(詩音)は目を覚ます。
(な―!?私が吐血し…いっ)
「ぎゃああああぁぁぁっ!!」
詩音のその悲鳴で痛覚が仕事をした事を証明する。
「ほう、まだ息があったか」
(こ、こいつ!…マジで「鬼」か!?…スタンガンまともにくらったハズなのに!!
当たりどころが悪けりゃ殺害に至ってもおかしくない威力のを!)
「や、やるねぇアンタ…伊達に、そんな古武術流派風な格好してない訳かい」
「…よもやそこまでだ「娘」。我の興が醒めた」
「だ…?!誰がむすめ、だと!?」
「この期に及んで衰えぬその胆力、気力は驚嘆に値するが」
(詩音)は両膝をついていた。
「立てぬ者との闘いを我はせぬ」
「うぎ!!…く、くぅうううぅ!!」
(ち、畜生ッッ!!た、立てよ!私!……こ、こんな所で怯んでられるか!!)
「ま、待てやごらアッ!!だ、誰が!………た、立てない、だとおおぉぉ!!
ぐ、ぐあああああああああああぁぁッ!!!」
咆哮。
骨折している部分も間違いなくあろうとした身体で、膝を無理に立て
全身を粉々に砕かれそうな痛みを感じて。
立った姿の「鬼」が「鬼」を睨んだ。
「死合う、て言ったろ……」
「…見事」
雛見沢村御三家・筆頭・園崎家現当主・「園崎魅音」と、殺意の波動を極めたとする鬼
との静かな闘いが幕を上げた。