それが良太を見張りにつけられちゃって」
「見張りとはしつれーな。おばさんに頼まれて梨咲のサポートをしてあげてんじゃん」
梨咲の後ろから小柄な女の子がひょこっと出てくる。
彼女は梨咲君の幼馴染の良太ちゃん。家が隣同士で親同士の仲がいいらしい。

「りょうちゃんおはよー」
「たけちゃんおはよー!ゆう君とあり君もおはよー!みんな似合ってんねぇ」
「りょうちゃんもね」
それぞれが同じクラスになることが多く小6の時には5人とも同じクラスだったので一緒に行動することが多かった面子が集まり少しホッとする。

「それよりさ、今年もみんな同じクラスだったよー!1組だって」
「ホントに!?やったね優子くん!」
まぶしい笑顔で優子の方を見る武志に優子はドキッとした。
(一緒のクラスは嬉しいけどこの姿をずっと見られるのか…)
嬉しいような恥ずかしいような複雑な気分になる優子だった。

「それでは1組の人はこちらに集合してくださーい」
「2組はこっちに―」
女性の声で各クラスごとに集合をかけられる。
声のもとに行ってみると女子生徒がプラカードを持って立っていた。
(スカーフの色が青ってことは2年生か)
上級生の女子生徒は当然セーラー服に身を包んでいて、学年を示すスカーフの色は青だった。
ちなみに優子たち新1年生は赤だった。

2年生の指導の下、2列に並んでいく。
式が始まるのを待っていると隣に並んだ女子から声をかけられた。
「私は、甲斐俊介よ。俊介って呼んでね。よろしく」
「僕は太田優子っていいます。こちらこそよろしくお願いします」
「そんなに固くならないでよー。これから1年間同じクラスなんだし」
「ははは、そうだね」
隣に並んだ甲斐さんはきりっとした顔立ちに女子にしては短めな髪で一瞬男の子かと思ったが学ランの胸の部分はしっかり女の子を主張していた。

他愛もない話をしていると式の時間になったのか声をかけられ入場する。
体育館には上級生や新入生の父兄が集まっていて盛大な拍手で迎えられる。
たくさんの知らない人に女装しているのを見られ恥ずかしさが呼び戻される。
それは他の男子生徒も同じようでみんなうつむき気味でもじもじしながら進んでいく。
用意された席の前に着き座る。
スカートの下に手をすべり込ませ太ももの裏に生地を持ってくる。足はぴちっと閉じてスカートの中が見えないように。
女の子の所作は完璧だった。
0559名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:54:09.52ID:ZCdQB2VZ
式は校長のあいさつから始まった。
「新入生のみなさん。ご入学おめでとうございます。
また、こちらの不手際のためにご迷惑をおかけしましたことお詫びさせていただきます。申し訳ございませんでした」
「学校側ではみなさんが生活に不自由しないように精一杯のサポートをさせていただくつもりですので、よろしくお願いします」
最初に謝罪から入った校長のあいさつも残りは普通のあいさつという感じだった。
式は順調に進み担任の発表に順番になった。

「それでは担任、副担任の紹介に移りたいと思いますが、先立ちまして一つ説明をさせていただきます」
「新入生は学校側の手違いで不本意ながら異性の恰好をして生活をしなければいけなくなってしまいました」
「そこで生徒の恥ずかしさをちょっとでも和らげることができればと思い、新入生を担当する学年の先生全員にも異性装をしていただくことになりました」
「それでは紹介に移らせていただきます」
各クラス担任と副担任が紹介されていく。
僕たち1組の担任は男の体育教師で副担任は女の国語教師だった。
体育教師は落ち着いた色の女性物のセレモニースーツで、国語教師はパンツスタイルのスーツだった。
一見女性物のスーツかとも思ったがよく見るとボタンの合わせが男性用のものだった。

紹介が終わり校歌をうたって式は終了となった。
上級生や父兄が退場し新入生と担任や学年担当の先生が残され改めて先生たちが各クラスに分かれて自己紹介をしていく。
「俺は体育担当の高橋だ。さっきも説明があった通り3年間お前たちと一緒に女装をして過ごしていくことになった。
お前らも恥ずかしいと思うが俺も非情に恥ずかしい。何かあったら恥ずかしがらずに俺のところに相談に来い」
体育の先生らしく元気はつらつといった感じだ。
「私は国語を担当しています上原といいます。女子の皆さんも戸惑うことはいろいろあると思いますが、できる限りサポートしていくので気軽に相談に来てくださいね。
教師になって日が浅いので頼りないところもあるかもしれませんが精一杯頑張るのでよろしくお願いします。」
20代半ばぐらいに見える若い先生は恥ずかしがりつつもしっかりとした口調で話していった。

各クラス担任の自己紹介が終わりクラスを持たない先生と養護教諭の紹介がされた。
「養護教諭の神崎伊織です。保健室の先生ってやつね。これから思春期に入っていっていろんな戸惑いがあると思います。
友達や先生、親には言いにくいこともあると思います。そんなときはぜひ私のところに来てね」
白衣の胸元に見える豊満な膨らみやすらっと伸びた足に男子生徒は目を奪われる。
噂によるとあれで50代らしい。いわゆる美魔女というやつだ。
そんな美魔女こと神崎先生が話を続ける。
「それじゃあひとまず最初の処置をするわね」
そういうとステージの方から強烈な光に襲われ反射的に目をつむった。

目を開けると何事もなかったかのように神崎先生が話を続けていた。
「それでは楽しい学校生活にしましょうね」
周りを見ても特に何もなかったように話を聞いていた。
気のせいかと思い直し次の先生の話を聞くことにした。

会が終了しクラスごとに教室へ向かう。
体育館には校長と養護教師の神崎が残っていた。
「神崎先生、大丈夫そうかね?」
「えぇつつがなく進んでいますよ」
「ちなみに今は何をしたんだい?」
「はい、これから生徒たちには男であるのに女として、女であるのに男として生活することを求めていきます」
「それに抵抗なく馴染んでいただくために少し素直に受け入れてくれるようにしました」
「ほう、いっぺんに変えてしまっても良かったのでは?」
「それでは楽しくありませんわ。こういうのはじわじわと長く楽しまなきゃ損ですわ」
「それもそうですね。それでは今後もよろしくお願いしますね」

「えぇ、もちろん」
にやりといやらしい笑みを浮かべる神崎。
彼女の正体は比喩表現ではなく正真正銘の魔女である。
その力をもってこの学校はすでに掌握されていた。
そして今回の制服の騒動も彼女によって仕組まれたものであった。
0560名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 16:57:04.67ID:ZCdQB2VZ
もう規制になってしまいました、すみません
次こそはあべこめになりはじめるはずなのでご容赦ください
0562名無しさん@ピンキー2017/07/26(水) 20:13:40.70ID:51UUSRdT
>>561
なるほど
次から投稿間隔をちょっと空けながら投稿してみます
ありがとうございます
0564名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 17:16:42.19ID:EFMOdYag
私がこの学校に赴任してきたのは3年前。
学校全体を掌握するのにそう時間はかからなかった。
そしてその年の新入生を私のおもちゃとして3年間遊ばさせてもらった。
非情に愉快な時間だったがそんなかわいい生徒(おもちゃ)達も卒業してしまう。
その気になれば学校どころか市内全域を私のおもちゃにすることだって可能だったが管理が面倒なのでやめた。
それに日常の中にあるからこそ非日常が映えるというものだ。
その非日常が生み出す倒錯感こそが私にとって最高のご馳走である。

次のおもちゃはどうしようかと考えていた時に制服業者に渡す新入生リストが目に入った。
女性名の隣の性別欄は男になっていて、男性名の隣には女の字が。
ひどく歪なものに見えたが、十数年前にそういうブームがあったことを思い出した。
なるほど、これはおもしろい。
そのリストに少し手心を加えておいた。
その時の私の顔は校長曰く愉悦にまみれひどく歪んだ笑顔だったそうな。

この学校の生徒や教師たちはすべて私の支配下にあるが、校長には何もしていない。
というのも私と校長は同好の士であり、今のところ私の計画に賛同してくれているので特に魔法はかけていない。
そんなこんなで入学式の日を迎え、体育館に入場してくる新入生を見て今後訪れる愉快な日々ににやけが止まらなかった。
ちなみにこれまで新たなおもちゃたちには何もしていないが親たちにはこの状況を受け入れられるように魔法をかけてある。
程度はあるだろうが概ね私の思うように動いてくれたのか欠席者もおらず全員が異性装を受け入れていた。
「さぁて、目一杯私を楽しませてね♪かわいいお・も・ちゃ・た・ち♪」

美しい養護教諭がそんな企みを秘めているなど知る由もない新入生たちはそれぞれの教室でこれからの学校生活についての話を聞いていた。
「それではこれからのことについて説明をしていこうと思う」
「これから君たちはこの中学の生徒として……」
中学生としての心構えや学校でのルール、学校行事についてなどテンプレのような話が続いていく。
「最後に君たちの格好についてだが」
高橋先生がこう言ったところで教室の空気が変わった。

「さっき説明した通り我が校は服装についての校則はかなり厳しい。
着崩しはもちろん自分の名前が書かれた学校指定のもの以外の着用は認められていない。
君たちの境遇には同情するが一度校則を歪めてしまうとそこから学校生活が破綻する可能性もあるのでそれもできない。
それに君たちだけ校則を変えてしまうと上級生たちから不満が出るかもしれない。
というわけで、本当に申し訳ないが3年間耐えてくれ」
「入学式でも言っていた通り俺たちも君たちが卒業するまでは女装、男装を続けるしサポートもする。
それで安心しろというのも無理だとは思うが恥ずかしいのは俺たち先生も一緒だ。どうか一緒に頑張ってくれ」
それとこれとは別だろうと思ったがなぜだか心にスッと入ってきてなんだか落ち着いた。

