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0001名無しさん@ピンキー2016/02/13(土) 12:36:34.15ID:P5MOE7O9
語るも良し!エロパロ書くも良し!
ガンダムの娘ッ子どもで妄想が膨らむ奴は集え!

ガンダム以外の富野作品やGジェネ、ガンダムの世界観を使った二次創作もとりあえず可!
で、SSは随時絶賛募集中!

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ガンダムヒロインズ MARK ]X
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ガンダムビルドファイターズでエロパロ
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0184名無しさん@ピンキー2018/01/20(土) 19:09:27.86ID:uUbThqr6
ルー・ルカの髪コキみたい!!
0186フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:31:50.64ID:pVlbX2Og
「さて、――仕上げですね」
 多数のモニター群が一面の壁を埋め尽くす密室。そこに余すところなく映し出されているのは、エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》艦内の各所だ。
 通常であればここは、艦内の保安警備要員によって操作されるべき場所に思える。
 しかし今それらのモニターを見つめているのは、ジャカルタ本来の保安警備要員ではない。
 ここにいるのは、思い思いの姿勢を取ったMS隊のパイロットたち――それも、全員が若く美しい女性たちだった。
 そもそもこの部屋自体が正規の《アイリッシュ》級戦艦の規格に含まれておらず、艦内図にも載せられていない。
 ここはジャカルタ乗員の中でもごく一部の限られた者たちだけが存在を知る、言うなれば秘密の小部屋であった。
「あらあら、メイヴ。またリアンナの悪い癖ですか」
 真っ直ぐの豪奢な金髪を靡かせながら呟いて、華やかな影が室内前方をすうっと過ぎる。
 均整の取れた肢体に豊満な甘みを宿した美女は、画面群の一室に蠢く二人の影を眺めて悪戯っぽく微笑んだ。
 二つ連なった画面には、ブラジャーを掴んだままプルプル震える旧ジオン公国軍パイロットスーツ姿の巨漢と、
その磨り硝子のドアひとつ隔てた向こう側で気持ちよさそうにシャワーを浴びる童顔の巨乳美少女が映し出されている。
「――彼女が志願してくれたおかげで、我々は《ルスラン・フリート》と交渉するための『裏口』を容易に入手できます。
 リアンナの奇矯な趣味も、今回ばかりは我々の利にかなうということですよ、ルチア」
 室内後方のコンソールに付いていた、メイヴと呼ばれた褐色の女性が口を開いた。
 その胸元は慎ましやかだが、すらりとした群を抜くほどの長身と、南方系の涼やかな美貌は同じく目を引く。
 メイヴは何の感情を見せることもないまま、ただ画面群をじっと見ている。
 いずれ劣らぬ美女美少女たちの中、輝くばかりの金髪に豊満な女体を併せ持って正面に立つルチアと、黒髪黒肌にすらりとした長身で陰に控えるメイヴ。
 二人の美女はさながら、ジャカルタMS隊に輝く太陽と月である。
 寡黙で感情と存在感を表に出すことは少なくとも、彼女ら一党の背後で必要な動きをことごとく掌握しては細やかにこなすメイヴが、
半ば畏敬を込めて『メイド長』と渾名されているのも、至極もっともな説得力があることだった。
 そしてメイヴが『メイド長』なら、ルチアはたとえ直接にそう呼ばれることはなくとも、間違いなく『第一夫人』だった。
 この一室に集う女たちの間で、その序列は鮮烈に刻みつけられている。
 ジャカルタ軍医を兼務する第二小隊パイロット、シャノン・ヒュバート少尉はそんな二人を視界の隅に留めつつも、画面の中で沈痛な面持ちのまま通路を流れていく戦友、マイン・ハフナー少尉を追っていた。
 マインは二人の舎弟を従えてエゥーゴに参じた、旧ルウム宙域の鉱山衛星出身の荒くれ者だ。
 顔立ちは整ってはいるがとにかく目つきと態度が悪く、それでいていっそ下品なほどに乳房は大きい。
 ルチアの豊満なバストをも上回るそのインパクトで、艦内の男たちから下賤な話題を一身に集めていたのがマインだ。
 もっともそんな軽口が本人の耳に入れば、胸倉を掴み挙げられ、物陰へ連れ込まれて痛い目に遭わされることになっただろうが。
 そんな彼女は先日のMS戦で、自機のコクピットを敵機のビームサーベルに貫かれた。
 機体の誘爆こそ免れたものの、リニアシートを含むコクピット主要部は完全に蒸発。通常であれば金髪の爆乳美女の肉体は、メガ粒子の奔流の中で骨も残さず塵に還っていただろう。
 だが、そうはならなかった。
 マインに秘められたとある特殊な因子の発動が、彼女の肉体と生命を、ガンダリウムγ合金すら蒸発させる超高熱の中で守り抜いたのだ。
 そして、その反動で彼女は発情し――嫌ってさえいた男に自ら懇願して処女を貫かれ、さらに想像を超える快楽の絶頂で、その膣内へと大量の射精を受け止めた。
 シャノンはその情事の一部始終を観察し、記録し、分析していた。何の感情もなく、ただ淡々と――その事後の状況も含めて。それが彼女の使命だからだ。
 そんなシャノンの柳眉が、ぴくりと動く。薄い唇が言葉を紡いだ。
「ん、……あの連邦制服の少尉、――見ない顔ですね」
 マインの行く手でジャカルタの男性士官二人に絡まれていた、長い赤髪の少女だ。連邦軍士官制服を着ている。彼女もまた、この部屋に集った女たちに劣らぬほどの美貌を備えていた。
 マインは男たちから彼女を助けて連れ出し、二人はそのままリフトグリップで流れていく。
0187フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:32:22.34ID:pVlbX2Og
「確かにそうですね、シャノン。密航者? ――いや、……」
 言いながら端末を操り、メイヴはMS格納庫を拡大する。満身創痍で収容されたジオン残党MS三機のうち、コクピット内にパイロットを残すのは一機だけになっていた。
 電話を取って現場の整備兵に聞いてみれば、ドラッツェのパイロットがどうも腹の具合を悪くしたという。
 そして少し目を離した間に、マインと謎の少女士官は意気投合したらしかった。二人揃って再びリフトグリップを握り、進路を変えながら移動していく。
 その二人が向かう先に、リアンナの居室はあった。メイヴはひとり得心し、静かに頷く。
「――なるほど。繋がりましたね」
「どうしますか?」
 話の流れを読んだシャノンが、素直にメイヴへ質問を投げる。
 保護したジオン残党兵の少佐を色仕掛けで落とす、などというリアンナの計画は馬鹿馬鹿しくなるような代物ではある。
 だがその手の技能は彼女の十八番でもあり、また古典的なだけに一定の効果は確実に期待できる手段だ。
 ここで邪魔を入れられるのは、決して面白い話ではない。
 さて、どうするか――
 ルチアの口元に不敵な笑みが浮かんでくるのを横目に、シャノンはふっと息を吐いた。
0188フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:33:51.49ID:pVlbX2Og
「ふふ、おじさま。いいお湯でしたわ――」
「は、はおっ。はおおおおおーーーッッ!!」
 剥き出しの肩から湯気を溢れさせながら、栗毛の美少女は禿頭の巨漢を狙って迫り来る。
 幼ささえ感じさせる肢体へアンバランスに、そして豊かに実った胸元の果実がふたつ、歩を進めるたびたわわに揺れる。
 白い肌を湯上がりの熱に火照らせながら、無防備な女体にバスタオルひとつ巻き付けて迫り来るリアンナへ、ドッツィは両手を振り回しながら悲痛に叫んだ。
「あ、アカン!! 頼む、服着て! 後生やから!! まず服着てや!! 湯冷めして、風邪っ! 風邪引いてまう!!」
「あら? おじさまの方こそ、殿方の大切な部分が、こんなに大きく熱くなってしまっておりますわよ。
 いけませんわ、お風邪を召されてしまわれたのではなくて? ああん……早く、何とかしませんと……」
 リアンナは蠱惑的な視線を向けつつ、今やノーマルスーツの上からもその存在を確認できるほどに堅く盛り上がったドッツィの巨砲に舌をなめずる。
 互いに息のかかる距離まで追いつめ、そっと手を伸ばしてきた。
「ハオーーーッ!!」
「あぁんっ!?」
 蛇に睨まれた蛙と化したドッツィは、それでもその手を跳ね除けた。声を絞り出しながら、迫る少女を押しとどめる。
「あ、アカン! アカン……こ、こんな、会うたばっかりのオッサンに、いきなり……いきなりは、アカンっ。
 あのな。お、女の子は、もっと、自分を大切にせなアカン……!! せ、せやないと。せやないとな……」
「くすくす。そうでないと、――どうなりますの?」
「……せ、せやない、と――」
 そうリアンナが問うた瞬間、風が揺れた。
 巨獣のごとき身のこなしで跳躍するや、ドッツィは瞬時に少女を壁際へ組み伏していた。巧みに関節を極めて完全に動きを封じ、彼女の死命を制する位置を確保している。
 ドッツィはその耳元から、今までの狼狽具合が嘘のようにドスの利いた声を吹き込んだ。
「世の中、まともな男ばっかやあらへん。――何されてまうか、わからへんのやで」
「あら、あら。うふふ――」
「一年戦争の時分、ワシは地球方面軍におった」
 腹の奥底深くで澱のように溜まった、決して溶け出すことのない何かを搾り出そうとするかのようにドッツィは言った。
「北米や。荒れ果てた戦場で生きる術をなくした地元の女の子が無理に稼ごうとして、荒んだ兵隊にほんまに惨い目に遭わされるところも、嫌っちゅうほどなんべんも見たわ」
0189フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:34:38.53ID:pVlbX2Og
 乾いた大地に広がる爆撃の瓦礫。コロニー落としが遙か高空まで巻き上げた塵に覆われ、晴れることのない曇天。
 HLVから荒野に降り立つ軍靴。故郷を遠く離れた地球の重力、コロニーの人工環境とはかけ離れた荒れ狂う天候に戸惑う公国兵たち。
 敵地。
 ゲリラ化した連邦軍の残存部隊と、市民に溶け込む地元民兵の抵抗。突然の狙撃で倒れる戦友、脈絡なく炸裂する仕掛け爆弾で消し飛ぶ車列。見えない敵が神経を苛む。
 自宅も家族も失い、焼け出された少女たちが夜の街頭に立つ。傷ついたジオン兵たちへ向けられる、強ばりを隠しきれない笑顔。兵士たちに誘われ、一人二人と連れ立っては闇に消えていく。
 そして風の冷え切った夜明け頃にもまだ、路傍に姿を留める少女たちがいた。
 ある者は廃屋に高く吊され、またある者は裏路地に捨てられたまま冷たくなって。
 大地へコロニーを落とした侵略者に媚びる売女。もしくは物陰から自分たちをつけ狙い、情報を聞き出すゲリラの一味。
 あるいは、理由など何でも良かったのかもしれない。弱く孤立して狙いやすく、壊して楽しい手頃な獲物でありさえすれば。
 そうして少女たちを殺し続けていた自軍兵士のひとりを、かつてドッツィは追いつめた。銃撃戦の末に横たわった彼の死に顔は、まだ幼くあどけない少年のそれだった。
 戦場という状況の巨大さを前にして、たかが一士官に出来ることなど何もなかった。だからただ、彼はそれを見ていた。その狂気に呑まれぬよう、必死に自分を保ちながら。
0190フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:36:22.29ID:pVlbX2Og
「――せやから、な。後生やから、そういうの、やめや」
 無重力ゆえドッツィの巨体に伸し掛かられても、リアンナがその体重そのものに圧されることはない。それでも彼女は必殺の位置を取られたまま、身じろぎひとつも出来ずにいる。
「あら。私、殿方に無体に嬲られるのは、慣れておりましてよ?」
 そしてリアンナは、にっこり微笑んで話し始めた。
「だって私、もとから箱入りの性奴隷でしたもの」
「――は?」
 居室の窓から覗く暗礁宙域。一面に漂うスペース・コロニーのデブリ雲から照り返す月光の下で、リアンナは今までと寸分変わらぬ笑みを浮かべていた。
「宇宙移民から一代でのし上がった、立志伝中の実業家。彼が自身の欲望を満たし、そして権力者たちの欲望までをも抱き込んで己の権勢を拡大するために築いた、最高級の性奉仕に勤める少女たちを箱詰めで育てる学園。物心付いた頃には私、もうそこにおりましたの」
0191フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:13.96ID:pVlbX2Og
 すえた臭いの広がる、コロニー内の裏通り。ゴミ箱を漁る幼い孤児たち。
 その一人の幼女の腕を、不意に男が高く引きずり上げた。汚れた顔を値踏みするようにまじまじと見て、合格、と呟いてニヤリと笑う。
 彼女が男にそのまま荷物のようにエレカの荷台へ放り込まれても、気にする者は誰もいなかった。そういう場所だった。
『学園』へと拾われてから、少女の生活は一変した。
 清潔な衣服、温かい食事と寝床。まだ両親が生きていたときですら、これほどの贅沢は味わえなかった。
 洗練された知的な女性を育て上げるための、充実した教育。各種の学問、高度な礼儀作法――そして大人たちと密室で肌を合わせて喜ばせるための、様々な技術と実践。
 それらの中でも何より重視されたのは、『先生』の偉大さだった。
『先生』と呼ばれる創業者にして学園創始者がどれほど慈悲深く、学園へ集められた少女たちにとって、心より深く感謝しなければならない絶対の存在であるか。
 幼い心へ無条件に刷り込まれた絶対の忠誠の中で、『先生』から『夕食会』に呼ばれることは少女たちにとって最大の名誉であり幸福であり、彼女たち自身の序列を決定するものだった。
『夕食会』の相手は『先生』本人ではないことも多かったが、『先生』が選んで示した相手を全力で喜ばせることも、また少女たちにとって無上の喜びであるとされていた。
 たとえ夕食会の夜を共にした大人から、どれほどの苦痛と暴力を恐怖とともに刻みつけられるとしても。
 夕食会に連れ出されたまま二度と帰らず、そのまま存在そのものを消される少女たちがいても。
 ここは変だよ――そう言った少女がいた。
 何がきっかけだっただろうか、その頃に仲良くなった少女だ。心の底からは周囲に馴染めなかった少女に、初めて出来た友達。そう。友達、だった。
 大人たちが近くにいない時、彼女はいつも学園の外の世界の話をしていた。決して越えられない学園の壁の向こう、もう戻れない世界の話を。
 そして初めて呼ばれた『夕食会』の後、二人だけになったとき彼女は泣き出し、少女の手を強く掴んでそう言い出したのだ。
 ――逃げよう。
 だが少女は、彼女のその手を握り返せなかった。
 泣いた彼女は、その翌日に姿を消した。
 人づての噂で『再教育』と称して、校舎や寮から遠く離れた建物の一室へ閉じこめられたとも聞いた。学園を囲む森の中で、野犬のように殺されたとも。
 真相は分からないままだ。
 少女の隣にぽっかり空白を残したまま、何事もなかったように、日々は続いていく。
 繰り返される夕食会。全身を這い回る舌と手。打擲。首を締め上げる手。薄れる意識。侵入と汚濁。



