【男女】あべこべ世界妄想スレ2【逆転】 [転載禁止]©bbspink.com
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ここはドラえもんの「あべこべ惑星」や「童貞な女子達とボク」などのように世界規模で男女の立場や価値観が逆転する妄想をするスレです
※前スレ
【男女】あべこべ世界妄想スレ【逆転】
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1333118365/ 【その40】
「これなら、思っていた通りのことができそう♪ じゃあパパ、ここに立って?」
言われるがまま、結衣の横に立つ信一郎。
そして、言うとおりポーズを決めると、彼の娘は自撮り棒を使って親子の姿を撮影しようとした。
「じゃあ、教えた通りに笑ってね。はい、いちたすいちは〜?」
「「にー」」
娘の合図にあわせてにっこり笑うと、数10cm先にあるスマホがシャッター音を鳴らした。
さらにポーズを変えて数枚撮影すると、結衣は今しがた写したばかりの写真を確認しはじめた。
「うーん、やっぱりこれかな?」
結衣にとっては一番かわいいと思う写真に、“親子コーデ!”という一言と父親と一緒に写したものということ、
そして今日の服のコーディネートをキャプションを書きこみ、
『プレゼングラム』にアップロードをした。
「パパ、ありがとうね♪」
ようやく思い描いた通りの写真が『プレスタ』にアップできたことを喜ぶ結衣。
しかし、信一郎は自分の女装姿が世間に晒されるのかと思うと、気が気ではなかった。
いくらおじさんが女子高生のようなナチュラルメイクをするのが普通の世の中になったとはいえ、
さすがに女装をするのはいささか抵抗があった。
やはりやめておけばよかったと後悔するものの、覆水盆に返らず。
いまさらながら、会社の誰かに見られたら……と心配をする信一郎だった。
しかし、結衣のアップロードした写真は、彼女の期待通り――そして信一郎の思いとは裏腹に――
彼女をフォローする約2000人ほどいる『プレスタ』ユーザーの間にたちまち話題になり、
大量のいいね! とともにどんどん拡散されていった。 【その41】
《3年半前:人気モデルの家》
「あれ? なんだろ、この写真……」
『プレスタの女王』としても知られる女子中高生に人気のファッションモデル・結城茜は、
いつものように『プレスタ』を巡回していろいろな写真を眺めていた。
綺麗な風景、変わった見た目をしている料理、かわいらしい服装など……。
アップされるフォロワーの写真を機械的に確認し、
どんな写真が人気かをチェックするのが茜の日課だが、
今日もとくにピンとくる写真はほとんどなかった。
「あれ? なんだろ、この写真」
写真の海をかきわけて進むのに疲れ、そろそろ『プレスタ』チェックをやめるかと思っていた茜だったが、
ある1枚の写真が目に止まった瞬間、跳ねるように体を起こしてスマホの画面を見直した。
女性がふたりで前に腕を突きだしたポーズを決めている、ありきたりな写真。
どちらも同じデザインのニットワンピースを着て、
鮮やかなオレンジ色のカラータイツに包まれた脚線美を惜しみもなく披露していた。
メイクもちょっと濃いめながら、マスカラとアイラインで目元を強調したギャルっぽいものでとてもよく似合っている。
そんな、どこにでもあるような双子コーデの写真が、なぜか彼女の心を惹きつけて離さなかったのだ。 【その42】
「あ、これ『双子コーデ』じゃなくて『親子コーデ』なんだ……って、え? なに!?」
最初はどこにでもある、友達同士で同じデザインの服を着て撮影する『双子コーデ』だと茜は思っていたのだが、
キャプションでこれが『親子コーデ』ということに驚き、
さらにこれが母娘ではなく父娘による写真であることを知ってさらに驚く。
「ふむふむ、なるほどねぇ……。お父さんと同じ格好をして『親子コーデ』してるわけだ」
茜はこの写真の主にしてやられたと思い、迷わず「いいね!」を押した。
自分にはなかった発想をする子には素直に敬意を表すると決めているのだ。
だが、同時にこのアイデアに対する嫉妬心と、
自分もやってみたいという好奇心が心を支配しはじめた。
「……2着持ってる服って、なんかあったっけ?」
茜は部屋の隅に山積みになっている「どうでもいい服」や、
クローゼットにきちんとしまってある「お気に入りの服」を漁り、
同じデザインの服がだぶってないかチェックしはじめた。
小一時間ほど探した結果、それぞれ色違いではあるものの細いボーダーのカットソーとプリーツスカートが見つかった。
これで自分も『親子コーデ』ができる。
そう思った茜は、すぐに父親の部屋へと向かった。 【その43】
「ねえお父さん! ちょっとお願いがあるんだけど!」
茜の父・幸太郎は、なにやら仕事をしているところだったのか、
キーボードをカタカタとリズミカルに叩いていた。
忙しいところを娘に呼ばれ、ちょっと不機嫌そうに、
それでいて精一杯の笑顔で振り向く幸太郎。
「なんだ、茜? 小遣いならやらんぞ」
「んーと、今日はそういうのじゃなくってね……」
茜はかくかくしかじかと、いままでの経緯や自分がやりたいこと、
そして父親にやってほしいことを逐一説明をした。
最初は呆れ顔で聞いていた幸太郎だったが、
段々と興味を示したような素振りを見せはじめ、
最後は身を乗り出すようにして茜が語る計画に耳を傾けていた。
「よし! それじゃあさっそくやってみるか!」
そこそこ人気のある小説家であり、好奇心が人一倍旺盛な幸太郎は、
娘が語るアイデアに感服し、その計画に対して二つ返事でうなずいた。
そして、茜から着替えを受け取った幸太郎は、さっそく着替えはじめた。
ピンク色の細いボーダー柄の白いカットソー、
裾に白いラインが2本入った淡い紺色のプリーツスカート、
透明感のある繊細な肌色に近いストッキング。
それぞれを身にまとい、茜にメイクを施してもらう。
男らしさを少しでも消すため、普段の茜がしているものより濃い、
それこそギャルっぽさのあるぱっきりしたメイクが幸太郎の顔を彩っていく。
最後にふんわりしたプラチナベージュのロングヘアのウィッグをかぶせると、茜は満足そうに微笑んだ。 【その44】
「じゃ、ちょっと待っててね」
そう言って部屋を出て行った茜は、しばらくすると着替えを終えて戻ってきた。
彼女もまたボーダーのカットソーにラインが2本入ったプリーツスカート、ストッキングといった
幸太郎が身にまとっているものと同じような出で立ちだった。
しかし、カットソーに入ったボーダーの色はピンクではなくネイビーとなっており、
プリーツスカートのラインと色はちょうど幸太郎が履いているスカートと配色が逆だった。
ウィッグの髪色こそプラチナベージュと同じだったが、
ゆるやかなウェーブがかかったショートヘアになっており、
ナチュラルメイクもあわさってどこか幸太郎よりも幼くボーイッシュな印象を受けた。
「まったく同じに真似しても面白くないしね。じゃあ、さっそく撮ろ?」
親子2人で目のそばにチョキを横型に置くいわゆる“ギャルピース”をして、
スタンドに立てたスマホのセルフタイマー機能を使って何枚も撮影していく。
そのうち、一番うまく撮影できたと思うものを『プレスタ』にアップし、キャプションをつける。
親子コーデ 初チャレンジ!
お父さんと一緒にやってみたよ!
かわいいよね、親子コーデ!
茜がアップした色違いの『親子コーデ』は、
たちまち『プレゼン』でバズって女子中高生などファッションや流行に敏感な若者に拡散していく。
当然、同じように『親子コーデ』を真似して『プレスタ』にアップする女子中高生も爆発的に増加し、
なかには、過去に流行った『双子ダンス』と『親子コーデ』を組み合わせるツワモノまで現れた。
これにより、娘からスカートを履くことをせがまれた父親は、
次第に女子中高生が着るような服を身にまとうことに対して抵抗が少なくなっていった。
このときから『JKオヤジ』は一段階上のステップにあがったのだが、
この影響が色濃くでるのはもう少しだけ後の話となる。 以上、その4〜5の間のお話しでした。
>>634
トイレの仕方の逆転、いいですね!
前に別のSSでやったのですが、また書いてみたくなりました。
海水浴、美容院、流行の遊びなど、ネタストックだけ溜まっていく・・・・・・ >>640
続き乙です
立場交換スレのトイレネタすごい好きなのでこっちの方も楽しみです
水着も変わっていく過程が面白そうですね
JKがトップレスになるにつれておじさんは胸を隠していくとかって感じかなぁと想像するだけでたまらないですね 美的価値観の変化とともに男女あべこべになっていくって色々パターン考えられそうですね
ドスコイ系女子ブームの影響で太った女性が強さとカッコよさの象徴に
マシュマロ系男子ブームの影響で太った男性は可愛らしさと美しさの象徴に
いつの間にか男女の服装や美醜の価値観が逆転みたいな 【その45】
《2年9か月前》
金曜日の深夜。
中学3年生の中川七海は、受験勉強の息抜きという名目で
明日の昼間に友達と遊びに行くための服を選んでいた。
パーカーワンピース、Tシャツにスカパン、ブラウスにハイウェストのジーンズ、
オフショルダーのチュニックにプリーツスカート……。
クローゼットの中身をフリーマーケットのように並べ、
どういうコーディネートでいくか頭を悩ませていたが、
やがて悩むのをやめたかのようにベッドに身を投げ出した。
「うーん、どれもビビッとこないなぁ」
お年玉を使ったり、誕生日に買ってもらった
ミドルティーンに人気のファッションブランドが多数を占める自慢のワードローブだったが、
最近はなんとなく“かわいくない”と思えてしまう。
「ユッキやハルちゃんは、どんな服着てくるのかなぁ……」
明日いっしょに遊びにいく友達が着てくる服は、きっと今流行しているもののはず。
おしゃれな2人に挟まれ、ちょっとトレンドからはずれた服を身にまとっている自分を想像し、恥ずかしそうに首を振る七海。 【その46】
「やっぱり、ふたりともスーツ着てくるんだろうなぁ……」
おしゃれでトレンドに敏感な友達2人は、きっとスーツを着てくるに違いない。
そんな2人の横に、こんな“流行遅れ”で“おじさんっぽい服”で並ぶことなんてできない。
できるはずがない。
そう思った彼女は、出していた服をすべてクローゼットにしまいこんだ。
今、女子中高生ファッションのトレンドは、“男性用スーツ”だった。
父親と娘で同じデザインの服を着て写真を撮る『親子コーデ』が大流行した結果、
父親は家庭では娘世代である女子中高生が好むようなデザインの服を着ることが多くなった。
そして、それが日常的になったため、次第に女子中高生の間で
“かわいらしい服はおじさんっぽい”という雰囲気が漂いはじめた。
そんなとき、あるファッションモデルが写真投稿型SNS『プレゼングラム』に投稿した1枚の写真が、
同世代の女子中高生に衝撃を与えた。
ミドルティーンの少女のお手本ともいえるそのモデルが身に着けていたのは、彼女の父親のスーツだったのだ。
ぴしっとした仕立てのよいスーツを着こなすその姿は大量の「いいね!」とともに『プレスタ』で拡散し続け、