「それから君たちの扱いなんだが……非情に言いにくいのだが名簿にある通りにすることになっている」
「それってどういうことですか?」
優等生っぽい女の子が学ランに包まれた手をピシッとあげ質問する。
「俺らが持っている名簿の性別欄には君たちの本来の性別とは逆の性別が記入されている。
学校生活全体をその記載に従ってもらう。
要は君たちが今着ている制服の性別に合わせて扱うということだ」
「はあああああああああああああああああああ!?」
出会ったばかりのクラスメイトの絶叫が揃って教室内に響き渡る。
0565名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 17:31:45.33ID:EFMOdYag
「ちょっと待ってよ先生!今こんなの着てるだけでも恥ずかしいのに女の子扱いまでされなきゃいけないのかよ!?」
「そうよ!学ランだけなら我慢できると思ってたのに男扱いされるなんて」
「まぁ落ち着け落ち着け。急にこんなこと言われて納得しろというのは難しいと思う。
俺らもさすがにかわいそうだと抗議したんだが学校全体の決定事項になってしまってはどうしようもなくてな」
「学校生活全体とおっしゃっていましたが、それはどこまでを指すんですか?」
先ほど手を上げて質問していた女の子がまたしても手を上げて質問をする。
「言葉の通りだ。授業や部活はもちろん学校生活で利用する施設なんかもそうだ」
「施設というと?」
「更衣室やトイレのことだ」
「えええええええええええええええええええ!?」
またしてもクラス中に叫び声が響く。

「仕方ないだろう、そう決まってしまったんだ。それに君らが普通の恰好でトイレにいたとしてそこに異性の恰好をした人が入ってくると驚くだろう。
上級生はそういう状況になってしまうんだ」
「だからすまないが慣れてくれ」
「そうですか、わかりました」
理論が破綻した先生の言葉に抗議していた生徒たちはあっさりと引き下がっていく。
これは先ほど神崎がかけた魔法の効果であったが生徒たちは知るはずもない。

「とは言っても急に異性として扱われることを受け入れろとか、使ったこともないトイレを使えと言われても無理があるだろう。
そこで明日から1週間オリエンテーション合宿を行う」
「合宿ではみんなが仲良くなることや勉強の習慣を付けることが本来の目的だが新たな生活に慣れてもらうためにこの期間を利用する」
キーンコーンカーンコーン
「説明はこんなところだな。戸惑うことは多いと思うがいろんな人に相談しながらともに頑張っていこう」
「授業の間の休み時間は10分な。次の時間で授業についての話をして、給食食べて今日は終わりだ。もう少し頑張ってくれ」
「今日のところは本来の性別に会ったトイレを使っていいぞ。ただしこのフロアだけなー」
そこまで言って先生は教室を後にする。

トイレに行ったのか教室の外に出ていく生徒もいたが大半が教室内に残って、友達同士で喋ったり新しく友達を作ろうとしていたりした。
僕が愛梨沙君の席に行くと、梨咲君、武志ちゃん、良太ちゃんも集まってきた。
「明日から合宿だってー、お泊り楽しそうだねー」
「なにするんだろうねー?」
武志ちゃんと良太ちゃんは合宿が楽しみなのか笑いながら話していた。
「それにしても新しい生活に慣れてもらうってなんなんだろうな?ちょっと不安じゃね?」
大きな体に似合わず意外と心配性な梨咲君。
「まぁ学校がやることだしそんな変なことはしないだろ?」
「それもそうだな」
冷静に答える愛梨沙君に同調する梨咲君。
僕も少し不安だったけどみんなと一緒だし先生も頑張るって言ってたから大丈夫だろうと思うようになっていた。
0566名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 18:09:43.24ID:EFMOdYag
新入生たちが説明に戸惑いを覚えながらも納得をさせられていった説明の時間が終わって数分が経った頃、保健室の扉がガラガラと音を立て開いた。
「すみません、ちょっと相談したいことがあるんですが…」
声の主は学ランに身を包んだ女子生徒、今年の新入生だった。
「どうかしたの?」
早速来たか、と思いながら胸を抱えるようにして腕を組んでもじもじしている女の子に優しい声で近づいていく。
「あの……先生……ちょっと言いづらいんですけど……」
「恥ずかしがらなくても大丈夫よ。秘密にしたいこともちゃんと守るから」
「先生、あのね……ブラジャーを着けてないから……乳首がひりひりして気になっちゃって。それにどうしても見られてる感じがして……」
顔を真っ赤にして伝えてくる女の子のおっぱいは他の同級生と比べてかなり大きい部類に入るだろう。
(ホントにかわいらしい。今すぐにでも変えてしまいちゃいたいぐらい。やらないけど)

「そうね、あなたぐらいの大きさだと動くたびに揺れちゃって男の子は釘付けになっちゃうわね」
「なんでブラジャーを着けちゃダメなんですか?」
「それはあなたが男の子だからよ」
「でも……」
「あなたの言いたいことはよくわかるわ。でもね、校則だから仕方ないの」
「そうですね、校則ですもんね」
「とりあえず処置してあげるからシャツを捲って」
「はい」

学ランを脱いでTシャツに手をかけるが捲り上げてくれない。恥ずかしいのだろう。
「女同士なんだからそこまで恥ずかしがらなくてもいいじゃない?」
「うぅ…でも……」
「捲ってくれなきゃ見れないでしょ。ほら」
「わかりました」
一層顔を真っ赤にしながらTシャツを捲り上げていく。
中学生にしてはかなり大きい部類に入るおっぱいとピンっと立った桜色の乳首がお目見えした。
「やっぱり擦れちゃってるわね。ブラを着けさせてあげたいけど校則でだめだからこれで我慢してね」
と言いながらニップレスを貼り付けていく。

「これでちょっとはマシになると思うわ。次の授業が始まるから急いで戻りなさいね」
「ありがとうございます」
学ランを着て急いで保健室を後にしようとする生徒を呼び止める。
「恥ずかしかっただろうに相談に来てくれてありがとうね。相談してくれたことね…近いうちに気にならなくなると思うから」
「ありがとうございました!」
長い髪を揺らしてぺこりと頭を下げて出ていく生徒を見ながら計画の変更を思いついた。
(本当は明日からの予定だったけどちょっと早めようかしら…まぁ1日だけだしいいか少しぐらい)
神崎は棚からカプセルのようなものが入った瓶を取り出しある場所に向かって行った。
0567名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 18:15:52.73ID:EFMOdYag
10分の休憩を終え5人が散り散りに席に着く。
次の時間は教科書を配られたり授業やテストに関する話だったのだが体育の授業の説明をしているときに女子から声が上がった。
「体育の授業の時の着替えについて、水泳の時は男女それぞれ更衣室がプール横にあるが、通常の更衣室は女子用のものしか用意されてない」
「なので男子は教室で着替えてもらうことになる」
ガタっと音を立てて一人の生徒が立ち上がる。
「その男子ってもしかして私たちのことですか?」
「その通りだ」
「それじゃあ着替え見られちゃうじゃないですか!?」
「決まったことなんだ。我慢してくれ」
その一言で抗議していた生徒たちが静かになった。

静かになったまま先生が他のことについての話をしていって特に混乱もなく授業終了のチャイムが鳴った。
「それじゃあ今日は給食食ってホームルームやって終わりだからな。
出席番号1番から6番までは申し訳ないが給食を取りに行ってもらっていいか?ちゃんとした順番は後日決めるから」
「はーい」
「残った人は4人で机くっつけて待っておくように」
返事をして男女3人ずつの6人が出ていく。
数分で戻ってきたときビン牛乳、主菜、お盆など比較的重たいものを男子がそれぞれ一つずつ持ち、
ご飯のコンテナを女子二人で持ち残った一人が副菜の入った小さな容器を持ってきた。
給食はつつがなく配られ食べ始める。
僕のテーブルは知っている人はいなかったが、この時間で仲良くなることができた。

片付けも終わりホームルームでは明日からの合宿についての説明があった。
「プリントは全員に回ったな。明日からのオリエンテーション合宿の詳しい内容や持ち物についてはプリントに書かれている通りだ。
基本的に制服や体操着で活動することになるが長い合宿なので私服で活動してもらうこともあるので忘れないように」
「もちろん合宿中も男女の扱いは変わらないからな」
「それじゃあ今日はこれで終わりだ。明日は時間厳守で頼むぞ」

「あーっ、終わったなー」
「帰ろっか」
いつもの5人揃って他愛もないことを話しながら帰路についた。
「ただいまー」
「おかえりー。明日から合宿なんでしょー?キャリーバッグ部屋に置いといたから早めに準備するのよ」
「はーい」
返事をしつつ2階の自室に入ろうとしたところで目の前の光景に愕然とした。

「ママ!僕の部屋なんなのあれ!?」
「あぁ、せっかくだからお部屋も女の子っぽくしておいたわよ。」
帰って来たら自分の部屋が女の子っぽく変えられていた。
基本的に家具などは変わってなかったがベッドシーツが青いものからピンクに変えられぬいぐるみがいくつか置かれていた。
普通の木目調の箪笥にもピンクのシートが貼られていて少しだけファンシーになっていた。
カーテンもピンクのチェック柄のものになっていて、マンガがいっぱい入っている本棚にも同じようにカーテンが付けられていた。
「なんで勝手に!?」
「入学式の後で武志ちゃんのママに会ってね、ぬいぐるみの処分に困ってるって言っててね、せかっくだからと思って貰ってきちゃった」
「だからってあんなにしなくても」
「まぁいいじゃない。女の子として3年間過ごすんだからちょっとぐらいママの希望聞いてくれても」
女の子が生まれてたらこういう風にしたかったんだろう。だからと言っても……
「戻したいんなら自分で戻してね。男の子っぽいものは見えないようにしてるだけで捨てたりはしてないから」
「あとぬいぐるみと一緒に武志ちゃんが使ってたキャリーバッグとゆうちゃんのキャリーバッグ交換しといたから」
「はぁ……わかったよ」
0568名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 18:21:47.16ID:EFMOdYag
部屋に戻って制服を脱いで着替えてベッドに横になる。
部屋を元に戻そうかとも思ったけど横になった時に目に入ったクマのぬいぐるみが気になった。
(これ武志ちゃんが持ってたんだよなぁ)
そう思うと急に愛おしく思えてきて抱きしめているうちに寝てしまっていた。
「ゆうちゃんそろそろ起きなさい。ごはんよ」
「んあー寝ちゃってた」
「あら意外と女の子してるじゃない」
にやにやとしたママの目線を辿るとクマのぬいぐるみを抱いたままだったのに気がついた。
「いやっ、これはちがっ」
「いいわよ、その調子よ」
嬉しそうに親指を立てて部屋から出ていくママに反論する気力も失せた。
「ご飯食べよ」
ご飯を食べた後は合宿の準備を済ませ風呂に入って中学生活初日を終えた。

