※(先程の話から色々エピソードを割愛、サミットが破綻した為「神討ち」の時間稼ぎ代理の手段を実行話し合う、とした場面)

「「国を、作る?」」
真奥と恵美が、天祢からの提案を聞いてその返答がハモる。
「…いや自分で提案をしておいてから言うのもなんだが、改めて言葉にするとアタシもちと引くな」

「いや当たり前だ。そんな簡単にほいほい国なんてものが作れんだったら、世の中
こうも戦争したりだなんさしてないだろうによ」
「あら逆も言えるんじゃないかしら?ほいほい作ったような国があるから
今もこんなに世界が、こうして現実に戦争を繰り返してる」

相変わらず真奥と恵美は、二人して変な拘りで衝突し、その仲は改めて普段通りの犬猿である
としたお約束的な流れに、天祢は微笑ましさと心強さも覚えつつ、今は時間が惜しいので
そのやり取りを断ち切るようにパンパン!と手を叩く。

「はいストップ!お二人の国談義についてはまた後日に気の済むまでやってもらうとして
今は神討ちするまでの時間稼ぎの件だ」

「お、おお。そうだな」
「…取り乱したわ」

「時に、二人は豊臣秀吉なる人物の「一夜城」の話を聞いたこと、あるかい?」

「「いちやじょう?」」
二人の返答のハモりが、雄弁な知らないと言う明快な回答だった。
「あんたらほんと、仲いいんだか悪いんだか…こっちも急ぎだし話進めさせてもらうけど。あの当時は
彼はまだ豊臣、ではなくて羽柴秀吉だったかな?」

天祢の話は、端的には「中立国を幻術で作りあげる」としたもので、ただ一から十まで全てがただの幻では
他者の「投石的な干渉」ですぐに看破されてしまう為、幻により現実的な強みを付与する
土台になる基礎的材料を集めろ、とした事だった―