怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第7夜
タイトル通り怪盗が警察などに捕まってあんな事こんな事に遭う作品はここに投下してください。
長編短編バッドエンドグッドエンド一次二次どちらでもOK。
とにかく住人たちの心を盗む怪盗求む。
【前スレ】
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第5夜
エロパロ (BBSPINK)
【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。 またとっ捕まってヒィヒィいわされるだけなのにな
ひょっとしてそれが望みのドMさんなのかな? そんな……俺たちが敬愛し、天使と崇めている美少女怪盗さまが、まさか性奴隷志願の変態マゾ女だったなんて……
俺たちのために、危険を冒して警戒厳重な悪徳財閥の屋敷に潜入してくれてると感謝していたのに、実はわざと捕まって拷問されるのを望んでいたなんて……
もう何も信じられない 昨夜動画掲示板見たら、女怪盗が捕まって拷問受けてるのに、イキまくってる動画が投稿されていたぞ。
「もっとイジめてぇ!!」とか言って、泣きながら精子のおねだりをしたりで、股間から負け汁をしぶかせてる。
ケダモノ以下の浅ましい姿だったけど、あのコスって……売り出し中の美少女怪盗ルナグレイスじゃないのか?
AI動画にしては出来すぎてる
あのルナグレイスが真性のドMで、わざと悪徳富豪に捕まりに行ってるってのは本当なんだ……ショックだ…… ディープフェイクって知ってる?
ポストトゥルースって知ってる?
大多数のユーザーは、スネに傷ある金持ち連中による箸にも棒にも引っかからない品性皆無の無駄工作だと判断してるから
それより一緒に聞こえてくる男の声や雰囲気が某富豪様に似ているという指摘があって、元々富豪様を胡散臭いと思っていたひねくれ者たちが深掘りに動いてるらしいわよ
お生憎様♡ おお、ルナグレイス本人降臨?
フェイクにしてもアンタの乱れっぷりはエロいな
昨日からもう10回以上抜いてやったぜ
こんな結構なズリネタが転がってんじゃあ、少子化がますます加速するなあ あの動画の公開後、市民の間でルナグレイスのファンが爆増中だとか
ただしズリセンに使う極上のオカズとしてだけどw
聖なる美少女怪盗が、今や性なるズリネタだわ
教育団体とかフェミ界隈もルナグレイスを敵視し始めたようだし
けど、俺たちキモヲタ軍団は彼女を全面的に支持するぜ
ドM美少女のズリネタなんてのは滅多に手に入らない貴重なお宝だからな すごいな
例の動画、たった2日で1000万回再生を突破してるじゃないか
全世界のモテない君たちのオカズにされちゃって、ルナグレイスは興奮して濡れまくってるのだろうな
もう何枚のパンティがグチョグチョで使い物にならなくなったんだろう ttps://ul.h3z.jp/F0nPU8MP.png
(本当に……品性下劣ね。言葉も無いわ。) https://ul.h3z.jp/FPSbnlai.png
(どーせこういうフェイクバレバレのモデル見て盛り上がってるんでしょ? おめでたいわね) https://ul.h3z.jp/EUvfP5Lb.png
「いじわるぅ……♡ こんな格好で……人通りの多い路地に放り出されたらぁ♡
変態乳牛ルナグレイスは速攻発情しちゃって、衆人環視の中、恥ずかし粗相即キメした挙句、ご主人様の愛ある調教折檻♡で完全屈服コース行きなの確定しちゃうじゃないですかぁ♡」
https://ul.h3z.jp/DfKnJ2Jd.png
「ぴすぴす♡ ごしゅじんたま〜♡
だらしなくお乳が張ったJK怪盗のルナグレイスを、指ぱっちん一発で爆裂噴乳しちゃう言いなりペットにしてくださいませ〜♡ 」
https://ul.h3z.jp/T0VbS1r3.png
「ちょっとおバカでおケツもデカめっ♡/// でもでも♡ 愛するごしゅには尽くちまちゅっチュッ♡」
???「……思いのほか欲望丸出しのフェイク動画が出回ってるわね。ルナには見せられないわ。すぐ潰さないと」 にしても、あの悪徳富豪もバカなことをしたものね。
一度完敗したのだから、ムダな足掻きをせずに裁きを受け入れていれば良かったものを。
ルナはあなたを絶対許さないわよ。御愁傷様。 ナイス自爆エロ
ルナグレイスちゃんの自撮り画像、ごっつぁんです!