「でも、――そんな日々は突然に終わりましたの。あの日。U.C.0079、1月15日――」
0192フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:51.92ID:pVlbX2Og
 ルウム戦役。
 艦隊戦が始まる前からすべてを呑み込んでいた大混乱の中、本社からの連絡も途絶して、ただ右往左往する学園の教師たち。
 理事長ら学園幹部はお気に入りの少女たちを連れて、とうの昔にコロニーから逃げ出していたらしかった。残されたのはコネも権限のない、見捨てられた大人たち。
 そして教師たちからの指示なしでは自ら避難することすら出来ず、ただ呆然とコロニーの河から見える光の瞬きを見上げることしかできない少女たち。
 そんな箱庭の世界を貫く、巨大な火柱。コロニーの外壁を撃ち抜いたメガ粒子砲の火線だ。吸い出されていく空気に、遠く離れていても学園の木々がざわつき、あざ笑うように窓が鳴る。
 戦闘中にも関わらず破孔を塞ごうと、コロニー公社の作業ポッド群が必死に作業するのも間に合わないまま、艦砲射撃はなおもコロニーへ弾着し続け、その一弾がついに学園の本部校舎を直撃した。
 孤児だった少女をこの学園に拾い上げて衣食住と教育を与え、何度となく性の奉仕を求めて幼い心身を貪り、外の世界での自由を求めた少女たちを厳しく罰してきた大人たちは、灼熱の劫火に焼かれて一瞬にして塵に帰った。
 今までずっと手足を、そして魂までをも戒めていた、見えない枷が燃え尽きたことを少女は知った。
 そして風が激しさを増した空を見上げたとき、少女は破孔の先で宇宙に浮かぶ単眼の巨人を見た。
 肩に負った重厚な砲身を彼女へ向けて身構える、緑色の機体。その力強く神々しいまでの美しさに、ああ、そうか、と少女は悟った。
 やはり『先生』よりも偉大な『神様』は、この世に在るのだ。
 MS-06C《ザクU》はコロニー外壁に開いた破孔を精確に狙い、ザク・バズーカから280mm径の核砲弾を発射した。
 箱庭は消えた。
 同じ軌道でその日同じように燃え尽きた、二十億の人間と同じように。
0193フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:38:57.49ID:pVlbX2Og
「ジオンのザクは、私の解放者でしたわ」
 華やかな満面の笑みを浮かべ、リアンナは恍惚と語る。
「ジオン軍はあの腐りきった世界を焼き払って、私を解き放ってくださいましたの。――そうして世界の汚れた半分を焼き滅ぼした後も、おじさまは戦い続けた。
 やがてザビ家の公国が敗れても、連邦が放った無数の追っ手を討ち平らげながら、絶えることのない戦いの中を生き延びてきた……」
 ドッツィに手足を戒められたまま、リアンナは唇に舌をなめずる。獲物を狙う蛇のように。
「あの破壊と殺戮と闘争の中で、極限まで研ぎ澄まされてきた戦士の魂が放つ、溢れんほどの生命力。私は何よりも、それが欲しいんですの。
 金と権力だけが取り柄の、薄っぺらな男たちとは違う――あの戦争に磨き抜かれた本物の『男』だけが持つ力と欲望を、……私のいちばん奥に刻みつけて、……私を完全に、壊してほしいんですの……」
「…………」
「おじさまなら、今の私を壊してくれる。そのためでしたら私、何でもいたしますの。何をされても、構いませんわ……――おじさま?」
「すまんな」
 くすくすと笑うリアンナの四肢を戒める力が、不意に緩んだ。それと同時に、ドッツィの巨体が彼女に重なる。リアンナを力強く抱きしめていた。
 ようやく、始まる――今まで何度となく重ねてきた、しかし待ち望み続けてきた初めての情事を思って微笑みかけたリアンナの耳に、耳慣れない音が聞こえた。
 それは巨漢が全身を震わせて泣きむせぶ、嗚咽だった。
「すまんなあ、――すまんなあ。ワシら大人が、不甲斐ないばっかりに。お嬢ちゃんみたいな子らに、……えろう辛い思いばっかりさせてもうて……」
 言葉を何度も詰まらせながら、ドッツィはリアンナをその腕の中へと抱きすくめる。
「辛かったやろ。怖かったやろ。堪忍な。堪忍してや、……ほんまに、すまんなあ……」
「……おじさま? 嫌ですわ。私、辛いことなんか、何も、……何も――」
 言葉のやりとりは、そこで止まった。
 身動きも出来ないまま、ただドッツィの嗚咽と互いの呼吸と心音を聞くだけの時間が流れる中でリアンナは不意に、その懐かしい感覚に気づいた。
 ずっと遠い昔。まだ彼女が物心つく前に死に別れた――父親の、記憶。
 学園で過ごした日々も、その後の八年間も、一度も得られることのなかったもの。
 啜り泣くドッツィの腕の中、その懐かしく暖かな温もりのなかで、リアンナは戸惑う。巨体を押しのける力もなく、何よりもその意志が出ないことに。
 そんな彼女たちの頭上に、間の抜けた呼び鈴が鳴る。
 最初の一度から少し間を置き、続けて何度も。
 それでも二人がそのまま動けずにいると、異常に強烈な金属質の打撃音が、二人の背後――部屋のドアから響きわたった。
0194フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:41:23.94ID:pVlbX2Og
「オラァーーーッ!! 出てこいリアンナァァァーーーッ!!」
 ガゴーン! ガゴーン! と戦艦ジャカルタ居住区の回廊に炸裂する、工事現場のごとき破壊的騒音。
 その正体は長身の金髪爆乳美女が鉄パイプを振り上げて繰り出す、異様に腰の入った強烈無比なフルスイングだ。一撃ごとに火花が飛び散り、頑丈そうなドアが凹む。とんでもない腕力だった。
「居留守ブッこいてんじゃねぇぞオラァ! いるのは分かってんだよ! 観念しやがれ、出てこいリアンナッ!!」
「ご、後生やから止めてっ、止めてや姐さん! なんか、ウチが思ってたんと違う!! こんなん、ポリが! ポリスメンが出てきてまうッ!!」
「じゃかぁしぃッ、何がポリだ! ポリ公で済むならエゥーゴは要らねェんだよ!! あたしは今最高にムカついてんだ!
 オラァ、いつまでも暢気にシカトぶっこいてんじゃねぇぞリアンナァ!!」
「あ、ああ……っ、あああああ、あああああああ〜〜〜!!」
 自信満々の態度で、目指すこの部屋までデティを導いてきたマイン。
 彼女は秘密の合鍵を持っているなり、あるいは巧みに交渉するなり、いずれにせよもっとソフトでスマートな方法を用意しているものとばかりデティは想像していた。
 だが今のデティはあまりに原始的かつ衝撃的な光景を前に、もはや為すすべもなくか弱い乙女となって立ち竦むだけだった。
 到着当初に数回ほど呼び鈴で穏便に呼びかけた後、内側からの反応なしと見るや、マインはどこからともなく取り出した謎の鉄パイプで猛然と破壊工作を開始したのだ。
 デティが止めに入れる暇など、無かった。
(終わった)
 極めて的確に現状を把握しながら、さりとてもはやデティに出来ることは何もなかった。
 下手をすれば、いやしなくとも、もはや現状は既に艦内破壊工作である。こうなれば破壊工作共犯の罪状までは被るとしても、当初の目的であったドッツィの救出だけは完遂するしかない。
 というか本当にもう、それ以外にない。
 ここまで来ればデティとしては運を天に任せて、マインが扉をこじ開けてくれるのを待つほか無いのだった。
 今はただ、せめて艦のMP(ミリポリ)が殺到する前に、ドアが叩き壊されることを祈るのみ――
「ドラアアァーッ、――おおおッ!?」
 その猛然と乱打していたマインが鉄パイプを振り上げたきり、突如として破壊の手を止めた。
 ドアが開いたのだ。
 打撃でフレームが歪んでいたためかドアはレールの途中で止まったが、とにかく人が通るには十分だった。
「あっ、兄ィーーーッ!!」
「ケッ、手こずらせやがってっ」
 デティは思わず叫びながら、それでも咄嗟に室内へ飛び込んでいた。マインも悪態を吐き捨てながらそれを追う。
「――ひッ……きゃっ、きゃあああああーーーっ!!」
「おい、どうしたデティ――おおッ!?」
 そして真っ先に飛び込んだデティは、絹を裂くような悲鳴を上げて立ちすくんだ。瞬時に沸騰するように真っ赤になった顔面の前を両手で隠す。
 追ったマインが何事かと見れば窓の下、全裸のリアンナを禿頭巨漢の中年男性ジオン兵が組み敷いていた。
 どう見ても強制性交罪による現行犯逮捕待ったなしの事案だったが、ドッツィはなぜか赤く泣き腫らした顔をしており、リアンナの方も涙の粒を浮かべたまま、狐に摘まれたような顔で二人の乱入者を見ている。
「あ、あの、ど……どちらさん、ですやろか……?」
 鉄パイプを肩に背負って睨みつけてくる凶暴そうな金髪の長身爆乳美女と、きゃあきゃあと叫びながら赤い長髪を振り乱して恥じらうだけの、見慣れない連邦軍士官の美少女。
 いずれとも面識のないドッツィは、すわ美人局ヤクザの襲撃かと身構えつつも、美しい娘二人の微妙な場違い感と『らしくなさ』に気圧され、リアンナを守るように抱きしめたままその場に竦む。
 そんなドッツィの戸惑いをよそに、リアンナが平然とした口調で問いかけた。
「――あら? マインさん。どうされましたの? ずいぶん乱暴なノックですこと」
「うるせえよ。お前のお目当てのオッサンの子分が、兄貴を助けてくれってうるせえからよ。ちいっと手伝いにきてやったのよ」
「あ……っ、あ、兄ぃ……な、なんも、されとらへん? え、……えっちぃなこと、……まだ、なんも……されとらへん……?」
 マインに紹介されながら、しかしデティはまだ両手を顔の前にかざしたままで、あられもない二人の現状を直視できずにいる。
0195フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:42:34.33ID:pVlbX2Og
「え……? お、……おまえ、まさか、デティ、……か……?」
「あ、……あううぅ……っ……」
 ドッツィの目の前に現れた気弱でいっそ儚げな美少女と、命知らずの義兄弟の印象はまったくと言っていいほど一致しない。
 しかしよくよく見てみれば、その顔立ちは確かにデティのような――
「あああああーーーっ!!」
 まじまじと見つめられたデティは内股でもじもじした挙げ句、急に奇声を発して近くのトイレへ飛び込んだ。
 呆気に取られた一同が見守る中、ガタガタと狭い空間で暴れるような騒々しい音がしばらく響き、やがて再びドアが開く。
「フッ、……ハハハハハッ! 待たしたな兄ィ! デティ・コイヤー参上や! 助けに来たでぇッ!!」
 そして勢いよく飛び出てきたのは、ドッツィと同じジオン軍パイロットスーツ姿の美少年――デティ・コイヤー軍曹だった。ビシイッ、とリアンナの顔面を力強く指さして挑発する。
「もう大丈夫やで兄ィ! このワシが来たからには、もはや淫乱ロリ乳クソ雌ビッチ風情の好きにはさせへんで!!」
「おおおおお……? おい、デティ……お前ってこっちの、……こういうのが素なの……?」
 今までの気弱さが嘘のような豹変ぶりにマインは一瞬戸惑ったものの、すぐにただただ感心し、その豊かな胸を持ち上げるように腕組みした。
「ヘッ、やるじゃねぇか……お前、なかなかの役者だな。気に入ったぜ!」
「おう、世話になったわ姐さん!! ほんじゃあの、ビッチ姉ちゃん。うちの兄ィは返してもらうで!」
 二人の闖入者は互いにニヤリと笑い、サムズアップを交わし合う。
 置いていかれたままのドッツィはぐいぐい押し込んでくるデティ相手に、それでも必死に説明を試みようと口を開いた。
「お、おい、デティ。なんかいろいろ誤解しとらへんか? ちゃうねんで。この子はな、シェンノート少尉はな――」
「結構ですわ」
 だがドッツィが試みようとした弁明を、リアンナが横からぴしゃりと断ち切った。にべもない口調で、誰とも視線を合わせずにデティへ続ける。
「残党軍の方ですのね? お望みでしたら、このまま連れ帰ってくださいまし」
「ぬっ……?」
「おい。いいのかよリアンナ?」
 どこか拍子抜けしたように怪訝に睨むデティの脇で、リアンナの執着を知るマインが質しても、彼女の態度は変わらなかった。
「ええ、結構ですわ。興醒めですもの。私――もう、その方には興味ありませんの」
 ドッツィから解放されて立ち上がるや、リアンナは髪をいつものポニーテールにまとめていく。
「しょ、少尉!」
 その裸身をかろうじて隠すバスタオルが剥がれ落ちそうになるのを、ドッツィが慌てて押しつける。
 だがリアンナはそれにも興味なさそうに受け取るだけで、淡々と着替えの下着を取り出しにかかりながら言い捨てた。
「お返ししますわ。お引き取りくださいまし」
「少尉……」
「はっ、そうかよ。そりゃあ良かったな。お前の吠え面が見れただけでも、あたしは今夜の飯がうまいぜ」
 何か言いたげなドッツィをよそに、マインは機嫌良さそうに笑ってみせた。デティの肩をばんと力強く叩く。
「良かったじゃねぇかデティ。お前の大事なおっさんは傷物にされずに済んだってよ」
「おおきにな姐さん! ほな、兄ィ。行くで!」
 リアンナの知己らしいエゥーゴの爆乳美女と親しげに渡り合いながら、デティは未だ状況へ追いつけないままでいるドッツィの手を取った。
「い、いや、行く言うてもなデティ。人様の艦で勝手に、どこ行くいうねん――」
0196フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:43:29.86ID:pVlbX2Og
「あ、あの――」
「ん?」
 そのとき半開きのドアから、室内へと新たに声が掛けられた。
 立っていたのは赤毛を後ろで短く一本に括った、エゥーゴ制服の少女だった。
 リアンナほどではないが小柄で、その胸元は慎ましやか。マインやリアンナのような華やかさには恵まれずとも、素朴な清純さがある可愛らしい少女だった。
 おずおずと小動物のように室内を覗き込んでいる。
「あぁ? なんだケイティ。お前、何しに来た」
「は、ハフナー少尉……」
 マインから苛立たしげにその名を呼ばれて、可憐な少女はひっとその場に立ち竦んだ。それでも勇気を振り絞るように室内へ入ると、ケイティはドッツィへ向き直った。
「ど、ドッツィ・タールネン少佐と、お連れの方でいらっしゃいますね……? 本艦第二MS小隊所属、ケイティ・ブラウン伍長と申します。本艦MS隊長、ベリヤ・ロストフ大尉より伝言です」
「!」
 その名にマインの肩がぴくん、と跳ねるのも構わず、ケイティは恭しく続けた。
「たいへん申し訳ございません。お部屋の手配に手違いがございました。新しいお部屋をご用意させていただきましたので、そちらにご案内させていただきます」
「さ、さいでっか……え、えらいとこに来てもうて、すまんのう……」
「おう、大儀じゃのう」
 常識人然とした少女を混沌とした状況で迎えて申し訳なさげに答えるドッツィをよそに、デティは腕組みしながらさも偉そうにふんぞり返る。
 そんな二人に苦笑しながらも、ケイティは次に視線をマインへ移した。
「あ、あははははは……それと、――ハフナー少尉。今の体調と、その、ドアの件で……隊長のところまで、私と来ていただけますか」
「――あん?」
 マインは恐ろしげな表情でケイティを睨みつけたが、少女はその圧力をぐっと堪えた。しばらくガンを飛ばしたのち、マインは舌打ちして自身の金髪をくしゃくしゃとかき回した。
「あー……、ちっ。わーったよ。いいぜ、野郎の面ァ拝みに行ってやる。ちょうどスッキリしたとこだしな――あたしもいろいろ言ってやりたいことがある。ありがとよ、デティ」
「姐さん……! なんや、出入りか? 大丈夫なんか! 加勢しよか!?」
「バーカ、要らねえよ」
 マインはさっぱりとケイティへ答えると、肩を回しながら血気盛んに詰め寄る、もはや誰の舎弟なのかもよく分からなくなってきたデティを軽くいなして笑った。
「だがありがとよ、お前のおかげで元気が出たぜ。オッサンもこれに懲りたら、もう悪い女に引っかかんなよ。また後でな!」
「お、おう……」
「で、では皆様、こちらへ……私がご案内いたします。シェンノート少尉、失礼します」
 わいわい騒ぎながら狭いドアから一人ずつ退出していくと、闖入者たちの気配はすぐに遠のいた。
 遠隔操作でドアを閉めきり、再び一人だけになった自室の中で、リアンナはベッドにうずくまりながら、監視カメラの死角で小さく呟く。
「――おじさま」
 ドッツィの匂いと体温がわずかに残るバスタオルを裸身に強く抱きしめながら、リアンナはそっと瞼を閉じた。
0199フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:28:59.03ID:m6ukO6us
pixivに書いた作品を投下します。
この板の他スレで書いてる作品が完結してないのが申し訳ないのですが見守ってやって下さい。

ガンダムOOのマリナがガンダムファイターになっている話です。
細かい設定としては、人が住むコロニーは存在せずあくまでも人は地球にのみ住んでいます。
つまり、ジャパンはあってもネオジャパンはないという状態です。
0200マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:35:44.29ID:m6ukO6us
個人的な話ですが、スマホのメール機能が不調でそこにあった保存データを取り出せなくなったので、pixivの作品編集ページから直にコピペします。
時間かかってしまいすいません。


世界各国で長年病のように続いた戦争が4年に一度行われる新たな制度「ガンダムファイト」によって終わりを告げた。
初回の今年、2307年は中東の国家アザディスタンも同様にエントリー。

更にその代表は皇女であるマリナ・イスマイール。
雅で大人しい彼女が格闘家=ガンダムファイターになるギャップに誰もが驚いた。
しかし、彼女は10代の時に親の英才教育の一環として始めた槍と弓の分野でずば抜けた才能を発揮。
だがマリナの興味は昔から続けていた音楽に向けられ、両親を必死に説得しそれらの競技はあっさりと辞めてしまった。
まさかそれが革新的な制度に活かす時が来るとはマリナ本人思ってもみなかった。

「戦い」を徹底して嫌う彼女だが、命を奪うことのないこの「闘い」には自ら名乗りを上げた。
国民の幸せの為にできることに突き進む理念がこのような形で実現しようとしている……

とは言え肉弾戦をしたことのない彼女には基本的にガンダムファイトは不利。
スタンダードな身体捌き、走り込み、筋力トレーニング、最低限の格闘訓練……
それらを行っても基礎的な身体能力では他のファイターに一歩譲る形になる。
巧みな槍術と弓術で数人のファイターを倒してきたのだ。

これは皇女にしてファイターであるマリナとある少年の一日を描いた物語……
0201マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:38:27.49ID:m6ukO6us
「すごい、ガンダムめっちゃデカイ!」
「負けるな、皇女さま!」

ここは、中東のアザディスタンのとある町にある孤児院ーーー
子供達はこぞってテレビに釘付けになっているが、アニメではなくスポーツの特集。
それも、先日ノルウェーで行われたガンダムファイトの映像だ。
まだサバイバルイレブンの段階だがこの手の番組の視聴率は高い。

司会者はテンション高く実況を続けている。

「さあ、始まりました!我れらがノルウェーと中東のアザディスタンとの試合!
我らが代表、広大な炭鉱を有するキルステン・バルグの駈るガンダムブラース
対するはアザディスタンのファイターにして皇女でもある……マリナ・イスマイールの駈るガンダムファーラ!!
一体勝利の女神はどちらに微笑むのか!
ガンダムファイト!レディ……ゴー!!」

ノルウェー代表はハンマーを持つガッシリとした神話のドワーフのようなガンダムブラース……
キルステンは立派な髭を生やした大男。
青銅のような暗いスーツに身を包んだ筋肉質な姿。

対するアザディスタンは、細身の青紫のガンダムファーラ。女性的なしなやかなラインは正に皇女専用と言った趣だ。
画面に映ったその乗り手に子供達は目を奪われた。
皇女にしてファイター……マリナ・イスマイールは長く豊かな黒髪、白い肌、澄んだ水色の目の女性だ。
普段から国の安定や貧困に喘ぐ各地の慰問に力を入れているので、今は眼前の敵を厳しく睨んでいてもその優しいイメージは国民から消えることはない。
格闘家らしからぬのは顔だけではない。
スラリと伸びた手足、ほっそりした胴体。
しかし鍛えられているので程好く引き締まったシルエットと筋肉の切れ込みが青紫のスーツから見える。

