◾体育館での悲劇 6/8

『ヒロノリ降りろって言っとるだろうが! ちっちゃい子がマネする!』
『そんなとこ登っても全然カッコ良くないで!!』
『しつこいでヒロノリ!』

女子3人が口々に叫ぶ。

とうとうお母さん方も気付いた様だ。すぐにヒロノリの母親にも知らせがいく。
「ヒロちゃん! 降りなさいって! 何してるの? あんたバカじゃないの??」
ヒロノリの母親がヒロノリを怒った。

言い訳したいヒロノリだったが、女子達に脅されてこの状況というのはどうしても恥ずかしく、
内弁慶のヒロノリは怒りの矛先を母親に向けてしまう、、

「うるせえ!! 何が悪いんやババア!!」

…酷い反抗期だった訳じゃない。少年男児特有のしょうもないプライドだった。
ババアというのは、反抗期が始まった友達が、家でお母さんにやつ当たりしてたシーンをついつい再現したものだ。
男性読者ならこの心理、分かって貰えるだろうか、、

「ああそう。もう知らんけえな!!」
本当に小さい子がマネしたりしない限りは放っておいても大丈夫という事だったのか、
母親を始め大人達は呆れながらもその場から自然と去っていった。

痛みもおさまり、意を決して階段へと向かう、、