投稿から数か月経過した今、街には彼女の真似をして父親のスーツを着た少女であふれていた。
トレンドに敏感な女子ほどスーツを着る傾向が強く、
ミドルティーンからハイティーンにかけての少女たちにとって、
もはやスーツこそが女の子らしい服であり、身にまといたい服であり、そして欲しい服となっていた。 【その47】
「やっぱり、パパにスーツ借りよっと」
あこがれのファッションモデルや街を闊歩する同年代の少女たちと同じく、スーツを着てみたい。
着たい。
いや、着る。
そして、自分がスーツを着ている姿を想像してうっとりとした七海は、
その空想を現実のものに変えるべく父親の部屋を訪れた。
「パパー、スーツ貸して〜♪」
七海が父親の部屋のドアを開けると、父親の恭介はベッドの上に寝転がりながら雑誌を読んでいた。
父親がページをめくる雑誌を覗きこむと、
そのページではかわいらしい服を着た七海と同年代ぐらいの女の子たちが笑顔でポーズをつけていた。
七海にも見覚えがある記事だ。
「道理で七海の部屋にないと思った! 持ってくなら、ちゃんと言ってよ!」
「悪い悪い。どうしても読みたくてさ」
体を起こし、娘の方に向き直る恭介。
彼が読んでいた雑誌は、七海が買ってきた女子中高生向けファッション誌『ステラ』だった。
『親子コーデ』の流行によって『ステラ』読者層の父親世代がミドルティーンのガールズファッションを身にまとうことが増えた結果、
30代後半から50代ぐらいの男性に『ステラ』の読者が急増していたのだ。
その新規読者層である30代後半から50代ぐらいの男性を対象にしたファッションアドバイスコーナーまで設けられており、
かわいらしいファッションに目覚めたおじさんたちを導くバイブルとして支持を受けているという。
これと同じ潮流は、ハイティーンガール向けファッション誌『エイティーン』、
ギャルファッション誌『シャイニー』、ロリィタファッション専門誌『ロリィタ・エヴァンジェリウム』にも押し寄せており、
今や世の中のおじさんたちの関心事は
“自分の娘たちのようにかわいくなる”ことにあるといっても過言ではない状況になっていた。 【その48】
「まぁ別にいいけどさ……。どうせなんとなくで買ってるだけだし」
おじさん層の読者が大きく伸びた一方、
本来『ステラ』や『エイティーン』などが対象としている七海のような10代の女の子は、
これらのファッション誌を購入することが少なくなってきた。
『親子コーデ』は流行から定番化を経て常識へと変化し、
それにともない父親世代が自分たちと同じような格好をすることが普通となった。
その結果、従来のようなかわいらしい服は、
彼女らの無意識下に“おじさんが着る服”として刷り込まれていくこととなり、
かわいらしさが売りだったブランドは“おじさんっぽいデザイン”と認識されるようになっていった。
事実、『ラブ・ポイズン』『メリーアン』『ヒプノティックガール』『フェミニントレジャーズ』など、
女子中高生向けのファッションを展開しているブランドは既に売り上げの半分以上がおじさんであるということが判明し、
最近では当初からおじさん世代の体型にあわせたラインナップを展開しているという。
娘世代がスーツの良し悪しを吟味し、父親世代はスカートを履いてかわいらしさを追求する。
それが今の時代なのだ。
「で、さ。パパ、スーツ貸してよ」
「どれでも好きなの着ていっていいぞ。ただ、汚すなよ?」
「そんな、この前のパパじゃあるまいし……」
「あれは本当に悪かったって。あれは井上のヤツがふざけるから……」
「はいはい、言い訳は無用♪」
この前、恭介が会社の同僚との休日飲み会に出席するとき、
娘から貸してもらった『フェミニントレジャーズ』のベストとスカートのセットアップを汚してしまったことを、
七海はからかうようにほじくりかえした。
ばつが悪そうにする恭介だったが、これ以上なにか喋ると藪蛇になると気づいたのか、
黙って『ステラ』の続きを読み始めた。 【その49】
「うーんと、どれにしようかなぁ……。
このピンストライプのはこの前借りたし、こっちのグレーのスーツはシンプルすぎるし……ってあれ?」
七海は父親が並んでかかっているクローゼットをかきわけ好みのスーツを探していたが、
そのスーツのなかにあって一際異彩を放つ服が混ざっていることに気がついた。
赤ワインを思わせるような独特の風合いの赤を基調としたレジメンタルストライプのジャンパースカートに、
繊細なレースがふんだんにあしらわれた襟元に大きなリボンがついているブラウス。
いわゆるクラシックロリィタと呼ばれるジャンルのこの服が、
良し悪しがそこまでわからない七海ですらスーツに匹敵するほど高価なものだと一目でわかった。
「パパ、この服どうしたの?」
七海ですら袖を通したことがない高価な女性用衣服が、
なぜ父親のクローゼットにしまわれているのか。
そんな疑問は、父親の答えで一発解消された。
「カワイイだろ、このジャンパースカート。
この前、服を買おうとアカマルに行ったとき、一目ぼれして思わずお迎えしちゃったんだよ」
満面の笑みで服と七海をみつめる恭介。
その瞳は、憧れの服を手に入れた少女のようだった。
聞けば、このブラウスとジャンパースカートにあわせるための
デザインタイツやレースの手袋、ハットなども購入したらしい。
「ついでに、冬の新作も予約しちゃったんだよなぁ……」
数か月後に届くであろうかわいらしいデザインのワンピースに思いをはせ、うっとりとする恭介。
心は完全に“かわいいもの”のとりこになっている。
しかし、彼だけが異常なのではない。
今は彼のようにかわいらしいファッションに夢中な中高年男性がほとんどなのだ。 【その50】
「じゃ、七海はこのスーツとシャツを借りてくね。明日、行く前に時計とか鞄も借りるかも」
「うーい」
自分が買ったもののように女子中高生向けファッション誌をむさぼり読む恭介は、
七海の問いかけに対して生返事を返す。
通勤にしか着ていかない“かわいくない服”など、もはや彼の眼中にないのだ。
「ホント、来月から『ステラ』は自分で買ってほしいな。
七海のおこずかいだって多いわけじゃないんだから」
そんな“正常な中高年男性”にためいきを吐きながら、
七海はシックなブラックのスーツをクローゼットから取り出して恭介の部屋から去った。
「とりあえずスーツは用意できたし、あとは着こなしだな〜」
自分の部屋に戻ってきた七海は制服のスカートの横にスーツをかけ、ベッドに転がり1冊の雑誌を広げはじめた。
それは、今では最先端ファッションを着こなす女子中高生たちの新たなバイブルとなった
中高年男性のライフスタイルを提案する総合誌『Dan-DEE』だった。
七海も多くの同世代女子の例に漏れず、この雑誌に載っているダンディな着こなしを
真似しようと躍起になっていた。
かつて“かわいく見えるメイク”や“かわいい服”が好きだった女の子たちは、
そっくりそのまま“かっこいい服”や“ダンディな振る舞い”を追求するようになっていた。
父親がメイクやファッションでかわいくあろうと努力し、娘はかっこよくダンディに振舞おうと心がける。
そんな逆転の時代にあっても、“女子中高生は流行に敏感”ということだけは変わっていないようだ。 乙です 互いに常識としての意識しかないのいいですね 【その51】
《1年1か月前》
さまざまなタイプの少女たちが、フリルやレースが多用された
パステルカラーやピンクのふりふりなドレスを身にまとった伝説の戦士
“ミラキュア”に変身して人々を襲う魔物に立ち向かうといった内容で、
女児向けアニメの王道作品として人気が高い『ミラキュア』シリーズ。
最終回まであと数週間といったところで、今年もまた新しいミラキュアが発表された。
今年はどういうテーマを組み込むのか、女児があこがれるかわいらしい衣装なのか、
主役声優は誰が起用されるのか……など、
さまざまな角度から注目が集まる“新ミラキュア”発表だが、
今年は例年をはるかに超えるサプライズが仕掛けられていた。
どこにでもいるような中学2年生の女子3人組。
1人はドジだけどがんばり屋で歌手になることを夢見る雪谷歌葉。
1人は頭脳明晰でクラス委員長を務める月山かおり。
そしてもう1人は現役モデルにして超がつくお嬢様の花小路クララ。
そんな性格が異なる3人が、伝説のミラキュアに選ばれて、
人々の夢を食らいつくそうとする悪の妖魔“ワルモンダー”と戦うというスタンダードな設定だったが、
視聴者はその変身後の姿と番組名に度肝を抜かれた。 【その52】
例年ならば、主役の歌葉は赤やピンクといった女の子然としたカラー、
頭脳キャラのかおりはサックスブルーやアクアブルーなどクールなイメージのある配色、
クララはペールイエローやオレンジといった明るいイメージと、
キャラクターポジションにあわせたイメージカラーを割り当てられ、
そのイメージカラーを基調としたフリルやレース、リボンをたっぷりと使った
ミニスカートドレスがミラキュアの衣装だった。
しかし、今年は根本から違っていた。
彼女らが身にまとう衣装の色は、歌葉が変身する“ミラクルシャイン”はネイビー、
かおりが変身する“ミラクルスパーク”はグレー、
そしてクララが変身する“ミラクルフラッシュ”はブラウンと、
いいように表現すればシックな、有り体に言えば地味すぎる色使いだった。
色だけではない。
そもそも、彼女らの衣装はスカートではなかった。
腕や胸元、額などにアクセサリーをつけているが、歌葉たち“ミラキュア”のコスチュームは、
なんとビジネススーツそのものだったのだ。 【その53】
「「「私たち! ダンディ☆ミラキュア!」」」
従来のかわいらしさよりも、かっこよさ、ダンディズムを前面に押し出したデザインを採用し、
スーツを身にまとい、歌い、踊り、そして戦う彼女たちは、
今までのミラキュア、いや、女児アニメの常識から大きくかけ離れていた。
しかし、ミラキュアの主人公たち女子中学生のファッションは今やビジネススーツを基本としており、
かつてのようにスカートを履くことは皆無といっても過言ではなくなっていた。
その“常識”を反映したキャラクターデザインは、未就学の女児の瞳には“あこがれのお姉さん”として映っていた。
事実、キャラクター造詣に流行を大胆に取り入れた『ダンディ☆ミラキュア』は、
近年のテレビ番組ではありえないほどの高視聴率をマークし、
なりきりグッズをはじめとした関連玩具も女児を中心に爆発的な売り上げを記録した。
この『ダンディ☆ミラキュア』の大ヒットを受け、
トップアイドルを目指す人気アニメ『ドルパフォ』などほかの女児アニメも従来の路線から、
今時の女子中高生が目指している“かっこよさ”や“ダンディズム”を基本とした路線に切り替わっていった。
このように、幼いころからスカートを履かず、スーツなどの服にあこがれを抱くようになった女の子たちは、
自分の父親たちが着ているものこそ、かつて少女たちが身にまとうのが常識だった服だということを知らずに成長していくのだった。 【その54】
大胆に変化したのは『ミラキュア』だけではない。
男児向け特撮番組の雄『仮面ファイター』シリーズの新番組
『仮面ファイター ドリーム』にもまた、大きな変革の波が押し寄せてきた。