テレビの前の女子はその雰囲気に、そして男子は美貌とスタイルに各々釘付けになっていた。
特に、このアクバルという少年は一番目を輝かせている……
彼はやんちゃで孤児院の職員が手を焼いていた。
0202フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:42:16.96ID:m6ukO6us
「行け!皇女さま!!」
「おい、アクバル。落ち着けよ!」

振り上げた腕を友達に退かされても画面に魅入るアクバル。


マリナは右手には槍を構え、走ってくる相手を静かに待ち構えている。

「一撃で勝つ!」

ドワーフ宛らに体格の良いファイターの力強いモーションから繰り出される攻撃。
次の瞬間には皇女の機体の小さな頭部は破損するだろうと思われたが……

「なに?!」

すんでのところで相手を見失い戸惑う。
……次の瞬間

「どこだ!いきなり……あ……」

突如感じる腹部の痛みに仰け反るファイター。
マリナのファーラが持つMFサイズの槍が機体に命中していた。
倒れるキルステン。
瞬時にしゃがみこみ素早い一突きを食らわせたのだ。

「勝者、マリナ・イスマイール選手!」

圧倒的な勝利に驚きと興奮を隠せない子供達。

「すげえ、細いお姉さんが一発で相手を!」
「女性ファイターいるって聞いてたけど、ホントに勝てちゃうなんて、あたしも自信持っちゃったぁ。」
「おまえ、ファイターにはならないだろ。でも速攻で勝っちゃうんだから凄いよなあ!」

口々に感心を表す中、いつもは賑やかなアクバルは興奮のあまり何も語らず、笑みを浮かべて画面のマリナを見つめるだけ。

(す、すげえ……あんなに綺麗で強いなんて……
それに、あのスーツテカっててハッキリとスタイルがわかってそそるよな……)
10歳程の少年の関心事はやはりそこだった。

そこへやってくるシスター達。

「みんなー、今日はお客様が来ておりますよ!さあ、どうぞ。」
0203マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:44:09.67ID:m6ukO6us
「皆さん、こんにちは。マリナ・イスマイールです。」

子供達は呆気に取られた。さっきまでテレビに出ていた姫がここに立っている。
控えめながら雅な佇まい。そしてフランクで優しい笑顔に誰もが目を丸くした。
身に纏うのは流石にあのピッチリスーツではなく、白い上着に紺色の膝丈スカートというシンプルな姿。
職員が企画した子供達への一大サプライズで、話を聞いたマリナはファイトのテレビ放送とタイミングを合わせるというアイディアに戸惑っていたが、子供達の励みになりたいと承諾した。
今日も他の国でファイトをした帰りに寄ったのだ。
孤児院から少し離れた場所に今日だけ置かせてもらっているガンダムを後で子供達に見せるサプライズも用意している。


「え、えーすごい!ホントにマリナ様?」

「信じられない!今テレビ見てたとこだよ?」

皆沸き立って彼女を取り囲む。

「ええ、前回の闘いよね?何だか恥ずかしいわ。でも、皆に元気を少しでも分けられたみたいで良かった……」

はにかみながら談笑を続けるマリナ。
やがて彼女は皆が戦争や犯罪が原因で家族を失っていた話を聞いて慰めたり、得意のピアノ演奏で楽しませたりしていた。
そんな時……

「ターッチ!」

「キャッ……!」

小さな手がマリナの胸を豪快に触った。
やったのはいたずらっ子のアクバル。

「ちょっとアクバルー、皇女様になんてことをー!」
「全くホントにこの子は…!こういう時に……!」

赤面しながらアクバルを戸惑いの目で見続けるマリナ。

「……んーテレビで見たけど、思ってた以上に小さめだなー
ここのシスターさんの方がでかかったぞ?」

「……わ、私は鍛えてるからそんなに大きくならないだけで」

初めて触れられた驚きでスムーズに話せないマリナの代わりにシスターが捕らえようとするが、少年らしい俊敏さで建物を出ていくアクバル。

「小さいけど、柔らかくていい感じ……
鍛えててもやっぱり女の人だな。」

掌を見つめながら広い空地に行くと、彼は一気に目を丸くした。

「これは……あの、マリナ様のガンダム!?」
0204マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:45:37.48ID:m6ukO6us
大木や簡素な滑り台やジャングルジムという日常的な光景の中に一際目立つ鋼の塊が片膝を着いてそこにあった。
さっき皆でテレビで見て盛り上がっていた自国の守り神・ガンダムファーラ。
頭部や腕部、脚部は殆どのガンダム同様に純白。
胴体と肩はマリナが演説や国内各地への訪問時に着ている正装宛らの鮮やかな青紫。
新聞等で見た他国のガンダムよりずっと華奢で格闘用機体というイメージはかなり薄れるが、やはり巨大人型マシンなので間近で見た迫力はかなりのもの。あんぐりと口を開けてしまう。


「……マジか?信じられねえ……あのMFがここにあるなんて……」

グルリと回り様々な角度から機体を鑑賞していくと、男特有のメカへの憧れが刺激される。

「実際に見るとでけえな……ん?」

背中から入る方式なのだろうが、肝心の背中ハッチが少し空いている。まるで入ってくれと言わんばかりの様子。
しかもそこから太いワイヤーが垂れ下がっている。いつもこれで乗り降りしているが、今日は仕舞い忘れたのだろう。
それを見て好奇心と悪戯心に溢れた彼に大人しくするのは無理だ。

「……やってみっか。」

グリップに付いたボタンを押すと背中の位置にスルスルと上がっていく。

「この高さ、何か不思議な感じだな……遊具の上に上がるのとは何か違う。
しかしマリナ様、意外と不用心だな。そこが可愛いか、フフッ。」

綺麗な皇女の「一人部屋」に侵入するようなスリルを持ってにやけながらコクピットに入ると、そこにはテレビで見たのと同様殆ど何もない、しかし真っ暗な空間が広がっていた。
手探りで探し当てた壁のライトを付けると無機質な壁に周囲の見慣れた町の風景が写し出され、天井と床に一つずつ設置されたリングが見えた。

「おー、テレビと同じだ!よく映ってるじゃん!
この高さだと色々イメージ違うなー。絶景かな、ってな。
取り合えずマリナ様ビックリさせたいから待ってるか!」

コクピットの隅にドカッと座る。
0205マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:47:01.08ID:m6ukO6us
それとほぼ時を同じくして、上空には一体の剛健な外観のガンダムが飛んでいた。
メキシコ代表のガンダムスティンガー。手足に付いた複数の棘、サイズは大小様々。
乗っているのは荒れくれ者のバイス・アリアス。元野盗・名うてファイターの一人だ。
180強の身長のガッチリした身体。日に焼けた肌に僅かな顎髭を蓄えている。

「ここか、アザディスタンの姫が来ている場所は。腕が立つようだが叩きのめしてやるぜ!」

掌に拳を当てて意気込む。彼は元野盗だけあり、手段を選ばず卑怯で荒っぽい戦術を好むファイター。
自国からも色々問題視されているが一番の適任者ということで御上が目を瞑っているのが現実。

何人かの柄の悪い男達が町の至る場所から出て来て旗を振っている。

「バイスの兄貴ー待ってましたぜ!」

「よお、お前ら!ん、あそこにあるじゃねえか。ターゲットのガンダム。暢気なものだぜ。」

ファーラを見つけると重々しい音を立てて降り立つ機体。
駆け寄ってくる柄の悪い男達。
彼らはバイスの盗賊時代の手下で、彼の為に暗躍する時がある。正にどこまでもダーティーなファイターだ。

「おい!皇女のファイターはあんただな!俺はメキシコのバイス・アリアスだ。
ファイトを始めようぜ!」

アクバルはその大声に驚きスクリーンに映る仁王立ちするガンダムに度肝を抜かれる。
しかも手下達がライフルを持ってこちらや近隣の建物を脅すような素振りを見せている。
やんちゃなアクバルも普通の子供。犯罪者や荒くれ者には耐性なんてなく、出るに出られない。
0206マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:49:57.47ID:m6ukO6us
「やばい、どうしよう……てかここで降りても危ねえし。
そういや、あの機体前に中継で見たけど、結構おっかない奴だったような……手下も従えてるし……
早く帰ってきてくれーマリナ様……」

しゃがみこんで怯えるのも無理はない。勝つために民間人を盾にしようとしたこともある極悪非道な相手だ。
近隣の住民も震えて黙り混んだり隠れたりしている。

「私に用!?」

そこに聞き覚えのある女性の声がして顔を上げる。
周りの連中も一斉にその方向を向いた[newpage]
「え……本当に来た……?」
「随分騒がしいわ。あなたの相手は私だけでいいでしょう。場所を変えましょう、ここにいる皆さんの迷惑になるし。」

そこにいたのは誰もが待っていたマリナ・イスマイールだ。服はあの時と全く同じだがファイトの時に見せた厳しい表情で強靭なガンダムと周りの犯罪者を睨んでいる。

「よく来たな、姫さん。でも、俺は人に従いたくねえんだ。俺が態々来たんだし、どうしてもってんなら上空でやり合おうぜ?
……その前にこいつらでウォーミングアップだ!やっちまえ、お前ら!!」

彼の一声で一斉にライフルをぶっぱなす男達。

「あぶね、マリナ様……って……アレ?」

アクバルの心配は無用だった。しなやかな動きで銃弾のパレードを避けると、男達を一人ずつ殴り、蹴り、投げ飛ばし全員をのしてしまった。

「いいぞ、姫!やっぱり、生身でも凄いんだ!……」

「……あっさり倒すとは……あいつらファイター程じゃねえが相当強いってのに……
やっぱ本物のファイターには勝てねえのか……」

「あなた、国の代表として恥ずかしくないの?」

「勝てりゃいいのさ!早く始めなきゃ町の奴らどうなるかわからねえぞ!」

ワイヤーを掴むと背中のハッチを開けっぱなしにしているのに気付いて頬を染めるマリナ。

「私のミスだわ……気を付けなきゃ……」

ハッチを開けると皇女とご対面。苦笑いしながら出迎える少年。

「ど、どうもマリナ様。凄かったぜさっきの闘い……」
0207フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 22:54:24.18ID:m6ukO6us
「アクバル!ここにいたの!」

怒りながら近付く彼女の迫力に圧倒され俯くが……

「……本当に心配してたのよ。あそこにいる皆も何かあったら悲しむわ……」

格闘家とは思えない優しい力で頭を撫でられ、赤面するアクバル。

「ごめん、俺面白そうだからここに入っちゃって……
邪魔にならないように下りるよ……」

「……だめ!あいつは有名な悪漢よ。いきなり出てきたあなたを人質にするかも知れないし……」

「じゃあどうすりゃ……」

事実過去の大戦で使われていた緊急脱出用戦闘機は配備されていない。こうなれば……

「……そうね、壁にあるバーに掴まっていて。大丈夫、必ず勝つわ。
皇女の誇りにかけてあなたを無事に皆の元に帰すわ……
……だから、目を瞑っていてもらえる?」

「……わかった。」

口を閉めて覚悟を決めるアクバル。しかしこの年の少年特有の高揚が生まれて、いてもたってもいられなくなる。

(でも、あの姿になるってことだよな……
おい、ヤバイって……!)

興奮する彼をよそに静かかつ素早い動作で衣服を脱ぐ音が聞こえる。
それらを手慣れた動きで畳むと、床リングの中央に立つマリナ。


「バイス、今から始めるわ。モビルトレースシステム起動。」

(マジで始まるのかよ……あのスーツを着るのか……)
0208マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 22:57:58.55ID:m6ukO6us
(……うーん、我慢できねえ、許してくれよ。姫様。)

恐る恐る目を僅かに開けるとその光景に息を飲んだ……
幸いにもというべきか?目を閉じながら少し脚を広げ、祈るように両手をそっと握るマリナ。
これから闘うには相応しくない、寧ろ神を無垢に信じる聖女のよう。
柔らかさと優しさに溢れていた。

(ひめさま……邪魔しちゃいけない雰囲気だな
でも見ちゃう、ごめんな)

大人だろうと子供だろうと男であるのに変わりない。視線はその人並外れた美貌だけでなく、体にも注がれていた。

想像通りのスラリとして、同性の中でも華奢な体つき。
しなやかに伸びた長い手足。
どう見ても格闘には似合わない、寧ろ一流の女優やモデルのような姿。……但しシルエットだけなら。
手足は細い形を保ちながらも、程よい深さの切れ込みがあった。肉付きの薄い腹部にも腹筋のうっすらとした横ラインがいくつか走っており、縦ラインは比較的深々と主張している。
正に女性らしさと格闘家らしさの融合と言うに相応しい完璧なバランスだった。

……とは言えまだ子供のアクバルにはこの状況でここまで深く見る余裕はなく、全身の素晴らしさに驚愕し、男心を揺さぶられるしかなかった。
0209マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 23:00:52.54ID:m6ukO6us
(すごい、マリナ様……
見ちゃった……姫様の裸を見ちゃった……
俺もしかして重罪?)

様々な考えが頭の中にとっちらかって、眼前の光景を目に焼き付けるしかない。

そして天井のリングから薄い布が力強い勢いで降ってくる。
彼女が王宮にいる時と同様、鮮やかで品のある青紫と、雪のような純白の二色に彩られたスーツ。
一気にマリナの肩から足元まで降り立つと、彼女は無表情から一転、目を閉じたまま苦しみ始める。

「う、ああ、……うう……!」

伸びやかな手を重々しく揺らし、激しくスイングすると両腕は一気にスーツに包まれる。

「が、頑張れ。マリナ様。」
0210マリナ 淑やかな闘士2018/11/26(月) 23:03:33.96ID:m6ukO6us
初めて見る、皇女の苦労に思わず呟いてしまう。[newpage]
「う、ああああぁぁぁ……」

小振りな胸や細い鎖骨を覆うスーツ。
細く引き締まった胴体を大胆に反らして、体を柔らかいモーションで捻り続ける。

しかし、次が色んな意味で問題だった……

控え目な毛で守られた秘所に当然の如くスーツが食い込む。すると……

「お、おおお……や、く、くす……」

(……?お、おい何を……)

いきなりそそるような声を出すマリナ。しかも、今度は体を反らす代わりに尻を突き出している。
アクバルも反応してこれまで以上の視線を注いでしまう。

「く、くすぐったい……あ、あ……」

男の好奇心が煽られたのかマリナの背後に回るとやはり、小さくも美しく引き締まった上向きの尻がスーツに包まれながらこちらに突きだされている。
尻を振って何とかスーツを体にフィットさせようとしているのを知って尚興奮するアクバル。
前後の秘所に与えられるスーツの摩擦と闘うマリナ。

「……!」

(マリナ様、くすぐったいって……てかこのポーズ相当ヤバイんじゃ……
俺ケツ触っちゃいそう……いや、ダメだ。んなことしたら処刑もんだ!)

子供なりに理性を働かせ、伸ばした手を慌てて引っ込める。

「……ふー、はあああぁぁぁ……!」

脚を含め下半身を激しく動かして全身にスーツを纏うマリナ。

一回のファイトや訓練毎にスーツは入れ換えられるので、前後の秘所は新品の冷たさが与える心地よい刺激に少しの間耐えることになる。

「色々、大変なんだな……ファイターって……」

背後のバーに掴まりながら呟く少年に対し、ニコリと笑顔で首を横に振る皇女。

「ひめ……」

もはや彼はマリナのことしか考えられない。

「さあ、やりましょう。」

互いに上空に浮かび上がる両雄の機体。

「ガンダムファイト! レディ……ゴー!!」
0211フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/11/26(月) 23:08:48.73ID:m6ukO6us
ここまで投下して思いましたが、これからは純粋にバトルオンリー(少年とマリナの接触シーンが少しある位)なので勝手ながら割愛させて下さい。

因みに書き忘れましたが、ファイティングスーツのデザインは腕と下半身が青紫、胴体が純白で青紫の模様が入っています。

それでは失礼しました。
0213フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:28:56.67ID:uczptf7P
またマリナのファイター小説を書いたので前半だけ投下します。
エロそのものの比率は前作よりも少し多目でシリアスな凌辱ものとして書きます。(快楽を与えるのではなく、ガチのものです)
その為、ノリは180°違うものになります。
主役は同じですが、淑やかな闘士とはなんの繋がりもない別作品です。

また、彼女の戦闘スタイルやスーツは共通になりますが、システム関連は原作のGガンダムとは少し違います。
モビルトレースシステムは、ファイターの動きだけでなく武器関連もトレースする。全てのMFのコクピット内にはその機体が使用する武器を人間が使用するサイズに縮小したものが設置されている。
つまり、剣を使う機体に乗るファイターはコクピット内で普通のサイズの剣を振るいながら戦います。

一言で言うと、前作と繋がりがなく、システムが少し別物ということ以外は、基本的な設定は同じです。
0214マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:29:55.44ID:uczptf7P
アザディスタンの皇女・マリナがガンダムファイターになって数ヵ月。
最初は戦闘経験のない彼女が代表ファイターになるのに異論を唱える者もいたが
非力であっても、弓と槍の卓越した技術で目覚ましい活躍をしたことで自国のみならず他国からも評価の声が上がっていた。
……そして復讐を望む者もいた……

凄まじい怒号と爆発音が響くアザディスタンの首都……
サバイバルイレブンも後半になる今日、武装集団が首都に攻め入ってきたことで、本国の軍は急遽戦闘を迫られることになったが殆ど防戦一方。これを皇女が見逃すはずもない……

「……あの人達、あんなことを……!私が行きます。」

「気を付けて下さいね。もうすぐガンダムファイトの決勝ですから……」

「大丈夫。救助活動の要請をお願い。」

手を怒りで震わせて王宮の地下に進むマリナ。
そこに佇むのは彼女の愛機ガンダムファーラ。今の彼女の正装宛らに白と青紫に彩られた細身のガンダムだ。
他のファイターに比べ肉弾戦を不得手とするマリナの為に槍による中距離、及び弓による遠距離戦を主軸にした機体設計をされている。
MFとしては変わり種だ。
0215マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:30:52.13ID:uczptf7P
「……みんな、今行くわ……!」

ワイヤーでコクピットに乗り込むと丁寧かつ素早く服を脱ぐと、生まれもっての細くしなやかな体が表れる。
一見ファイターらしくないが、全身はさりげなく引き締まっている。
床中央のリングの中に音もなく座り細長い脚を伸ばす。
目を閉じて祈るように両手を握る。
これがマリナのスーツ装着における精神統一スタイルだった。[newpage]
「モビルトレースシステム起動。」

天井のリングから純白と青紫のスーツが降りてくる。
強烈な圧力を伴いながら、一気にマリナの首から脚までを大雑把に覆い尽くしてしまう。
「うっ、うっ……!いやぁぁ……!」

苦しみながら体を捻り、スーツを馴染ませようとする。
訓練によって更に小さくなった美乳を反らしながら握り締めた両手を伸ばし、上半身の力を総動員する。

「うっ……あぁぁっ……」

艶のある黒髪を振り乱し、強かに揺らした細長い腕を布の余剰部分から引き離す。
細いウエストに捻りを効かせて胴体にもスーツを纏う。

「このぉぉっ……!!」

布のプレッシャーに逆らいながら、ゆっくり立ち上がろうとする下半身。
いつもの習性から力を入れたアナルはギュッと締まる。愛している国民や他国のファイターには絶対に見られたくない姿だった。
0216フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:32:21.63ID:uczptf7P
すいません、長すぎました。


立とうとする程女性の秘部にしつこく食い込んでくる布……

「いやぁぁ……!!もう、こんなの……」

冷たく柔らかいそれは、同時にアナルにも刺激を与えていた。

「……うう……!」

腰を突き出し、小さく上向きの尻を世話しなく上下にスイングする。
摩擦音が余計に彼女の羞恥心を誘ってしまう。

……ギュ、ギュギュ……!!