時間を少し巻き戻して夕方の校長室。
「新入生はどうだい?神崎先生」
「みんな術のかかりもよくていい子たちですよ」
「ただ、女の子の中にはブラジャーを着けてないのがどうしても気になる子がいるみたいなので気にならなくなるよう少し早目に動き始めました」
「なにをしたんだい?」
「明日からの合宿での食事の中にちょっとずつ身体的変化を起こすための薬を混ぜるんですが今日の分からに前倒しにしました」
「明日の朝には女の子たちは乳首がこすれる感覚から解放されるはずです。逆に男の子は少し敏感になっちゃってよりブラジャーが手放せなくなっちゃいます」
「それは楽しみだね」
「それから説明のたびに混乱を起こされても困るので明日の朝一でとりあえず授業を進めやすくします」
「わかりました。合宿楽しみですね」
「はい」
邪悪な企みが校長室で行われていることなど誰も知らずに夜は更けていった。

翌朝、起きてすぐに着替えを始める。
ネグリジェを脱いで下着だけを付けた姿になる。
水色のチェック模様のパンティーと黒のスポーツタイプっぽい感じのブラジャー。
このブラジャーはナイトブラというものらしい。
普通のブラジャーを着けたままだとあまりよくないらしくこれを着けるように言われていた。
そのナイトブラを脱ごうとしたときに乳首に手が当たった。
「いたっ」
手が擦れた時にピリッとした感じの痛みが走った。
こんなこと今までなかったのに、と乳首を見てみると
(あれこんなに大きかったっけ?それに周りも少し盛り上がっているような……)
優子の乳首は前日摂取した薬の影響で少しだけではあるが大きく、そして今までより敏感になっていた。
(こうして見ていても仕方ないし着替えを続けよう)
その後はテキパキと制服に着替えていく優子。
毎日のように着せられていたせいか戸惑いはなくなっていた。

朝食を済ませ友達4人と合流しながら学校に向かう。
教室には行かずクラスごとに手配されたバスの中に乗り込む。
他のクラスメイトを待っていると隣に座った愛梨沙君がこそこそと耳打ちをしてきた。
「なぁ優子、朝なんかおかしいことなかったか?」
「おかしいことって?」
「その…乳首とかさ…//」
赤面しながら話す愛梨沙君を見て僕も少し恥ずかしい気持ちになりながら答える。
「うん//愛梨沙君も?」
「朝起きてTシャツ脱ぐときに擦れちゃってなんか痛くってさ」
「僕もそんな感じだった」
「俺たちなんかおかしくなってんのかな?」
「どうなんだろ?昨日いろいろあって疲れてるのかなぁって思ってたけど」
「それならいいんだけど」
そんな話をしているとクラス全員揃っていたようで先生も乗り込んで点呼を取り始めた。
0569名無しさん@ピンキー2017/07/27(木) 18:38:53.84ID:EFMOdYag
すみません空けた時間が足らなかったみたいで今日はここまでになります
あと2回ぐらいで合宿編を終えられればいいかなぁと思ってます

しばしお待ちを
0571名無しさん@ピンキー2017/07/28(金) 22:33:17.77ID:9qeG/2H2
乙乙
担任の体育教師も、乳首が敏感になってるのかなと考えると萌える
0572名無しさん@ピンキー2017/07/31(月) 14:09:56.42ID:iRcCK+IG
全員いるのを確認すると保健室の神崎先生が乗り込んできた。
「はーいみんなちゅーもーく」
一斉に声の主に注目するとフラッシュのような強い光がバス内を包み込んだ。
目を開けると何事もなかったように神崎先生が続ける。
「私も合宿についていきますので合宿中も何かあったら私のところにもぜひ相談に来てね」
と言って神崎先生は降りて行った。
「それじゃあ出発するぞ。トイレに行きたいやつはいないなー?」
「はーい!」
返事を聞いてバスが走り出す。

約1時間、今日の予定を聞いたり、カラオケを楽しんだりしながらバスに揺られ目的地に到着した。
市内の学校や部活動の合宿によく使われる青年の家。
宿泊施設と講義室、会議室などが一緒になった施設が3棟に体育館や広大なグラウンドがある。
お風呂は天然の温泉らしく夏休みから秋にかけてはいろいろな団体で争奪戦になるらしい。
幸い毎年この合宿の時はうちの学校が貸切にしているそうなのでこの恥ずかしい恰好を見られずに済む。
バスから降りて愛梨沙君と一緒に3棟のうちの1棟、“女子”棟として割り振られたの方の部屋に入る。
梨咲君とも一緒の部屋ならなお良かったのだが2人部屋なので仕方がない。
梨咲君は昨日のうちに友達を増やしていたらしくその中の1人と一緒らしい。
コミュニケーション能力が高くて羨ましい限りですよ。

荷物を置いて筆箱と合宿のしおりを持って真ん中の建物に向かう。
両端の建物はそれぞれ“男子”棟、“女子”棟で真ん中は全体で行う講義に使うそうだ。
到着からお昼ごはんまでは学力確認のためのテストが行われた。
テストが終わりこれからお昼ごはんというところで男女それぞれの宿泊棟で食事をとるように言われた。
理由はわからなかったが先生の指示に従って食事会場へ行く。
お昼ごはんはバイキングのような形で好きに取れるようになっていた。
セーラー服を着ていても中身は男ばかりなのでやはり肉系の味の濃いものがどんどん無くなって、野菜や魚が中心のおかずはなかなか減らない。
僕も好きなおかずと味噌汁とご飯を取って愛梨沙君と梨咲君のいる席に着く。
「梨咲君すごい量だね」
「おう!せっかく好きに食べれるんだからしっかり食べとかないとな。これから体もどんどん大きくしていくんだし」
「それにしてもすごい食べっぷりだね」
「梨咲はちょっと食べすぎなんだよ。そんなんだとこの後の授業寝ちゃうぞ」
「これぐらいへーきへーき。これでも腹八分ぐらいだし。むしろお前らその量でよく足りるよな。女子かよ」
「普通はこんなもんで十分なんだよ。なぁ優子」
「そうだね。僕もいつもこれぐらいだし」
「そんなんじゃ大きくならねーぞ」
こんなとりとめもない会話をしながらお昼ごはんを食べて午後の授業の時間になった。
0573名無しさん@ピンキー2017/07/31(月) 14:23:42.59ID:iRcCK+IG
今度は各教科の担当から授業の進め方や評価の仕方等の説明を受け、説明が終わると男女別れての講義の時間になった。
男女それぞれの宿泊棟の講義室に集められた。先生たちも男女で別れる。
全員が集められるとすべてのカーテンを閉めるように指示があって外部から見えることがなくなった。
全員が着席すると高橋先生が教壇に立つ。
「それではこれから『女子力講座』を始める!」
突飛なことを言う高橋先生に生徒全員がハテナマークを浮かべる。
「君らは今まで男子として生活していたがこれから3年間女子生徒として生活することは昨日も言ってあるな。
しかし君らには女としての常識は備わってない。そこでこの合宿を通じて女としての生活に困らないように指導をしていく。わかったな」
「はーい」
「よろしい。ちなみに俺らは君らが入学するにあたってこの指導を受けているのでわからないことがあれば何でも質問するように」
「それじゃあ始めるぞ。初回は女性服の着方についてだ。まずは全員制服を脱いで下着姿になろう」
「はい!」

全員が恥ずかしがりながらも制服を脱ぎ色とりどりな下着姿になる。
「よし、全員脱いだな。パッと見た感じブラの着け方を間違えてるのが多いな。お、太田はいい感じだな。ちょっと前に来い」
突然呼び出され教壇の方に行く。
「太田は誰かに習ったりしたのか?」
「はい。制服が届いた日からママがずっと着けときなさいって」
「なるほど。他にお母さんやお姉さんから習って入学前から着けてた人はいるか?」
ちらほらと手が上がる。手を上げた人を先生たちが確認していく。
「うん、問題なさそうだな。それじゃあ君たちは周りの人たちに教えてあげてな」
「それじゃあ太田はいったん外していつものように着けてもらっていいか?みんなちゃんと覚えておくんだぞ」
一度ブラジャーを外していつものように着けようとするがなかなかホックが留まらない。
いくら着け慣れてきたとはいえこれだけ見られながらだとやはり恥ずかしい。
やっとの思いで着け終ると、
「はい、太田ありがとう。恥ずかしいだろうにすまんな。みんな太田に拍手ー!」
みんなから賞賛の拍手を受け少し誇らしくなる。

「じゃあ説明するからみんなもやりながら聞けよ」
「まずストラップを肩にかけて体を前に倒して。
その状態でバストのアンダーの部分にブラの下側を当ててカップの中にバストを入れて、その姿勢のまま後ろでホックを留めよう」
「ホックを留めたら前かがみのまま左手で左のストラップを浮かせて右手で左側のバスト全体を包んで真ん中に寄せながら右肩の方に引き上げよう。
その時にわき腹や背中の肉も一緒に引き上げるとより大きく見せることができるぞ。左側ができたら右側も同じようにやるんだぞー」
「最後に体を起こしてストラップを調整して完成だ。ちゃんとできたかー?」
「せんせーちょっといいですかー?」
1人の生徒が先生を呼ぶ。
「俺うまいことカップの中に肉が入らないんだけど」
「あー、運動とかしてて余分な脂肪がついてない人は少し厳しいかもな」
「今後少しだけ脂肪が付きやすくなるから。そしたらうまいこと胸を作れるようになるからな」
「それまではスポブラなんかを使うといいかもな。必要なら購買部から一式注文できるからそっちを検討してみてな」
「わかりましたー」
「先生もなこの格好始めた当初は同じような感じだったけどこんな感じでちゃんとおっぱい作れるようになったから劣等感とかは持たなくていいぞ」
と言っている先生のおっぱいは谷間こそないがおっぱいがあるとわかるレベルには膨らんでいた。
0574名無しさん@ピンキー2017/07/31(月) 15:01:39.36ID:iRcCK+IG
「ちゃんと着けてみた感じはどうだー?少し変わったやつもいるんじゃないか?」
「ホントホントなんか変わった気がする」
「フィットした気がします」
思い思いに感想を話している中に一段とにぎやかなエリアがあった。
「加藤お前でけぇな!本物の女みたいじゃんw」
「流石太ってるだけあるなww」
「やめてよ、あんまり見ないでよ」
チャラそうな2人が少し太った子を弄っていた。
(あの子加藤君だっけ?同じクラスにはなったことないけど小学校同じだったよな。いじめられてるって噂もあったけど本当だったのかな?)
見かねた先生が声をかける。
「お前らいい加減にしろ。加藤いい感じにできてるぞ。自信を持て」
「はーい」
「ありがとうございます」
悪びれる様子もなくそっぽを向く二人と恥ずかしがりつつも褒められてうれしそうな加藤。
全体が落ち着くのを見て高橋先生が話を再開する。