毎年、作品テーマにもつながるモチーフを組み込んだ新ファイターのデザインは賛否両論あるのだが、
今年はその論争が例年以上に盛り上がることとなった。
昔話をモチーフにした今年の仮面ファイターは
アタッチメントを切り替えることによってさまざまなモードに変化することができるのだが、
そのモチーフとなる昔話が従来とは大きく異なっていた。
今までならば男児向けということで桃太郎や金太郎、
あるいはアーサー王などの英雄譚の登場人物をモチーフにするところなのだが、
今年はなんと白雪姫やシンデレラ、かぐや姫といったお姫さまが変身モチーフに採用されたのだ。
そして、仮面ファイターのスーツも、それにあわせてピンクや水色などのパステルカラーを採用し、
リボンやレース、フリルを使ったミニスカート風となっていた。
まるで、前年までのミラキュアのようなかわいらしいデザインに誰もが驚いたが、
ターゲット層である男児にとってこのようなキュートでポップな格好は
身近な大人の男性である父親のイメージにつながるものであり、あこがれの対象だった。
賛否両論だったデザインも、いざ放送が始まると昔話を引用した重厚なストーリー展開と派手なアクションにより印象が良化、
ウェディングドレスをモチーフにしたファイナルフォームも話題を呼んで、初期シリーズに迫る視聴率や玩具売り上げを記録した。
その結果、『仮面ファイター ドリーム』以降、仮面ファイターはふりふりのスカートを身にまとったかわいいヒーローとなり、
男児ヒーローの“かっこよさ”と女児ヒロインの“かわいさ”が入れ替わった状態で番組が作成されることとなった。
このように、服装の逆転はじわりじわりとおじさんや女子中高生以外にも広がっていき、
いつしか逆転した状態こそが“正常”となるのだが、それはまたもう少し先のお話である。 女子中高生にスーツ姿が流行したら、女児もそれを取り入れそうだなぁ・・・・・・と。
なんか、思いついたネタをどんどんぶっこんでいくせいか、
シリーズ初期と少しずれてきた気もしないでもないですが。
>>650
こういう「異常」を常識として受け入れているの、大好きなんです 【その55】
《2年半前》
「あれ? このシャンプー、いつからあるんだろ?」
一日の疲れと汗を流そうと風呂に入っていた中川七海は、
バスルームの片隅に置かれていたシャンプーボトルのなかに見たことないものが混ざっていることに気がついた。
ローズピンクの透明なボトルに入ったそれは少し前まで女子中高生に大人気のブランドのシャンプーで、
七海も欲しかったがちょっと高めだったので手がでなかった代物だった。
「これ、バラみたいなにおいがして、ちょっとゴージャスな気分になれるんだよね」
数か月前、親友である彩花の家に泊まりに行ったときに使わせてもらったのを思い出した七海は、興味深そうにボトルを眺めた。
世界的アニメ映画のヒロインがプリントされているボトルは
蛍光灯の光を受けてまるで宝石のようにきらきらと輝いており、
その隣には同じデザインだが不透明のボトルに入ったトリートメントが並んで置いてあった。
このシャンプーとコンディショナーのセットは果実のにおいから
段々と華やかな花の香りへと変化していくという香水的要素以外にも、
ノンシリコンにも関わらず髪の毛がきしまないで皮脂がきちんと落とせるというのが人気の秘密だった。
その隣にあるクリスタル製の花瓶を髣髴させるデザインのボトルも、
洗いあがりだしっとりとしていてスキンケア効果が高く、
ふんわりと肌から漂うバラの香りが人気のボディシャンプーで、
小物棚に無造作に置いてあるチューブも化粧水による保湿と乳液のトリートメント効果が期待できる洗顔フォームだった。
どれもこれも女子中高生に人気の高いボディケア商品だったが、
七海自身に買った記憶はないし、母親用のものは別に置いてあった。 【その56】
「あ、これってパパのなんだ……」
これらの見覚えのないシャンプーやトリートメント、ボディソープなどは、
すべて父親の恭介がそろえたものだということに七海は気がついた。
最近、女子中高生をターゲットにしているヘアケア製品やボディケア製品などは、
本来の層よりもむしろ彼女らの父親世代である30代後半から50代にかけての男性に支持されているという。
このフルーツとフローラルの香りで人気が高いシャンプー類も、
高い洗浄力のおかげで髪に脂っぽさが残らず、かつ加齢臭など気になる体臭が抑えられると
おじさんたちに大人気だという。
「ふぅん……パパも服だけじゃなくて、きちんとこういうケアもするようになったんだ、感心感心」
イマドキのオジサンの例に漏れず、娘とおそろいの服を身にまとうのが普通になってきた父親である恭介が、
かわいい服以外にもこのように髪や肌の手入れに力をいれはじめたことを七海はほほえましく思えてきた。
小物置き場には髭剃り以外にムダ毛処理用のシェーバーもあり、
恭介がすね毛やわき毛などのムダ毛を処理していることも当然ながら知っている。 【その57】
「ナイロンタオルでゴシゴシしないと気持ちよくないのにね。
ホント、なんで今までコレ使うの嫌がってたんだろ?」
ボディケアに力を入れるようになった父親世代とは逆に、
七海たち女子中高生の間では凝ったボディケア製品を使わずに
昔ながらの固形石鹸を使って体や顔を洗うのがブームとなっていた。
最近の彼女たちのファッションにおいて重要なキーワードである
“かっこよさ”と“ダンディズム”がそうさせているところもあるが、
女子中高生のカリスマ的存在であるモデルの結城茜が自身のBlogやプレスタで
固形石鹸を愛用しているということを公表したのも大きな理由のひとつといえよう。
同様に本来は中高年を中心に男性が愛用するトニックシャンプーも、
ノンシリコンで髪にもよく、メントール配合ですっきりする洗いあがりが病みつきになると、
今や女子中高生が愛用するようになっていった。
さっぱり感を重視するためにトリートメントをつけないという人の割合も増えており、
なかにはタオルドライしたあとにヘアトニックなどをつけて、
頭皮の皮脂分泌を抑える子もいるという。
そのせいか、最近の女子中高生の間ではロングヘアよりショートヘアが人気の髪型となっていた。 【その58】
「ふぅ……さっぱりした」
風呂から上がった七海は、髪の毛をわしわしとタオルドライしながら
Tシャツにハーフパンツといったラフな格好でリビングにやってきた。
リビングでは大きなブランドロゴがプリントされたロングTシャツワンピース風のルームウェアを身にまとった父親が、
化粧液などで風呂あがりのスキンケアを行っていた。
それは、少し前までの七海の姿でもあった。
「うーん、やっぱりそろそろひげを永久脱毛したいなぁ」
おじさんの間では、メイクするときにひっかかるひげを永久脱毛するのが流行りだという。
その流れに乗ろうとしているのか、恭介もまた毎日のように伸びるうっとうしいひげをどうにかしたいと思っているようだ。
「いまさらひげをなくしたところで、パパはそんなにかわいくならないと思うな」
「ひどい言い草だな! これでも俺は社内では“かわいい”ことで有名なんだぞ!」
「はいはい、パパはかわいい。パパは美人」
「うー……」
自分の軽口に対して憤慨する父親をかるくいなしながら、
七海は居間とつながっているオープンキッチンに移動して冷蔵庫の扉を開け、
冷えた麦茶が入ったボトルを取り出した。
「しかし、パパもすっかりかわいくなってきちゃったな……」
七海がコップに注いだ麦茶を飲み干しながらリビングの方に視線を向けると、
スキンケアを終えた恭介が鼻歌まじりに専用のやすりで爪の形を整えていた。
綺麗な弧を描き、つややかに磨かれた爪を満足そうに見つめる恭介の瞳は、
七海にとってどこに出しても恥ずかしくない自慢のかわいい父親だった。 >>656
「規約違反」って、なにがあったんだろう・・・・・・。
好きだったんだけどな、あの作品 【その59】
《1年3か月前》
「おっと、今日が予約日だったか」
毎日のように残業を繰り返していた繁忙期も過ぎ、珍しく定時で帰宅できることとなった週末、
中川恭介は自分のスマホのリマインダーに予定の通知が届いていることに気がついた。
「ようやく、この長いだけの髪ともおさらばか。どういう髪型にしようかなぁ」
恭介は先日導入された企業制服である紺色のセーラー服とそれの上に羽織る白いブレザーにあわせるため、
髪の毛を伸ばし続けていた。
それを今日、娘の七海に紹介してもらった美容室でカットしてもらうのだ。
生まれてはじめて訪れる美容室。
そこでどれだけかわいくしてもらえるのか。
会社を出る前から、恭介の心は一昔前の女子高生のようにときめいていた。 【その60】
「19:00から予約している中川ですが」
「はい、中川恭介様ですね。おまちしておりました」
美容室の受付で店員に声をかけると、性別年齢ともに不詳の美容師が彼を歓迎した。
案内されるまま椅子に座って待っていると、さきほど恭介を案内した美容師がいくつかのヘアカタログを手にやってきた。
「今日はどういう髪型にします?」
「うーん……なるべく、この制服に合うような髪型にしたいんだけどなぁ」
ヘアカタログに並ぶ自分と同年代の男性たちは、
内巻きやふんわりしたデザインパーマのボブやナチュラルウェーブのセミロング、
毛先の方に向かってゆるやかにパーマがかったロングヘアなど、
流行の髪型でほほ笑んでいた。
数年前まで若い女性の髪型としてもてはやされていたこれらのヘアスタイルは、
今ではどれも中高年男性が好んでカットしてもらうものに変化していた。
中高年男性におけるかわいらしいフェミニンなヘアスタイルの流行は、
いわゆる『親子コーデ』の流行をきっかけに浸透していったところもあるが、
ビジネスマンの服がスーツからいわゆる企業制服に変化したということが一番大きな原因だろう。
今までの典型的なおじさんの髪型では、セーラー服やブレザーといった制服にはまったく合わず、
違和感を消すためにウィッグをかぶる人も多かったが、
いつのまにか自分の髪を伸ばして美容室でカットしてもらうのがあたりまえとなっていた。 【その61】
「おじさんの制服だったら、こういうのもかわいいと思うんだけどな」
どの髪型にするか悩みに悩む恭介に助け舟を出すかのように、美容師がある髪型を指示した。
肩に届くほどの長さに切られた髪はおでこを出したセンターパートに整えられ、
コテを使ったカールとパーマの組み合わせのおかげで
ナチュラルかつ無造作な印象のあるふんわりとしたウェーブを描いていた。
「……うーん、ちょっと派手すぎる気がするけど」
「大丈夫大丈夫。イマドキのおじさんだったら、このぐらいかわいい髪型普通だってば」
「そうなのかな……。じゃあ、これでお願いします」
本当は紺色のセーラー服に合うような清楚な髪型にしてもらいたかったという気持ちも強かったが、
恭介は美容師に押し切られるようにフェミニンなヘアスタイルにカットしてもらうことに決めてしまった。
「そうだ、いっしょにカラーリングもしてみない? この髪型は、黒いままだとちょっと重い感じがするんだよねぇ」
「じゃ、じゃあそれもお願いします」
「この髪型だったら……こういうカラーリングはどうかな?
