井川遥編その2

七月に入り、遥は研究の打ち合わせと称して頻繁に夜の教授室に入ってくるようになった。
そんな時は決まってミニスカートや、豊満な胸をアピールするかのような薄手の服を身につけていた。
「では教授、前立腺肥大症の新治療法についての臨床研究のプロトコールはこれでよろしいですね?」
「あ、ああ…」
暑い季節に差し掛かったためか、遥は薄手のパープルのブラウスとセクシーな黒いミニスカートを着用していた。
白衣を身にまとっていても、パックリと開いた胸元からは豊満な胸の谷間がチラリと垣間見える。極薄の黒いストッキングに包まれた美脚は、男を悩殺させる色気を放っていた。
姉歯はソファに横並びで目のやり場に困りつつも密着する遥の甘い髪の香りを味わいながら、陶酔状態で遥の話を聞いていた。
「もう、先生ったら!ちゃんと聞いてました?私の話!」
ぷりぷりと怒る仕草も愛らしい。この頃はもう、姉歯は遥の魅力の虜となっていた。
「も、もちろんだよ、井川先生…」
「最近すごく暑くなったから、のぼせちゃってお疲れになってるんじゃありません?」
「うーん、まあ、確かに最近疲れがとれないな。私も歳かな〜ハハ…」
「そう…お忙しいですものね先生…。じゃあ、私が癒して差し上げましょうか?」「えっ?」
遥はおもむろに横並びに座る姉歯の頬を撫でてきた。近頃は随分頻繁に私の部屋に押しかけ、時間を共にするようになった。
そんな遥の大胆な行動に、興奮が一気に高まった。
母親に頬を撫でられるかの如く慈愛の満ちた行為に、日頃のストレスが心から解消され、ウットリとさせられる。
「あ…ああ…」
「ふふふ…先生、最近アッチのほうのお元気はいかがですか?」
「えっ?」
「先生お忙しいから、アッチのほうもお疲れなんじゃないかしら?私でよかったら、マッサージして元気を出させて差し上げましょうか?」
「あ、ああ…いいのかい?た、頼む…」興奮のあまりゴクリと生唾を呑み込みながら返事をする。