「ちゃんと着けてないと肩こりや頭痛の原因になったりするから気を付けるんだぞ」
「それからサイズが合わないものを着けるのも発育上よくないからサイズが変わった場合は必ず保健室で測定をして新しいものを注文すること」
「新しいものはデザイナーさんのご厚意で無料で提供されるから恥ずかしがらずに言うように」
「最終日にはちゃんと着けれてるかチェックするからスムーズに着けられるように練習しておくんだぞ。いいなー?」
「はーい!」
全員が声をそろえて返事をする様子に高橋先生は満足したようだ。
「よし!それじゃあ次は下着の種類について説明するぞ」
その後は様々な種類の下着を写真付きで着方やどういうときに使うのかの説明を受けて夕飯の時間になった。
夕飯もお昼ごはんの時と同じように肉系のおかずばっかりが無くなっていた。
夕飯後は女湯と書かれた赤い暖簾をくぐって風呂に入る。
部屋に置かれていたスポンジで体を洗っていて胸のあたりに触れた時に朝感じたような痛みがあった。
痛みの正体がわからないのでそのあとはできるだけ触らないようにして体を洗い終えた。
せっかくの天然温泉だからということで入浴時間が長めにとられていたので心置きなく温まることができた。
風呂から上がって体を拭いていると気になることがあった。
「ねえ、愛梨沙君、なんか肌がすべすべしてない?」
「あぁ。まぁ温泉から上がったばっかだしこんなもんだろ」
ふーん、と思いながら指定された体操服に着替える。
(初めてブルマ履いたけどなんかこれパンツ穿いてるだけなのと変わらないような……)
恥ずかしかったが少しゆっくりしすぎたせいで集合時間ぎりぎりになってしまったので気にしないようにして体育館に急いだ。
0575名無しさん@ピンキー2017/07/31(月) 15:18:37.46ID:iRcCK+IG
時間ぎりぎりに体育館に入るとほぼ全員集合していたようでばっと入口の方をみんなが振り返る。
ほぼむき出しになった足を見られているような気がしてとても恥ずかしかった。
視線に耐えつつ列に並ぶと前にいた高橋先生が話を始めた。
前に並んだ先生たちも皆僕たちと同じブルマ姿だった。
「全員揃ったな。それじゃあ今から風呂上がりのストレッチを始めるんだけど、その前に全員後ろを向いてほしい」
「あぁやっぱりな。はい前むいてー。ブルマを履くときの注意点を教えるぞ」
「ブルマは面積が小さいので動いた拍子なんかに食い込んでパンティーがはみ出したりすることがある。だからこまめに確認する必要があるんだ」
「確認してはみ出してたら裾を引っ張って必ず見えないようにすること。パンティーが見えてるのは恥ずかしいしはしたないからな」
自分のを見てみるとブルマの端から水玉模様が見えている。
慌てて戻して前を向く。
「直したなー?そしたら本題に入るぞ」
「君らには女としての柔軟さが備わってないのがほとんどだと思う。たとえばこういうのできるか?」
そう言うと高橋先生がぺたんと地べたに座った。女の子座り、とんび座りと言われる座り方だ。
チャレンジしてみるが股関節が痛くて途中で止まってしまう。
中には元々柔らかいのかできている子もいるがそれも片手で数えられるぐらいだ。
「この座り方は骨格の違いなどから男だとできない者がほとんどだ。もちろん体が柔らかくてできる人もいるが」
「ただ、ストレッチをして股関節周りを柔らかくすることで君らもできるようになる。この合宿中にマスターしてもらうからそのつもりで」
その後股関節周辺を中心にストレッチを入念に行った。
「ストレッチの仕方はわかったか?これから合宿中は毎日入浴後にストレッチをするように」
「それじゃあ今日はこれで終わりだ。体操服はこの後各フロアにある洗濯機のそばの籠に入れておいてくれ。明日の夕方には洗濯して部屋に戻しておく」
「部屋の中での服装は自由だ。各自持ってきたパジャマでもいいし備え付けの浴衣でも構わない」
「明日は朝8時から朝食だから夜更かしして遅れないように。遅れた場合はペナルティがあるから気をつけろよ。それじゃあおやすみ!」
「おやすみなさーい!」

愛梨沙君とともに部屋に戻って着替えを始める。
「優子着替えどうする?」
「うーん、せっかくだから浴衣にしようかな?」
「俺もそうしようかな」
クローゼットから糊がついてパリッとした浴衣を取り出す。女性物を表してるのか赤い浴衣だった。
体操服を脱いでナイトブラとパンティーのみを着た上から浴衣を羽織る。
「いたっ」
悲鳴を上げた愛梨沙君の方を見ると上半身裸に浴衣を着ようとしていて胸のあたりを押さえていた。
「愛梨沙君どうしたの?」
「いや浴衣が乳首に引っかかった時になんか痛くてさ」
「そういえば朝も言ってたね。ブラつけた方がいいんじゃない?」
「でも寝る時までブラジャー着けたくないし」
「それじゃあTシャツ着てその上から浴衣を着たら?」
「そうする。てか優子のそれなに?」
僕の胸元を指して質問してきた。
「これはナイトブラっていうんだって。ママから夜寝る時に着けときなさいって言われて」
「ふーんそんなのもあるんだ。今度調べてみよ」
着替えを済ませ布団に入ると2人ともすぐに眠りについた。
0576名無しさん@ピンキー2017/07/31(月) 15:23:21.31ID:iRcCK+IG
短めですがとりあえず今回はここまで
合宿の男子パート1日目でようやくそれっぽくなってきたんじゃないかと思います

次は女子パートですがこの先ほとんどストックがないので書きあがり次第次を持ってきます

思ったより合宿編に時間がかかりそうですが途中で投げ出したりはしないので気長に待ってもらえればと思います
0578名無しさん@ピンキー2017/08/03(木) 09:45:57.83ID:LLtPxhyu
期待
0579名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:02:21.03ID:0m8Ad9HR
しばらくの間、投稿いたします。
全14レス分の作品ですが、最後までお付き合いください。
すべて投稿したあとは、pixivの方にも投稿したいと思います

【その1】
《5年前》
「あれ? これもまた男の人からだ……。それもおじさんばかり」
最初にこの異変を発見したのは、
女子中高生向けファッション誌『ステラ』の新人女性編集者・水無月あかりだった。
貴重な読者の声であるアンケートはがきの集計をしていたのだが、
数か月前から本来の層とは異なる読者から送られてくるものが
増えているということに気がついたのだ。
しかも、どのはがきも「ただ出している」ものではなく、
しっかりとアンケートに答えている。
なかには、特集したファッションブランドへの熱い情熱やモデルへのあこがれなど、
メッセージ欄に達筆な文字でつづられているものまであった。


「いたずらにしては手が込み過ぎてるけど……ホント、なんなんだろ?」
この段階では、水無月女史は「いたずら」と考え、
男性から送られてきたすべてのアンケートを集計に入れないという判断をした。
この時点ではきわめて常識的な、正しい判断ではあった。
しかし、この『異変』は、のちに日本を大きく変える変革の
最初のステップだったということは、神ならぬ彼女には知るよしもなかった。
0580名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:02:59.34ID:0m8Ad9HR
【その2】
《4年半前》
「課長、そのペンケースって『ニコラ・サルバトーレ』のヤツですよね?」
OL・沢口優子がその異変に気づいたのは、
女性編集者がそれを“見落とした”日から半年ほど経過した日だった。
課長のデスクの上に乗っていた、塩化ビニール製のペンケース。
なんの他愛もない普通のペンケースなのだが、そのデザインが特殊だった。
キラキラとメタリックの星が輝くクリアブルーの塩ビ地に、
ハートを意匠化したブランドロゴが大きくあしらわれたそれは、
彼女が愛用しているブランドの――
いや、かつて女子中高生の頃に愛用していたブランドが出しているペンケースだった。
「ああ、これか。実はな、これは娘とおそろいなんだ」
生真面目を絵に描いたような課長は、
その相貌を崩しながら嬉しそうに語り始めた。
なんでも、娘さんが「パパとおそろいのものを使いたいから」と、
誕生日にこのペンケースをはじめとした
ステーショナリーセットをプレゼントしてくれたのだという。
よく見ると、ペンケース以外にも、メモ帳や下敷き、定規なども
同じロゴが入ったブランド製品で統一されていた。
「でも、これって女子中高生が使うようなブランドですよ?」
「いやぁ、最初はそう言って断ったんだけどな。
 せっかく娘がくれたんだし……って使ってたら、段々愛着が沸いてきてな。
 今では自分で買ってるぐらいだよ」
そう言うと、課長は鞄から黒い撥水加工生地のトラベルポーチを取り出した。
もちろん、これもペンケースと同じ『ニコラ・サルバトーレ』のもので、
中にはカラフルな歯ブラシセットや
折りたたみブラシ、ハンドタオルなどが入っていた。
「……こんなに? すっかりハマってますね」
「いまや、娘より俺の方がこのブランドの製品を買ってるよ」
ハハハ……と笑う課長に飽きれながら、沢口は仕事に戻っていった。
しかし、彼女は見落としていた。
歯ブラシの脇にあった筒状の物体が、
塗ると唇がナチュラルピンクに色づく保湿リップスティックだったということを。
0581名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:03:21.34ID:0m8Ad9HR
【その3】
《4年前》
 沢口優子が次の異変に気がついたのは、大型連休明け最初の出勤日だった。
男性社員が多いため、むさくるしく男臭いはずのオフィスに足を踏み入れた瞬間、
どこからかふわりと華やかで甘い香りが漂ってきたのだ。
かつてギャルだったという2歳下の後輩・高木が
またキツい香水でもつけてきたのかと思い室内を見渡すと、後輩の姿は見えない。
「おはよ〜ございま〜す」
 不思議に思っていた沢口の背後から、なんとも気の抜けた声で高木が入ってきた。
高木の姿はOLに支給されている制服ではなくレディーススーツを着ており、
今出勤してきたばかりだということが見てとれた。
「では、この香りの正体は?」と優子が訝しがっていると、
明け透けなく何でも言葉にする高木が彼女の代わりに疑問を口にしてくれた。
「ねぇ、なに今日のオフィス。
なんかすげーいい匂いするんですけど」
「ああ、これはな。
坂本が買ってきた新しい香水をみんなで試してたんだ」
そういう課長の机の上には、ハートの形をしたピンク色の小瓶が置いてあった。
「うわ、『エンジェルスイート』じゃん! ワタシも高校生のとき使ってた!
 ちょっと使わせてもらっていーですか?」
思い出の品を目の前にして、はしゃぐ高木。
どこか甘い、清楚感のあるフローラルブーケの香りがする女子高生に人気の香水を、
OLと男性社員がうれしそうに使っている。
その異常な光景に頭がくらくらしてきた優子は、思わずストレートに疑問を投げかけた。
0582名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:03:50.60ID:0m8Ad9HR
【その4】
「これ、高校生の女の子が使う香水ですよね?
 課長とかが使うものじゃないと思うんですけど……」
「あー、センパイ知らないんだぁ。
これが『JKオヤジ』ですよ、『JKオヤジ』!」
いつも優子に仕事のことで事細かく注意されている高木が、
最新の流行を知らない先輩に対してここぞとばかりに上から目線で語り始めた。
「今はですね、オジサンが自分の娘とコスメを共有する時代なんですよ?
 父と娘が、いっしょにかわいくなっていく。
そんなのも知らないなんて、先輩遅れてますよ?」
流行の最先端を進んでいることを辞任している高木は、
これでもかというドヤ顔で優子を見る。
しかし、優子はいまだ信じられなかった。
「そうそう。
最近はどこのメーカーのファンデがいいとか、
リップの新色がかわいいとか、
そういう話題で娘と会話が弾むようになったんだよな」
「あー、俺にメイクの仕方とか教わるようになって、会話が増えたわ」
「へー。娘さんがいると、そういう利点があるんですかぁ。
 俺はまだ結婚してないから、全部独学で覚えないといけないんですよ」
会社の『JKオヤジ』たちは、メイクによって娘との交流が増えたことを喜んでいた。
母と娘ならまだしも、父親と娘がコスメを共有しているという事実に、
優子は表現しようのない恐怖にとらわれた。
娘との話題作りだからといっても、いくらなんでも無理がある。
「なんか……時代は変わったのね」
ファンデーションで肌理を整え、カラーリップで唇を彩り、
ピカピカに磨いてピンク色に輝く爪を誇らしそうに見せる
甘く爽やかな香りのするオジサンたちがはしゃぐ様子を見ながら、
アラサーの域に片足を突っ込み始めた優子は、
自分が「古い世代」になったということを実感した。
0583名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:04:51.65ID:0m8Ad9HR
【その5】
《3年前》
「あ、またこれも“親子コーデ”だ……」
 読者たちから送られてくるコーディネートスナップをチェックしていた
『ステラ』の女性編集者・水無月あかりは、
最近送られてくる写真に“ある共通点”を持つものが多いということに気がついた。
二重になったフリルがかわいらしいオフショルダーのチュニックに
ショートパンツをあわせた夏らしくかわいらしいコーディネート。
薄いブルーのギンガムチェックがまぶしいオフショルダーのカットソーと、
おそろいの生地で作られたミニスカートのセットアップは
避暑地のバカンスといった爽やかさを感じる。
ブランドロゴが入ったロング丈のTシャツ風チュニックは、
ワンピースとして着こなしていた。
どれもこれもよく考えられた、女子中高生らしいかわいいコーディネートだが、
スナップに写っているのは女の子だけではなかった。
どの写真にも、かわいらしい格好をした女子中高生の横には、
同じ格好をした大人がポーズをつけて写っていた。
一時期流行った“親子コーデ”なのだが、
昔と異なるのは同じ服を着ている2人は母と娘ではないということだった。
そう、娘とまったく同じ格好をして笑顔を見せている大人は、
彼女らの父親だったのだ。
「ここまで流行ってるとなると、うちでも1回ぐらい特集組まないとダメかなぁ」
そうつぶやきながら、水無月は他社が刊行しているファッション誌を手に取って眺めた。
そこには、特集としてその雑誌が推しているギャル系ファッションブランドに身を包み、
2人でポーズをつけている父娘が何人も写っていた。
今、女子中高生の間では、自分の父親とおそろいの格好をする
“親子コーデ”が流行していた。
0584名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 05:37:09.72ID:fQo6zjJ8
規制がかかってしまいました。
変なところで切れてしまいましたが、
また明日、続きを投稿したいと思います
0585名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 06:55:48.06ID:0m8Ad9HR
その6】
このコーディネートにおいて背広やスラックスといった“オヤジ臭い格好”はNGで、
父親に女の子向けの服を着せてかわいらしくできるか……
というのが最大のポイントであった。
一昨年から去年にかけて流行し、もはや“社会の常識”となった
『JKオヤジ』の延長線上にあるものなのだが、
女装趣味がある訳でもない社会的立場もある成人男性が、
娘とおそろいの服を着て、同じメイクをして、
人によってはウィッグを使ってそっくりのヘアスタイルにしてまで、
娘の流行につきあうものだろうか。
もしかしたら、これは社会現象を超えた“なにか”になる可能性もある。
直感でそう思った水無月は、今作っている来月号の台割を慌てて変更し、
“親子コーデ”を中心にした新たなファッションムーブメントの特集を
企画することに決めた。
「まず、何から手をつけるかな……?」
 頭を悩ませること約1時間。
彼女はレイアウト用紙に赤ペンで太文字を書き始めた。



親子コーデ! パパとワタシの夏ハデファッション!


自分で考えたキャッチコピーを見て満足そうに微笑むと、
水無月はモデル事務所に今回の企画にぴったりフィットしそうな
男性モデルのピックアップをしてもらうよう、緊急メールを送信した。
0586名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 06:57:37.15ID:0m8Ad9HR
【その7】
《2年前》
「課長たち、いったいなにを見てるんです?」
中堅商社に勤めるOL・沢口優子は、昼休みに男性社員が集まって
一冊の本を中心になにやら話し合っていることを不思議に思い、つい声をかけた。
彼らが見ていた本を覗きこむと、そこには白い清楚なセーラー服や、
裾に縁取りがしてある上品なブレザーとチェックのスカート、
スタンダードなジャンパースカートなど、さまざまな制服が掲載されていた。
「いや、わが社でもいよいよ“制服”を導入しようかっていう話になっててな。
 そこでカタログを見ながら候補を何点か選んでいたんだよ」
課長がニコニコしながらカタログを指差した。
どうやら、社員にここに掲載されているような制服を
導入しようと話しあっているようだ。
「はぁ、そうですか……」
優子は「わが社にもとうとうこの流れがやってきたか」と思い、大きなため息をついた。
ここ2年ほど、中学や高校の女子制服は廃止されるか、
あるいは男子と同じシャツとスラックスに統一する動きが活発な一方、
一般的な会社で制服を導入するムーブメントが巻き起こっていた。
制服を着るのはあくまで男性社員のみで、
その制服はかつて女子高や女子中学で実際に導入されていたものを正式に譲渡導入したり、
あるいは似たデザインのものを採用するというのが基本となっていた。
もちろん、資金に余裕がある会社はオリジナルデザインの制服を採用するなど、
今や制服は“企業力”を測る一種のバロメーターと化していた。
0587名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 06:59:43.70ID:0m8Ad9HR
【その8】
「やはり、セーラー服は外せないよなぁ」
「いやいや、今の時代ブレザーの方が絶対かわいいですって」
「こういう古臭いジャンパースカートの方が、逆にかわいらしさを作れるんですよ」
「セーラー服にする場合、紺にするんですか? それとも白にするんですか?」
「……別に流行を追うのは悪くないけど、これはちょっと行きすぎよね」
いい年をした大人の男が、自分が着る制服のデザインに一喜一憂する。
その様子を飽きれた表情で見つめながら、沢口はもう一回大きなため息をついた。
今や、成人男性がスカートを履いたりメイクをするのは流行の域を通り過ぎて、
もはや当たり前の時代になったのだ。
オジサンたちが選ぶファッションは、清楚系やポップ系、
カジュアル、ギャル系などスタイルに差異はあれども、
かつて女子中高生が着ていたような服を身にまとい、
彼女らのようなメイクをし、
そして彼女たちがそうであるように、かわいい小物を好むようになっていた。
「悪いことばかりじゃないとはわかってるんだけど……うーん」
最近、リップを塗ったりスカートを履いたりと
『JKオヤジ』化しつつある自分の婚約者のことを思い出しながら、
優子はこのムーブメントについて考えた。
確かに『JKオヤジ』が流行りだしてから、
夏でも電車やオフィスが汗臭くならず、痴漢も激減したという。
「でも、むさくるしいオッサンよりもカワイイ方が全然よくありません?」
頭を抱える優子に、後輩の高木が声をかけてきた。
彼女の言うとおり、むさくるしいオッサンと顔を突き合わせて過ごすよりも、
かわいらしいオジサンの方が精神衛生上好ましいのは間違いない。
もはや行きつくところまで来た感のある『JKオヤジ』ムーブメントを
受け入れるかのように、優子は自分のために淹れた緑茶を飲み干すのだった。
0588名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 07:02:00.99ID:0m8Ad9HR
【その9】
《1年前》
「今の流行はこういう感じになってきたのかぁ」
 読者から山のように送られてくるスナップを流すように眺めながら、
ファッション雑誌『ステラ』の敏腕女性編集者・水無月あかりは
感心するかのように頷いた。
送られてくる写真は数年前のように父と娘が一緒に写っているものが多いのだが、
かつてとは決定的に違う部分があった。