サンプルは人工毛だからちょっとだけ色味が違っちゃうけど、大体雰囲気はつかめると思うんだ」
美容師は恭介の前にヘアカラーカタログを広げると、ヘアサンプルから少し黄味がかった赤い髪を指し示した。
「いわゆるマーメイドラベンダーアッシュってヤツで、人気が高いカラーなんですよ。
これを基本の色にして、毛先に向かって明るくなっていくようにグラデーションをいれていきますね」
「お、お願いします」
はじめて聞く専門用語に気圧されながら、それでもプロのやることだからひどいことにはならないだろうと、
恭介は美容師のいうままヘアカラーを決めた。 【その62】
生まれてはじめてのヘアカラーはどういうものかドキドキしながら待っていると、
美容師のアシスタントが恭介の体を隠すようにビニール製のケープを巻いた。
ヘアカラーのにおいだろうか、立ち昇る独特の臭気に顔をしかめていると、
手にビニール製の使い捨て手袋を装着した美容師がやってきた。
「それでは、薬剤を塗っていきますね〜。
最初はちょっとしみますけど、どうしても痛かったら言ってくださいね」
そういうと、美容師は毛先の方から薬剤を少しずつ塗り始めた。
少しずつ、少しずつ毛先から根元の方へと塗り進めた美容師は、
続いて大きな櫛のようなもので髪の毛をとかすように薬剤を伸ばしていった。
しばらく同じような作業を続けていた美容師だったが、
塗るのが終わったのか今度は恭介の頭にラップのようなものを巻きつけていく。
薬剤がべっとりと塗られた髪の毛を覆うように巻かれたラップはぴっちりと恭介の頭を覆いつくしたところで、
美容師はひとつ大きく息をした。どうやら作業が終わったようだ。
「このまま、しばらく時間を置きますね。どうぞ、こちらに置いてある雑誌などを読みながらお待ちください」
「あ、はい」
言われるがまま、恭介は近くにあった雑誌を手に取る。
それは政治や芸能、風俗など中高年男性が好む話題を多く取り扱った週刊誌で、
恭介も時間つぶしのためによく読んでいたのだが、
紙面構成はそのままに受験や恋など女子中高生向けの話題ばかりが掲載されていた。
どうやら、気づかないうちにリニューアルされて女子中高生向けの情報週刊誌に生まれ変わっていたようだ。
セーラー服やチャイナ服などを着た人物がいわゆるセクシーポーズをとっているグラビアページもあったが、
モデルの名前を見ると“高橋優一”とあり、恭介はこれが女子中高生がおじさんの艶やかな姿を見るためのページだということを直感的に理解した。
どうやら、女子中高生はかつての中高年男性たちのように、かわいくなったおじさんを性的な目で見始めたようだ。
「なんか、えらい時代になってきたな……」
自分たちが子供世代に性的な目で見られることに対してそこはかとない恐怖心を抱いた恭介だったが、
それでも自分の格好やカットしてもらう髪型などには一切の疑問は抱いていないようだった。 【その63】
「ただいま〜」
「パパ、おかえりなさい〜……って、もしかして髪切った?」
「お、わかるか?」
恭介は美容室でカラーリングやカット、スタイリングなどを終えて帰宅したのは、
夜の10時を大きく回った頃だった。
リビングでテレビの映画を見ながらくつろいでいた彼の娘である七海は、
恭介の髪型が朝とまったく異なっていることに気がついた。
「どうだ、かわいいだろう」
ドヤ顔でにこりと笑う恭介の髪型はヘアカタログにあったようにおでこを出したセンターパートのセミロングヘア
――いわゆるドレープボブになっており、ヘアアイロンとパーマで形作った自然なウェーブが
小顔効果をともなって恭介の顔をよりかわいらしく見せていた。
髪色は分け目付近は地毛に近い濃いブラウンだが、
毛先の方に行くにしたがってグラデーションをつけるように透明感のある明るい赤みがかった色に変化していた。
眉毛も綺麗に整えられており、髪の中ほどの色と同じカラーに染まっている。
「うわぁ、なんかすごいイメージ変わっちゃったね。なんかモデルみたい」
「そうだろそうだろ。時間かかったんだぞ」
かきあげるようなしぐさをして、カットしたばかりの髪型を誇る恭介。
それは、数年前までの若い女性によくある姿だった。 【その64】
「実はね、七海も髪切ったんだよ?」
「お、言われてみれば。ずいぶんとかっこよくなったなぁ」
「でしょでしょ? やっぱスーツには、こういうピシっとした髪型のほうが似合うからね」
嬉しそうににんまりとほほ笑む七海。
その髪型は、綺麗に切りそろえられた髪がゆるくなでつけられるように七三分けにセットされたもので、
数年前に恭介と同じ年代の大人気ハリウッド男優が大ヒット映画に出演した際にしていた髪型と同じものだった。
このように、かつて父親世代がしていた髪型は娘世代である女子中高生のスタンダードとなり、
逆に父親世代は数年前まで若い女性が好んでしていたヘアスタイルにセットするのが普通となっていた。
身だしなみや服装に続いて髪型まで入れ替わった形になったが、
それこそが現在の“普通”であり“常識”であった。
「ところでさ、パパ」
「なんだ?」
「そんな派手にカラーリングしてパーマまでかけたら、校則違反じゃないの?」
「なんだ、そんなことか」
七海の素朴な疑問に対して、恭介はなにも問題ないと言わんばかりにほほ笑んだ。
「会社には『校則』はないからな。どんな髪型しても大丈夫なんだ。
もちろんスカート丈も自由だからな。ほら、ちょっと改造して短くしてみたんだ」
その場でくるりと回り、スカートのすそを翻す恭介。
その丈が太もも半ばよりも短くなっており、
黒いオーバーニーソックスとあわさって“絶対領域”が出来上がっていた。
「ふーん、なんかズルいね」
何の制限もなく、自由に髪型やスカート丈をいじれることにずるさを感じる七海。
しかし、この数年後、世間の流行にあわせて恭介の会社にもいわゆる“社則”が導入され、
髪型やスカート丈、アクセサリーなどが厳しく制限されるとは、この時点では誰も知る由もなかった。 続き乙です!この時代の公共の場の光景を考えるだけでも楽しいですね・・・ 落ち着いたスーツに身を包む児童たちを女児服男児服を来た父母が見守る入学式とかいいかも
入社式もよさげだけど 完全に服装の逆転が浸透してから数年後、服飾系の高校で昔のファッションを学ぶみたいな題材で父親を『女装』、自分を『男装』させるみたいな授業参観とか思いついたけどこの時代の服飾系だと女子より男子の方が多いんだろうか?
本来来ていたはずの服を着て恥ずかしい感じになってるのとかツボなんだけど 【その65】
《10か月前》
「こっちのスカート、かわいいなぁ……。あ、このブラウスもいいなぁ。
そろそろ新しいワンピースも欲しいし、おこづかいの使い道、悩むなぁ」
金曜日の夜、中川恭介は自室でくつろぎながら発売したばかりの『ステラ』を眺めていた。
先々月号から起用され始めた自分と同い年ぐらいの男性読者モデルは誰もがかわいらしく、
また今までの女子中高生モデルと違って同年代ばかりのためモデルにも親近感がわいてきて
“彼らのようになりたい”という憧憬の思いすら抱くようになっていた。
「んー、やっぱりみんなステキだなぁ。俺……じゃなかった、ワタシもあんな風になりたいなぁ」
『ステラ』を閉じ、ベッドに寝転がりながら憧れの読者モデルたちのように
かわいらしい服装を身にまとった自分の姿を想像してうっとりとする恭介。
最近は世のお父さんと同じように、化粧水やパックといったスキンケアやストレッチなどの美容体操のほかにも、
口調や歩き方、ふるまい、習慣、ちょっとしたしぐさに至るまで、外見から内面まですべてがかわいくなるよう努力していた。
一人称をワタシに改めたのもその努力によるもので、ほかにも笑い方やお昼のランチで食べるメニューなども、
恭介自身がかわいいと思うもの、あるいは雑誌などで“かわいい”と紹介されているものに変更していた。
「そだ、動画でも見よっと」
誰に聞かせるわけでもなくつぶやくと、恭介はスマホで最近人気が急上昇中しているアイドルグループのPVを再生しはじめた。
さわやかな薄水色のセーラー服風ワンピースをひるがえしながら、歌い、踊り、そしてほほ笑むアイドルたち。
「やっぱりかわいいなぁ『アル商』。いろいろでてきたけど、やっぱり『アル商』がイチバンだよね」
恭介が見ていた動画は、『アル商』こと『アルカディア商事総務部』のものだった。
かわいい衣装を身にまとい、キュートでセクシーな振り付けのダンスを踊る“彼ら”は
メンバー全員が恭介とほぼ同い年である40代中盤のおじさんたちで構成されているのが最大の特徴で、
デビューして約3か月でまたたく間にアイドル界の頂点まで駆けのぼった文字通りのトップアイドルだった。
本来“かわいい”の本丸ともいうべき女子中高生が“かっこよさ”と“ダンディズム”を追求している昨今、
『アル商』のようなおじさんアイドルはそれこそ雨後の筍のように次から次へとデビューを果たしていたのだ。
このようなかわいい“おじさんアイドル”は、同年代の男性だけでなく娘世代である女子中高生にも強く支持されていた。
彼女たちがよく買う雑誌には、かつての女性アイドルがそうだったように、
かわいらしい格好やセクシーな衣装に身を包んだおじさんアイドルたちのグラビア写真が掲載されるようにまでなっていた。 【その66】
「なぁ親父……ちょっといいかな?」
「どうしたの? 七海ちゃん」
恭介が3回目となる『アル商』のPV再生をしようとしたときノックとともに部屋のドアが開き、隙間からひげまみれの顔がのっそりと姿を見せた。
恭介の娘の七海だ。
裾が少しくたびれたネイビーのTシャツと、ベージュのハーフパンツ、脂っ気がなく少しぼさついた髪。
一昔前の“家でくつろぐお父さん”といった感じの身なりだったが、
あごひげだけは流行りの人工ひげである『ベアード&マスタッシュ』なのでピシっと決まっていた。
「なに、急にあらたまって」
「いや……その、なんというか……親父に頼みがあるんだ」
後頭部をポリポリと掻きながら、すこしばつが悪そうに七海は苦笑いを浮かべた。
最近、女子中高生を中心に爆発的に広まっている話し言葉である、いわゆる『ネオ・ギャル語』を使う七海は、
服装だけでなくふるまいや言葉遣いまでも数年前の恭介そっくりだった。
「で、頼みってなに? パパにもできることとできないことがあるんだけど」
ベッドに座り直し、七海のお願いを聞こうとする父親。
その格好は最近お気に入りのナイトウェアであるブルーにホワイトのラインが入ったボーダー柄のロングTシャツワンピースだった。
風呂あがりなのでノーメイクだが、綺麗に整えられた眉や美容室でカットしたヘアスタイル、
そしてスキンケアやふるまいなどもあいまって“親父臭さ”は一切感じられず、
それどころか全身から“かわいらしさ”がにじみでてきており、
もはや恭介のかわいらしさは一昔前の女子中高生にもまったくひけをとらないものとなっていた。 【その67】
「頼みというのは、その、俺と『クローゼット交換』をしてほしいんだ」
「くろーぜっとこうかん?」
聞きなれない単語に小首をかしげる恭介に対し、身振り手振りで『クローゼット交換』を説明する七海。
「ふぅん……そんなの流行ってるんだ。パパ、知らなかった」
十数分にわたる娘の説明で、ようやく合点がいった恭介。
振る舞いや服装の嗜好などが父親世代と入れ替わった形になったとはいえ、それでもやはり女子高生。
彼女たちの発想と感性は、変わらず瑞々しいものだった。
「どうだろう? 親父にも悪い話じゃないと思うんだが……」
「スーツなんてもう着ないし、別にいいよ。交換しちゃって。
ただ、作業は七海ちゃんが全部やってね! パパ、そんなめんどくさいことしたくないし」
「ありがとう! ありがとう親父!」
七海は恭介の手を取ってぶんぶんと振り回して喜んだかと思うと、すぐに自分の部屋に取って返した。
ほどなく七海は段ボール箱を恭介の部屋に運び込み、続いて恭介のクローゼットの中身を両腕に抱えて持ち去っていく。
それを何度か繰り返すこと約10回。
段ボール箱の搬入作業が終わったと思ったら、今度はその中身を恭介のクローゼットの中へと詰め込んでいく。 【その68】
「終わったぁ!」
作業の所要時間約2時間。
ようやく作業を終えた七海は、喜びのあまりガッツポーズを作って喜んでいた。
「お疲れ様、七海ちゃん」
「ありがとう親父! これで俺も明日からクラスメイトに笑われないで済むよ!」
重労働から解放された七海はTシャツの裾で汗をぬぐい、満面の笑顔を恭介に向けた。
その顔は、まるで重大な仕事をやりとげた男のように見え、恭介は少しだけドキッとした。
「あ、そうだ。親父が買ったワンピースとかはそのままだから」
そう言い残し、七海は部屋から出ていった。
ひとり残された恭介はそそくさとクローゼットに歩み寄り、扉を開けた。
そこには恭介が袖を通さなくなって久しいスーツは1着もなく、
代わりにブラウスやチェックのプリーツスカート、ケープのついた白いコートなど女性ものがずらりと並んでいた。
下の段にあるプラスチック製の衣装ケースには、今まで入っていたトランクスやTシャツなどは姿を消し、
カラフルなショーツやブラジャー、キャミソールなどが収められていた。
「これが今日からワタシのものになるのかぁ……」
今までおこずかいをやりくりしたり、七海のものを借りてしのいでいた恭介のワードローブが、この数時間ほどで一気に充実した。
いや、充実というのは間違っているかもしれない。
このクローゼットの中にあるものは、すべてついこの間まで娘が自分のために買いそろえ、そして身に着けていたものばかりなのだ。
そう、最近流行している『クローゼット交換』とは、
父親と娘がそれぞれ所持している服をそっくりそのまますべて交換するという行為なのだ。
この交換には制服やスーツのような日常的に着る服だけでなく、
下着やアクセサリーに至るまですべて取り換えるのが基本となっていた。
このブームによって女子中高生は一気に服装のオヤジ化が進み、
反対にオジサン世代は買いづらかった下着などもすべてかわいいものでそろえることができたのだ。
「せっかく自分のものになったんだし、さっそく着替えてみようかな?」
恭介はレースがあしらわれたブラジャーとショーツのセットを手に取り、それを身に着け始めた。
娘が身に着けていた女性ものの下着を嬉々として着る父親。
数年前ならば“変態”の誹りを免れない行為だったが、これこそが現在の“普通”だった。 だらだらと続いているこのシリーズ、今回はちょっと変わった「ブーム」についてでした。
これで追記分として予定していた内容はほぼ消化。
ストックネタはあと3つほど(現代に至るまでの2エピソードとラストエピソードにあたる近未来の話)となっておりますが、
ネタがわけばまだ増えるかもしれません。
>>668
公共の場の光景、きちんと書いてみたくはあります。
>>669
父親と娘世代に絞ってしまったせいで、そちらまで手が回っておりません。
ネタ(ストックとは別)はあるにはあるのですが
>>670
【その15】で書いたように、設定上は男子大学生から30代ぐらいまでの男性は「女児」と服が交換された状態にあるので、
入社式に小学校の卒業式やピアノ発表会に着ていくようなドレスで出席するフレッシュマンとか想像するとドキドキします
>>671
最後のエピソードとして「近未来」を1本考えていたんですが、この近未来ネタもいいですね!
ちょっと考えてみます 【その69】
《1年9か月前》
「なにを着ていけばいいんだろう……」
高校1年生の男子、浅井翔太は悩んでいた。
明日は幼馴染で彼女である春日井凛とのデートが控えているのだが、
いったい何を着ていけばいいのかまったく思いつかなかった。
近頃、凛は世間一般的の女子高生がそうであるように
外出する際の私服は男性向けのスーツばかりになっており、
たまに違う服を着ていると思えばポロシャツにチノパンといった
“休日のお父さん”のような格好をすることが多くなっていた。
「前みたいに、スカートとか履いてくれれば楽なんだけどなぁ」
はじめてデートした頃のようなお嬢様然とした白いサマーワンピース姿の凛を想像して、
翔太はひとつ深い溜息をついた。
凛はバレーボール部所属だけあって部スレンダーで身長も高かったが、
軽やかに舞う艶やかな黒髪とまつ毛の長いアーモンドに似た形の綺麗な目のおかげで
誰もが美少女と認める、文字通り名は体を表す凛とした美しさを誇っていた。
事実、一緒にデートをしていたとき、芸能プロダクションのスカウトが声をかけてきたこともある。
そんな自慢の幼馴染が、彼女が、恋人が、いつのまにか長い髪をばっさりと切り落とし、
かつて自分の父親がしていたような格好でデートに現れる。
それが今の流行りだとわかっていても、どうもしっくりこなかった。 【その70】
「下手に格好つけても、あっちの方がかっこよくなっちゃうしなぁ」
普段通りジャケットにジーンズを着たとしても、
仕立てのよいスーツを身にまとった凛の横に立つと、
恋人同士どころかまるで父と息子にしか見えない。
翔太としては、すれ違う人々から理想のカップルだと思われたいのだ。
「どうすっかなぁ……。何を着ようかなぁ……」
スマホを眺めながら、引き続きデートに着ていく服のコーディネートに頭を悩ませる翔太だったが、
偶然見かけた『プレスタ』の写真が彼を心の迷宮から解き放った。
「よし、これで行こう! 母さん、かあさーん! ちょっとお願いがあるんだけどー!」
着ていく服を決めた翔太は、居間でテレビを見ている母親に話しかけた。
最初は驚いた母親だったが、翔太の真剣なまなざしと熱意に押され、彼の望むものをすぐに用意してくれた。
「よし、あとは明日デートに行くだけだ!」
彼女の驚く顔と2人で手をつないでデートする姿を想像しながら、翔太は眠りにつくのだった。 【その71】
「翔太、そろそろ来るはずなんだけどな……」
左腕につけたシルバーの男性用アナログ腕時計を見ながら、春日井凛はひとりごちた。
そして革靴を履いた足をいらいらとした様子でぱたぱたとせわしなく動かしながら、
道行く人々の顔をひとりひとり確認しては、小さくため息をついた。
日曜日の朝9時半に駅前の交番脇にある市街地図の前。
相当遠い場所に出かける場合ではない限り、これが凛と翔太がデートをするときの待ち合わせ場所と時間だった。
そして、翔太は予定の15分前に待ち合わせ場所に姿を現し、
凛は彼に5分ほど遅れて待ち合わせ場所に到着するというのが定番だった。
それが、今日に限って待ち合わせ時間になっても翔太が現れないのだ。
「もしかして、なにかあったのかな?」
いつも律義にSNSでメッセージを飛ばしてくる翔太が、連絡なしに遅れるなんて考えられない。
もしかして事故にでもあったのでは……。
そんな不安が凛の胸に渦巻く。
「で、電話しよう。電話すればわかるはず」
不安に押しつぶされそうになる心を少しでも軽くしようと翔太に電話をかけようとしたそのとき、
聞きなれた、そして聞きたかった恋人の声が凛の耳に届いた。
「ごめん! ちょっと遅くなった!」
「遅くなるなら遅くなるって言って……って、翔太、なにその格好!?」
安心と喜び、そしてちょっとした怒りをこめて遅くなった翔太の顔を見た凛は、
意外な服装に身を包んだ恋人の姿に思わず絶句してしまった。 【その72】
黒いリブ地のタートルネックセーターに、タックが2つ入ったマスタードイエローのタイトスカート。
脚は黒いストッキングに包まれており、靴は低めだがヒールのあるパンプスを履いていた。
短めの髪の毛はヘアワックスで整えられており、顔にはうっすらとメイクが施されている。
首には上品なパールのネックレスが下がっており、手には黒い革製のハンドバッグを下げている。
それはまるで……。
「驚いた? これ、母さんに一式借りたんだ。……変かな?」
「ううん! 全然! 翔太、すごい似合ってるよ!」
服装を誉められ、はにかむように笑う翔太。
そう、彼がデートに選んだ服は、自分の母親が外出着としてそろえていたものだった。
最近、彼女がスーツなど父親世代の服を着ているため、
それに釣り合う格好として男子中高生の間で母親世代の服を着るのがひそかに浸透しはじめていた。
それを知った翔太は、自分の母親から服を借りてデートに現れたのだ。
「これでようやく凛の隣に立つのにふさわしい男になれた……かな?」
「もちろん! やっぱり翔太は最高の彼氏だよ!」
彼女にいいところを見せようとした翔太の頬にキスをする凛。
頬に触れたくちびるからは、ほのかにファンデーションの香りが漂ってきた。
「じゃあ、そろそろ行こうよ。映画はじまっちゃう」
「あ、もうこんな時間か。遅くなってごめんね」
「ううん、ちゃんと待ち合わせ時間通りだし」
いつものようにふたりで手をつなごうとしたそのとき、凛はふと思い立って翔太の方に肘をそっと差し出した。
それが何を意味するのか察した翔太は、身を預けるように彼女の腕に抱きついた。
傍からは仲のいい熟年夫婦が腕を組んで休日デートを楽しんでいるようにしか見えなかったが、
その実、夫の方が女子高生で妻の方が男子高生という逆転カップルの誕生だった。
今でこそこのような光景は少ないものだったが、わずか1年後にはこれが一般的な高校生のデート姿となるのだった。 良いですね
そのうちガーターベルトとか着けて彼女を誘惑するように 【その73】
《4か月前》
「どれにするかなぁ……」
純正女子高等学校に通う高校生・中川七海は、若い女性に人気のファッションビルに特設された水着売り場にいた。
来週末の家族旅行で着るための水着を買うためだ。
もちろん七海も学校指定の水着は持っている。
しかし、それはいわゆる“スクール水着”ともいうべきもので、リゾートの場にはふさわしくなかった。
「これもいいし、こっちもいいなぁ……」
いくつもの水着を手に取りながら、お気に入りの一着を選び出そうと頭を悩ます七海。
周囲には彼女と同年代か、あるいは少し年上の女性たちが七海と同じように水着を選んでいた。
「おお、七海じゃないか!」
聞きなれた声のする方に振り向くと、そこには同級生の春日凛がいた。
彼女もまた、両手に何種類かの水着を持っており、最高の一着を選ぼうと思案していたようだ。
「凛も水着を買いに来たのか?」
「来週、家族と一緒に旅行することになってな。そっちは?」
「俺は彼氏とプールデートに行くんだが、具合のいい水着がなくてな」
「ああ、翔太だっけ? あの清楚そうな彼氏とプールに行くのか。うらやましいな」
“ネオギャル語”とも呼ばれる、女子中高生に普及し始めている新しい話し言葉でしばらく他愛のない話をしていた2人の女子高生だったが、
2人でお互いに似合う水着を選ぶことに決まり、広い水着売り場を別々に物色することになった。 【その74】
「凛のヤツはああ見えてスタイルがいいからなぁ……。
こう、大胆なデザインのものでもいい気はするけど、あれはあれで恥ずかしがり屋だから嫌がるだろうなぁ」
ハンガーにかかった蛍光グリーンのラインが入った水着を手にした七海は、
これを突きつけられた凛の姿を想像してひとりにやりと笑った。
繁華街を歩けば芸能プロダクションのスカウトに何度も声を掛けられる自慢の友人は、
高身長で筋肉質、そして胸が小さいという、今時の女の子なら誰もが憧れるプロポーションの持ち主だった。
その体型を活かしてスーツも完璧に着こなしており、そのダンディさは純正女子高内のみならず、近隣の高校にも知れ渡っていた。
そんな彼女に似合う水着となると、なかなかに難しい。
「これはネタとして確保するとして、あともう1着、ちゃんと選ばないといけないな」
あらためて七海は特設水着売り場を見渡した。
通路には七海と同様にスーツを着た女子中高生や、
オックスフォードシャツにジーンズなどラフで動きやすい格好をした女子大生などが、
リゾートやプールに持っていくための水着を物色していた。
今年のトレンドは毎年のようにビキニやタンキニ、あるいはワンピースといった従来のものと大幅に異なるため、
誰もが自分に似合う水着がどんなものなのかピンときていない様子だった。
「じゃあ、こいつとこいつを……っと」
凛のために選んだ水着を数点手にした七海は、そのままの足で試着室ブースの前に移動した。
そこには、七海と同じように水着を選び終えた凛が、やはり水着を数点手にして立っていた。
「では、お互い気に入った水着を試着してくる……ということでいいんだな?」
「それで問題ない」
七海と凛、それぞれ試着室前に用意されていた紙製のアンダーショーツを1枚取り、試着室に入っていった。 【その75】
「さてと……どれがいいかな?」
カーテンを閉めながら、七海は凛が選んだ水着をまじまじと見つめた。
紺色に明るい赤のラインが入った競泳タイプのブーメランパンツに、やはり紺色のバミューダパンツ。
そしてアロハのような南国風のプリントがされたバミューダパンツ。
どれも下半身のみの水着で、上半身を隠すものは一枚もなかった。
そう、今年の女性用水着のトレンドは、ブーメランパンツやバミューダパンツといった、
かつて“男性用”といわれた水着だったのだ。
上半身に何もまとわず、下半身にだけ水着をつけるスタイルこそが“かっこいい”とされていたが、
さすがに上半身が裸だというのは恥ずかしいという人も多く、
そういう人はラッシュガードを身に着ける傾向にあった。
なんにせよ、もはやビキニやワンピーススタイルの水着を女性がつけることはほぼなくなり、
そのような水着は女性用水着売り場から完全に姿を消していたのだ。
「よし、これでいいかな?」
七海はあらかじめ用意しておいた水着用インナーを履き、その上から紙製の試着用アンダーショーツを重ね履きした。
そうしたうえで凛が選んだアロハ風プリントバミューダパンツに足を通し、
上着やシャツを脱ぎ捨ててから鏡に自分の姿を映した。
「ふむ、なかなか似合ってるな」
「うわっ! 突然覗くんじゃない!」
突然カーテンがわずかに開き、隙間から凛がにゅっと姿を現した。
彼女もまたすでに水着の試着を済ませており、蛍光イエローのラインが入った競泳パンツを身に着けていた。
すらりとした筋肉質の凛にとても似合っており、一昔前の男子水泳部員を髣髴させた。 【その76】
「さすが凛だな……。
それ、ネタで選んだんだがな」
「俺はこういう泳ぎやすい水着が好みだからな。一も二もなくこいつを選ばせてもらったよ。
そういう七海は……やっぱりそれを選んだか」
わずかに膨らんだ筋肉質の胸板を少しだけそらしながら、凛は楽しそうに笑った。
世間一般の女性の例に漏れず、胸部に多くの贅肉がついている七海にはスポーティーなものはあまり似合わない。
そして、どちらかといえば派手好きな性格を考慮して、
凛は七海がこれを選ぶと確信してアロハ風プリントのバミューダパンツを混ぜておいたのだ。
「うるせぇ。どうせ俺にはムダ肉がついてるよ」
理想的なプロポーションを誇る親友に対して、すねるように愚痴る七海。
スーツならばアンダーシャツなどで胸部の贅肉はその主張を減らせるが、
水着のような体のラインが出るような服ではごまかしようがない。
毎日筋トレをしたり脂肪をとらないようにしたりと努力を続けているが、
ようやく効果が出始めたばかりだった。
「やっぱりこんなみっともない裸をさらすのは恥ずかしいな。
仕方ない、俺はラッシュガードも買っていくことにするよ」
「ま、そっちのほうがいいな。さて、俺も七海が選んでくれた水着を買うか」
2人の少女は試着室に戻ってスーツに着替えなおし、それぞれ試着した水着をレジに持っていくのだった。 【その77】
「おおー! 海だああああ」
どこまでも続く白い砂浜。打ち寄せては砕ける波。
眼前に広がるのは、はるかかなたまで広がる碧く澄み渡った海。
七海は生まれてはじめて訪れた沖縄の海に、思わず大きな声を上げてしまった。
「七海ちゃ〜ん、ちょっとぐらい手伝ってよ〜」
後ろには、ビーチパラソルを砂浜に立てたりレジャーシートを広げたりと、
家族のための休憩所を作る父親である恭介の姿があった。
彼が着ている水着はイマドキのオヤジが着る水着の定番ともいえる、
胸元が2段のフリルになった白いトップスと紺の花柄のボトムスを組み合わせたガーリーなビキニだった。
もちろん、脇や腕、腹、脚などに生えているはずのムダ毛は綺麗に処理されていて、
さわやかな色気を周囲に振りまいていた。
メイクだって忘れてはいない。
海水浴ということで気合こそ入れていないものの、ファンデーションやリップ、マスカラなど
いつも使っているブランドのコスメをウォータープルーフのものに替え、
メイクが崩れにくくなるメイクプロテクターを吹きつけていた。
万全の準備で海に臨んでいる恭介もまた、この沖縄の海を全力で楽しもうとしているようだ。
「そっちは親父がひとりでやっててくれ! 俺はちょっと軽く泳いでくる!」
「んもう! 七海ちゃんったら! これじゃ、ワタシは遊びに行けないじゃん!」
駆け出していく七海の背中を見つめながら、頬をぷぅと膨らませる恭介。
移動で疲れた妻はホテルの部屋で休んでいる。つまり、荷物は恭介が見張っていないといけないのだ。
「ツマンナイけど、しばらくここで休んでるかぁ……」
パラソルの陰に隠れながら、恭介はトートバッグからドリンクの缶を取り出して、プルタブを開けた。
ごくりと飲み干すトロピカルなカクテルは、まさしく夏の味だった。 あと1回書き込みすれば終わりのところで規制がかかってしまいました 【その78】
「さて、ちょっと泳ぎますかね」
水着にラッシュガードといった格好の七海は打ち寄せる波にしばらく足をさらしていたが、
軽く柔軟体操をして海に入っていこうとした。
「ねぇそこの彼女〜。ちょっといいかな?」
「お兄さんたちといっしょに遊ばない?」
急に呼び止められて声のした方に振り向くと、そこには2人の青年が立っていた。
薄い1人はピンク地に花柄があしらわれた、腰にスカート状のフリルがついたワンピースタイプの水着を着ており、
もうひとりは胸元と腰にフリルのついた大きな白いドット柄の紺色のワンピースタイプの水着を身にまとっていた。
どちらもプラスチック製の飾りのついたヘアゴムで髪をまとめており、
ピンク水着の方がポニーテール、ドット柄の方がツインテールにしていた。
一昔前は女児の定番だった水着と髪型から、彼らが七海よりも大体5歳ぐらい上の、
大学生か新社会人ぐらいの男性だということが見て取れた。
格好こそ女児そのものといった感じになったが、
青年が波打ち際でナンパをするということだけは変化なかった。
「すまん。今日は家族といっしょに来ているんだ」
ナンパされて少しうれしかったが、だからといって家族と来ているのについていくわけにはいかない。
それに、彼らはタイプではない。七海は軽くあしらい、海に入っていった。
「ちぇーっ。家族連れかぁ。ちょっとかわいかったのになぁ」
「ケンちゃん、次の子に声かけよ?」
シルエットだけならば波打ち際ではしゃぐ2人の幼女にしか見えない2人の青年は、残念そうにつぶやくと、次のターゲットを探しながら浜辺を歩き始めた。
「ちょっとうれしかったけど、ああいう輩は遊んでいるからな。断って正解だったか」
遠ざかる彼らの背中を横目でちらりと見ながら、七海は先ほどのナンパ経験を反芻するように思い出していた。
この思い出は、絶対に凛に報告してうらやましがらせよう。
そう考えながら、七海ははじめて体験する海パンでの水泳を満喫しはじめた >>682
当初の予定では、中高年男性と女子中高生の服装交換以外はほとんど書く予定はなかったんですが、
男子高校生の服装変化にも手を出してしまいました。
いずれ、セクシーな下着やドレスで誘惑するようになると思うと、ドキドキしてきます 会社の男子制服がセーラー服になるなら、学校の男子制服はOL事務服とかかな
キャビンアテンダントの制服が人気で、それで進学先を決める男子も出てくるとか 【その79】
《8か月前:秋葉原》
「へぇ……ここが秋葉原かぁ」
「ほら、そんなにきょろきょろするな! 恥ずかしいだろ」
「すまない……」
中川七海は、友人の春日凛に連れられて秋葉原までやってきていた。
かつて電気街と呼ばれていたこの街は、その面影を残しつつも今ではアニメとマンガ、
ゲームなどオタクのメッカとして世界中に知られていた。
「それにしても……」
七海は、隣にいる自慢の親友を上から下へ嘗め回すように眺めた。
その行為に対して、頬を染めて照れる凛。
「今日もお前はばっちり決まっているなぁ。
並ぶと自分のカッコ悪さにため息がでてくるよ」
そう言って、七海は本当にため息をついた。
今日の凛は、シャドーストライプが入ったダークネイビーのスリーピーススーツを見事に着こなしていた。
Vゾーンからは糊の効いたペールブルーのシャツが覗き、
深いグリーンのドット柄ネクタイが襟元を引き締めていた。
手入れが行き届いた茶色いプレーントゥの革靴はつま先だけが磨きあげられており、
これだけでも凛のファッションに対するこだわりとダンディズムが強く感じられた。
「そういう七海だって悪くないじゃないか。もうちょっと自信を持て」
「そう言われてもなぁ……」
あらためて七海は自分の格好を確認した。
確かに父から譲り受けたグレーのスーツはぴったりだったし、シャツやネクタイ、
革靴のチョイスだって間違ってはいないと思う。
しかし、彼女の胸部には専用のアンダーシャツでつぶしてもつぶしきれないほど大きな贅肉のかたまりがあるため、
どうしてもそれがスーツの下から自己主張をしてしまいシルエットが崩れてしまうのだ。
それ以外は完璧な着こなしではあるのだが、この一点がコンプレックスとなってしまっていて、
七海は自分の着こなしにどうしても自信が持てなかった。 【その80】
「それはそうと、今日はどこに行くんだ?」
「ええとだな、有り体に言えば“喫茶店”だな。
これから行く店はとても素晴らしくてな、なんとしても七海を連れていきたいと思って」
「ふうん……喫茶店ね」
七海は話題を変えようと凛に今日の予定を尋ねると、彼女はどうやら喫茶店に行きたいということのようだ。
颯爽と歩く凛のあとを、とぼとぼとついていく七海。
大通りをしばらく歩いていくと、目的の場所についたのか凛の足が止まった。
「ここだここだ。まだ行列もできてないみたいだし、ラッキーだったな」
笑顔を浮かべながらいそいそと雑居ビルの階段を上っていく凛と、それについていく七海。
凛が店の扉を開けると、どこか鼻にかかった舌足らずな、
それでいて無理やり作った感じのする甘くかわいい声が響いてきた。
「おかえりなさいませ、ご主人様♪」
扉の向こうにははにかんだような笑顔のかわいらしいおじさんが立っており、
お決まりの文句で2人を出迎えていた。
「ここって……」
「ご察しの通り『メイド喫茶』だよ」
凛が七海を連れていきたかった喫茶店とは、メイド喫茶だったのだ。
店員は全員が少し光沢のある紺色のワンピースに白いエプロンをつけ、
ミニスカートの裾はパニエで膨らんでいた。
そのスカートから伸びる脚は白いニーハイソックスに包まれており、
彼らが店内を動き回るたびにまばゆい絶対領域がちらりちらりと見え隠れしている。
地毛なのだろうか、みな前髪を切りそろえたロングヘア
――いわゆる姫カット――やツインテールなどの“アニメ的なかわいらしい髪型”をしており、
頭にはホワイトブリムと呼ばれるメイドさんの象徴ともいえるヘッドドレスを装着していた。 【その81】
「ご主人様、こちらへどうぞ♪」
メイドさんのひとりが、2人を席へと案内する。
腰にはハートの形をした名札をつけており、丸っこい独特の文字で「ゆうじ」と書いてあった。
それを見た七海は、このメイド喫茶がどういう場所であるか瞬時に察するのだった。
「おい、ここってもしかして……」
「そりゃ当然だろ? あんなかわいい格好、おじさん以外の誰がするんだ」
そう、この店のメイドさんは全員中高年男性なのだ。
女子中高生の“かわいい”と中高年男性の“かっこよさ”が入れ替わった形になった昨今、
メイド喫茶のメイドさんも女性からおじさんへと変化していったのは当然の流れともいえる。
もちろん、この現象はメイドさんだけ現れたものではない。
そろいの衣装を着て歌い踊るアイドルグループやレースクイーン、グラビアモデルなどの“若く美しい女性がやる職業”も、
そのほとんどが女性から中高年男性へと切り替わりつつあった。
当然だろう。若い女性にとってスカートをはじめとした“かわいらしいファッション”や“女性らしいスタイル”は、
もはや“男くさい服装”であり“おじさんの格好”となってしまっているのだ。
そして、かわいらしい格好をしたおじさんを愛でることが一種のステータスとなり、
このようにおじさんメイドだらけのメイド喫茶に通ったり、
あるいはおじさんアイドルグループを応援したりするのが“普通”となっていた。
「やっぱり「ゆうじ」ちゃんはかわいいなぁ。
いや、「たかゆき」ちゃんもかわいいし、やっぱこの店のメイドはレベル高いわ」
店内をせわしなく動き回るメイドを鼻の下を伸ばしながらみつめる凛。
その姿は、一昔前のエロ親父を髣髴させた。
「お前、彼氏いるのにいいのか?」
「彼氏とメイドさんは別腹に決まってるだろ!
