一目惚れ……とでもいうのだろうか、優助は落雷が落ちてきたような衝撃を受けた。
「ああああ……」
 下半身がムクムクと起き上がったのだ。
(昨日、男の身体に未練が残らないように、あんなに抜いたのに!)
 優助は股間を押さえた。
「どの子に入る……って、聞かなくてもいいようね」
 女医に言われて、優助は顔が真っ赤になった。
「試験体X00037……通称、美菜子ね」
「……」
 優助は項垂れるばかりだった。
 思春期の少年にとって、少女はテレビや画像でしか見たことなかった。
 検閲によって女体なんて見れる機会は皆無だ。
 記憶の底に幼い頃、亡くなった母親の柔らかな感触が朧気に残っているだけだ。
 立体的で、柔和な少女の器に、優助は激しく勃起した。
「恥ずかしがらなくていいわ。男の子だもん、自然な反応よ。この椅子に座ってごらんなさい」
 優助は手術台のような椅子に座った。
 手足を暴れないようにと拘束された。
 手術着を捲られ、天井に向かってそそり立った肉棒が露わになった。
(ああ、チ×ポを、あの子……たしか、美菜子って子に擦りつけたい)
 本能的にそう思った。
 女医がゴム手袋嵌めてから、優助のペニスを掴んだ。
 そして、医療用AIロボに女医は命じた。
「メモリデバイスの転送先は、試験体X00037」
『確認します。蒼井優助のメモリデバイスの転送先は、試験体X00037号・牝・美菜子に間違いありませんか?』
「ええ」
 女医が答えると、AIロボはどこに目があって、どこから声を出しているのかわからなかったが、確かに少年に向かって再度訊ねてきた。
『蒼井優助、あなたの14年分のメモリデバイスの転送先は、試験体X00037号・牝・美菜子で間違いがありませんか?』
 優助は何度も唾を飲み込んだ。
 牝というところが、どうしようもなく重くのしかかってくる。