裏やるっきゃ騎士


朝の聖愛学園正門。その学園を見上げる一人の男子学生、誠豪介は一言呟いた。
「ここが聖愛学園かあ」
豪介は、今日からこの学園に転校してきたのだ。その初日という事もあって、否応にも気合が入る。
(ヘヘッ、なんか力がみなぎってくるようだぜ!!それにしても何だ、こいつら?・・・・男のくせにうつむきやがって)
校門を入った豪介は、登校して来る周りの男子生徒達の元気の無い様子が気になった。その反面、女子生徒達は楽しそうに登校している。
そんな男子生徒と女子生徒の様子は、まるで陰と陽とにハッキリと分かれていた。そこで豪介は、ある男子に声を掛けてみる事にした。
「よう!俺、今日転校してきたんだ。よろしくな!」
「や・・・やあ」
男子生徒の返事は、どこか余所余所しくて、まるで覇気が無い。
(なんだ、こいつ・・・気のねえ返事だなぁ。・・・しっかし、それに比べ、女の子のハツラツとしてるし、カワイイ娘も多いいねぇ!)
豪介は、女子生徒達を眺め見て興奮し始める。そのいやらしい視線を感じたのか、女子生徒達は豪介から離れていく。すると豪介は、そんな事もお構い無しに、あちこちの女子生徒達に声を掛けていった。
「やあ!俺、豪介ってんだ。今日からここに転校してきたんだ。よろしくな!」
「な、なによアンタ・・・馴れ馴れしい」
「ねえねえ、そこの彼女〜!カワイイねぇ、なんて名前?」
「ちょっ・・・やだっ、離してよっ!」
豪介は人目も憚らず、女子生徒達をナンパし始めた。するとそんな時、「じ、自治クラブだ!」と言う男子生徒の声が響いた。ざわめく男子生徒達。豪介の周りに居た生徒達は、校庭に設置してある高台に集まり始めた。