ああ、でも翔太にメイド服着せてもいいな! 帰りに買っていこうかな?」
「さいですか……」
七海がのろけともとれる凛のつぶやきにあきれていると、
トレイに料理を載せたメイドが2人のテーブルまでやってきた。 【その82】
「おまたせしました〜♪ こちらメイドさんのあつあつオムライスです〜♪
こちら、今から魔法をかけますので、いっしょに唱えてくださいね」
そう言うと、メイドは体を器用にくねらせながらリズムをとるように“魔法”を唱えはじめた。
「おいしくな〜れ♪ おいしくな〜れ♪ 萌え萌えキュン♪」
「萌え萌えキュン♪」
両手で作ったハートマークを突き出すようにオムライスに向けるメイドと、
それにあわせて同じようにハートマークを作る凛。
この店の常連である凛は、このような“お約束”も照れずにきちんとこなしていた。
「こちらのご主人様のオムライスにも魔法をかけますね♪
おいしくな〜れ♪ おいしくな〜れ♪ 萌え萌えキュン♪」
「も、もえもえきゅん……」
しかし、このような店に来るのははじめてだった七海は、
どうしてもこのようなセリフを口にするのは恥ずかしく、ついつい照れがでてしまう。
「おいおい、こういうのは照れずにやった方が恥ずかしくないんだぞ」
メイドがテーブルから離れると同時に、七海をたしなめる凛。
確かに、このようなものは照れると逆に恥ずかしくなるのは間違いない。
しかし、それでもはじめての体験は、顔から火が出るほど恥ずかしいもので、
できることならば二度としたくないと七海は思っていた。 【その83】
「それではご主人様! お待ちかねのジャンケンタイムで〜す!」
店の隅にあるちょっと高くなった特設ステージにメイドが立ち、マイクでなにやら話しはじめた。
どうやら店内の客とメイドでジャンケンをして、
最後に勝ち残った客にプレゼントが贈られるというミニゲームが開催されるようだ。
七海は傍観するつもりだったが、凛にうながされるように席を立ってジャンケンに参加することになった。
「勝ちだけですよ? あいこと負けは失格です〜♪」
みなさん、ズルはなしですよ? 準備はいいですか?」
「「「「はーい」」」」
どこか無理に作っている感じのするメイドさんの高い声に続いて、店内のご主人様たちが一斉に声を上げる。
「せーの! ジャンケンポン!」
掛け声に合わせ、七海はパーを出す。メイドさんはグー。どうやら勝ったらしい。
「ちくしょー! 負けたぁ」
チョキを出してしまった凛をはじめ、店内にいた半分以上のスーツ姿のご主人様が椅子に座ってしまう。
「それでは、次いきますよ〜。ジャーンケーンポーン!」
続いてのジャンケンではメイドさんはチョキを出し、七海はグーを出した。
その次、またその次と順調に勝った七海は、決勝ということで勝ち残った別の客と直接対決することになった。
「それでは、せーの!」
「「「ジャーンケーンポーン!」」」
とくに興味はなかったが、ここまで来たら負けるわけにはいかないと、
魂を込めて出した七海の手はチョキ。
対する七海と同い年ぐらいだと思われるスーツ姿の客はパー。
なんと、七海はじゃんけん大会で優勝をしてしまった。 また、最後だけ規制で投稿できませんでした。
時間開けて、投下いたします 【その84】
「それでは、見事勝ち残ったご主人様に拍手〜」
店内はまばらな拍手に包まれ、居並ぶご主人様たちはねたましく思いながらも七海の勝利を祝福していた。
「それでは、賞品のメイドとのチェキツーショット権ですが、誰といっしょに撮りますか?」
「ええと……。じゃあ「ゆうじ」ちゃんと」
「ワタシと撮ってくれるんですか? うれしいです〜♪」
両手を胸の前であわせてぴょんぴょん跳ねるゆうじちゃん。
この店にはじめて訪れた七海には、誰が誰だかまったくわからない。
したがって一番近くにいた彼を選ぶほかなかったが、それでも選ばれたことをとても喜んでくれるゆうじを見てると、
七海はなぜか心がじんわりと温かくなってきた。
「それじゃあ、撮りますね? いいですか? はい、チーズ!」
メイドのゆうじは七海の腕にぎゅっと抱き着き、インスタントカメラを持った反対側の手を伸ばしてツーショットを撮影した。
ゆうじからふんわりと漂うコスメや香水のにおいと体臭がまじりあった甘い香りは
七海の下半身から湧きあがる本能的な情動を強く揺り動かし、
柔らかな体から伝わる体温はその情動をさらに強いものへと変えていった。
――ゆうじちゃん、かわいい……っ!
この瞬間、七海はゆうじのとりこになってしまった。
席に戻ってからも、帰り道も、彼とのツーショットチェキをにやにやと笑いながら眺め、凛からたしなめられる始末。
この後、七海はバイト代やおこずかいなどをメイド喫茶
――いや、ゆうじにつぎ込んでいくこととなるのだが、それはまた別の話である。 【その29】を書いた後にどうしても書きたくなったメイド喫茶ネタです。
通常ネタはこれで終わりとなり、あとはエピローグ2本となります。
>>691
今回は「おじさんと女子中高生」にスポットを当てて書いたため、
そっちにはほとんど踏み込めませんでした。
>>692
OL事務服で登校する男子学生・・・・・・たまらん 《近未来?》
【その85】
朝。一日のはじまり。
安息日明けの月曜日だけあって、駅はセーラー服やブレザーなどの制服に身を包んだかわいらしいおじさんに混じり、
学ランを着た40代ぐらいのキャリアウーマンやスーツ姿のダンディな女子中高生、
赤いランドセルを背負った丸襟ブラウスに吊りスカート姿のフレッシュビジネスマンまで、
駅のホームはさまざまな人々であふれかえっていた。
数年前までの“転換期”と異なり、スーツを着たおじさんやスカートを履いた女子中高生はもやは見当たらない。
男性なのにスーツを着るのが好きだったり、逆に女性にもかかわらずスカートを履いてメイクをするといった服装倒錯の趣味を持つ人々は、
ひっそりと自分の家や専門のサロンなどで『異性装』を楽しんでいるという。
服装にあわせてか、それぞれの年代の嗜好も大きく変化を遂げていた。
ホームや駅で週刊誌や駅売りの新聞を読むのは女子中高生の特徴となっていたし、
スマホでゲームをしたりマンガ雑誌を読むのは中高年女性ばかりだった。
逆にかわいらしくあろうと努力をする中高年男性は電子書籍版のファッション誌をスマホで読んだり、
あるいは昨日見たテレビ番組のことや妻への愚痴、上司の悪口などの他愛のない話題をSNSを通じてやりとりしたり、
あるいはスマホで動画を見たりして時間をつぶすのが普通となっていた。
『んもう……。ああいうエッチなページを堂々と広げるなんて、ホント女子高生ってスケベで恥ずかしい存在よね』
身動き一つとれない満員電車の中、女子高生であろうスーツ姿の女の子が
周囲の迷惑を顧みず広げたスポーツ紙が目に入った中川恭介は、その内容に顔をしかめた。
そのページはいわゆる『お色気ページ』であり、
恭介と同年代ぐらいの“年頃のおじさん”たちが半裸、あるいは水着姿でセクシーなポーズを決めていた。
アイドルやグラビアモデルを務めるのが若い女性から中高年男性に変わっていった関係からか、
成人向けの写真やビデオの被写体も中高年男性が務めるのが普通となっていた。
自分の父親ほどの男性がセクシーな下着をまとってあられもない姿をさらしているさまを見て
女子中高生や女子大学生は興奮を覚え、若き劣情の滾りを自らの手で慰めているという。
そう、もはや中高年男性は性の対象として見られる立場になり、
女子中高生はその中高年男性を性的な目で見る“エロ女父”と化していた。
服装から始まった世代間の逆転は、とうとう性的なものまで浸食しつくしたのだ。 【その86】
「……っ!」
スポーツ新聞のエッチなページを読みふけるエロ女父から目をそらそうと強引に体の向きを変えようとした恭介だったが、
ふいに下腹部に予期せぬ刺激を感じてびくりと体を震わせた。
『かばんでもあたったかな?』
身動きすることすら困難な満員電車。
胸や下腹部などのデリケートな部分に誰かの手やカバンがうっかり触れてしまうこともある。
その程度で目くじらを立てるほどではない。
何事もなかったかのようにぎゅうぎゅう詰めの満員電車に揺られる恭介だったが、
しばらくすると再び下腹部に得体の知れない刺激を感じた。
まるで彼のペニスを愛撫するかのように蠢く物体。
その気持ち悪い感覚の正体はなんなのか、真っ白になった彼の脳はやがてひとつの答えを導き出した。
『――痴漢、いや痴女だ!』
そう、恭介の下腹部を襲う性的ないたずらは、まぎれもなく痴女の仕業だった。
目の前にいるスーツ姿の女子高生か、あるいは斜め前にいるスポーツ新聞を読む女子高生か。
そのどちらがやっているかは恭介からはわからなかったが、犯人は彼女らで間違いなかった。
『こ、声を出さなきゃ……捕まえなきゃ……』
そう思うものの、妻にしか触らせたことのない男の一番大事なところを触る痴女の悪辣な仕業に、
恭介は声を出すことはできなかった。
あまりにも不快で卑劣な行為は、次の駅に停車するまでのわずかな時間の出来事だったが、
恭介にとっては無限に続く地獄の責め苦のように感じられた。
「……なんでこんなことに」
会社の最寄り駅ではないにも関わらず電車を降りた恭介は、
その足でトイレに駆け込み、個室でひとり泣いた。
このような中高年男性を襲う痴女行為は、年々増加の一歩をたどっているという。
しかし、被害を受けたことへの恥ずかしさからか、痴女行為を訴える中高年男性はほとんどおらず、
その実態は闇に葬られる形となって表に出ることはほとんどなかったという。
この満員電車における中高年男性の痴女被害はやがて明るみに出て社会問題になるのだが、
それはまだまだ先の果てしない未来の話である。 【その87】
《6年前》
「お父さん、もうちょっと娘さんの方に寄ってください」
「こ、こうですか?」
「娘さんはもう少しだけ前に出てください」
「これでいいの?」
「はい、ばっちりです!」
白い壁紙を背に立つ中川恭介、あゆみ、七海の3人は、カメラマンの指示に従ってその立ち位置を微妙に変えていく。
家族は近づき、離れ、また近づく。
そのような行為を何度か繰り返していたが、
ようやくしっくりするポイントを発見したのかカメラマンはオーケーサインを出した。
「それでは撮影しますよ……はい、チーズ!」
瞬間、まばゆいフラッシュがまたたき、ぱしゃりと小気味良いシャッター音が静かなスタジオに響く。
もう1枚、もう1枚とカメラマンは何度もシャッターを切り、家族の肖像をカメラに収めていく。
「はい、お疲れさまでした。写真を確認しますか?」
「はいはい! するするー♪」
「ははは……。あまりはしゃぐなよ、七海」
娘の七海はまるで子犬のように駆け出し、今しがたカメラマンが撮影したデジカメの写真を映し出したタブレットを覗き込む。 【その88】
向かって右側には、仕立てのよさそうなグレーのピンストライプ地のスリーピーススーツを着た父の恭介が真面目そうな顔をして立ち、
その横にはレディーススーツを身にまとった母のあゆみが幸せそうに微笑んでいる。
そしてその間には、紺色のブレザーにジャンパースカートを着用した娘の七海が満面の笑みを浮かべながら立っていた。
「うん、バッチリ!」
七海は画面に映る自分の姿を見て、満足そうに微笑んだ。
入学式など人生の節目には写真館で記録を残すというのが、中川家の恒例行事だった。
今日も娘の七海が中学校に入学した記念として、家族写真を撮影しに来たのだ。
「では、今回の写真も店頭に飾ってよろしいでしょうか?」
「はい、こちらこそよろこんで」
写真館の主人の問いかけに、一も二もなく了承の返事をする恭介。
七海が生まれてから12年。
七五三や入学式など節目を迎えるごとに増えていく記念写真は写真館のショーウィンドウを飾っており、
今回撮影したものも当然のように額縁に収められて飾られることが決まった。
「いつまでこの記念撮影が続けられるかわかりませんが、できればずっと続けたいですね」
父親の父親の、そのまた父親……もっと前から綿々と続く中川家の伝統を、ずっとずっと続けたい。
恭介はタブレットに映る家族の笑顔を幸せそうな顔で見ながら、そう決意するのだった。 【その89】
