ここはルイーダの酒場―
今ここで、一人のある女遊び人(以下:ミキ)が一人の男の方を見ていた。
(あの人は…多分、達人ね)
男の武闘家の方も、それなりに場数を踏んではいたので、その視線に気づいてはいた。
「あ、あの〜ちょっといいですか?」
「やっぱりアンタか…さっきから何だよ。俺みたいな武闘家が、そんなに珍しいのか?」
「いやいや!格好いいお兄さんだな〜って」
あからさまな媚売ってますスマイルで迫るミキ。
「別におだてても何も出ないぜ。俺に用が無いなら他所へ、て?!な…っ?」
「用ならあるわ!」
いきなりホッペにキスをされて、少し調子が狂う男武闘家。
「いきなり過ぎだな。何だよお前の用って?…流石に、ここまでされちゃ多少の言う事は聞く他なさそうだし」
「早い話がボディーガードよ!」
「は?」
「なるべく早く、ちょっとレーベの村まで行きたいの!でもか弱〜い女の一人旅だと何かと不安
だったから、頼れる護衛の一人もいたらいいな〜っ、てね!」
ミキは仰々しく、わざとらしいポーズを決めながら言った。
「か弱いじゃなく、ド厚かましいの間違いじゃないかソレ?…」
「じゃあ、話もまとまった事だし出発進行!!」
「いや人の話聞けよ!?」