■有田聖孝の凋落 ― 11.もう一枚の契約書 (4/9)

逝かないように耐えているつもりの聖孝だが五分も経たないうちに早くも
最初の絶頂に導かれた。
「あーー、イク、イクゥー」
聖孝は屈辱の言葉を口にして背筋を硬直させ、ペニスの先端から精液をした
たらせた。

今日はまだ沙羅がデンタータを投与していないのに聖孝が逝ってしまったのには
聖孝のアナルがディルドに慣れてきたという以外にも原因があった。
デンタータの副作用だ。デンタータを投与された状態で性器を刺激されて
絶頂を何度か経験した者は性器が受けた刺激と絶頂の際の筋肉の収縮を脳が
無意識のうちに関連付けて記憶してしまう。デンタータを投与されなくても
性器が同じような刺激を受ければ、絶頂の際に痙攣する筋肉が同様に収縮して
逝きやすい身体になってしまうことが報告されている。
この副作用は投薬対象者がセックス中毒になるリスクがあるため臨床試験で
一度の行為で投与する量をどうするかを慎重に評価しているのだが、
聖孝には絶頂に追い込むことを最優先に副作用のことなど考慮せずに
大量に投与しているためこの症状が顕著に現れているのだ。

「まだまだイケそうね」
絶頂してまだ息が収まらない聖孝のことなどお構いなしに沙羅は股間に
取り付けたディルドのピストンを続ける。一度絶頂した聖孝のアナルは
敏感に感じやすくなってしまっていたため、すぐに再び性感は高められて
喘がされてしまう。十数分の間に立て続けに二回目、三回目の絶頂に追い込まれ、
「イク、イクゥー」
と屈辱の言葉を口にさせられてしまった。