《現在》
「お父さん、もうちょっと娘さんの方に寄ってください」
「これでいいの?」
「娘さんはもう少しだけ前に出てください」
「こ、これでいいのか?」
「はい、ばっちりです!」
白い壁紙を背に立つ中川恭介、あゆみ、七海の3人は、カメラマンの指示に従ってその立ち位置を微妙に変えていく。
家族は近づき、離れ、また近づく。
そのような行為を何度か繰り返していたが、
ようやくしっくりするポイントを発見したのかカメラマンはオーケーサインを出した。
「それでは撮影しますよ……はい、チーズ!」
瞬間、まばゆいフラッシュがまたたき、ぱしゃりと小気味良いシャッター音が静かなスタジオに響く。
もう1枚、もう1枚とカメラマンは何度もシャッターを切り、家族の肖像をカメラに収めていく。
「はい、お疲れさまでした。写真を確認しますか?」
「はいはい! するするー♪」
「ははは……。あまりはしゃぐなよ、親父」
今しがた撮ったばかりの写真を早く見ようと駆け出す父親の恭介をたしなめるように、娘の七海が笑う。
デジカメから写真が転送されたタブレットには、家族3人の“今”という瞬間を切り取った姿が映し出されていた。
向かって右側には、襟に白い2本のラインが入った紺色のセーラー服の上から白いブレザーを羽織った父親の恭介が満面の笑みを浮かべ、
その横には金ボタンがまぶしい黒い学ランを身にまとった母のあゆみが幸せそうに微笑んでいた。
そしてその間には、グレーのピンストライプ地のスリーピーススーツを着た娘の七海が真面目そうな顔をして立っている。
「うん、ちゃんとかわいく撮れてる!」
タブレットに映る写真をしばらく眺めていた恭介は、出来栄えに満足そうに微笑んだ。
入学式など人生の節目には写真館で記録を残すというのが、中川家の恒例行事だった。
今日も娘の七海が高校を卒業した記念として、家族写真を撮影しに来たのだ。 【その90】
「では、今回の写真も店頭に飾ってよろしいでしょうか?」
「もちろん♪ ちゃーんと目立つところに飾ってね」
写真館の主人の問いかけに、一も二もなく了承の返事をする恭介。
七海が生まれてから18年。
七五三や入学式など節目を迎えるごとに増えていく記念写真は写真館のショーウィンドウを飾っており、
今回撮影したものも当然のように額縁に収められて飾られることが決まった。
「あれ? この写真ってもしかして……」
タブレットをいじる指がどこか変なところを触ったのか、画面がスライドして別の写真が表示された。
スーツを着た男性とレディーススーツを着た女性、そしてその間には制服を着た小さな女の子が立っていた。
どうやら、中学校の入学式のときにここで撮影した家族写真のようだ。
「うわぁ……これ、七海ちゃんが中学校に入ったときのヤツだ。なつかしー」
「どれどれ……うわ、俺がスカート履いてるよ!」
懐かしそうに画面を眺める恭介のうしろから覗き込んだ七海は、自分が今のようなスーツではなく中学校の制服を着ている写真を見る羽目になってしまった。
「だってこれ、七海ちゃんが中学校に入ったときのヤツだから6年前だよ? その頃は七海ちゃんだって普通にスカート履いてたじゃん」
「そうだったかなー。もう覚えてないなぁ」
恥ずかしいのか照れくさいのか、写真から目をそらす七海。
無理もない。今の時代、女子中高生がスカートを履くということはまずありえないことであり、
それが“おじさんたちが着るもの”と化した中学校・高校の制服となればなおさらだ。
たった数年前まで着ていた服のはずなのに、あらためてスカートを履いている姿を見せられると恥ずかしくてたまらない。
これは今時の女子なら誰もが抱く正常な感情だった。
「いいから早く帰ろう。俺は腹が減ってるんだ」
まるで無理やり男装させられている写真を見せつけられているような気分に陥った七海は、ここから立ち去ろうと両親を追い立てた。
「この頃の七海は、まるでお父さんみたいにかわいいな」
「ホント、七海ちゃんもまたスカート履いてみればいいのに。きっと似合うよ」
「それにしても、ホントに大きくなったよね、七海ちゃん」
「昔はこんなに小さかったのになぁ……お母さんもうれしいな」
恭介に呼ばれたあゆみも写真を覗き込み、昔の娘の姿を見ながら夫婦できゃいきゃいと笑っていた。
父親がかわいく装い、娘がかっこよさを追求する。
そのように時代が変わっても、着る服が父と娘で入れ替わっても、両親が子供を思う気持ちだけは変化しないようだ。 あれ? 投稿できた。
改行の方が問題だったようです。
長々だらだらと続いた一連のお話は、これでおしまいとなります。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。 完結お疲れ様です!
あべこべ物といっても美醜逆転とか貞操逆転が多い中久しぶりに正統派の男女あべこべ物で最高の出来で読み進めるのが本当に楽しかったです
ありがとうございました >>709
>>710
お読みいただき、ありがとうございました。
今回は「世代間の逆転」も組み込み、やや変則的な内容になってしまいましたが、
大好きなんです。世代間コミの男女逆転。
いずれ、またなにか思いついたら書いてみたいと思います。
そのときは、またよろしくお願いいたします。 一連の投稿を時系列順に並べなおしたものを、pixivに「衣替え(増補改訂版)」として投稿いたしました。 該当作だ!
ttps://www.youtube.com/watch?v=eadgM4OmC4g 【】の人さんのPixivの新作見ました。女子視点で当たり前として裸になったり異性の行動を取るのが好きな自分的にここ最近1番のクリティカルヒット
過去作だとヤンキー高校とお嬢様高校の入れ替わりが特に好きです なぜここでいうのか
直接コメント欄で言えば良いのでは? >>714
【 】です。
自分の書いたものを気に入っていただき大変うれしいのですが、
できれば、こちらに投稿していない作品については投稿した場所に感想を書き込んでいただけるとありがたいです。 垢持ってないとかかもしれない
この機会に垢作ってブクマといいねしよう ZIPでグレンチェックの特集やってておじさんっぽさが流行ってるとか言ってて【】の人が書いた世界が案外近いのではと思ってしまったw
おじかわいいなる言葉があるそうな
あんな世界来ねえかなぁ PINKニュース速報+から
http://phoebe.bbspink.com/test/read.cgi/pinkplus/1505579143/
【話題】奇習! 妻が“夫を犯し”夫は“女装で咽び泣く” 月に一度『新月の日』に「男女あべこべ」で交わる夫婦和合―近畿 pixivにあった「二つの島」ってのが、男女逆転モノだった。
戦争に負けて強制的に男女逆転させられた国での第二次性徴期の話で
逆転している描写なんかは少なかったんだけど結構興奮できた。
これとか「変わりゆくセカイ」のように、外圧で強制的に男女逆転する話もいいなぁ pixivの「男女逆転」タグって、キャラの性別を逆にした二次創作が主流なんだな 服装や口調とかは逆転してないけど、おっさんと若い女性の性的な扱いが逆転してる世界はどうだろう?
AVやグラビアはおっさんが出演するものが普通で、援助交際は女子中高生がおじさんを買う。
満員電車ではスーツの男性がいたずらされ、夜道ではおじさんが露出狂の幼女にタテスジを見せつけられる事案が発生。
一部の若い女性はおじさんの服を着る「女父さん(おじさん。こちらでいう男の娘)」がブームになっている。
・・・・・・と、ここまで考えて、いわゆる貞操逆転世界だということに気がつく。
男女逆転ネタを考えるの、難しいなぁ。 中年と若者の逆転……多くない…?
たしかにギャップやビジュアル的には分かりやすいけど
同年代同士できっちり逆転してるほうが好きだ >>723
主人公がこの逆転状態を当たり前のことだとして自分もその価値観で生活してるならありだと思うけどな
よくある貞操逆転物って主人公だけは逆転してなくて女の子とヤリまくりみたいなのが多いけどそれだとあべこべ要素薄すぎてあんまり好きになれないんだよなぁ
男(はぁ、今日も電車混んでるなぁ。痴女にあわなきゃいいんだけど…)
上司「お、男君。おはよう。今日も混んでるな」
男「上司さんおはようございます。この時間高校生も結構多いんですよねぇ」
そんな他愛もない話をしていると後ろに並んだ女子高生の話し声が聞こえてきた。
JK1「ねぇねぇ前のおじさんのお尻ヤバくない?あんなぴっちりしたスーツ着てるなんて絶対うちのこと誘ってるよね」
JK2「めっちゃエロいよね。隣のお兄さんもガッチリしてて首筋とかセクシーじゃない?」
JK1「あのエロさはクラスの男子じゃありえないもんね。あーあ、あんなおじさんとヤリまくりな世界になったらいいのになぁ」
JK2「ないない、AVの見過ぎよ」
なんて会話が聞こえてきてこのまま電車に乗るのが少し不安になってきた。
男「歳とってきてから女の子からの視線が結構キツくなってきてるんですけど中々慣れないですね。上司さんとか街歩いてたら凄い見られるんじゃないんですか?」
上司「俺も君ぐらいの歳の頃はそんな感じだったよ。だいぶ慣れたけどさ」
男「いつもぴっちりしたスーツ着てますけどよく着てられますね。僕は視線に耐えられなくてとてもじゃないけどそんな体のラインが出るの着られないですよ。」
上司「この方が落ち着くからな。見られはするけどだからって着たくないものを毎日着たくはないからな」
そうこうしていると電車がホームに入ってきた。
が、目の前に停まった車両の様子がおかしかった。
扉が開くと40代ぐらいの女性が女子高生の腕を掴んで引っ張りながら降りてきた。
JK3「ちょっと引っ張らないでよ。私は何もしてないわよ!」
女性「痴女した人はみんなそう言うのよ。おとなしく着いてきなさい」
電車の中を見ると痴女をされたと思われるおじさんにその同僚と思しき人が話しかけていた。
同僚「大丈夫か?」
おじさん「あぁ、怖かったけどなんとかな。」
殊勝に応えてはいたが涙声で足は恐怖で少し震えているようだった。
上司「俺たちもああならないように気をつけないとな」
男「そうですね。されたことはないですけどやっぱり怖いですもんね」
一方男の後ろに並んでいた女子高生たちは、
JK1「うわぁ、やっちゃってるじゃん。でもあのおじさんもあんなエロい格好してたら仕方ないよねぇ。うちも魔が差してやっちゃうかも」
JK2「だからってやらないでよ?私も庇いきれないよ」
JK1「やらないわよ。でも今日のおかずは痴女物かなぁ」
拙い文章でアレですが例えばこんな感じはいかがでしょうか? 恥辱庵的な男女立場服装逆転+男だけ年齢退行モノも見てみたい >>725
いいなぁ! ありがとう!
別のパターンも見てみたい。
>>724
同年代逆転もいいんだけど、供給は少ないよね。
自分が書くなら年齢差コミの逆転になるんだけど。 おっさんと女子が多いが、個人的には美熟女と男子の逆転が好き
セクシーな色気たっぷりの熟女が短パンタンクトップで鼻水たらしながら遊びまくったり立ちションしたりエロ本拾ったり 夕飯の支度を終えた息子が呼びに行くとエロ本片手にオナニーの真っ最中な母親 年齢差があるとリアリティがないからなあ(男女逆転の時点でアレだが)
その場合幼児と老人はどうなるかというところが無視されがちだからモヤっとする >>730
たしかに幼児とか老人の扱いは難しいですね
例えば>>723のネタだと老人になるとロリ・ショタ的な扱いをされるのかとか元々思いついたネタと外れる部分を考えるのが結構難しい
自分はとりあえず1ネタ思いついたら設定とかあまり決めずに思いつくままに書いちゃうので元々思いついた所から離れたキャラの扱いに困って続いてないのが溜まっちゃってます 女装や女性化は専門の小説サイトあるけど、あべこべ世界妄想はまだ専門のBBSやサイトないな
もし俺が男女立場服装逆転に行ったら、こっちでいう腐女子みたいな嗜好かも ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています