「また知らない天井だ…」


目が覚めた私は、すぐにいつも通りの笑顔を取り繕う。
隣で寝ている貴族の殿方に、少しでも印象を良くするため…汚れてしまった自分に、ローゼマイン様の側仕えとしての誇りを少しでも取り戻すため…。




私の名前はニコラ。
エーレンフェストの神殿でローゼマイン様の側仕え兼料理人をしている。
そんな私の生活は、ある日を境に変わってしまった。

ローゼマイン様…どうかお兄様を、止めてください…