完全しょうりかんせいかくてい [無断転載禁止]©bbspink.com
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「打ち砕かれよ。
敗れた者。老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に
従え。
休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、
あらゆる重みを忘れさせる」
「装うなかれ。
許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を」
「休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう
永遠の命は、死の中でこそ与えられる。
――許しはここに。受肉した私が誓う」
「――“この魂に憐れみを”(キリエ・エレイソン)」 それは不器用で、見ていてハラハラするほどだ。
けれど最後にはきちんと成し遂げて、その度に多くの人たちの運命を変えたと思う。
控えめに言っても、それは幸福よりだったろう。
不器用な戦いは無駄ではなかった。傷ついた分、死に直面した分だけきっちりと、そいつは人々を救えていたんだから。
……けれど、そこに落とし穴が一つある。目に見える全ての人、と言うけれど。
人は決して、自分を見る事だけはできない。
だから結局。
そいつは一番肝心な自分自身というやつを、最後まで救えなかった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています