(家に着いたよ〜! お母さんの反応もいつも通りだし問題なしっ! そっちはどう?)
 
 と、ここで空気を読んでくれない(読みようも無いが)陽葵が電脳通信で乱入。
 
 (昨日は楽しかったな〜! いっぱい出させてくれたから帰っても張ってる感全然ないし、久々に独り寝じゃなかったからぐっすり寝れて超スッキリだよ! 良かったら……)
 (ちょっと待ってくれ! いま取り込み中でなんだ!)
 (え? なに? 修羅場? まさかと思うけど叔母さんにバレちゃってる?)
 (いや、まだだけど……)
 (困ってるんなら一緒に考えたげるけど? 良かったら視覚と聴覚を共有させてくれる?)
 (そ、それは……)
 
 「あーーーっ! お兄ちゃん(電脳通信で)誰かとナイショ話してる! 変な顔するからわかるもん!」
 「あ、おい、透子……」
 「誰? ねぇ誰? 昨日コソコソとエッチした女!?」
 「な……!?」
 「ちょ、ちょっと透子。お仕事の連絡かもしれないでしょ?」
 「今日はお休みだよ? 会社の人だったらメールで済ませるのが普通だって、お兄ちゃん言ってたじゃん! お話ししてるってことは女だよ!」
 「でもまだそうと決……」
 「それもナイショでお話ししないといけないような……えっと、そっち系のお仕事してるとか……とにかく絶対に碌な女じゃないに決まってるよ! 不潔だよ!!」
 「……誠、どうなの……?」
 ビシッと指をさして断言してくる透子は、お兄ちゃん呼びに戻っていることに気がついていない。
 一方で訝しげな顔をしている母は、もう社会人である息子が風俗で夜明かしても頭ごなしに叱るのは行き過ぎだし、かといって透子の手前もあって放置するのも如何な物かと理性と感情の狭間で戸惑っているのだろう。
 
 (誠ちゃん、大丈夫?)
 (あんまり大丈夫じゃない。玄関先でお袋と透子に見つかって問い詰められてる)
 (えー? なんで?)
 (誰かさんが絶妙なタイミングでコールしてきたからだろうな……)
 
 陽葵に悪気が無いのは百も承知で攻める気も毛頭無いが、事実は事実である。
 
 (だから、なんで?)
 (俺がその……あんまり宜しくない女と一晩過ごして、その相手からのコールだって勘違いしてる)
 (なるほどぉ……意外と的を射てるねぇ、こりゃ鋭い!)
 (感心してる場合か?)
 (だぁって誠ちゃん結婚する気全然ないらしいしぃ? それ以前に私達付き合っても無い予定も無いらしいしぃ? でもたっぷりセックスした挙げ句に朝帰りだしぃ? しかも従姉妹だしぃ? 明らかに宜しくはないよねぇ?)
 (え? なに? もしかして何か何か根に持たれてるのか俺は?)
 (さぁてねぇ?)