「さすっててやるから頑張れ、な」
「うん……ぐすっ、痛いよぅ…」
ぎゅっとつぶった目の端に涙が浮かぶ。
「…うぅー…、はあ…はあ…お腹…いたい…」
そうしてしばらくうんうんと唸って苦しがっていたが、やがて波が引いてきたようで、ほっとしたような顔になる。
そしてまたしばらくすると腹痛の波が襲ってきて…と、何度も繰り返した。
家人が不在の家に、こんなに体調を壊した彼女を一人で帰すことはできない。しばらく面倒を見ると決めて、俺は冷蔵庫から何かを持ってきた。
「それ…何ですか?」
「アイスノンだよ。」
「わたし…熱はないよ…むしろ、寒いみたい…」
「いや、ほら、お腹痛い時はトイレで出しちゃえば楽になるだろ。でも、出ないんだよな」
「うん…くるしいだけ…全然出ない…」
「じゃあさ、冷やしたりして一旦もっとお腹壊せば、下痢で全部出せるんじゃないかなって」
「えっと、…そうなの?」
「分からないけど、このままだとずっとお腹痛いの治まらなさそうだし、やってみる価値はあるんじゃないかな」

続く…か?