襟元がフリルになった淡いブルーのオフショルダーワンピースに、
サッシュベルトをあわせたお嬢様っぽいスタイル。
デニムのロング丈サロペットスカートにボーダーのシャツを合わせ、
上からカーディガンを羽織ったポップなコーディネート。
ノースリーブのパーカーに、
ブランドロゴが入った巻きスカート風プリーツスカートといった
健康的なファッションなどなどなど……。
かわいらしい服を着て笑顔でポーズをつける人物の横には、
必ずカチッとした髪型に調え、
しわひとつない手入れの行き届いたスーツを着た人が立っていた。
そう、どのスナップも、父親と娘が
それぞれお気に入りのコーディネートで決めたものばかりなのだ。
ありふれた、他愛のない写真。
しかし、2年前とは決定的に違うところがあった。
0589名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 07:04:30.49ID:0m8Ad9HR
【その10】
「……まさか、こんなことになっちゃうとはなぁ。
この展開は予想できなかったわ」
流行の変遷を見抜けなかったことを自嘲的に笑いながら、
将来の編集長候補と謳われるやり手の編集者はコーヒーを口に含んだ。
着ているものだけなら何の変哲もない「普通の父娘」の写真だが、
かわいらしい格好をしている方が父親、そしてスーツを着ているのが娘なのだ。
『JKオヤジ』のコンセプトはさらに発展し、
女の子の間では“自分の父親のかわいらしさをいかにして引きたてるか”が勝負になっていた。
そのため、スカートやメイクなどをするのは、あくまで父親の方だけ。
自分たちは数年前までその父親が着ていたようなスーツを身にまとい、
髪の毛も短く整えるというのが基本スタイルとなっていた。
0590名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 07:07:33.35ID:0m8Ad9HR
【その11】
「読者はほとんどがおじさんになってきたし、そろそろ路線変更か別の雑誌を立ち上げないとなぁ」
今や、かわいらしく装うのは成人男性の特権となり、
女の子はそれを引きたてるため努力を重ねるというのが世の中の主流となってしまった。
以前は女子中高生を中心に支持を集めていた『ステラ』もその流れには逆らえず、
読者アンケートの結果だけでなくPOSシステムの購入者層データまでもが
30代後半から50代前半の男性が中心であることを示し、
女子中高生は公式サイトで展開しているスナップ募集コーナーから写真を投稿しているに過ぎなかった。
「いっそ、完全にオジサン向けにリニューアルしちゃうか」
リニューアルと言っても、キャッチコピーが
“女子中高生No1ファッション誌”から“40代男性No1ファッション誌”に変わったり、
慣例的に起用していた女子中高生モデルを全面的に廃止して、
読者層にあわせた男性モデルにするするだけのこと。
扱うファッションやブランド、特集などの誌面構成に大きな変更はない。
「よし! 善は急げ、だ。
まずはモデルを選ばないと」
『ステラ』の売りは、誌面に掲載されるモデルがすべて読者だということ。
彼女は送られてきたスナップから、
飛び抜けてかわいらしい、誌面映えのするおじさんの選別を始めた。
0591名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 07:10:05.40ID:0m8Ad9HR
【その12】
《現在》
ファッション誌『ステラ』の副編集長・水無月あかりは、
繁華街の道路に面した喫茶店にいた。
考えがうまくまとまらないときや、特集のアイデアが浮かばないときなどは、
こうしてガラスの向こう側を行きかう人々を眺めながらコーヒーを飲んでいると、
急にひらめくことがあるのだ。
胸にワッペンのついた白いセーラー服の裾をひるがえしながら、慌てて走る人影。
誰かを待っているのか、スマホをいじりながら時折通りの人波を見つめる
金色のロゴプリントがされた黒いパーカーに超ミニ丈のショートパンツをあわせた
セクシーな装いをした人物。
なにやら話しあいながら歩いていく真面目そうな背広姿の2人組。
濃紺のバッスルスカートのワンピースを身にまとったクラシックロリィタ趣味の人。
腕時計を確認しながら、駅の方に走っていくスーツ姿……。
彼女の目の前を、さまざまな服を着た人々が通り過ぎていく。
「世の中の常識なんて、5年もあれば変わっちゃうんだなぁ……」
すっかり温くなったコーヒーを口に含みながら、彼女は心の中でつぶやいた。
かつて、背広は男性が着るもの、女子中高生はかわいらしい格好をするものと相場が決まっていた。
が、この5年でその“常識”は大きく崩壊し、
ファッション界にはパラダイムシフトともいうべき大変革が起きていた。
0593名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 09:20:07.33ID:ge31C4T1
男女の逆転というよりは
中高年男子と中高生女子の逆転か
ちょっと変化球やな
0594名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 13:45:42.87ID:rkn+HoTq
素晴らしいです。
会社に制服の導入のあたり、もっと読みたいですね。
業種や役職による違いなど。

一点気になったのは娘が父親を飾り立てるのなら、
ステラの読者は引き続き女子中高生なのではないかという点です。
0595名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:00:28.96ID:0m8Ad9HR
【その13】
大変革の結果、髪を伸ばし、スカートを履き、メイクをして、
かわいくなるための努力をするのは成人男性の方であり、
セーラー服やブレザーといった制服は会社に勤める男性の基本的な服装となっていた。
一方、女子中高生は髪を短く整え、糊の効いたワイシャツを身にまとい、
スラックスを履き、ジャケットを着るのが主流となり、
どこまでかっちりした服装にできるかというのがファッションの関心事だった。
言うまでもなく、先ほど通り過ぎていたセーラー服やギャルファッション、
クラロリを着ていた人物は全員が成人男性であり、
逆に背広を着ていたのは誰もが女子中高生だったのだ。
今や、女子中高生がスカートを履いたりメイクをしたりするのは“おじさんっぽくてダサい”行為であり、
成人男性がスーツを着るのは“似合わない女装をしている”という扱いになっていた。
その社会意識の変化によって、5年前はかわいいものが大好きな女子中高生向けだった『ステラ』も、
今では完全に中高年男性向けのファッション誌へとリニューアルされていた。
もはや、誌面のどこにも女子中高生の姿はなく、
おじさんたちが自分たちの体型に合わせて縫製された
“かつて女子中高生があこがれたブランドの服”を身にまとって笑顔をふりまいている。
学校生活や恋の悩みが中心だったファッション以外の特集も、
ポップでかわいらしい誌面デザインはそのままに、
「血圧が高いとき、どうしてる?」や
「部署別! 制服着こなしアドバイス!」
「妻と行きたい! 最新スポットベスト10」など、
中高年男性に役立つ内容ばかりとなっていた。
0596名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:03:09.44ID:0m8Ad9HR
【その14】
そして、消費の中心である成人男性と流行の発信地である
女子中高生に大きな変革があった結果、ほかの年代にも変化が生じていた。
多感でファッションセンスが培われる中高生という時期を背広で過ごしていた結果、
女子大生やOLになってもかつて“女性らしい”といわれた格好はせず、
従来は男性が着ていた服を身にまとっていた。
だが、スーツは“女子中高生が着る若い女の子向けの服”というのが浸透したため、
女子大生ならかつて男子大学生が着ていたような服といったように、
年代によって選ぶ服に違いが生じていた。
そして、背伸びしたいお年頃の女子小学生も当然のように背広を選ぶようになり、
お姫様に憧れる年ごろだったはずの女児も、
今ではお姫様よりも王子の真似をするようになっていた。
0597名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:06:50.25ID:0m8Ad9HR
【その15】
当然、女性が変化すれば、男性ファッションも変化をしていく。
かつておしゃれな女子大生がしていたようなファッションは
男子中高生のスタンダードなスタイルとなりつつあり、
男子大学生から30代にかけての社会人男性は、
パステルカラーをふんだんに使った“かつて女児服と言われていたもの”を着るのが
“女性にモテるファッション”になっていた。
もちろん、どれも男性の体型にあわせて型紙から作り直されたうえでサイズ展開をしているため、
袖が通らないということも発生しない。
もちろん、成人式や結婚式といった式典にも変革の波が訪れていた。
記念ということで振袖で着飾る女性はまだまだいるものの、
ある統計では今年の成人式で振袖を着た新成人の約7割が男性だったという。
来年にはもっとその割合が増えていき、
数年後には振袖を着るのは男性だけということになっているだろう。
結婚式も、若い女性の間に「女性がスカートを履くなんてかっこわるい」という認識が広がった結果、
20代では純白のウェディングドレスで華燭の典を祝うのは
男性の役目とした新婚カップルが増加しているという。
0598名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:13:23.60ID:0m8Ad9HR
【その16】
「……今日はあまりいいアイデア思いつかないなぁ」
数年前とはファッションが大きく違ってしまっている現代において、
ファッション誌は単なるカタログではなく、
それぞれの年代が着るべき服装の指針ともいうべき重大な役割を担っていた。
どの服を大きく扱うか、どんなコーディネートを提示するかなど、
伝えることが多すぎて、ここ数カ月の水無月あかりは
編集会議直前になると企画を絞り出すために毎日唸り続けていた。
「お、今日も考えてんな? 結構結構」
ふいに渋い大人の男性の声がして、資料ファイル代わりのタブレットから視線を上げると、
そこには女子中高生向けファッション誌『Dan−DEE』の編集長である高柳がいた。
紺色のブレザーが印象的なプリーツスカートの制服を着ている彼は、
手首にシュシュを巻いたり、スカートの裾をベルト部分で折りたたんで本来の丈よりもミニにしたりなど、
かつての女子高生と同じか、それ以上に制服を着こなしていた。
メイクもきっちりしているもののナチュラルな印象を受けるかわいらしいもので、
その指にはサロンで整えてきたのかラインストーンでデコレーションされた
ジェルネイルがキラキラと輝いていた。
0599名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:18:24.49ID:0m8Ad9HR
【その17】
「笑い事じゃないですよ、高柳さん。
 それに、もう『ステラ』はおじさん向けの雑誌なんですよ?
 いい加減、そっちの部署に移動させてくださいよ」
少し前まで一緒に作業をしていた同僚の女性編集者たちは、
ほとんどが女子中高生向けに生まれ変わった『Dan−DEE』に部署移動しており、
水無月は『ステラ』に残る最後にして唯一の女性編集者となっていた。
「とは言ってもな、水無月。
 さすがにまだおじさんだけでは、かつての女子中高生が支持した
“かわいいファッション誌”は作れないんだよ。そこのところ、理解してくれ」
そう、水無月は肩書きこそヒラの編集者だが、誌面構成の現場責任者として
『ステラ』がどうやったらポップでキュートでかわいい雑誌になるか日夜努力をしていた。
「これ以上なにをしたらわからないんですよ。
 そりゃ高柳さんはいいですよ。“つけひげ”なんていう大ヒットを当てたんですから」
今、女子中高生を中心に大ヒットしている、何度でも付け外しが可能で、
つけたままでも顔を洗ったりできるつけひげの仕掛け人は、この高柳だった。
街を行くスーツを着た女子中高生の半分以上はつけひげをつけており、
かつてのつけまつげのように“放課後の必須アイテム”となっていた。
0600名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:21:42.54ID:0m8Ad9HR
【その18】
「発想を変えてみるんだ。今のおじさんになにが受けるか……より、
“女子中高生がかわいくなるためになにが必要か”と考えるんだ。
 そうすりゃ、きっと今の『ステラ』にぴったりな企画が思いつくだろうさ。
 なんなら、昔の『ステラ』を見返して、その企画を練り直したっていい」
「そうか! それでいいんだ! ありがとうございます、高柳さん!」
水無月は、体中に電流が走るような衝撃を受けた。
青い鳥の寓話ではないが、企画の鉱脈は身近なところにあったのだ。
まずは、過去のバックナンバーとアンケート結果を読み返し、
人気が高かった企画を現代にマッチしたものに作り変えればいい。
そう考えたら、彼女は急に気分が気分が楽になった。
「それでは、私は編集部に戻りますね!」
失礼しますと頭を下げつつ、水無月はタブレットをひっつかむように駆けだしていった。
「あいつも、いい編集者になったじゃないか」
店を出ていく水無月の姿を見ながら、満足そうに微笑む高柳。
そんな彼女のファッションは、サッカー日本代表のレプリカユニフォームに、
太腿の半ばから下が露出したハーフパンツ。
そしてベリーショートの域を超え、五厘刈りにしたヘアスタイル……。
もちろん、化粧はリップクリームのひとつもしていない。
そう、彼女はファッション誌の編集者らしく、
20代後半から30代前半の女性に流行の兆しを見せている最新スタイル、
いわゆる“DSファッション”を完璧に着こなしていた。
0601名無しさん@ピンキー2017/08/06(日) 18:25:35.26ID:0m8Ad9HR
以上となります。
変則的な男女逆転でスレ趣旨に合うかどうか微妙なラインのもので、
長々とスレを占拠しまして申し訳ありませんでした。
近日中に、まとまったものをpixivにも上げたいと思います。


