「――なんで。何の取り柄もない私を、どうして選んでくれたのです。
私は貴方の言う通り、弱くてつまらない人間なのに」

「…わかんねえかなあ。だから、そこがいいの。オレが好きなのはアンタのそういう弱さだ。
自分が嫌いで、一生好きになれなくて、それが分かっていながら、少しでも上等な
自分になりたくて足掻いてきた。オレはそういう無様なヤツがいい。結果はどうあれ、自分の為に進むヤツが好きなんだよ」


「…なるほど。つまり貴方は、私がどうでもいい人間だから助けたのですね」

――ああ。

そんな平凡な人間だからこそ、そんな弱い君だったからこそ

―――オレには、かけがえのない光だった。