■有田聖孝の凋落 ― ■4.沙羅の思い出 (1/7)

将司ファンドの会長秘書・早瀬沙羅にクンニを強要され絶頂に導いた有田聖
孝はその日の夕方、皇国ホテルのレストランのウェイティングバーにいた。
待ち合わせの時間より少し早めに着いたのでキール・ロワイヤルを飲みなが
ら食事の約束をした早瀬沙羅を待っていた。

昼間に聖孝のクンニで絶頂した沙羅はしばらく大きな呼吸をした後、息を整
えると何事もなかったかのように
「ありがとう。ここの仕事はプレッシャーがキツくて性欲が溜まりやすいの
よ。また今度もお願いね。じゃ仕事に取り掛かりましょう。」
と言い打ち合わせを始めた。テキパキと財務状況の調査のために提出する資
料を指示し、今後の打ち合わせの予定を決めた。

帰り際に
「今夜一緒に夕食でもいかがかしら」
と誘われたので昔沙羅を抱くのに時々利用していたこのホテルのレストラン
に誘ったのだ。

(今日食事に誘われたのは何を目的としたものなのだろう? 聖孝に初めて
抱かれたときは処女だった沙羅だが、半年の間にかなり開発して女の悦びも
身体に植え付けてやったはずだ。あの頃の快感が忘れられなくて呼び出され
たのだろうか? だとしたら今夜は思いっきり責めて心ゆくまで逝かせてや
ろう。)
そんなことを考えながら聖孝は三年前の冴えないOLだった頃の沙羅のこと
を思い出していた。