一般小説 「化学探偵Mr.キュリー」 第5巻 著:喜多 喜久

第5話『化学探偵と冷暗の密室』にて、化学准教授である主人公・沖野と、庶務課の新人・舞衣が冷蔵室に閉じ込められる。
寒さから尿意を催した舞衣の、徐々に切迫感が増していく一人称視点での我慢描写は長く、実に22ページに達する。
最終手段としての容器放尿の発案や、肩車イベントでの、もし漏らしてしまった場合はこうして下さい等の想像力を働かされる会話、
肩車からの崩れ落ちイベントで限界中の限界にまで達するといった描写あり。
結局助けが来てヨロヨロとトイレに向かう安全なオチだが、しかし我慢描写は健全な一般小説の中では屈指だと思われる。