「はや、く!……はぁぁぁ!」

頬や耳を赤らめて思いきり腰を曲げる。手が爪先に届く程に。
ヒップに布が定着したのを感じると上体を起こして、長い脚を片方ずつ思いきりハイキックの如く蹴り上げ布を千切る!!

「はぁ、はあ、はぁぁぁ……!!」

スーツを装着し終えた彼女は、コクピットに設置されていた槍を弓に変形させ戦火の盛る場所に飛んでいった。
0217マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:34:38.89ID:uczptf7P
街では武装集団のMSが大量に暴れ、火の海を作っていた。
MSは戦争が廃止された今ではやや古い扱いを受けるが、これらのものは違法改造で内部をチューンアップしている。
無論、並みの武力では歯が立たない。
……そんな時、鋭く強靭な矢が複数の機体の頭部を撃ち抜いていく。メインカメラを破壊されて倒れていくMSの集団。

「止めてください!戦争は終わったのに何故このようなことを……!
テロなど無意味です!」

そこに降り立つ矢の主……即ちマリナのファーラ。
戦いを嫌う彼女の切なさと憤りの籠った声が大火の中、通信によって響いていく。

「テロ?何いってんだ!?俺達は金で雇われただけだ!」

「……何ですって……?」
0218マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:35:35.76ID:uczptf7P
すぐに飛んでくる援軍の銃弾をファイターらしい鋭敏なセンスとモーションで避けると、彼らの機体頭部、及び武装を見事な射撃で破壊していく。
こっそり近付く機体を察知すれば華麗な足払いとしなやかなチョップで破壊し戦闘不能にしていく。
マリナは弓と槍の技術に長ける反面、ファイターとして非力ではあったがそこいらの軍人を凌ぐ身体能力を持っていた。
しかも、このように相手を殺さずに戦闘力を奪う力の加減も心得ていた。

「無駄な殺しはしたくありません!もうこれ以上は……!」

切実に呼び掛けた途中で……

「キャア…………!!」

鋭い一撃を肩に浴びて膝を着く。

振り返ると、一体の鋭角的なガンダムが巨大なバスターソード片手にマリナを見下ろしていた。

「……あなたはあの時の……!」

遠くない記憶の既視感が彼女に去来する。
0219マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:36:27.03ID:uczptf7P
「覚えていたか、お前に数ヵ月前に倒されたファイターだ。」

やけにプライドの高そうな口調の男は冷たく非情な目をマリナに向けている。
大剣にかけては右に出るものはいない実力者。
しかし人質を取るなど手段を選ばないスタンスから悪評な選手だったが、ギリギリでマリナに負かされた。
その時の報復に犯罪者達を金で雇ったというわけだ。

「相変わらず、このようや真似を……国民達は無関係でしょう!」

「俺はただあの時のリベンジがしたいだけだ。」

次の瞬間、相手機体の肩から放たれた強力なミサイルが腕に直撃、弓は地面に落ちていった。
同時に彼女が直接持っていた弓も足下に落ちる。

「しまった!」

拾うとした瞬間、敵の大剣が胸を鋭く斬り裂いた。

「きゃあぁぁぁ!」

そのまま連続で斬られ倒れるマリナ。

「う、うう……」

男は大剣を捨てると、彼女の弓を拾い槍状に変形させた。

「愛用の武器でされるのはどんな気分だろうな……」

「何を…………!」

いきなりファーラを俯せにすると槍のロッド部分でそのリアアーマーを殴り始めた。

「きゃぁぁぁ……!」
0220マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:37:19.51ID:uczptf7P
勿論ダメージはマリナ本人の尻に伝わってしまう。
金属がぶつかる音がする度に上向きの美しい尻が揺れ動き、皇女が悲鳴を上げる。

「私のことはいい……み、皆には、手を出さないで…………」

「流石皇女だな。だがいつまで喋っていられるかな?」

今度は槍の刃をリアアーマーに思いきり突き刺した。

「きゃぁぁぁぁ……!!」

直接刺されてはいないものの、トレースシステムにより感覚が繊細に伝達されるのでその痛みはかなりのものだ。
血液こそ流れなかったが直腸が裂かれるような痛みに襲われ尻を痙攣させる。

炎と瓦礫に包まれた街に響く姫の叫び。ファイターを含め、他の者達にも刺激を与えていた。

「さて、本題に入ろうか……」
0221マリナ 犠牲の皇女2018/12/04(火) 15:38:05.43ID:uczptf7P
痛みによって体を震わせるマリナ。
自分の武器で襲われたことはショックだが、痛みの中で逆転の為に考えを巡らせていた矢先、胸が凄まじい痛みに襲われ仰向けになる。

「うそっ……!そんなことって……」

ダメージだけでなくコクピットが抉じ開けられ敵のファイターが堂々と入ってきたのだ。
0222フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/04(火) 15:39:06.44ID:uczptf7P
はい、今日はこういう感じです。

また近い内に後半を書きますね。それでは。
0224フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/09(日) 21:33:40.45ID:yjS+aQfB
どうも、マリナ 犠牲の皇女の後編を次レスから投下します。
0225マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:35:50.92ID:yjS+aQfB
愛機と同型の大剣を携えたファイターが苦しむマリナをニヤニヤと観察しながら襲いかかってきた。取ろうとした足元の弓をコクピットの隅に蹴飛ばされ、腹を殴られる。


「ぐ……!」

刃の鋭い閃光が走ったと思った瞬間、鮮やかに彩られたスーツの胴体部分の中央がハラリと落ちて、褌のように垂れ下がる。
マリナの程よく鍛えられた胸と腹筋が晒される。これで胴体を守るスーツは脇腹と下腹部、背中部分だけになった。
咄嗟に胸を覆い相手を睨むマリナ。

「どこまで卑劣なの……」

「それは昔からさ。」

更に腹を剣の柄で殴り、その隙に彼女の愛弓を手にし槍モードに変形させ近付いてくる。
生身での格闘が不利なマリナにとって絶望的な状況だ……
0226マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:36:58.47ID:yjS+aQfB
「きゃあ!」

逃げようとすれば脚を捕まれ倒されると、俯せにされてしまう。

「……私に復讐したいなら構わないわ……でも国の皆には……」

男のしたがっていることは薄々気付いて多少の不安もあったが、国民を慮る感情は本物だった。

「ご立派だな。なら……」

「いやっ……!!」

体の一部がやけに冷たいのは気のせいだろうか。スーツの腰から尻部分を繊細な剣捌きで斬られ、臀部を丸ごと暴かれてしまった……
今まで強敵との闘いで弱気になりながらもすぐに自分を奮い立たせて立ち向かってきた皇女もこの状況には耐性がなく、不安の色を雅な美貌に滲ませる。

「いい眺めだ、皇女様……今度はあんたの大事なものを返してやろう。」[newpage]
彼女の槍の柄をそのアナルに豪快に突き刺した!

「いやぁぁ…………!!やめて、痛い……!」

「いい声だ。声楽をやっていただけある……
しかし、そんなに嫌がってるとタメにならんぞ……?」

促されてモニター越しに街を見ると、ある若い女性が暴漢の一人に服を剥ぎ取られ泣いていた。

「あの女を助けたかったら、俺に逆らわないことだな……できるよな、優しい皇女様なら。」

「……っ……わかったわ。その代わり絶対にあの人には手を出さないで。」

震える声で条件を飲むマリナ。暴漢が一旦動きを止めて女性を拘束するに留まったのを見届けた矢先……

「きゃあぁぁぁ…………!!」

絹を裂くような悲鳴を上げてしまうマリナ。
敵のファイターが槍の柄をグリグリと乱暴に回しアナルに衝撃を与えていた。
勿論、これで国を救えると信じて愛用していた槍で弄ばれるのがファイターとして、皇女として、何よりも女として凄まじい屈辱だった。

「ハハハ、相当効いたようだな!!一国の代表もこうなればただの女か!」[newpage]「はあ、はあ…………」
0227マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:38:53.94ID:yjS+aQfB
引き抜かれぐったりしたマリナの尻を掴む男。

「いや、触らないで!!」

「いいのか、あの女がどうなっても……」

「…………」

無言で自らのアナルを開いて喉元を震わせる皇女。

「そうだ、お前は逆らえないのさ。」

「……っ!」

国は比較的貧しくとも、王族だけあり経済面・衛生面で庶民より恵まれているマリナのアナルは想像以上に綺麗だ。
それに感心すると、男は自分のスーツ股間部分を破り、大きく達したぺニスの先端を勿体つけながら入れた。

「…………っ!」

ビクッと肩を震わせて汗を垂らす皇女。

「ふふっ、育ちの良いあんたはこういう下品な遊びは知らんか。力を抜かなければ裂けるぞ。」

そして根本まで容赦なく入れると激しい躍動で腰を叩きつける。

「い、いやぁぁぁ……!!」

抉じ開けられたコクピットを通し街中に響く悲鳴。人質として捕まった女は耳を塞げず唇を噛み締めて目を閉じるだけ。

「マリナ様……ごめんなさい……」
「い、いたい、いたい…………きゃぁぁぁ!!」

涙を浮かべて叫ぶマリナ。しかし人質がおる以上、止めるのを懇願する言葉を無理矢理抑え込む。
それが却って男を刺激した。
硬く熱いぺニスは摩擦を何度も腸内に与え、鮮血に染まっていく。
招かざる客の襲撃に何も受け入れたことのないアナルはパニックで反射的に締め付けていく。
擦りきれる痛みが皇女を追い詰めていく。

「よし、健気に耐えた褒美にいいものをくれてやろう……」

「……ひぃっ…………!!」

咄嗟に許しを乞いそうになった自分を押さえつけ、それでも恐怖の声は漏れ出る。

「……受け取れ、マリナ皇女!!」

「いやぁぁぁ…………!!」

アナルに大量の白濁を流していく。
男に引き抜かれ、俯せに倒れるマリナ。
ファイターのスーツは大事な場所を破られ、精液が不浄の穴から逆流していく……

「よく頑張ったな。素晴らしい具合だったぞ……」

頭を撫でられても無反応のまま涙を流すマリナ。
「さあ、この後はわかるよな?」

「…………いや、もう、もう、やめて……」

反射的に上体を起こして首を横に降りながら逃げようとする。
0228マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:40:36.38ID:yjS+aQfB
「そうか、ならば仕方がないな……」

男の合図を受け、地上にいる例の暴漢は人質の女性を押し倒し、手慣れたモーションで男根をあれよと言う間に突き入れた。
絶叫する女性。それを目にして青ざめるマリナをニヤニヤと見ている敵のファイター。

「……やめ、やめてください……!もう絶対断ったりしません!!
だから、あの人を離してあげてください!!」

泣きながらすがるマリナの肩をポンポンと叩く男。

「そうだよな、国民第一だもんな……
それではメインディッシュといこうか。……但し、条件付きでな。」

「…………!?」

自分の痛み、国民の痛みに押し潰されそうな彼女は混乱のあまり、平時なら浮かんでくる疑念も持たずそれを受け入れてしまった……
そして、街の破壊活動は敵ファイターの一声で簡単に止んだ……
0229マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:41:41.65ID:yjS+aQfB
凄惨な殺戮が終わってから30分後、アザディスタンの王宮前にやってきた敵のガンダムと雇われ兵達。
彼らが勝手に設置したモニターに二人のファイターが映し出されていた。

「お前ら!よく聞け!この国の皇女・マリナ・イスマイールは自らの身を守る為、お前らを見捨て、俺に身を捧げる道を選んだ!」

敵のファイターは自分のガンダムの肩に乗り、恐ろしいことを叫んでいる。
彼の隣に立っているのは以前の通りボロボロのスーツを身に付けたマリナ本人。
彼女は何かを決意した顔でマイクに叫んだ。

「国民の皆さん、私は取り返しのつかない裏切りをしてしまいました!
私は、戦いに破れたのみならず、この男から、…………体を弄ばれ我が身可愛さに奴隷になるのを決めました……
私を今まで信じてくれた皆さんを売る形で……
……これから、本格的に、玩具にされるつもりです……」

国民達から怒号と嘆きが滝のように降ってくる。

「どういうことだ!俺達を救うと散々言ってきただろう!あれは嘘だったのか!!」

「あなたが敗北するなんて……!!」

マリナはただ沈黙の中で唇を震わせるしかない。

あの時出された条件は、「マリナ自身が凌辱を受け続けることで、自分の命だけは見逃してもらう決心をしたフリ」を国民の前で見せること。
そのようにマリナ一人が裏切り者を演じなければ国民を解放しない、というものだった。
本来ならこんな誓いは反故にされるのはわかるのだが、今の彼女にはその判断ができなかった……
この取引で最初から明るみになっている真実はマリナが一生性奴隷になることのみ。

「…………!みんな、あと少しの辛抱だから……」

それは消え入りそうなマリナの声だった。

(私さえ、私さえ【裏切り者】になれば……私だけが奴隷になれば……この国はきっと……!)

小さな拳を握りしめる彼女を優越感で一瞥する敵の男。
0230マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:43:30.37ID:yjS+aQfB
「さあ、始めようか!!」

ガンダムの肩と言う不安定な足場で始まる凌辱。
マリナはスーツの股間部分を破られ、女の秘所を晒されると、はしたない体勢で体を抱えられた。
俗に言う駅弁ファックの格好でいきり立つぺニスが男を知らない花園に入り込む。
愛撫やローションで一切濡らされていないそこにはかなりのダメージだ。

「…………っ、きゃぁぁぁぁぁ!!」

凄まじい悲鳴を上げるマリナ。
本来男と繋がる場所とは言え、強烈な痛みだけを伝えるピストン運動。
破瓜による流血が隙間から白い太股に流れていく。
民衆の怒りと悲しみが混ざった大音響は凌辱者を更に昂らせる。

「……ふふ、素晴らしい締め付けだ……
どうだ、マリナ。愛する民共に罵られながらされるのは!
もはや皇女の威厳は地に墜ちたな!」

「……きゃ、い、いた、いたい…………!
……でも、これで、みんな、助かるなら……!」

「ふ、そんなこと本気にしたのか?愚かだな。」

「……な、何ですって……!?」

一気に凍てつくマリナの表情。
0231マリナ 犠牲の皇女2018/12/09(日) 21:44:59.19ID:yjS+aQfB
次の瞬間、王宮の敷地に次々と爆発が起こり、人々は恐怖の叫びを上げる。
ファイターの命令で悪漢達が爆弾を作動させたのだ。
誰もが逃げ惑い、ある者は炎の中で消えていく。

「みんな…………!!!ねえ、これはどういうこと!?約束が違うわ!」

取り乱したマリナから肩を揺さぶられた男はニヤけながら

「誓いはな、破るためにあるんだよ!態々こんなことまでしてご苦労なことだったな、甘ちゃんの皇女さま!!」

「…………!……いやぁぁぁ…………!!」

苛烈に突かれた末に熱い精液を奥に出されて泣き叫ぶ皇女。
とは言え、一生慰みものにされ続け国民を救えないのは変わりない。

炎に蹂躙される国の中で、取り返しのつかない後悔に一人苛まれていった。
0232フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2018/12/09(日) 21:54:55.13ID:yjS+aQfB
以上です。

前作はライトなノリでしたが、今作は重い感じにしました。
暗い話なので、比較的原作のマリナっぽい雰囲気が出せた手応えもあります。
でも思い返すと、重要なレイプシーンは短いなと反省してますorz

ただ、前作との繋がりがないのでモビルトレースシステムにオリジナル設定入れたり思うようにアレンジできました。
マリナがファイターとして格闘苦手なのは変えなかったんですけどねw

