契約通り、報われない最期を迎えた。
――その場所に辿り着く。
そいつには仲間らしきモノもいたし、恋人らしきモノもいた。
その全てを失って、追い求めた筈の理想に追い詰められた。
行き場もなく。
多くの怨嗟の声を背負いながら、それでも、そいつは戦い続けた。
死に行く運命を知っていながら、それを代償(ささえ)に、己が手に余る“奇蹟”を成し遂げようとするように。
……けど、それも終わりだ。
辿り着いたのは剣の丘。
担い手のいない錆びた鋼の丘で、そいつの戦いは終わりを告げた。
――やはり独(ひと)り。
それでも、目に映る人々を救えたのなら、悔いる事など何もないと。
そいつは満足げに笑って、崩れ落ちるように、剣から手を放した。