>>593
ちょっと変化球すぎましたが、一度やってみたかったネタでした。


>>594
業種や役職による違いとかもやってみたかったですが、
今回は「導入会議」のみで終わらせてしまいました。
いずれ、別の形でこれも補完したいです。
0602名無しさん@ピンキー2017/08/07(月) 00:03:57.13ID:23La6gkf
新作乙です
相変わらず最高にいいです

補完されたものが来るのを楽しみに待ってます
0603名無しさん@ピンキー2017/08/07(月) 00:21:55.59ID:Ph/vpkFW
すごくいいです!
個人でなく集団(概念)がひっくり返るのもいいですね
0604名無しさん@ピンキー2017/08/07(月) 05:18:12.37ID:dS5EnfWY
乙!凄い良かったです
個人的には女性メインが好きなので、オッサン化する女子高生や男子小学生化する成人女性の様子もじっくり見たかったかも
0605名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 03:44:03.16ID:q/pcBkGP
pixivに「衣替え」というタイトルでアップしました。
この書きこみのあと、内容を補完する「追記」を投下いたします。
連番は>>600からの続きとなる【その19】からはじまります。

今後、思いついたら、このような形で「追記」をしていきたいと思います。


>>602
ちょっと別の形になりましたが、追記を書いてみました。


>>603
すべてが逆転するより、なにか1点が大きく入れ替わるのが好みなんです。
いずれ、なにか別の「あべこべ世界」を書いてみたいところです。

>>604
もともとが女装がスタートなので、今回も男性メインになってしまいました。

「追記」になるか、あるいは別のものになるかわかりませんが、
オッサン化する女子高生は、いずれ書いてみたい題材です。
0606名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 03:48:50.69ID:q/pcBkGP
【その19】
《1年半前:女子高》
「それでは賛成多数につき、校則の変更を決定いたしました!
 それにより、我が校における制服は廃止といたします!
 また、来月頭からの衣替えから私服通学とし、その際、現行制服の着用は不許可とします!」
檀上に立つ生徒会長が高らかに宣言すると、
講堂にひしめく生徒たちが歓声を上げながら自分たちが勝ち取った権利を讃えあっていた。
都内でも有数の女子高であり、伝統と格式を重んじる純正女子高等学校にも、
近年中学や高校で急速に進んでいる“女子制服の廃止”の波が押し寄せてきた。
生徒のみならず、教師や保護者、理事会、同窓会まで巻き込んだ大論争は、
最終的に緊急生徒総会による生徒の意志にゆだねられることに決定した。
そして、急生徒総会による投票の結果、全校生徒約400人のうち、
反対票わずか3票という圧倒的支持によって制服の廃止が決定したのだ。
制服の廃止。そして着用の禁止。
明治から続く伝統を誇り、何度もデザイン変更がなされながらも、
その時代時代の女子中高生の憧れであった純正女子の制服は、
ついに終焉の刻を迎えることとなった。
隅でその様子を眺める教師たちは、生徒たちの自主性を重んじながらも、
この決定を苦々しく思っていた。
0607名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 03:52:12.05ID:q/pcBkGP
【その20】
「我が純正女子も、ついに時代の流れに飲み込まれてしまったんですね」
「生徒たちが自ら導き出した結論ですし、尊重しないといけないというのはわかっているんですが……
 やはりとても歓迎できることではないですね」
「これで、我が校も、ほかの学校と同じようにスラックス登校が増えるんでしょうか」
「でしょうね。嘆かわしい限りです。
 なんで純正乙女が、わざわざおじさんの真似をしなくてはいけないのでしょうか」
教頭をはじめとしたベテラン教師は、失望の色を隠せなかった。
無理もない。彼女らもまた、ほとんどがこの純正女子高の卒業生なのだ。
卒業した時代によって制服のデザインに違いはあるものの、
伝統ともいえる“紺色のセーラー服”が自分たちの前から消え去る。
それは、自らの“純正女子としての誇り”が崩壊するかのような、つらく厳しい現実であった。
「それで、この制服も、よその学校みたいに“権利譲渡”されるのでしょうか?」
「恐らくは。それによって、我が校に相当な寄付金が振り込まれるということですが」
制服の“権利譲渡”。これは“女子制服の廃止”とセットで行われることが多い行為で、
廃止にした制服のデザインや使用などを“譲渡”することにより、
譲渡先から多額の寄付を受けるというものだ。
制服の使用・着用権が譲渡される先は中堅以上の企業が多く、
有名女子高の制服ともなれば大手商社がその権利を得るために入札競争をするのだ。。
もちろん、権利譲渡された制服は、その企業の社員が日々の通勤や仕事中に着用するということになっている。
「なんとおぞましい……。伝統ある純正女子の制服が、サラリーマンの労働服になるなんて……」
伝統と格式ある紺色のセーラー服を、どこの馬の骨とも知れぬ中年の男たちが着て街を闊歩する。
その様子を想像し、教頭は卒倒しかけた。
「凄い世の中になりましたね」
「この狂った状況は、どこまで進むのでしょうか?」
 中年男がかわいく装い、女子中高生はスーツを着こなすのが一般的になりつつある世の中を嘆く女性教師たち。
そんな彼女らも、数年後には自分たちの服装が
今のようなレディーススーツではなくなっているとは夢にも思っていなかった。
0608名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 03:56:52.05ID:q/pcBkGP
【その21】
《1年半前:一般家庭》
「パパ〜。ちょっとスーツ貸して〜」
 純正女子高に通う中川七海は、明日からはじまる私服通学に着ていくスーツを借りようと、父親の部屋を訪れた。
大手企業の課長である彼女の父は、その地位に見合うだけの仕立てのよいスーツを何着も持っており、
そのスーツを着ればクラスメイトに差をつけられると考えたからだ。
「おお七海か。スーツならどれを選んでもいいぞ。
 明日から、スーツに袖を通すことも少なくなるからな」
そういう彼女の父は、テーラーから送られてきたばかりと思われる箱の中から、
ひとそろいの服を壁にかけているところだった。
それは、襟に白いラインが2本入った紺色のセーラー服で、
胸当て部分には父親が務める会社の社章がプリントされていた。
横には胸に社章のワッペンがついたダブルの金ボタンの白いブレザーがかかっており、
セーラー服の上に羽織ると襟と胸元のリボンが表にでるようデザインされているのが一目でわかった。
このオリジナリティあふれる、それでいて伝統を感じさせる制服は、
七海もよく知る学校のものだった。
「あれ? パパ、これってもしかして純正の制服?」
「これか。うちの会社もな、明日からほかの会社のように制服が導入されるんだ。
 どこかで見たことあると思ったら、純正のだったか。
 そうかぁ、七海の学校の制服を“権利譲渡”してもらったのかぁ……」
七海の父親である中川恭介は感慨深げにつぶやきながら、制服と娘を交互に見る。
まさか自分が着る制服が、元々は娘が通う学校のものだったとは。
この“偶然”に、彼は運命の存在を信じないわけにはいかなかった。
0609名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 04:06:12.69ID:q/pcBkGP
【その22】
「あー、リボンは青なんだ? じゃあ七海といっしょだね♪」
制服の襟元を飾るリボンの色が青いことに気がついた七海は、にっこりとほほ笑んだ。
「ああ。次長や課長といった現場の責任者はリボンが青なんだ。 ヒラは赤、上級管理職は緑だったかな?」
「へぇ……。学年でリボンの色が違うみたいなのがあるんだね」
「やっぱり制服を着るんだから、こういうところにもこだわっていきたいっていう社員の要望が強くてな」
純正女子高は学年によって制服のリボンの色が異なるという情報をあらかじめ得ていた恭介の会社は、
導入するにあたってそのシステムも採用したようだ。
「なるほどねぇ……。そうだ! せっかくだから着てみせてよ」
「朝の忙しいときにいろいろ聞くより、今着てチェックしてもらったほうがいいか」
「じゃあ、七海もスーツ着てくるね!」
七海は衣装ダンスに吊るしてあるスーツとクリーニング屋の袋に入ったままのワイシャツを手に、父親の部屋を出ていった。
0610名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 04:10:42.65ID:q/pcBkGP
【その23】
「さて、俺も着替えるか」
今まで“親子コーデ”につきあって何度も娘と同じデザインの服を身にまとったことがあるが、
今日は自分だけのために仕立てられた“セーラー服”を着ることになる。
どこか変だという意識はあるものの、それ以上にライバル会社のように
自分が勤める会社にも制服が導入されたということの歓びの方が大きい。
脳の片隅に沸き上がった疑問を振り払い、恭介は制服をひとつひとつ着用していく。
まずはランニングシャツとパンツになり、スカートを手に取る。
車ひだになった細かいプリーツが印象的な紺色のスカートに脚を通し、
アジャスターでウェストを調整してからホックを留める。
「そういや、七海のスカートはちょっと短かったな……。あれは改造したものなのか?」
履いてみるとスカートの丈が意外と長いということに気がついた恭介は、
七海が着ていたときのようなミニスカートにはどうやってするのか疑問をおぼえた。
しかし、沸いた疑問はあとで解消すればいいと思い、上着を着ることにした。
純正女子高の――いや、今は山城商事の制服であるセーラー服はいわゆる関東襟で、
あまり一般的ではない前開きとなっていた。
ハンガーにかかったままの状態でジッパーを下ろし、普通のシャツのように羽織る。
昔はひとつひとつ手でボタンを留めていたというセーラー服の前についたジッパーを引き上げ、
裏から押し当てるように胸当てのスナップボタンを留める。
あらかじめ蝶結びの形に成形されたワンタッチ式の青いリボンタイを装着し、
セーラー服の襟やスカートの裾の乱れを手で直す。
「パパ〜? 着替え終わった?」
恭介がようやく一通り着替えられたと一息ついていると、部屋の扉が開いて彼の娘が入ってきた。
0611名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 04:14:54.49ID:q/pcBkGP
【その24】
白いシャツにドット柄のネクタイを締め、紺色のピンストライプスーツを着こんだ七海は、
左右へ自然に流した七三分け風アップバングにした髪型もあいまって、
どこか若手ビジネスマンを思わせる雰囲気を漂わせていた。
「七海、なかなか似合ってるじゃないか。うちの若手よりデキるビジネスマンっぽいぞ」
「パパはぜーんぜんダメ。こんなんじゃかわいくないよ」
思ったことを素直に口にした恭介だったが、彼の着こなしは娘から全面的にダメ出しされてしまった。
「まず、足許がダメ。靴下を履くなりなんなりしないと。
 今の季節なら紺ソクより黒いストッキングの方がいいかな?
 あとで七海の予備をあげるね。どうせストッキングなんてもう履かないし」