また何かしらの新作ができたら投下するかも知れません。
それではノ
0234名無しさん@ピンキー2018/12/16(日) 23:51:00.58ID:Ap+zexad
マ・クベってやっぱり中国系なんかな
だとしたら漢字でどう書くんだろ
0236フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:40:50.32ID:gd6LabQQ
以前書いた『マリナ 犠牲の皇女』の後日談です。まだ一話だけですが……
予め書いておきますと、今回スカ要素があります。

マリナが敵に敗北し、アザディスタンも無惨に破れ去り1ヶ月が過ぎた……
敵ファイターの国の謀略により、正体不明の武装組織の仕業だというデマを世界中に発信された。
アザディスタンの物資や金銭は次々と件の敵国に秘密裏に奪われていった。
そして、何割かの国民もその敵国に奴隷として売られたので、労働力が減少したアザディスタンは再び地獄の日々を送ることとなった……

ここは例の敵国、あのファイターの自宅である屋敷。
多くの関係者がそこでパーティーに興じる中、奥の私室では凄惨な遊びが行われていた……
0237フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:41:41.62ID:gd6LabQQ
「や、やめて!これ以上は……」
「やめるものか!お前のような上玉、手放すわけがないだろう。」

壁際の手錠で繋がれたアザディスタン元皇女にして元ファイター・マリナ・イスマイールが館の主であるファイターにアナルを犯されていた。
鍛えていたとは言え筋力の差は歴然、抗うこともできずに為されるがままだ。
それに手錠は特別に拵えたもの、ファイターの彼女ですら破壊できない頑丈さだ。
毎日女性器だけに飽き足らずアナルまでも凌辱され心身共に追い詰められていたマリナ。
生来の美貌こそ健在だが、少し頬が窶れて肌も蒼白くなっている。
服はあの時ボロボロにされたファイティングスーツのままだ。

「しっかり受け止めろ!!」
「いやぁぁぁぁ!!」

大量の精液が彼女のアナルを満たしていく。
引き抜かれれば何度も犯され広がったアナルから血と白濁液が溢れてくる。

満足した男はそのまま私室を出て鍵を掛ける。

「酷い……神様は私達を見放したのかしら……」

涙を流して天井を見上げるマリナ。
最初にあの男に犯された時はそのショックと国民を救いたい感情でパニックになり、甘言に乗ってしまった。結果、それは守られることはなく国は蹂躙され、自分もこの状態。
凌辱の後に思うのは国を救えず弄ばれる屈辱と国民の現在だ。
卑劣な男と政府のこと、無事な筈はないのはわかっていても願わずにはいられない……

「みんな、お願い、生きていて……」[newpage]
同じ頃、夜空を舞う多くの飛行型MS。フラッグとイナクトのカスタム機が高速で小型ミサイルを館に発射。
大量の客が逃げ、怪我人も10数人出た。

「一体、何だ!?」

館主のファイターは例の大剣を持ったガンダムで応戦するが、新型のスピード・ビーム・煙幕の前に成すすべがない。
そして同時にその部隊は地面を、いや地下を襲撃。地下に保管されていたガンダムファーラを強靭なワイヤーでホールドすると猛スピードで何処かに去っていった。

そして時を同じくして監禁されたマリナも……

憔悴しながらも外の騒ぎに反応したマリナに声が届く。

「アザディスタン皇女、マリナ・イスマイール様ですね?」

「誰!?」

窓の外には鋭く巨大なゴーグルがこちらを見ている……ブルーに塗装されたイナクトだった。

「あなたを助けに来ました!」

部屋の一部を小型爆弾で破壊し、マリナの手錠を繊細かつ迅速に壊すと、彼女をコクピットに乗せて飛んでいった。

中には彼女が以前何度も見たアザディスタン用ノーマルスーツを来たパイロットの姿があった。

「あ、ありがとうございます……しかしあなたは我が国の……」

「はい、我々はレジスタンスを結成したのです。アザディスタンを救うにはやはりあなたのお力が必要です……!」

「レジスタンス……わかりました。私も、取り戻したい……みんなを……」


「全く、何処のどいつだ……!マリナまで奪われた……」

敵のファイターが辺りを見回した時にはレジスタンスは全員姿を消していた。
0238フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:42:27.27ID:gd6LabQQ
コクピット内で既にフラフラだったマリナ。何とかイナクトのパイロットに連れられてアザディスタンに帰国。
国内でも人口が休僅かしかいない辺境の村にあるアジトに案内してもらった。
ボロボロにされたファイティングスーツから緑のワンピースに着替えて彼らの元に。
そこでこの組織の沿革を聞いて驚愕した。

戦争廃止及びガンダムファイト制定と同時に所謂自衛隊的なポジションに変わったアザディスタンの軍隊。
しかし、政府に極秘で海外に留学し、更なる軍事科学を得て帰国した一部の科学陣・再び戦争が起こり得る可能性を危惧した一部の政治家によって作られたレジスタンスだ。
命の奪い合いを嫌うマリナは難しい顔を浮かべた。
平和を目指しながらも彼らの行動に気付かなかった自分を皇女として歯痒く思った。
しかし、苦しめられている国を救うには彼らの後ろ楯が必要。
幸い自分をファイターとして鍛えてくれたトレーナーもここに身を寄せていた。
迷うことなど何もない。

「皆さん、今日は本当に感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。
……私は敗北した時、皆さんを裏切った発言しましたが、あれは嘘です。
決して言い訳のつもりはありません。
今国がこんな状況になっているのに今更ですが、私はある女性を人質に取られて……私自身弄ばれ、国を救う条件としてあの発言を……」

彼女の真摯で切ない様子にレジスタンスのメンバーは信じてくれた。

「私は……もう一度戦います!皆さんがファーラも奪還して下さいました。後は修理して頂ければ……」

忘れもしない、愛する国民の前での凌辱後、ファーラはマリナの眼前で敵によって無造作に傷つけられた。
以前自分を負かしたマリナに対するあの男の執念はかなりのものだった。
レジスタンスの技術が必要。メカニック達は腕の見せ所だと快く承諾してくれた。
そして、それまでの間彼女はこの組織が開発した新型イナクトで訓練に励むことになった。
0239フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:44:03.93ID:gd6LabQQ
レジスタンスがモビルトレースシステムを取り込んだ白銀色のイナクトは勿論可変式。
マリナ救出後に彼女用に作られた機体なので、弓による射撃の為センサーが発達。
主な武装はファーラ同様、弓に変型する槍・ボーガン・改造型リニアライフル。
本体の出力、頑強さと飛行スピードは本家イナクトを圧倒的に凌ぐ。
フラッグ・イナクト特有のディフェンスロッドを初めとした各種装備の性能も同様である。

ここはレジスタンスアジト地下にある訓練所。

「それでは皆さん、今から始めます。」

スタッフが見守る中、ワイヤーでコクピットに入るマリナ。
一ヶ月程の凌辱され続けたので動きは以前より少しだけフラフラしているが意思は本物だ。
0240フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:45:17.94ID:gd6LabQQ
内部は細身のイナクトだけありガンダム系の2/3程の広さだったが、それ以外は全く同じ造りだった。
天井と床には懐かしいリングが彼女を待っている。

服を丁寧に脱いで収納ケースに入れると、祈るように手を握り床リング中央に立つ。

「必ず、取り戻す。ファイターとしての強さも、国も、みんなも……!!」

天井リングから降りてくるのは白と銀に彩られたスーツ。
久々の装着故に沸いてくる緊張を解すように冷静になろうとする。

「うぐっ……!!」

柔軟な感触も、全身を圧迫するあの感覚も全て再現されたスーツ……
既に装着にはある程度慣れたものの、僅か一ヶ月のブランクが空いただけで苦しさを感じる。
何度も凌辱されたので体もまだ疲れが取れていない。
胸を押し潰されそうな感覚に耐え、体をできるだけ強くしなやかに動かした。

「キ、キツイ……!!でも、負けない……!!」

力を込めて腕を広げて布を千切ると腕にフィット。

(そう、この調子よ……!!センス、失ってなかったのね……)
0241フォーミュラ ◆8n8ENj5Qx2 2019/01/13(日) 05:45:36.36ID:gd6LabQQ
汗を流しながら自信を取り戻しかけたマリナの笑み。
胸や胴体をしきりに動かし定着させていく。

「う、うぐ……キ、キツイけど、このまま……いける……!!」

下半身にもしっかり纏わせようと尻を突き出し、男に玩具にされたアナルに布が食い込んでいく……
ここに来てから塗り薬を使ったばかりで完治はしていないため、布の圧力と無機質な質感、冷たさがとても堪えるのだ……

「……い、いたい!!……でも、何とか……!」

尻をせり上げ尚もアナルにフィットさせる。
そして、股間に侵入する痛みと刺激に抗う。

「あ、あ……負けない……!!絶対に……!!」

何とか上体を起こして両足を蹴り上げると全身にスーツを纏った。

「はあ、はあ……何とか、終わった……!!」

額から落ちる汗を拭うマリナ。
全身を見ると、ボディの殆どが純白だが、脚の付け根と尻の真上からアナルにかけて銀色のV字型のラインが入っている。
正に雪原が似合う美しいスーツだった。

「それにしても、凄いわ……戦争は反対だけど、ここまでスーツを再現するなんて……
…………な、何!?」[newpage]
突如驚愕するマリナ。

ブリブリッ……ブリリ!!

はしたない音と共に熱く重いものが尻から出ていくのがわかる。
ショックになりながら臀部を触ると、柔らかいものがそこにある……

「そ、そんな……私……!!」

そう、してしまったのだ。排泄を。
この一ヶ月、ずっと敵のファイターに性器のみならずアナルも無理矢理入れられ裂けていたのだ。
排泄物を留めて耐える力は徐々になくなり、今のスーツがアナルを刺激したことで完全に失われてしまった……

雪のように白い布に覆われた臀部は、茶色いものに侵食されていた。

余りのショックにペタンと座り込めば、スーツ越しに糞がぐちゃりと潰れて広がるが、今のマリナにはそれに気付かない程茫然としている。

「……そ、そんな、こんなことに……なるなんて……!」
0243名無しさん@ピンキー2019/01/13(日) 10:18:42.91ID:sB7759x6
ナラティブネタも見てみたいな
0244名無しさん@ピンキー2019/01/16(水) 01:07:04.41ID:yeZQAtv9
ヨナとリタの純愛も良し、小説版ミシェルの処女喪失、それをヨナと慰めックスするというのもありだな
0250フェニックステイル第29話前編投下準備2019/05/26(日) 12:31:59.43ID:qJB1Xe6i
お久しぶりです。
長らくスランプに陥っており、かつ一話分にまでまとまっておりませんが、ひとまず投下いたします。
直接の濡れ場はありません。
0251フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:34:02.55ID:qJB1Xe6i
 暗礁宙域に影が走る。光が奔る。あらぬ方向からの一閃に胴を貫かれたRMS-106《ハイザック》の緑色の機影が、次の瞬間には膨れ上がる火球に変じて弾け飛ぶ。
 友軍前衛のハイザック隊を流れるように縫っては矢継ぎ早に撃ち抜いて、爆光と化しては消える友軍機の合間を抜いて、重厚なシルエットの黒い敵機が迫り来る。
『連邦軍最高のエリート部隊』を自称し豪語していたティターンズMS隊による前衛は、敵の初弾から数秒持たずに壊滅した。
『奴らは速い! ケイティ、下がれッ!!』
「で、ですが小隊長――突出した! 単機で来るっ!?」
 ティターンズの指揮下に組み込まれて行動する連邦軍一般部隊、そのRGM-79CR《ジム改高機動型》のコクピットで、つい先日に部隊配属されたばかりのパイロットの少女は声を震わせる。
 前衛を突破し、敵編隊から頭一つ抜けながら肉薄してくる黒い機影は、ジオンの重MSを思わせるマッシブさと、同時に連邦系を思わせる直線的なフォルムを備えていた。センサー有効範囲に捉えても、データベースに照合しない――新型機だ。
 衰えることなく迸る噴射炎が、その新型機を躍進させていく。速すぎる。自分が乗るジム改高機動型の『高機動』とはいったい何だったのかと喚いてやりたい気分になった。
 それでも少女は己を奮い立たせ、小隊長のRGM-79N《ジム・カスタム》と僚機に合わせて、ビームライフルの火線を開いた。途切れることのない推進焔を曳いて自在に加速し続ける敵機は軽やかに回避しつつ、なお猛然と迫り来る。
「このおっ!!」
 数機のハイザックを立て続けに屠ってきた機体は、3機のジムから降り注ぐビームの雨を圧倒的な加速力で掻い潜る。
 その手の小型ビームライフルから、ぱっと銃口が閃いた。だが狙われた僚機はティターンズ機のように即座に受けず、高速の光弾を巧みに回避する。
 だがその回避先へ、未来の機動を読んだかのような敵弾が来た。
 事前にその回避機動先の一点を狙って放たれていた新型バズーカの砲弾が、吸い込まれるようにジム改高機動型の胴体を直撃する。コクピットブロックを砕かれた機体が、瞬時に原形を止めず爆散した。
「曹長!?」
『こいつッ!!』
 少女は着隊からわずか数日。それでも今まで厳しくも優しく指導してくれていた先輩が、目の前で死んだ。
 その一年戦争時代からの友人だったという小隊長が、敵機との間合いを詰めて巴戦に入る。距離が詰まって角速度が激増し、小隊長のジム・カスタムはもつれ合うように弧を描きながら、Eパック式の試作型ビームライフルを連射する。
 少女は二機編隊を崩さないよう必死に追従しながら、高機動の振動でまともに定まらない照準から闇雲に射撃を放つ。
『ぐっ!』
 敵機の反撃が小隊長機のシールドを穿つ。チタン・セラミック合金製シールドの防御性能は、標準仕様の対ビームコートを施されていてもなお心許ない。
 小隊長が巧みに角度を付けて弾いても、敵の連射をわずか数発受けただけで溶けてひび割れ、そして無残に砕け散る。
『おおおおおおーーーッ!!』
「隊長ッ!!」
 ジム・カスタムはバレルロールを打って軌道上に『置かれた』バズーカ砲弾を掻い潜り、シールドを失った左手でビームサーベルを抜き放った。右手構えのビームライフルに、頭部バルカン砲の火線を加えながら小隊長が迫る。
 もつれ合う両者の距離が近すぎ、もはや少女は援護射撃をすることが出来ない。少女は次に取るべき行動を逡巡し、そして次の瞬間には決着が付いていた。
 左手のビームサーベルでジム・カスタムの斬撃を受け止め、敵機は小型ビームライフルの銃口をコクピットハッチに押し付けながら連射していた。
「あ、」
 これまで数機のジオンMSを撃墜してきたという小隊長は機体もろとも、あっけなく一瞬の火球となって消滅した。
 そして少女はそこで気づく。
 次に狙われるのは、自分だということに。
「き、消えた!? ど、どこ――ひっ」
 だから一瞬の空白を見逃した少女はその光景を、全天周モニターの正面に開いたカットイン画面の内側に見た。
 小隊長機の爆光に紛れた敵機が自身の背後へ回り込み、その手に握ったままのビームサーベルから、再び破壊の光刃を閃かせる瞬間を。
「ヴッ!!」
 ジム改高機動型のバックパックを貫いた光は、狙い過たず少女の肉体をその背中から直撃した。
 全天周モニタとリニアシートが燃え上がる間もなく蒸発し、メガ粒子の熱はパイロットスーツを業火に炙られた薄紙のように溶かし、小柄な少女のやや未成熟な肢体を破壊の中に暴露した。
0252フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:36:14.97ID:qJB1Xe6i
 全天周モニタとリニアシートが燃え上がる間もなく蒸発し、メガ粒子の熱はパイロットスーツを業火に炙られた薄紙のように溶かし、小柄な少女のやや未成熟な肢体を破壊の中に暴露した。
 チタン・セラミック合金の装甲を瞬時に蒸発させる超高熱の中で、人体などは瞬時に骨まで焼かれて消え去るはずだ。
 蒸散するスポーツブラジャーの内側から、小振りだが弾力のある乳房が弾け出て、やや大きめの乳輪が顔を出す。
 少女はそんな超現実的な光景を、死の直前に時間がコマ送りになるのってこういうことなのかな、とどこか他人事のように考えた。
 バカバカしい。もっと思い出すべきことが他にあるはずなのに。それとも――空っぽの人生を生きてきた自分には、こんな最期が相応しいということなのか。
 そして裸身に剥かれた少女に、熱の暴力が襲い来る。
「アアアアアアアアーーーッ!!」
 装甲を、座席を、宇宙服を焼き尽くした炎が、次は少女の肉体を貪り喰わせよと押し寄せる。
 無数に伸びた炎の舌が、白い柔肌を破ろうと嘗め回す。しかし荒れ狂う灼熱は彼女を包む光に阻まれたきりそこを破れず、少女の肉体に火傷の一つも負わせられぬまま、その神経へ被虐の悦びばかりを深く刻みつけていく。
 うなじを、耳を、乳首を、陰核を、尻穴を、柔肌のありとあらゆる性感の源を、余すところなく炎の舌に責め尽くされる。乳首は勃起し、秘裂からはどろりと愛液が溢れ出る。
 まだ男と交わる悦びも知らぬ少女は瞬時にオーガスムの頂点へ達してそのまま突き破り、快楽の許容限度をその一瞬だけで振り切った。
(――いクウっ――)
 真っ白な光に染まりきったまま少女は絶叫し、その意識はそこでふつりと途切れた。