ドMさんとしては自縛もあるんですよね? 【本日宵闇が迫る頃、あなたの秘密と囚われの少女を頂きに参上します by怪盗ルナグレイス P.S.キタナイ顔を洗って待ってろよ(๑˃̵ᴗ˂̵)q】
「ふん、今度は彼女も本格的に怪盗を演じるつもりらしい」
悪徳富豪が無造作に机に放り投げたのは、ルナグレイスの予告状だ。
今朝の郵便物に紛れていたそれは、用心深く分析に掛けられた上で彼の元に届けられている。
「まあ小娘の浅知恵といったところか」
防護服を着用した上での成分分析では、有害な化学物質は検出されなかった。
まさか人を護ることを第一命題にしている正義の怪盗が無差別な攻撃をするわけがない。
怪訝に思って作業に当たった作業員だったが、悪徳富豪の睨んだ先は別にあった。 お風呂上がりのルナグレイスは裸のままベッドに横たわり、愛用のMacBookに視線を落としていた。
閲覧しているのは某動画投稿サイトであり、縛られた己の裸体が大写しになっていた。
閲覧数は既に5000万回を超えており、数万に至っているコメント欄は世界中あらゆる文字で埋め尽くされている。
「ハァ…ハァ……世界中のエロヲタどもが、あたしのアソコを見て自家発電してる……」
ルナグレイスの右手の中指は股間に添えられ、縦溝に沿って上下している。
その部分から溢れ出したエロ汁は、換えたばかりのシーツをすっかりダメにしていた。
「あ、あたし…世界中のヲタのオカズにされてるぅ……ハァ…ハァ……」
動画に被って流れるコメントを目で追いながら、ルナグレイスの鼻息はふいごのように荒く乱れている。
何度か繰り返して動画を再生した後、ルナグレイスはコメント欄から誘導されたルナグレイスのファンサイトに移動する。
そこにはAIを利用したフェイク画像が溢れており、そのほとんどがルナグレイスを侮辱するようなエロ画像であった。
悪徳富豪に捕らえられ、秘密のオークションに掛けられた設定の連作では、全裸でX字架に掛けられたルナグレイスを巡って熱い競りが繰り広げられている。
天井知らずに億の単位まで上がっていくさまを、ルナグレイスはうっとりとした目で見つめている。
もちろん、股間からは謎の液が溢れて、床はビショビショになっていた。
別の連作画像では、少女レイプ犯の証拠を探るため、米軍基地に忍び込んだルナグレイスが兵隊たちに取り押さえられていた。
兵隊たちはルナグレイスを上官に突き出すことなく、放棄された倉庫へこっそり連れ込み、そこで黒人兵士専用の慰安婦として飼うことにする。
黒人のぶっといモノを股間の二穴に同時にぶち込まれ、肩越しにそれを目視しながら別のペニスに舌を這わせる。
折角の獲物が逃げ出さないようにと、強烈な習慣性のある合成麻薬を打たれたのか、首を折られたアンプルや注射器がベッドの上に何本も転がっていた。
それら本物そっくりに作られた画像を目にしながら、ルナグレイスは何度も絶頂に達する。
「こ、こんなんじゃ……悪徳富豪の屋敷に潜入しても……まともにお仕事できないわぁ……」
すっかり自虐オナニーの虜になってしまったルナグレイスは、怒りにまかせて予告状を出してしまったことを、今更ながらに後悔していた。 あま、これはルナグレイスを責めるわけにはイクまい
怪盗だって女の子なんだから、自分がオカズにされてるとなると興奮してしまうだろうし、オナニーくらいするだろう
むしろ可愛いよルナグレイス https://ul.h3z.jp/IhqazRxT.png
〜〜絶対に許さないっ!!
こんなクソキモい妄想文章まで書き殴ってるなんて!! まあまあ、女怪盗が捕まってアレコレされるのがスレの本旨だし
また濡れちゃうだろうから、そんなに興奮しないで ルナたん、興奮してもうヌレヌレみたいだね
可愛いよ https://ul.h3z.jp/aOFykkHE.png
(ごめんね……ルナグレイス……あたし、また捕まっちゃった。でもあなたが負けないように、私も絶対諦めないから!)
悪徳富豪に囚われたフェアリキャットは静かに誓う。
怪盗少女の高潔な意志は、何人も侵せない。 ネコちゃんなら、もうヤク漬けにされて、既に富豪さまの言いなりに動くロボットになってるよ スレ的には美少女怪盗に捕まってもらわないと意味はないし、ルナっちだってエロ拷問で嬲りものにされるのは織り込み済みだろう
怪盗も富豪も俺たちもウィンウィンウィ〜ンな関係なのな 「ママー! ここって優しいお金持ちさんが住んでるんだよね!」
「そうよ。恵まれない人たちをいっぱい助けてるのよ」
「すごーい! あたしも将来はここで働きたいなぁ」
「あらあら、じゃあ宿題くらい軽く終わらせるくらい勉強できなくちゃね」
「ええ〜」
「あらシスターさん、こんばんは。ちょうど阿久野さんのことについて話してたんですよ」
「……こんばんは」
綺麗な星空だった。
遅い買い物帰りの母娘が去ると、悪徳富豪の屋敷周りは水を打ったように鎮まりかえっていた。
平和な、街の夜。
ドグッ!!
高い塀の向こうで上がった物騒な音が沈黙を破ったのは、遠く埠頭に向かうパトカーと救急車のサイレンが響き始めたのとほぼ同時刻のことだ。 https://ul.h3z.jp/qvDucZ6V.png
「招待したのはそっちの癖に、歓迎マナーがなっていないんじゃない?」
鈍い打撃音。
上段回し蹴りを側頭部に叩き込まれ、黒服の大男は膝から崩れ落ちやがて倒れ伏す。
微かな呻き声が漏れるのと同時に、彼の手からバトン型スタンガンが地面へと滑り落ちた。
周辺にいる他の黒服たちは、仲間が瞬殺されて怖気付き、足を震えさせるばかりだ。
「フェイスプレートにプロテクター。スタンガンにさすまた。重装備なのは良いけど、そんなへっぴり腰じゃあねえ」
ふふん、小馬鹿にするように鼻で笑う。
今、怪盗ルナグレイスは怒りに燃えている。
無闇やたらに激昂してはいないが、涼しい目の奥では富豪に対する敵対心がメラメラと燃え、好戦的な女戦士の顔が見え隠れしていた。
「くっ……! わああっ!!」
痺れを切らした一人の若い黒服が群れから飛び出し、ルナグレイスに襲い掛かる。その伸ばした手に何かが当たる感触がした。
「ああああーーって、え?」
瞬間、彼に影が覆い被さり、反射的に顔を上げる。 (ケツ−−−)
彼の頭に浮かんだのは、その二文字。
無敵の怪盗少女が今宵纏うドレスは、食い込みが少々はしたない、バニースーツにも似たハイレグレオタード。
埠頭での一悶着から悪徳富豪撃滅の覚悟を決めた彼女は、一旦アジトに戻り、お色直しを決め込んだのだ。
防刃性、耐薬品性に優れた繊維で編まれ、機動性も更に向上した、キュートさよりもセクシーさとカッコよさが際立つブラックスーツである。
闇夜に紛れる黒い戦闘服と、そこからすらっと伸びる白い脚のコントラストはなんとも美しい。
無論、同年代平均値より明らかに大きな垂れ気味ヒップには、黒い光沢のある生地がぴっちりと貼り付く事態となる。
いつものミニスカート衣装では扇状的ながらも薄布で隠されていた秘密の柔桃が、此度は検閲不可避の肢体のラインとともにそのだらしないR指定スレスレの輪郭を見せびらかしている訳で。
その怪盗稼業の足を、いや臀部を引っ張るデッドウェイトが、多幸感いっぱいの凶悪兵器としてーーー
どふぅん♡!!!!
黒服の若者の顔面に着弾した。
「おおーい! 新入りー!!」
「くそ! 怪盗! そいつを解放しろ!」
「ま、待ってよ。これは事故よ。この人の手がぶつかって宙返りに失敗しただけで---」
図らずも男の顔に尻餅をついた格好になり、慌てる怪盗少女。怒りの感情もこの時ばかりはどこかへ飛んでしまう。 どこうとした隙を狙われて攻撃されるのを恐れ、彼女は動くことができない。
若者はルナグレイスの重量たっぷりな尻に制圧されて、ピクピクと痙攣を繰り返している。
「ちょ、あんまり動かないでっ……」
若い黒服は股間の下でふごふごと息を吐く。
必死に息を吸おうとするが、顔面を隙間なく埋め尽くすたっぷりとした肉園に空気の流れを絶たれているのだ。
必然的に、汗で蒸れた黒い生地越しでしか酸素は得られない。
「いっ、今どくから---んっ♡!?」
一刻ほど前には、屈強な男たちから責めを受けていた、怪盗少女のとろとろアナル。
それが今、男の空気を求める抵抗運動を受け、デリケートな菊門から伝わる予想外の刺激が脊髄から脳に直撃する。
「んっ……? …おお”っ!?♡」
柔い、ピンクのお尻穴。
“絶対正義”を謳う、摩天楼都市の大スターとして人々の羨望と称賛をほしいままにしてきた乙女の、好きこのんで人様に触れさせるはずのない恥ずかしい穴。
その秘部は、短い期間に立て続けに無遠慮な侵略を許し続けたせいで、年齢不相応に「開発」されていたのだ。
痛みと嫌悪と羞恥しかなかった責め苦に対し、彼女の身体はなんとかしてやり過ごそうと受容方針を模索した。
アンサーは単純明快。それらの「苦痛」を、「快感」を伝える脳内麻薬に転換するという結論を下したのだった。
快感と不快感、嫌悪感と恍惚感がないまぜになった尻穴直送の未知の刺激が、夢見がちな金髪JK怪盗の脳みそをダイレクトにぶっ叩く。
街の英雄であるJK怪盗ルナグレイス様も、事態がこう相なってはアナルからの気持ち良さをただただ受けいれるしか無い。
「お″っなにっ、これ″っ♡!?」
ビクビクッ!♡
「あっ♡ ぅんっ…!」
「何だ? い、色っぺえ……」
「行くなよ、罠かも……つかエロいなマジで」
(い、息をっ……! 吸わせっ……!)
未知の快感に喘ぐ怪盗も、その尻の下の窒息寸前の若者も、少女の艶姿に見惚れる黒服連中も、誰も動き出せない。
エアポケットのような、奇妙な停滞時間。
やがて、何かを掴もうともがいていた若い黒服の手が、力を失いパタリと落ちた。
「あっ……」
かああっ、と頬を朱に染めながら、尻の下で気絶した男を申し訳なさそうに一瞥する。
「えっと……ご、ごめんなさい……?」
尻肉地獄(天国)に苦しみ抜いた犠牲者へルナグレイスが漏らしたのは、戸惑いながらの謝罪の言葉だった。
むっちりおケツで顔面制圧。からの幸せ窒息コンボ。
恵まれた肢体はそれそのままで凶悪無比な兵器たりえるのだ、と目撃者たちに知らしめる。
取り巻いていた黒服も、「俺にもかけて欲しい」と皆一様に思ったとか思わなかったとか。
しかし、当然ルナグレイスは内心穏やかではいられない。
(なんであんな気持ちにっ……!? あのオヤジのせいよっ!! レ、レディのお尻を、こんな風にしてっ……!!)
「ううぅ〜〜〜!」
怒りと羞恥に精神を掻き乱され、そのぶつけ先を探すルナグレイス。
今回、フェロモン分泌量操作などは一切行っていないが、それでも男たちの視線を釘付けにしたのは天性の魅力によるものだ。
やがておずおずと立ち上がった侵入者を認めた黒服連中は、我に返って獲物を構え直す。 「ゆ、る、さ、な、い〜〜〜!!!!」
「と、捕らえろおおお!」
ただならぬ殺意を察知した一人の号令と合図に、黒服の群れが一挙にルナグレイスへと殺到する。
手にした武具をめいめい振りかざし、確保しようとするがーーー
「がっ!?」
「ぐおっ!?」
「うわあぁっ!!」
次々に倒れる男たち。
あるものは顔面に靴跡が付き、あるものは獲物を奪われていた。
密集地帯ではスタンガンもさすまたも満足に振るうことが出来ず、ところどころで黒服たちの間で予期せぬ同士討ちが起きていた。
天下の美少女怪盗相手に、この失策は致命的である。
「なにをやってる! 相手は女だぞ! 1人だぞ! 何の武器も持ってないんだぞ!」
「ダメです、次々やられていきます! あっ……」
現状報告をしていた黒服の顎先を、空中に跳んだルナグレイスの足先が掠める。
次の瞬間、彼は膝を折って力無く崩れ落ちた。
「後ろがガラ空きだ怪盗め! …ぐおっ!?」
着地し、屈んでいた姿勢のルナグレイスの首元へ背後からスタンガンを押し当てようとしていた男は、素早く前転した彼女の踵で得物を叩き落とされた。
慌てて地面のスタンガンへ手を伸ばすも、頭頂部に強い衝撃を受けて瞬く間もなく昏倒する。
「ふん、お猿さんたちってこの程度? あの上司にしてこの部下ありねっ」
ぐしぐし、と黒服の頭を踏みつけながら、ルナグレイスは勝ち誇った。 「ぐっ……」
二十名はいた黒服たちだが、今立っているものは片手に余る程度。残りのものは倒れ、屈し、うめき声を口から漏らしている。
ルナグレイスは、道具を扱わなくとも驚異的な身体能力に裏打ちされた格闘能力を備えているーーーリーダー格の黒服が、昔聞いた噂を思い出す。
聞いた当初、「確かにそうであってもおかしくは無いだろうな」とは思った。
数多くの悪い金持ちを相手取り、その捕獲の魔の手をことごとく打ち払ってきたのだ。いくら高性能な装備に身を固めていても、当人に心技体が揃っていなくては摩天楼の守護者と呼ばれるまでには至らないはずだ。
だが、バックアップの兵装も無しに単なる小娘に過ぎない彼女が、いとも簡単に成年男性の攻撃をしのぎ、あまつさえ返り討ちにしていく事態は、警備の要として荒事に慣れてきた彼からは受け入れ難かった。
「私はあなたたちの雇い主を懲らしめてフェアリキャットを救えればそれで良いの。降参するなら見逃してあげても良いわよ」
当然、余裕を取り戻してきた彼女からの提案も飲み込める訳もない。手に持った警棒を強く握り締める。
「ふ、ふざけるな! おまえさえ捕らえれば俺の昇進が約束される!」
「あんなクズ親父に尽くしても何の意味ないと思うけど?」
言うが早いか、ルナグレイスは跳躍し顔面目掛けて飛び蹴りを放つ。 「くっ!」
「やるじゃない♪」
間一髪で防ぐリーダー格の男だったが、そんなことは織り込み済みとばかりに、着地したルナグレイスはよろめいた男の顔面へ上段回し蹴りの追撃を放つ。彼にはレオタードが食い込んだ股間を眺めている余裕など無かった。
「こ、このっ!」
これもなんとかガードする男だったが、ルナグレイの猛攻は収まらない。精神の方は既に大ダメージだ。
押されている。道具無しのただの肉弾戦で、小娘相手に完全に翻弄されている。
狼狽している敵の様子を見て取ったルナグレイスは顔面への集中攻撃を止め、よろめいた彼の足を素早く払い、いとも容易く転倒させる。
「ぐえっ!?」
彼女は情け無く転がされた男に向かって拾ったスタンガンを見せびらかした。茶目っけたっぷりに舌を出したのは、彼女は悪者が自分に屈するという、「『正義執行』の感覚」が大好きだからだ。
「ふっふーん♪ さよーなら♪」
バチィ! と機器に電流が煌めいた。それが黒服連中最後の一人が、最後に見た光景になった。
「ふぅ……ん、しょ……」
完全決着。庭に転がった黒服たちを眺めながら、ルナグレイスはそう確信した。
くいっ、くっ……つ、つ……♡
満足感に包まれつつも、手は思い掛けず尻肉に食い込んだレオタードを直すのに忙しい。
(お尻のお肉が……これからはスイーツ控えよ……)
前回この決戦装束を着たときからはそれほど間が立っていないのにも関わらず、尻回りの圧迫感は明らかに強まっている。
「あいつのせいだから。あの悪ーいおじさんにはたっぷり罰を受けてもらわないとね」
冷静になり、自信を取り戻した彼女にもはや隙は無い。機械仕掛けのネズミたちの加勢を得られなかったとしても、彼女は以前怪盗としての輝きを失わない。 不幸はと言えば悪徳富豪である。
最初に対峙したとき、電流を受け昏倒した男に対してルナグレイスは、極論、彼の命を奪うことさえできたのだ。
そこを慈悲と更生への願いを込めて、「悪事を暴いた上での逮捕」という人道的な措置を施したのは、実は彼を「慮って」のことである。
正義の鉄槌を受け、曲がった性根は真っ直ぐに叩き直された筈だという少女の純なる期待を、あの浅ましい小悪党は裏切ったのだ。
見苦しく身を捩らせて追及から逃れる醜態を晒した時点で、もはや正義の怪盗から慈悲は得られない。仏の顔も三度までというが、ルナグレイスは一度きりなのである。
「『絶対』フェアリキャットは助ける。『絶対』あのオヤジはもっかい叩き潰す。『絶対』水無月の真珠も渡さない」
誓いのように、自己暗示のように、彼女は呟く。その手には、水無月の真珠が入ったジュエリーケースが握られている。
あまつさえフェアリキャットを人質に取り、摩天楼の守護者たる彼女に屈辱を与えた上で再挑戦してきたのは、釈迦に反抗した孫悟空の如き身の程知らず加減という他ない。
その身に待つのは、全身を灼かれて没落という地の底へ叩きつけられる運命のみ。
悪因悪果は世の常だ。 (阿久野、あんたは上手く逃げ切れたと思っているんでしょうね)
富豪は知らないだろうが、あの孤児院に寄付という上っ面善人ムーブがテレビで報道されて以降、悪徳富豪の身辺を調査検証するネットの暇人探偵の活動が盛んになっているのだ。
彼らの集まりであるネット掲示板のスレッドには、素人とは思えないほど鋭い意見と詳細な追跡記録が多数書き込まれ、今なおどんどん勢いを増している。
報道直後こそ富豪賞賛に傾いたネット世論だったが、高慢さを隠し切れない悪徳富豪の態度と言動は、ネット世界の掃き溜めにいた天邪鬼な掲示板ユーザーに「いけ好かない成功者の化けの皮を剥がしてやろう」と勢いづかせる結果になったのである。
「監視カメラね。黒服たちがあっさり負けたところ見ておしっこチビって無いでしょうね?」
いくら善行でカモフラージュしようが、彼の本質は悪人。物欲・色欲・権勢欲に骨の髄まで焼かれた、端的に言って金満のクズでしか無い。
そして今日もまた、ほとんど素人娘であるフェアリキャットを苦しめ、手駒の傭兵たちを一切の手心無く始末しようとした。罪の上塗りに際限が無い暴走中年だ。
残された救いの道はただ一つ。ルナグレイスの正義の鉄槌を受けること。
「ばあん♪ ぺーんぺん♪」
屋敷を壁面に掲げられた監視カメラに向かって、指で作ったピストンを撃ちウインクする。
その後くるりと身を翻してレオタぴっちりのお尻をぺんぺんしたのは、ルナグレイス流の意趣返しであり、「あなたが負けた日の再演をしてやるわ」という宣戦布告なのだ。
いざ敵の本丸へ。彼女は屋敷の扉を開けた。