「ほら、吸って」
仰向けのナーガに馬乗りになり、胸をナーガの顔に押し付けるアキャンバー。
愛撫と快楽という概念を持たないナーガは機械的に乳首を吸い始めた。それでも。

「あ。うまい。そう、そうよ。あぁ…」
アキャンバーの声が湿り気を帯び始めた。
「なかなか上手じゃない。あなた、それなら他人に快楽を与えられるわよ。」
「じゃ、いよいよ挿れるわよ」
ナーガのペニスを上から掴み、自分の陰裂にあてがうアキャンバー。
ゆっくり腰を下ろしながら上下動を始める。

「締め付けられる!何かが体の中から湧き上がってくる!全身に電撃が走るようだ!これが快楽か!」
「そう、これが性交の快楽。宇宙で最も根源的で、支配性の強い感情の源よ!」

それからの二人は、上になり下になり、射精してはペニスを咥えてまた勃たせ、また交合を繰り返し続けた。
皮肉なことに、はたからはすっかり感情を失った獣の本能の姿にも見えた。

すっかり時間もわからなくなり、ナーガの全身から力が抜けきったころ。
「わかった?これが最高の感情よ。これを二人で互いに与え合うの。
キュウレンジャーにお嬢ちゃんがいたわよね。あなたのことを心配してたから、あの子に歓喜を与えてあげなさいよ。」

何かに取りつかれたように体を起こしたナーガは、何も言わずにその場所を出ていった。
その背中を見送りながらアキャンバーは、
「そう、あなたは彼女に感情を与える。でもそれは喜びじゃない。
洗脳された仲間に体を蹂躙された女が受け取るのは、
そして仲間の心を壊してしまったことを知ったあなたが受け取るのは、  「絶望」よ。

最高の感情を受け取りなさい。キャキャキャキャキャ」

ぞっとするほど冷たい嗤い声が響きわたるのだった。(了)