「それに、スカートの丈がかわいくない! なんで、もっと短くしないの?
 制服のスカートってのは、短い方が絶対カワイイの!」

「下着もかわいくない! せっかくセーラー服着るんだから、下着もそれにあわせないと」

「あと、メイクしてないってのが一番信じられない!
 人前に出るのに、うっすらでもメイクしてないなんてありえない!
 せめてファンデで脂抑えて、リップぐらい塗らないと」
矢継ぎ早に繰り出される七海の指摘にたじろぐ恭介。
これで明日からの制服通勤は大丈夫なのかと不安になってくる。
「でも、はじめてだから仕方ないかな? 今から七海がじーっくり着こなし教えてあげるね?」
まるで着せ替え人形で遊ぶかのように、
七海はスカートの丈や下着の選び方、ストッキングの履き方など、
制服を着こなすうえで重要な事柄を次々に恭介へと伝授していく。
そのひとつひとつにうなずき、ときに質問を返しながら、
娘から父へ伝授されるセーラー服着こなし講座は深夜遅くまで続くのだった。
0612名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 05:54:56.55ID:BdwHylDZ
あと少しのところで規制が入ってしまいました。
あとで投稿いたします
0613名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 12:20:09.66ID:q/pcBkGP
【その25】
「行ってきま〜す」
「それじゃ母さん、行ってくるよ」
「車に気をつけてね」
いつものように、夫と娘が出かけるのを見送る中川家の主婦・あゆみ。
開け放たれた玄関から仕立てのいいスーツを着た背中が駆けていき、
それを追いかけるようにスカートの裾とセミロングの髪の毛を翻しながら走っていくセーラー服の後ろ姿。
なんの変哲もない、毎日のように繰り返される日常風景。
しかし、今日は少しだけ違っていた。
「本当にパパがセーラー服着て出勤するなんてねぇ……」
今でも信じられないといった感じで、遠ざかっていく主人の出勤姿を見つめるあゆみ。
そう、先週までとは異なり、スーツを着て通学するのが娘の七海で、
セーラー服で通勤するのが夫の恭介だった。
0614名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 12:20:54.03ID:q/pcBkGP
【その26】
父親の恭介は、昨日手に入れた襟に白いラインが2本入ったセーラー服の上から、
白いブレザーを羽織っていた。
昨日、さんざん「かわいくない」と指摘されたスカート丈は、
七海から譲り受けた裾上げベルトを使って長さが調整され、
膝上10cmほどのミニスカートへと変貌を遂げている。
もちろん特徴的な細かい車ひだのプリーツは乱れておらず、
娘の指導がしっかり活かされた形となっていた。
そして、サポート効果で美脚に見えるという60デニールの黒いストッキングを履いて、
すらりと引きしまった、それでいてどこか艶めかしい脚を作りだしていた。
靴も当然制服にあわせたもので、茶色い合皮のローファーを選択していた。
もちろん、メイクもナチュラルながらしっかりしており、より自然に見えるよう、
以前“親子コーデ”をしたときに使ったセミロングのウィッグもかぶっていた。
通勤用の鞄も、今まで使っていた重厚で機能性重視のものから、
娘が先日まで使っていたシンプルながらかわいらしいデザインの茶色い合皮製スクールバッグに変え、
リアリティを増すために腕時計も外した。
遠目からはまさしく女子高生そのもので、
きっと制服初出勤となる社内でも恭介が話題の中心となること間違いなしという出来栄えだった。
0615名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 12:26:03.20ID:q/pcBkGP
【その27】
一方、娘の七海は父親から譲り受けた紺色のピンストライプスーツの三つ揃いを着ており、
ドット柄があしらわれた細めのネクタイをワンディンプルのダブルノットに結んでいた。
もちろん、体のラインがでやすい下着も、新品ながら父親のものを貰い受けており、
ランニングにトランクスを身に着けている。
髪型は七三分け風アップバングで、崩れないようスタイリング剤でしっかりセット。
よく手入れが行き届いた本革製の黒に近い茶色をした靴を履き、
腕には父親から借り受けた腕時計が鈍い銀色輝きを放っていた。
そして、通学に使う鞄もスーツにあわせて父親が愛用していたダレスバッグに変更し、
細かいところまでもこだわったスタイルは、
同級生の羨望のまなざしと賞賛の声を一身に集める完璧なものに仕上がっていた。
セーラー服とスクールバッグ、そしてナチュラルメイク。
スーツとダレスバッグ、そして腕時計、。
もはや格好や持ち物だけでは、どちらが父親で娘かわからない状態になっていたが、
これこそが文字通り“最新”のビジネスマンスタイルであり、女子高生ファッションなのだ。
0616名無しさん@ピンキー2017/08/08(火) 12:29:00.66ID:q/pcBkGP
【その28】
「私も、もうちょっと最新のファッションを研究してみようかしら?」
見送りも終わり居間に戻ったあゆみは、どんどんおしゃれになっていく夫や娘に負けないよう、
最近買っていなかったファッション誌で最新のスタイルを学んでみようとスマホで検索をしてみた。
「あ、きたきた」
検索はすぐに終わり、1冊の電子書籍がスマホの画面に表示された。
ちょっと前まであゆみが購読していた30代から40代の主婦向けファッション誌『ビジュー』の表紙は
変わらず女優の朝倉佑香が務めていたが、着ている服は大きく変化していた。
以前は清潔感漂うブラウスやロングスカートを組み合わせたセレブなマダム風のスタイルがメインだったが、
今月号の表紙はグレーのフロントジップパーカーの上にフライトジャケットを羽織ったトップスに、
黒いスキニージーンズのボトムスをあわせた、
ラフななかにも爽やかさを感じられるボーイッシュなコーディネートで
朝倉優香が微笑んでいるというものだった。
少しページをめくると、あゆみと同年代のモデルたちがロングTシャツにジャケットをあわせたり、
スウェットトレーナーをゆったりと着こなしたりと、
まるでおしゃれに目覚めたばかりの男子中高生のようなコーディネートを披露していた。
「ふーん……今はこういうのが流行ってるんだ……」
しばらく電子書籍で購入した『ビジュー』のページをめくりながら、
最新のファッションがどういうものか眺めていたあゆみは、
誌面とリンクしている通販サイトを開いた。
そして、雑誌に掲載されていた服を何点かカートに放り込んで、注文確定ボタンを押した。
「ふふっ。なんか久しぶりにおしゃれしてる気がするわ。早く届かないかしら」
あゆみはまるで明日遠足に行く子供のようにわくわくした笑顔で、
注文したばかりの服を身にまとった自分の姿を想像した。


<おわり>
0617名無しさん@ピンキー2017/08/10(木) 19:24:46.51ID:esGjaAa7
乙です!
この一家が「ふつうに」レジャーにでも出かけるだけでも想像がはかどりますね
0618名無しさん@ピンキー2017/08/11(金) 23:28:16.59ID:7KutCpRE
>>617
あー、確かにレジャー・・・・・・・というか、海水浴とか面白そう
まったく思いつかなかった発想。メモしておこう
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