■有田聖孝の凋落 ― ■4.沙羅の思い出 (6/7)

処女膜を破られる直前の絶望的な瞬間を沙羅にしばらく味わわせるため、そ
してその境遇に沙羅をおとしめる自分の力を実感する時間を楽しむために処
女膜を破る直前で数秒間動きを止めて時が訪れるのを待った。数秒待ってそ
の時間がもう充分だと自分で納得できた聖孝は行く手を阻むかよわい障壁を
いともたやすく打ち破ると一気に一番奥まで突き入れた。
「ィツゥーー!」
必死にこらえている沙羅だが、言葉にならない声を漏らしてしまう。表情か
らも痛みをこらえているのがわかる。そんな沙羅を哀れに思う一方でこの女
の処女を散らしたという達成感に酔いしれていた。

行為の後でシーツがかすかに赤く汚れていた、学生時代もあまり遊び慣れて
いなかったのだろうという推測を裏付けていた。見なかったフリをしてその
ことは何も沙羅には聞かなかった。