「ここまで長いようで短かったわね」
ロビーに設置されたオブジェを見ながら、私は言った。
「摂食、呼吸、排泄を管理するユニットとデーターを取るユニットも正常に稼働してる」
佳奈はそう呟くように言った。
「柵みたいなものを作らないとね」
「会員への説明も必要かしら」
「名前もつける?」
他の3人が口々に言った。
「どれぐらい保てそうなの?」
「10年、20年・・・。それも研究対象だから」
 私の質問に佳奈がそう答えた。
「定期的にバイブレーターの振動と全身に電流を加えるからすぐには終わらない。それに・・・」
 一度言葉を区切り、さらに続けた。
「まだ終わりじゃない。これにはまだクラブの役に立ってもらう」
「どういうこと?」
 私の質問に佳奈が答えた。
「そこまで考えていたの!流石ね」
それを聞いた私は。感心してしまった。他の3人にも同じ様に説明すると一様に半ば呆れながら感心していた。
「それもお礼の一部だから」
佳奈は最後にそう付け加えた。
「じゃあ、そのための準備もしないといけないわね」
私はそう締めくくると、再びオブジェに目をやった。
「良かったわね。まだ、クラブの役に立てるのよ」
そう語りかけるように言った。