(えっ・・・!)
いくつかの小さな穴の間から、クリーム色の天井が見えていた。
意識があるのかないのかさえ分からない状態ではなく、今は明らかに意識があった。
(確か私は・・・永久拘束されてた・・・)
まだぼんやりとはしていたけど、少しづつ自分の状況が分かってきた。ベッドに仰向けに寝かされていて、手足の拘束と視界を奪っていたマスクは外されている。
試しに体に力を入れてみると、手足が少しだけ動いた。
(何時の間に・・・どうして・・・)
そんなことを考えていると、不意に女性の声が聞こえた。
「あっ。気がついたみたい」
「本当に人形じゃなかったんだ」
「それじゃあ、打ち合わせ通りに」
3人の女性が、私をベッドから起こして横にあった車椅子に座らせた。そして手足と首をベルトで車椅子に縛りつけて拘束した。
(この人たちは・・・?見覚えのない人ばかり・・・)
そこには3人の女性がいて、1人は白衣を着ていた。私はそう思ったものの、白衣を着た女性はどこか見覚えのある感じがした。
「初めまして。私は楓」
「私は、理沙です」
「葵です。初めまして」
3人がそれぞれ名前を言った。
「で、どうする?」
「私が説明する。一人で話した方が早いと思うから」
「じゃあ、お願いする」
「二人は、お祝いの準備してて」
白衣を着た葵と名乗った女性がそう言うと、後の二人は部屋を出て行ってしまった。
「説明をする前に、改めて自己紹介を」
 そう言うと、女性は笑顔で自己紹介をした。
「私は神崎葵です。初めまして。沙織お姉ちゃん」
(えっ・・・!)
「嘘じゃないですよ。正真正銘、私はあなたの妹です」
 驚いた私を見透かしたように、葵はそう言った。
「今からちゃんと説明しますね。因みにあの二人もこのことは知ってますから」
笑顔でさらにそう続けた。