『流石です、大尉。手慣れたものですこと』
 連邦軍とティターンズのMSをあらかた片づけて追いついてきたRX-107《ロゼット》が、RMS-099《リック・ディアス》に肩を並べた。艶のある女の声が、接触回線越しに笑っている。
 リック・ディアスは背後から刺し貫いたジム改高機動型のバックパックから、ビームサーベルをゆっくりと引き抜いた。
 どろりと溶けた装甲材が急激に冷え固まっていく中、リック・ディアスが機体を片手でどんと押すと、その破孔から、光をまとった少女の裸身が流れ出てきた。
『あら、幸先いい。――早速『当たり』を引きましたのね』
『情報部に感謝しないといけないね。事前情報で敵追跡部隊の新兵に、ルウム出身の女子がいると知れて良かった』
 リック・ディアスのパイロットは言いながら不適に笑う。裸身のまま漂う少女をマニピュレータに掴むと、機体首元のコクピットハッチを開いてそこへ放り込む。その光景はさなら、生贄に捧げられた乙女を貪り食う異形の巨人のごときであった。
 コクピット内に空気を満たすと、少女の全身を覆う光が消えた。顔色に血の気が戻り、静かに呼吸を再開する。
 その上下する二つの乳房を満足そうに見つめながら、パイロットの男は彼女に手枷足枷を填めていく。慣れた手つきだった。
 いつの間にか到着していたMSA-003《プロト・ネモ》がロゼットとともに油断なく周辺警戒する中、悠々と少女の拘束を終えたパイロットは、MS隊を失って逃げゆく敵艦隊へ視線を戻した。
「用件は済んだ。では、あれらに消えてもらおうか」
『了解』
『承知』
 含み笑いと感情のない、二人の女の声が響く。エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》MS隊の中核を成す三機は、そこでようやくスラスターを全開した。
 足並みを乱して相互支援も出来ないまま、暗礁宙域を這う這うの体で逃げる敵艦隊が放つ、おざなりな対空射撃をあっさりと抜いて砲口を向ける。
 ティターンズ第117戦隊は全滅した。
0253フェニックステイル第29話前編2019/05/26(日) 12:36:38.45ID:qJB1Xe6i
「ん、――」
 身体が熱い。下腹が疼く。股間から腿へと何か、熱い滴が広がっていく。
 少女が目を開くと、薄暗い一室の中だった。手足には枷が填められ、天井と床に繋がれている。身動きが出来ない。
「ここ、は……?」
 その密室で、少女は裸身のままだった。全身が火照っている。
 少女は渇いていた。喉が、ではない。もっと下の、いま夥しい愛液を垂れ流している、まだ一度も本来の目的で使われたことのない桃色の裂け目が――
 その空白を埋めてほしい、熱いほとばしりを奥までどっぷりと注いでほしいと、その燃え盛る雌の欲望と衝動が、少女の思考を一色に塗りつぶしてしまっているのだ。
 今や軍人として挑んだ初陣の帰趨も、共に戦った戦友の無事よりも、自身の置かれた境遇も省みることなく、少女は何より強い自身の肉欲に囚われてしまっていた。
「ぐっ……!」
 身をよじっても拘束は堅く、とても抜け出せそうにない。戒められた手首と足首ばかりに痕が滲む中、少女は闇の片隅に佇む気配に気づいた。
「だ、……誰……? おとこ、……おとこの、ひと……!?」
 欲望に濡れた瞳が、熱い吐息に乗せて言葉を唇から吐き出す。闇に立つ男は少女の視線を受け止めながら、ニヤリと笑ってみせた。
0260フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:07:02.45ID:Lqjh99Ey
 ケイティ・ブラウン伍長が、エゥーゴへ――戦艦ジャカルタMS隊へ加入したのは、つい先日のことだ。
 エゥーゴのいわゆる『急進派』を中心としての部隊編成を終えた戦艦ジャカルタは、つい先週、地球に背を向ける月の『裏側』、月面都市グラナダを発した。
 そして最初の目的地たる新サイド4暗礁宙域へ入る直前、彼らは月軌道から彼らを追尾していたティターンズ艦隊を待ち伏せた。
 敵は新鋭のアレキサンドリア級重巡洋艦を旗艦に、随伴のサラミス改級巡洋艦が二隻。最近のティターンズでは標準的な戦術単位だ。MS隊は少なくとも二十機近く。
 実に倍近い戦力を誇る優勢な敵を、しかしジャカルタ隊は暗礁宙域へ入るや勇猛果敢に襲撃したのである。
 結果は一方的な圧勝だった。
 殊にMS隊長ベリヤ・ロストフ大尉が操るエゥーゴ最新鋭機、RMS-099《リック・ディアス》の威力はまさに絶大だった。
 さらに僚機を務める副隊長ルチア・ルッカ中尉のRX-107《ロゼット》、メイヴ・クラータ曹長のMSA-003《プロト・ネモ》の最新鋭機が脇を固めて襲いかかれば、地球連邦軍のエリート部隊を自称するティターンズMS隊など、もはや棒立ちの案山子に過ぎなかった。
 三機が一発撃つたびに一個小隊が蒸発した。先陣を切って飛び込んだベリヤと彼の直属小隊はたった三機で敵陣中央を縦横無尽に駆け抜け、据え物斬りとばかりに引き裂いていった。
 そのまま鎧袖一触と、三機でティターンズ機の半数近くを一方的に撃墜したのだ。
 その破壊力は凄まじく、主力部隊として後続したマインとリアンナらのRGM-79R《ヌーベル・ジムU》小隊が中央突破された敵MS隊の『落ち穂拾い』をこなしながら主戦場へ到達したときには、もはやまともに敵MSなど残ってはいなかった。
 小隊編成を突き崩されて逃げまどうわずかな敵機をなぶり殺しにした後は、わけも分からずめくら撃ちの弾幕を撒き散らしながら逃げまどうだけの敵艦を囲んで沈める以外にやることもなかった。
 その一方的すぎた戦闘の欲求不満と鬱憤が、そのあと遭遇した連邦軍一般部隊のサラミス改級巡洋艦――《トラキア》とかいう艦のMS隊と遭遇してドッツィやデティらジオン残党兵の身柄を奪い合ったとき、マインに無謀な突撃を判断させた遠因のひとつでもあるのだろう。
 いずれにせよティターンズ追撃艦隊は一隻残らず轟沈し、MS隊も一機残らず爆散した。
 ケイティ・ブラウンは、そのとき殲滅されたティターンズ部隊――より正確には、ティターンズに協力していた連邦軍一般部隊――の唯一の生存者であり、ジャカルタ隊が得た捕虜だった。戦場で漂流していた彼女を、ベリヤが自ら拾ってきたのだという。
 拘束後しばらくの間は治療と尋問を受けていたらしく、マインと会うこともなかったが、やがて彼女はMS隊副隊長ルチアによって皆へ紹介された。
 そしてケイティは、地球の重力に魂を曳かれた悪しき人々の私兵たる、ティターンズに支配された地球連邦軍の過ちを正すため、エゥーゴMS隊の新たな一員として迎えてほしい、と宣言した。
 連邦軍そのものに良い感情を持っていないマインと舎弟たちはその場での態度を保留したが、戦艦ジャカルタ乗員の大多数は、万雷の拍手をもってケイティの転向を受け入れたのだった。
 ケイティはリアンナ率いる第二小隊へ配属され、その乗機としてマインらと同じヌーベル・ジムUの予備機が宛てがわれることになった。
 一度は敵同士として戦ってから、恐ろしく短時間での戦力化である。エゥーゴという組織は、よほどお人好しの性善説で動いているのに違いない――そのときのマインは、すっかり呆れかえってあざ笑ったものだった。
 そしてマインは今、その真実を知ることになる。
0261フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:09:37.42ID:Lqjh99Ey
「オラ、来たぞ。マイン・ハフナー、お呼びに預かり参上だ」
 ドアを開けたケイティが何か言うより前に、ずかずか進んで入室する。マインは室内を眼光鋭く睨みつけながら言い放った。
 彼女が呼び出された広大なブリーフィングルームの奥には、いつものように落ち着き払った様子で立つMS隊長ベリヤ・ロストフ大尉。
 その傍らには長い金髪を輝かせる副MS隊長ルチア・ルッカ中尉が控え、長身褐色のメイヴ・クラータ曹長がやや離れた位置で影のように付き従っている。
 そして遠巻きに、MS隊のその他の女パイロットたち。要するに、いつもと同じ面子だった。
「調子の方は良さそうだね。安心したよ、ハフナー少尉」
「ああ、おかげさまでな。丈夫に産んでくれた親に感謝してるぜ」
 端整な顔立ちに浮かぶ薄い微笑みから淡々と放たれたベリヤの言葉も、マインは臆さず強い眼力で跳ね退ける。
 だが強気の態度と裏腹に、ベリヤのその目を視界に入れただけで、マインの下腹には甘い熱量が疼いていた。
「そうかな。君を回収した直後は、ずいぶんとうなされていたようだったがね。誠心誠意、君からの『要求』に応えた甲斐があったというものだよ」
「……ッ!」
 男が遠間で囁くだけで、マインの脳裏に稲妻のような何かが走る。思わずよろけそうになるところを必死でこらえた。
 体が熱い。
 股間の奥から溢れた蜜が、下着を濡らしていくのがわかる。シャワー室で入念に搾り出したはずの母乳が再びにじみ、ブラジャーのカップの内側へと染み込んでいくのを感じる。それと呼応するようにマインの奥から、淫らな邪念が膨らんでくる。
 男が欲しい――いや、ただの男では、ダメだ。
 あの理性など蒸発する異常な熱量の中で、自分の女をはじめて奥まで貫き通し、その内面のかたちを完全に変えてしまった、この男のものが、欲しい。
 靴裏の磁石で身体を床に固定した無重力環境の中、マインはただベリヤの眼前に立たされているというだけで、そのまま全身が遠く宇宙空間まで浮かび上がって二度と戻れなくなってしまいそうな感覚に陥っていた。押し殺そうとしても息が上がり、動悸が早まる。
「フム……だが見たところ、まだ火照りが冷めていないようだね?」
 そんな彼女を見透かすように、ベリヤの眼鏡が怪しく輝く。
「君にはまだ、『レクリエーション』が足りないようだ」
「――あァ!? 勘違いしてンじゃねェぞ、隊長さんよ――」
 自らを乗っ取ろうとわき上がってくる熱を力で押さえ込むように、マインはきっとベリヤを睨み据えながら傲然と吠えた。ベリヤを拒むようにその手を大きく払う。
「あの時は危うく切ったはったで死にかけたばっかりで、あたしもどうかしちまってたがな、勘違いするんじゃねぇぞ。
 ジム一機、土手っ腹をぶち抜かれちまった罰だかなんだか知らねェが――たかが一回ヤられたぐらいでお前みたいな男のモンになるほど、あたしは安い女じゃねェ!」
 マインが勢いよく切って落とした啖呵に、その場は一瞬静まりかえった。だが、その静寂はすぐに崩れる。
 嘲るような哀れむような、そして同時に慈しむような――くすくすとさざめく、女たちの笑い声によって。
 その直中に囲まれながら、苛立ちを隠しもせずにマインは吠えた。
「なんだ、お前ら……何だコラ。言いたいことがあるんなら、言えってんだろうが!!」
「あら、驚いた。あなた、まだ勘違いしているのね」
「あァ!?」
 上品に口元に手をやって隠しつつ、くすくすと微笑みながらルチアが再び進み出た。慈愛すら感じさせる優しげな瞳でマインに言う。
「大尉の寵愛は私たち『姉妹』にとって、至高の悦楽。それが『罰』として下されることなど、あり得ない」
 そしてルチアは微笑みながら、ただ無言で静かに状況を見守っていた少女の後ろへ回った。その小さな背中をそっと押す。
「さあ、ケイティ。今回の『レクリエーション』の主役はあなた。――大尉の寵愛は今夜、あなたのものよ」
0262フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:10:43.67ID:Lqjh99Ey
「えっ……? こ、ここで……、ですか……?」
「嫌なの?」
「――そ、そんな!」
 金髪の美女に耳元で優しく囁かれて、少女は不安げに室内の女たちの顔を見渡す。しかしマインひとりを除く彼女たちから、肯定を示す沈黙と微笑みを返されて、ケイティの可憐な面差しに悦びの色が浮かび上がっていく。
「いいのよ、ケイティ。さあ、……行きなさい」
 濡れた瞳で、ケイティはそっと男の前へ進み出た。
「は、はい……! た、大尉、……ご寵愛を……」
 そして少女は意を決するように言いながら、自らエゥーゴ制服の正面をはだけた。
 恥じらいながらの仕草の中で、やや控えめながらも形の良い胸の膨らみと桃のような臀部を包む下着姿が、ベリヤと周囲に侍る女たちの眼前へとさらけ出されていく。
 控えめな面差しは期待に染まりながら、それでも自信なさげに、ベリヤへ媚びるような上目遣いを寄せていた。
「綺麗だよ。――ほら、おいで。ケイティ」
「――はいっ!」
 ベリヤがそっとその手を差し伸べる。するとケイティはその表情をぱっと明るい悦びに染めあげながら、手招く男へ向かって歩み寄りはじめた。
 少女が恥じらいつつも自ら衣服を脱ぎ捨て、周囲に半裸を見せつけていく。その異様な光景にマインはただ呆気に取られていた。一拍遅れて、ひとり抗議の声をあげはじめる。
「お、……おい。おい、コラ、ケイティ……お前、人様の前で何してくれようとしてんだよ!?」
 だがケイティはもはや、マインの叱責などに耳を貸そうとしない。下着姿の少女は馬耳東風と聞き流して、ベリヤの腕の中にその身を委ねていた。
「あらあら、ハフナー少尉。そんなに大尉に抱かれるケイティが羨ましいの?」
「あァ!?」
 マインが咄嗟に吠え返したとき、ルチアは彼女へと向き直っていた。再び妖しい微笑みを浮かべていく。
「でも、ダメよ。あなたはまず、自分の立場から理解しなければならないの。だけど安心して。今夜のあなたの相手は、別に用意してあげたから」
「何っ……?」
 ルチアが目配せすると、唐突に部屋の扉が開いた。数人の男たちが入室してくる。
「――あぁん? なんだてめぇら――何しに来た?」
 ずかずかと侵入してくる男たちの何人かは、マインにも見覚えがある。パイロットの過半を女性が占めるジャカルタMS隊において、マインの舎弟二人以外のわずかな男性パイロットと、整備要員だった。
 彼らは全員がその欲望を隠すこともなく品定めするような目で、エゥーゴ制服の上から激しく自己主張するマインの豊満な肉感を眺め回していく。
 普段のマインがそんな不躾な視姦などを受ければ、即座に相手の胸ぐらを掴んで啖呵を切っていただろう。
 だが今のマインは身体へ漲っていく熱に冒されたまま、これから自分の身に訪れることになる『何か』を期待するように、ごくりと唾を呑んで立ちすくむだけだった。
「ハフナー少尉。君はまだ疲れが抜けきっていないようだ。レクリエーションを楽しむといい――彼らに手伝ってもらってね」
 ベリヤは肩越しにマインへそう言いおきながら、男たちの乱入でわずかに気を取られかけていたケイティの腰を抱き寄せ、その唇を奪った。そのまま舌を侵入させる。
「……!」
 ケイティは驚きの表情を見せたが即座に応じ、すぐにその目を蕩けさせる。二人の舌が互いを求め合うように、口腔内で絡み合う。粘つく唾液の音を衆人環視に響かせながら、ベリヤは巧みにケイティの背中でスポーツブラジャーのホックを外した。
 そのまま片手で脱がされたブラジャーは投げ捨てられて、ケイティの控えめだが形の良い乳房を衆目に曝け出しながら宙を漂う。
0263フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:11:35.21ID:Lqjh99Ey
「お、お前ら……な、何おっぱじめようってんだよ……!」
 愚問と知りながら、それでもマインは言わずにいられなかった。
 清純可憐といった雰囲気のケイティが、ベリヤと女たちの前で脱いだ。これだけでもすでに常軌を逸してはいるが、感覚的には理解できてしまっていた。
 何よりもまず、どれだけ理性で否定しても、マインはベリヤに犯されることを望んでしまっている。
 ケイティはそれに先行した。マインはあまつさえ、あの少女に嫉妬さえしてしまっている自分の存在を理解してしまっていた。
 だがこの場には今、第三者が――その他の男たちがいるのだ。
 どうなっている? これからどうなる? どうすればいい?
 混乱し、その場で立ちすくむマインの傍らへ静かに忍び寄った男の一人が、その手を閃かせた。
「なっ!?」
 慣れた手つきでエゥーゴ制服のベルトが素早く外され、ワンピースの女子制服が背後から別の男にあっさりと脱がされる。
 そしてさらに一人の男が背中から組み付き、ブラジャーもろともマインの巨大な双乳を握りしめた。
「くっ!?」
 男の大きく堅い手指が、マインの乳房へ深く沈み込む。これほどの無体を許しながらあり得ないことに、マインはまったく男へ反撃することが出来なかった。
「あ、ふう……ッ! や、やめ……ッ!」
 乳首を探るようにカップの表面で男の指先が動き、マインは甘い悲鳴をあげながら、びくりと背筋を震わせる。
 男に揉まれながら、マインの乳首はブラジャーの下で母乳を分泌していた。溢れる母乳はさらにカップの内側を濡らしていく。すぐに染みがブラジャーの表面にまで達するだろう。
 男に手指で感じ取られてしまうかもしれない。
 このままでは自分の乳房が、まだ出産経験もないのに母乳を噴き出すことを知られてしまう。
 一刻も早く、この男たちを払いのけなければならない。だが、マインにその力は沸いてこない。力が抜けていく。
