「その言葉、そっくりお返しするわ!」
俺たちは今、この世界の真実を知るという「妖精の王様」に会いにいく途中―だったのだが。
「いやまあ…女の子に言う言葉として、確かに下品なのは認めるけどさ」
「そうよ!いきなり「おっぱい」て何?!」
「!」綾、自爆。
(自分で言って赤面してる…)
「僕がこの重なる街にくる前に、「この街」について知っている、なにか調べてる女の人がいたな、て話をしたら
綾の方から「どんな人(女)だったの?て聞いてきたもんだから、記憶にあった、一番目立つ部分がつい口をついて出たんだよ」
「最低…」
「そうは言うけど、僕だって一般的な男子高校生としてあれだけの立派なお―」
殺気。目の前から。
「OK!この話はやめよう!!」
「次は問答無用で額のど真ん中を射抜くわよ!」
「洒落にならない脅しはやめて!」
(…マジ死ぬかと思ったわ。)
「で、さ」
「何?」
「何でその人(女)の話を聞きたいと思ったの?」
「そ、それは…こ、この街について知ってる人の話なら、この街で起きる不可解な謎とかを解く手がかりの一つも」
珍しく饒舌に早口と言えるレベルで捲し立てる様に喋る綾。
「後は、何か機嫌悪くなってない?」
バチン!!
「…?悪いの、僕?」
「良くないみたいね、頭は」
(ただ何となくヤキモチを焼いたのか?とも思ったのだが、俺は追撃(平手打ち)を避けるべく、それ以上追求をしなかった)