ボルトボーイ

ボルトボーイ、それは祖父が小中学生の頃に活躍していたというヒーロー・・・
って、まさか自分がなるとは思ってもみなかったんだけど。
そもそもは父が謎の失踪をして数ヶ月、祖父の研究所を掃除していたら、
地が黄色で赤と黒の筋のあるぴっちりとしたスーツを見つけ、
祖父に聞いてみると、

「ボルトボーイ用の新型スーツ、試しに新ちゃんの適合率を調べてみるね。」

適合率ってどういう意味か分からずにいたが、

「93.9、よし、これを嵌めてボルトアップって叫ぶんだ。」

祖父と母の前でブレスレットを嵌めてボルトアップと叫んだら、
一瞬で光に包まれて衣服が消し飛んでしまうが、
急に股間がせり上がっていくような感じがしたので触れてみると、
豆みたいのが出てきて、
小さくても形が整っていた胸もゆっくりと平らになり、
豆みたいのが亀頭となって、卵巣が睾丸として下りてくると、
肩が張り出し、腕や脚、少し弛んできていた腹周りが引き締まって、
それを見計らうようにスーツ、
そして黄色のアンテナがある赤いヘルメットが装着されていくが、

「響そっくり、やっぱり親子ね。」
「か、母さん、娘が男になって平気なの・・・」
「響だって、お義父さんだってボルトボーイになる前は女の子だったんだから。」

母の一言はどんな暴言よりも破壊力のあったのは否めなかったが、
父の所在に関する情報を聞かされると、
父さんを助けるためにも戦おうと決意するのだった。