 その豊満な乳房を包むブラジャーの上辺に、男の両手指が掛けられた。
「この胸が苦しそうですね、少尉――」
「あっ――!?」
「いま、楽にして差し上げますよ」
 そのまま無情にも、マインのブラジャーは剥き下ろされた。
 カップの束縛を逃れた爆乳が二つだぷんと弾けて飛び出し、封じられていた汗が靄となって溢れ出る。尖端にぷっくりと膨らみながら黒く変色した乳輪が、その勢いで母乳を飛沫き散らした。歓声が沸き上がる。
「おお……!」
「素晴らしいモノをお持ちですな少尉……いつもスーツの上からでも大きい大きいとは思っておりましたが、これほどとは」
「白磁の肌と裏腹の、この黒く染まりながら乳を出す乳輪の下品なこと。乳房の大きさに見合って、乳の出も実に景気が良い」
 男たちが感嘆の声を上げつつ、今や衆人環視の下へとさらけ出されたマインの乳房を好き勝手に品評する。
 しかしマインはこの異常な状況の中で、男を殴り倒すこともその乳房を隠すことも出来ずに、ただ立ちすくむしかなかった。
「あ、ああ……み、見るな……やめろ……やめろぉ……!」
 マインは呼吸ばかりを荒げて上気した頬で、男の腕の中からただ男たちを眺め回すばかりだった。
「良いモノを見せていただいた……では我々も、貴女を楽しませて差し上げなくては」
 そしてマインを取り巻く男たちは、次々にベルトを外しはじめた。躊躇なく下着も下ろし、屹立した自らの逸物を彼女目掛けて突きつけていく。
 黒く反り返る肉槍の群れが亀頭をもたげて、巨大な乳房から母乳を滴らせる金髪の美女に狙いを定めた。
「あ、ああ……あっ、あああああああ……っ……」
 突如としてそんな異常な環境に置かれながら、裸身のマインの脳裏を最初に過ぎったのは、抵抗でも逃走でもなかった。
0264フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:12:31.91ID:Lqjh99Ey
 それはこれから自身へ訪れることになる、未知の快楽への期待だった。
 マインの乳房からブラジャーの殻を剥いた男はそのままホックも外すと、カップの裏側から母乳を滴らせるブラジャーを部屋の片隅へ投げ捨てる。
 次にショーツの内側へと強引に指を入れると、早くも濡れそぼっていたその秘唇へ押し入り、くちゃくちゃと掻き鳴らした。
「あっ!? あっ、あうううううーーーっ!?」
 同時に陰核を攻められたマインは体勢を保てず、がくんと大きく崩れてしまう。彼女が次に顔を上げたとき、目の前には三本の男根がそそり立っていた。
「……あ、ああ……っ……!!」
「では、ハフナー少尉……失礼。犯らせていただく!」
 男たちが笑い、マインの両手を戒めた。長身のマインよりも屈強な男たちが数人がかりで彼女を床へ組み敷き、欲望のままに彼女の肉体を貪りはじめる。
 握りつぶされた乳房が変形して乳輪から勢いよく母乳を噴き出し、反対側の乳輪に男が吸いついてはごくごくと母乳を飲む。
 子を産み育てた経験をまだ持たないマインは、その無遠慮な搾乳と授乳に母乳を吸い出されて軽くなっていく乳房の快感に抗えないまま、ただ幼児のように泣き喚いた。
「おっ、おっぱい! おっぱい嫌ぁ! 吸われてるぅ……搾られてる!! ああぁぁ……あたしのおっぱいが、からっぽに、からっぽになるぅ〜〜〜!!」
「ハフナー少尉の母乳、甘くておいしいですよ……」
「地球圏最高のミルクサーバーですな」
 巨乳に二人の男がむしゃぶりつき、金髪や筋肉質な太腿をいいように撫で回されるなか、一人の男がその巨大な逸物にコンドームの装着を終えていた。
「あッ!? そ、そこはっ。やめろッ!!」
「フフ……では、お留守の本丸をいただく!」
 甘い悲鳴など意にも介さず、ずむぅっ、とマインの奥まで男が突いた。
「あおおおおおぉぉぉ――ッ!!」
「おおッ、良い……締まる……ッ!」
 野太く猛った肉棒に、男を待ち望んでいた深い洞窟を奥まで一気に満たされる。子宮を突き上げられるその快楽は、マインに喉奥からの嬌声を響きわたらせた。だが、
 ――違う。
 群がる男どもに容赦なく全身を犯され、荒い息づかいで必死に欲情混じりの熱い空気をむさぼりながら、マインはかすむ瞳で天井を、室内を見つめていた。
 火照りきった身体に叩きつけられる男たちの欲望が、膣を押し広げながら侵入してくる逸物の滾りが、マインにまったく快楽を与えていないわけではない。
 だが、違う。それでは、届かないのだ。
 ――あたしが望んでいたのは、これじゃない。
 無限にも思えるほど遠い数メートルの向こうで、ケイティがベリヤに抱かれていた。
 マインに比べればずっと小さく控えめな乳房をベリヤの掌がぎゅっと揉むと、ケイティの甘く高ぶる嬌声とともに、黒く染まった乳首から幾筋もの母乳がほとばしった。
 マインはその光景を見て、初めて理解した。
 ――ああ、そうか。そうだったのか、ケイティ――あいつも、……アイツに、やられてたのか。。
 男たちの隙間から遠く見えるケイティの表情は、完全に蕩けきっていた。マインの方など一顧だにしない。目の前の男に溺れきっている。
0265フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:13:20.61ID:Lqjh99Ey
 そして、マインは唐突に理解する。
 戦場でMSのコクピットをビームに貫かれ、パイロットスーツをメガ粒子に蒸発させられ全裸に剥かれていく中で感じた、あの「死」を裏返したように倒錯しきった絶頂。
 MSの装甲を瞬時に蒸発させるあの熱量へ裸身を曝し、荒れ狂う爆炎に揉みほぐされて準備を整えた女体は、雌の欲望に核爆発級の熱量を蓄えていた。
 逃れられぬはずの死から反転した劣情は、浅はかな理性などたやすく振り切る。
 そして灼熱に蕩けた女陰をはじめて貫いた男の陽根は、抜挿を繰り返す中で女の内面を自らの存在なくしては決して満足できないかたちへと、永遠に作り替えてしまったのだ。
 ――あたしは、もう――アイツのでなきゃ、ダメな身体にされちまったんだ。
 猛然と腰を振っては叩きつけ、乳房を貪って全身を犯す男たちの中で、マインはその残酷な現実を理解した。
 この男たちがどれほど自分に欲情し、どれほど献身的に奉仕したところで、それらはすべて無駄なのだ。
 いまショーツを脱がされていくケイティ・ブラウンの濡れ光る股間に、ゆっくりと宛てがわれていくベリヤの逸物――もう忘れもしないあれでなければ、自分はもう、永遠に満たされることはなくなってしまったのだ。
「おホアアアァァァーーーッッッ!!」
 そして、ずぶう、とベリヤを呑み込んだ瞬間、ケイティは魂消るような絶叫を放った。全身をびくびくと震わせている。
 脳のすべてが焼ききれるほどの、核爆発級の性感絶頂。
 マインにも覚えがある。
 そう。最初にベリヤに犯され、膣内射精を受けた瞬間だ。あの一瞬、マインの意識は宇宙の彼方まで吹き飛んだ。
 あの膣内射精で――自分の乳房を変質させ、ぶざまなミルクタンクへと変貌させたあの一撃で、その男こそが自らの「主人」であると、自分は遺伝子レベルで認識させられてしまったのだ。
 あれを知ってしまった後ではもはや、こんな有象無象の男どもとの性交など児戯にも等しい。だからマインは叫ばずにいられなかった。
「ちんぽ、……おちんぽほしい……っ、おまんこにほしいのおおおっっっ!!」
「ああ? なんだよ……ちんぽなら今、あんたのおまんこに入れてやってるじゃねぇですか……!」
「ちがううっ。これじゃっ、これじゃないいっ。あいつの、ベリヤの、隊長のおちんぽでなきゃ、いやなのおおおっっっ!!」
 自らの肉体と男根に絶対的な自信を持っているのであろう男が、頑是無い幼女のように泣きわめくマインを犯しながら、やや不機嫌そうに吐き捨てた。乳房を揉み搾る男がたしなめる。
「しょうがねえんだよ。いっぺん大尉の『お手つき』になっちまった女は、もう二度とほかの男じゃ満足できねえ。お前のモノがお粗末ってわけじゃねえから、気にすんなよ」
「だけどよ……」
「へッ。イヤなら戦場で落としたての女を拾って、手前の種を付けるしかねェな!」
「ま……ここじゃそんな抜け駆けは御法度だし、大尉の前じゃあ出来もしないが」
 最後の一言だけ声を落とすと、男たちは再びマインの女体へ没頭していく。自らの実力で屈服させることが出来ずとも、ただ一方的に汚すだけでも満足できるだけの美しさと野卑な気高さがマインにはあった。
「ふふっ。かわいいわね、ケイティ……」
 無様に輪姦されるマインを視界の端に留めつつ、自らも衣服を脱ぎ捨てたルチアが、貫かれたまま意識を半分以上飛ばしていたケイティの背中に付いた。
 その乳房を優しく揉むと、マインの巨乳にも負けないほどに勢いよく、母乳がびゅうっと遠く飛び散った。慈愛に満ちた瞳で少女の横顔を見つめながら、その耳元に優しく囁く。
「避けられぬはずの死の運命に抗い、そして打ち破った。おめでとう、ケイティ。あなたは運命に選ばれたの」
「……う、……あ、あ……。……副、隊長……?」
 ようやく意識を戻したケイティが、うつろな瞳でルチアを見る。
0266フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:14:07.07ID:Lqjh99Ey
「ふふ、ケイティ。ここではルチア、でいいのよ。だって私たちはみんな大尉の寵愛で結ばれた、姉妹なんですもの……」
「姉妹……」
「そう。あなたと、それからあそこのマインも、私たちの新しい末の妹。歓迎するわ、ケイティ。死の運命を乗り越えて大尉に抱かれることは、地球圏の女にとって最高無上の快楽。その悦びを分かち合いましょう――」
「動くよ、ケイティ。いいね?」
「あ、はいっ……あむッ!!」
 ベリヤは言うや彼女の腰に添えた両手で、引き寄せながら少女を奥へと突き上げる。雌の魂魄へと灼きつけられた陽根をリズミカルで巧みに突きこまれ、ケイティはたまらず悶え狂って絶叫する。
「ああ! あああああ、ああっ、あうほおああああーーーッ!!」
 体位を変えながら執拗に繰り出される巧みな腰使いの前では、少女の意識など風前の灯火であった。
 ルチアはそれを満足そうに間近で見つめ、遠巻きに女たちが羨み自慰するような視線を向ける傍らで、マインは決して絶頂まで届くことのない愛撫と凌辱に悶えていた。
「うっ……ケイティ、行くよ……」
「ああっ、きてっ、きてください、たいい、わたしのなかにきてっ、だしてえっ、わたしのおまんこのおくにいいいっ、たいいのこいのだしてぇぇぇっっっ!!」
「ああっ……ああああああ……っ!!」
 ベリヤとケイティが絶頂へのラストスパートを駆け上がっていくなか、その絶叫を聞かされながら犯されるマインも煩悶していた。その切なげに喘ぐ仕草が、群がる男たちの欲望を刺激していく。
「うっ……嫌がってても締まりは上々っ、俺もここらでイキそうだ!」
「かわいいよ、そのイキたいのにイケない今の表情、マインちゃん最高に可愛いよッ!」
「へへへ……ここいらで出させてもらう!」
 そして速まっていくベリヤの抜挿が頂点を迎える瞬間、ケイティの狂ったような嬌声に導かれるように、マインを犯す男たちも連鎖的に絶頂に達していった。
「たッ……大尉ぃぃぃっっっ!!」
「射精(で)るッ!!」
「んほおあああゃぁあああああーーーっッ!!」
 ベリヤの陽根がひときわ大きく膨れ上がり、ケイティの膣奥から子宮口を狙って熱い白濁液を一気に吐き出す。その怒濤はコロニーレーザー級の威力で、少女の意識をまたしても一瞬のうちに蒸発させた。
「イクうッ!!」
「あヴァあああああーーーっ!!」
 そしてマインを囲む男たちもコンドーム越しの膣内で、あるいは金髪へ、巨乳へ、顔面へしごき上げ、あらゆる場所へと射精した。
 粘ついた精液の弾幕が次々と女体へ着弾し、白い肌を汚していく。乳房では間欠泉のように乳首と乳輪から噴き出す母乳と精液が混じりあい、ぬらつく粘液の異様なカクテルを形成した。
 意識の灯火を吹き消されたケイティが、瞳から光を失って崩れ落ちる。びくびくと震える彼女の股間からベリヤが逸物を引き抜くと、混じり合った精液と愛液が別れを惜しむように長く糸を引いた。
「あら、可愛い。ケイティ、もう落ちてしまったのね」
 目を見開いたまま気絶したケイティの頬を、ルチアが優しく撫でる。
「かわいそうに、ケイティ。せっかくの寵愛日なのに、今日はもう無理そう……。大尉はまだ収まらないでしょう? このあとの寵愛、……誰にお授けになるのかしら?」
 ルチアの言葉に、取り巻く女たちが色めき立つ。
 一度味わえばもはや一生忘れられない唯一無二の快楽を思って、ケイティの痴態を見せつけられてひどく高ぶった女たちが、妖しく媚びた目をベリヤへ向ける。一片の可能性にすがるように、マインも虚ろな瞳を向けた。
「いや、ルチア。次の相手は、実はもう決めてあるんだ」
「あら?」
0267フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:14:48.73ID:Lqjh99Ey
「リアンナ。君にしよう」
「……!」
 射貫くような視線でベリヤが指し示したのは、性の宴も酣のころに遅れて入室し、そのまま女たちの背後へ隠れるように佇んでいた童顔の美女――リアンナ・シェンノート少尉であった。急に注目を浴びた彼女は、怪訝そうに声を上げる。
「あら……。本当に私でよろしいんですの?」
「いいんだ。今日は無性に、君を抱いてみたい」
「あらあら。それは光栄ですこと」
 くすくすと微笑みながら、リアンナは進み出た。そのリアンナの耳元に、裸身のままで寄ったルチアがそっと囁く。
「羨ましい。リアンナ、大尉は貴女に妬いてるのよ」
「妬いて……? 大尉が、私に?」
 そしてベリヤは無言のまま、荒々しくリアンナからエゥーゴ制服を剥いた。ブラジャーに包まれたまま大きな乳房が弾み、ベリヤはさらにその乳房を掴んでブラジャーをむしり取る。
「あん……っ!」
 マインの巨乳に比べれば小ぶりではあるが、ケイティよりはずっと大きな乳房が露わに弾けた。小柄なリアンナの体格と合わせて見れば、どこか背徳感すら与える見事さである。
 ベリヤは依然として平静なままの表情でその乳房を乱暴に握って大きく変形させながら、外見相応の可憐な少女のようにびくびくと震えるリアンナを見下ろしていた。
「可愛いね、リアンナ。君は変わらない――あの頃のままだ」
「……あら。そうかしら……少なくとも大尉の制服とお名前は、あの頃とはずいぶん変わってしまったのではなくって?」
「私の話じゃない。君の話だ」
 あくまで柔らかく微笑みをたたえ、しかし反論を許さない強さを秘めてベリヤは迫った。
 7年前。ルウム戦役。
 華やかな大艦隊戦の傍らで軽やかに宇宙を駆け抜け、レーザーとわずかな固有兵装を放って空しく抵抗するサイド5のコロニー群を、次々と核バズーカで粉砕していくMS-06C《ザクU》。
 艦艇のメガ粒子砲や通常弾頭のミサイルの火力など、コロニー相手ではドラム缶を針で刺すに等しい。多数のコロニーを大破分裂させて今日に至るまで広がる暗礁宙域を作り上げ、二十億人を虐殺した最大の功労者が、MS隊による近接核攻撃であった。
 そして単独で数千万人を虐殺するコロニー潰しという、誰もが良心の咎めるはずの任務を淡々とこなしていった、ジオン公国軍とその残党たちが黙して語らない、知られざるエース・パイロットが存在した。
 その中の一人、ルウム戦役だけで五基のコロニーを潰した「コロニー・エース」――史上最大の戦果を挙げながら、それゆえ決して歴史の表舞台に出ることを許されなくなった究極のエースパイロットは、そのとき奇妙な漂流物を拾い上げた。
 核弾頭を撃ち込まれて一千万人を超える住民ごと内側を蒸発させながら、膨れ上がって破裂したコロニー。その爆炎から流れ出てきたそれは、淡い光に包まれた、傷一つない少女の裸身だった。
「ここ最近、君とは少しご無沙汰だったね」
「そう……でした、かしら……。ごめんなさい。今日、あまり上手にお相手出来ないかもしれませんわ」
「そんなことはないさ」
 ベリヤの手指と舌先が、リアンナの小さな身体を這いまわる。
 そんな責めに苛まれれば、幼少時から男を愉しませる房中術を「学園」で仕込まれ、つい少し前まで歴戦のジオン残党兵を女の武器で手玉に取っていた美少女の妖艶な仮面は、形を保てずに溶けていく。
 さらにショーツを乱暴に引き下ろされて、すでに愛液を溢れさせていた女陰に指を差し込まれる。
「ん……ッ……」
「準備万端だね……」
 くちゅくちゅと水音を立てて掻き回されながらも、リアンナはまるで気のない素振りを保とうとした。
0268フェニックステイル第29話後編2019/09/23(月) 17:15:57.77ID:Lqjh99Ey
 リアンナが平静を装えたのもそこまでだった。
 ベリヤがリアンナの腰に両手を添え、軽々と持ち上げる。そして反り返ったままの肉槍を、手指に代わって濡れそぼる秘所へ添えた。
 絶対の快楽を約束する至高の陽物からリアンナは必死に目を逸らすが、合体の予感を受けて裸の乳房の頂は、可憐な桜色の乳頭が堅く立ち上がらせていた。
 ケイティを犯したばかりの逸物に、ずむぅっ、と女陰を一気に貫かれれば、それだけで彼女は稲妻に撃たれたように反り返った。
