職場の新人が、クレーム処理でクライアントに責め立てられて泣いた。
カウンターでうつむいたまま、ポニーテールの両側にのぞく耳たぶ赤くして固まってる後ろ姿を見て、先輩の女子社員が駆けつけた。
一言二言先輩と交わして、クライアントに頭を下げて、振り向いた顔が真っ赤に紅潮、涙がこぼれるのを必死でこらえてる表情。
小走りでオフィスに戻ってきて、衝立の裏に入った途端、顔を覆って激しく泣きじゃくりだした。
忙しい時間帯で、本人は早く泣き声を飲み込んで、涙を手早く拭おうとするのだが、ますます顔全体が赤くなって、涙も頬全体に広がる悪循環。
睫毛が長くて、涙袋もふっくらした顔立ちだから、泣き濡れて腫れたまぶたが特に目立ってしまい、鼻も真っ赤で、泣き顔を隠しようがない。
5分くらいして、鏡を出してハンカチで目の縁を拭いだしたが、涙がぼろぼろ勢いよくあふれて追いつかず、却って「ううっー」と絞り出すような泣き声をもらして、大泣きになってしまった。
10分くらいで救援に行った先輩社員が戻って。「大丈夫よ」と声をかけたら、もはや涙を拭おうとせず、長い睫毛の先や顎からぽたぽた滴をこぼして、肩大きく揺らしてしゃくり上げ。
そのまま昼休みに入って、先輩や同僚に慰められながら泣き続けたらしく、午後に一応化粧を直してオフィスに戻ってきた時も、まだ白目がほんのり充血、まぶたや頬の赤みを隠しきれず、泣き腫らした跡がくっきり残ってた。
それでも涙声にならないように、声の調子だけはキビキビ、気丈に振る舞ってるのが健気でかわいかった。