「あふうううぅっ、あああぁぁぁ……っっっ!!」
「無駄だよ。あの日に君を見つけて拾い上げ、そして犯したときからすべてが始まった。君は永遠に私から逃げられない。今までも、これからも……ね」
「んむうううぅぅぅっ!!」
 今やリアンナは巧みな腰使いを受けては情けなくよがり狂い、甘い嬌声を上げながら男の腕の中で溶けていくのみ。なすすべなくベリヤに圧倒されて喘ぐリアンナの痴態は、先ほど犯されたケイティと大差ない。
 ドッツィの前で見せた男を弄ぶ妖女の仮面はもはや、溶鉱炉に投げ込まれた飴細工のように消え失せていた。ベリヤの囁きを理解する知性すら失われている。
 それでもリアンナは心の奥までは犯されまいと、声にならない悲鳴を上げて最後の抵抗を試みる。そんな彼女に容赦なく腰を叩きつけながら、ベリヤは耳元で甘く囁いた。
「忘れなさい――すべてを果たすその日まで。君を満たしてあげられるのは、私だけなのだから」
「――ッ!!」
 どぷぅっ、とリアンナの膣奥と意識を、ベリヤ二射目の白濁液が染め上げる。
 この七年間で何度となく受け入れてきた、しかし、決して慣れることのない膣内射精。
 その威力はあの日、少女の暮らす箱庭のような閉じた世界を焼き尽くした核弾頭の威力で、今も彼女の理性を焼き尽くすのだ。
 ――おじさま
 リアンナの目尻に涙が浮かび、無重力空間へ流れ去っていく。
「あら。リアンナも、もう落ちてしまったの? 『墜としたて』でもないのに、ずいぶん早かったのね」
「内に抱えた強い想いも、良いスパイスになると分かった。今後の楽しみに使えそうだ」
「ふふ、大尉。悪そうな顔をしているのね……?」
 ルチアが微笑む。ベリヤが気絶したリアンナから逸物を引き抜くと精液が溢れ出た。その間も男たちの獣欲の餌食にされ続けていたマインが虚ろな瞳で、せめてその精液だけでも口にしようと物欲しげに見つめる中、ルチアはベリヤへ直接腕を絡めた。
 豊満な乳房を背中に押し付け、勃起した乳首で弧を描きながら、甘い声色で求める。
「お願い、大尉。もう、我慢できないの……。次は、私と……ね……?」
「仕方のない副隊長だ……」
 気絶したケイティとリアンナを手際よくメイヴが搬送する傍ら、ベリヤはルチアをその腕に抱いた。マインは犯され続けている。
 戦艦ジャカルタの淫らな狂宴は、未だ終わりの気配を見せようとしない。
0269フェニックステイル第29話後編投下終了2019/09/23(月) 17:17:01.15ID:Lqjh99Ey
今回は以上です。次からトラキア隊へ戻る予定です。
もう少し内容を整理して、ハーメルンとpixivに挿絵込みで掲載します。
0272名無しさん@ピンキー2020/04/16(木) 15:53:58.78ID:/W92oG0Y
今度やる閃ハサでいい感じの女性パイロットとかは居るのかな…
0273名無しさん@ピンキー2020/04/16(木) 18:13:12.34ID:qNINmPMi
読んだの遙か昔なんで女パイロットがいたか覚えてないがトップレスのメカニックがいたような気がする。
0275フェニックステイル第30話2020/08/14(金) 03:50:57.17ID:D/3zI9UV
 生命の名残が、冷たい宇宙を流れていく。
 コロニーの外壁。ビルや家屋だったものの一部。氷塊。土砂。枯れ木。エレカ。椅子。本。衣服。人形。
 そして、
「――船?」
 暗礁宙域を低速で行くサラミス改級巡洋艦『トラキア』の前部上甲板に立ち、ビームライフルとシールドを手にして対空監視に当たるRGM−79R《ジムU》。
 そのコクピットで全天周モニターに映った生命の灯を目に留めて、パイロットの少女兵は惚けたように声を上げた。
 彼女たちがつい数時間前にジオン残党軍、そしてエゥーゴと激しい戦闘を繰り広げた宙域からは、すでに遠く離れている。目指す拠点は近い。
 ミノフスキー粒子の濃度も薄まりつつあり、レーダーも一定の機能を回復していた。それでも暗礁宙域に漂う無数の物体から早期に脅威を識別するには、最後は光学系の観測手段に頼らざるを得ない。
 ジムUは頭部を巡らせ、その方向へとメインカメラの望遠を掛ける。拡大された視界へ飛び込んできた船は一隻だけではなかった。その周囲を探ればすぐ近くに、同じ航路を進む他の船舶が続いている。
 先ほど接触した不審船と同じ、コロンブス級輸送艦が成す船団、あるいは艦隊だった。
 《トラキア》が属する第223戦隊と同様の方向を目指しているように見えた。操縦桿を握るノーマルスーツの手袋の下に、冷たいものがにじんでくる。
 それらの船団の周囲に小さく煌めく光条を見つけて、その急激な動きに少女――アイネ・クライネ伍長ははっとした。
「モビルスーツ!」
 こちらへ向かってくる。速い。アイネは思わず機体にビームライフルを構えさせつつ、迎撃すべく甲板を蹴って発艦しようとした。
『いいよ、アイネ! アレはほっといていい』
「ミケリヤ少尉?」
 だが武器を構えて飛び出しかけたアイネのジムUは、ともに警戒任務に就いていた指揮官機――RGC−80S《ジムUキャノン》に制止された。トラキアも砲塔や機銃塔を回して反応を示してはいるが、どれも発砲はしていない。
 同時にモニター上に、識別情報が弾け出る。
『連邦宇宙軍新サイド4駐留軍 第411MS中隊(予備役)』
「――友軍?」
『そこのジム・キャノン、ミケリヤの姐さんですか?』
 惚けたように呟いたアイネの耳へと、迫る機影から残留ミノフスキー粒子を超えて、いくらかノイズ混じりの音声通信が届く。アイネとそう変わらない年頃と思しき、若い娘の声だった。
『ん、トモエ? あんたらの船団、いま帰ってきたの?』
『やっぱりっ。お久しです、姐さん! それに――このサラミス改、トラキアじゃないですか! 懐かしい組み合わせですねっ』
 通信回線に人懐こそうな声を弾ませながら、発信源は見る間に大きく近づいてくる。軽快な機動を見せるパブリク改級哨戒艇と、その上下へそれぞれ張り付いた二機のMS、RGM−79GSR《ジム・ゲシュレイ》だった。
 ジオン残党軍との大乱戦で大いに暴威を振るったゲンナー・ウェズリー少尉機と同型の、RGM−79GS《ジム・コマンド宇宙戦仕様》の近代化改修機たる二機は、パブリク改の艇体を蹴って軽やかに発進。
 トラキアと相対速度を合わせて空中で並んだ。
 ゲンナー機同様に、ビームガンとシールドの標準装備――そしてシールドの裏に見慣れない格闘兵装らしき長柄を搭載したゲシュレイは、バイザー越しのモノアイ・センサーでトラキア艦上のサブリナ機とアイネ機を一瞥する。
『あれ。マコトさんは?』
『マコトなら、今は下で整備と休憩中。さっき残党軍と派手にやりあってね』
『ええ。戦闘光、こっちも望遠で見ましたよ。で、あっちで溶けたり凹んだりしてるのは『マカッサル』ですか……ほーん。派手にやられたみたいですね』
『……ま、痛み分けさね』
『姐さんとゲンさんが、マコトさんとリンさんに加勢してですか? エグい獲物だったんですね。残念ですよ。こっちの帰りがもうちょい早けりゃ私らの加勢で、そいつら跡形もなくツブしてやれたのに』
 先頭を行くトラキアに並行しつつ、ゲシュレイは後続する同級の戦隊旗艦『マカッサル』とサラミス改級駆逐艦の僚艦『アルマーズ』、そして『大ジオン仏道』に襲撃されてからトラキアに同行している貨物船『リバティ115』を見下ろす。
0276フェニックステイル第30話2020/08/14(金) 03:52:57.28ID:D/3zI9UV
 それからゲシュレイの少女兵は、何気ない風を装うように聞いてきた。
『あと、そういや……シュンの奴、どうしました?』
『トモエ。あんたさっきから、それが一番気になってたんでしょ。ピンピンしてる。ローテーションで今は中だよ』
「!」』
 因縁浅からぬ僚友の名を不意に出されて、会話の脇に押しやられていたアイネが顔を上げる。トモエと呼ばれた若い女性パイロットは、含み笑いでサブリナへ告げた。
『いやー、この前の寄港時にうまいこと誤魔化された続きって言うか……。この様子だとトラキアも、しばらくはP−04にいるんでしょ?
 なら、シュンの奴に自分の立場を『理解(わか)らせ』てやるための時間は、たっぷりあるってことです――なぁに、今度は逃しゃしませんよ』
『ま、別に野暮いことは言わんけどね。若いの同士、その辺は適当にうまいことやんなよ』
 狩りの獲物についてでも語るようにしながら、ゲシュレイの少女兵は不穏に笑う。息を呑んだまま、知らずその機影を睨みつけていたアイネへ、不意に新たな音声通信が入った。
『あら。そっちのジムU、新しい人?』
『!』
 余裕を持って語りかけてきたのは、こちらも若い女の声だった。
 アイネが自機の頭部ユニットを向け返したレーザー通信の出所は、トモエと呼ばれた少女兵の機体のやや後ろに控えるようにしながら並航する、もう一機のジム・ゲシュレイからだった。
『はじめまして。私はリタ・ブラゼル伍長。ルウム農協の予備役兵なの。ハヤカワ准尉とアーデル曹長、ミケリヤ少尉、ウェズリー少尉にリンリー少尉にはずいぶんお世話になっているわ』
 そして音声通信を入れてきた相手はアイネに対し、さらに映像回線の権限を要求している。
『挨拶させてよ、新顔さん』
『予備役……』
 サブリナが制止してくる気配もない。一瞬迷ったあと、アイネは映像回線を開きながら名乗った。
『――現役兵、アイネ・クライネ伍長です。ブラゼル伍長、よろしくお願いします』
 現役兵、の部分へ無意識のうちにアクセントを付けながら、改めて堂々とアイネは名乗った。リタのゲシュレイは距離を保ったまま、トラキア甲板上のアイネを見下ろすように浮かんでいる。
 全天周モニターへ小窓が開く。ノーマルスーツがヘルメットからバイザーを上げると現れたのは、大粒の黒真珠のような瞳に妖艶な光を湛えた、褐色の肌の美少女だった。
 年齢もアイネとそう変わらないだろう。だが彼女には自分とは異質な系統でありながら、しかし一目でその美貌を思い知らせられてしまうだけの『力』があった。
 そして同時に、アイネは気づく。彼女が相手の美貌に息を呑むのと同時に、リタもまた、自機コクピットの小窓に開いたアイネの容姿を、上から下まで値踏みするように見つめていたことを。
『へぇ。ここへ来て急に、まさかの伏兵出現かぁ……』
『何を……?』
『あ……? あ、ああ!? こ、こいつッ!?』
 嘆息しながら思わせぶりに呟くリタの思惑が読めず、訝しむように呟いたアイネにそのとき突然、サブリナと話していたもう一人の少女兵が叫んだ。
 全天周モニタにいきなり新しい小窓が開いたかと思えば、割り込むように映った少女が人差し指を突きつけながらアイネを睨みつけてくる。
『テメー! いったい誰の許可取って、マコト先輩よりデケェ乳ぶら下げてんだッ!!』
『――へっ……?』
 開口一番に少女が叫んだ、あまりにもあまりな暴言。とうてい軍用回線を使って発された言葉と思えないそれは、あっさりとアイネの思考を停止させてしまっていた。
 サブリナからトモエと呼ばれていた少女兵は、マコトと同じ東アジア系の、少年的な中性さを帯びた顔立ちの美少女であった。
 リタとはまた大きく系統が異なるが、彼女もまたアイネを圧倒しうるだけの、研ぎ澄まされた刃のような美貌を備えている。
 だが今、トモエの鳶色の瞳は敵の新兵器に直面した兵士のように見開かれ、同時にその口元は溢れ出る戦意を殺しきれないと言わんばかりに固く食いしばりながらわなわなと震えていた。
 そして少女が突きつけた指先と、射殺すような視線の先は――アイネのパイロットスーツをふたつ大きく突き上げる、暴力的なまでに巨大な丸みを隠しもしない双丘であった。
 もっともアイネが見る限り、リタとトモエもその胸元で相当に豊かな膨らみを見せつけている。サブリナ以上、マコトに匹敵するだろう。
 身体の線を出すパイロットスーツの胸元からその形と質量を十分に誇示する二人の乳房は、世間一般なら十分以上に巨乳とされて強く目を引く大きさだ。
0277フェニックステイル第30話2020/08/14(金) 03:54:09.71ID:D/3zI9UV
 だが、それでもアイネの胸元に育った規格外の爆乳との間には、マゼラン級戦艦とサラミス級巡洋艦の違いをも大きく超える、圧倒的な格差が厳然と存在していることも理解できた。
『アイネ、とか言ったか……? 私はトモエ。ルウム農協予備役、斬り込み屋のトモエだ。覚えとけ。今に見てろ……ゼッテー負けねぇ。その澄まし顔、吠え面掻かせてやるからな……!』
『どうして』
 映像回線を開いただけなのに。
 他には本当に何もしていないのに、初対面の美少女二人の一人から、なぜここまで露骨な敵意を向けられなければならないのか。
『それではミケリヤ少尉、私たちはそろそろ』
『おう。揉んでやるからさ、また遊びに来なよ』
 散歩中にいきなり興奮して通行人へ吠えかかった犬のリードでも取るようにして、リタ・ブラゼル伍長が何事もなかったかのように話しかけると、サブリナも軽い調子でそれに応じた。
 トモエが最後までアイネへめんちを切ってから小窓が閉じると、二機のジム・ゲシュレイはスラスターを噴いて軽やかにパブリク改へ飛び乗る。
 上下にMSを載せた哨戒艇はそのまま加速して旋回、鮮やかな軌跡を曳きながら元来た船団の方へ姿を消していった。
 それを見届けながら歩み寄ってきたサブリナ機が、アイネ機の肩へ左手を置く。
『ごくろーさん。いやー、悪い娘たちじゃないんだけどさぁ。女の世界って、面倒くさいよねぇ』
『明らかに、そういう次元の問題じゃなかった気がするんですが……』
『ま、あの子たちも腕前と根性、それにジオンの残党どもをぶち殺して自分の村を、P−04を守りたい、って思いは本物だから。あの二人とも、私やマコトたちが鍛えた弟子みたいなもんなの。
 あいつらと訓練するのは、アイネにとっても悪い話じゃないと思うね』
『ハヤカワ准尉の――』
 大ジオン仏道の襲撃で最初の母艦もろとも撃墜され、漂流していた自分を回収したマコト。シャワールームで目覚めた自分の目の前にいた、強く凛々しい美女。
 それほど年が離れているわけではないはずなのに、彼女はあまりにもアイネの理想を形にしてしまっていた。何か得体の知れない運命的な力さえ感じさせるほどに。
 厳しくも力強く自分を鍛え直してくれた彼女の導きがあったからこそ、アイネはその後に重なった数度の戦闘を生き残ることが出来た。そう自負している。マコトの名前を口にするだけでも胸が高鳴る。
 この短期間に、マコトはアイネの心の中のもっとも大きな部分を占めるようになってしまっていた。だから確かめた。
『あの二人は、ハヤカワ准尉とも長い付き合いなんですか?』
『そりゃもう。去年あの因業ババァに母港を宙域外に移されるまで、トラキアもP−04を拠点にしてたからさ。マコトの家も大事な人も、ずっとここなの。そうだよ……アイツ、もう半年ぐらい会えてなかったんだよね』
「…………。……『大事な人』……?」
 ハヤカワ准尉の?
 ――誰?
 何気なくサブリナが呟いた中に出てきたその一言だけで、頭の中からその他のすべてが消し飛ぶ。それきりアイネの動きは停止した。
『おっと、前方に機影――ハイザックだな。今日の防空警備は中央派か……どうやら農協の船団よりは先に入れそうだね』
 皮肉げに言うサブリナの視線の彼方で、第223戦隊のP−04への進入を誘導するべく、RMS−106《ハイザック》の3機小隊が接近してくる。
 周辺航路には、回収してきたデブリやジャンクと思しき何かをいくつもの網に包んで満載し、頂部に低反動砲を残したままで作業機として運用されているらしいRB−79《ボール》数機を搭載した、浚渫船と思しき船舶の姿も見えていた。
 今やP−04は眼前にあった。
 港湾施設や居住区が遠目に見える、資源採掘用であろう小惑星。全長2kmほどだろうか。
 そして、そこからはルウム戦役で破壊されたスペースコロニーから回収・改造したと思しきフレームが周囲に伸びて、多数の農工業用プラント群を円環状に繋いでいる。そのプラント群は大抵のコロニーよりずっと数も多く、また密集しているように見えた。
 一年戦争緒戦のルウム戦役で完全に破壊された、新サイド4暗礁宙域の復興拠点P−04。
 ジオン残党が跳梁する魔の空域に穿たれた、地球連邦軍の前哨へと、アイネは足を踏み入れていく。
0278フェニックステイル第30話終了2020/08/14(金) 03:55:16.84ID:D/3zI9UV
今回はここまでです。もう少しエロ無しが続きますが、そこを抜ければ凌辱監禁系に入ります。
0280カイ ◆c12wmZgb8g 2020/09/18(金) 23:26:31.77ID:zhGmUlfn
ども、pixivに書いてる者です。
向こうで書いた作品をここに載せてみます。

ガンダム00のマリナがガンダムファイターになった作品です。
0281カイ ◆c12wmZgb8g 2020/09/18(金) 23:31:03.63ID:zhGmUlfn
失礼、下げます。
今日は遅いのでまた今度。
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